JP2013012424A - 面状発熱体 - Google Patents

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Abstract

【課題】均一な発熱が可能な面発熱特性、透明性を有する面状発熱体を提供する。
【解決手段】面状発熱体は、導電性基板5の導電層3に、1対以上の電極6を備えている面状発熱体であって、該導電性基板5は、基板4と導電層3の積層体であり、該導電層3は、金属微粒子1と樹脂2とで構成された層であり、該金属微粒子1は、網目状のラインを構成し、該網目状のラインは、導電層3の少なくとも一方の面(以下、網目状のラインが存在する面を面Aという)に存在し、面AのRa値が400nm以下であることを特徴とする面状発熱体。
【選択図】図2

Description

本発明は、視認性に優れ、均一な発熱が可能な面状発熱特性を有する面状発熱体に関するものである。
従来、冷凍、冷凍ショーケースは、その窓部を構成するガラス表面への結露防止をする必要があり、このためガラス表面に透明導電膜を形成し、これに所定の電力を印可して窓面を加温することが行われている。自動車の窓ガラスにおいても、曇りや結露防止として、同様に透明導電膜を利用したデフロスターが使用されている。また、寒冷地では、道路標識や信号機への積雪、凍結などによる道路標識等の視認性低下防止のため、融雪や凍結防止として透明面状発熱体を利用することや、寒冷地の低温環境下で使用される液晶表示素子の液晶動作不良防止、起動補助のため、温度制御用の透明面状発熱体を備える必要性が高まってきている。
寒冷地などの低温環境下で使用される液晶表示素子としては、例えば、特許文献1に提案されるように、メッシュ状の発熱抵抗体を配置して加熱するものや、特許文献2のように、透明基板上に設けられた銀、銅、インジウムスズオキシド(ITO)等の透明導電膜を発熱面として使用し、該透明導電膜に通電するための一対の金属電極を備えた透明面状発熱体が報告されている。しかし、特許文献1の方法では、液晶素子全体を均一に加熱することは困難であり、また、不透明な金属からなる発熱抵抗体が液晶表示を見る際の邪魔になり易い。また、特許文献2の方法においても、液晶素子全体を均一に加熱することは必ずしも容易ではなく、厚みが増すとヘイズや反射も増えてしまう透明導電膜からなる発熱体を用いた場合には、液晶表示を見る際の邪魔になったりする。また、透明性を確保できる薄い厚みでは、導電性が劣るため、流れる電流量が少なくなり発熱の立ち上がりが遅い場合がある。さらに、スパッタリング法、蒸着法等を用いた場合には、製造コストが高く、また、ITO透明導電膜は、耐屈曲性に乏しく、割れやすいという問題がある。
また、特許文献3には、有機銀化合物等の溶液を基板状に噴霧塗布して微細網目構造膜を形成し、これに放射線照射することにより還元して銀を析出させて銀の微細網目構造を有する透明導電膜が得られ、これが透明面状発熱体として用い得ることが記載されている。この方法では、微細網目構造を有する透明導電膜を用いているため、モアレ干渉模様が生じないが、該導電膜を得るために、紫外線等の照射で銀を還元する方法が取られており、安定再現性に問題がある。
特許文献4は、フォトリソグラフィ法によって、導電性ペーストからなる網目状の導電層を形成する方法が提案されているが、この方法は、網目状の導電層を得るために、煩雑な工程を必要とし、過剰な導電性ペーストを除去するため、素材リサイクル、製造コストの点でも課題が多い。
従って、視認性に優れ、均一な発熱が可能な面発特性を有する面状発熱体が望まれている。
特開昭58−126517号公報 特開平9−306647号公報 特開平10−312715号公報 特開2006−49006号公報
本発明は、視認性に優れ、均一な発熱が可能な面発熱特性を有する面状発熱体を提供することである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、以下である。
1)導電性基板の導電層側に、1対以上の電極を備えている面状発熱体であって、
前記導電性基板は、基板と導電層の積層体であり、
前記導電層は、金属微粒子と樹脂とで構成された層であり、
前記金属微粒子は、網目状のラインを構成し、
前記網目状のラインは、導電層の少なくとも一方の面(以下、網目状のラインが存在する面を面Aという)に存在し、
面AのRa値が400nm以下であることを特徴とする、面状発熱体。
2)前記導電層上に保護層が積層されたことを特徴とする、前記1)記載の面状発熱体。
3)前記導電層が、リン酸エステル、カルボン酸エステル、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、前記1)又は2)に記載の面状発熱体。
4)前記導電層の表面比抵抗値が0.1〜100Ω/□であることを特徴とする、前記1)〜3)のいずれかに記載の面状発熱体。
5)全光線透過率が50%以上であることを特徴とする、前記1)〜4)のいずれかに記載の面状発熱体。
6)前記導電層を構成する樹脂が、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂であることを特徴とする、前記1)〜5)のいずれかに記載の面状発熱体。
本発明によれば、視認性に優れ、均一な発熱が可能な面発熱特性を有する面状発熱体を提供することが出来る。本発明における面状発熱体は、視認性が高く、高いレベルの導電性を有しているため、例えば、寒冷地などの低温環境下における液晶表示素子の起動補助、道路標識や信号機等の融雪や凍結防止、冷凍、冷蔵ショーケースの窓部や、自動車の窓ガラスのデフロスター、などに好適に用いることができる。また、導電層をフレキシブル性や成形性を有する基板に積層させた場合には、曲面を有する部材用途にも利用可能である。
本発明の面状発熱体の一例の断面図 本発明の面状発熱体の一例の断面図 (不規則な)網目状のラインの構成の一例の上面図 網目状金属微粒子積層体の構成の一例の断面図
本発明は、前記課題、つまり、視認性に優れ、均一な発熱が可能な面発熱特性を有する面状発熱体について、鋭意検討し、金属微粒子と樹脂とで構成された導電層を有した導電性基板の導電層に1対以上の電極を備えることで、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。つまり、導電性基板の導電層に、1対以上の電極を備えている面状発熱体であって、該導電性基板は、基板と導電層の積層体であり、該導電層は、金属微粒子と樹脂とで構成された層であり、該金属微粒子は、網目状のラインを構成し、該網目状ラインは、導電層の少なくとも一方の面(以下、網目状のラインが存在する面を面Aという)に存在し、面AのRa値が400nm以下であることを特徴とする、面状発熱体の発明である。
本発明の面状発熱体の断面構成の一例を図1および2に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の面状発熱体は、導電性基板の導電層側に、1対以上の電極を備えていることが重要である。本発明の面状発熱体は、この電極に通電することにより発熱体として機能する。1対以上の電極とは、本発明の面状発熱体へ通電するための電極数が1対以上であることを示す。1対以上の電極を備えることで、面状発熱体が大型化した場合においても、複数箇所から通電させることができるため、面状発熱体を均一な発熱特性を付与することが可能となる。
電極としては、導電性を有するものであれば如何なるものでも使用することが可能であるが、好ましい電極の例としては、導電性ペースト、導電性樹脂、金属箔、金属めっき層が挙げられ、これらを単独あるいは積層、多層または混合層とし、電極として使用することができる。接触抵抗の観点から、電極としては、より抵抗値が低いもの、つまり、高導電性のものを用いることが好ましい。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板は、基板と導電層の積層体であることが重要である。そして、該導電層は、金属微粒子と樹脂とで構成されていることも重要である。このような構成とすることで、導電性と平滑性に優れた導電層にすることが可能であり、該導電層を含む導電性基板が導電性と平滑性を優れたものにすることができる。なお、本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板は、前述の導電層を有しさえすれば、その他の層をさらに有する態様も含むことができる。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板を構成する基板は、熱可塑性樹脂フィルムやガラスなどの無機基板を用いても良い。該基板として、熱可塑性樹脂フィルムを用いた場合には、面状発熱体にフレキシブル性を付与できるため、フレキシブル性を必要とする場合には、該熱可塑性樹脂フィルムを用いることが好ましい。ここでいう熱可塑性樹脂フィルムとは、熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であって、特に限定されるものではないが、代表的なものとして、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムやポリスチレンフィルムなどのアクリル系フィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素系フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどを用いることができる。これら熱可塑性樹脂フィルムは、ホモポリマーでも共重合ポリマーであってもよい。これらのうち、機械的特性、寸法安定性、透明性などの点で、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルムなどが好ましく、更に、機械的強度、汎用性などの点で、ポリエステルフィルムが特に好ましい。また、該熱可塑性樹脂フィルム中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機又は無機の微粒子、充填剤、耐電防止剤、核剤などが、その特性を悪化させない程度に添加されていても良い。
本発明において、基板と導電層を積層して導電性基板を得るための方法としては、基板と導電層を直接積層しても、基板と導電層を粘着剤や接着剤で貼り合わせて積層しても良い。また、基板と導電層の密着性を向上させるために、導電層が積層される基板表面にコロナ放電処理、プライマー処理、短波長紫外線照射処理や、シランカップリング処理などの処理方法を用いた後、直接積層や貼り合わせによる積層を行っても良く、その他にも、後述する転写法等を用いることもできる。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層を構成する金属微粒子に使用される金属としては特に限定されず、白金、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ビスマス、コバルト、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫などが挙げられる。これらの金属は1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層を構成する金属微粒子でいう微粒子とは、比較的粒子径の小さい粒子であれば特に限定されないが、数平均粒子径0.001〜0.3μmの金属微粒子が好適に使用され、また粒子径は最大でも1.0μm未満となるものが好適に使用される。金属微粒子の数平均粒子径、最大粒子径がこの範囲を超えると金属微粒子を網目状のラインに形成させ、透明性、導電性に優れた導電性基板を得ることが困難となる場合がある。また、金属微粒子の粒子径分布は大きくても、小さくてもよく、粒子が不揃いであっても、均一であってもよいが、粒子が均一であって、粒子径分布が小さい方が、金属微粒子を網目状のラインに形成させやすいため、好ましい。
該導電層中の金属微粒子と樹脂との合計の含有量は、特に限定されないが、導電層中の全成分100質量%において、50質量%以上100質量%以下が金属微粒子と樹脂の合計量であることが好ましい。また、本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層には、金属微粒子と樹脂とを含有すれば、その他に各種添加剤を含有することも可能である。また、金属微粒子と樹脂との含有比率は特に限定されず、各用途に応じて必要十分な表面比抵抗を得ることができるだけの金属微粒子の比率を適宜選択すればよい。
また、本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層は、該導電層中に金属微粒子が網目状のラインを構成することが重要である。この金属微粒子が構成する網目状のラインは、金属微粒子同士が連続的に連なった構造であり、この構造に由来して導電性を示す。このように網目状のラインを構成させることで、面状発熱体に優れた視認性と導電性を付与することができる。
ここで網目状とは、いくつかの点を何本かの線分で結んだ構造のことをいい、例えば図3のような、金属微粒子により構成された網目状のラインを示す。つまり本発明における網目状とは、金属微粒子で構成される複数の線分が、複数の点で結ばれた構造を意味する。
さらに、導電層が有する網目状のラインは、格子状などの規則性のある網目状のラインでも構わないが、不規則な網目状のラインを構成していることが好ましい。これは、該導電層が有する網目状のラインを不規則な網目状のラインとすることで、例えば、液晶表示素子のような規則正しく素子が配列したディスプレイ表示部分の凍結防止用として適用した場合には、モアレ現象の発生を抑えることができるからである。また、ここでいう不規則な網目状のラインとは、該網目状のラインの構造が、その形状において、空隙部分の形状や大きさが不揃いである状態、網目部分すなわち線状の部分の形状も直線ではなく、線太さが不揃いである状態のものである。
ここでいう空隙部分とは、該導電層中の網目状のラインと同一平面中の網目状のラインで囲まれている部分を意味する。すなわち導電層を構成する樹脂が紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂である場合には、網目状のラインと同一平面中の網目状のラインで囲まれている紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂部分のことである。不規則な網目状のラインを形成する構造の一例を図3に示すが、これに限定されるものではない。
また、導電層が有する、金属微粒子で構成された網目状のラインは、金属微粒子を含むのは当然として、その他の成分を有してもよい。その他の成分としては、各種添加剤を挙げることができる。なお、本発明の導電性基板(導電層)の表面比抵抗を低くすることを考慮すると、金属微粒子で構成された網目状のラインは、金属微粒子以外の成分の含有量が少ないことが好ましく、特に好ましくは金属微粒子のみで構成されることである。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層は、前述の網目状のラインが、導電層の少なくとも一方の表面に存在することが重要である。このように網目状のラインが導電層の少なくとも一方の表面に存在する、すなわち導電層の少なくとも一方の表面に導電部分が存在することで、導電層の表面から導通を取ることができ、そのような表面から導通させることが必要な用途にも使用できる可能性がある。
なお以下の説明では、導電層の網目状のラインが存在する面のことを、面Aといい、導電層の網目状のラインが存在しない面(面Aとは異なる面)を、面Bという。そのため、本発明の導電性基板の導電層は、両面ともに面Aである態様(面Bを有さない態様)も含みえるが、導電層の強度の点からは、図1に示すような面Aと面Bが存在しうる導電層の態様が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層の面AのRa値は、400nm以下であることが重要である。好ましくは300nm以下であり、より好ましくは200nm以下であり、さらに好ましくは100nm以下である。
面AのRa値が400nmより大きい場合には、金属微粒子で構成された網目状のライン部分と空隙部分とで段差が生じてしまい、平滑性が劣るため、他部材と張り合わせた場合に、気泡が入ってしまう可能性や、電極を備える際に気泡が入り、電極の導通がとれなくなる可能性があるために問題となる。
また、面AのRa値は小さい程好ましく、導電層を構成する、金属微粒子で構成される網目状のラインや、樹脂部分(空隙部分)の表面粗さを考慮すると、導電層の面AのRa値は、2nmが下限と考えられ、そのため本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板(導電層)の面AのRa値の下限は2nmと思われる。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層の面Aにおける網目状のラインと導電層の樹脂部分(空隙部分)との界面に生じる段差(面A中の網目状のラインとラインがない部分(空隙部分)との段差)は、500nm以下であることが好ましく、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは100nm以下であり、最も好ましくは50nm以下である。該段差(面A中の網目状のラインとラインがない部分(空隙部分)との段差)が500nmより大きくなると、面AのRa値が400nmより大きい場合と同様に、平滑性が劣るため、他部材と貼り合わせた場合に、気泡が入ってしまう可能性や、電極の導通がとれなくなる可能性があるため、問題となる。
また、面Aにおける網目状のラインと導電層の樹脂部分との界面に生じる段差は小さい程好ましく、導電層の金属微粒子で構成された網目状のラインや、樹脂の表面粗さ、空隙部分を埋める樹脂のレベリング性を考慮すると、該段差は2nmが下限と考えられるため、該導電層の面Aにおける段差の下限は2nmと思われる。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層上には、保護層が積層されていることが好ましい。また、該保護層は透明性を有していることが好ましい。保護層を形成する樹脂は、特に限定されるものではないが、紫外線硬化性化合物や熱硬化性化合物が挙げられ、例えば、熱硬化性化合物としては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等、熱硬化性化合物としては、不飽和ポリエステル化合物、エポキシ化合物、ウレタン化合物、シリコーン化合物等が挙げられる。該保護層は、面状発熱体の導電層側、つまり面A上に前述の紫外線硬化性化合物や熱硬化性化合物等を直接積層して形成しても良い。また、面A上に粘着層や接着層を設けた後、熱可塑性樹脂フィルムを保護層として積層しても良い。
該熱可塑性樹脂フィルムとは、特に限定されるものではないが、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル系フィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素系フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどを用いることができる。
該保護層は、本発明における導電層から、金属微粒子から構成される網目状のラインが剥離、削れ等が発生しないように保護することができれば良い。また、面状発熱体は、発熱させるために通電しているため、該保護層は絶縁体としての効果もある。そのため、該導電層の保護、絶縁体としての役割を果たすことができれば、保護層の厚みは、特に限定されない。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層には、リン酸エステル、カルボン酸エステル、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことが好ましい(このような化合物を、金属密着改良剤という。)。該化合物は、導電層中に含有されてさえいれば構わないが、導電層中の金属微粒子と樹脂との密着性を向上させるという点では、金属微粒子で構成された網目状のラインと樹脂との界面に存在していることが好ましい。また、該化合物(金属密着改良剤)としては、リン酸エステルが最も好ましい。該導電層が、該化合物(金属密着改良剤)を少なくとも1つ含むことにより、後述する転写法によって本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板を得る際に、網目状のラインを簡便に転写することが可能となる。該化合物(金属密着改良剤)の使用量は、導電層を得るために使用する樹脂の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層の表面比抵抗値は、0.1〜100Ω/□であることが好ましい。ここで、導電層の表面比抵抗値は、少なくともランダムに3箇所測定した時の平均値を意味する。かかる表面比抵抗値は、より好ましくは、0.1〜30Ω/□、さらに好ましくは0.1〜10Ω/□、特に好ましくは、0.1〜5Ω/□である。表面比抵抗値が100Ω/□よりも大きい場合でも、発熱特性を発現することは可能ではあるが、そのためには高電力を印加するなど、消費電力が大きくなるため、好ましくない。なお、表面比抵抗値は低い方が好ましいものの、現実的に達成可能な下限は0.1Ω/程度と考えられ、そのため、0.1Ω/□程度が下限と考えられる。
該導電層が金属微粒子分散液から形成され、該導電層が金属以外に絶縁性化合物を含んでいる場合には、有機溶媒処理、酸処理、加熱処理、通電処理など、導電性を高める公知の方法を用いて、導電層の導電性を高め、表面比抵抗値を小さくする処理を行っても良い。
ここで、導電層の表面比抵抗値の測定は、例えば、常温(23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下で、JIS−K−7194(1994年制定9に準拠した形で、ロレスター−EP(三菱化学(株)製 型番:MCP−T360)を用いて測定することができる。また、本発明の面状発熱体が、導電層上に保護層が積層されている場合には、導電層の表面比抵抗値は、該保護層が除去できる場合には、除去して測定することで得られた値であり、除去できない場合には、該保護層を積層する前に測定した値である。
本発明の面状発熱体は、全光線透過率が50%以上であることが好ましい。より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上である。全光線透過率が50%よりも小さいと、透明性、視認性の観点から好ましくない。
また、本発明の面状発熱体の全光線透過率は高いほど好ましく、その上限は特に限定されないが、面状発熱体に用いられる導電性基板の光反射を考慮すると、面状発熱体の全光線透過率を92%よりも高くすることは困難と考えられるため、全光線透過率92%が面状発熱体の全光線透過率の物理的限界値(上限)と思われる。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層を構成する樹脂は、特に限定されないが、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂であることが好ましい。紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物としては、特に限定されるものではないが、3官能以上の多官能アクリレートを用いることが好ましい。
3官能以上の多官能アクリレートの具体的な例としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサンメチレンジイソシアネートウレタンポリマーなどを用いることができる。これらの3官能以上の多官能アクリレートは、1種または2種以上を混合して使用することができる。また、市販されている3官能以上の多官能アクリレートを含む紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物としては三菱レーヨン株式会社;(商品名“ダイヤビーム”シリーズなど)、長瀬産業株式会社;(商品名“デナコール”シリーズなど)、新中村株式会社;(商品名“NKエステル”シリーズなど)、大日本インキ化学工業株式会社;(商品名“UNIDIC”など)、東亞合成化学工業株式会社;(“アロニックス”シリーズなど)、日本油脂株式会社;(“ブレンマー”シリーズなど)、日本化薬株式会社;(商品名“KAYARAD”シリーズなど)、共栄社化学株式会社;(商品名“ライトエステル”シリーズなど)、ダイセル・サイテック株式会社;(商品名“Ebecryl”シリーズなど)などを挙げることができ、これらの製品を利用することができる。
また、3官能以上の多官能アクリレート以外に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を本発明の効果を阻害しない範囲内で、低粘度化などの目的で、アリルエステルモノマ−として、オルソフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、コハク酸ジアリルや、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーとして、メチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、フェノールEO付加物アクリレート、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジメタクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2,6−ジブロム−4−tert−ブチルフェニルアクリレート、各種のウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどを使用することができる。
本発明において、上記の紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を硬化させる方法としては、例えば、活性線として紫外線を照射する方法や高温加熱法等を用いることができ、これらの方法を用いる場合には、上記の紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物に、光重合開始剤または熱重合開始剤等を加えることが望ましい。
光重合開始剤の具体的な例としては、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントンなどの硫黄化合物などを用いることができる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよいし、2種以上組み合せて用いてもよい。また、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイドまたはジ−t−ブチルパーオキサイドなどのパーオキサイド化合物などを用いることができる。
光重合開始剤または熱重合開始剤の使用量は、使用する紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物100重量部に対して、0.01〜10重量部が適当である。電子線またはガンマ線を硬化手段とする場合には、必ずしも重合開始剤を添加する必要はない。また200℃以上の高温で熱硬化させる場合には熱重合開始剤の添加は必ずしも必要ではない。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板の導電層は、ハードコート性を有していても良い。該導電層がハードコート性を有することで、該導電層の硬度が向上し、膜強度や耐擦傷性を向上することができるため、該導電層の導電性悪化を抑制することができる。
ここでいうハードコート性とは、表面特性試験機ヘイドン(新東科学(株)製 MODEL:HEIDON−14D)を用いて、各種硬度の鉛筆の芯を円筒状にした鉛筆(MITSU−BISHI製)を角度45度に設置、鉛筆の芯を導電層表面に当て、荷重500gで速度30mm/minで引っ掻き試験を行ったときの、導電層表面の鉛筆硬度がB以上であることを示す。
前述の導電層がハードコート性を有する場合には、網目状のラインが断線しにくく、導電性を保持することが可能となるため、好ましい。該導電層のハードコート性は、導電層を製造する際に用いる紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物として、硬化後にハードコート性を有することとなる化合物を選択することにより付与することができる。
また、該導電層は、反射防止性を有していても良い。該導電層に反射防止性を付与するためには、導電層を製造する際に用いる紫外線硬化性化合物及び/または熱硬化性化合物として、硬化後に適切な屈折率を有することとなる化合物を選択することにより付与することができる。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板には、反射防止性、ハードコート性、赤外線遮蔽性、紫外線遮蔽性、及び防汚性からなる群より選ばれる少なくとも1つの機能を有する機能層を設けても良い。該機能層は、1層でも良く、2層以上を組み合わせて積層しても良い。また、複数の機能が同一の層に含有しても良く、別の層として積層しても良い。
本発明の機能層は、特開2010−215746号公報、特開2008−158023公報、特開2010−215746公報、特開2008−65117号公報などに記載の公知の方法を参照することで得ることができる。
次に、本発明の各機能層について、具体的に説明する。
本発明の機能層が反射防止性を有するとは、導電性基板の反射を低減させることをいう。導電性基板の機能層側から、分光測定において400nmから800nmの波長領域における最低反射率(ボトム反射率)を測定した際に、最低反射率が0%以上2.0%以下となる場合に、反射防止性を有するという。機能層の反射防止性は、好ましくは0%以上1.0%以下、さらに好ましくは0%以上0.7%以下、特に好ましくは0%以上0.5%以下の最低反射率である。
本発明の機能層がハードコート性を有するとは、導電性基板の機能層側から、表面特性試験機ヘイドン(新東科学(株)製 MODEL:HEIDON−14D)を用いて、各種硬度の鉛筆の芯を円筒状にした鉛筆(MITSU−BISHI製)を角度45度に設置、鉛筆の芯を機能層(ハードコート層)に当て、荷重750gで速度30mm/minで引っ掻き試験を行ったときの、ハードコート層の鉛筆硬度がH以上となる場合を意味する。ハードコート性は、好ましくは2H以上、特に好ましくは3H以上である。
本発明の機能層が赤外線遮蔽性を有するとは、機能層中に赤外線を吸収する有機化合物や金属化合物を含有することを意味する。
本発明の機能層が紫外線遮蔽性を有するとは、機能層中に一般的な紫外線吸収剤を含有し、赤外線をカットすることを意味する。
本発明の機能層が防汚性を有するとは、防汚層表面に指紋を付着させた後、40℃×90%条件下で120時間放置し、付着部分をベンコットM−3(小津産業(株)社製)にて荷重250gで30往復拭き取り、その表面を暗室にて3波長蛍光灯の直下30cmの距離に置き観察し、付着部分と未付着部分との差がほとんど認識できない場合を意味する。
本発明の面状発熱体に用いられる導電性基板は、基板上に金属微粒子から構成される網目状のラインを有する積層体(以下、この積層体を網目状金属微粒子積層体という)を用いることにより、好適に導電層を得ることができ、その結果、好適に導電性と平滑性を有する導電性基板を得ることができる。以下、網目状金属微粒子積層体を用いた本発明の面状発熱体の製造方法について説明する。なお、基材とは、前述の基板と同様に、熱可塑性樹脂フィルムなどを用いることができる。
本発明に用いられる導電性基板(導電層)は、かかる網目状金属微粒子積層体の網目状のラインを有する面上に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布・硬化する工程1と、続く、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を硬化した後に基板を貼り合わせ、網目状金属微粒子積層体中の基材と金属微粒子から構成される網目状のラインとを剥離し、基板に転写する、または、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布した面と基板とを貼り合わせ、硬化し、網目状金属微粒子積層体中の基材と金属微粒子から構成される網目状のラインとを剥離し、基板に転写する工程2とによる転写法や、網目状金属微粒子積層体の網目状のラインを有する面上に、網目状のラインが表面に出るように紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂をオーバーコートするオーバーコート法を用いて得ることができる。
また、このようにして得た導電性基板の導電層側に、1対以上の電極を備えることによって、本発明の面状発熱体を得ることができる。
上述の転写法を用いることで、比較的簡単に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂に、網目状のラインを転写させることが可能であり、また転写法により得られる導電層は、面A側の平滑性および導電性に優れた導電層とすることができる利点を有する。
オーバーコート法を用いる場合は、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物のレベリング性の問題により、網目状金属微粒子積層体の空隙部分を均一に埋めることが難しく、また、オーバーコート層が導電部分である網目状のラインを覆うなど、網目状のラインと樹脂とを均一な面にするのが極めて難しいため、面AのRa値を400nm以下に制御することは可能であるが、オーバーコート法によってRa値を200nm以下にするのは容易ではない。それに対し、転写法を用いる場合、面AのRa値を400nm以下とすることはもちろんのこと、Ra値を200nm以下に制御することも可能であり、本発明の面状発熱体に用いられる導電層の面AのRaの小さくするためには、転写法を用いることが好ましい。
かかる転写法の工程1において、網目状金属微粒子積層体の網目状のラインを有する面に、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物を塗布する方法としては、各種の塗布方法が適用でき、特に限定されないが、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、ダイコート法またはスプレーコート法などを用いることができる。
該網目状金属微粒子積層体は、公知の方法で得られる、基材上に金属微粒子を含む金属微粒子溶液を塗布、または印刷することにより、金属微粒子を含有する網目状のラインを積層した積層体を用いることができる。かかる金属微粒子溶液を基板に塗布する前に、基板の表面にアンカーコート剤やプライマー層をコーティングし、親水性処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などを行ってもよい。かかる金属微粒子溶液を基板上に塗布する方法として、ダイコート法、アプリケーター法、コンマコート法、ディッピング法等を用いることが好ましい。
該網目状金属微粒子積層体の構成の一例を図4に示すが、これに限定されるものではない。
以下、本発明の面状発熱体をより具体的に例示して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、公知の方法で得られる網目状金属微粒子積層体の金属微粒子を積層した面に、光開始剤を添加した紫外線硬化性化合物をワイヤーバーによって塗布し、次いで、紫外線硬化性化合物を塗布した面と基板を貼り合わせ、150℃で2分間、熱処理を行い、紫外線照射して、紫外線硬化性化合物を硬化して樹脂とし、金属微粒子を含有する網目状のラインを基材から剥離させ基板側に転写することで、好適に導電性基板が得られる。得られた導電性基板の両端部に均一な幅の銅テープを平行に貼付することで、1対の電極を取り、ハードコート剤を公知の方法で積層することで、保護層を設けた面状発熱体を得ることができる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
各実施例・比較例で作成した導電性基板および面状発熱体の特性の測定方法及び効果の評価方法は次の通りである。
(1)表面粗さRa値
導電性基板(導電層)の面Aの表面を、レーザー顕微鏡(KEYENCE製、型番VK−9710)にて、50倍の対物レンズで、200μm×300μmの面積の表面粗さRa値を測定した。この時のRa値のカットオフ値は0.8μmに設定した。測定は、ランダムに3箇所測定し、それを平均することで表面粗さRa値とした。
表面粗さは、測定したRa値の平均値が400nm以下であれば平滑性は良好である。
(2)発熱性バラツキ評価
導電性基板を15cm×15cmのサイズにカットし、該導電性基板の面Aの両端部5mm部分に銅テープを貼付して、1対の電極を設け、所定の電流を通電した。
電流を通電してから、5分後の基板表面温度(発熱温度)を放射型温度センサー(KEYENCE製、型番FT−H20)でランダムに3箇所測定した。測定した該基板表面温度のバラツキが、5℃以内であれば、平滑性が良好のため、電流を通電する電極端子を取ったときの導通性が優れているため「○」、5℃より大きい場合は、平滑性不良により、導通性が劣るため「×」とした。
(3)表面観察(形状観察)
導電性基板の面Aの表面を微分干渉顕微鏡(LEICA DMLM ライカマイクロシステムズ(株)製)にて倍率100倍で観察し、網目の有無及び形状を観察した。
(4)表面比抵抗
導電性基板(導電層)の面Aの表面比抵抗は、導電性基板(導電層)を常態(23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下で、JIS−K−7194(1994)に準拠した形で、ロレスター−EP(三菱化学株式会社製、型番:MCP−T360)を用いて測定した。単位は、Ω/□である。なお、本測定器は1×10Ω/□以下が測定可能である。
(5)全光線透過率
全光線透過率は、常態(23℃、相対湿度65%)において、導電性基板を2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」を用いて、光源が導電性基板(導電層)の面Aに垂直にあたるように置いて測定した。測定は、ランダムに3点行い、その平均値を全光線透過率とした。
全光線透過率は、測定した全光線透過率の平均値が50%以上であれば透明性は良好である。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。
(網目状金属微粒子積層体1)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラー(登録商標)T60)の片面に、藤倉化成株式会社製の金属微粒子溶液XA−9053を、スクリーン印刷により、網目状のラインに印刷し、金属微粒子で構成された網目状のラインを有する積層体を得た。次に、この積層体の導電化処理として、150℃で2分間熱処理し、続いて、網目状のラインを酸で処理するために、積層基板ごと1Nの塩酸(ナカライテスク(株)製 1N-塩酸)に30秒浸漬した。その後、網目状金属微粒子積層体を取り出し、水洗した後、水分除去のために100℃で1分間乾燥して、表面比抵抗値10Ω/□の網目状金属微粒子積層体1を得た。
(網目状金属微粒子積層体2)
ポリエチレンテレフタレートフィルム上に網目状のラインを有する表面比抵抗値10Ω/□の透明導電性基板(東レフィルム加工(株)製 ナノ銀透明導電フィルムTCC−010を網目状金属微粒子積層体2として使用した。
(紫外線硬化性化合物1)
紫外線硬化性化合物1として、下記紫外線硬化性化合物Aと紫外線硬化性化合物Bの混合比が60/40(wt/wt)である紫外線硬化性化合物1を用いた。
紫外線硬化性化合物A:4官能ウレタンアクリレート(ダイセル・サイテック(株)製 Ebecryl(登録商標)8405)
紫外線硬化性化合物B:ノニルフェノールEO変性アクリレート(東亞合成(株)製 アロニックス(登録商標)M111)
(紫外線硬化性化合物2)
紫外線硬化性化合物であるウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業(株)製 紫光UV−7600B)を紫外線硬化性化合物2とした。
(保護層形成溶液)
保護層形成溶液として市販のハードコート剤(JSR(株)製“オプスター”(登録商標)Z7534)をメチルイソブチルケトンで固形分濃度を40重量%になるように希釈した樹脂溶液を用いた。
(実施例1)
網目状金属微粒子積層体1の網目状のラインが積層された面上に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものを、WET厚み12μmになるようにバーコート法を用いて塗布した。
次に、この積層体を90℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、乾燥させたのち、コンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂が積層された積層体を得た。続いて、この網目状金属微粒子積層体の基材と金属微粒子のラインとを剥離することで、導電性基板を得た。
得られた導電性基板の面Aの表面のRa値は、60nmであり、平滑性に優れた基板であり、表面比抵抗は10Ω/□であり、導電性も良好であった。また、全光線透過率は80%であり、視認性も良好であった。
得られた導電性基板の導電層側の面の両端部5mm部分に銅テープを貼付して、1対の電極を設けた後、保護層形成溶液をワイヤバーで塗布し、該導電層上に積層して、保護層を有した面状発熱体を得た。この面状発熱体に、1Aの電流印加時の発熱性評価を行ったところ、面状発熱体は発熱しており、中心部の表面温度は40℃であり、発熱性バラツキ評価も「○」であった。
(実施例2)
網目状金属微粒子積層体2の網目状のラインが積層された面上に、紫外線硬化性化合物1を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部、金属密着改良剤としてリン酸エステル(日本化薬(株)製KAYARAD(登録商標)PM−2)を1質量部添加したものを、WET厚み12μmになるようにバーコート法を用いて塗布した。
次に、この積層体を90℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、乾燥させたのち、コンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、紫外線硬化性化合物からなる樹脂が積層した積層体を得た。続いて、この網目状金属微粒子積層の基材と金属微粒子のラインとを剥離することで、導電性基板を得た。
得られた導電性基板の面Aの表面のRa値は、60nmであり、平滑性に優れた基板であり、表面比抵抗は10Ω/□であり、導電性も良好であった。また、全光線透過率は80%であり、視認性も良好であった。
得られた導電性基板の導電層側の面の両端部5mm部分に銅テープを貼付して、1対の電極を設けた後、保護層形成溶液をワイヤバーで塗布し、該導電層上に積層して、保護層を有した面状発熱体を得た。この面状発熱体に、1Aの電流印加時の発熱性評価を行ったところ、面状発熱体は発熱しており、中心部の表面温度は40℃であり、発熱性バラツキ評価も「○」であった。
(実施例3)
実施例2と同様にして得られた面状発熱体に、2Aの電流を印加したところ、面状発熱体は発熱しており、中心部の表面温度は50℃に達しており、発熱性バラツキ評価も「○」であった。
(実施例4)
網目状金属微粒子積層体1の網目状のラインが積層された面上に、紫外線硬化性化合物2を100質量部とし、それに対し、光開始剤として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 イルガキュア(登録商標)184)を3質量部を添加し、メチルエチルケトン(ナカライテスク(株)製)にて固形分濃度40質量%まで希釈したものを、WET厚み7μmになるようにバーコート法を用いて塗布した。
次に、この基板を90℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間熱処理し、続いて、この基板をコンベア式UV照射装置(アイグラフィックス(株)製 ECS−401GX、高圧水銀灯4kw×1灯)を用い、500mJ/cmの照射量を照射し、導電性基板を得た。
得られた導電性基板の面Aの表面のRa値は、300nmであり、平滑性が良好な基板であり、表面比抵抗値は10Ω/□であり、導電性も良好であった。また、全光線透過率は80%であり、視認性も良好であった。
得られた導電性基板の導電層側の面の両端部5mm部分に銅テープを貼付して、1対の電極を設けた後、保護層形成溶液をワイヤバーで塗布し、該導電層上に積層して、保護層を有した面状発熱体を得た。この面状発熱体に、1Aの電流印加時の発熱性評価を行ったところ、面状発熱体は発熱しており、中心部の表面温度は40℃であり、発熱性バラツキ評価も「○」であった。
(比較例1)
網目状金属微粒子積層体2の網目状のラインが積層された面の両端部5mm部分に銅テープを貼付して、1対の電極を設けた後、保護層形成溶液をワイヤバーで塗布し、該導電層上に積層して、保護層を有した面状発熱体を得た。この面状発熱体に、1Aの電流を印加したところ、面状発熱体の中心部の表面温度は40℃に達していたが、網目状のラインを有する面の表面のRa値が480nm、網目状ラインと樹脂との境界に2500nmの段差があり、平滑性が不足しており、ランダムに測定した3箇所において、表面温度にバラツキがあり、発熱性バラツキ評価は「×」であった。
(比較例2)
網目状金属微粒子積層体1の網目状のラインが積層された面上に、水性ウレタン樹脂分散液(大日本インキ化学工業(株)製HYDRAN(登録商標)AP−201)を水で固形分濃度3質量%まで希釈したものをWet7μmになるようにバーコート法で塗布後、170℃で2分間乾燥させて樹脂層を形成させ、導電性基板を得た。
得られた導電性基板の導電層側の面の両端部5mm部分に銅テープを貼付して、1対の電極を設けた後、保護層形成溶液をワイヤーバーで塗布し、該導電層上に積層して、保護層を有した面状発熱体を得た。この面状発熱体に、1Aの電流を印加したところ、面状発熱体の中心部の表面温度は40℃に達していたが、面Aの表面のRa値が440nmであり、網目状ラインと樹脂との境界の段差は1500nmであり、平滑性が不足しており、表面温度にバラツキがあり、発熱性バラツキ評価は「×」であった。
本発明は、均一に発熱することができる透明な面状発熱体に関し、特に、液晶表示素子、冷蔵ショーケース、冷凍ショーケース、自動車用デフロスターなどに使用される面状発熱体に関するものである。
1 金属微粒子から構成される網目状のライン
2 樹脂
3 面Aを有する態様の導電層
4 基板
5 面Aを有する態様の導電性基板
6 電極
7 保護層
8 基材
9 網目状金属微粒子積層体

Claims (6)

  1. 導電性基板の導電層側に、1対以上の電極を備えている面状発熱体であって、
    前記導電性基板は、基板と導電層の積層体であり、
    前記導電層は、金属微粒子と樹脂とで構成された層であり、
    前記金属微粒子は、網目状のラインを構成し、
    前記網目状のラインは、導電層の少なくとも一方の面(以下、網目状のラインが存在する面を面Aという)に存在し、
    面AのRa値が400nm以下であることを特徴とする、面状発熱体。
  2. 前記導電層上に保護層が積層されたことを特徴とする、請求項1記載の面状発熱体。
  3. 前記導電層が、リン酸エステル、カルボン酸エステル、及び脂肪酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の面状発熱体。
  4. 前記導電層の表面比抵抗値が0.1〜100Ω/□であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の面状発熱体。
  5. 全光線透過率が50%以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の面状発熱体。
  6. 前記導電層を構成する樹脂が、紫外線硬化性化合物または熱硬化性化合物からなる樹脂であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の面状発熱体。
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