JP2006054291A - ロール状電磁波遮蔽シート、電磁波遮蔽部材及びディスプレイ用フィルタ - Google Patents

ロール状電磁波遮蔽シート、電磁波遮蔽部材及びディスプレイ用フィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な光学特性及び屈曲性を有する略無臭の電磁波遮蔽部材を高い歩留りの下に得易いロール状電磁波遮蔽シートを提供する。
【解決手段】 長尺の透明シート1と、1つの電磁波遮蔽部材に1つずつ対応した状態で透明シート1上に配置された電磁波遮蔽用金属層10と、電磁波遮蔽用金属層10毎に形成されて電磁波遮蔽用金属層10を被覆する硬化塗膜15と、硬化塗膜15を被覆する透明保護シート20とを備え、複数の電磁波遮蔽部材25Aを切り出すことができるロール状電磁波遮蔽シート30を構成するにあたって、有機溶剤を含有した光硬化性樹脂で上記硬化塗膜15を形成し、この硬化塗膜15によって電磁波遮蔽用金属層10におけるメッシュ領域10a、及び当該メッシュ領域10aによって透明シート1に平面視上画定される各光透過部12を被覆することにより、上記課題を解決した。
【選択図】 図1

Description

本発明はロール状電磁波遮蔽シート、電磁波遮蔽部材、及びディスプレイ用フィルタに関し、更に詳しくは、ディスプレイの表示面上に配置することができる電磁波遮蔽部材、このような電磁波遮蔽部材を得易いロール状電磁波遮蔽シート、及び前記の電磁波遮蔽部材を備えたディスプレイ用フィルタに関する。
今日では、種々の電子機器が必需品となっている。これらの電子機器の動作時には、程度の差こそあれ必ず電磁波が放射され、その強度が強い場合には周辺の電子機器が誤作動を起こしたり、人体に弊害を及ぼしたりする。このため、電子機器から放射された電磁波が周囲に及ばないようにするために、あるいは、電磁波から電子機器又は人体を保護するために、種々の電磁波遮蔽材料ないし電磁波遮蔽部材が開発されている。
電磁波は導電性材料により遮蔽することが可能である。電磁波遮蔽材料や電磁波遮蔽部材が光透過性を有しているか否かは電磁波の遮蔽と無関係であるが、例えばプラズマディスプレイパネルのような表示装置では、表示面から放射される電磁波が周囲に及ばないように表示面上に電磁波遮蔽部材を配置することが望まれるので、このような用途の電磁波遮蔽部材については、電磁波遮蔽性能に加えて、高い光透過性が要求される。
高い光透過性を有する電磁波遮蔽部材としては、例えば特許文献1に記載された電磁波遮蔽部材が知られている。同文献に記載の電磁波遮蔽部材は、透明なフィルム基材上に、メッシュ状にパターニングされた領域(以下、「メッシュ領域」という。)と当該メッシュ領域を取り囲む帯状(枠状)の領域とを有する金属箔が接着剤又は粘着剤を介して積層されたものである。ここで、メッシュ領域を取り囲む帯状の領域は、接地線が接続されるための領域であり、平坦化樹脂層で被覆されない領域である。以下、この帯状の領域を「接地用領域」という。
上記の電磁波遮蔽部材では、金属箔が比較的厚いので、メッシュ状に成形して十分な導電性を確保し易く、結果として、高い電磁波遮蔽性能を得易い。また、この電磁波遮蔽部材では、金属箔がメッシュ状に成形されているので、メッシュの目に相当する領域が光透過部として機能し、高い光透過性を得易い。
この電磁波遮蔽部材においては、金属箔のメッシュ領域及び光透過部が透明樹脂からなる平坦化樹脂層で被覆されている。通常、金属箔をエッチングすることにより露出した接着剤層の表面は金属箔の表面形状が表面に転写されて微細な凹凸面になっているので入射光が散乱し易いが、特許文献1に記載された電磁波遮蔽部材においては、金属箔のメッシュ領域及び光透過部が平坦化樹脂層で被覆されているので、接着剤層の表面の微細な凹凸面が平坦化されて入射光が散乱し難い。
このような平坦化樹脂層の原料としては、溶剤を揮散させるだけで固化する溶剤希釈型樹脂組成物、加熱により重合反応ないし架橋反応が進行して硬化する熱硬化性樹脂組成物、又は、光(紫外線を含む。以下同じ。)の照射により重合反応ないし架橋反応が進行して硬化する光硬化性樹脂組成物を用いることができる。光硬化性樹脂組成物を用いて平坦化樹脂層が形成されている電磁波遮蔽部材は、特許文献2にも記載されている。
特開2002−311843号公報(特許請求の範囲、第0030段、及び第0060段参照) 特開2004−39981号公報(第0015段及び第0016段参照)
しかしながら、平坦化樹脂層の形成に溶剤希釈型樹脂組成物を用いた場合には、この樹脂組成物からなる塗膜を加熱して固化させる際に塗膜表面に皮膜が生じ易く、結果として、平坦化樹脂層に比較的多くの溶媒が残留してしまい易い。そのため、このような平坦化樹脂層を備えた電磁波遮蔽部材は、溶剤臭が比較的強く、使用者に不快感を与えてしまうことがある。
平坦化樹脂層の形成に熱硬化性樹脂組成物を用いた場合には、塗膜の重合反応ないし架橋反応を進行させるために、塗膜の硬化に数時間〜数日という比較的長い時間をかける必要があり、結果として、電磁波遮蔽部材の生産性が悪くなる。また、生産性を向上させるためにいわゆるロール・ツゥ・ロール法によって電磁波遮蔽部材を作製することがあるが、熱硬化性樹脂組成物で平坦化樹脂層を形成すると塗膜の硬化に時間がかかりすぎてしまい、このような方法で電磁波遮蔽部材を作製することは実用的ではない。
これに対し、光硬化性樹脂組成物はそもそも無溶剤型の樹脂組成物として開発されたものであるので、光硬化性樹脂組成物で形成された平坦化樹脂層では溶剤が残留することがない。また、光硬化性樹脂組成物は数十秒〜数分という比較的短い時間で硬化するので、電磁波遮蔽部材をロール・ツゥ・ロール法等の生産性の高い方法によって製造するうえで好適である。さらに、屈曲性(柔軟性)が高い平坦化樹脂層を比較的容易に形成することができる。
しかしながら、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物は一般に粘度が高いので、所望の位置に塗工し難い。このため、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物を用いて平坦化樹脂層を形成した場合には、金属箔の接地用領域が平坦化樹脂層で被覆されたり、メッシュ領域に平坦化樹脂層で被覆されない箇所が形成されたりしてしまうことがある。粘度の高い樹脂組成物の使用は、電磁波遮蔽部材の歩留りを低下させる要因になる。
無溶剤型の光硬化性樹脂組成物においては、モノマー含量を増加させることによってその粘度を下げることができるが、この場合には以下の問題が生じることがある。
すなわち、光硬化性樹脂組成物中のモノマー含量を増加させて、平坦化樹脂層を所望の位置に高精度で形成可能な程度にまで当該光硬化性樹脂組成物の粘度を低下させた場合、光硬化性樹脂組成物中のモノマーを全て重合反応又は架橋反応に寄与させると平坦化樹脂層が剛直になり易くなる。平坦化樹脂層が剛直な電磁波遮蔽部材は変形させ難く、他の部材又は基材に貼付する際に無理に変形させると、平坦化樹脂層にクラックや剥がれが生じる。このようなクラックや剥がれの発生は、電磁波遮蔽部材の光学特性を低下させる要因となる。一部のモノマーのみが重合反応又は架橋反応に寄与するように硬化条件を選定することによって、屈曲性(柔軟性)が比較的高い電磁波遮蔽部材を得ることができるが、平坦化樹脂層に残存する未反応のモノマーは悪臭を放つ原因になる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、良好な光学特性及び屈曲性を有する略無臭の電磁波遮蔽部材を高い歩留りの下に得易いロール状電磁波遮蔽シートを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、良好な光学特性及び屈曲性を有する略無臭のものを得易い電磁波遮蔽部材を提供することにある。
そして、本発明の第3の目的は、電磁波を遮蔽できると共に良好な光学特性を有する略無臭のものを得易いディスプレイ用フィルタを提供することにある。
上記第1の目的を達成する本発明のロール状電磁波遮蔽シートは、複数の電磁波遮蔽部材を切り出すことができるロール状電磁波遮蔽シートであって、長尺の透明シートと、1つの電磁波遮蔽部材に1つずつ対応した状態で前記透明シート上に配置された電磁波遮蔽用金属層と、前記電磁波遮蔽用金属層毎に形成されて該電磁波遮蔽用金属層を被覆する硬化塗膜と、該硬化塗膜を被覆する透明保護シートとを備え、前記電磁波遮蔽用金属層が、前記透明シート上に多数の光透過部を平面視上画定できるメッシュ領域及び前記メッシュ領域に連なって該メッシュ領域を取り囲む接地用領域を有し、前記硬化塗膜が、有機溶剤を含有した光硬化性樹脂で形成されて、対応する前記電磁波遮蔽金属層における前記接地用領域に接地用コンタクト部位を露出させつつ該電磁波遮蔽金属層における前記メッシュ領域及び前記光透過部を被覆しており、前記硬化塗膜中の前記有機溶剤の残留量が、0.01mg/m 以上50mg/m 以下であることを特徴とする。
本発明においては、上記の硬化塗膜が特許文献1でいう「平坦化樹脂層」に相当する。
本発明のロール状電磁波遮蔽シートでは、硬化塗膜中の有機溶剤の残留量が上記の範囲内にあるので、このロール状電磁波遮蔽シートから切り出された電磁波遮蔽部材では溶剤臭が弱く、略無臭となる。また、本発明のロール状電磁波遮蔽シートでは、硬化時間が比較的短い光硬化性樹脂組成物を用いて硬化塗膜が形成されるので、良好な生産性の下に製造し易い。さらに、本発明のロール状電磁波遮蔽シートでは、有機溶剤で希釈された比較的粘度の低い光硬化性樹脂組成物を用いて硬化塗膜を形成することができるので、硬化塗膜を所望の位置に形成し易く、結果として、歩留りが良好になる。加えて、本発明のロール状電磁波遮蔽シートでは、モノマーではなく有機溶剤で希釈された光硬化性樹脂組成物を用いて硬化塗膜を形成することができるので、硬化塗膜の柔軟性を比較的高くし易いと共に、硬化塗膜にモノマーが残留することによる悪臭の発生を防止し易い。そのため、本発明のロール状電磁波遮蔽シートを用いれば、変形させ易いと共に変形させたときに硬化塗膜にクラック等が生じ難く、かつ、残留したモノマーに起因する異臭が生じ難い電磁波遮蔽部材を容易に得ることができる。
これらの理由から、本発明のロール状電磁波遮蔽シートによれば、良好な光学特性及び屈曲性を有する略無臭の電磁波遮蔽部材を高い歩留りの下に得易くなる。
本発明のロール状電磁波遮蔽シートは、前記透明保護シートを剥がした状態下でJIS K5600−5−1−1999 にしたがって行う耐屈曲性評価試験(円筒形マンドレル法)において、前記硬化塗膜にクラック又は剥がれが発生する円筒形マンドレルの最大直径が30mm以下であり、前記硬化塗膜の強度が、JIS K5600−5−4−1999 による表面鉛筆硬度試験でB以上3H以下であることが好ましい。
このロール状電磁波遮蔽シートによれば、硬化塗膜の表面が傷付き難く、かつ、他の部材又は基材に貼付するために当該電磁波遮蔽部材を屈曲させても硬化塗膜にクラック又は剥がれが生じ難い電磁波遮蔽部材を得易くなる。
本発明のロール状電磁波遮蔽シートは、前記硬化塗膜の表面の算術平均高さ(Ra)が5〜50nmの範囲内であることが好ましい。
このロール状電磁波遮蔽シートによれば、硬化塗膜表面の算術平均高さ(Ra)が上記の範囲内にあるので、硬化塗膜の表面での光の乱反射が抑制され、結果として高い光透過性を得ることが容易になる。
本発明のロール状電磁波遮蔽シートは、前記透明シートと前記電磁波遮蔽用金属層との間に接合剤層が更に設けられており、波長587.6nmの光を測定光としたときの前記接合剤層と前記硬化塗膜との屈折率差が0.12以下であることが好ましい。
このロール状電磁波遮蔽シートによれば、透明シートと電磁波遮蔽用金属層とが接合剤層により接合されているので、電磁波遮蔽用金属層の母材となる金属箔を接合剤層により透明シート上に接合した後に当該金属箔をパターニングして電磁波遮蔽用金属層を形成することが可能になるので、製造コストを抑え易くなる。また、接合剤層と硬化塗膜との屈折率差が上記の範囲内にあるので、接合剤層と硬化塗膜との界面での光の反射が抑制され、結果として、光学特性の良好な電磁波遮蔽部材を更に得易くなる。
前述した第2の目的を達成する本発明の電磁波遮蔽部材は、透明シートと、該透明シート上に設けられた電磁波遮蔽用金属層と、該電磁波遮蔽用金属層を覆う硬化塗膜とを備えた電磁波遮蔽部材であって、前記電磁波遮蔽用金属層が、前記透明シート上に多数の光透過部を平面視上画定できるメッシュ領域及び前記メッシュ領域に連なって該メッシュ領域を取り囲む接地用領域を有し、前記硬化塗膜が、有機溶剤を含有した光硬化性樹脂で形成されて、前記接地用領域に接地用コンタクト部位を露出させつつ前記メッシュ領域及び前記光透過部を被覆しており、前記硬化塗膜中の前記有機溶剤の残留量が、0.01mg/m 以上50mg/m 以下であることを特徴とする。
本発明の電磁波遮蔽部材は、JIS K5600−5−1−1999 による耐屈曲性評価試験(円筒形マンドレル法)において、前記硬化塗膜にクラック又は剥がれが発生する円筒形マンドレルの最大直径が30mm以下であり、前記硬化塗膜の強度が、JIS K5600−5−4−1999 による鉛筆硬度試験でB以上3H以下であることが好ましい。
本発明の電磁波遮蔽部材は、前記硬化塗膜の表面の算術平均高さ(Ra)が5〜50nmの範囲内であることが好ましい。
本発明の電磁波遮蔽部材は、前記透明シートと前記電磁波遮蔽用金属層との間に接合剤層が更に設けられており、波長587.6nmの光を測定光としたときの前記接合剤層と前記硬化塗膜との屈折率差が0.12以下であることが好ましい。
本発明の電磁波遮蔽部材は、前記硬化塗膜上に、透明保護シートが設けられていることが好ましい。
前述した第3の目的を達成する本発明のディスプレイ用フィルタは、少なくとも電磁波遮蔽部材、反射防止層、赤外線吸収層、ネオン光吸収層及び耐衝撃層が積層されており、前記電磁波遮蔽部材が本発明の電磁波遮蔽部材のいずれかであることを特徴とする。
本発明のロール状電磁波遮蔽シートによれば、良好な光学特性及び屈曲性を有する略無臭の電磁波遮蔽部材を高い歩留りの下に得易くなり、本発明の電磁波遮蔽部材によれば、良好な光学特性及び屈曲性を有する略無臭のものを得易くなる。そして、本発明のディスプレイ用フィルタによれば、電磁波を遮蔽できると共に良好な光学特性を有する略無臭のものを得易くなる。したがって、本発明によれば、ディスプレイの表示面上に配置される電磁波遮蔽部材を安価に提供することや、表示面上に電磁波遮蔽用部材が配置されたディスプレイを安価に提供することが容易なる。
以下、本発明のロール状電磁波遮蔽シート、電磁波遮蔽部材、及びディスプレイ用フィルタについて、図面を参照しつつ説明する。また、ロール状電磁波遮蔽シートの説明の後で、その製造方法についても図面を参照しつつ説明する。
<ロール状電磁波遮蔽シート>
図1(a)は、本発明のロール状電磁波遮蔽シートの一例を概略的に示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示したI−I線断面の概略図である。これらの図に示すロール状電磁波遮蔽シート30は、複数の電磁波遮蔽部材を切り出すことができるものであり、長尺の透明シート1と、1つの電磁波遮蔽部材に1つずつ対応した状態で接合剤層5により透明シート1上に接合された電磁波遮蔽用金属層10と、電磁波遮蔽用金属層10毎に形成されて当該電磁波遮蔽用金属層10を被覆する硬化塗膜15と、硬化塗膜15を被覆する透明保護シート20とを備えている。
各電磁波遮蔽用金属層10は、平面視したときに透明シート1に光透過部12を多数画定することができるメッシュ領域10aと、このメッシュ領域10aに連なって当該メッシュ領域10aを取り囲む接地用領域10bとを有しており、隣り合うもの同士が互いに連なって1つの層を形成している。
なお、本明細書でいう「ロール状電磁波遮蔽シート」とは、複数の電磁波遮蔽部材を切り出すことができるシートを巻回したものをいい、図1(a)は、ロール状電磁波遮蔽シートからその一端を引き出した状態を示している。また、図1(a)においては、硬化塗膜15を判り易くするために、透明保護シート20の図示を省略している。
図1(a)中に符号Cで示す仮想線に沿ってロール状電磁波遮蔽シート30を裁断することにより、複数の電磁波遮蔽部材を得ることができる。以下、ロール状電磁波遮蔽シート30を構成する各部材について説明する。
(1)透明シート;
透明シート1は、各電磁波遮蔽用金属層10を支持するためのものであり、例えば1〜2000mの長さを有する長尺シートである。この透明シート1としては、ロール状に巻回するという観点から、ガラスシート、透明樹脂シート、又は透明樹脂フィルムのように柔軟性に富んだものを用いることが好ましい。また、ロール状電磁波遮蔽シート30から切り出した電磁波遮蔽部材を他の部材又は基材に貼付する際に変形させ易くするという観点からも、柔軟性に富んだものを用いることが好ましい。
透明シート1の材質は、電磁波遮蔽部材の用途や許容される生産コスト等に応じて適宜選択可能である。また、透明シート1の光透過率についても、電磁波遮蔽部材の用途に応じて適宜選択可能である。例えば、電磁波遮蔽部材が表示装置の表示面上に配置されるものである場合には、透明シート1として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルケトン等により形成された膜厚12〜300μm程度、可視光透過率(全光線透過率)80%程度以上のフィルムないしシートを用いることが好ましい。
(2)接合剤層;
接合剤層5は、各電磁波遮蔽用金属層10を透明シート1上に接合させるためのものであり、図1(b)に示すように透明シート1上に形成されている。この接合剤層5は、実用上十分な接合強度及び耐光性を有していることが好ましい。
接合剤層5の具体例としては、アクリル系、エステル系、ウレタン系、フッ素系、ポリイミド系、エポキシ系、又はポリウレタンエステル系等の接着剤、あるいは、主成分としてメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を含有したアクリル系粘着剤によって形成された層が挙げられる。なお、本明細書でいう「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタアクリレートの双方を意味する。接合剤層5を形成するにあたっては、必要に応じて、その原料にイソシアネート系、ポリチオール系、イミド系等の硬化剤を含有させることができる。
接合剤層5の膜厚は、使用する接合剤の種類に応じて、0.5〜50μm程度の範囲内で適宜選定可能である。なお、後述するように、電磁波遮蔽用金属層10の形成方法によっては、接合剤層5を省略することも可能である。
(3)電磁波遮蔽用金属層;
電磁波遮蔽用金属層10は、電磁波遮蔽部材の光透過性を高く保ちつつ電磁波を遮蔽するための部材であり、前述したように、透明シート1に多数の光透過部12を平面視上画定することができるメッシュ領域10aと、このメッシュ領域10aに連なって当該メッシュ領域10aを取り囲む接地用領域10bとを有している。
メッシュ領域10aは、ロール状電磁波遮蔽シート30から切り出される電磁波遮蔽部材での光透過性を確保するための領域である。メッシュ領域10aにおける個々の光透過部12の平面形状は、例えば三角形、四角形、六角形等、適宜選定可能である。図1(a)に示したロール状電磁波遮蔽シート30での各光透過部12の平面形状は、四角形又は三角形である。電磁波遮蔽部材が表示装置の表示面上に配置されるものである場合、メッシュ領域10aの形状や大きさは、表示装置の画面領域の形状及び大きさに応じて適宜設定される。メッシュ領域10aの大きさは、通常、表示装置の画面領域よりも若干大きめに設定される。
一方、接地用領域10bは、電磁波遮蔽部材を表示装置の表示面上に配置する際に接地線が接続される領域である。接地用領域10bに接地線を接続することにより、電磁誘導によってメッシュ領域10aに生じた電荷が接地線に流れるようになるので、電磁波遮蔽部材の電磁波遮蔽性能を向上させることができる。本明細書では、接地用領域10bにおいて接地線の接続に用いられる部位を、「接地用コンタクト部位」という。
接地用領域10bは、メッシュ領域10aに連なって当該メッシュ領域10aを取り囲むように設けられている。接地用領域10bは、接地の効果が得られる範囲で、メッシュ領域10aと各光透過部12とを合わせた領域の平面視上の輪郭の一部とのみ接するように設けられていてもよいが、電磁波遮蔽部材の電磁波遮蔽性能を向上させるという観点からは、図1(a)に示すように、メッシュ領域10aと各光透過部12とを合わせた領域の平面視上の輪郭の全周に亘って接していることが好ましい。なお、接地用領域10bには、アライメントマークとなる開口部を設けてもよい。ここでいうアライメントマークとは、電磁波遮蔽部材をディスプレイの表示面上に配置する際に、適正な位置に電磁波遮蔽部材を配置するための基準となるマークである。
個々の電磁波遮蔽用金属層10は、例えば銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、金、銀、ステンレス、タングステン、クロム、チタン等の金属により形成される。メッシュ領域10aを形成する金属と接地用領域10bを形成する金属とを異種の金属とすることもできるが、ロール状電磁波遮蔽シート30を低コストの下に得るうえからは、同種の金属とすることが好ましい。光透過性及び電磁波遮蔽性能が共に高い電磁波遮蔽部材を低コストの下に得るという観点からは、銅のように安価で、表面反射率が低く、かつ導電性が高い金属によって電磁波遮蔽用金属層10を形成することが好ましい。
各電磁波遮蔽用金属層10でのメッシュ領域10aの開口率(メッシュ領域10aの平面視上の面積と光透過部12の平面視上の総面積との和に占める光透過部12の平面視上の総面積の百分率を意味する。)を70%程度以上にすることにより、光透過性の高い電磁波遮蔽部材を得易くなる。このとき、メッシュ領域10aの平面視上の平均線幅は20μm程度以下、特に15μm以下とすることが好ましい。
また、電磁波遮蔽部材の電磁波遮蔽性能を高めるという観点からは、電磁波遮蔽用金属層10の導電性を高めることが好ましいので、当該電磁波遮蔽用金属層10の材質にもよるが、その平均膜厚を5〜30μm程度、好ましくは5〜15μm程度とし、かつ、メッシュ領域10aでの平面視上の平均線幅を5μm以上とすることが望ましい。
電磁波遮蔽用金属層10の上下面のうちで、少なくとも電磁波遮蔽部材を表示装置の表示面上に配置したときに外側にくる面には、クロメート処理等の方法により黒化処理を施しておくことが好ましい。電磁波遮蔽用金属層10にこのような処理を施しておくと、電磁波遮蔽部材を表示装置の表示面上に配置したときに映像のコントラストが高まる。
(4)硬化塗膜;
硬化塗膜15は、図1(a)及び図1(b)に示すように、電磁波遮蔽用金属層10毎に形成されて、この電磁波遮蔽用金属層10を被覆するものであり、具体的には、接地用領域10bに接地用コンタクト部位を露出させつつ、光透過部12及びメッシュ領域10aを被覆するものである。
この硬化塗膜15が光透過部12及びメッシュ領域10aを被覆していることにより、メッシュ領域10aを形成している金属層の表面での光の散乱が抑制され、ロール状電磁波遮蔽シート30から切り出される電磁波遮蔽部材の光学特性が向上する。また、光透過部12における接合剤層5の表面に微細な凹凸が形成されていたとしても、当該凹凸が硬化塗膜15によって平坦化されて光の散乱が抑制されるので、ロール状電磁波遮蔽シート30から切り出される電磁波遮蔽部材の光学特性が向上する。
硬化塗膜15は、有機溶剤を含有した透明な光硬化性樹脂によって形成されており、硬化塗膜15中の有機溶剤の残留量は0.01mg/m 以上50mg/m 以下である。この硬化塗膜15は、有機溶剤で希釈された光硬化性樹脂組成物(以下、「溶剤型光硬化性樹脂組成物」という。)を用いて塗膜を形成し、塗膜中の有機溶剤を揮散させた後に当該塗膜に光を照射して硬化させることによって得られる。
硬化塗膜15中の有機溶剤の残留量を50mg/m 以下とすることにより、ロール状電磁波遮蔽シート30から切り出された電磁波遮蔽部材での溶剤臭を弱くして、略無臭とすることができる。電磁波遮蔽部材の溶剤臭をできるだけ弱くするという観点からは、硬化塗膜15中の有機溶剤の残留量を30mg/m 以下とすることが好ましく、10mg/m 以下とすることが更に好ましい。
また、硬化塗膜15中の有機溶剤の残留量を0.01mg/m 以上とすることにより、上記の塗膜中の有機溶剤を揮散させる際の加熱温度を高温にする必要がなくなり、結果として、電磁波遮蔽用金属層10と透明シート1との熱膨張係数の相違に起因した反りがロール状電磁波遮蔽シート30に生じるのを抑制することが容易になる。ロール状電磁波遮蔽シート30に反りが生じると、このロール状電磁波遮蔽シート30から切り出した電磁波遮蔽部材を他の部材又は基材に貼付する際にしわが発生し易くなるが、ロール状電磁波遮蔽シート30での反りの発生が抑制されていれば、前記のしわの発生も抑制される。
硬化塗膜15が接地用領域10bを過度に被覆していると、電磁波遮蔽部材を表示装置の表示面上に配置する際に接地用コンタクト部位を確保できないことがあり、このような電磁波遮蔽部材は不良品とされる。接地用領域10bに十分な広さの接地用コンタクト部位を確保するうえからは、硬化塗膜15の平面視上の縁がメッシュ領域10aと接地用領域10bとの境界上にくるように、あるいは前記の境界付近にくるように、当該硬化塗膜15を形成することが好ましい。
硬化塗膜15の平面視上の縁を接地用領域10b内とする場合には、上記の境界から3mm以下のところに位置させることが好ましく、メッシュ領域10a内とする場合には、上記の境界から3mm以下のところに位置させることが好ましい。硬化塗膜15の平面視上の縁が接地用領域10b内に3mmより大きく侵入している場合には、上記した弊害が生じ易くなる。硬化塗膜15の平面視上の縁が3mmを超えてメッシュ領域10a内にある場合には、メッシュ領域10aの外周部付近での光学特性が低下してしまうことがある。
硬化塗膜15を所望の位置に形成するためには、その原料である溶剤型光硬化性樹脂組成物での有機溶剤の含有量を調整して、当該溶剤型光硬化性樹脂組成物の粘度を低めに設定することが好ましい。光硬化性樹脂組成物を有機溶剤で希釈することにより、光硬化性樹脂組成物でのモノマー含量を多くしなくても低粘度の樹脂組成物を得ることができるので、重合度が高く、換言すれば未反応のモノマー含量が少なく、かつ柔軟性が高い硬化塗膜15を所望の位置に形成することが容易になる。
硬化塗膜15の柔軟性が高ければ、ロール状電磁波遮蔽シート30から切り出した電磁波遮蔽部材を他の部材や基材に貼付するために変形させても、硬化塗膜15にクラックや剥がれが発生することが防止される。ロール状電磁波遮蔽シート30又はこのロール状電磁波遮蔽シート30から切り出した電磁波遮蔽部材について、透明保護シート20を剥がした状態下でJIS K5600−5−1−1999 にしたがって耐屈曲性評価試験(円筒形マンドレル法)を行ったときに、硬化塗膜15にクラック又は剥がれが発生する円筒形マンドレルの最大直径が30mm以下となる柔軟性を硬化塗膜15が有していれば、電磁波遮蔽部材を他の部材や基材に貼付するために変形させても、硬化塗膜15でのクラックや剥がれの発生を防止し易くなる。上記の試験での円筒形マンドレルの最大直径は20mm以下であることがより好ましく、10mm以下であることが更に好ましい。この試験での円筒形マンドレルの最大直径の下限は、通常、3mm程度である。
また、硬化塗膜15の強度は、JIS K5600−5−1−1999 による鉛筆硬度試験で測定された鉛筆硬度でB以上3H以下であることが好ましい。硬化塗膜15の強度が鉛筆硬度でB未満であると、硬化塗膜15の表面に傷が付き易くなってしまう。また、硬化塗膜15の強度が鉛筆硬度で3Hを超えると、硬化塗膜15にクラック又は剥がれが発生し易くなる。硬化塗膜15の強度は、その材料である光硬化性樹脂の組成を適宜選定することによって制御可能である。光硬化性樹脂としてウレタンアクリレート系樹脂を用いることにより、強度が上記の鉛筆硬度でB以上3H以下である硬化塗膜15を得ることが容易になる。
光硬化性樹脂の組成に拘わらず、硬化塗膜15のガラス転移温度(Tg)は、マイナス70℃〜プラス100℃の範囲内にあることが好ましい。硬化塗膜15のガラス転移温度(Tg)がマイナス70℃より低温では、硬化塗膜15に必要とされる強度を確保し難くなる。また、硬化塗膜15のガラス転移温度(Tg)がプラス100℃を超えると、硬化塗膜15にクラック又は剥がれ等が発生し易くなる。
ロール状電磁波遮蔽シート30から切り出される電磁波遮蔽部材が表示装置の表示面上に配置されるものである場合には、電磁波遮蔽部材の光透過性を高めることの他に、電磁波遮蔽部材の像鮮明度を高めることも望まれる。ここで、「像鮮明度」とは、電磁波遮蔽部材を通して視認される像の鮮明度をいう。光透過性及び像鮮明度が高い電磁波遮蔽部材を得るという観点からは、硬化塗膜15の表面の算術平均高さ(Ra)を50nm以下とすることが好ましく、30nm以下とすることがより好ましい。この算術平均高さ(Ra)が50nmを超えると、硬化塗膜15の表面での反射光量が増大して、あるいは、硬化塗膜15の表面での乱反射が大きくなって、像鮮明度が低くなり易い。硬化塗膜15の表面の算術平均高さ(Ra)は、20nm以下とすることが更に好ましい。この算術平均高さ(Ra)を20nm以下とした場合には、硬化塗膜15上に他の部材を貼付したときに両者の界面に気泡が残りにくくなる。
硬化塗膜15の表面の平滑性は、その原料である溶剤型光硬化性樹脂組成物によって形成した塗膜の硬化に先立って、その上に所望の表面平滑性を有する透明保護シート20を配置し、この状態で上記の塗膜を硬化させることによって調整することができる。この場合、硬化塗膜15の表面の算術平均高さ(Ra)の下限は、透明保護シート20の表面の算術平均高さ(Ra)を5nmより小さくするのが技術上困難であることから、5nm程度となる。
ロール状電磁波遮蔽シート30が接合剤層5を有する場合には、硬化塗膜15と接合剤層5との屈折率差をできるだけ小さくすることが好ましく、波長587.6nmの光を測定光としたときの屈折率差で0.12程度以下、更には0.1以下とすることが好ましい。硬化塗膜15と接合剤層5との屈折率差が上記の値程度以下であれば、光透過部12における接合剤層5の表面に微細な凹凸が形成されていたとしても、この表面と硬化塗膜15との界面での光の反射が抑制されるので、光透過性及び像鮮明度の高い電磁波遮蔽部材を得易くなる。同様の理由から、ロール状電磁波遮蔽シート30が接合剤層5を有していない場合には、硬化塗膜15と透明シート1との屈折率差を上記の値程度以下とすることが好ましい。
(5)透明保護シート;
透明保護シート20は、硬化塗膜15を被覆して、硬化塗膜15に傷が付くのを防ぐためのシートである。また、後述するように、硬化塗膜15となる未硬化の塗膜上に透明保護シート20を配置し、この状態で前記の塗膜を硬化させると透明保護シート20の表面形状が硬化塗膜15の表面に転写されるので、硬化塗膜15の表面の平滑性を制御するための部材としても利用することができる。
硬化塗膜15に傷が付くのを防ぐために透明保護シート20を用いる場合、この透明保護シート20としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルケトン等のシートを用いることができる。透明保護シート20は、図1(b)に示すように長尺のシートであってもよいし、個々の硬化塗膜15又は電磁波遮蔽用金属層10に対応した形状の枚葉のシートであってもよい。
一方、硬化塗膜15の表面の平滑性を制御するための部材として透明保護シート20を利用する場合、この透明保護シート20は、高い光透過性を有していることが好ましい。硬化塗膜15を形成する際には、透明保護シート20を通して溶剤型光硬化性樹脂組成物の塗膜に光が照射されるので、透明保護シート20の光透過性が低いと硬化塗膜15の重合度が低下してしまうことがある。対象となる光の波長は、硬化塗膜15の原料の感光波長に応じて適宜選定され、例えば硬化塗膜15の形成に紫外線を利用する場合には、波長350nm程度の紫外線の透過率が50%以上であることが好ましい。
また、透明保護シート20の表面の平滑性は、形成しようとする硬化塗膜15の表面の平滑性に応じて適宜決定される。硬化塗膜15の表面の平滑性を算術平均高さ(Ra)で50nm以下にしようとする場合には、透明保護シート20としても、表面の算術平均高さ(Ra)で50nm以下のものを用いることが好ましい。透明保護シート20は、ロール状電磁波遮蔽シート30から切り出された電磁波遮蔽部材の使用時に、通常、剥がされる。
以上説明した透明シート1、電磁波遮蔽用金属層10、硬化塗膜15、及び透明保護シート20を備えたロール状電磁波遮蔽シート30は、有機溶剤を含有した光硬化性樹脂によって硬化塗膜15が形成されており、かつ、硬化塗膜15中の有機溶剤の残留量が0.01mg/m 以上50mg/m 以下であるので、上記「(4)硬化塗膜」の項での説明から明らかなように、良好な光学特性及び屈曲性を有する略無臭の電磁波遮蔽部材を高い歩留りの下に得易いという技術的効果を奏する。また、このロール状電磁波遮蔽シート30は、下記(a)〜(b)の各技術的効果も奏する。
(a)硬化塗膜15に残留する有機溶剤の量が上記の範囲内に抑えられているので、溶剤希釈型樹脂組成物(溶剤が揮散することにより固化する樹脂組成物)によって硬化塗膜を形成した場合に比べて、有機溶剤が経時的に揮散することに起因して硬化塗膜15にクラックや剥がれが経時的に発生するということが起こり難い。
(b)硬化塗膜15の原料として溶剤型光硬化性樹脂組成物を用いることができるので、無溶剤型の光硬化性樹脂組成物を用いた場合に比べて、硬化塗膜15の形成時に塗工ムラが生じ難い。また、塗工ムラが生じた場合でも、溶剤型光硬化性樹脂組成物によって形成した塗膜中の有機溶剤を揮散させる過程で平坦化し易い。これらの結果として、平坦性が高い硬化塗膜15を形成し易い。
硬化塗膜15の平坦性は、例えば、硬化塗膜15の上面を斜め上方から目視したときに視認される単位面積あたりの凸条(数mm〜数cm間隔で生じる筋状の凸部)の数によって評価することができる。具体的には、硬化塗膜15の形成後にその上の透明保護シート20を剥離し、この硬化塗膜15を水平に配置した状態で鉛直方向上方から平行光又は略平行光を照射して、任意に設定した一辺5cmの正方形状の観察領域内にある凸条の数を目視により数える。このとき、観察領域での平面視上の中心を通る法線とのなす角が10°、前記平面視上の中心からの距離が0.3mである点を観察点とする。1つの硬化塗膜15について計3箇所の観察領域で凸条の数を数え、その算術平均値を単位面積あたりの凸条の数として当該硬化塗膜15の平坦性を評価する。視認される凸状の数が少ないほど、硬化塗膜15の平坦性が高い。視認される凸状の数があまりに多いと、ロール状電磁波遮蔽シート30から切り出される電磁波遮蔽部材の実用性が低下する。
ロール状電磁波遮蔽シート30における各硬化塗膜15では、単位面積あたりの凸条の数(算術平均値)を容易に0〜15本程度とすることができる。無溶剤型の光硬化性樹脂組成物で硬化塗膜を形成した場合には、通常、単位面積あたりの凸条の数(算術平均値)が15本を超えてしまう。
なお、本発明のロール状電磁波遮蔽シートでは、このロール状電磁波遮蔽シートから切り出される1つの電磁波遮蔽部材に1つずつ対応した状態で、各電磁波遮蔽用金属層が透明シートの長軸方向に連続して設けられていればよく、電磁波遮蔽用金属層全体の配置は適宜選定可能である。例えば、図1(a)及び図1(b)に示したロール状電磁波遮蔽シート30では各電磁波遮蔽用金属層10が1列に配置されているが、これらの電磁波遮蔽用金属層10は、2列以上の複数列に配列された状態で透明シート1の長軸方向に連続して配置されていてもよい。
また、透明シート1に対する各電磁波遮蔽用金属層10の向きは、特に限定されない。例えば、電磁波遮蔽用金属層10の平面形状が長方形状である場合、この電磁波遮蔽用金属層10の長辺の方向は、図1(a)及び図1(b)に示すように透明シート1の長軸方向に直交していてもよいし、図2に示すロール状電磁波遮蔽シート40におけるように、透明シート1の長軸方向に平行であってもよい。さらに、各電磁波遮蔽用金属層10は互いに離れて設けられていてもよい。
また、図1(a)及び図1(b)に示したロール状電磁波遮蔽シート30では長尺の透明保護シート20が用いられているが、枚葉の透明保護シートを1つの電磁波遮蔽用金属層10に1枚ずつ配置してロール状電磁波遮蔽シートを構成することもできる。
[ロール状電磁波遮蔽シートの製造方法]
本発明のロール状電磁波遮蔽シートは、長尺の透明シートに電磁波遮蔽用金属層を複数形成する工程(以下、「電磁波遮蔽用金属層形成工程」という。)と、各電磁波遮蔽用金属層上に硬化塗膜及び透明保護シートを設ける工程(以下、「硬化塗膜等形成工程」という。)とを、この順で実施することにより製造することができる。
ロール状電磁波遮蔽シート30の生産性を良好なものとするという観点からは、いわゆるロール・ツゥ・ロール法を用いることが好ましい。ロール・ツゥ・ロール法によれば、枚葉の透明シート毎に電磁波遮蔽部材を製造する方法と比較して、電磁波遮蔽部材の生産性が向上する。ロール・ツゥ・ロール法では、ロール状に巻回されたシートが装着される供給部と、この供給部から繰り出されたシートを巻き取ることができる巻取り部とを備えた製造装置が用いられる。
以下、図1(a)及び図1(b)に示したロール状電磁波遮蔽シート30をロール・ツゥ・ロール法により製造する場合を例にとり、図1(a)又は図1(b)で用いた参照符号を適宜引用して、各工程を説明する。
(A)電磁波遮蔽用金属層形成工程;
この工程では、まず、透明シート1のロールを所定の製造装置(以下、この製造装置「製造装置I」という。)の供給部に装着し、その一端を製造装置Iにおける巻取り部まで架け渡す。次いで、供給部による透明シート1の供給速度と巻取り部による透明シート1の巻き取り速度とを一定にした状態で、透明シート1の片面に電磁波遮蔽用金属層10の母材となる長尺の金属箔をドライラミネーション法やウェットラミネーション法等によって接合剤層5を介して連続的に接合する。金属箔としては、圧延箔や電解箔を用いることができる。以下、長尺の金属箔が接合された長尺の透明シートを「金属箔付き透明シート」という。この金属箔付き透明シートを巻き取り部によって順次巻き取って、ロール状の金属箔付き透明シートを得る。
次いで、ロール状の金属箔付き透明シートを他の製造装置(以下、この製造装置「製造装置II」という。)の供給部に装着し、その一端を製造装置IIにおける巻取り部まで架け渡す。次に、架け渡された金属箔付き透明シートを巻取り部で巻き取る間に、このシートの金属箔を所望のパターンに連続的にパターンニングして、金属箔の所定箇所にメッシュ領域10aを順次形成する。金属箔のパターニング方法としては、ウェットエッチング法又はドライエッチング法を用いることができ、比較的簡便な装置でパターニングできるウェットエッチング法を用いることが好ましい。接合剤層5により透明シート1上に接合された金属箔をウェットエッチングによってパターニングする場合には、接合剤層5がエッチングストッパとしても機能するように、接合剤層5を形成する接合剤の種類及び接合剤層5の膜厚を選定することが好ましい。
金属箔に上述のようにしてメッシュ領域10aを順次形成することにより、透明シート1上に電磁波遮蔽用金属層10が複数形成された長尺のシートが得られる。以下、この長尺のシートを「電磁波遮蔽用金属層付き透明シート」という。この電磁波遮蔽用金属層付き透明シートを巻き取り部によって順次巻き取って、ロール状の電磁波遮蔽用金属層付き透明シートを得る。
(B)硬化塗膜等形成工程;
この工程では、電磁波遮蔽用金属層形成工程で得たロール状の電磁波遮蔽用金属層付き透明シートと、溶剤希釈型光硬化性樹脂組成物と、ロール状に巻き取った透明保護シート20とを用いて、ロール・ツゥ・ロール法によりロール状電磁波遮蔽シート30を得る。
上記の溶剤型光硬化性樹脂組成物は、所望の光硬化性樹脂組成物を有機溶剤で希釈することによって調製することができる。このとき使用する光硬化性樹脂組成物としては、硬化することによってエポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂、シリコンアクリレート樹脂、ポリブタジエンアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエン/チオール樹脂、又はポリスチリルメタクリレート樹脂等の透明な光硬化性樹脂になるものを例示することができ、特にエポキシアクリレート樹脂又はウレタンアクリレート樹脂となるものを用いることが好ましい。
使用する光硬化性樹脂組成物の種類は、硬化塗膜15の柔軟性、ガラス転移温度、可視光透過率(全光線反射率)等を考慮して、また、ロール状電磁波遮蔽シート30が接合剤層5を有する場合には硬化塗膜15と接合剤層5との屈折率差を考慮して、適宜選定可能である。例えば、エポキシアクリレート樹脂及びウレタンアクリレート樹脂は、メチルメタアクリレート樹脂のようなアクリル樹脂等と比較して柔軟性に優れるので、硬化することによってエポキシアクリレート樹脂又はウレタンアクリレート樹脂となる光硬化性樹脂組成物を用いることにより、柔軟性が高い硬化塗膜15を形成し易くなる。
いずれの光硬化性樹脂組成物を用いる場合でも、この光硬化性樹脂組成物はモノマー成分とオリゴマー成分とを少なくとも含有していることが好ましい。
上記のオリゴマー成分としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエン/チオール、ポリスチリルメタクリレート、カプロラクタン等が挙げられる。
硬化塗膜15と電磁波遮蔽用金属層10との密着性を向上させるという観点から、オリゴマー成分としては、水酸基、酸性の官能基等の極性基を含んでいるものを用いることが好ましい。極性基を含むオリゴマー成分としては、(1)ヘキサンジオールとフタル酸との重合体やトリメチロールプロパンとアジピン酸との重合体等のポリエステルアクリレート、(2)ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)とトリレンジイソシアネートとポリテトラメチレングリコールとの重合体、HEAとイソホロンジイソシアネートとポリエチレングリコールアジペートとの重合体等のウレタンアクリレート、(3)ビスフェノールA型やノボラック型等の芳香族系エポキシアクリレート、又は(4)ヘキサンジオールを用いた、又はポリエチレングリコールを用いた脂肪族系エポキシアクリレート等を用いることができる。極性基を含むオリゴマーは、例えばラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の既知の重合方法を用いて得ることができる。上記の観点から、1分子のオリゴマー成分での極性基の平均数は2〜10個であることが好ましい。
一方、上記のモノマー成分の具体例としては、(1)酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、スチレン等のビニル系モノマー、(2)ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート、イソボニルアクリレート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート等の単官能アクリレート系モノマー、(3)1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAジエトキシジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシビバリ酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能アクリレート系モノマー、並びに(4)エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド、などが挙げられる。また、上述した光硬化性樹脂組成物には、アクリル酸ダイマーを含有させることもできる。
光硬化性樹脂組成物におけるオリゴマー成分及びモノマー成分の配合割合は、質量比で、オリゴマー成分:モノマー成分=7:3〜8:2であることが好ましい。この光硬化性樹脂組成物はモノマーではなく有機溶剤で粘度調整されるので、硬化塗膜15の柔軟性の低下や悪臭の原因となるモノマーの配合割合を小さくすることができる。硬化塗膜15と電磁波遮蔽用金属層10との密着性を向上させるという観点からは、極性基を含むオリゴマー成分が、モノマー成分に対し10〜400質量%配合されていることが好ましい。
光硬化性樹脂組成物には、光重合開始剤が含有されていることが好ましく、また、光重合開始剤と共に増感剤として光重合開始助剤が含有されていることが更に好ましい。光重合開始剤と共に光重合開始助剤が含有されている場合には、光の照射による重合反応が更に開始し易くなる。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、4,4−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−ジメトキシ−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、アゾビスイソブチルニトリル、2−クロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジメチルチオキサンソン、メチルベンゾイルフォーメート、3,3,4,4−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等を用いることができる。光重合開始剤の配合割合は、光硬化性樹脂成分(モノマー成分やオリゴマー成分等)に対し、0.5〜3質量%程度とすることができる。
また、光重合開始助剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエチル−n−ブチルホスフィン、ジエチルアミノエチルメタクリレート、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソブチル、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート等を用いることができる。
前述した溶剤型光硬化性樹脂組成物は、上述した光硬化性樹脂組成物をアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジクロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の有機溶剤で希釈することによって得られる。
このときの希釈倍率は、得られる溶剤型光硬化性樹脂組成物の23℃での粘度が0.01〜0.5Pa・sの範囲内となるように選定することが好ましく、0.01〜0.1Pa・sの範囲内となるように選定することが更に好ましい。溶剤型光硬化性樹脂組成物の23℃での粘度が0.5Pa・sを超えると、この溶剤型光硬化性樹脂組成物を例えば間欠塗工法によりパターン状に塗工した際に、間欠塗工の塗工終了部において溶剤型光硬化性樹脂組成物の切れが悪くなって塗膜の端部の形状を制御し難くなり、結果として、硬化塗膜15を所望の位置に形成し難くなる。また、溶剤型光硬化性樹脂組成物の23℃での粘度が0.01Pa・s未満では、粘度が低すぎて塗膜が流動し易くなることから、硬化塗膜15を所望の位置及び所望の膜厚で形成し難くなるおそれがある。例えば、23℃での粘度が0.01〜0.5Pa・sの範囲内にある溶剤型光硬化性樹脂組成物は、固形分量(光硬化性樹脂成分及び光重合開始剤等の添加剤の量)が30〜80質量%程度の範囲内となるように有機溶剤で希釈することによって得ることができる。
硬化塗膜等形成工程では、上述した溶剤型光硬化性樹脂組成物と、ロール状に成形した透明保護シートとを用いて、例えば図3に概略的に示す硬化塗膜等形成装置60によりロール状電磁波遮蔽シート30を得る。
同図に示す硬化塗膜等形成装置60は、前述した電磁波遮蔽用金属層形成工程で作製したロール状の電磁波遮蔽金属層付き透明シート1aが装着された第1供給部51と、第1供給部51から繰り出された電磁波遮蔽金属層付き透明シート1a上に溶剤希釈型光硬化性樹脂組成物を間欠的に塗工して塗膜を形成する塗工部52と、塗工部52で形成した塗膜を乾燥してその中の有機溶剤を揮散させる乾燥部53とを備えている。さらに、この装置60は、ロール状の透明保護シート20が装着された第2供給部55、第2供給部55から繰り出された透明保護シート20を乾燥後の塗膜上に貼付する貼付部54、乾燥後の塗膜に透明保護シート20上から光を照射することによって当該塗膜を硬化させて硬化塗膜15とする硬化部56、及び、硬化塗膜15が形成された電磁波遮蔽金属層付き透明シート1aを巻き取ってロール状電磁波遮蔽シート30とする巻き取り部57を備えている。
硬化塗膜等形成装置60を用いたロール状電磁波遮蔽シート30の製造は、第1供給部51から電磁波遮蔽金属層付き透明シート1aを繰り出し、塗工部52にて電磁波遮蔽金属層付き透明シート1aの電磁波遮蔽用金属層上に溶剤型光硬化性樹脂組成物をパターン状に塗工して塗膜を形成し、乾燥部53にてこの塗膜を乾燥し、第2供給部55から繰り出された透明保護シート20を乾燥後の塗膜上に貼付部54にて貼り付け、硬化部56にて塗膜を硬化させた後に巻き取り部57にてロール状に巻き取ることによって行われる。なお、図3中の矢印は、電磁波遮蔽金属層付き透明シート1a又は透明保護シート20の搬送方向を示している。
塗工部52での溶剤型光硬化性樹脂組成物の塗工は、電磁波遮蔽用金属層10毎に、接地用領域10bを露出させつつ光透過部12及びメッシュ領域10aが被覆されるように、塗工の位置を制御して行われる。このような塗工を可能にする塗工方法としては、ダイコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
ダイコート法により塗工する場合には、溶剤型光硬化性樹脂組成物が光透過部12及びメッシュ領域10aを被覆するように、塗工装置からの溶剤型光硬化性樹脂組成物の供給を間欠的に行う。マイクログラビアコート法により塗工する場合には、光透過部12及びメッシュ領域10aではマイクログラビアロールを圧着させ、接地用領域10bでは浮かすことにより間欠的に塗工する。このようにしてダイコート法又はマイクログラビアコート法により溶剤型光硬化性樹脂組成物を塗工することにより、マシンディレクション方向(MD方向)での塗膜の位置の制御が可能となる。なお、ダイコート法又はマイクログラビアコート法によりクロスディレクション方向(CD方向)での塗膜の位置を制御するためには、予め塗工幅を設定して塗工するとよい。ここで、マシンディレクション方向(MD方向)とは、ロール・ツゥ・ロール法による塗工時において塗工対象のシートの搬送方向をいい、クロスディレクション方向(CD方向)とは、MD方向に平面視上直交する方向をいう。グラビアコート法により塗工する場合には、光透過部12及びメッシュ領域10aに塗工できるマスクパターンを有する印刷版を用いて、溶剤型光硬化性樹脂組成物を連続的に塗工する。
より高い位置精度で溶剤型光硬化性樹脂組成物を塗工するという観点からは、三方弁を備えたダイコーターを用いることが好ましい。図4は、三方弁を備えたダイコーターの一例を示す概略図である。同図に示すダイコーター70は、溶剤型光硬化性樹脂組成物を収容したタンク61と、タンク61から溶剤型光硬化性樹脂組成物を吸い出して所定方向へ送るポンプ62と、ポンプ62から送られてくる溶剤型光硬化性樹脂組成物の流路をタンク61側又はダイ64側に切り替えることができる三方弁63と、溶剤型光硬化性樹脂組成物を塗工するダイ64とを備えている。ダイコーター70においては、三方弁63によって溶剤型光硬化性樹脂組成物の流路を切り替えて、溶剤型光硬化性樹脂組成物をダイ64に送ったりタンク61に戻したりすることができるので、間欠的な塗工が容易になる。なお、図4において、符号65は配管を示し、矢印は溶剤型光硬化性樹脂組成物の流下方向を示している。
塗工の位置精度を高くするには、三方弁63として電磁三方弁(電磁石により作動する三方弁)を用い、この電磁三方弁を通じて圧縮空気を供給しながら溶剤型光硬化性樹脂組成物の流路を瞬時に切り替えるとよい。このような方法により、メッシュ領域10a及び光透過部12を被覆し接地用領域10bを被覆しない塗膜を再現性よく、かつ容易に形成することができる。なお、三方弁63に代えて2つの二方弁と三方配管とを用いることによっても、間欠的な塗工が容易になる。塗膜の膜厚を均一にするという観点からは、溶剤型光硬化性樹脂組成物の流路を速やかに切り替え、かつ、できるだけ溶剤型光硬化性樹脂組成物の塗工量を一定に保つことが好ましい。
図3に示した乾燥部53での塗膜の乾燥は、溶剤型光硬化性樹脂組成物の塗膜を加熱してその中の有機溶剤を揮散させることにより行われる。溶剤型光硬化性樹脂組成物の乾燥時にはその表面に皮膜が生じ難いので、最終的に形成される硬化塗膜15での有機溶剤の残留量を容易に抑制することができる。
硬化塗膜15での有機溶剤の残留量を前述した範囲内にするという観点からは、加熱温度を段階的に上げて、塗膜表面があまりにも早期に乾燥してしまうのを防止することが好ましい。例えば、初期には温度40〜90℃、風速5〜10m/秒の熱風により乾燥し、塗膜表面が乾燥した段階で温度80〜130℃、風速10〜30m/秒の熱風により更に乾燥すると、有機溶剤の残留量が前述の範囲内にある硬化塗膜15を容易に得ることができる。
図3に示した貼付部54での透明保護シート20の貼付は、通常ラミネータを用いて行われる。また、硬化部56での塗膜の硬化は、透明保護シート20で被覆された溶剤型光硬化性樹脂組成物の塗膜に光を照射することによって行われる。溶剤型光硬化性樹脂組成物に含まれている光硬化性樹脂組成物が紫外線硬化性樹脂組成物である場合には、紫外線の光源として、例えば高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、パルスキセノンランプ等を用いることができる。
溶剤型光硬化性樹脂組成物の硬化条件は、硬化塗膜15の重合度を考慮して適宜選定される。ここで、硬化塗膜15の重合度は、硬化塗膜15の強度やガラス転移温度に応じて適宜選定される。例えば、硬化塗膜15の強度(表面鉛筆硬度)を前述の範囲内にするという観点からは、重合度を90〜100%にすることが好ましく、硬化塗膜15の重合度を90%以上にするうえからは、光の照射強度を100〜1000mJ/cm 程度の範囲内にすることが好ましい。
図1(a)及び図1(b)に示したロール状電磁波遮蔽シート30は、以上説明した電磁波遮蔽用金属層形成工程、及び硬化塗膜等形成工程をこの順番で行うことによって製造することができる。
なお、電磁波遮蔽用金属層形成工程では、多数の電磁波遮蔽用金属層10が連なった形状を呈するパターニング済みの金属箔を透明シート上に接合剤層5を介して接合し、これによって電磁波遮蔽用金属層付き透明シート1aを得てもよい。また、例えば蒸着法によって透明シート1上に金属層を形成し、この金属層をウェットエッチングにより所望形状にパターニングすることによって、あるいは、所定形状のマスクを介して所望の金属を透明シート1上に蒸着させることによって、電磁波遮蔽用金属層付き透明シート1aを得ることもできる。これらの場合には、接合剤層5を省略することができる。
ロール状電磁波遮蔽シート30を低コストの下に製造するうえからは、前述したように、透明シート1上に接合剤層5を介して長尺の金属箔を接合し、この金属箔をウェットエッチングにより所望形状にパターニングして電磁波遮蔽用金属層10を形成することが好ましい。
また、図1(a)及び図1(b)に示したロール状電磁波遮蔽シート30では長尺の透明保護シート20が用いられるが、本発明のロール状電磁波遮蔽シートは、枚葉の透明保護シートを個々の電磁波遮蔽用金属層上(硬化塗膜15上)に配置した構成とすることもできる。ただし、ロール状電磁波遮蔽シートの生産性を高めるという観点から、長尺の透明保護シートを用いることが好ましい。
<電磁波遮蔽部材>
本発明の電磁波遮蔽部材は、既に説明したように、透明シートと、この透明シート上に設けられた電磁波遮蔽用金属層と、この電磁波遮蔽用金属層を覆う硬化塗膜とを備えたものであり、電磁波遮蔽用金属層は、透明シート上に多数の光透過部を平面視上画定できるメッシュ領域及びこのメッシュ領域に連なって当該メッシュ領域を取り囲む接地用領域を有している。また、硬化塗膜は、有機溶剤を含有した光硬化性樹脂で形成されて、接地用領域に接地用コンタクト部位を露出させつつメッシュ領域及び光透過部を被覆している。そして、硬化塗膜中の有機溶剤の残留量は、0.01mg/m 以上50mg/m 以下である。
図5(a)は、本発明の電磁波遮蔽部材の一例を概略的に示す断面図である。同図に示す電磁波遮蔽部材25Aは、図1(a)〜図1(b)に示したロール状電磁波遮蔽シート30を図1(a)に示した仮想線Cに沿って裁断することによって得られるものである。
したがって、この電磁波遮蔽部材25Aでは、透明シート1A上に接合剤層5Aを介して電磁波遮蔽用金属層10が接合され、電磁波遮蔽用金属層10におけるメッシュ領域10a及び当該メッシュ領域10aによって透明シート1Aに平面視上画定される各光透過部12は、それぞれ、硬化塗膜15によって被覆されている。硬化塗膜15を平面視したときの縁は、電磁波遮蔽用金属層10における接地用領域10b上に達しており、硬化塗膜中の有機溶剤の残留量は、0.01mg/m 以上50mg/m 以下である。また、硬化塗膜15の外表面は、図1(b)に示した透明保護シート20の切片である透明保護シート20Aによって被覆されている。
図5(b)は、本発明の電磁波遮蔽部材の他の例を概略的に示す断面図である。同図に示す電磁波遮蔽部材25Bは、図5(a)に示した電磁波遮蔽部材25Aから透明保護シート20Aを剥離したものである。
これらの電磁波遮蔽部材25A、20Bは、いずれも、図1(a)〜図1(b)に示したロール状電磁波遮蔽シート30から得られるものであるので、ロール状電磁波遮蔽シート30についての説明の中で述べた理由と同様の理由から、良好な光学特性及び屈曲性を有する略無臭のものを得易い、という技術的効果を奏する。
なお、本発明の電磁波遮蔽部材は、図1(a)〜図1(b)に示したロール状電磁波遮蔽シート30から得られるものに限定されるものではなく、本発明に包含される他のロール状電磁波遮蔽シートから得られるものであってもよい。また、前述したロール状電磁波遮蔽シートの製造方法に従って硬化塗膜まで形成したものをロール状に巻き取ることなく所定形状に裁断して得られるものであってもよい。更には、本発明のロール状電磁波遮蔽シート及びその製造方法についての説明の中で述べた原材料を用いて枚葉(バッチ)方式で製造されたものであってもよい。
<ディスプレイ用フィルタ>
本発明のディスプレイ用フィルタは、特にプラズマディスプレイ用の光学フィルタとして好適なものであり、このディスプレイ用フィルタは、少なくとも本発明の電磁波遮蔽部材、反射防止層、赤外線吸収層、ネオン光吸収層、及び耐衝撃層が積層された構造を有している。
図6は、本発明のディスプレイ用フィルタの一例を概略的に示す断面図である。同図に示すディスプレイ用フィルタ110では、透明支持体101における厚さ方向の一方の面に反射防止層103が形成され、透明支持体101における厚さ方向の他方の面上に赤外線吸収層105、ネオン光吸収層107、本発明の電磁波遮蔽部材25B、及び耐衝撃層109がこの順番で積層されている。
上記の透明支持体101としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の透明樹脂によって形成されたシート状物やフィルム状物を用いることができ、その厚さは例えば50〜300μm程度の範囲内で適宜選定可能である。
この透明支持体101における厚さ方向の一方の面に積層されている反射防止層103は、ディスプレイ用フィルタ110への外光の映り込みを防止して、当該ディスプレイ用フィルタ110を通して視認されるディスプレイの画質を良好にするための層である。そのため、反射防止層103の視感反射率は、JIS Z8722にしたがって測定した値で0.3〜2%程度の範囲内とすることが好ましい。
このような反射防止層103は、例えば、透明支持体101よりも屈折率が低い透明材料(以下、「低屈折率材料」という。)によって形成された単層構造とすることもできるし、低屈折率材料で形成された低屈折率層と、低屈折率材料よりも屈折率が高い透明材料(以下、「高屈折率材料」という。)によって形成された高屈折率層とが交互に積層された多層構造とすることもできる。
上記の低屈折率材料としては、屈折率が1.30〜1.45程度のものを用いることができ、具体的には、フッ素系樹脂や、無機化合物で形成された透明粒子が分散した樹脂を用いることができる。また、上記の高屈折率材料としては、屈折率が1.45〜2.00程度のものを用いることができ、具体的には、トリアセチルセルロース(TAC)、アクリル、ポリエステル等の樹脂を用いることができる。必要に応じて、低屈折率層と高屈折率層と中屈折率層(低屈折率材料と高屈折率材料との中間の屈折率を有する材料からなる層を意味する。)とを組み合わせて等価膜を形成してもよい。中屈折率層は、例えば酸化チタン微粒子等の透明粒子が分散した樹脂により形成することができる。
一方、透明支持体101における厚さ方向の他方の面に積層されている赤外線吸収層105は、800〜1200nmの波長域の近赤外線を吸収するための層である。例えばプラズマディスプレイパネルからは比較的強い近赤外線が放射され、この近赤外線は、赤外線を利用したリモートコントローラ等の周辺機器を誤作動させる原因となり得る。プラズマディスプレイパネルから放射される近赤外線を赤外線吸収層105によって吸収することにより、周辺機器の誤作動を抑制することができる。
このような赤外線吸収層105は、例えば、800〜1200nmの波長域に吸収極大を有する少なくとも1種類の赤外線吸収剤を含有したバインダー樹脂により形成することができる。赤外線吸収剤としては、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化鉛、酸化ビスマス等の無機赤外線吸収剤や、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アルミニウム系化合物、ピリリウム系化合物、セリリウム系化合物、スクワリリウム系化合物、ジイモニウム類、銅錯体類、ニッケル錯体類、ジチオール系錯体類等の有機赤外線吸収剤を用いることができる。バインダー樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂等の透明樹脂を用いることができる。
赤外線吸収層105での赤外線吸収剤の含有量は、当該赤外線吸収層105での800〜1200nmの波長域の近赤外線の透過率が20%程度以下、特に10%程度以下となるように、使用する赤外線吸収剤の種類に応じて適宜選定することが好ましい。なお、ここでいう「近赤外線の透過率」とは、(株)島津製作所製のUV−310OPC(商品名)を用いて測定した上記波長域の近赤外線の透過率を意味する。
赤外線吸収層105は、例えば、上記の材料をテトラハイドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサン、又はシクロペンタノン等の環状エーテルやケトン等に溶解もしくは分散させて塗工液を調製し、この塗工液を透明支持体101の片面に塗工して塗膜を形成した後に当該塗膜を乾燥させることによって得られる。赤外線吸収層105の厚さは、1〜10μm程度の範囲内で適宜選定することが好ましい。
この赤外線吸収層105上に積層されているネオン光吸収層107は、プラズマディスプレイパネルの放電ガスとしてヘリウム/ネオン(He/Ne)ガスを用いた場合に生じるオレンジ色のプラズマ発光を例えば光吸収性色素により吸収して、このプラズマ発光による画質の低下を抑制するための層である。上記の光吸収性色素としては、例えばシアニン系色素、ポリメチン系色素、サブフタロシアンニン系色素、ポリフィリン系色素等を用いることができる。
ネオン光吸収層107は、例えば、上述した光吸収色素と、アクリレート系粘着剤、例えば2−エチルヘキシルアクリレートを主成分とするものやブチルアクリレートを主成分とする粘着剤とを、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、イソプロピルアルコール等の溶媒に溶解させて塗工液を調製し、この塗工液を用いて形成した塗膜を乾燥した後に転写法によって赤外線吸収層105上に積層することにより形成される。ネオン光吸収層107の厚さは、10〜75μm程度の範囲内で適宜選定することが好ましい。
転写法によってネオン光吸収層107を形成する場合には、まず、離型処理されたフィルム(以下、「離型フィルム」という。)の離型処理面に上記の塗工液を塗工して塗膜を形成し、乾燥した後、この塗膜に更に別の離型フィルムの離型処理面を貼り合わせて、ネオン光吸収層の両面それぞれに離型フィルムが設けられた離型フィルム付きネオン光吸収層を作製する。次に、この離型フィルム付きネオン光吸収層における一方の離型フィルムを剥離し、ネオン光吸収層を内側にして赤外線吸収層105上に貼り合わせる。この後、他方の離型フィルムを剥離することにより、ネオン光吸収層107を形成することができる。なお、離型フィルムとしては、シリコーン製の離型膜が設けられたフィルムを用いることができ、離型フィルム付きネオン光吸収層から離型フィルムを剥離する際にネオン光吸収層107に離型膜が転移し難いものを用いることが好ましい。離型フィルムの厚さは、例えば25〜50μm程度である。
ネオン光吸収層107上に積層されている電磁波遮蔽部材としては、硬化塗膜が透明保護シートで覆われていない構造を有する本発明の電磁波遮蔽部材、例えば図5(b)に示した電磁波遮蔽部材25Bが用いられる。この電磁波遮蔽部材25Bは、例えば硬化塗膜15(図5(b)参照)を内側にして、ネオン光吸収層107上に積層される。このとき、電磁波遮蔽部材25Bは所望の一端から順次、ネオン光吸収層107に貼り合わされる。したがって、積層時には電磁波遮蔽部材25Bに必然的に変形が生じる。しかしながら、電磁波遮蔽部材25Bは、既に説明したように、変形に伴って硬化塗膜15にクラックや剥がれが生じ難いものを得易いので、このような電磁波遮蔽部材25Bを用いることにより、所望のディスプレイ用フィルタ110を高い歩留りの下に得ることができる。
電磁波遮蔽部材25B上に積層されている耐衝撃層109は、外部からの衝撃によってディスプレイ用フィルタ110が破損するのを防止するための層である。この耐衝撃層109は、例えば、透明ガラスや、25℃におけるせん断弾性率が1×10 〜1×10 Pa程度の透明樹脂によって形成することができる。なお、ここでいう「25℃におけるせん断弾性率」は、動的粘弾性測定装置(セイコー電子工業社製、型番;DMS210)を用い、厚さ50μm、縦10mm、横5mmの短冊状とした試料片について、測定周波数10Hz(ただし、温度分散による周波数は1Hzに固定)、測定温度25±3℃の条件下で測定したせん断弾性率を意味する。
ガラスにより耐衝撃層109を形成する場合、このガラスとしては、厚さが2〜4μm程度のシート状物を用いることができる。ガラス製の耐衝撃層109は、例えば、電磁波遮蔽部材25Bにおける透明シート1A(図5(b)参照)上に接合剤(図示せず。)を用いて接合される。
一方、透明樹脂により耐衝撃層109を形成する場合、この透明樹脂としては、エチレンビニルアセテート、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリウレタン等の軟質透明樹脂や、ブチルアクリレート等の粘着性透明樹脂等を用いることができる。透明樹脂製の耐衝撃層109は、例えば押し出し成形法によって形成することもできるし、上記の材料を溶媒に溶解ないし分散させて塗工液を調製し、この塗工液を電磁波遮蔽部材25Bにおける透明シート1A上に塗工して塗膜を形成した後に当該塗膜を乾燥させることによって形成することもできる。さらには、上記の透明樹脂が光硬化性樹脂組成物を硬化させることによって得られるものであるときには、この光硬化性樹脂組成物を電磁波遮蔽部材25Bにおける透明シート1A上に塗工して塗膜を形成した後に当該塗膜を硬化させることによって、あるいは、上記の光硬化性樹脂組成物を離型フィルム上に塗工して塗膜を形成した後に当該塗膜を硬化させ、その後、この塗膜を電磁波遮蔽部材25Bにおける透明シート1A上に転写することによって、形成することができる。耐衝撃層109を透明樹脂製とする場合、その膜厚は0.1〜2μm程度の範囲内で適宜選定することが好ましい。
上述した構造を有するディスプレイ用フィルタ110は、反射防止層103を外側にしてプラズマディスプレイ等の表示装置の表示面上に配置される。このディスプレイ用フィルタ110は、本発明の電磁波遮蔽部材の1つである電磁波遮蔽部材25Bを有しており、この電磁波遮蔽部材25Bは、既に説明したように、良好な光学特性及び屈曲性を有する略無臭のものを得易い電磁波遮蔽部材であるので、ディスプレイ用フィルタ110もまた、電磁波を遮蔽できると共に良好な光学特性を有する略無臭のものを得易い。
なお、本発明のディスプレイ用フィルタは、前述した本発明の電磁波遮蔽部材、反射防止層、赤外線吸収層、ネオン光吸収層、及び耐衝撃層を少なくとも有しているものであればよく、上述した透明支持体及び電磁波遮蔽部材をそれぞれ除いた各層の少なくとも1つは、上述の透明支持体とは別の透明基材上に形成されていてもよい。また、透明支持体は省略することも可能である。
図7は、本発明のディスプレイ用フィルタの他の例を概略的に示す断面図である。図示のディスプレイ用フィルタ120は、反射防止部材112上に第1接合剤層B1を介して赤外線吸収部材114が積層され、赤外線吸収部材114上に第2接合剤層B2を介してネオン光吸収部材116が積層され、ネオン光吸収部材116上に図5(b)に示した電磁波遮蔽部材25Bが第3接合剤層B3を介して積層され、電磁波遮蔽部材25B上に耐衝撃層118が積層され、耐衝撃層118上に離型フィルムRFが設けられた構造を有している。
上記の反射防止部材112は、第1透明基材112aの片面に反射防止層112bが形成されている部材であり、第1透明基材112aの裏面が第1接合剤層B3と接合している。赤外線吸収部材114は、第2透明基材114aの片面に赤外線吸収層114bが形成されている部材であり、赤外線吸収層114bが第1接合剤層B1と接合し、第2透明基材114aの裏面が第2接合剤層B2と接合している。ネオン光吸収部材116は、第3透明基材116aの片面にネオン光吸収層116bが形成されている部材であり、ネオン光吸収層116bが第2接合剤層B2と接合し、第3透明基材116aの裏面が第3接合剤層B3と接合している。ネオン光吸収層116bとしては、粘着性を有していないものを用いることができる。
電磁波遮蔽部材25Bは、例えば硬化塗膜15(図5(b)参照)を内側にして、第3接合剤層B3上に積層されている。そして、耐衝撃層118は粘着剤によって電磁波遮蔽部材25Bの透明シート1A上に形成されている。この耐衝撃層118上に離型フィルムRFを設けておくことにより、ディスプレイ用フィルタ120を実際に使用するまでの間に耐衝撃層118が不所望の部材と接合してしまうことや、耐衝撃層118に塵埃が付着してしまうこと等を防止することができる。
上述した構造を有するディスプレイ用フィルタ120は、図6に示したディスプレイ用フィルタ110と同様の技術的効果を奏する。また、耐衝撃層118が粘着剤によって形成されているので、ディスプレイ用フィルタ120をディスプレイの表示面上に配置する際には、離型フィルムRFを剥離して耐衝撃層118を接合剤層として利用することができる。
<実施例1;ロール状電磁波遮蔽シート及び電磁波遮蔽部材>
まず、長尺の透明シートとして長さ100m、幅700mm、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略記する。)フィルム(東洋紡績社製、商品名;A4300)を用意し、金属箔として、片面がクロメート処理により黒化された長さ100m、幅700mm、厚さ9μmの銅箔(古川サーキットフォイール社製、商品名;EXP−WS)を用意した。そして、イソシアネート系硬化剤を含有したウレタン系接着剤を接合剤層の材料として用いて上記のPETフィルムの片面上に上記の銅箔をロール・ツゥ・ロール法によりドライラミネーションし、これを巻き取ってロール状の銅箔付き透明シートを得た。
上記のPETフィルムでの波長587.6nmの光の屈折率は1.57である。また、上記のウレタン系接着剤は、ガラス転移点が20℃、数平均分子量が3万のものであり、このウレタン系接着剤で形成した接合剤層の膜厚は10μmである。PETフィルムと銅箔とをドライラミネーションするにあたっては、銅箔の黒化処理面(クロメート処理面)が外表面となるように当該銅箔を配置した。
次に、ロール状の銅箔付き透明シートから銅箔付き透明シートを3m/分の速度で繰り出しながら、ウェットエッチングにより銅箔を順次パターニングすることによって多数の電磁波遮蔽用金属層を形成し、電磁波遮蔽用金属層が形成されたPETフィルムを順次巻き取って、ロール状の電磁波遮蔽用金属層付き透明シートを得た。
上記のパターニングを行うにあたっては、まず、銅箔上に所定形状のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをエッチングマスクとして用いて塩化第二鉄溶液(液温50℃)により銅箔をウェットエッチングし、その後にレジストパターンを剥離して純水でリンスした。
このパターニングによって形成された個々の電磁波遮蔽用金属層は、格子状を呈するメッシュ領域と、このメッシュ領域に連なって当該メッシュ領域を取り囲む接地用領域とを有している。メッシュ領域での個々の目の平面視上の大きさ及び形状は300μm□、細線部(格子の桟に相当する部分)の平面視上の線幅は10μmであり、このメッシュ領域は、PETフィルムに平面視上の大きさ及び形状が300μm□の光透過部を多数画定している。メッシュ領域と各光透過部とを合わせた領域の平面視上の大きさ及び形状は、94.0cm×54.0cmの矩形である。また、接地用領域は、メッシュ領域と各光透過部とを合わせた領域の平面視上の輪郭の全周に亘って当該領域に接触した矩形枠状を呈し、その平面視上の幅は6.0cmである。個々の電磁波遮蔽用金属層は、メッシュ領域の長手軸がPETフィルムの長手軸と平行となる向きで配置さており、各電磁波遮蔽用金属層は、隣り合うもの同士が互いに連なって1つの層を形成している。
これとは別に、後掲の表1に示す樹脂組成物(無溶剤型の紫外線硬化性樹脂組成物)を用意した。そして、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と略記する。)とトルエンとの混合溶剤(重量比率1:1)を用いて上記の紫外線硬化性樹脂組成物をその固形分量が50質量%となるように希釈して、硬化塗膜用の塗工液(溶剤型光硬化性樹脂組成物)を調製した。
次いで、前述したロール状の電磁波遮蔽用金属層付き透明シートと、上述した硬化塗膜用の塗工液と、ロール状の透明保護シートと、図3に示した硬化塗膜等形成装置60とを用いたロール・ツゥ・ロール法により、次のようにしてロール状電磁波遮蔽シートを得た。以下の説明では、図1(a)、図1(b)、図3、図4、又は図5(a)で用いた参照符号を適宜引用している。
まず、ロール状の電磁波遮蔽用金属層付き透明シート1aを第1供給部51に装着し、また、ロール状の透明保護シート20として長さ100m、幅700mm、厚さ50μmのPETフィルムをロール状に成形したもの(三菱化学ポリエステルフィルム社製、商品名;T60)を用い、これを第2供給部55に装着した。
次いで、第1供給部51から電磁波遮蔽用金属層付き透明シート1aを繰り出し、塗工部52において電磁波遮蔽用金属層付き透明シート1aの電磁波遮蔽用金属層10上に硬化塗膜用の塗工液をダイコーターで間欠塗工した。塗工に用いたダイコーターは、図4に示すような三方弁63を有するものである。塗工時には、硬化塗膜用の塗工液が個々の電磁波遮蔽用金属層10のメッシュ領域10a及び光透過部12を被覆し、接地用領域10bを被覆しないように、三方弁を切り替えた。塗工量は、硬化後の塗工量が18.2g/m になる量とした。
次に、乾燥部53にて、塗膜を風速5〜20m/秒、温度100℃の熱風で60秒間乾燥させた。続いて、貼付部54にて、塗膜が形成された面を内側にして電磁波遮蔽金属層付き透明シート1aに第2供給部55から繰り出した透明保護シート20をロールラミネーターで貼り付けた。その後、硬化部56にて、窒素パージ下、透明保護シート20側から紫外線ランプにより紫外線(照射強度;380mJ/cm )を照射して硬化塗膜15を形成し、透明保護シート20と硬化塗膜15とが設けられた透明シート1aを巻取り部57にて順次巻き取って、ロール状電磁波遮蔽シート30を得た。そして、このロール状電磁波遮蔽シート30を長さ1000mm、幅650mmの長方形状に裁断して、電磁波遮蔽部材25Aを得た。以下、同じ条件の下に複数の電磁波遮蔽部材25Aを作製した。
本実施例1並びに後述する実施例2〜4及び比較例1〜2で電磁波遮蔽部材の作製に使用した硬化塗膜用の塗工液(溶剤型光硬化性樹脂組成物)について、ベース化合物の組成及び種類、希釈剤の種類、並びに塗工液中の固形分量を一覧にして、後掲の表1に示す。また、硬化塗膜用の塗工液の塗工条件、乾燥条件、及び硬化条件を一覧にして、後掲の表2に示す。さらに、本実施例1並びに後述する実施例2〜4及び比較例1〜2で形成した硬化塗膜のガラス転移温度、重合度、及び残留溶剤量(ただし、比較例2を除く。)を一覧にして、後掲の表3に示す。
なお、残留溶剤量を測定するにあたっては、電磁波遮蔽部材におけるメッシュ領域内から10cm×10cmの正方形状に試料片を切り出し、この試料片を更に1cm×5cmの短冊状に裁断してサンプル瓶に入れ、テフロン(登録商標)製のパッキンを備えたアルミ製の蓋でサンプル瓶に栓をしてから120℃で10分間加熱し、この後、サンプル瓶内の気体をシリンジにて一定量抽出して測定用サンプルとした。そして、この測定用サンプル中の有機溶剤量をガスクロマトグラフ(島津製作所社製、型番;GC−9A)を用いて測定して、硬化塗膜中の残留溶剤量を換算により求めた。ドライラミネーションに用いたウレタン系接着剤には、有機溶剤は含有されていない。
<実施例2〜4;ロール状電磁波遮蔽シート及び電磁波遮蔽部材>
ロール状電磁波遮蔽シートを作製するにあたり、硬化塗膜用の塗工液(溶剤型光硬化性樹脂組成物)として実施例毎に後掲の表1に示す塗工液を用い、各塗工液を実施例毎に後掲の表2に示す塗工条件で塗工した。また、いずれの実施例においても、透明保護シートとしては東洋紡績社製のPETフィルム(商品名;A4100)を用いた。そして、他は実施例1と同様の条件の下に実施例毎にロール状電磁波遮蔽シートを作製し、各ロール状電磁波遮蔽シートから電磁波遮蔽部材を切り出すことによって、複数の電磁波遮蔽部材を実施例毎に得た。
<比較例1;ロール状電磁波遮蔽部シート及び電磁波遮蔽部材>
ロール状電磁波遮蔽シートを作製するにあたり、硬化塗膜用の塗工液として後掲の表1に示す塗工液(溶剤希釈型の樹脂組成物)を用い、その塗工条件及び硬化条件をそれぞれ後掲の表2に示す条件とした。また、透明保護シートは使用しなかった。そして、他は実施例1と同様の条件の下にロール状電磁波遮蔽シートを作製し、このロール状電磁波遮蔽シートから電磁波遮蔽部材を切り出すことによって、複数の電磁波遮蔽部材を作製した。
<比較例2;ロール状電磁波遮蔽部シート及び電磁波遮蔽部材>
ロール状電磁波遮蔽シートを作製するにあたり、硬化塗膜用の塗工液として後掲の表1に示す塗工液(無溶剤型の光硬化性樹脂組成物)を用い、その塗工条件及び硬化条件をそれぞれ後掲の表2に示す条件とした。そして、他は実施例1と同様の条件の下にロール状電磁波遮蔽シートを作製し、このロール状電磁波遮蔽シートから電磁波遮蔽部材を切り出すことによって、複数の電磁波遮蔽部材を作製した。
Figure 2006054291
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[測定]
実施例1〜4及び比較例1〜2でそれぞれ作製した電磁波遮蔽部材について、透明保護シートを剥がした状態で、溶剤臭の有無、硬化塗膜の位置精度、硬化塗膜の強度、及び硬化塗膜表面の算術平均高さ(Ra)、並びに電磁波遮蔽部材についての屈曲性、耐久性、ヘイズ、視感透過率、及び像鮮明度を下記の方法で測定した。各項目の測定結果のうち、溶剤臭の有無及び電磁波遮蔽部材の耐久性それぞれについての測定結果以外の結果を後掲の表4に示す。
(A)溶剤臭の有無;
電磁波遮蔽部材の匂いを直接嗅いで、溶剤臭の有無を調べた。
(B)硬化塗膜の位置精度;
硬化塗膜のMD方向の位置精度及びCD方向の位置精度を測定した。MD方向の位置精度の測定は、電磁波遮蔽用金属層におけるメッシュ領域と接地用領域との境界を基準にして、間欠塗工における塗工開始側及び塗工終了側それぞれでの硬化塗膜の縁と前記境界とのズレ量を測定することによって行った。また、CD方向の位置精度の測定は、電磁波遮蔽用金属層におけるメッシュ領域と接地用領域との境界を基準にして、塗工液を塗布するコーターにおける操作側での硬化塗膜の縁と前記境界とのズレ量、及び前記コーターにおける駆動側での硬化塗膜の縁と前記境界とのズレ量を測定することによって行った。なお、ズレ量は、MD方向についてはシートの搬送方向へのズレ量をプラスの値とし、これとは逆方向へのズレ量をマイナスの値とした。また、CD方向については、操作側へのズレ量をプラスの値とし、これとは逆方向へのズレ量をマイナスの値とした。
(C)硬化塗膜の強度;
東洋精機社製の鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(型番;No.431)を用い、JIS K5600−5−4−1999 にしたがって表面鉛筆硬度試験を行って、硬化塗膜に圧痕が生じない最も硬い鉛筆の硬度を求めた。
(D)硬化塗膜表面の算術平均高さ(Ra);
東京精密社製の表面粗さ計(商品名;HANDYSURF E−35A)を用い、JIS B0601−2001 にしたがって硬化塗膜表面の算術平均高さ(Ra)を測定した。
(E)電磁波遮蔽部材の屈曲性;
テスター産業株式会社製の耐屈曲性試験機(型番;P1−801)を用い、JIS K5600−5−1−1999 「塗料一般試験方法」にしたがって耐屈曲性評価試験(円筒形マンドレル法)を行い、硬化塗膜にクラック又は剥がれが発生する円筒形マンドレルの最大直径を測定した。
(F)電磁波遮蔽部材の耐久性;
作製直後(初期)、及び、気温60℃、湿度95%の空気雰囲気中に1000時間放置して耐久性試験を行った後に、光学顕微鏡を用いて硬化塗膜を観察し、硬化塗膜中でのクラック又は剥がれの有無を調べた。
(G)ヘイズ;
スガ試験機社製のカラーコンピューター(型番;SM−C)を用い、JIS K 7105−1981 「プラスチックの光学的特性試験方法」にしたがって、作製直後(初期)の値と、気温60℃、湿度95%の空気雰囲気中に1000時間放置して耐久性試験を行った後(試験後)での値とを測定した。
(H)視感透過率;
株式会社島津製作所製の分光光度計(型番;UV−3100PC)を用い、作製直後(初期)の値と、気温60℃、湿度90%の空気雰囲気中に1000時間放置して耐久性試験を行った後(試験後)での値とを透過法により測定した。
(I)像鮮明度;
スガ試験機社製の写像性測定器(型番;IMC−1)を用い、JIS K 7105−1981 「プラスチックの光学的特性試験方法」にしたがって、作製直後(初期)の透過鮮明度と、気温60℃、湿度95%の空気雰囲気中に1000時間放置して耐久性試験を行った後(試験後)での透過鮮明度とを測定した。なお、光学くしとしては、暗部及び明部それぞれの幅が共に0.125mm、0.25mm、0.5mm、1mm、又は2mmである計5種類を使用した。
Figure 2006054291
[結果]
実施例1〜4で作製した各電磁波遮蔽部材は、比較例1で作製した電磁波遮蔽部材と比較して硬化塗膜中の残留溶剤量が極めて少なく(表3参照)、これらの電磁波遮蔽部材では溶剤臭が殆どしなかった。これに対し、比較例1で作製した電磁波遮蔽部材では強い溶剤臭が確認された。比較例2で作製した電磁波遮蔽部材は、硬化塗膜中に有機溶剤が含まれていないので、この電磁波遮蔽部材では溶剤臭はしなかった。
また、実施例1〜4で作製した各電磁波遮蔽部材では、耐久性試験後においも硬化塗膜にクラックや剥がれが殆ど認められなかったのに対して、比較例1で作製した電磁波遮蔽部材では、耐久性試験後に硬化塗膜に多くのクラックが生じていた。比較例1で作製した電磁波遮蔽部材においては、硬化塗膜に多量に残留する有機溶剤が耐久性試験の間に揮散し、この揮散に伴って硬化塗膜にクラックや剥がれが生じたものと推測される。比較例2で作製した電磁波遮蔽部材では、硬化塗膜中に有機溶剤が含まれておらず、かつ、硬化塗膜の重合度(表3参照)の高いため、耐久性試験後においも硬化塗膜にクラックや剥がれが殆ど認められなかった。
実施例1〜4で作製した各電磁波遮蔽部材での硬化塗膜の位置精度及び強度と、比較例2で作製した電磁波遮蔽部材での硬化塗膜の位置精度及び強度との対比から明らかなように、有機溶剤で希釈した光硬化性樹脂組成物を用いて硬化塗膜を形成することにより、モノマーで希釈した光硬化性樹脂組成物を用いて形成された硬化塗膜と同程度の重合度(表3参照)及び強度を有するにも拘わらず、MD方向の位置精度が良好な硬化塗膜を形成し易くなり、結果として、所望の電磁波遮蔽部材を高い歩留りの下に得易くなることが判る。
実施例1〜4及び比較例2で作製した各電磁波遮蔽部材での硬化塗膜表面の算術平均高さ(Ra)と、比較例1で作製した電磁波遮蔽部材での硬化塗膜表面の算術平均高さ(Ra)との対比から明らかなように、硬化塗膜表面の算術平均高さは、透明保護シートを使用することによって比較的容易に制御可能である。そして、実施例1〜4及び比較例2で作製した各電磁波遮蔽部材でのヘイズ、視感透過率、及び像鮮明度と、比較例1で作製した電磁波遮蔽部材でのヘイズ、視感透過率、及び像鮮明度との対比から明らかなように、硬化塗膜表面の算術平均高さ(Ra)を小さな値とすることにより、光学特性が良好な電磁波遮蔽部材を得易くなる。
<実施例5;ディスプレイ用フィルタ>
実施例1で作製した電磁波遮蔽部材(ただし、透明保護シートを剥離したもの)の硬化塗膜上にネオン光吸収部材、赤外線吸収部材、及び反射防止部材がこの順番で積層され、上記の電磁波遮蔽部材における透明シート(PETフィルム)上に粘着剤からなる耐衝撃層が形成され、この耐衝撃層上に離型フィルムが貼付された構造を有するディスプレイ用フィルタを、以下のようにして作製した。
まず、転写法によって所望の部材上に接合剤層を形成するための材料として、エチレンエチルアクリレートとメチルアクリレートとを主成分とする粘着剤(綜研化学株式会社製、商品名;SK−1811、ガラス転移温度;−50℃、水酸基価;0.22、酸価;0)を第1の離型フィルム(厚さ;38μm)の離型処理面上にロールコーターにより塗工し、塗膜を風速5〜20m/秒、温度100℃の熱風で60秒間乾燥させて接合剤層を形成した後、この接合剤層上に第2の離型フィルム(厚さ;38μm)の離型処理面を貼り合わせて、膜厚25μmの接合剤層の両面に離型フィルムが設けられた構造を有する離型フィルム付き粘着剤層を2つ形成した。
また、実施例1で作製した電磁波遮蔽部材(ただし、透明保護シートを剥離したもの)の他に、下記の反射防止部材、赤外線吸収部材、ネオン光吸収部材、及び耐衝撃層材料を用意した。
(反射防止部材)
反射防止部材としては、旭硝子製の「アークトップ」(商品名)を用意した。「アークトップ」は、離型フィルム上に第1粘着剤層、特殊エラスティックフィルム(厚さ200μm)、反射防止層(0.1μm)、第2粘着剤層、及び保護フィルムがこの順番で積層された構造を有している。
(赤外線吸収部材)
赤外線吸収部材としては、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名;A4300)上に厚さ5μmの赤外線吸収層を形成したものを用意した。この赤外線吸収部材は、次のようにして作製したものである。
まず、透明バインダー樹脂としてのポリメタクリル酸メチル樹脂(三菱レイヨン株式会社製、商品名;BR−80、ガラス転移温度;105℃、水酸基価;0、酸価;0)をメチルエチルケトン中に固形分量が20質量%となるよう溶解させて樹脂溶液を調製し、この樹脂溶液に、ジイモニウム系の近赤外線吸収色素(株式会社日本化薬製、商品名;IRG−22)とフタロシアニン系の近赤外線吸収色素(株式会社日本触媒製、商品名;IR−14)とを添加し、十分に分散させて赤外線吸収層用の塗工液を調製した。次に、この塗工液を上記のPETフィルムの片面にロールコーターにより塗布し、塗膜を風速5〜20m/秒、温度100℃の熱風で60秒間乾燥することによって赤外線吸収層を形成して、上記の赤外線吸収部材を得た。この赤外線吸収部材における赤外線吸収層の膜厚は5μmであり、ジイモニウム系の近赤外線吸収色素の含有量は0.2g/m 、フタロシアニン系の近赤外線吸収色素の含有量は0.1g/m である。
(ネオン光吸収部材)
ネオン光吸収部材としては、厚さ100μmのPETフィルム(東洋紡績株式会社製、商品名;A4300)上に厚さ5μmのネオン光吸収層を形成したものを用意した。このネオン光吸収部材は、次のようにして作製したものである。
まず、透明なポリメタクリル酸メチル樹脂(三菱レイヨン株式会社製、商品名;BR−80、ガラス転移温度;105℃、水酸基価;0、酸価;0)をメチルエチルケトン中に固形分量が20質量%となるよう溶解させ、これにテトラアザポルフィリン系のネオン光吸収色素(株式会社山田化学工業製、商品名;TAP−2)を添加して十分に分散させて、ネオン光吸収層用の塗工液を調製した。次に、この塗工液を上記のPETフィルムの片面にロールコーターにより塗布し、塗膜を風速5〜20m/秒、温度100℃の熱風で60秒間乾燥することによってネオン光吸収層を形成して、上記のネオン光吸収部材を得た。このネオン光吸収部材におけるネオン光吸収層の膜厚は5μmであり、ネオン光吸収色素の含有量は0.06g/m である。
(電磁波遮蔽部材)
電磁波遮蔽部材としては、実施例1で作製した電磁波遮蔽部材(ただし、透明保護シートを剥離したもの)を用意した。
(耐衝撃層材料)
耐衝撃層材料としては、2枚の離型フィルムの間に粘着剤からなる耐衝撃層を形成したものを用意した。この耐衝撃層材料は、次のようにして作製したものである。
まず、2−エチルヘキシルアクリレート系粘着剤(日本カーバイド株式会社製、商品名;KP−2230、ガラス転移温度;−57℃、水酸基価;0、酸価;11)を第1の離型フィルム(厚さ;38μm)の離型処理面上にロールコーターにより塗工し、塗膜を風速5〜20m/秒、温度100℃の熱風で60秒間乾燥して、膜厚600μmの粘着剤層からなる耐衝撃層を第1の離型フィルムの離型処理面上に形成した。次に、上記の耐衝撃層上に第2の離型フィルム(厚さ;38μm)の離型処理面を貼り合わせ、これによって耐衝撃層材料を得た。粘着剤によって形成されている上記の耐衝撃層は、ディスプレイ用フィルタをディスプレイ上に配置するための接合剤層を兼ねることができる。
上述した接合剤、反射防止部材、赤外線吸収部材、ネオン光吸収部材、電磁波遮蔽部材、及び耐衝撃部材を用いて、前述した構造を有するディスプレイ用フィルタを以下のようにして作製した。
まず、ロールラミネーターを用いて、離型フィルムを剥がした反射防止部材を粘着剤層が内側となる向きで赤外線吸収部材の赤外線吸収層上に積層した。次いで、前述した離型フィルム付き粘着剤層を用いた転写法によって赤外線吸収部材のPETフィルム上に接合剤層を形成し、この接合剤層上に、ロールラミネーターを用いてネオン光吸収部材を積層した。このとき、ネオン光吸収部材は、ネオン光吸収層が内側となる向きで積層した。
続いて、前述した離型フィルム付き粘着剤層を用いた転写法によってネオン光吸収部材のPETフィルム上に接合剤層を形成し、この接合剤層上に、ロールラミネーターを用いて硬化塗膜が内側となる向きで電磁波遮蔽部材を積層した。この後、一方の離型フィルムを剥がした耐衝撃層材料を耐衝撃層が内側となる向きで電磁波遮蔽部材の透明シート(PETフィルム)上に積層して、プラズマディスプレイパネルに直接積層可能なディスプレイ用フィルタを得た。
なお、ロールラミネーターとしては、直径50mmのローラーに厚さ3mm、硬度70度のゴムが巻かれたラミネートローラーを有するものを用い、このロールラミネーターによるラミネートは、いずれの部材を積層する場合でも、ラミネート温度を約70℃、線圧を1kg/m として行った。また、転写法によって接合剤層を形成するにあたっても、上記のロールラミネーターを用い、このときのラミネート温度及び線圧も上記と同じにした。
図1(a)は、本発明のロール状電磁波遮蔽シートの一例を概略的に示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示したI−I線断面の概略図である。 本発明のロール状電磁波遮蔽シートの他の例を概略的に示す平面図である。 本発明のロール状電磁波遮蔽シートを製造するにあたって硬化塗膜等を形成するための使用することができる硬化塗膜等形成装置の一例を示す概略図である。 本発明のロール状電磁波遮蔽シートを製造するにあたって硬化塗膜の形成に用いることができる、三方弁を備えたダイコーターの一例を示す概略図である。 図5(a)及び図5(b)は、それぞれ、本発明の電磁波遮蔽部材の一例を概略的に示す断面図である。 本発明のディスプレイ用フィルタの一例を概略的に示す断面図である。 本発明のディスプレイ用フィルタの他の例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 透明シート
5 接合剤層
10 電磁波遮蔽用金属層
10a メッシュ領域
10b 接地用領域
12 光透過部
15 硬化塗膜
20 透明保護シート
25A、25B 電磁波遮蔽部材
30、40 ロール状電磁波遮蔽シート
103、116b 反射防止層
105、114b 赤外線吸収層
107、112b ネオン光吸収層
109、118 耐衝撃層
110、120 ディスプレイ用フィルタ

Claims (10)

  1. 複数の電磁波遮蔽部材を切り出すことができるロール状電磁波遮蔽シートであって、
    長尺の透明シートと、1つの電磁波遮蔽部材に1つずつ対応した状態で前記透明シート上に配置された電磁波遮蔽用金属層と、前記電磁波遮蔽用金属層毎に形成されて該電磁波遮蔽用金属層を被覆する硬化塗膜と、該硬化塗膜を被覆する透明保護シートとを備え、
    前記電磁波遮蔽用金属層が、前記透明シート上に多数の光透過部を平面視上画定できるメッシュ領域及び前記メッシュ領域に連なって該メッシュ領域を取り囲む接地用領域を有し、
    前記硬化塗膜が、有機溶剤を含有した光硬化性樹脂で形成されて、対応する前記電磁波遮蔽金属層における前記接地用領域に接地用コンタクト部位を露出させつつ該電磁波遮蔽金属層における前記メッシュ領域及び前記光透過部を被覆しており、
    前記硬化塗膜中の前記有機溶剤の残留量が、0.01mg/m 以上50mg/m 以下であることを特徴とするロール状電磁波遮蔽シート。
  2. 前記透明保護シートを剥がした状態下でJIS K5600−5−1−1999 にしたがって行う耐屈曲性評価試験(円筒形マンドレル法)において、前記硬化塗膜にクラック又は剥がれが発生する円筒形マンドレルの最大直径が30mm以下であり、
    前記硬化塗膜の強度が、JIS K5600−5−4−1999 による表面鉛筆硬度試験でB以上3H以下であることを特徴とする請求項1に記載のロール状電磁波遮蔽シート。
  3. 前記硬化塗膜の表面の算術平均高さ(Ra)が5〜50nmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のロール状電磁波遮蔽シート。
  4. 前記透明シートと前記電磁波遮蔽用金属層との間に接合剤層が更に設けられており、波長587.6nmの光を測定光としたときの前記接合剤層と前記硬化塗膜との屈折率差が0.12以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のロール状電磁波遮蔽シート。
  5. 透明シートと、該透明シート上に設けられた電磁波遮蔽用金属層と、該電磁波遮蔽用金属層を覆う硬化塗膜とを備えた電磁波遮蔽部材であって、
    前記電磁波遮蔽用金属層が、前記透明シート上に多数の光透過部を平面視上画定できるメッシュ領域及び前記メッシュ領域に連なって該メッシュ領域を取り囲む接地用領域を有し、
    前記硬化塗膜が、有機溶剤を含有した光硬化性樹脂で形成されて、前記接地用領域に接地用コンタクト部位を露出させつつ前記メッシュ領域及び前記光透過部を被覆しており、
    前記硬化塗膜中の前記有機溶剤の残留量が、0.01mg/m 以上50mg/m 以下であることを特徴とする電磁波遮蔽部材。
  6. JIS K5600−5−1−1999 による耐屈曲性評価試験(円筒形マンドレル法)において、前記硬化塗膜にクラック又は剥がれが発生する円筒形マンドレルの最大直径が30mm以下であり、
    前記硬化塗膜の強度が、JIS K5600−5−4−1999 による鉛筆硬度試験でB以上3H以下であることを特徴とする請求項5に記載の電磁波遮蔽部材。
  7. 前記硬化塗膜の表面の算術平均高さ(Ra)が5〜50nmの範囲内であることを特徴とする請求項5又は6に記載の電磁波遮蔽部材。
  8. 前記透明シートと前記電磁波遮蔽用金属層との間に接合剤層が更に設けられており、波長587.6nmの光を測定光としたときの前記接合剤層と前記硬化塗膜との屈折率差が0.12以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽部材。
  9. 前記硬化塗膜上に、透明保護シートが設けられていることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽部材。
  10. 少なくとも電磁波遮蔽部材、反射防止層、赤外線吸収層、ネオン光吸収層及び耐衝撃層が積層されており、前記電磁波遮蔽部材が請求項5〜8のいずれか1項に記載の電磁波遮蔽部材であることを特徴とするディスプレイ用フィルタ。
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