JPH11268166A - 保護膜転写材 - Google Patents

保護膜転写材

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JPH11268166A
JPH11268166A JP10092657A JP9265798A JPH11268166A JP H11268166 A JPH11268166 A JP H11268166A JP 10092657 A JP10092657 A JP 10092657A JP 9265798 A JP9265798 A JP 9265798A JP H11268166 A JPH11268166 A JP H11268166A
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JP
Japan
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layer
protective film
hard coat
antireflection
refractive index
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Pending
Application number
JP10092657A
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English (en)
Inventor
Nami Matsuo
奈美 松尾
Teruo Onuma
輝雄 大沼
Yasunori Sugiyama
靖典 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた反射防止効果を備え、且つ傷防止性に
優れる保護膜を支持体から印刷物等に転写する保護膜転
写材であって、転写の際に転写不良を起こさない保護膜
転写材を提供する。 【解決手段】 剥離可能な支持体1上に、支持体1側か
ら反射防止層2、ハードコート層3、接着層4を順次積
層してなる保護膜6を設けた保護膜転写材7であって、
ハードコート層3が、バインダー樹脂に二酸化チタン等
の高屈折率超微粒子を分散したものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、案内板、広告看
板、標識、ポスター等のいわゆる印刷物等の表面を保護
するのに好適な保護膜を支持体からの転写により設ける
保護膜転写材であって、印刷物表面からの光の反射を低
減させる保護膜転写材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、案内板やポスター等の印刷物に、
表面の汚れ防止、劣化防止、傷防止等を目的として、保
護膜を接着層で転写させて、印刷物表面を保護する方法
が行われている。
【0003】さらに、その保護膜表面には、周囲からの
光が映り込んで印刷内容を見え難くするという弊害が生
ずるため、この保護膜表面に、映り込み等の光の反射を
防止する反射防止処理を施すことが考えられている。
【0004】このような反射防止効果を有する保護膜の
転写を具現化するものとしては、剥離可能な支持体上
に、反射防止層、ハードコート層、接着層を順次積層し
てなる保護膜を設けた保護膜転写材が考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成中の
反射防止層は、真空法により多層薄膜を形成する手法が
一般的であるため、コストが高い、大面積化が難しい等
の理由により、印刷物等の比較的大きな面積を必要とす
る表面保護膜には利用されていない。
【0006】そこで近年、この反射防止処理を低コスト
で大面積に行う方法として、液状の反射防止塗料を塗布
して反射防止層を形成する方法が試みられている。この
ような塗布法によって形成された反射防止層は、一般に
真空法により形成された反射防止層よりも、支持体に対
しての接着性が高いものである。
【0007】しかし、この塗布法による反射防止層の形
成は、反射防止効果を決定する光学膜厚の制御が極めて
難しく、反射防止効果を向上させる多層化が困難なた
め、実用化が進んでいるのは低屈折率層を一層のみ設け
る方法に留まっている。
【0008】そのため、この塗布法による低屈折率層一
層のみ設ける反射防止処理は、通常用いられる屈折率の
低いハードコート層に処理しても、実用上で反射防止効
果が期待できるものではなかった。
【0009】また、このハードコート層は、優れた傷防
止性を付与することを目的とし、架橋硬化密度を上げる
等してその表面硬度を高くした樹脂層を用いるため、反
射防止層や接着層との接着性は一般に悪化する傾向にあ
る。
【0010】そのため、支持体と反射防止層の接着性
(a)、反射防止層とハードコート層の接着性(b)、
ハードコート層と接着層の接着性(c)、接着層と印刷
物の接着性(d)において、(a)、(d)よりも
(b)、(c)の接着性の方が低くなってしまい、転写
の際に転写不良を起こす等の問題点を有していた。
【0011】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、優れた反射防止効果を備え、且つ傷防
止性に優れる保護膜を支持体から印刷物等に転写する保
護膜転写材であって、転写の際に転写不良を起こさない
保護膜転写材を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する保
護膜転写材は、剥離可能な支持体上に、前記支持体側か
ら反射防止層、ハードコート層、接着層を順次積層して
なる保護膜を設けた保護膜転写材であって、前記ハード
コート層が、バインダー樹脂に高屈折率超微粒子を分散
したものである。
【0013】前記ハードコート層を、バインダー樹脂に
高屈折率超微粒子を分散したものにすることにより、反
射防止層が反射防止塗料を塗布することにより形成され
た低屈折率層の一層のみであっても、実用上において有
効な反射防止効果を有することができると共に、転写の
際に転写不良を起こす等の問題点を解消することができ
るようになる。
【0014】バインダー樹脂が、熱硬化型樹脂若しくは
電離放射線硬化型樹脂であることを特徴とするものであ
る。
【0015】また、接着層が感熱性接着剤若しくは感光
性接着剤により形成したことを特徴とするものである。
これによりハードコート層を薄く形成してもハードコー
ト層本来の傷防止性を発揮できるようになる。
【0016】
【発明の実施の態様】以下、本発明の保護膜転写材につ
いて詳細に説明する。
【0017】本発明の保護膜転写材7は、図1に示すよ
うに、剥離可能な支持体1上に反射防止層2、ハードコ
ート層3、接着層4を順次積層してなる保護膜6及び必
要に応じて設けるセパレーター5からなる構造を有す
る。
【0018】支持体1は、反射防止層2、ハードコート
層3、接着層4をそれぞれ順次積層する際の基材となる
ものであり、薄い反射防止層を作業性良く被着体に転写
させる機能を担うものである。
【0019】支持体1としては、反射防止層2、ハード
コート層3、接着層4をそれぞれ順次積層でき、かつ、
使用時に剥離除去できるものであれば特に材質を問わな
い。例えばポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィ
ルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム、ポリアミドフィルム、ポリスチレンフィルム、各種
フッ素樹脂フィルム等のプラスチックフィルムや紙、合
成紙、樹脂含浸紙等が使用できる。
【0020】但し、接着層4に後述する電離放射線硬化
型樹脂を用いる場合は、貼着後に電離放射線を照射して
接着層4を印刷物に接着する必要があるため、支持体1
は電離放射線を遮らない程度に透明性を有することが好
ましい。透明性を有する支持体は、貼着作業時に場所が
確認できる等、作業性においても好ましい。また、接着
層4に後述する熱溶融性樹脂を用いる場合は、転写時の
熱に耐えられるような耐熱性のあるものを選択すること
が好ましい。
【0021】支持体1の厚みとしては、特に限定はない
が、厚すぎるとフィルムのコシが大きすぎて作業性が悪
くなり、薄すぎるとシワや気泡、カール等が発生して作
業性が悪くなるため、印刷物等の表面に貼りやすい程度
の厚さが好適である。このため、作業条件や材質等によ
り異なるが、一般に12〜200μm程度のものが使用
される。
【0022】更に、支持体1と反射防止層2との剥離性
を上げるために、支持体1に離型処理等の表面処理を施
すことも可能である。
【0023】反射防止層2は、光の干渉を利用して反射
光を打ち消し合うことができる機能を備えた層であり、
保護膜6を印刷物等に転写した後に、印刷物等への光の
映り込みを防止し、印刷物等の視認性を向上させるため
の層である。
【0024】尚、本発明において印刷物とは通常の印刷
物のみならず、インクジェット、静電記録、PPC、熱
転写等によって形成されたものや、絵画、写真などに用
いられる額、パネル等の表面板をも含む。
【0025】反射防止層2は、一般に真空法により形成
されるが、本発明においては、大面積の反射防止層2を
設けるために、反射防止塗料を塗布することにより形成
する反射防止層2を好適に使用する。
【0026】この反射防止塗料としては、この反射防止
塗料を塗布することにより得られる低屈折率層の屈折率
が少なくともハードコート層3の屈折率よりも0.15
以上低くなるものであれば、特に限定されるものではな
い。しかし、この低屈折率層の屈折率は、好ましくは
1.45以下の屈折率であることが望ましい。そこで、
この反射防止塗料を構成する樹脂としては、フッ素含有
樹脂、フッ素系高分子、アルコキシシラン加水分解物等
を利用したアルコキシシラン系樹脂等が挙げられる。
【0027】反射防止層2から得られる低屈折率層の厚
みとしては、低屈折率層の屈折率をn1、膜厚をd、特
定の波長をλとすると、光の反射防止理論より次の式を
満たすことが好ましい。
【0028】n1d=λ/4 仮に、屈折率n1を1.40、特定の波長を550nm
とすると、d=98nmとなり、低屈折率層の厚みは約
0.1μmが最適となる。
【0029】ハードコート層3は、保護膜6を印刷物に
転写した後に、特に印刷物の傷防止性の向上を目的とし
て設ける層である。
【0030】保護膜6の傷防止性は、反射防止層2の膜
厚が前述のようにたいへん薄いため、反射防止層2と隣
接する層の表面硬度及び接着性に大きく影響を受ける。
仮に、反射防止層2上に直接接着層4を設けた場合、通
常接着層4は表面硬度の高いものはないため、転写した
際に、傷防止性に優れた保護膜6を作製することは難し
い。そこで、反射防止層2上に表面硬度の高いハードコ
ート層3を設けることにより、保護膜6の表面硬度を向
上させ、傷防止性をよくすることができる。
【0031】また、通常のハードコート層は反射防止層
2や接着層4との接着性が一般に悪化する傾向にあり、
印刷物等の表面に転写する際に反射防止層2や接着層4
とハードコート層との界面で剥離する転写不良を招いて
しまう。
【0032】そこで、ハードコート層3に用いられるバ
インダー樹脂に高屈折率超微粒子を分散することによ
り、反射防止層2や接着層4とハードコート層3との接
着性が飛躍的に向上し、転写の際の転写不良を解決する
ことができる。
【0033】また、バインダー樹脂に高屈折率超微粒子
を分散してハードコート層3の屈折率を高くすることに
より、反射防止層2が反射防止塗料により形成される低
屈折率層の一層のみであっても、実用上において有効な
反射防止効果を有する保護膜を得ることができる。
【0034】ハードコート層3に用いられるバインダー
樹脂は、傷防止性に優れる公知のものが使用でき、好ま
しくは透明性を有するものがよく、特に傷防止性の観点
からは、塗料に使用できる熱硬化型樹脂若しくは電離放
射線硬化型樹脂からなるバインダー樹脂を選ぶことが好
ましい。
【0035】熱硬化型樹脂としては、シリコーン系、メ
ラミン系、エポキシ系、アミノアルキッド系、ウレタン
系、アクリル系、ポリエステル系、フェノール系等の架
橋性樹脂を熱によって架橋硬化させるものが使用でき
る。
【0036】電離放射線硬化型樹脂としては、電離放射
線(紫外線若しくは電子線)の照射によって架橋硬化す
ることができるエポキシ系アクリレート、ポリエステル
系アクリレート、ポリウレタン系アクリレート、多価ア
ルコール系アクリレート等のアクリル基を有する樹脂、
ポリチオールポリエン樹脂等の光重合性プレポリマーを
用いることができる。これらは単独でも使用可能である
が、架橋硬化性、架橋硬化塗膜の硬度をより向上させる
ために、光重合性モノマーを加えることが好ましい。こ
の他、電離放射線硬化型樹脂には、種々の添加剤を添加
しうるが、硬化の際に紫外線を用いるときには光重合開
始剤、紫外線増感剤等を添加することができる。
【0037】ハードコート層3の厚みは1〜10μm、
好ましくは4〜7μmである。10μmより厚い場合
は、硬化時の歪みによりカールが生じたりする他、塗膜
としての柔軟性に欠けたり、作業時に塗膜中にクラック
が入ったり、また、印刷物の色合いや風合いを損ねてし
まう。逆に1μmよりも薄い場合には、傷防止性が十分
でなくなってしまい、傷が入り易くなる。また、4μm
以下の場合にも、後述する感熱性接着剤若しくは感光性
接着剤により形成される接着層2を用いることにより、
ハードコート層本来の傷防止性を発揮することができる
ようになる。
【0038】ここで、光の反射防止理論より、反射防止
層2の屈折率をn1、ハードコート層3の屈折率をn2
接着層4の屈折率をn3、空気の屈折率を1.0とした
場合、 (n22=(n12×n3を満たすものが
反射防止性能がよくなる条件の1つである。しかし、現
状ではこれらを満たす有機材料の組み合わせは無いた
め、できるだけn1の屈折率を低くし、n2の屈折率を高
くして光の反射防止を行うより方法がない。従って、反
射防止性能を良くするためには、反射防止層2の屈折率
1を下げるには限界があるため、ハードコート層3の
屈折率n2をできるだけ高くすることが好ましい。
【0039】ハードコート層3に使用されるバインダー
樹脂の屈折率は通常1.4〜1.6の間にあり、バイン
ダー樹脂単独で屈折率を上げようとした場合、バインダ
ー樹脂を構成する分子・原子に芳香族環やフッ素を除く
ハロゲン原子、S、N、Pの原子を用いることが考えら
れる。しかしこの場合、傷防止性が悪くなる、樹脂が色
づいてしまう等の問題点が出てきてしまうため、塗料用
のバインダー樹脂には、高屈折率でハードコート性を有
する樹脂は無いのが現状である。そこで、傷防止性のあ
るバインダー樹脂に、高屈折率超微粒子を分散させるこ
とにより、見かけ上のハードコート層3の屈折率を上げ
る方法が採用される。
【0040】高屈折率超微粒子としては、例えば、Zn
O、TiO2、SnO2、ITO、ZrO2、CeO2、S
25、Bi23、ZnS、Y23、La23、Ta2
5等が使用される。これらの高屈折率超微粒子のう
ち、ZnO、TiO2、CeO2、Sb25等を用いる
と、UV遮断性がさらに付与され、また、アンチモンド
ープのSnO2やITOを用いることにより導電性が増
し帯電防止効果が得られる。
【0041】高屈折率超微粒子の粒径は、ハードコート
層3を透明にするために400nm以下であることが好
ましい。また、高屈折率超微粒子とハードコート層用バ
インダー樹脂との混合比率は、高屈折率超微粒子とハー
ドコート層用バインダー樹脂の各々の屈折率によって異
なるが、おおよそハードコート層用バインダー樹脂10
重量部に対し高屈折率超微粒子3〜100重量部、好ま
しくは5〜70重量部である。
【0042】これらの高屈折率超微粒子は、ハードコー
ト層用バインダー樹脂との分散性を向上させる目的でそ
の表面がカップリング剤等で処理されていても構わず、
また、分散剤等の添加剤を使用してもよい。
【0043】接着層4は、保護膜6を印刷物等の表面に
転写させるための層である。
【0044】この接着層4は、この用途に使用できるも
のであれば特に限定されないが、好ましくは透明性を有
するものがよく、特にハードコート層3を薄くしてもハ
ードコート層3本来の傷防止性を発揮させる観点から
は、感熱性接着剤若しくは感光性接着剤により形成する
ことが望ましい。
【0045】感熱性接着剤とは、熱ラミネートによって
印刷物に接着できる熱溶融性樹脂から構成される。ここ
で熱溶融性樹脂とは常温(20℃)では粘着性をほとん
ど示さず、熱をかけると粘着性を示し、熱と圧をかける
ことによって印刷物に接着する樹脂をいう。このような
樹脂としては、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂、エ
チレン/アクリル酸共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、
熱可塑性エラストマー等の公知の熱溶融性樹脂が使用で
きる。尚、熱溶融性樹脂を使用した感熱性接着剤から形
成される接着層4を使用する場合には、後述するセパレ
ーター5はなくても構わない。
【0046】感光性接着剤とは、印刷物に貼着した後、
電離放射線を照射して、印刷物に接着すると共に、接着
層4自体の塗膜硬度が上昇するような電離放射線硬化型
樹脂から構成される。
【0047】電離放射線硬化型樹脂としては、前記した
ものと同様な光重合性プレポリマーが使用できる。ま
た、前記したと同様に、これらには光重合性モノマーを
加えることが好ましい他、種々の添加剤も添加し得る。
【0048】また、この感光性接着剤には、電離放射線
硬化型樹脂の他に、常温(20℃)において粘着性を示
すようなアクリル系、ゴム系の粘着性樹脂を電離放射線
硬化型樹脂に対して25%以下、好ましくは20%以下
添加して、印刷物等への電離放射線照射前の粘着性を向
上させることができる。この際、25%より多く添加し
てしまうと、電離放射線照射後の接着層4の塗膜硬度が
低下してしまい、ハードコート層3を薄くした際に、ハ
ードコート層3本来の傷防止性を発揮させることが困難
になってしまう。
【0049】接着層4の厚みは通常1〜50μmの範囲
で使用される。また、反射防止の効果をよくするため
に、少なくとも反射防止層2よりも大きい屈折率のも
の、好ましくはハードコート層3の屈折率と同程度高い
ものがよい。
【0050】セパレーター5は、接着層4の粘着性によ
って作業性を低下させないためのものであり、感熱性接
着剤の様に、常温ではベタツキが無く熱等の外因によっ
て粘着力を発現するものに対しては必要ない。セパレー
ター5の材質としてはポリエステル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のプラスチックフィルムや紙等の表面を
シリコーン等で適宜離型処理を施したものが使用でき
る。
【0051】セパレーター5の厚みとしては、作業性を
考慮して4〜200μm、好ましくは20〜100μm
の範囲である。
【0052】これらの層は、剥離可能な支持体1上に順
次塗布することにより積層できる。また、剥離可能な支
持体1上に反射防止層2、ハードコート層3を積層し、
セパレーター5の上に接着層4を積層したものを接着層
4とハードコート層3とが向かい合うようにラミネート
して積層する方法もある。あるいは、剥離可能な支持体
1上に反射防止層2、ハードコート層3を積層し、一
方、別の仮の支持体上に感熱性接着剤を使用した接着層
4を積層し、接着層4とハードコート層3とが向かい合
うように熱によりラミネートしてから別の仮支持体を剥
離することも可能である。
【0053】この様な層を塗布する方法としては、例え
ばバーコート法、ロールコーター法、カーテンフロー
法、エクストルージョン法、ホットメルトロールコータ
ー法、ダイコーティング法等の公知の方法が使用でき
る。
【0054】本発明の保護膜転写材7を使用して、印刷
物等の上に保護膜を形成するには、接着層4を印刷物等
の表面に対向させ貼り合わせた後、支持体1を剥離する
ことによって印刷物等の表面に保護膜を形成する。貼り
合わせ方は接着層4の種類によって、圧力や熱を加える
等の方法を適宜選択し、必要に応じて電離放射線を照射
して接着層4の塗膜強度を上昇させることができる。
【0055】本発明でいう電離放射線とは、紫外線若し
くは電子線のことであり、紫外線としては超高圧水銀
灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノ
ンアーク、メタルハライドランプ灯の光源から発する紫
外線が用いられ、又、電子線としては、コックロフトワ
ルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変
圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種
電子線加速機から放出され、50〜1000keV、好
ましくは100〜300keVの範囲のエネルギーを持
つ電子線が用いられる。
【0056】
【実施例】次に本発明の保護膜転写材についての実施例
を説明する。
【0057】[実施例1]60μmのポリプロピレンフ
ィルム(トレファンBO:東レ社)を支持体とし、この
上に、以下の反射防止層用塗工液、ハードコート層用塗
工液をバーコーティングにより塗布し、反射防止層及び
ハードコート層を積層したシートAを作製した。尚、本
発明における「%」、「部」は、特記しない限りすべて
重量基準である。
【0058】<反射防止層用塗工液:(膜厚0.1μ
m、屈折率1.36)> ・シラン系反射防止塗料 (OA−201F:日産化学工業社) 100部
【0059】<ハードコート層用塗工液:(膜厚5μ
m、屈折率1.70)> ・UV硬化型アクリル樹脂(固形分80%) 30部
(ユニディック17-806:大日本インキ化学工業社) ・高屈折率超微粒子 24部
(TTO−55(B):石原産業社) ・光重合開始剤 1部
(イルガキュア651:チバガイギー社) ・分散剤 5部 ・メチルエチルケトン 35部 ・トルエン 35部
【0060】さらにこの上に、以下の接着層用塗工液を
バーコーティングにより塗布し接着層を形成し、さら
に、接着層上に厚さ25μmのセパレーター(MRB:
ダイアホイルヘキスト社)をラミネートして保護膜転写
材を得た。
【0061】<接着層用塗工液:(膜厚10μm)> ・アクリル系樹脂(固形分40%) 30部
(SKダイン1502A70:綜研化学社) ・光安定剤 3部
(TINUVIN123:チバガイギー社) ・イソプロピルアルコール 75部
【0062】得られた保護膜転写材のセパレーターを剥
離し、接着層部分を印刷物表面に接着した後、支持体を
剥離した。
【0063】[実施例2]実施例1のハードコート層用
塗布液に使用したUV硬化型アクリル樹脂を、熱硬化型
シリコーン樹脂(トスガード510:東芝シリコーン
社)に変更し、固形分を調整した以外は、実施例1と同
様にして保護膜転写材を得た。この時のハードコート層
の屈折率は1.70であった。
【0064】[実施例3]実施例1のハードコート層の
膜厚を3μmとした以外は、実施例1と同様にして保護
膜転写材を得た。
【0065】[実施例4]実施例1のハードコート層の
膜厚を3μmとした以外は、実施例1と同様にして反射
防止層及びハードコート層を積層したシートBを作製し
た。
【0066】離型紙を別の仮支持体とし、感熱性接着剤
として、エチレン/酢酸ビニル系樹脂(最低造膜温度M
FT65℃、アクアテックスEC−3200:中央理化
工業社)をメタノール変性アルコール/水に溶解して作
製した接着層塗工液をバーコーティングにより塗布、乾
燥し、乾燥後の厚みが8μmの接着層を形成した。この
接着層と前記シートBのハードコート層とが向かい合う
ように熱によるラミネートを行い、冷えてから別の仮支
持体を剥離除去した。
【0067】得られた保護膜転写材の接着層側を印刷物
表面にあて、加熱接着により接着した後、支持体を剥離
した。
【0068】[実施例5]実施例1のハードコート層用
塗工液に使用した高屈折率超微粒子をジルコニアに変更
して、ハードコート層の膜厚を3μmとした以外は、実
施例1と同様にして反射防止層及びハードコート層を積
層したシートCを作製した。この時のハードコート層の
屈折率は1.60であった。
【0069】さらにこのハードコート層上に、下記処方
の接着層用塗工液をバーコーティングにより塗布し接着
層を形成し、さらに、接着層上に厚さ25μmのセパレ
ーター(MRB:ダイアホイルヘキスト社)をラミネー
トして保護膜転写材を得た。
【0070】<接着層用塗工液:(膜厚10μm)> ・UV硬化型アクリル樹脂(固形分80%) 30部
(ユニディック17-806:大日本インキ化学工業社) ・光重合開始剤 1部
(イルガキュア651:チバガイギー社) ・アクリル系樹脂(固形分40%) 10部
(SKダイン1502A70:綜研化学社) ・メチルエチルケトン 35部 ・トルエン 35部 ・イソプロピルアルコール 25部
【0071】得られた保護膜転写材のセパレーターを剥
離し、接着層部分を印刷物表面に貼着して超高圧水銀灯
にて紫外線照射を行った後、支持体を剥離した。
【0072】[比較例1]実施例1において、ハードコ
ート層用バインダーに高屈折率超微粒子を分散せずにハ
ードコート層を形成し、保護膜転写材を得た。この時の
ハードコート層の屈折率は1.50であった。
【0073】得られた保護膜転写材のセパレーターを剥
離し、接着層部分を印刷物表面に接着した後、支持体を
剥離しようとしたが、一部反射防止層とハードコート層
の間で剥離が起きてしまった。
【0074】本実施例、比較例で得られた保護膜転写材
について、保護膜の反射率、付着性及び印刷物表面に転
写したときの傷防止性、印刷内容の視認性について評価
した。評価結果を表1に示す。
【0075】
【表1】
【0076】[反射率]分光光度計にて測定された、5
50nmにおける保護膜の表面反射率とした。
【0077】[視認性]印刷内容が良くみえるものを
「○」、表面で光が反射してしまい印刷内容が見にくい
ものを「×」とした。
【0078】[転写性]保護膜を転写する際に、反射防
止層とハードコート層の界面で剥離が起きて保護膜の転
写に不良が発生した場合を「×」、転写不良が発生しな
かった場合を「○」とした。
【0079】[付着性]反射防止層とハードコート層と
の付着性(接着性)を、JIS−K5400の碁盤目テ
ープ法(すきま間隔1mm)の操作に準じて評価を行っ
た。評価基準は以下の通りとした。 ○:全く剥離が起きない(JIS−K5400での評価
点数10) ×:ほぼ全て剥離してしまう(JIS−K5400での
評価点数0)
【0080】[傷防止性]150g及び300gの荷重
においてスチールウール#0000で保護膜表面を10
往復擦った後、その表面の傷の有無を目視観察した。評
価基準は以下の通りとした。 ◎:全く傷がつかない ○:ほんの僅かに傷が付く △:若干傷が付く ×:傷が多くつく、あるいは反射防止層が無くなってし
まう
【0081】実施例1〜5の保護膜転写材は、ハードコ
ート層のバインダー樹脂に高屈折率超微粒子を分散した
ものを使用したことにより反射率、視認性、転写性、付
着性(接着性)の何れにおいても良好な結果を得られ
た。
【0082】実施例4、5の保護膜転写材は、接着層自
体が高硬度を有するために、実施例1、2の保護膜転写
材と、特に実施例3の保護膜転写材と比較して、特に優
れた傷防止性を有していた。
【0083】一方、比較例1の保護膜転写材は、印刷物
に転写した保護膜の反射率が高いため印刷内容の視認性
が低く、またハードコート層と反射防止層との接着が悪
いために、転写の際に転写不良を起こし易く、また転写
した保護膜に関しても傷が付き易く反射防止層が無くな
り易かった。
【0084】
【発明の効果】本発明は剥離可能な支持体上に、前記支
持体側から反射防止層、ハードコート層、接着層を順次
積層した保護膜転写材であって、前記ハードコート層
が、バインダー樹脂に高屈折率超微粒子を分散したもの
とすることにより、反射防止層が反射防止塗料を塗布す
ることにより形成された低屈折率層の一層のみであって
も実用上において有効な反射防止効果を有することがで
きると共に、転写の際に転写不良を起こす等の問題点を
解消することができるようになる。
【0085】また、本発明の保護膜転写材は保護膜を印
刷物表面に転写するタイプのため、印刷物の色合いや風
合いを損なうことがない。しかも、溶液塗布法で製造で
きるため大面積化が容易になり、大型の印刷物にも対応
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の保護膜転写材の一実施例を示す図。
【符号の説明】
1・・・支持体 2・・・反射防止層 3・・・ハードコート層 4・・・接着層 5・・・セパレーター 6・・・保護膜 7・・・保護膜転写材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】剥離可能な支持体上に、前記支持体側から
    反射防止層、ハードコート層、接着層を順次積層してな
    る保護膜を設けた保護膜転写材であって、前記ハードコ
    ート層が、バインダー樹脂に高屈折率超微粒子を分散し
    たものであることを特徴とする保護膜転写材。
  2. 【請求項2】前記反射防止層が、反射防止塗料を塗布す
    ることにより形成したものであることを特徴とする請求
    項1記載の保護膜転写材。
  3. 【請求項3】前記バインダー樹脂が、熱硬化型樹脂若し
    くは電離放射線硬化型樹脂であることを特徴とする請求
    項1記載の保護膜転写材。
  4. 【請求項4】前記接着層が、感熱性接着剤若しくは感光
    性接着剤により形成したものであることを特徴とする請
    求項1記載の保護膜転写材。
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