JP2017154421A - 積層フィルムおよび透明導電性フィルム - Google Patents

積層フィルムおよび透明導電性フィルム Download PDF

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義隆 大林
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Abstract

【課題】透明性が高く、かつ耐ブロッキング性良好で、剥離帯電が小さい積層フィルムを提供する。【解決手段】基材フィルムの少なくとも一方の面に、基材フィルム側から順に、樹脂層(A)および粒子含有樹脂層(B)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層(A)は帯電防止剤を含有し、前記粒子含有樹脂層(B)に含有する粒子の平均粒子径(r:μm)と、粒子含有樹脂層(B)の厚み(d:μm)との比率(r/d)が0.5以下であることを特徴とする、積層フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、透明性が高く、かつ耐ブロッキング性の良好な積層フィルムに関し、詳細には透明導電性フィルムに好適な積層フィルムに関する。
基材フィルムにハードコート、反射防止フィルム等の機能樹脂層が積層された積層フィルムは、ディスプレイやタッチパネルの表面保護フィルムや光学フィルムとして、あるいはタッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルムとして用いられている。
これらの用途に使用される積層フィルムは、フィルムが連続して巻き取られた長尺ロール形状で提供されることが多い。表面の平滑性が高いハードコート層付きフィルムが巻き取られた際、重ね合わせたりすることで、ハードコート層付きフィルムのハードコート層表面と、基材フィルムの表面とが貼り付いてしまう、いわゆる「ブロッキング」という現象が生じることがある。ブロッキングが生じると、製品の製造時にハードコート層付きフィルムの帯電による埃、異物付着等が発生または塗布ムラ等の発生が生じ、製造が困難となる場合もあれば、歩留低下の大きな一因となる問題があった。
ハードコートフィルムの耐ブロッキング性を改良するために、平均粒子径が300nm以下の粒子を含有させ、表面の平滑性を損なわない程度の表面凹凸を形成する方法が提案されている(特許文献1および2)。
また、平均粒子径が100nm以下の粒子を2種と易滑粒子を組み合わせ表面凹凸を形成する方法が提案されている(特許文献3)。
特開2009−035614号公報 特開2009−132880号公報 特開2015−131942号公報
しかし、上記特許文献1,2に記載されているように、ハードコートフィルムに平均粒子径の大きな粒子を含有させると、ブロッキング性は抑制できるが、光学特性(ヘイズや全光線透過率)の低下が問題となることがある。
また、上記特許文献3に記載されているように、平均粒子径の小さな粒子を用いることで光学特性の低下は抑制されるが、耐ブロッキング性が不十分であり、ロール状フィルムを巻き解くときになどに剥離帯電が生じることがある。
従って、本発明の目的は、上記従来技術の課題に鑑み、透明性が高く、かつ耐ブロッキング性が良好で、剥離帯電が小さい積層フィルムを提供することにある。本発明の他の目的は、透明導電性フィルムに好適な積層フィルムを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
[1]基材フィルムの少なくとも一方の面に、基材フィルム側から順に、樹脂層(A)および粒子含有樹脂層(B)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層(A)は帯電防止剤を含有し、前記粒子含有樹脂層(B)に含有する粒子の平均粒子径(r:μm)と、粒子含有樹脂層(B)の厚み(d:μm)との比率(r/d)が0.5以下であることを特徴とする、積層フィルム。
[2]前記粒子含有樹脂層(B)の厚み(d)が3.0μm未満である、[1]に記載の積層フィルム。
[3]前記粒子含有樹脂層(B)表面の原子力間顕微鏡で測定される表面粗さ(Ra)が2.0nm以上7.0nm以下の範囲である、[1]または[2]に記載の積層フィルム。
[4]積層フィルムのヘイズ値が1.0%未満である、[1]〜[3]のいずれかに記載の積層フィルム。
[5]前記基材フィルムの樹脂層(A)および粒子含有樹脂層(B)が設けられた面とは反対面に、易接着層を介して活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)を有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の積層フィルム。
[6]前記活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)表面の原子力間顕微鏡で測定される表面粗さ(Ra)が2.0nm未満である、[5]に記載の積層フィルム。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の積層フィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜を有する、透明導電性フィルム。
本発明によれば、透明性が高く、かつ耐ブロッキング性が良好で剥離帯電が小さい積層フィルムを提供することができる。本発明の積層フィルムは透明導電性フィルムのベースフィルムに好適である。
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に、基材フィルム側から順に、帯電防止剤を含有する樹脂層(A)、粒子含有樹脂層(B)を有し、粒子含有樹脂層(B)における粒子の平均粒子径(r:μm)と、粒子含有樹脂層(B)の厚み(d:μm)との比率(r/d)が0.5以下であることを特徴とする。
本発明の積層フィルムは、粒子含有樹脂層(B)に含有する粒子の平均粒子径(r)が粒子含有樹脂層(B)の厚み(d)より十分に小さいにも関わらず、良好な耐ブロッキング性が得られる。これは、粒子含有樹脂層(B)に対して基材フィルム側に配置される樹脂層(A)が帯電防止剤を含有することにより、粒子含有樹脂層(B)に含有する粒子が粒子含有樹脂層(B)表面(基材フィルムとは反対側の表面)に局在(浮上)しやすくなり、その結果、耐ブロッキング性に有効な微小凹凸構造が形成されることが寄与していると推測される。
以下、本発明の積層フィルムを構成する各構成要素について詳細に説明する。
[基材フィルム]
本発明における基材フィルムは、プラスチックフィルムが好ましく用いられる。基材フィルムを構成する材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、およびこれら樹脂を混合および/またはこれら樹脂の共重合したものが挙げられる。これらの樹脂を未延伸、一軸延伸、二軸延伸してフィルムとしたものを基材フィルムとして適用することができる。
上記した基材フィルムの中でも、透明性、寸法安定性、機械的特性、耐熱性、電気的特性、耐薬品性などに優れていることから、ポリエステルフィルムが好ましく、特にポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)が好ましく、中でも二軸延伸されたPETフィルムが好ましく用いられる。
基材フィルムの厚みは、10〜300μmの範囲が適当であり、20〜200μmの範囲が好ましく、23〜125μmの範囲がより好ましい。
[樹脂層(A)]
樹脂層(A)は、基材フィルムと粒子含有樹脂層(B)との間に設けられる。樹脂層(A)は、基材フィルムに直接に積層されていることが好ましい。樹脂層(A)は、基材フィルムと粒子含有樹脂層(B)との密着性を向上させる機能を有することが好ましい。
樹脂層(A)は、樹脂を主成分として含有する層である。つまり、樹脂層(A)は、樹脂層(A)の固形分総量100質量%に対して樹脂を50質量%以上含有する層である。樹脂層(A)における樹脂の含有量は、更に、60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が特に好ましい。上限は98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、特に90質量%以下が好ましい。
樹脂層(A)を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂を単独あるいは複数種併用することができる。
基材フィルムと粒子含有樹脂層(B)との密着性を向上させるという観点から、樹脂層(A)を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂およびこれらの共重合樹脂(例えばアクリルウレタン共重合樹脂)からなる群の中から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
上記ポリエステル樹脂は、主鎖あるいは側鎖にエステル結合を有するもので、例えば多価カルボン酸成分とジオール成分とから重縮合して得られるポリエステル樹脂を用いることができる。
多価カルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。
ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
さらに、ポリエステル樹脂の水溶化あるいは水分散化を容易にするために、3価以上多価カルボン酸やスルホ基を有するジカルボン酸等を共重合して、側鎖に親水性基(カルボキシル基やスルホ基)を有するポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
上記アクリル樹脂としては、例えばメチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、グリシジルメタクリレートから選ばれる共重合体などがある。さらに、アクリル樹脂の水溶化あるいは水分散化を容易にするために、スルホ基を有する化合物やカルボキシル基を有する化合物(アクリル酸、メタクリル酸など)を共重合することが好ましい。
上記ウレタン樹脂は、分子内に有するウレタン結合を有する高分子化合物のことであり、通常、ポリオールとポリイソシアネートの反応により合成される。
ポリオールとしては、例えばポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類などが挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシルジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
さらに、ウレタン樹脂の水溶化あるいは水分散化を容易にするために、スルホ基を有する化合物やカルボキシル基を有する化合物を共重合することが好ましい。
上記アクリルウレタン共重合樹脂としては、例えば、上記したアクリル樹脂と上記したウレタン樹脂との共重合樹脂が挙げられる。アクリルウレタン共重合樹脂におけるアクリル樹脂とウレタン樹脂の割合(アクリル樹脂/ウレタン樹脂)は、質量比で、「10/90」以上「70/30」以下が好ましく、「20/80」以上「50/50」以下であることが特に好ましい。
樹脂層(A)は帯電防止剤を含有する。かかる帯電防止剤としては、既知の無機系帯電防止剤や有機系帯電防止剤を使用することができる。無機系帯電防止剤としては、例えば、導電性金属酸化物微粒子が挙げられ、有機系帯電防止剤としては、例えば、イオン性界面活性剤、イオン液体、π共役系導電性高分子化合物、イオン性高分子化合物が挙げられ、これらの帯電防止剤を単独もしくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、粒子含有樹脂層(B)に含有する粒子を粒子含有樹脂層(B)表面に効果的に局在(浮上)させるという観点、および積層フィルムの高い透明性を得るという観点から、有機系帯電防止剤が好ましい。
導電性金属酸化物微粒子としては、酸化錫インジウム、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、アンチモン酸亜鉛、酸化アンチモン等が挙げられる。
イオン性界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤および陽イオン性界面活性剤が挙げられる。陰イオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸塩、長鎖脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。陽イオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤などが挙げられる。
イオン液体は、カチオンとアニオンとからなり、常温(23〜25℃)において液体状態となるものを意味する。カチオンとしては、第4級アンモニウム系カチオン、第4級ホスホニウム系カチオン、イミダゾリウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン、ピロリジニウム系カチオン等が挙げられ、アニオンとしては、ハロゲン、フルオロ有機アニオン等が挙げられる。
イオン液体の具体例としては、例えば、トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウム・テトラフルオロボレート、トリエチル(メトキシメチル)ホスホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1,3−ジメチルイミダゾリウム・クロライド、1,3−ジメチルイミダゾリウム・ジメチルホスフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・クロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ブロマイド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・クロライド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−エチルピリジニウム・クロライド、1−エチルピリジニウム・ブロマイド、1−ブチルピリジニウム・クロライド、1−ブチルピリジニウム・ブロマイド、1−ブチルピリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・ブロマイド、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・ヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
π共役系導電性高分子化合物は、主鎖がπ共役系で構成されている高分子化合物であれば特に限定されず用いることができる。例えば、脂肪族共役系のポリアセチレン、ポリアセン、ポリアズレン、芳香族共役系のポリフェニレン、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)、分子中に複数の共役鎖を持つ共役系である複鎖型共役系、これらの導電性高分子の誘導体、及び、これらの共役高分子鎖を飽和高分子にグラフトまたはブロック共重した高分子である導電性複合体が挙げられる。これらの中でも、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等のπ共役系導電性高分子化合物がより好ましい。
イオン性ポリマーとしては、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマーが挙げられ、これらの中でもアニオン性ポリマーが好ましい。
アニオン性ポリマーは、分子中にアニオン性基と反応性の不飽和結合を有するモノマーを重合させて得ることができる。アニオン性基としては、例えば、スルホン基、カルボキシル基、リン酸基等とその塩が挙げられ、このようなアニオン性ポリマーの例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(メタ)アクリル酸、およびこれらの塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩)が挙げられる。
カチオン性ポリマーは、分子中にカチオン性基と反応性の不飽和結合を有するモノマーを重合させて得ることができる。カチオン性基としては、例えば、第1〜3級アミノ基、アミド基、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等の置換基を有するポリマーが挙げられる。このようなカチオン性ポリマーの例としては、ビニルアミン、アリルアミン、アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等の重合体が挙げられる。
粒子含有樹脂層(B)に含有する粒子を、粒子含有樹脂層(B)表面に効果的に局在(浮上)させるという観点から、樹脂層(A)に含有させる帯電防止剤としては、さらに、π共役系導電性高分子化合物およびイオン性ポリマーが好ましく、特にπ共役系導電性高分子化合物が好ましい。
また、π共役系導電性高分子化合物の中でも、ポリチオフェンからなる導電性高分子が好ましい。また、イオン性ポリマーの中でも、アニオン性ポリマーが好ましく、さらにポリスチレンスルホン酸もしくはその塩が好ましい。
π共役系導電性高分子化合物は、積層フィルムのヘイズ値の上昇を抑制し、良好な帯電防止性能を発現するという効果もある。
π共役系導電性高分子化合物を使用するに当たり、有機スルホン酸、有機カルボン酸、塩化鉄等の陰イオンをドーパント(電子供与剤)として添加し、複合体として使用することもできる。この複合体を用いることにより、粒子含有樹脂層(B)における粒子の局在(浮上)効果および帯電防止効果がさらに高められる。また、この複合体は、樹脂層(A)を形成するための塗布液が水系分散体である場合、塗布液への添加が容易になる。
上記複合体を構成するπ共役系導電性高分子化合物としてはポリチオフェンが好ましく、さらに、チオフェン環の3位と4位の炭素原子に酸素原子が結合した化合物が好ましい。ドーパントとしての陰イオン化合物としては、遊離酸状態の酸性高分子化合物が好ましく、例えば、高分子カルボン酸、高分子スルホン酸、ポリビニルスルホン酸等が挙げられる。高分子カルボン酸としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等が例示され、これらの中でもポリスチレンスルホン酸を用いることが特に好ましい。なお、これらの遊離酸は一部が中和された塩の形であってもよい。また、陰イオン化合物は、共重合可能な他のモノマー、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等と共重合した形で用いることもできる。その際、陰イオン化合物中の他のモノマーの割合が20質量%以下であることが好ましい。
陰イオン化合物として用いられる高分子カルボン酸や高分子スルホン酸の分子量は特に限定されないが、塗布液の安定性の観点から、質量平均分子量が1,000以上1,000,000以下であることが好ましく、より好ましくは5,000以上150,000以下である。また、陰イオン化合物の一部が、リチウム塩やナトリウム塩等のアルカリ塩やアンモニウム塩であってもよく、陰イオンが中和された塩の場合も、ドーパントとして作用すると考えられている。これは、非常に強い酸として機能するポリスチレンスルホン酸とアンモニウム塩は、中和後の平衡反応により酸性サイドに平衡がずれるためである。これらの陰イオン化合物を、チオフェン構造を有する化合物の重合時に添加することにより、本来は水に不溶なポリチオフェン構造を有する化合物を、水分散或いは水性化し易くすることができる。さらに、陰イオンの酸としての機能がポリチオフェンのドーピング剤としての機能も果たして、帯電防止性の向上につながる。
上記複合体の具体例としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が挙げられる。
樹脂層(A)における帯電防止剤の含有量は、樹脂層(A)の固形分総量100質量%に対して0.5〜30質量%の範囲が好ましく、1〜20質量%の範囲がより好ましく、特に2〜10質量%の範囲が好ましい。
樹脂層(A)は、更に架橋剤を含有することが好ましい。樹脂層(A)は、上述の樹脂と帯電防止剤と架橋剤を有する層であって、熱によって硬化せしめられた層、つまり、熱硬化層であることが好ましい。樹脂層(A)をこのような熱硬化層とすることにより、基材フィルムと粒子含有樹脂層(B)との密着性をさらに向上させることができる。樹脂層(A)を熱硬化するときの条件(加熱温度、時間)は特に限定されないが、加熱温度は70℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましく、150℃以上が特に好ましく、200℃以上が最も好ましい。上限は300℃以下が好ましい。加熱時間は5〜300秒の範囲が好ましく、10〜200秒の範囲がより好ましい。
上記架橋剤としては、例えばメラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メチロール化あるいはアルキロール化した尿素系架橋剤、アクリルアミド系架橋剤、ポリアミド系樹脂、アミドエポキシ化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などが挙げられる。これらの中でも、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤が好ましい。
樹脂層(A)における架橋剤の含有量は、樹脂層(A)の固形分総量100質量%に対して0.5〜30質量%の範囲が好ましく、1〜25質量%の範囲がより好ましく、特に2〜20質量%の範囲が好ましい。
樹脂層(A)は、積層フィルムの製造工程における適度な滑り性や巻き取り性を確保するという観点から、粒子を含有することが好ましい。
樹脂層(A)に含有させる粒子としては特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ゼオライトなどの無機粒子や、アクリル粒子、シリコーン粒子、ポリイミド粒子、テフロン(登録商標)粒子などの有機粒子が挙げられる。また、有機粒子は、架橋ポリエステル粒子、架橋ポリスチレン粒子などの架橋重合体粒子であっても良いし、コアシェル粒子などであっても良い。これらの中でもシリカ粒子が好ましく、特にコロイダルシリカが好ましい。
樹脂層(A)における粒子の含有量は、樹脂層(A)の固形分総量100質量%に対して0.05〜10質量%の範囲が好ましく、0.1〜8質量%の範囲がより好ましく、特に0.5〜5質量%の範囲が好ましい。樹脂層(A)における粒子の含有量が0.05質量%未満であると、良好な滑り性や耐ブロッキング性が得られないことがあり、粒子の含有量が10質量%を越えると、透明性が低下したり、粒子含有樹脂層(B)の塗布性が悪化したり、基材フィルムと粒子含有樹脂層(B)との密着性が低下することがある。
樹脂層(A)に含有させる粒子は、その平均粒子径が樹脂層(A)の厚みより大きいことが好ましい。具体的には、粒子の平均粒子径は樹脂層(A)の厚みの1.3倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好ましく、2.0倍以上が特に好ましい。上限は20倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下が特に好ましい。
このような平均粒子径が樹脂層(A)の厚みより大きい粒子を含有する樹脂層(A)に、本発明における粒子含有樹脂層(B)を直接に積層することにより、耐ブロッキング性が更に向上する。
樹脂層(A)に含有させる粒子の平均粒子径は樹脂層(A)の厚み設計に応じて適宜選択されるが、具体的には粒子の平均粒子径は0.02〜1μmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.7μmの範囲がより好ましく、特に0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。粒子の平均粒子径が0.02μm未満であると耐ブロッキング性が低下することがある。粒子の平均粒子径が1μmを越えると粒子が脱落したり、透明性が低下したり、あるいは外観が悪化することがある。
樹脂層(A)は、基材フィルム上にウェットコーティング法で塗布し、加熱し硬化されて積層されることが好ましい。さらに基材フィルムの製造工程内で樹脂層(A)をウェットコーティング法で塗布する、いわゆる、インラインコーティング法によって塗布し、加熱硬化して積層されることが好ましい。ウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法等が挙げられる。
[粒子含有樹脂層(B)]
粒子含有樹脂層(B)は、帯電防止剤を含有する樹脂層(A)上に直接に積層されることが好ましい。
粒子含有樹脂層(B)の厚みは、厚みが3.0μm未満であることが好ましい。帯電防止剤を含有する樹脂層(A)上に、厚みが3.0μm未満である粒子含有樹脂層(B)を直接に積層することにより、粒子含有樹脂層(B)表面に粒子が局在(浮上)しやすくなり、耐ブロッキング性が向上する。
さらに、粒子含有樹脂層(B)の厚みを3.0μm未満とすることによって、以下の利点がある。
i)粒子含有樹脂層(B)における粒子の絶対含有量が少なくなるので、積層フィルムのヘイズ値が小さくなり、透明性が向上する。
ii)帯電防止剤を含有する樹脂層(A)から粒子含有樹脂層(B)表面までの距離が小さくなることから、粒子含有樹脂層(B)表面の比抵抗値が小さくなり帯電防止効果が発現する。
iii)積層フィルムのカールが抑制される。
iv)生産性が向上する。
v)原料コストが軽減できる。
上記観点から、粒子含有樹脂層(B)の厚みは、更に2.5μm未満が好ましく、2.0μm未満がより好ましく、1.8μm未満が特に好ましい。下限の厚みは、ハードコート性(耐擦傷性)を付与するという観点および基材フィルムからのオリゴマー析出を抑制するという観点から0.5μm以上が好ましく、0.7μm以上がより好ましく、0.8μm以上が特に好ましい。
粒子含有樹脂層(B)は、粒子を含有する樹脂層である。粒子含有樹脂層(B)に含有させる粒子の平均粒子径(r:μm)と粒子含有樹脂層(B)の厚み(d:μm)の比率(r/d)は、0.5以下であることが重要である。上記比率(r/d)が0.5を超えると、積層フィルムのヘイズ値が大きくなり、透明性が低下する。上記比率(r/d)は、更に0.4以下が好ましく、0.3以下がより好ましく、0.2以下が特に好ましい。下限は、0.005以上が好ましく、0.01以上がより好ましく、0.02以上が特に好ましい。上記比率(r/d)が0.005未満となると、良好な耐ブロッキング性が得られなくなることがある。
粒子含有樹脂層(B)に含有させる粒子の平均粒子径(r)は0.02〜0.5μmの範囲が好ましく、0.03〜0.4μmの範囲がより好ましく、0.04〜0.2μmの範囲が特に好ましい。
粒子含有樹脂層(B)に含有させる粒子の平均粒子径(r)が0.02μm未満であると良好な耐ブロッキング性が得られなくなることがあり、一方、平均粒子径(r)が0.5μmより大きくなるとヘイズ値が大きくなり透明性が低下することがある。
粒子含有樹脂層(B)は、平均粒子径が比較的大きい粒子、例えば、平均粒子径が0.5μmより大きい粒子を少量、つまり、積層フィルムのヘイズ値が上昇しない程度の量を含有することができる。平均粒子径が比較的大きい粒子、例えば、平均粒子径が0.5μmより大きい粒子の含有量は、例えば、粒子含有樹脂層(B)に含有する全粒子量100質量%に対して5質量%以下の範囲が好ましく、さらに3質量%以下の範囲が好ましい。
本発明における粒子の平均粒子径は、粒子含有樹脂層(B)に含まれる全粒子の数平均粒子径である。
粒子含有樹脂層(B)に含有させる粒子の含有量は、ヘイズ値を低く保ちながら耐ブロッキング性を向上させるという観点から、粒子含有樹脂層(B)の固形分総量100質量%に対して3〜60質量%の範囲が好ましく、4〜50質量%の範囲がより好ましい。粒子の含有量が3質量%未満となると耐ブロッキング性が低下することがあり、また粒子の含有量が60質量%を超えるとヘイズ値が大きくなり透明性が低下することがある。
粒子含有樹脂層(B)に含有させる粒子としては、有機粒子や無機粒子が挙げられる。
有機粒子の成分を構成する樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、あるいは上記樹脂の合成に用いられる2種以上のモノマーの共重合樹脂が挙げられる。これらの中でもアクリル系樹脂粒子が好ましく用いられる。
アクリル系樹脂粒子としては、アクリル樹脂粒子、メタクリル樹脂粒子、アクリルモノマーあるいはメタクリルモノマーと他のモノマー、例えば、スチレン、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、シリコーンアクリレート、シリコーンメタクリレート等との共重合樹脂粒子が挙げられる。
これらの有機粒子は乳化重合法により合成されることが好ましく、乳化重合法で合成されることによって平均粒子径が0.5μm以下の有機粒子を得ることができる。
無機粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、ゼオライトなどの無機粒子が挙げられる。これらの中でもシリカ粒子が好ましく、特にコロイダルシリカが好ましい。
コロイダルシリカの市販品として、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)商品名:IPA−ST、MEK−ST、MEK−ST−S、MEK−ST−L、MEK−ST−ZL、IPA−ZL、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL、日揮触媒化成(株)製コロイダルシリカゾル 商品名:OSCAL等を挙げることができる。また、不定形粒子としては、日産化学工業(株)製 商品名:スノーテックス−PS−M、PS−S、PS−SO、UP、OUP、芙蓉化学工業(株)製 商品名:PL−1、PL−2、PL−3、PL−3H等を挙げられる。
無機粒子、例えば、シリカ粒子は、有機化合物で変性(表面処理)することができる。無機粒子の変性(表面処理)に使用する有機化合物としては、下記の一般式(1)〜(3)が挙げられ、これらの有機化合物を単独もしくは組み合わせて用いることができる。
2n+1−(CH−Si(Q) ・・・・一般式(1)
(一般式(1)において、nは1〜10の整数、mは1〜5の整数を表す。Qは炭素数1〜5のアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。)
B−R−SiR (OR3−n ・・・・一般式(2)
D−R−Rf ・・・・一般式(3)
(一般式(2)および(3)において、BおよびDはそれぞれ独立に反応性部位を表し、RおよびRはそれぞれ独立に炭素数1から3のアルキル基、あるいは前記アルキル基から導出されるエステル構造を表し、RおよびRはそれぞれ独立に水素あるいは炭素数が1から4のアルキル基を表し、Rfはフルオロアルキル基を表し、nは0から2の整数を表す。)。
一般式(1)の化合物として、具体的には下記の化合物を例示することができる。
CHCHSi(OCH
13CHCHSi(OCH
17CHCHSi(OCH
13CHCHCHSi(OCH
13CHCHCHCHSi(OCH
13CHCHSi(OC
17CHCHCHSi(OC
13CHCHCHCHSi(OC
13CHCHSiCl
13CHCHSiBr
13CHCHCHSiCl
13CHCHSi(OCH)Cl
一般式(2)の具体例としては、アクリロキシエチルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシブチルトリメトキシシラン、アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、アクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシブチルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、メタクリロキシヘプチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン及びこれら化合物中のメトキシ基が他のアルコキシル基及び水酸基に置換された化合物を含むものなどが挙げられる。
一般式(3)の具体例としては、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピルアクリレート、2−パーフルオロブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロデシルエチルアクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−3−メトキシブチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルアクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロノニルアクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2−パーフルオロブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロデシルエチルメタクリレート、2−パーフルオロ−3−メチルブチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−3−メチルブチル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−5−メチルヘキシルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−5−メチルヘキシル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、3−パーフルオロ−7−メチルオクチルエチルメタクリレート、テトラフルオロプロピルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、オクタフルオロペンチルメタクリレート、ドデカフルオロヘプチルメタクリレート、ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、1−トリフルオロメチルトリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレートなどが挙げられる。
粒子含有樹脂層(B)は、積層フィルム表面に傷が発生するのを抑制するために硬度が高いことが好ましく、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度が、F以上が好ましく、H以上がより好ましい。上限は9H程度である。
粒子含有樹脂層(B)は、含有される樹脂としては特に限定されないが、熱硬化性樹脂や活性エネルギー線硬化性樹脂が好ましく、特に活性エネルギー線硬化性樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂は、熱によって重合または架橋する樹脂であり、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂等があげられる。これらの熱硬化性樹脂を含有する組成物(塗布液)を塗布した後、加熱することによって硬化する。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線で重合し硬化する樹脂であり、分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマーが挙げられる。
粒子含有樹脂層(B)は、少なくとも活性エネルギー線硬化性樹脂と粒子を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化せしめた層であることが好ましい。
粒子含有樹脂層(B)は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化せしめた層であることが好ましい。
ウェットコーティング法としては、例えばリバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法等の塗布方法を用いることができる。
活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線、電子線、線、β線、γ線などが挙げられる。これらの活性エネルギー線の中でも、紫外線および電子線が好ましく、特に紫外線が好ましく用いられる。
紫外線を照射するための光源としては、特に限定されないが、例えば、紫外線蛍光灯、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。また、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマランプ又はシンクロトロン放射光等も用いることができる。このうち、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプを好ましく用いられる。また、紫外線を照射するときに、低酸素濃度下の雰囲気下、例えば、酸素濃度が500ppm以下の雰囲気下で照射を行なうと、効率よく硬化させることができるので好ましい。
紫外線の照射光量は、50mJ/cm以上が好ましく、100mJ/cm以上がより好ましく、特に150mJ/cm以上が好ましい。上限は2000mJ/cm以下が好ましく、1000mJ/cm以下がより好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、活性エネルギー線によって重合されて硬化する樹脂を意味する。かかる活性エネルギー線硬化性樹脂としては、分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する化合物(モノマーやオリゴマー)が挙げられる。ここで、エチレン性不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、アリル基、ビニル基等が挙げられる。本発明において、このようなエチレン性不飽和基を分子中に2個以上有する化合物が好ましく、特にエチレン性不飽和基を分子中に3個以上有する化合物が好ましく用いられる。
分子中にエチレン性不飽和基を有する化合物を以下に例示するが、本発明ではこれらの化合物に限定されない。尚、下記の説明において、「・・・(メタ)アクリレート」なる表現は、「・・・アクリレート」と「・・・メタクリレート」との2つの化合物を含む。
分子中にエチレン性不飽和基を2個有する化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
分子中にエチレン性不飽和基を3個以上有する化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレオリゴマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトルエンジイソシアネートウレタンオリゴマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンオリゴマーなどが挙げられる。
また、多官能のウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、市販されているものを使用することができる。例えば、共栄社化学(株)製のウレタンアクリレートAHシリーズ、ウレタンアクリレートATシリーズ、ウレタンアクリレートUAシリーズ、根上工業(株)製のUN−3320シリーズ、UN−900シリーズ、新中村化学工業(株)製のNKオリゴUシリーズ、ダイセル・ユーシービー社製のEbecryl1290シリーズなどが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂として、上記した分子中にエチレン性不飽和基を2個以上有する化合物が好ましく、更に分子中にエチレン性不飽和基を3個以上有する化合物が好ましく用いられるが、これらの化合物に分子中にエチレン性不飽和基を1個有する化合物を組み合わせて用いることもできる。
分子中にエチレン性不飽和基を1個有する化合物としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エチルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における活性エネルギー線硬化性樹脂の含有量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対して30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が特に好ましい。上限は95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は光重合開始剤を含むことが好ましい。かかる光重合開始剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。
また、光重合開始剤は一般に市販されており、それらを使用することができる。例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173等、日本シイベルヘグナー(株)製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46等、日本化薬(株)製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。
上記光重合開始剤の含有量は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対して0.1〜10質量%の範囲が好ましく、0.5〜8質量%の範囲がより好ましい。
前述したように粒子含有樹脂層(B)は粒子を含有する。従って、粒子含有樹脂層(B)を形成するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に粒子を含有してもよい。その粒子は前述した粒子と同一のものを好ましく用いることができる。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、更に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、有機系帯電防止剤、滑剤、着色剤、顔料等を含有することができる。
粒子含有樹脂層(B)の表面には、ヘイズ値が上昇しない程度の微細な凹凸を有していることが好ましい。粒子含有樹脂層(B)の表面性は、原子力間顕微鏡(AFM)で測定される表面粗さ(Ra)で表すことができる。粒子含有樹脂層(B)の表面粗さ(Ra)は2.0nm以上7.0nm以下の範囲であることが好ましい。粒子含有樹脂層(B)の表面粗さ(Ra)が2.0nm未満となると、耐ブロッキング性が低下することがある。また、表面粗さ(Ra)は7.0nmを超えると、ヘイズ値の上昇、積層フィルムの搬送工程において蛇行等が発生するなどの懸念がある。
[積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、基材フィルムの少なくとも一方の面に樹脂層(A)と粒子含有樹脂層(B)をこの順に有する。本発明の積層フィルムは、基材フィルムの片面のみに樹脂層(A)と粒子含有樹脂層(B)を有していてもよいし、基材フィルムの両面に樹脂層(A)と粒子含有樹脂層(B)を有していてもよい。
また、本発明の積層フィルムの他の好ましい態様として、基材フィルムの一方の面に樹脂層(A)と粒子含有樹脂層(B)を有し、基材フィルムの他方の面に、つまり、基材フィルムの粒子含有樹脂層(B)が設けられた面とは反対面に、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)を有する積層フィルムが挙げられる。
本発明の積層フィルムは後述するように透明導電性フィルムのベースフィルムとして好適である。透明導電性フィルムは高い透明性が要求されることから、ベースフィルムとなる積層フィルムのヘイズ値は小さいことが好ましい。
上記の観点から、本発明の積層フィルムは、ヘイズ値が1.0%未満であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。ヘイズ値は小さいほど好ましく、従って下限は特に限定されない。
本発明の積層フィルムの構成、つまり、基材フィルムの少なくとも一方の面に樹脂層(A)と粒子含有樹脂層(B)をこの順に有する構成を採用することにより、ヘイズ値が1.0%未満である積層フィルムを得ることができるが、更にヘイズ値の小さい積層フィルムを得るには、基材フィルムの一方の面に樹脂層(A)と粒子含有樹脂層(B)を有し、基材フィルムの他方の面に下記の活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)を有する積層フィルムとすることが好ましい。
[活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)]
以下、基材フィルムの他方の面に設けられる活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)について説明する。
活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の厚みは、3.0μm未満であることが好ましく、2.5μm未満であることがより好ましく、2.0μm未満であることが特に好ましい。下限の厚みは0.5μm以上であることが好ましく、1.0μm以上であることがより好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の厚みが3.0μm以上となると、積層フィルムのカール度合いが大きくなることがあり、また、透過率が低下するなどの不都合が生じる場合がある。また、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の厚みが0.5μm未満となると第2活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の硬度が低下し、傷が入りやすくなることがある。
活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)は、積層フィルム表面に傷が発生するのを抑制するという観点から硬度が高いことが好ましく、JIS K5600−5−4(1999年)で定義される鉛筆硬度が、H以上が好ましく、2H以上がより好ましい。上限は9H程度である。
上述したように、積層フィルムのヘイズ値を小さくするという観点から、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の表面は平滑であることが好ましい。即ち、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の原子力間顕微鏡で測定される表面粗さ(Ra)は、2.0nm未満が好ましく、1.5nm以下がより好ましく、1.3nm以下が特に好ましい。下限は特に限定されないが、現実的には0.1nm程度である。表面粗さ(Ra)を2.0nm未満とするために、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)は平均粒子径が0.5μmより大きい粒子を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、実質的に含有しないとは、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)を形成するための塗布液、例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に平均粒子径が0.5μmより大きい粒子を意図的に添加しないことを意味する。なお、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)に含まれる粒子の平均粒子径は、粒子含有樹脂層(B)に含まれる粒子の平均粒子径の測定方法と同様の方法によって、求められる。
活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)は、その表面には粒子による突起は存在しないことが好ましい。活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)は、平均粒子径が0.5μm以下の粒子を含有してもよいが、上記の観点から活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)に含有する粒子の平均粒子径を調整することが好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)に粒子を含有させる場合、粒子の平均粒子径は0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下がより好ましい。このような粒子の含有量は、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の固形分総量100質量%に対して0.01〜15質量%の範囲が適当であり、0.05〜10質量%の範囲がより好ましく、特に0.1〜8質量%の範囲が好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)は、粒子を全く含有しないことが最も好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)は、少なくとも活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化せしめた層である。活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をウェットコーティング法により塗布し、乾燥した後、活性エネルギー線を照射して硬化せしめた層であることが好ましい。
ウェットコーティング法および活性エネルギー線は、前述の粒子含有樹脂層(B)を形成するためのものと同様のものが用いられる。
活性エネルギー線として紫外線を用いる場合の照射光量は、50mJ/cm以上が好ましく、100mJ/cm以上がより好ましく、特に150mJ/cm以上が好ましい。上限は2000mJ/cm以下が好ましく、1000mJ/cm以下がより好ましい。
活性エネルギー線硬化性樹脂についても、前述の粒子含有樹脂層(B)を形成するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に含有される活性エネルギー線硬化性樹脂と同様のものを用いることができる。また、活性エネルギー線硬化性樹脂の含有量についても、前述の粒子含有樹脂層(B)を形成するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における含有量と同様である。
活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)を形成するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。かかる光重合開始剤は、前述の粒子含有樹脂層(B)を形成するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に含有される光重合開始剤と同様のものを用いることができる。また、光重合開始剤の含有量についても、前述の粒子含有樹脂層(B)を形成するための活性エネルギー線硬化性樹脂組成物における含有量と同様である。
基材フィルムと活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)との密着性を強化するために、易接着層を基材フィルムと活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)との間に介在させることが好ましい。易接着層としては、前述の基材フィルムと粒子含有樹脂層(B)との間に設けられる樹脂層(A)と同じものを用いることができる。易接着層は、帯電防止剤を含有してもよいし、含有しなくてもよい。
易接着層の厚みは、0.005〜0.3μmの範囲が好ましく、0.01〜0.2μmの範囲がより好ましく、0.015〜0.15μmの範囲が特に好ましい。
[透明導電性フィルム]
本発明の積層フィルムは、透明導電性フィルムのベースフィルムとして好適である。つまり、本発明の積層フィルムをベースフィルムとして用いた透明導電性フィルムは、本発明の積層フィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜が積層されたものである。
透明導電膜は、本発明の積層フィルムのどちらか一方の面のみに積層されていてもよいし、両方の面に積層されていてもよい。
本発明の積層フィルムをベースフィルムとして用いた透明導電性フィルムの構成例の幾つかを以下に例示するが、本発明はこれらに限定されない。
i)粒子含有樹脂層(B)/樹脂層(A)/基材フィルム/易接着層/粒子含有樹脂層(B)/透明導電膜
ii)透明導電膜/粒子含有樹脂層(B)/樹脂層(A)/基材フィルム/樹脂層(A)/粒子含有樹脂層(B)/透明導電膜
iii)粒子含有樹脂層(B)/樹脂層(A)/基材フィルム/易接着層/活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)/透明導電膜
iv)/透明導電膜/粒子含有樹脂層(B)/樹脂層(A)/基材フィルム/易接着層/活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)
v)透明導電膜/粒子含有樹脂層(B)/樹脂層(A)/基材フィルム/易接着層/活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)/透明導電膜。
上記の構成例の中でも、i)もしくはiii)が好ましく、特にiii)が好ましい。つまり、透明導電膜の積層工程や加工工程における積層フィルムの耐ブロッキング性を確保するという観点から、一方の粒子含有樹脂層(B)には透明導電膜を積層せず露出させておくことが好ましい。
また更に、透明導電膜を積層する面の活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)は比較的平滑でクリアーであることが好ましい。従って、iii)の構成例において、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の表面の算術平均粗さRaは2.0nm以下が好ましく、1.5nm以下がより好ましく、特に1.0nm以下が好ましい。
[透明導電膜]
透明導電性層を形成する材料としては、例えば、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、ITO(酸化インジウム錫)、ATO(酸化アンチモン錫)等の金属酸化物、金属ナノワイヤー(例えば銀ナノワイヤー)、カーボンナオチューブが挙げられる。これらの中でも、ITOが好ましく用いられる。
透明導電膜の厚みは、表面抵抗値を10Ω/□以下の良好な導電性を確保するという観点から、8nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。一方、透明導電膜の厚みが大きくなりすぎると、色味(着色)が強くなったり、透明性が低下するという不都合が生じることがあるので、透明導電膜の厚みの上限は、60nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましく、特に40nm以下が好ましい。
透明導電膜の形成方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等のドライ製膜法(気相製膜法)、あるいはウェットコーティング法が挙げられる。
上記のようにして製膜された透明導電膜はパターン化されていてもよい。パターン化は、透明導電性フィルムが適用される用途に応じて、各種のパターンを形成することができる。なお、透明導電膜のパターン化により、パターン部(積層フィルムの表面において透明導電膜が積層されている部分)と非パターン部(積層フィルムの表面において透明導電膜が積層されていない部分)が形成されるが、パターン部の形状としては、例えば、ストライプ状、格子状等が挙げられる。
透明導電膜のパターン化は、一般的にはエッチングによって行われる。例えば、透明導電膜上にパターン状のエッチングレジスト膜を、フォトリソグラフィ法、レーザー露光法、あるいは印刷法により形成した後エッチング処理することにより、透明導電膜がパターン化される。透明導電膜がパターン化された後、エッチングレジスト膜がアルカリ水溶液で剥離除去される。
エッチング液としては、従来から公知のものが用いられる。例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸、およびこれらの混合物、ならびにそれらの水溶液が用いられる。
エッチングレジスト膜の剥離除去に用いられるアルカリ水溶液としては、1〜5質量%の水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。
[屈折率調整層]
上記透明導電性フィルムの構成例において、透明導電膜は粒子含有樹脂層(B)あるいは活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の上に直接に積層されてもよいが、透明導電膜と粒子含有樹脂層(B)あるいは活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)との間に屈折率調整層を介在させることが好ましい。以下、屈折率調整層について説明する。
屈折率調整層は、1層のみで構成されてもよいし、2層以上の積層構成であってもよい。屈折率調整層は、その上に積層される透明導電膜の反射色や透過色を調整するための機能、あるいはパターン化された透明導電膜のパターン部が視認される、いわゆる「骨見え」を抑制するための機能を有する層である。
屈折率調整層の構成としては、例えば、屈折率が1.60〜1.80の高屈折率層の1層構成、屈折率が1.30〜1.50の低屈折率層の1層構成、あるいは上記高屈折率層と低屈折率層との積層構成(低屈折率層が透明導電膜側に配置)などが挙げられる。
上記高屈折率層の屈折率は、さらに1.63〜1.78の範囲が好ましく、1.65〜1.75の範囲がより好ましい。上記低屈折率層の屈折率は、さらに1.30〜1.48の範囲が好ましく、1.33〜1.46の範囲がより好ましい。
屈折率調整層の厚み(複数層の積層構成の場合は合計厚みを指す)は、0.2μm以下が好ましく、0.15μm以下がより好ましく、0.12μm以下が特に好ましく、0.1μm以下が最も好ましい。下限の厚みは0.03μm以上が好ましく、0.04μm以上がより好ましく、0.05μm以上が特に好ましく、0.06μm以上が最も好ましい。
[タッチパネル]
本発明の積層フィルムをベースフィルとする透明導電性フィルムは、タッチパネルの構成部材の1つとして好ましく用いられる。
抵抗膜式タッチパネルは、通常、上部電極と下部電極がスペーサーを介して配置された構成となっているが、本発明の積層フィルムをベースフィルとする透明導電性フィルムは、上部電極および下部電極のどちらか一方あるいは両方に用いることができる。
また、静電容量式タッチパネルは、通常、パターン化されたX電極とY電極で構成されるが、本発明の積層フィルムをベースフィルとする透明導電性フィルムは、X電極およびY電極のどちらか一方あるいは両方に用いることができる。
タッチパネルに使用される透明導電性フィルムは、透明性および加工性(耐ブロッキング性)が良好なことが要求されるが、本発明の積層フィルムをベースフィルとする透明導電性フィルムは、上記特性を十分に満足することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。尚、本実施例における、測定方法、評価方法および使用材料を以下に示す。
(1)樹脂層(A)および易接着層の厚みの測定
樹脂層(A)および易接着層が積層された基材フィルムの断面を超薄切片に切り出し、RuO4染色、OsO4 染色、あるいは両者の二重染色による染色超薄切片法により、TEM(透過型電子顕微鏡)で断面構造が目視可能な以下の条件にて観察し、その断面写真から樹脂層(A)および易接着層の厚みを測定する。尚、測定個所は粒子が存在しない部分である。なお、5箇所を測定して、その平均値を樹脂層(A)および易接着層の厚みとした。
・測定装置:透過型電子顕微鏡(日立(株)製 H−7100FA型)
・測定条件:加速電圧 100kV
・試料調整:凍結超薄切片法
・倍率:30万倍。
(2)粒子含有樹脂層(B)および活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の厚みの測定
積層フィルムの断面を超薄切片に切り出し、TEM(透過型電子顕微鏡)で加速電圧100kVにて観察(1〜30万倍の倍率で観察)し、その断面写真から厚みを測定する。尚、第1活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)のように表面に突起を有する層については、突起が存在しない部分における厚みである。厚みの測定は5箇所で行い、その平均値を厚みとした。
(3)粒子含有樹脂層(B)に含有される粒子の平均粒子径の測定
粒子含有樹脂層(B)の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察(約1万〜30万倍)し、その断面写真の幅(粒子含有樹脂層(B)の厚み方向に直交する長さ)1μmに存在する全ての粒子の最大長さを計測し、それらを平均した値を粒子の平均粒子径とした。
(4)樹脂層(A)および易接着層に含有される粒子の平均粒子径の測定
基材フィルムに積層された樹脂層(A)(または易接着層)表面を、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて倍率1万倍で観察し、粒子の画像(粒子によってできる光の濃淡)をイメージアナライザー(たとえばケンブリッジインストルメント製QTM900)に結び付け、観察箇所を変えてデータを取り込み、合計粒子数5000個以上となったところで次の数値処理を行ない、それによって求めた数平均粒子径dを平均粒径(直径)とした。
・d=Σdi /N
ここでdi は粒子の等価円直径(粒子の断面積と同じ面積を持つ円の直径)、Nは個数である。
(5)原子力間顕微鏡で測定される表面粗さ(Ra)の測定
粒子含有樹脂層(B)および活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の表面の表面粗さ(Ra)を、日立ハイテクサイエンス製の原子間力顕微鏡「AFM5100N」を用い、下記条件による測定した。5回測定し平均した。
・走査モード:DFM
・走査範囲:5μm×5μm
・データ数:256×256
・測定環境:25℃、大気中
(6)耐ブロッキング性の評価
積層フィルムの一方の表面を第1面とし、他方の表面を第2面とする。
積層フィルムを切断して2枚のシート片(20cm×15cm)を作製する。この2枚のシートの第1面と第2面とが向き合うようにして重ね合わせる。次に、2枚のシート片を重ね合わせた試料をガラス板で挟み込み、約3kgの重りを載せて、50℃、90%(RH)の雰囲気下に48時間放置する。次に、重ね合わせ面を目視により観察しニュートンリングの発生状況を確認した後、両者を剥離し、以下の基準で評価した。
○:剥離前はニュートンリングが発生しておらず、剥離時には剥離音を立てずに軽く剥離される。
△:剥離前は一部ニュートンリングが発生しており、剥離時には小さな剥離音を立てながら剥離される。
×:剥離前は全面にニュートンリングが発生しており、剥離時には大きな剥離音を立てて剥離される。
(7)フィルム帯電量測定
2000mの積層フィルムロールを作成した。作成したロールを繰出した際に発生するフィルム面同士の剥離帯電量を春日電機(株)製のデジタル静電電位測定器(KSD−1000)にて測定。発生した帯電量について以下基準で評価した。
・フィルム帯電量レベル3 :±1KV未満の電位量
・フィルム帯電量レベル2 :±1KV以上〜±20KV未満の電位量
・フィルム帯電量レベル1 :±20KV〜±50KVの電位量
(8)積層フィルムのヘイズ値の測定
JIS K 7136(2000)に基づき、日本電色工業(株)製の濁度計「NDH−2000」を用いて測定した。測定に際し、積層フィルムの粒子含有樹脂層(B)が設けられている側の表面に光が入射するように配置する。
[実施例1]
以下の要領で積層フィルムを作製した。
<積層PETフィルムの作製>
実質的に外部添加粒子を含有しないPETペレット(極限粘度0.63dl/g)を充分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し285℃で溶融し、T字型口金よりシート状に押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化せしめた。この未延伸フィルムを90℃に加熱して長手方向に3.4倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。この一軸延伸フィルムの両面に空気中でコロナ放電処理を施した後、一軸延伸フィルムの一方の面(第1面)に下記の樹脂層(A)形成用塗布液a1を塗布し、他方の面(第2面)に下記の易接着層形成用塗布液を塗布した。
次に、両面に塗布液が塗布された1軸延伸フィルムをクリップで把持して予熱ゾーンに導き、雰囲気温度75℃で乾燥、ラジエーションヒーターを用いて110℃に上げ、再度90℃で乾燥した後、引き続き連続的に120℃の加熱ゾーンで幅方向に3.5倍延伸し、続いて220℃の加熱ゾーンで20秒間熱処理を施し、結晶配向の完了した二軸延伸PETフィルムを作製した。この積層PETフィルムの厚みは100μm、第1面に設けられた樹脂層(A)の厚みは0.1μm、第2面に設けられた易接着層の厚みは0.09μmであった。
<樹脂層(A)形成用塗布液a1>
下記の材料を下記の固形分質量比で混合し、最終の固形分濃度が3質量%となるように調整して水分散体を調製した。
(a)アクリルウレタン共重合樹脂の水分散体(山南合成化学(株)製“サンナロン”WG−658(固形分濃度30質量%)):25質量%
(b)イソシアネート化合物の水分散体(第一工業製薬(株)製“エラストロン”E−37(固形分濃度28質量%)):24質量%
(c)エポキシ化合物の水分散体(DIC(株)製“CR−5L”(固形分濃度100質量%)):17質量%
(d)帯電防止剤as1(下記のポリチオフェン化合物と陰イオン化合物からなる組成物):6質量%
(e)オキサゾリン化合物の水分散体(日本触媒(株)製“エポクロス”WS−500(固形分濃度40重量%)):13質量%、
(f)カルボジイミド化合物の水分散体(日清紡(株)製“カルボジライト”V−04(固形分濃度40重量%)):13質量%、
(g)粒子(平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ):2質量%、
<帯電防止剤as1の調製>
陰イオン化合物であるポリスチレンスルホン酸を20.8質量部含む1887質量部の水溶液中に、1質量%硫酸鉄(III)水溶液49質量部、チオフェン化合物である3,4−エチレンジオキシチオフェン8.8質量部、および10.9質量%のペルオキソ二硫酸水溶液117質量部を加えた。この混合物を18℃で、23時間攪拌した。次いで、この混合物に、154質量部の陽イオン交換樹脂および232質量部の陰イオン交換樹脂を加えて、2時間攪拌した後、イオン交換樹脂を濾別して、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる組成物の水分散体(固形分濃度は1.3質量%)を得た。なお、ポリチオフェン化合物と陰イオン化合物の質量比は4/6である。
<易接着層形成用塗布液>
固形分質量比で下記の(a)ポリエステル樹脂1を27質量%、(b)ポリエステル樹脂2を53質量%、(c)メラミン系架橋剤を18質量%、(d)粒子を2質量%混合して水分散塗布液を調製した。
(a)ポリエステル樹脂1;2,6−ナフタレンジカルボン酸43モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸7モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール5モル%で構成されているポリエステル樹脂。
(b)ポリエステル樹脂2;テレフタル酸38モル%/トリメリット酸12モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール5モル%で構成されているポリエステル樹脂。
(c)メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」)
(e)粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
<粒子含有樹脂層(B)の積層>
上記で得られた積層PETフィルムの第1面の樹脂層(A)上に下記の粒子含有樹脂層(B)形成用組成物(活性エネルギー線硬化性樹脂組成物)b1をグラビアコート法で塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射し硬化させて、粒子含有樹脂層(B)を積層した。この粒子含有樹脂層(B)の厚みは1.5μmmであった。
<粒子含有樹脂層(B)形成用組成物b1)
下記の変性シリカ分散液を固形分換算で91質量部、未変性シリカ粒子(MEK−ST−ZL(日産化学製、メチルエチルケトンゾル))を固形分換算で9質量部、PMMA粒子(MX−80H3wt(綜研化学製);平均粒子径0.7μm)を固形分換算で2質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製“KAYARAD”DPHA)を100質量部、光重合開始材(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)127」)を8質量部、メチルエチルケトン30質量部、メチルイソブチルケトン70質量部を加えて室温で2時間混合し、固形分濃度が35重量%の組成物を調製した。
この組成物における粒子(全粒子)の含有量は、組成物の固形分総量100質量%に対して49質量%である。
<変性シリカ粒子分散液>
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8質量部、ジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6質量部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で180分攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4質量部を30℃で60分かけて滴下後、60℃で180分加熱攪拌することで有機化合物を得た。窒素気流下にて、上記のように合成した有機化合物と、コロイダルシリカ(コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製の「オルガノシリカゾル MEK−ST−L」)とを混合し、加熱、攪拌して変性シリカ粒子の分散液を得た。
[実施例2]
実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1を下記の組成物a2に変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<樹脂層(A)形成用組成物a2>
実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1に含まれる帯電防止剤as1を下記の帯電防止剤as2に変更する以外は、実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1と同様にして調製した。
<帯電防止剤as2>
ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸からなる組成物(アグファゲバルト社製“Orgacon”ICP1010を濃アンモニア水で中和してpH=9としたもの)
[実施例3]
実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1を下記の組成物a3に変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<樹脂層(A)形成用組成物a3>
固形分重量比で下記の(a)「帯電防止剤as3を含むポリエステル樹脂組成物」を25質量%、(b)エポキシ架橋剤を73質量%、(c)粒子を2質量%混合して水分散塗布液を調製した。
(a)「帯電防止剤as3を含むポリエステル樹脂組成物」;帯電防止剤as3としてポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸からなる複合体と、ポリエステル樹脂(樹脂層(A)を構成する樹脂として)を水に分散させた水性液(ナガセケムテックス(株)製“デナトロン”#5002RZ)
(b)エポキシ架橋剤;ソルビトールポリグリシジルエーテル系エポキシ架橋剤(ナガセケムテックス(株)製“デナコール”EX−614B(分子量約550、エポキシ当量173、水溶率94%))を水に溶解させた水性液
(c)粒子;均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
[実施例4]
実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1を下記の組成物a4に変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<樹脂層(A)形成用組成物a4>
固形分質量比で、(a)ポリエステル樹脂1を24質量%、(b)ポリエステル樹脂2を50質量%、(c)帯電防止剤as4を6質量%、(d)メラミン系架橋剤を18質量%、(e)粒子を2質量%混合して水分散塗布液を調製した。
(a)ポリエステル樹脂1;2,6−ナフタレンジカルボン酸43モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸7モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール5モル%で構成されているポリエステル樹脂。
(b)ポリエステル樹脂2;テレフタル酸38モル%/トリメリット酸12モル%/エチレングリコール45モル%/ジエチレングリコール5モル%で構成されているポリエステル樹脂。
(c)帯電防止剤as4;ポリチオフェン系帯電防止剤(スタルク(株)製“Bytron P AG”固形分濃度1.2質量%)
(d)メラミン系架橋剤;三和ケミカル(株)製の「ニカラック MW12LF」)
(e)粒子;平均粒子径0.19μmのコロイダルシリカ。
[実施例5]
実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1を下記の組成物a5に変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<樹脂層(A)形成用組成物a5>
実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1に含まれる帯電防止剤as1を下記の帯電防止剤as5に変更する以外は、実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1と同様にして調製した。
<帯電防止剤as5;ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩の水分散体>
窒素ガス雰囲気下かつ常温(25℃)下で、容器1に、水200重量部、過硫酸アンモニウム1重量部を仕込み、これを85℃に昇温し、溶解させ、85℃の溶液3を得た。常温(25℃)下で、容器4に、スチレンスルホン酸アンモニウム塩100重量部、過硫酸アンモニウム3重量部、水100部添加し、溶液2を得た。窒素ガス雰囲気下で、溶液3を反応器に移し、反応器内の溶液の温度を85℃に保ちつつ、溶液4を溶液1に4時間かけて連続滴下せしめた。滴下終了後、更に3時間攪拌したのち、25度まで冷却し、ポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩(J)水分散体を得た。得られたポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩の水分散体の固形分濃度は10質量%である。
[比較例1]
実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1を下記の組成物a6に変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<樹脂層(A)形成用組成物a6>
実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1において、帯電防止剤as1を添加しないこと以外は、実施例1の樹脂層(A)形成用組成物a1と同様にして調製した。
[実施例6]
粒子含有樹脂層(B)の厚みを2.3μmに変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
[実施例7]
粒子含有樹脂層(B)の厚みを4.0μmに変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
[実施例8]
実施例1の粒子含有樹脂層(B)形成用組成物b1を下記の組成物b2に変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<粒子含有樹脂層(B)形成用組成物b2)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート50質量部、アクリレート化合物(東亜合成株式会社製の「アロニックスM111」)36質量部、下記の表面処理シリカ粒子分散液を固形分換算で9質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
この組成物における粒子の含有量は、この組成物の固形分総量100質量%に対して9質量%である。
<表面処理シリカ粒子分散液>
コロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製の「オルガノシリカゾル MEK−ST−ZL」)150質量部に、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン13.7質量部と10質量%蟻酸水溶液1.7質量部を混合し、70℃にて1時間撹拌した。次いで、フッ素化合物(HC=CH−COO−CH−(CFF)13.8質量部および2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.57質量部を加えた後、60分間90℃にて加熱撹拌して分散液を得た。
[比較例2]
実施例1の粒子含有樹脂層(B)形成用組成物b1を下記の組成物b3に変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<粒子含有樹脂層(B)形成用組成物b3)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製“KAYARAD”DPHA)を87質量部、平均粒子径が2.0μmであるシリカ粒子を5質量部、光重合開始材(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)127」)を8質量部、メチルエチルケトン30質量部、メチルイソブチルケトン70質量部を加えて室温で2時間混合し、固形分濃度が35重量%の組成物を調製した。
この組成物における粒子の含有量は、組成物の固形分総量100質量%に対して5質量%である。
[比較例3]
実施例1の粒子含有樹脂層(B)形成用組成物b1を下記の組成物b4に変更する以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
<粒子含有樹脂層(B)形成用組成物b4)>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製“KAYARAD”DPHA)を87質量部、平均粒子径が1.0μmであるシリカ粒子を5質量部、光重合開始材(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)127」)を8質量部、メチルエチルケトン30質量部、メチルイソブチルケトン70質量部を加えて室温で2時間混合し、固形分濃度が35重量%の組成物を調製した。
この組成物における粒子の含有量は、組成物の固形分総量100質量%に対して5質量%である。
[評価]
上記の実施例および比較例で得られた積層フィルムについて、耐ブロッキング性、粒子含有樹脂層(B)表面の表面粗さ(Ra)、積層フィルムのヘイズ値、帯電量を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2017154421
[実施例11〜18]
実施例1〜8の積層フィルムにおいて、樹脂層(A)および粒子含有樹脂層(B)が積層された面の反対面の易接着層上に、下記の活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)を積層して、実施例11〜18の積層フィルムを作製した。なお、実施例11は実施例1に対応し、実施例12は実施例2、同様に実施例18は実施例8に対応する。
<活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)の積層>
下記の活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)を形成するための活性エネルギー線硬化性組成物をグラビアコート法で塗布し、90℃で乾燥後、紫外線400mJ/cmを照射し硬化させて、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)を形成した。この活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)は、厚みが1.5μmであった。
<活性エネルギー線硬化性組成物>
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート48質量部、ウレタンアクリレートオリゴマー(根上工業(株)の「UN−901T」;分子中に重合性官能基を9個含む)47質量部、光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製「イルガキュア(登録商標)184」)5質量部を有機溶剤(メチルエチルケトン)に混合して、固形分濃度が30質量%の組成物を調製した。
[評価]
上記の実施例および比較例で得られた積層フィルムについて、耐ブロッキング性、活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)表面の表面粗さ(Ra)、積層フィルムのヘイズ値、帯電量を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2017154421
[実施例21〜28]
実施例11〜18の積層フィルムの活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)が積層された面に、透明導電膜(厚みが22μmのITO膜)をスパッタリング法で積層し、格子状パターンにパターン加工(エッチング処理)して、実施例21〜28の透明導電性フィルムを作製した。なお、実施例21は実施例11に対応し、実施例22は実施例12、同様に実施例28は実施例18に対応する。
[評価]
上記で作製したそれぞれの透明導電性フィルムについて、耐ブロッキング性を評価したところ、実施例27は「△」、他の実施例はいずれも「○」であった。

Claims (7)

  1. 基材フィルムの少なくとも一方の面に、基材フィルム側から順に、樹脂層(A)および粒子含有樹脂層(B)を有する積層フィルムであって、前記樹脂層(A)は帯電防止剤を含有し、前記粒子含有樹脂層(B)に含有する粒子の平均粒子径(r:μm)と、粒子含有樹脂層(B)の厚み(d:μm)との比率(r/d)が0.5以下であることを特徴とする、積層フィルム。
  2. 前記粒子含有樹脂層(B)の厚み(d)が3.0μm未満である、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記粒子含有樹脂層(B)表面の原子力間顕微鏡で測定される表面粗さ(Ra)が2.0nm以上7.0nm以下の範囲である、請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 積層フィルムのヘイズ値が1.0%未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
  5. 前記基材フィルムの樹脂層(A)および粒子含有樹脂層(B)が設けられた面とは反対面に、易接着層を介して活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)を有する、1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 前記活性エネルギー線硬化性樹脂層(C)表面の原子力間顕微鏡で測定される表面粗さ(Ra)が2.0nm未満である、請求項5に記載の積層フィルム。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の積層フィルムの少なくとも一方の面に透明導電膜を有する、透明導電性フィルム。
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