JPH11271506A - 反射防止膜転写材及び反射防止膜転写方法 - Google Patents

反射防止膜転写材及び反射防止膜転写方法

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JPH11271506A
JPH11271506A JP10092661A JP9266198A JPH11271506A JP H11271506 A JPH11271506 A JP H11271506A JP 10092661 A JP10092661 A JP 10092661A JP 9266198 A JP9266198 A JP 9266198A JP H11271506 A JPH11271506 A JP H11271506A
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adhesive layer
hard coat
ionizing radiation
reflection
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JP10092661A
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English (en)
Inventor
Teruo Onuma
輝雄 大沼
Nami Matsuo
奈美 松尾
Yasunori Sugiyama
靖典 杉山
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Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 任意な被着体表面に、特に表面硬度の低いプ
ラスチック表面に、優れたハードコート性を有する反射
防止膜を転写することができる反射防止膜転写材を提供
すると共に、このような反射防止膜を転写する反射防止
膜転写方法を提供する。 【解決手段】 電離放射線透過性を有する剥離可能な支
持体1上に、支持体1側から反射防止層2、必要に応じ
て設けるハードコート層3、接着層4を順次積層してな
る反射防止膜6を設けた反射防止膜転写材7であって、
接着層4が、その表面硬度が上昇するような電離放射線
硬化型樹脂から構成される接着層とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、任意な被着体表面
に反射防止膜を形成するのに有用な反射防止膜転写材、
及びそれを用いた反射防止膜転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車・電車等の窓、ショーケー
ス、絵画の額、CRT・VFD・LCD・PDP等の電
子ディスプレイ、その他種々の商業ディスプレイ等に
は、ガラス・プラスチック等の透明基板が用いられてい
る。
【0003】これら透明基板を通して物体や文字、図形
の視覚情報を観察する場合、これら透明基板の表面に、
周囲からの光が映り込んでしまい、向こう側が見え難く
なったり、表示内容が見え無くなってしまうという問題
点を有していた。
【0004】また、同様に案内板、広告看板、標識、ポ
スター等のいわゆる印刷物の光沢表面等も、周囲からの
光が映り込んでしまい、表示内容が見え無くなってしま
っていた。
【0005】このような映り込み等の光の反射を防止す
る処理としては、光の干渉作用を利用して反射光を打ち
消し合う反射防止(AR:アンチリフレクション)処理
という方法が知られている。
【0006】そして、この反射防止処理を行う方法につ
いては各種処理方法が考えられており、特開平1−30
7701号公報には、平板または曲面を有する任意の基
板表面上に均一性のすぐれた所望厚さの反射防止層を形
成する反射防止層形成用フィルムが開示されている。
【0007】この反射防止層形成用フィルムは、プラス
チックフィルム表面上に反射防止層形成用薄膜を設けた
ものであり、当該反射防止層形成用薄膜を接着剤層を介
して透明基板に接着したのち、プラスチックフィルムを
剥離して透明基板に反射防止層を転着させる材料であ
る。
【0008】また、同様な材料として特開平8−248
404号公報には、プラスチックフィルムに反射防止
層、接着層、必要に応じて設けるハードコート層を予め
形成した反射防止用転写箔が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平1−307701号公報に開示されているよう
な通常使用される一般の接着剤を使用する場合には、反
射防止層を基材に転写させる接着層自体に硬さが無いた
め、転写後の反射防止層は全くハードコート性(耐擦傷
性)が無いものとなってしまう。すると、結果として反
射防止層に傷が入ってしまい、期待した反射防止効果が
得られないものとなってしまう。
【0010】また、特開平8−248404号公報に記
載されているように、仮に反射防止層と接着層との間に
ハードコート層を設けたとしても、ハードコート層の厚
みが薄い場合には、やはり接着層自体に硬さが無いと、
ハードコート層自体の硬さだけではハードコート性(耐
擦傷性)を得ることができない。そこで、ハードコート
層自体の厚みだけでハードコート性(耐擦傷性)を得よ
うとしてハードコート層の厚みを厚くすると、ハードコ
ート層にクラックが生じる等の問題点が発生してしま
う。
【0011】本発明は、上記問題点等を解決するために
なされたものであり、任意な被着体表面、特に表面硬度
の低いプラスチック表面に、優れたハードコート性(耐
擦傷性)を有する反射防止膜を転写することができる反
射防止膜転写材を提供すると共に、その反射防止膜転写
材により被着体表面に優れたハードコート性(耐擦傷
性)を有する反射防止膜を転写する反射防止膜転写方法
を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本
発明の反射防止膜転写材は、電離放射線透過性を有する
剥離可能な支持体上に、前記支持体側から反射防止層、
ハードコート層、接着層を順次積層してなる反射防止膜
を設けた反射防止膜転写材であって、前記接着層が、電
離放射線硬化型樹脂から構成される接着層であることを
特徴とする。
【0013】また本発明の反射防止膜転写材は、電離放
射線透過性を有する剥離可能な支持体上に、前記支持体
側から反射防止層、接着層を順次積層してなる反射防止
膜を設けた反射防止膜転写材であって、前記接着層が、
ハードコート性(耐擦傷性)を発現する電離放射線硬化
型樹脂から構成される接着層であることを特徴とする。
【0014】また本発明の反射防止膜転写方法は、前記
記載の反射防止膜転写材の前記接着層を被着体表面に貼
着した後、前記接着層に電離放射線を照射して、前記接
着層を前記被着体表面に光硬化接着させた後、前記支持
体を剥離することにより、前記被着体表面に反射防止膜
を転写することを特徴とする。
【0015】前記接着層を電離放射線硬化型樹脂から構
成される接着層とすることにより、前記接着層を被着体
表面に貼着した後、前記接着層に電離放射線を照射し
て、前記接着層を前記被着体表面に光硬化接着させるこ
とができるようになり、ハードコート層の厚みが薄い場
合でも、優れたハードコート性(耐擦傷性)を有する反
射防止膜を被着体表面に転写することができるようにな
る。
【0016】また前記接着層がハードコート性(耐擦傷
性)を発現する電離放射線硬化型樹脂から構成される接
着層であることにより、接着層がハードコート性(耐擦
傷性)を有する層を兼ねるため、予めハードコート層を
設けておかなくても優れたハードコート性(耐擦傷性)
を有する反射防止膜を被着体表面に転写することがで
き、且つ当該反射防止膜転写材の製造工程を短縮できる
ようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の反射防止膜転写材
について詳述する。
【0018】本発明の反射防止膜転写材7は、図1に示
すように、電離放射線透過性を有する剥離可能な支持体
1上に反射防止層2、ハードコート層3、接着層4から
なる反射防止膜6及び必要に応じて設けるセパレーター
5からなる構造を有するか、若しくは図2に示すよう
に、電離放射線透過性を有する剥離可能な支持体1上に
反射防止層2、接着層4からなる反射防止膜6及び必要
に応じて設けるセパレーター5からなる構造を有する。
【0019】本発明の支持体1は、反射防止層2、ハー
ドコート層3、接着層4をそれぞれ順次積層する際に基
材となるものであり、薄い反射防止膜6を作業性良く被
着体表面に転写させる機能を担うものである。
【0020】支持体1としては、電離放射線透過性を有
し、反射防止層2、ハードコート層3、接着層4をそれ
ぞれ順次積層でき、且つ使用時に剥離除去できるもので
あれば特に限定されるものではない。ここでいう「電離
放射線透過性を有し」とは、後述するように、接着層に
電離放射線を照射して、接着層を被着体表面に光硬化接
着させることができる程度に、電離放射線に対する透過
性を有することが必要であることを意味する。例えばこ
のような支持体1としてはポリエステルフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化
ビニルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリスチレンフ
ィルム、各種フッ素樹脂フィルム等のプラスチックフィ
ルムが使用できる。
【0021】支持体1の厚みとしては、特に限定はない
が、厚すぎるとフィルムのコシが大きすぎて作業性が悪
くなり、薄すぎるとシワや気泡、カール等が発生して作
業性が悪くなるため、被着体表面に貼りやすい程度の厚
さが好適である。このため、作業条件や材質等により異
なるが、一般に12〜200μm程度のものが使用され
る。
【0022】更に、支持体1と反射防止膜6との剥離性
を上げるために、支持体1に離型処理等の表面処理を施
すことも可能である。
【0023】次に、本発明の反射防止層2は、可視光域
において透明性を有し、且つ層界面による光の干渉作用
を利用して反射光を打ち消し合う性能(以下、反射防止
性という)を有する層である。
【0024】このような反射防止性を有する反射防止層
2としては、透明性の高い低屈折率層を、特定波長(反
射防止を目的とする主波長)に対して光学膜厚として特
定波長の1/4の膜厚に設ける単層反射防止層の他、こ
の低屈折率層に特定波長に基づいた光学膜厚の高屈折率
層や中屈折率層を適宜一層以上積層した多層反射防止層
が採用できる。
【0025】ここでいう光学膜厚とは、膜の屈折率nと
機械的な膜厚dとの積ndによって求められる膜厚のこ
とである。
【0026】また、ここでいう低屈折率層を構成する材
料としては、Siの酸化物やLi、Na、Mg、Al、
Ca等のフッ化物が挙げられ、高屈折率層を構成する材
料としては、Ti、Cr、Zr、Ni、Mb等の単体や
Ti、Zn、Y、Zr、In、Sn、Sb、Hf、T
a、Ce、Pr、Nd等の酸化物が挙げられ、中屈折率
層を構成する材料としては、La、Nd、Pb等のフッ
化物が挙げられる。
【0027】これら反射防止層2を形成する方法として
は、上記低・高・中屈折率層を構成する材料等を真空蒸
着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の
真空成膜法により設ける他、フッ素含有樹脂、フッ素系
高分子、アルコキシシラン加水分解物を利用したアルコ
キシシラン系樹脂等の反射防止塗料を塗布する液体塗布
法により設ける方法が採用できる。
【0028】この反射防止層2の厚みは、可視光域の反
射防止を好適に行うに際して、その構成中の低・高・中
屈折率層の光学膜厚が0.01〜0.8μm、好ましく
は0.01〜0.4μm範囲で適宜選択した低・高・中
屈折率層を必要に応じて積層した厚みとすることができ
る。
【0029】次に、本発明のハードコート層3は、反射
防止膜6を被着体表面に転写した後に、反射防止膜6の
ハードコート性(耐擦傷性)を向上させるための層であ
る。これは上記反射防止層2の膜厚が前述のように大変
薄いため、反射防止層2のみではハードコート性を有す
ることができず、反射防止層2と隣接する層の表面硬度
及び接着性に大きく影響を受けるためである。
【0030】そのためハードコート層3には、高い表面
硬度と反射防止層2との接着性が高いことが要求され
る。
【0031】ハードコート層3の表面硬度を高くする方
法としては、熱硬化型樹脂若しくは電離放射線硬化型樹
脂からなるバインダー樹脂を含む組成物を従来公知のコ
ーティング方法によりコーティングした後、硬化させる
ことにより得られる。
【0032】ここでいう従来公知のコーティング方法と
しては、ナイフコーテイング、ドクターコーティング、
バーコーティング、ロールコーティング、ブレードコー
ティング、キスコーティング、スプレーコーティング、
スピンコーティング、ディップコーティング等が挙げら
れる。
【0033】熱硬化型樹脂としては、シリコーン系、メ
ラミン系、エポキシ系、アミノアルキッド系、ウレタン
系、アクリル系、ポリエステル系、フェノール系等の架
橋性樹脂を熱によって架橋硬化させるものが使用でき
る。これらは単独でも使用可能であるが、架橋性、架橋
硬化塗膜の硬度をより向上させるためには、硬化剤を加
えることが好ましい。
【0034】電離放射線硬化型樹脂としては、電離放射
線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化す
ることができるエポキシ系アクリレート、ポリエステル
系アクリレート、ポリウレタン系アクリレート、多価ア
ルコール系アクリレート等のアクリル基を有する樹脂、
ポリチオールポリエン樹脂等の光重合性プレポリマーを
用いることができる。これらは単独でも使用可能である
が、架橋硬化性、架橋硬化塗膜の硬度をより向上させる
ために、光重合性モノマーを加えることが好ましい。
【0035】光重合性モノマーとしては、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペン
タアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、トリプロピレングリコールトリアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、1、6−ヘキサンジ
オールジアクリレート等の多官能モノマーが挙げられ
る。
【0036】この他、電離放射線硬化型樹脂には、種々
の添加剤を添加しうるが、硬化の際に紫外線を用いる場
合には、光重合性開始剤、紫外線増感剤等を添加するこ
とができる。
【0037】光重合性開始剤としては、アセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベ
ンジルメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α−
アシロキシムエステル、チオキサンソン類等が挙げら
れ、紫外線増感材としては、n−ブチルアミン、トリエ
チルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられ
る。
【0038】ハードコート層3の厚みは1〜10μm、
好ましくは1〜7μmである。特に本発明においては、
ハードコート層3が4μm以下の膜厚が薄い際に顕著な
効果を示す。
【0039】本来ハードコート層3は、そのハードコー
ト膜の架橋硬化密度が高いことによってその表面硬度を
維持しているが、ハードコート層3の膜厚が薄い場合に
は、そのハードコート性(耐擦傷性)はハードコート層
3の表面硬度にのみ影響されるのではなく、ハードコー
ト層3と下地の層の表面硬度及び接着性に影響を受ける
ことになる。
【0040】そのため、ハードコート層3の膜厚が薄い
際に、その隣接する層の表面硬度が低いと、ハードコー
ト層3本来のハードコート性(耐擦傷性)を維持できな
くなってしまう。
【0041】そこで、本発明では接着層4を電離放射線
硬化型樹脂から構成される接着層とすることにより、被
着体表面に接着層を光硬化接着させて、接着層の表面硬
度を上昇させて、ハードコート層3を薄くしてもハード
コート層3本来の性能を維持できるようにする。ハード
コート層3をできるだけ薄くすることは、硬化時の歪み
によるカールを生じ難くしたりする他に、塗膜に柔軟性
を与える、作業中に塗膜にクラックを生じさせない等と
いう理由で、非常に有用なことである。但し、1μm未
満にしてしまうと、反射防止層2との関係において、反
射防止性に影響を与えてしまうという弊害を生じるの
で、好ましくない。
【0042】本発明の接着層4は、反射防止層2及びハ
ードコート層3を被着体表面に転写させて、且つハード
コート層3を薄くしてもハードコート層3本来のハード
コート性(耐擦傷性)を発揮させて、結果として反射防
止膜6のハードコート性(耐擦傷性)を向上させるため
の層である。従って、接着層4自体が光硬化接着した後
にハードコート性(耐擦傷性)を発現できるまで架橋硬
化密度が上昇するものであれば、ハードコート層3を設
ける必要を無くすことができるものである。
【0043】このような接着層4としては、電離放射線
硬化型樹脂からなるバインダー樹脂を含む組成物を、前
記公知のコーティング方法によりコーティングして接着
層とすることにより得られる。
【0044】この電離放射線硬化型樹脂としては、前記
同様の光重合性プレポリマーが用いられる。また、これ
らには前記同様の光重合性モノマーを加えることが好ま
しく、前記同様の光重合性開始剤、紫外線増感剤等を添
加することができる。
【0045】また、反射防止層2と接着層4との間にハ
ードコート層3を設ける場合には、接着層4の表面硬度
を極端に落とさない範囲で、常温(20℃)において粘
着性を示すようなアクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース系樹脂等の粘
着性樹脂を電離放射線硬化型樹脂に添加することができ
る。この場合の電離放射線硬化型樹脂に対する粘着性樹
脂の添加量としては25%以下、好ましくは20%以下
であることが望ましい。
【0046】接着層4の厚みは通常1〜100μm、好
ましくは5〜50μmの範囲で使用される。
【0047】ハードコート層3や接着層4を形成する際
には、各層の透明性を損なわない範囲で各層の屈折率を
調節するために、その構成バインダー樹脂中に低屈折率
超微粒子や高屈折率超微粒子を添加して、各層を形成す
ることができる。
【0048】低屈折率超微粒子としては、Siの酸化物
やMg、Al、Ba、Ca、Li、Na、Sn、Th等
のフッ化物が挙げられ、高屈折率超微粒子としては、Z
nの硫化物やSn、In、Al、Ti、Ce、Hf、
Y、Ta、Nd、Sb、Bi、Eu、La、Mo、M
g、Sm、Sc、W、Yb、Zn、Zr等の酸化物が挙
げられる。
【0049】セパレーター5は、接着層4の接着性によ
って作業性を低下させないためのものである。セパレー
ター5の材質としてはポリエステル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のプラスチックフィルムや紙等の表面を
シリコーン等で適宜離型処理を施したものが使用でき
る。
【0050】セパレーター5の厚みとしては、作業性を
考慮して4〜200μm、好ましくは20〜100μm
の範囲である。
【0051】これらの反射防止膜6の各層は電離放射線
透過性を有する剥離可能な支持体1上に順次成膜するこ
とにより積層することができる。
【0052】次に、本発明の反射防止膜転写方法につい
て説明する。
【0053】本発明の反射防止膜転写方法は、上述のよ
うな反射防止膜転写材の接着層4を被着体表面に貼着し
た後、接着層4に電離放射線を照射して、接着層4を被
着体表面に光硬化接着させた後、支持体1を剥離するこ
とにより、被着体表面に反射防止膜6を転写するもので
ある。
【0054】反射防止膜転写材の接着層4を被着体表面
に貼着する方法としては、例えばロール方式やラミネー
ター方式等の適当な方式を用いて圧着でき、その際には
ロールやラミネーターに熱を加えても構わない。
【0055】その後、接着層4に電離放射線を照射して
被着体表面に接着層を光硬化接着する方法としては、電
離放射線を照射することができる照射器を用いて、支持
体1側から電離放射線を照射することにより行い得る。
但し、被着体自身が電離放射線を透過できるようなもの
であれば、被着体側から照射することも可能である。
【0056】本発明は、このようにして接着層4を被着
体に光硬化接着することにより、接着層4自体の表面硬
度上昇させることにより、ハードコート層3の膜厚を薄
くしても、ハードコート層3本来のハードコート性(耐
擦傷性)を維持できるようにでき、また、接着層自体に
ハードコート性(耐擦傷性)が発現できるようにすれ
ば、ハードコート層を設ける必要を無くすことができ
る。
【0057】本発明でいう電離放射線とは、紫外線若し
くは電子線のことであり、紫外線としては超高圧水銀
灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノ
ンアーク、メタルハライドランプ等の光源を備えた照射
器から発する紫外線が用いられ、また、電子線として
は、コックロフトワルトン型、バンデルグラフ型、共振
変圧器型、絶縁コア変圧器型、ダイナミトロン型、高周
波型等の各種電子加速器から放射される50〜1000
keV、好ましくは100〜300keVの範囲のエネ
ルギーを持つ電子線が用いられる。
【0058】接着層3を光硬化接着した後、支持体1を
剥離することにより、被着体表面に反射防止膜6を転写
することができる。
【0059】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はかかる実施例にのみ限定されるものではない。
尚、「部」、「%」は特記しない限り、重量基準とす
る。
【0060】[実施例1]60μmのポリプロピレンフ
ィルム(トレファンBO:東レ社)を支持体とし、この
上に、二酸化ケイ素(光学膜厚0.14μm)、二酸化
チタン(光学膜厚0.28μm)からなる反射防止層を
反応性スパッタリング法により形成した後、この反射防
止層上に以下のハードコート層塗工液を塗布、乾燥する
ことにより約3μmのハードコート層を積層形成した。
【0061】<ハードコート層塗工液> ・メチルシリコーン樹脂 90部 (トスガード510:東芝シリコーン社) ・イソプロピルアルコール 10部
【0062】さらにこのハードコート層上に、以下の接
着層塗工液Aを塗布、乾燥することにより約10μmの
接着層を形成し、さらに、接着層上に厚さ25μmのセ
パレーター(MRB:ダイアホイルヘキスト社)をラミ
ネートして反射防止膜転写材を得た。
【0063】<接着層塗工液A> ・紫外線硬化型アクリル樹脂 30部 (ユニディック17-806:大日本インキ化学工業社) ・光重合開始剤 1部 (イルガキュア651:チバガイギー社) ・アクリル系粘着性樹脂 10部 (SKダイン1502A70:綜研化学社) ・メチルエチルケトン 35部 ・トルエン 35部 ・イソプロピルアルコール 25部
【0064】得られた反射防止膜転写材のセパレーター
を剥離し、接着層部分を被着体表面に貼着して、120
W/cmの超高圧水銀灯にて紫外線照射を行った後、支
持体を剥離した。
【0065】[実施例2]60μmのポリプロピレンフ
ィルム(トレファンBO:東レ社)を基材とし、この上
に、以下の反射防止層塗工液、接着層塗工液Bを塗布、
乾燥することにより光学膜厚約0.14μmの反射防止
層、及び約10μmの接着層を積層形成した後、この接
着層上に厚さ25μmのセパレーター(MRB:ダイア
ホイルヘキスト社)をラミネートして反射防止膜転写材
を得た。
【0066】<反射防止層塗工液> ・シラン系反射防止剤 (OA−201F:日産化学工業社) 100部
【0067】<接着層塗工液B> ・紫外線硬化型アクリル樹脂 20部 (ユニディック17-806:大日本インキ化学工業社) ・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4部 (カヤラッドPDHA:日本化薬社) ・1、6−ヘキサンジオールジアクリレート 4部 (カヤラッドHDDA:日本化薬社) ・ジルコニア超微粒子 24部 ・光重合開始剤 1部 (イルガキュア651:チバガイギー社) ・分散剤 5部 ・メチルエチルケトン 35部 ・トルエン 35部
【0068】得られた反射防止膜転写材のセパレーター
を剥離し、接着層部分を被着体表面に貼着して、120
W/cmの超高圧水銀灯にて紫外線照射を行った後、支
持体を剥離した。
【0069】[比較例1]実施例1の接着層塗工液Aの
代わりに、以下の接着層塗工液Cを使用して約10μm
の接着層を積層した以外は、実施例1と同様にして反射
防止膜転写材を得た。
【0070】<接着層塗工液C> ・アクリル系粘着性樹脂 30部 (SKダイン1502A70:綜研化学社) ・イソプロピルアルコール 75部
【0071】[比較例2]実施例2の接着層塗工液Bの
代わりに、上記接着層塗工液Cを使用して約10μmの
接着層を積層した以外は、実施例2と同様にして反射防
止膜転写材を得た。
【0072】本実施例、比較例で得られた反射防止膜転
写材について、被着体表面に転写させた反射防止膜の反
射率、ハードコート性について評価した結果を表1に示
す。
【0073】
【表1】
【0074】〔反射率〕分光光度計にて測定された、5
50nmにおける反射防止膜の表面反射率とした。
【0075】〔ハードコート性〕150g及び300g
の荷重においてスチールウール#0000で反射防止膜
表面を10往復擦った後、その表面の傷の有無を目視観
察した。評価基準は以下の通りとした。 ○:全く傷がつかない △:全面傷がつく ×:反射防止膜が無くなってしまう
【0076】実施例1、2の反射防止膜転写材は、被着
体表面に転写させた反射防止膜の反射率、ハードコート
性の何れにおいても良好であった。
【0077】一方、比較例1、2の反射防止膜転写材
は、接着層に電離放射線硬化型樹脂を使用しなかったた
め、全くハードコート性を有しておらず、且つハードコ
ート性評価後の反射防止膜は反射防止性能を失ってしま
っていた。
【0078】
【発明の効果】本発明は、電離放射線透過性を有する剥
離可能な支持体上に、前記支持体側から反射防止層、ハ
ードコート層、接着層を順次積層してなる反射防止膜を
設けた反射防止膜転写材であって、前記接着層が、電離
放射線硬化型樹脂から構成される接着層とすることによ
り、前記接着層を被着体表面に貼着した後、前記接着層
に電離放射線を照射して、前記接着層を前記被着体表面
に光硬化接着させることができるようになり、ハードコ
ート層の厚みが薄い場合でも、優れたハードコート性
(耐擦傷性)を有する反射防止膜を被着体表面に転写す
ることができるようになる。
【0079】また本発明は、電離放射線透過性を有する
剥離可能な支持体上に、前記支持体側から反射防止層、
接着層を順次積層してなる反射防止膜を設けた反射防止
膜転写材であって、前記接着層が、ハードコート性(耐
擦傷性)を発現する電離放射線硬化型樹脂から構成され
る接着層とすることにより、接着層がハードコート性
(耐擦傷性)を有する層を兼ねるため、予めハードコー
ト層を設けておかなくても優れたハードコート性(耐擦
傷性)を有する反射防止膜を被着体表面に転写すること
ができ、且つ当該反射防止膜転写材の製造工程を短縮で
きるようになる。
【0080】また本発明は、前記記載の反射防止膜転写
材の前記接着層を被着体表面に貼着した後、前記接着層
に電離放射線を照射して、前記接着層を前記被着体表面
に光硬化接着させた後、前記支持体を剥離することによ
り、極めて容易に前記被着体表面にハードコート性を有
する反射防止膜を転写することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射防止膜転写材の一実施例を示す
図。
【符号の説明】
1・・・・・支持体 2・・・・・反射防止層 3・・・・・ハードコート層 4・・・・・接着層 5・・・・・セパレーター 6・・・・・反射防止膜 7・・・・・反射防止膜転写材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射防止膜転写材の一実施例を示す
図。
【図2】 本発明の反射防止膜転写材の他の実施例を示
す図。
【符号の説明】 1・・・・・支持体 2・・・・・反射防止層 3・・・・・ハードコート層 4・・・・・接着層 5・・・・・セパレーター 6・・・・・反射防止膜 7・・・・・反射防止膜転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09F 9/00 318 G09F 9/00 318A

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電離放射線透過性を有する剥離可能な支持
    体上に、前記支持体側から反射防止層、ハードコート
    層、接着層を順次積層してなる反射防止膜を設けた反射
    防止膜転写材であって、前記接着層が、電離放射線硬化
    型樹脂から構成される接着層であることを特徴とする反
    射防止膜転写材。
  2. 【請求項2】電離放射線透過性を有する剥離可能な支持
    体上に、前記支持体側から反射防止層、接着層を順次積
    層してなる反射防止膜を設けた反射防止膜転写材であっ
    て、前記接着層が、ハードコート性を発現する電離放射
    線硬化型樹脂から構成される接着層であることを特徴と
    する反射防止膜転写材。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の反射防止膜転写材
    の前記接着層を被着体表面に貼着した後、前記接着層に
    電離放射線を照射して、前記接着層を前記被着体表面に
    光硬化接着させた後、前記支持体を剥離することによ
    り、前記被着体表面に反射防止膜を転写することを特徴
    とする反射防止膜転写方法。
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