JPH08248404A - 反射防止用転写箔 - Google Patents

反射防止用転写箔

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JPH08248404A
JPH08248404A JP7072265A JP7226595A JPH08248404A JP H08248404 A JPH08248404 A JP H08248404A JP 7072265 A JP7072265 A JP 7072265A JP 7226595 A JP7226595 A JP 7226595A JP H08248404 A JPH08248404 A JP H08248404A
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JP
Japan
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layer
antireflection
transfer foil
plastic
film
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JP7072265A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Oike
均 尾池
Hiroshi Hatakeyama
弘 畠山
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Oike and Co Ltd
Original Assignee
Oike and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス基板やプラスチックシート基板は、枚
葉で反射防止層、ハードコート層を真空蒸着法、スパッ
タリング法、コーティング法等で形成していたのを、連
続したプラスチックフィルムを使用して連続処理方法に
より生産性の向上とコストの低減を可能ならし、ガラス
基板やプラスチックシート基板等の材料に反射防止層や
ハードコート層を形成する為の転写箔を提供すること。 【構成】 プラスチックフィルムに直接または離型層を
介して、少なくとも反射防止層及び接着層を順次形成し
た。 【効果】 枚葉処理によってしか得られなかったガラス
基板やプラスチックシート基板に高品質、高生産性、低
コストで反射防止層等を転写形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として液晶表示パネ
ル用の偏光板やその前面に設けるプラスチックフィルム
やシートに反射防止層を形成するのに有用な反射防止用
転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示用デバイスとして液晶パ
ネルは益々重要になってきている。特に小型情報機器向
けは、携帯性の向上、落下や外押圧ストレスに対する耐
衝撃性の向上が重要な課題である。又、テレビジョンを
はじめ航空機、船舶等の運航に必要な各種の計器盤、操
作盤等にも大型化した液晶表示用デバイスの実用化が待
たれている。
【0003】ところが現状の液晶パネルは、表面の反射
光の為に表示が見にくくなるという問題点があった。そ
の上、枚葉にて加工するので生産性が低く、コスト高に
なるという問題点もあった。
【0004】本発明では、「プラスチック」という用語
には「ポリマー」をも含む用語として使用する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ガラス基板やプラスチ
ックシート基板を使った液晶パネルは、ガラス基板やプ
ラスチック基板上に枚葉で反射防止層、ガスバリア層を
真空蒸着法、スパッタリング法、コーティング法等で形
成していた。しかしながら、基板を枚葉で加工すること
による生産性の低さ、即ちコスト高という問題点があっ
た。
【0006】本発明は、上記の問題点を解決すること、
即ち連続したプラスチックフィルムを使用して連続処理
方法により生産性の向上とコストの低減を可能ならしめ
るプラスチックシート、偏光板等の液晶表示材料等に反
射防止層を形成する為の転写箔を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明は、液晶パネル用の
偏光板や、その前面に設けるプラスチックフィルム、シ
ートに反射防止膜を付与するのに適した転写箔を転写方
式により形成することで、上記目的を達成することに成
功した。
【0008】本発明の反射防止用転写箔は、フレキシブ
ルなプラスチックフィルム(11)に直接又は離型層(12)を
介して、反射防止層(13)及び接着層(14)を順次形成し、
要すれば反射防止層と接着層との間にハードコート層(1
5)を形成する。これらの層はプラスチックフィルムを連
続的に搬送する装置を備えた真空蒸着装置、スパッタリ
ング装置、コーティング装置等を用いて大量に、容易
に、品質良く、安価に形成することが可能となった。
【0009】本発明の反射防止用転写箔を、前記のプラ
スチックシート基板に熱転写方式で転写することによ
り、プラスチック液晶パネルに傷をつけることなく、反
射防止層を形成することができる。尚、本発明の反射防
止用転写箔は、前記プラスチックシート基板に限らず、
これよりも薄いプラスチックフィルム基板に適用するこ
ともできる。又、逆に厚いプラスチック板基板やガラス
板基板に適用することもできる。
【0010】
【作用】本発明の反射防止用転写箔は、プラスチックシ
ート基板のような従来法ならば枚葉で反射防止層を真空
蒸着法、スパッタリング法等で形成しなければならなか
った場合にも、長尺のロール巻きプラスチックフィルム
搬送系を有し連続処理できる真空蒸着装置、スパッタリ
ング装置、コーティング装置で生産性よく、低コストで
所望層を形成した本発明の反射防止用転写箔を汎用転写
機を用いて、効率よく、全面に或は部分的にパターン状
に転写形成することができる。
【0011】本発明の反射防止用転写箔において用いる
プラスチックフィルム(11)としては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−
イソフタレート共重合体等のポリエステル系をはじめ、
ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリオレフィン系
等のプラスチックフィルムがあげられる。又、これらの
プラスチックは2種又はそれ以上のものがブレンドされ
ていてもよく、例えばポリエチレンテレフタレートにポ
リエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体が
ブレンドされていてもよい。更に又、これらのプラスチ
ックフィルムが2種又はそれ以上のものが積層された複
層フィルムであってもよい。
【0012】更に、これらのプラスチックフィルム(11)
の表面は各種の表面処理が施されていてもよい。特に反
射防止層(13)との剥離性を増す為に真空中でフッ素系化
合物を用いて表面をプラズマ処理する方法、大気中で高
温の熱処理を行ないプラスチックフィルムの表面にオリ
ゴマーを滲出す方法、窒素ガス雰囲気中で電子線を照射
しプラスチックフィルム表面を変質させる方法、プラス
チックフィルムの製膜工程において、アクリル樹脂系、
ポリビニルアルコール系、ポリオレフィン系等の異種プ
ラスチックフィルムを積層し、表面を改質する方法等が
用いられる。
【0013】上記のプラスチックフィルム(11)は二軸延
伸されたものが好適である。又、厚さは、9〜75μm
の範囲、好ましくは12〜38μmの範囲から適宜選択
実施される。プラスチックフィルムの厚さが9μm以下
の場合には、プラスチックフィルムに皺、カール等の欠
点が発生し易く、取り扱いにくいので好ましくない。一
方、75μm以上の場合には熱転写時の熱伝導が遅く、
転写の作業性が劣るので好ましくない。
【0014】本発明の反射防止用転写箔における離型層
(12)は、反射防止層(13)との界面において容易に剥離す
ることが一つの要件である。離型層を構成する樹脂とし
ては、例えばエポキシ−メラミン樹脂、アクリル−メラ
ミン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、尿素−メラミン樹
脂、シリコーン樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ
素樹脂等があげられる。これらの樹脂の1種又はそれ以
上の樹脂の有機溶剤溶液、エマルジョン等のコーティン
グ剤をロールコーティング法、グラビアコーティング法
等の通常コーティング法によりプラスチックフィルム(1
1)上に塗布し、溶媒を乾燥(熱硬化性樹脂、電子線硬化
性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の場合は硬化)することに
よって形成する。
【0015】離型層(12)の厚さは、通常0.1〜10μ
mの範囲、好ましくは0.2〜5μmの範囲から適宜選
択実施される。離型層の厚さが0.1μmより薄い場合
には、剥離が重く目的とする剥離性を得ることができな
いので好ましくない。一方、10μmより厚い場合には
剥離が軽すぎるために、順次形成する層が加工工程中で
脱落する可能性があるので好ましくない。
【0016】又、離型層(12)は、次ぎの方法によっても
形成することができる。水酸基、エーテル基、カルボキ
シル基、アミノ基等を1個以上有する水溶性有機物質、
例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等
のビニル系水溶性樹脂、メチルセルロース、カルボキシ
ルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース等の繊維素エーテル系樹
脂、アクリル酸ソーダ、アクリル酸アンモニウム等のア
クリル酸系水溶性物質、澱粉、デキストリン、ニカワ、
ゼラチン等の天然水溶性物質、カゼイン、カゼイン酸ソ
ーダ、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質系水溶性
物質、その他ポリエチレンオキサイド、カラギーナン、
グルコマンガン等の1種又はそれ以上の物質の水溶液の
コーティング剤をロールコーティング法、グラビアコー
ティング法等の通常コーティング法によりプラスチック
フィルム(11)上に塗布し、乾燥することによって形成さ
れる。
【0017】これらの水溶性離型層(12)を形成した場合
は、その上に反射防止層(13)、接着層(14)を順次形成
し、プラスチック液晶パネルに転写した後、水溶性離型
層と反射防止層との界面において剥離ができず、プラス
チックフィルムと水溶性離型層の間で剥離して、水溶性
離型層が残っても水洗によって水溶性離型層を完全に除
去することにより、所望の反射防止層を露出することが
できる。
【0018】本発明の反射防止用転写箔における反射防
止層(13)は反射防止性を有し、かつ透明性を有するもの
である。反射防止層を構成する材料としては、例えば酸
化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、フッ化マグネシウム等の金属化合物があげられ
る。これらはフッ化マグネシウムのように1層で反射防
止性を示すものもあるが、二酸化チタン/二酸化ケイ素
のように2層構成で反射防止性を示すもの、二酸化チタ
ン/二酸化ケイ素/二酸化チタン/二酸化ケイ素のよう
に4層構成で優れた反射防止性を示すもの等種々の多層
構成がある。
【0019】これらの反射防止層(13)の形成方法として
は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法等がある。又、金属化合物を用いる場合と、金属
を酸素ガスの存在下で真空蒸着、スパッタリングして金
属酸化物薄膜を形成する場合等がある。又、湿式コーテ
ィング方式によって形成することもでき、例えば有機金
属化合物を加水分解して生成するヒドロキシシリケー
ト、ヒドロキシチタネート等の溶液を湿式コーティング
した後、加熱キュアにより二酸化ケイ素、二酸化チタン
の薄膜を形成する方法も用いることができる。
【0020】又、フッ素系合成樹脂コーティング剤、二
酸化ケイ素の前駆体であるポリシラザンをコーティング
し、加熱及び加湿又は酸、アルカリ処理等によって薄膜
を形成することもできる。
【0021】反射防止層(13)の厚さは、通常0.01〜
5μmの範囲で適宜選択実施される。これら膜厚は所望
の反射特性を得る為に選択される材料構成、即ち屈折率
によって決定される。反射防止層の厚さが0.01μ
m、即ち100Å以下の場合は反射防止性が発現しにく
く、又、多層構成で5μm以上の場合もあり得るが、成
膜時間が長くなりすぎる為コスト高になり好ましくな
い。
【0022】本発明の反射防止用転写箔における接着層
(14)は、透明性、耐熱性、接着性が良好なものが好まし
い。接着層を構成する樹脂としては、例えばアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、
ポリカーボネート系、ポリアミド系、セルロース系等の
樹脂及びこれらの変性物の1種又は2種以上の混合物か
らなる樹脂があげられる。
【0023】接着層(14)は、前記樹脂を有機溶剤に溶解
したコーティング剤をグラビアコーティング法、リバー
スロールコーティング法等で前記反射防止層(13)上に塗
布、乾燥して形成する。又、ポリアミド系、ポリエステ
ル系等のホットメルト接着剤で接着層を形成する場合に
は、ホットメルト用コーターや押出コーティング装置を
用いる。又、ホットメルト接着層を形成する樹脂は、紫
外線や電子線によってアフターキュアにより硬化し、接
着性を増すものも好適である。
【0024】接着層(14)の厚さは被着体の表面状態に応
じて、通常0.3〜20μmの範囲、好ましくは0.5
〜3μmの範囲から適宜選択実施される。接着層の厚さ
が0.3μmより薄い場合には充分な接着力が得られず
好ましくない。一方、20μmより厚い場合には著しく
透明性を阻害するので好ましくない。
【0025】本発明の反射防止用転写箔におけるハード
コート層(15)は、透明性がよく、耐擦傷性が良好なこと
が要件であり、例えばポリメタアクリル酸樹脂、ポリメ
タアクリル酸エステル樹脂、ポリメチル(メタ)アクリ
ル酸エステル樹脂等のアクリル酸系樹脂及びアクリルポ
リオール、ポリエステルポリオール等のエステル結合を
有するポリオール系樹脂及びポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂等を用いることができる。又、モノマー、オリゴ
マーとしてはアクリレートモノマー、アクリレートオリ
ゴマーがあり、例えばポリオールアクリレートとしては
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(ヘ
キサ)アクリレート等があり、エポキシアクリレートと
してはグリセリントリグリシジルアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラグリシジルエーテルテトラアクリ
レート等があり、その他、ポリエステルアクリレート、
ウレタンアクリレート等がある。これらのモノマー及び
オリゴマーは、光重合開始剤を添加し、紫外線照射によ
って容易にポリマーとなり、硬質な膜を形成することが
できる。
【0026】光重合開始剤としては、紫外線照射により
容易にフリーラジカルを発生する化合物で、例えばベン
ゾフェノン、トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフ
ィンオキサイド、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリ
オキシレート等が使用できる。
【0027】ハードコート層(15)の形成方法としては、
前記樹脂、モノマー、オリゴマー、光重合開始剤、溶媒
等からなるコーティング剤をロールコーティング法、グ
ラビアコーティング法等の通常のコーティング法により
フィルム上に塗布し、溶媒を乾燥後、熱硬化、紫外線照
射硬化、電子線照射硬化等によって硬化する方法を用い
る。
【0028】ハードコート層(15)の厚みは0.3〜10
μm、好ましくは1〜5μmがよい。0.3μmより薄
い場合は耐擦傷性が十分でなく、又、10μmより厚い
場合は硬化時の歪みによるカールが生じやすいという欠
点があるので好ましくない。
【0029】本発明の反射防止用転写箔を転写する被転
写体は、通常プラスチックシート(21)からなる基板であ
る。プラスチックシートとしては、偏光フィルム(染料
又はヨウ素を偏光子としたポリビニルアルコールフィル
ムをセルローストリアセテートフィルムでラミネートし
たもの)、ポリカーボネート、セルローストリアセテー
ト、ポリアリレート、ポリエーテルサルホン、ポリノル
ボルネン系樹脂(日本合成ゴム株式会社製、ARTON
(登録商標))等の耐熱性、透明性の優れたもので、か
つ光学的に等方性のものが用いられる。その他ポリエス
テルフィルム、アクリル樹脂系フィルム、アクリル樹脂
系シート等も用いられる。尚、本発明の反射防止用転写
箔は、前記プラスチックシートからなる基板に限らず、
これよりも薄いプラスチックフィルム基板、厚いプラス
チック板基板に適用することもできる。
【0030】以下に実施例をあげて本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではない。
【0031】
【実施例】
実施例1 連続した長尺の厚さ12μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム片面上にアクリルシリコーン樹脂20部
(重量部、以下同様)、トルエン45部、メチルイソブ
チルケトン35部からなる溶液をロールフィルム搬送系
を有するコーターでグラビアコ−ティング法にて連続的
に塗布、乾燥して、厚さ0.5μmの離型層を50m/
分の速度で形成した。
【0032】次にこの離型層の上に、二酸化ケイ素と二
酸化チタンの2層からなる反射防止層を形成した。二酸
化ケイ素はロールフィルム搬送系を有する連続式真空蒸
着機を用い、スパッタリングターゲットとしてケイ素
を、ガス成分としてアルゴンと酸素の混合ガスを使用
し、直流反応性スパッタリング法により形成した。処理
はフィルム走行速度3m/分で行ない、膜厚は約150
Åであった。次いで二酸化チタンを同様に、スパッタリ
ングターゲットとしてチタンを用い、アルゴン、酸素混
合ガスにより直流反応性スパッタリング法により形成し
た。処理はフィルム走行速度0.3m/分で行ない、膜
厚は約1250Åであった。
【0033】次いで、前記反射防止層の上に、ポリエス
テル樹脂10部、トルエン40部、メチルエチルケトン
50部からなる溶液をリバースロールコーティング法に
て連続的に50m/分で塗布、乾燥し厚さ1μmの接着
層を形成して、本発明の反射防止用転写箔(図1)を得
た。
【0034】このようにして得た反射防止用転写箔を、
厚さ1.5mmのアクリル樹脂製シートに熱転写法によ
り転写した。転写後にポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを離型層とともに剥離し反射防止層付きのアクリル
樹脂製シート(図4)を得た。
【0035】実施例2 厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム片
面上にポリビニルアルコール8部、アクリル酸ソーダ2
部、沈降性硫酸バリウム60部、メタノール20部、イ
ソプロピルアルコール10部の組成からなるコーテイン
グ剤を実施例1と同様のコーターで塗布した後、乾燥し
て、約2μmの水溶性離型層を形成した。次いで水溶性
離型層上に、二酸化ケイ素、二酸化チタンからなる反射
防止層を反応性スパッタリング法により実施例1と同様
に付着させた。
【0036】次いで前記反射防止層の上に、実施例1と
同様の接着層を連続的に形成して、本発明の反射防止用
転写箔(図1)を得た。
【0037】このようにして得た反射防止用転写箔を厚
さ200μmのポリアリレートシートに熱転写法により
転写した。転写後にポリエチレンテレフタレートフィル
ムを剥離しながら水溶性離型層を水洗により溶出させ、
水分を乾燥除去し、反射防止層付きのプラスチックシー
ト(図4)を得た。
【0038】実施例3 実施例1において、コーティング法による離型層を設け
るかわりに、フッ素系化合物で表面をプラズマ処理した
ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる以外は実
施例1と全く同じ方法により、反射防止用転写箔(図
2)を得た。
【0039】このようにして得た反射防止用転写箔を吸
着染料を偏光子としたポリビニルアルコール系フィルム
の両面にセルロースアセテートフィルムを設けた厚さ2
00μmの偏光フィルムに熱転写法により転写した。転
写後にポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、
反射防止層付きの偏光フィルム(図5)を得た。
【0040】実施例4 実施例1と同じ方法で、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に、離型層、反射防止層を連続的に形成した
後、次いでウレタンアクリレート/1,6ヘキサンジオ
ールジアクリレート混合モノマー100部、光重合開始
剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
5部、メチルセロソルブ300部を混合し均一化したコ
ーティング剤をロールコーター法により塗布し、80℃
で乾燥後、80Wの高圧水銀灯照射し、約3μm厚さの
ハードコート層を形成した。
【0041】次いで前記ハードコート層の上に、実施例
1と同様の接着層を形成して、本発明の反射防止用転写
箔(図3)を得た。
【0042】このようにして得た反射防止用転写箔を、
実施例3と同様の偏光フィルムに熱転写法により転写し
た。転写後にポリエチレンテレフタレートフィルムを離
型層とともに剥離し、ハードコート層と反射防止層付き
の偏光フィルムを(図6)得た。
【0043】比較例1 実施例1において、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムに反射防止層を設けた転写箔を用いるかわりに、厚さ
1.5mmのアクリル樹脂製シートに直接に二酸化チタ
ン層と二酸化ケイ素層を反応性スパッタリング法により
形成し、反射防止層を設けたアクリル樹脂製シートを得
た。
【0044】比較例2 実施例2において、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムに反射防止層を設けた転写箔を用いるかわりに、厚さ
200μmのポリアリレートシートに直接に二酸化チタ
ン層と二酸化ケイ素層を反応性スパッタリング法により
形成し、反射防止層を設けたポリアリレート製シートを
得た。
【0045】比較例3 実施例3において、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムに反射防止層を設けた転写箔を用いるかわりに、厚さ
200μmの偏光フィルムに直接に二酸化チタン層と二
酸化ケイ素層を反応性スパッタリング法により形成し、
反射防止層を設けた偏光フィルムを得た。
【0046】比較例4 実施例4において、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムに反射防止層、ハードコート層を設けた転写箔を用い
るかわりに、厚さ200μmの偏光フィルムに直接にハ
ードコート層を設け、次いで二酸化チタン層と二酸化ケ
イ素層を反応性スパッタリング法により形成し、反射防
止層を設けた偏光フィルムを得た。
【0047】比較例5 実施例1において、本発明の反射防止用転写箔を転写し
ないアクリル樹脂製シートを用いた。
【0048】次に実施例1〜4及び比較例1〜5により
作成したプラスチックシート、偏光フィルムの各試料に
ついて、反射率、表面状態(傷発生状態)について評価
を行なった結果を表1に示した。
【0049】<評価方法> (1) 反射率 分光光度計(株式会社島津製作所製、UV3100−P
C)にて波長550nmにおける反射率を測定した。
尚、裏面の反射を消去する為に、裏面を黒色の反射のな
い塗料を塗布した。 (2) 表面状態(傷発生状態) 肉視及び光学顕微鏡観察による。
【0050】
【表1】 尚、表面状態は反射防止層の表面状態である。
【0051】表1から実施例1〜4の本発明の反射防止
用転写箔を使用したプラスチックシート、偏光フィルム
は、反射率が低く液晶表示材料として極めて見やすいも
のであり、又、表面にすり傷が全く発生していないこと
がわかる。これに対し、本発明の反射防止用転写箔を使
用していない比較例1〜4は加工工程中にすり傷が発生
し商品価値が低下し、又、比較例5の反射防止用転写箔
を転写しないものは反射率が高く、液晶表示材料として
は商品価値が劣るものであることがわかる。
【0052】
【発明の効果】本発明のプラスチックシート、偏光フィ
ルム等に用いる反射防止用転写箔は、フレキシブルな長
尺プラスチックフィルムに直接又は離型層を介して、反
射防止層及び接着層、要すればハードコート層を、連続
的に搬送する装置を備えた真空蒸着装置、スパッタリン
グ装置、コーティング装置、コーティング装置等を用い
て生産性よく、低コストで所望層を形成することができ
る。従って、従来法ならば枚葉で反射防止層を真空蒸着
法、スパッタリング法等で形成しなければならなかった
プラスチックシート、偏光板等にも、本発明の反射防止
用転写箔を汎用転写機で、効率よく、しかもすべての層
に損傷を与えることなく、所望層を転写形成することが
できる。つまり、従来の枚葉での加工では得られなかっ
た反射率、表面状態(傷発生状態)について、ともに優
れたものが、生産性よく、安価にかつ安定的に生産でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止用転写箔の実施例1及び実施
例2を示す慨略断面図である。
【図2】本発明の反射防止用転写箔の実施例3を示す慨
略断面図である。
【図3】本発明の反射防止用転写箔の実施例4を示す慨
略断面図である。
【図4】本発明の反射防止用転写箔(実施例1及び実施
例2)をプラスチック液晶用シートに転写した例を示す
慨略断面図である。
【図5】本発明の反射防止用転写箔(実施例3)を偏光
フィルムに転写した例を示す慨略断面図である。
【図6】本発明の反射防止用転写箔(実施例4)を偏光
フィルムに転写した例を示す慨略断面図である。
【符号の説明】
11 プラスチックフィルム 12 離型層 13 反射防止層 14 接着層 15 ハードコート層 21 プラスチックシート 22 偏光フィルム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルム(11)に直接又は離
    型層(12)を介して反射防止層(13)及び接着層(14)を順次
    形成したことを特徴とする反射防止用転写箔。
  2. 【請求項2】 プラスチックフィルム(11)に直接又は離
    型層(12)を介して反射防止層(13)、ハードコート層(15)
    及び接着層(14)を順次形成したことを特徴とする反射防
    止用転写箔。
  3. 【請求項3】 反射防止層(13)が主として酸化チタン、
    酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、フ
    ッ化マグネシウムから選ばれた少なくとも1層からなる
    請求項1又は2記載の反射防止用転写箔。
JP7072265A 1995-03-06 1995-03-06 反射防止用転写箔 Pending JPH08248404A (ja)

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