JP2008250312A - 表示素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続した大面積のプラスチック基板上に、剥離不良を生じることなく凹凸形状を均一に形成する表示素子の製造方法を提供する。
【解決手段】プラスチック基板(1)に前処理を施す工程、前記プラスチック基板(1)の表面に、支持フィルム(2)、表面に多数の微細な凹凸を有する下塗り層(3)及び反射下地層(4)が順次積層されてなる転写フィルム(8)をラミネートする工程、上記転写フィルム(8)側から活性エネルギー線(7)を照射する工程、上記支持フィルム(2)と共に上記下塗り層(3)を剥離する工程、上記プラスチック基板(1)上の上記反射下地層(4)を加熱する工程を含む、表示素子の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラスチック基板を用いた転写法による表示素子の製造方法に関する。
表示素子は、基板にガラス基板が使用されてきた。その例として液晶ディスプレイ(以下LCDと略す)があり、現在、携帯電話、時計、電卓、ゲーム機、TV、電子手帳、電子辞書、パソコン等の表示部に用いられている。しかし昨今の電子手帳やパソコンは持ち運びができるモバイル性が求められるために、重くて割れやすいガラスを基板に用いる事は不利である。近年、プラスチック基板を用いたLCDが開発され、今後は電子手帳やパソコン等への応用が急激に拡大すると予想されており、現在、大学、企業あるいは国の研究機関が精力的に研究を進め、学会、展示会等においてその成果が発表されている。
一方、モバイル用のLCDは軽量で薄型で消費電力が少ないことが求められるため、バックライトを用いずに外光を反射させて表示を行う反射型LCDが用いられる。反射型LCDには、外光を効率良く利用して明るい表示を得るための反射板が内蔵されている。
上記反射板は、あらゆる角度からの入射光を反射してユーザーに対して明るい表示を行うために基板上に微細な凹凸形状をつけたものが主流である。プラスチック基板に凹凸形状を形成する方法としては、例えば、枚葉で感光性樹脂をスピンコート等で塗布しフォトマスクを用いてパターン化して凹凸形状を形成し、金属薄膜を形成して反射板を形成するいわゆるフォトリソグラフィー法による反射板が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、大面積の連続したプラスチック基板に連続して凹凸を形成する方法としては、転写法による方法が提案されている(例えば特許文献2及び3参照)。
特開平4−243226号公報 特開2000−284106号公報 特開2002−32036号公報
本発明は、連続した大面積のプラスチック基板上に、剥離不良を生じることなく凹凸形状を均一に形成することを主な目的とするものである。
本発明は、プラスチック基板に微細な凹凸をつける際に層構造や系に与える処理を工夫することにより、剥離を抑制しながら凹凸形状を形成する製造方法に関する。具体的には、例えば、下記のものに関する。
[1]本発明の一態様は、(I)プラスチック基板に、水分含有率0.2重量%以下となるまでの乾燥処理及び表面エネルギーが4×10−2N/m以上となるまでの化学的表面処理から選択される前処理を施す工程、(II)前記プラスチック基板の表面と、支持フィルム、表面に多数の微細な凹凸を有する下塗り層及び反射下地層が順次積層されてなる転写フィルムとを、前記プラスチック基板と前記反射下地層とが合わさるようにラミネートする工程、(III)上記転写フィルム側から活性エネルギー線を照射する工程、(IV)上記支持フィルムと共に上記下塗り層を剥離する工程、(V)上記反射下地層を加熱する工程を含むことを特徴とする表示素子の製造方法に関する。
さらに本発明の一態様は以下の事項にも関する。
[2]上記プラスチック基板は、ガラス転移点が180℃を超える温度であり、かつガラス転移点以下の温度領域における線膨張係数が1×10−4/℃以下である。
[3]上記プラスチック基板の形態が、シート状あるいはロール状である。
[4]上記転写フィルムの形態がロール状である。
[5]上記前処理がプラスチック基板の洗浄工程を含む。
[6]上記洗浄工程が水洗、アルコール洗浄、気体吹き付け、ブラッシング及び粘着ロールによる洗浄から選択される。
[7]上記化学的表面処理がコロナ処理あるいはUV処理である。
[8]上記ラミネートは、各々独立に温度制御が可能な2つの加熱体に挟むことにより行われる。
[9]上記プラスチック基板の線膨張係数をα、上記転写フィルムの線膨張係数をβ、上記プラスチック基板に接する上記加熱体の温度をT、上記転写フィルムに接する上記加熱体の温度をTとした時、α<β ならばT>T>70℃となる。
[10]上記T及びTが上記プラスチック基板のガラス転移点未満であることが好ましい。
[11]上記加熱体がロールである。
[12]上記活性エネルギー線が紫外線である。
[13]上記紫外線の照射量が100〜2000mJ/cmである。
[14]上記反射下地層が、活性エネルギー線によって硬化されるネガ型樹脂組成物からなる。
[15]上記剥離が3〜30m/minの速度で行われる。
[16]上記加熱が150℃以上であり、上記プラスチック基板のガラス転移点未満の温度で行われる。
[17]上記反射下地層の表面に反射膜を形成する。
本発明の表示素子の製造方法によれば、反射型液晶表示装置、電界発光表示装置、電気泳動表示装置等のプラスチック基板上に、転写法で剥離不良を生じることなく凹凸形状を均一に形成できる。
本発明の方法は図に示すように請求項1の工程を含む。図1において、1はプラスチック基板、2は支持フィルム、3は下塗り層、4は反射下地層、6は加熱体、7は活性エネルギー線、8は転写フィルムを示す。
まず図1(a)のように支持フィルム2、表面に多数の微細な凹凸を有する下塗り層3および反射下地層4を順次積層した転写フィルム8を準備する。ここで多数の微細な凹凸とは、例えばRa(算術平均粗さ)が0.001〜1μmの範囲にあり、かつRz(十点平均粗さ)が0.001〜1μmの範囲にあるような凹凸を指し、より好ましくはRaが0.01〜0.1μmの範囲にあり、かつRzが0.05〜0.5μmの範囲にあるような凹凸を指す。また、カラーフィルターなどと重ねて使用する場合に干渉縞を発生しないよう、前記凹凸は周期的ではなくランダムに配置することが好ましい。次に図1(b)に示すように、転写フィルム8とプラスチック基板1とをラミネートする。図1(b)において、ロール状の加熱体6が両側に存在しているが、片方を平面台とし、もう片方をロール状の加熱体としてもよい。次に図1(c)に示すように支持フィルム2側から活性エネルギー線7を照射し、反射下地層4を硬化させ、次いで図1(d)に示すように、支持フィルム2と下塗り層3とを反射下地層4から剥離して、プラスチック基板上に微細な凹凸が形成されたものを得ることができる。
最後に得られたものを加熱することにより、反射下地層4を硬化又はアニールさせて凹凸形状を保持させることができ、反射下地層4の樹脂として、硬化収縮の性質を有する樹脂を使用することによっては、図2に示すように、この加熱により凹凸形状をなだらかにすることができる。このように表面の凹凸をなだらかにすることでより多くの反射光をユーザー側に集光することができるため好ましい。また、図3に示すように反射下地層4の表面に反射膜5を設けることにより、拡散反射板9を得ることができる。
以下、各工程について順番に説明する。
すでに述べたように、本発明の一実施態様は、(I)プラスチック基板1に、水分含有率0.2重量%以下となるまでの乾燥処理及び表面エネルギーが4×10−2N/m以上となるまでの化学的表面処理から選択される前処理を施す工程、(II)上記プラスチック基板の表面に、支持フィルム2、表面に多数の微細な凹凸を有する下塗り層3及び反射下地層4が順次積層されてなる転写フィルムを貼り合わせる工程、(III)上記転写フィルム側から活性エネルギー線を照射する工程、(IV)上記支持フィルム2及び表面に多数の微細な凹凸を有する下塗り層3を剥離する工程、(V)上記プラスチック基板上の反射下地層4を加熱する工程を含むことを特徴とする表示素子の製造方法に関する。
まず、本発明の方法は、(I)プラスチック基板1に前処理を施す工程を備える。プラスチック基板は、外部回路との接続のために異方性導電フィルム等と熱圧着させる時、150℃程度の加熱を受ける。また製造の最終段階で液晶のシールが行われるが、その際のシール剤の硬化に180℃の加熱が必要なため、プラスチック基板のガラス転移点が180℃を超える温度であることが好ましく、200℃を超えることがより好ましく、230℃を超えることがさらに好ましい。上限としては250℃程度である。
上記ガラス転移点が180℃を超えるプラスチック基板の材料としては、例えば、芳香族ポリエーテルスルホン、熱可塑性芳香族ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、芳香族アラミド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、環状ポリオレフィン及びそのコポリマー等が挙げられ、中でも液晶表示素子の製造上、透明性、耐熱性、加工性、耐衝撃性のバランスの良いポリエーテルスルホンが特に好ましい。また、ガラス転移点が180℃を下回らなければ、熱可塑性ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネートなどの樹脂が、耐衝撃性、柔軟性、透明性の点で好ましい。また、上記プラスチックには、必要に応じて、滑剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、顔料、染料、無機質充填剤等の添加剤を適宜混ぜて使用しても良い。
またプラスチック基板の線膨張係数としては、ラミネート後の基板の反りを小さくする観点から、1×10−4/℃以下であることが好ましく、1×10−5/℃以下であることがより好ましく、5×10−6/℃以下であることがさらに好ましい。下限としては、理論的には、線膨張係数が0であることがもっとも好ましいが、通常入手できるプラスチックとしては、5×10−5/℃が下限である。
またプラスチック基板の形状としては、特に限定はなく、現在ガラス基板を用いた枚葉プロセスに合うシート状でも、巻き取ることが可能なロール状でも良い。またロール状のプラスチック基板から適宜必要なサイズのシートを切り出して使用しても良い。
またプラスチック基板の厚みとしては、機械的な強度を維持する観点から0.05〜1mmが好ましく、0.05〜0.5mmがより好ましく、0.05〜0.1mmがさらに好ましい。この厚みの範囲内であれば、ロール状に巻き取ることも容易であるため好ましい。
プラスチック基板の表面には、ガスバリア層が積層されていても良い。このガスバリア層は、有機材料または無機材料によって構成されており、有機材料の例としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレンビニルアルコール共重合体、三フッ化モノクロロエチレン重合体、塩化ビニリデン系ポリマー、ポリアクリレート、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、無機材料の例としては、Si、Ti、Zr、Al、Ta、Nb、Sn等の金属の酸化物、窒化物、ハロゲン化物を挙げることができる。また、透明導電材料であるITOもガスバリア性があるため、透明電極を一面に積層するTFT対向基板の場合には、これらのガスバリアは片側だけでも良い場合がある。また、有機−無機ナノコンポジットや紫外線硬化型シリカ前駆体組成物等のように、有機材料と無機材料を複合化させても良い。ガスバリア層の厚さは、ガスの透過率と耐曲げ性の観点から、0.01μm〜10μmが好ましく、0.1μm〜1μmがより好ましい。
プラスチック基板の前処理としては、水分含有率0.2重量%以下となるまでの乾燥処理、及び表面エネルギーが4×10−2N/m以上となるまでの化学的表面処理から選択される処理を含むが、その他の処理を含んでもよい。
プラスチック基板の水分含有率0.2重量%以下となるまで乾燥処理としては、具例えば、温風加熱炉、赤外線加熱炉、ホットプレート、加熱ロール等で加熱する方法、減圧環境に暴露する方法等が挙げられる。最終的にプラスチック基板の水分含有率を0.2重量%以下に、好ましくは0.1重量%以下に、特に好ましくは0.05重量%以下に減らせばよい。この中でも転写フィルムとラミネートする工程との連続した処理を施す観点で、加熱によりプラスチック基板の含水率を0.2重量%以下に減らす方法が好ましく、温風加熱炉、またはホットプレート、加熱ロールによる方法が特に好ましい。
加熱により乾燥させる場合の温度は、プラスチック基板のガラス転移点未満で行う必要がある。また、安定かつ均一に含水率を低減する観点から50℃以上の加熱温度が好ましい。さらに効率よく短時間で含水率を低減する観点から、80℃〜150℃の加熱温度が特に好ましい。なお、加熱温度は、単一の温度である必要はなく、プラスチック基板への熱ひずみを減らすことができるので、段階的に昇温あるいは降温する設備を用いてもよい。
上記乾燥処理の加熱時間は、含水率を0.2重量%以下にできればよく特に限定されないが、効率よく短時間で含水率を低減する観点から、10分以下の加熱時間が好ましい。ロールから巻き出されたプラスチック基板を連続して乾燥する場合、さらに効率よく短時間で含水率を低減する必要がある観点から、2分以下の加熱時間が特に好ましい。
表面エネルギーが4×10−2N/m以上となるまでの化学的表面処理としては、コロナ処理あるいはUV処理が挙げられる。これらの前処理は、プラスチック基板の表面を構成する化学種にヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基あるいはシアノ基等の極性官能基を導入することで表面エネルギーを上げ、反射下地層との密着性を高めるものであり、具体的には表面処理技術ハンドブックに記載の方法で処理できる。処理の程度はプラスチック基板により適当なものを選ぶが、例えばUVを照射し過ぎると、プラスチック基板の表面が劣化し却って反射下地層との密着性を悪くする傾向があるため、照射する光量としては5J/cm2以下が好ましい。
上記洗浄による処理としては、水洗、アルコール洗浄、気体吹き付け、ブラッシング、粘着ロールによる洗浄などがあり、これらは単独で又は他の洗浄と組み合わせることができる。上記洗浄を行うことにより、異物による反射下地層の形状不良や剥離不良が起こりにくくなる。また上記洗浄の効果を上げる為に、前記気体吹き付け、ブラッシング、粘着ロールによる洗浄を行う場合は、プラスチック基板と転写フィルム8とをラミネートする直前に行うことが望ましい。
その他の処理としては、例えば、洗浄、火炎処理、サンドブラスト処理等を挙げることができ、これらは単独で又は他の前処理と組み合わせることができる。
次に、本発明の方法は、(II)上記プラスチック基板の表面と、支持フィルム2、表面に多数の微細な凹凸を有する下塗り層3及び反射下地層4が順次積層されてなる転写フィルム8の反射下地層側の面とを貼り合わせる工程を備える。
支持フィルム2としては、化学的、熱的に安定であり、シートまたは板状に成形できるものを用いることができる。支持フィルムは、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステル、あるいはアルミ、銅等の金属類等から形成される。これらの中で特に好ましいのは寸法安定性に優れた2軸延伸ポリエチレンテレフタレートである。支持フィルムの厚さは、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましい。
下塗り層3は、支持フィルム上に積層された変形可能な層であり、その層表面に多数の微細な凹凸を有する原型を押し当てる、サンドブラスト処理をする等の方法で表面を加工する。このような下塗り層の加工方法の一例は、文献「続・わかりやすい光ディスク(オプトロニクス社、平成2年発行)」に示されている。
下塗り層としては、反射下地層の形状を安定に維持する観点から反射下地層よりも硬いものが好ましい。例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、エチレンと酢酸ビニル、エチレンとアクリル酸エステル、エチレンとビニルアルコールのようなエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、塩化ビニルとビニルアルコールの共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルのようなスチレン共重合体、ポリビニルトルエン、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステルのようなビニルトルエン共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニルのような(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、合成ゴム、セルロース誘導体等から選ばれた、少なくとも1種類以上の有機高分子を用いることができる。下塗り層の厚さは、表面に凹凸を形成する観点から0.3μm〜30μmが好ましく、1μm〜10μmがより好ましい。
また凹凸形成後硬化させるために必要に応じて光開始剤やエチレン性二重結合を有するモノマ等を予め添加することができる。
反射下地層4としては、変形可能な有機重合体を含む組成物または無機化合物、金属を用いることができるが、好ましくは下塗り層上に塗布され、フィルム状に巻き取ることが可能な有機重合体組成物を用いる。また必要に応じて、上記組成物中に染料、有機顔料、無機顔料、粉体を単独または複合物として混合して用いてもよい。反射下地層には感エネルギー性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物を用いることもできる。これら反射下地層の誘電率、硬度、屈折率、分光透過率は特に限定されない。そのようなものの中で、プラスチック基板に対する密着性が良好で、下塗り層からの剥離性がよいものを用いるのが好ましい。たとえばアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル類、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セロハン等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエステル等を用いることができる。場合によっては反射下地層の必要な領域の凹凸だけを残し、不要な部分を除けるように、アルカリ等で現像可能な感エネルギー性樹脂組成物を用いることもできる。耐熱性、耐溶剤性、形状安定性を向上させるために、凹凸形成後に熱または光によって硬化可能な樹脂組成物を用いることもできる。さらに、カップリング剤、接着性付与剤を添加することで基板との密着を向上させることもできる。
上記アルカリ等で現像可能な感エネルギー性樹脂組成物としては、酸価が20〜300、重量平均分子量が1,500〜200,000の範囲に入っているものが好ましく、例えばスチレン誘導体、マレイン酸誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体等からなる共重合体(以下、共重合体(I)という)が好ましい。
上記スチレン誘導体としては、スチレン、α−メチルスチレン、m又はp−メトキシスチレン、p−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシメチル−4−ヒドロキシ−スチレン等が使用できる。
上記マレイン酸誘導体としては、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノ−n−プロピル、マレイン酸モノ−iso−プロピル、マレイン酸−n−ブチル、マレイン酸モノ−iso−ブチル、マレイン酸モノ−tert−ブチル等が使用できる。
上記メタクリル酸誘導体としては、アルキルメタクリレートとしてメチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等が使用できる。
上記共重合体(I)の架橋密度を高める目的で、共重合体(I)中の酸無水物基又はカルボキシル基を、反応性二重結合を持つ化合物で変性することができる。
上記反応性二重結合を持つ化合物としては、例えばアリルアルコール、2−ブラン−1−2−オールフルフリルアルコール、オレイルアルコール、シンナミルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−メチロールアクリアミド等の不飽和アルコール、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、α−エチルグリシジルアクリレート、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等が挙げられる。この場合、アルカリ現像に必要なカルボキシル基が共重合体中に残っていることが必要である。
これらの共重合体の合成は特公昭47−25470号公報、特公昭48−85679号公報、特公昭51−21572号公報等に記載されている方法に準じて行うことができる。
反射下地層の膜厚は、下塗り層の凹凸をよりよく再現する観点から、0.1μm〜50μmの範囲が好ましい。薄すぎると下塗り層の凹凸を反射下地層が埋めることができなくなる。また逆に厚すぎると、反射下地層が加熱された際に変形量が多くなる傾向がある。
上記転写フィルム8の形態は、プラスチック基板へのラミネート工程以降の工程を簡略する観点から、反射下地層と下塗り層の間に予め反射膜5が成膜された図5のような構造であっても良い。反射膜については後述する。
反射下地層と下塗り層の間に予め反射膜が成膜されている場合は、目的によって下塗り層と支持フィルムの間を剥離面に設定することが出来る。下塗り層をプラスチック基板側に残す目的として、反射膜を電極として用いる場合の電気絶縁層としての機能を下塗り層に持たせる、あるいは拡散反射板の凹凸を平坦化する層としての役割を下塗り層に持たせる、下塗り層に感光性樹脂を用いて、反射膜のエッチングレジストとしての役割を持たせる、更に下塗り層を着色し、反射膜の部分的な遮光層としての役割を持たせる等がある。
下塗り層や反射下地層の塗布方法としては、ロールコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、カーテンフローコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、グラビアコーティング法、エアナイフコーティング法、インクジェットコーティング法、ドクターブレードコーティング法、スクリーンコーティング法、ダイコーティング法、キャップコーティング法等がある。支持フィルム上に上記の方法で各層を塗布により形成する。
転写フィルム8の形態は、ロール状のプラスチック基板に連続してラミネートできるという、いわゆるロールツーロールの工程が適用できるという観点から、ロール状であることが好ましい。ただし、適宜必要なサイズのシートを切り出して使用することも可能である。
ラミネートは、転写フィルムの反射下地層側とプラスチック基板とを接着すればよく、ラミネート方法、ラミネートロール材質、ラミネート圧力は特に限定されるものではない。
本発明に用いる転写フィルム8とプラスチック基板1とをラミネートする装置としては、基板を加熱、加圧可能なゴムロールとベースフィルムとの間に挟み、ロールを回転させて、転写フィルムを基板に押し当てながら基板を送りだすロールラミネータを用いることが好ましい。このような装置を使用するときの一例を図6に示す。図6において、ロール状のプラスチック基板1の上にロール状の転写フィルム8が反射下地層を下にして配置され、二つの加熱体6に挟まれながらラミネートされ、ロール状に巻き取られる。巻き取る前に、後述する活性エネルギー線を照射する工程を入れても良い。
ラミネートの温度は、特に限定されないが、用いるプラスチック基板のガラス転移点未満が好ましい。特に好ましくは、均一性とラミネートロール材質にまつわる装置耐熱性の観点から、80℃〜150℃が好ましい。さらにプラスチック基板の乾燥を維持しつつ、安定に生産する観点から、プラスチック基板側と転写フィルム側の温度を必ずしも同一とする必要はない。好ましくは、プラスチック基板側の温度を転写フィルム側温度より高く設定する。
ラミネートの速度は、特に限定されないが、ラミネート生産性の観点から、0.5m/分〜10m/分が好ましく、さらに乾燥工程との連続性を備えさせる場合、乾燥設備の小型化と連続性をはかるために1m/分〜5m/分が特に好ましい。乾燥工程からラミネート工程に至るまで、大気に暴露する場合、プラスチック基板の吸湿が生じるので、前述のガス・水蒸気バリアを形成して、吸湿を抑制するか、0.2重量%の含水率に至る前に、速やかにラミネートする。ラミネートするまでの時間は、暴露される大気の温湿度、プラスチック基板の材質に依存するため、特に限定されない。接着を向上させる目的でプラスチック基板または反射下地層の接着面に接着性付与剤を塗布してもよい。
また上記転写フィルム8の形態は、転写フィルムの可搬性、巻物としての保存性の観点で、図4に示すように、プラスチック基板への接着面にカバーフィルム10を形成した転写フィルムであってもよい。この場合、プラスチック基板1と転写フィルム8とを張り合わせる直前に、カバーフィルムを剥離して使用する。
上記カバーフィルム10としては、化学的および熱的に安定で、薄膜層との剥離が容易であるものが望ましい。具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール等の薄いシート状のもので表面の平滑性が高いものが好ましい。剥離性を付与するために表面に離型処理をしたものも含まれる。
次に本発明の方法は、(III)上記転写フィルム側から活性エネルギー線を照射する工程、及び(IV)上記支持フィルム2及び表面に多数の微細な凹凸を有する下塗り層3を剥離する工程を備える。反射下地層に感エネルギー性ネガ型樹脂組成物を用いた場合には、その形状の安定性を付与するために露光機により露光を行い、感光部分を硬化させる。
活性エネルギー線の照射は露光装置によって行うことができる。露光装置としては、カーボンアーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、エキシマレーザ、電子線等が挙げられる。この露光装置は画素及びBM(ブラックマトリックス)等のパターン形成用の平行露光機でも良いが、本発明の1例では予め形成された凹凸を硬化させることが出来れば良く、このためには感光性樹脂が硬化する露光量以上の光量を与えておけばよい。従って、一般に基板洗浄装置として利用されているラインに組み込める散乱光を用いるUV照射装置(低圧水銀灯)を用いることが出来る。これらの装置を用いることによって、フォトマスクを用いる手法に比べて安価に作製でき、フォトマスクを用いる場合に比べ、露光量に対する裕度が大きい。また感光タイプは、ポジ型であっても問題はない。露光は支持フィルムおよび下塗り層を剥がす前あるいは剥がした後に行う。照射量は300〜2000mJ/cm2が好ましい。剥離は、速度0.1〜10m/分にてロール状に巻き取って行うことができる。
次に本発明の方法は、(V)反射下地層4を加熱する工程を備える。本発明の加熱硬化の温度は、プラスチック基板の熱変形を避ける観点から、プラスチック基板のガラス転移点未満とする必要がある。また、反射下地層を十分に硬化するには最低150℃の加熱が必要であるため、加熱温度は150℃以上、かつガラス転移点未満とする必要がある。なお、加熱温度は単一の温度である必要はなく、プラスチック基板と反射下地層の界面の熱ひずみを減らす観点から、段階的に昇温あるいは降温する設備を用いてもよい。
上記加熱硬化の加熱時間は、反射下地層が十分に硬化すればよく特に限定されないが、反射下地層の深部に十分に熱を伝え硬化を促進するために30分程度の加熱時間が好ましい。
さらに、加熱硬化後の反射下地層の上に反射膜を成膜して拡散反射板とすることができる。
反射膜としては、反射したい波長領域によって材料を適切に選択すれば良く、例えば反射型LCD表示装置では、可視光波長領域である300nmから800nmにおいて反射率の高い金属、例えばアルミニウムや金、銀等、を真空蒸着法またはスパッタリング法等によって形成される。また反射増加膜(光学概論2(辻内順平、朝倉書店、1976年発行)に記載)を上記の方法で積層してもよい。反射膜を形成する際にプラスチック基板が高温になると、プラスチック基板からガスが放出して反射下地層が剥がれたり形状が変化して所望の特性が得られない場合があるため、プラスチック基板の温度はガラス転移点未満とすることが望ましい。反射膜の厚みは、0.005μm〜50μmが好ましい。また反射膜は、必要な部分だけフォトリソグラフィー法、マスク蒸着法等によりパターン形成してもよい。
以下の実施例により本発明を具体的に説明する。
(試験例1)
ポリエチレンテレフタレートの支持フィルムに、下塗り層として厚さ50μmのサンドブラスト処理したポリエチレンテレフタレートを用い、このフィルム上にコンマコータで6μmの膜厚となるように下記の薄膜層形成用溶液を塗布乾燥して反射下地層4を形成して図1(a)に示すような転写フィルムを得た。転写フィルムの反射下地層側に、カバーフィルム10としてポリエチレンフィルムを被覆し、ロール状に巻き取った。
薄膜層形成用溶液の配合は以下の通りである。なお、ポリマーAとして、共重合比が34:28:10:18:10であるスチレン、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸、グリシジルメタクリレート共重合樹脂を用いた。ポリマーAの分子量は約35000、酸価は110である。部は重量部(以下同じ)を意味する。
(ポリマー) ポリマーA 70部
(モノマー) ペンタエリスリトールテトラアクリレート 30部
(光開始剤) イルガキュアー369(チバスペシャルティーケミカルズ) 2.2部
N,N−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン 2.2部
(溶剤) プロピレングリコールモノメチルエーテル 492部
(重合禁止剤) p−メトキシフェノール 0.1部
(界面活性剤) パーフルオロアルキルアルコキシレート 0.01部
(試験例2)
プラスチック基板として、ガラス転移点が220℃であり、ガラス転移点以下における線膨張係数が5.5×10−5/℃のポリエーテルサルホン基板(プラスチック基板A)を一辺が290mmの正方形に3枚切り出し、温風加熱炉内で100℃、120℃および140℃にて20分間の加熱を行い、対応するプラスチック基板サンプル B−100、B−120およびB−140とした。含水率はプラスチック基板Aが1.4重量%であったのに対してそれぞれ、B−100は1.0重量%、B−120は0.2重量%、B−140は0.15重量%であった。
また別途切り出したプラスチック基板Aに紫外線を153mJ/cm当ててUV処理を施し、プラスチック基板Cを得た。さらに、プラスチック基板Aに10mmの高さから出力0.29kWのコロナ処理を施し、プラスチック基板Dを得た。濡れ指数測定ペン(VETAPHONE社製)で表面エネルギーを測定した結果、プラスチック基板Aが3.5×10−2N/m(35dyn/cm)であったのに対して、プラスチック基板Cは4×10−2N/m(40dyn/cm)、プラスチック基板Dは4.4×10−2N/m(44dyn/cm)であった。
(試験例3)
試験例2のプラスチック基板A、B−100、B−120、B−140、CおよびDに、カバーフィルムを剥がした試験例1の転写フィルムの反射下地層が接するように配置し、ロールラミネータ(HLM1500、日立化成テクノプラント社製)を用いて、プラスチック基板に接するロールの温度を150℃、転写フィルムに接するロールの温度を90℃、圧力を5kg/cm、速度を1m/分としてラミネートし、プラスチック基板、反射下地層、下塗り層及び支持フィルムが順次積層された、対応する部材A、B−100、B−120、B−140、CおよびDを得た。次に、これを大型マニュアル露光機(MAP1200、大日本スクリーン社製)で反射下地層が反応する紫外線(i線)を500mJ/cm照射した。次に、支持フィルム及び下塗り層を剥がすと、部材B−120、B−140、CおよびDの反射下地層上にサンドブラスト加工された凹凸が均一に転写されており、光の拡散性にすぐれた凹凸形状であった。顕微鏡で100倍に拡大して観察したが、部材B−120、B−140、CおよびDのいずれにも気泡の発生はなかった。それに対して部材AおよびB−100には10μm大の気泡がそれぞれ60個/mmおよび44個/mmの平均密度で確認され、この気泡を起点とする反射下地層の剥がれが目視にて確認された。次に、部材B−120、B−140、CおよびDを温風加熱炉に入れ、170℃にて30分の加熱を行ったところ、外観上の変化はなかった。
(試験例4)
試験例2に記載のプラスチック基板Cに、カバーフィルムを剥がした試験例1の転写フィルムを反射下地層が接するように配置し、ロールラミネータを用いて、プラスチック基板に接するロールの温度を90℃、転写フィルムに接するロールの温度を70℃、圧力を5kg/cm、速度を1m/分としてラミネートして、プラスチック基板C、反射下地層、下塗り層及び支持フィルムが順次積層された、対応する部材C2を得た。次に、これを大型マニュアル露光機で紫外線(i線)を500mJ/cm照射した。次に、支持フィルム及び下塗り層を剥がすと、部材C2の反射下地層上にサンドブラスト加工された凹凸が均一に転写されており、光の拡散性にすぐれた凹凸形状であった。顕微鏡で100倍に拡大して観察したが、気泡の発生はなかった。次に、部材C2を温風加熱炉に入れ、170℃にて30分の加熱を行ったところ、外観の変化はなかった。
(試験例5)
試験例2に記載のプラスチック基板Cにカバーフィルムを剥がした転写フィルムを反射下地層が接するように配置し、ロールラミネータを用いて、PES基板に接するロールの温度を150℃、転写フィルムに接するロールの温度を90℃、圧力を5kg/cm、速度を1m/分としてラミネートし、プラスチック基板C、反射下地層、下塗り層及び支持フィルムが順次積層された、対応する部材C3を得た。次に、部材C3をカッターナイフで4枚に切り分け、大型マニュアル露光機で順次100、500、1000および2000mJ/cmとなるよう、紫外線(i線)量を変えて照射した。次に、支持フィルム及び下塗り層を剥がすと、いずれも部材C3の反射下地層上にサンドブラスト加工された凹凸が均一に転写されており、光の拡散性にすぐれた凹凸形状であった。顕微鏡で100倍に拡大して観察したが、いずれも気泡の発生はなかった。次に、部材C3を温風加熱炉に入れ、170℃にて30分の加熱を行ったところ、いずれも外観の変化はなかった。
(試験例6)
試験例2に記載のプラスチック基板Cにカバーフィルムを剥がした転写フィルムを反射下地層が接するように配置し、ロールラミネータを用いて、プラスチック基板に接するロールの温度を150℃、転写フィルムに接するロールの温度を90℃、圧力を5kg/cm、速度を1m/分としてラミネートし、プラスチック基板C、反射下地層、下塗り層及び支持フィルムが順次積層された、対応する部材C4を得た。次に、これを大型マニュアル露光機で紫外線(i線)を500mJ/cm照射したのち3枚に切り分けた。次に、順次3、15、30m/分の速度で支持フィルム及び下塗り層を剥離したが、いずれの反射下地層上にもサンドブラスト加工された凹凸が均一に転写されており、光の拡散性にすぐれた凹凸形状であった。顕微鏡で100倍に拡大して観察したが、気泡の発生はなかった。次に、これら部材C4を温風加熱炉に入れ、170℃にて30分の加熱を行ったところ、いずれも外観の変化はなかった。
(試験例7)
試験例2に記載のプラスチック基板Cにカバーフィルムを剥がした転写フィルムを反射下地層が接するように配置し、ロールラミネータを用いて、プラスチック基板に接するロールの温度を150℃、転写フィルムに接するロールの温度を90℃、圧力を5kg/cm、速度を1m/分としてラミネートし、プラスチック基板C、反射下地層、下塗り層及び支持フィルムが順次積層された、対応する部材C5を得た。次に、これを大型マニュアル露光機で紫外線(i線)を500mJ/cm照射した。次に、PETフィルムを剥がすと、部材C2の反射下地層上にサンドブラスト加工された凹凸が均一に転写されており、光の拡散性にすぐれた凹凸形状であった。顕微鏡で100倍に拡大して観察したが、気泡の発生はなかった。次に、部材C5を3枚に切り分け、温風加熱炉内で順次150℃、170℃、200℃で30分の加熱を行ったところ、いずれも外観の変化はなかった。
(試験例8)
プラスチック基板(PET基板)に、カバーフィルムを剥がした転写フィルムを反射下地層が接するように配置し、ロールラミネータを用いて、PET基板に接するロールの温度を120℃、転写フィルムに接するロールの温度を90℃、圧力を5kg/cm、速度を1m/分としてラミネートし、プラスチック基板、反射下地層、下塗り層及び支持フィルムが順次積層された、対応する部材Eを得た。また、プラスチック基板(PET基板)に気体吹き付けによる異物除去の前処理をしたもの、及び粘着ロールによる異物除去の前処理をしたものに、カバーフィルムを剥がした転写フィルムを反射下地層が接するように配置し、ロールラミネータを用いて、PET基板に接するロールの温度を120℃、転写フィルムに接するロールの温度を90℃、圧力を5kg/cm、速度を1m/分としてラミネートし、プラスチック基板、反射下地層、下塗り層及び支持フィルム(PETフィルム)が順次積層された、対応する部材E1及びE2を得た。次に、これら部材E及びE1及びE2を大型マニュアル露光機で紫外線(i線)を500mJ/cm照射した。次に、下塗り層及び支持フィルムを剥がした結果、異物による反射下地層の形状不良や剥離不良の密度は、部材Eでは133個/mに対し、部材E1及びE2では22個/mであった。
以上の結果によれば、本発明の製造方法により、生産効率の高い、軽くて割れにくい表示素子の製造を実現できる。
また本発明の表示素子の製造方法は、これまでの枚葉プロセスではなく、量産性とコストの面から有利な、ロールツーロールプロセスで行うプラスチック基板を用いたLCDの製造に適した方法である。
本発明の製造方法を概略的に示したものである。 プラスチック基板上の反射下地層のなだらかな凹凸形状を示す断面模式図である。 本発明の製造方法で製造される拡散反射板を示す断面模式図である。 反射下地層側にカバーフィルムを設けた転写フィルムを示す断面模式図である。 下塗り層と反射下地層の間に反射膜を設けた転写フィルムを示す断面模式図である。 本発明の製造方法をロールツーロールで行った場合の概略図である。
符号の説明
1 プラスチック基板
2 支持フィルム
3 下塗り層
4 反射下地層
5 反射膜
6 加熱体
7 活性エネルギー線
8 転写フィルム
9 拡散反射板
10 カバーフィルム

Claims (17)

  1. プラスチック基板に、水分含有率0.2重量%以下となるまでの乾燥処理及び表面エネルギーが4×10−2N/m以上となるまでの化学的表面処理から選択される前処理を施す工程、
    前記プラスチック基板の表面と、支持フィルム、表面に多数の微細な凹凸を有する下塗り層及び反射下地層が順次積層されてなる転写フィルムとを、前記プラスチック基板と前記反射下地層とが合わさるようにラミネートする工程、
    上記転写フィルム側から活性エネルギー線を照射する工程、
    上記支持フィルムと共に上記下塗り層を剥離する工程、及び
    上記反射下地層を加熱する工程を含むことを特徴とする表示素子の製造方法。
  2. 上記プラスチック基板は、ガラス転移点が180℃を超える温度であり、かつガラス転移点以下の温度領域における線膨張係数が1×10−4/℃以下である請求項1に記載の表示素子の製造方法。
  3. 上記プラスチック基板の形態が、シート状あるいはロール状である請求項1または請求項2に記載の表示素子の製造方法。
  4. 上記転写フィルムの形態がロール状である請求項1から請求項3いずれかに記載の表示素子の製造方法。
  5. 上記前処理がプラスチック基板の洗浄工程を含むことを特徴とする請求項1から請求項4いずれかに記載の表示素子の製造方法。
  6. 上記洗浄工程が水洗、アルコール洗浄、気体吹き付け、ブラッシング及び粘着ロールによる洗浄から選択されることを特徴とする請求項5に記載の表示素子の製造方法。
  7. 上記化学的表面処理がコロナ処理あるいはUV処理であることを特徴とする請求項1に記載の表示素子の製造方法。
  8. 上記ラミネートは、各々独立に温度制御が可能な2つの加熱体に挟むことにより行われる請求項1から請求項7いずれかに記載の表示素子の製造方法。
  9. 上記プラスチック基板の線膨張係数をα、上記転写フィルムの線膨張係数をβ、上記プラスチック基板に接する上記加熱体の温度をT、上記転写フィルムに接する上記加熱体の温度をTとした時、α<β ならばT>T>70℃となる請求項8に記載の表示素子の製造方法。
  10. 上記T及びTが上記プラスチック基板のガラス転移点未満である請求項9に記載の表示素子の製造方法。
  11. 上記加熱体がロールである請求項8から請求項10のいずれかに記載の表示素子の製造方法。
  12. 上記活性エネルギー線が紫外線である請求項1から請求項11いずれかに記載の表示素子の製造方法。
  13. 上記紫外線の照射量が100〜2000mJ/cmである請求項12に記載の表示素子の製造方法。
  14. 上記反射下地層が、上記活性エネルギー線によって硬化されるネガ型樹脂組成物からなる請求項1から請求項13いずれかに記載の表示素子の製造方法。
  15. 上記剥離が3〜30m/minの速度で行われる請求項1から請求項14いずれかに記載の表示素子の製造方法。
  16. 上記加熱が150℃以上であり、上記プラスチック基板のガラス転移点未満の温度で行われる請求項1から請求項15いずれかに記載の表示素子の製造方法。
  17. 上記反射下地層の表面に反射膜を形成することを特徴とする請求項1から請求項16のいずれかに記載の表示素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010152242A (ja) * 2008-12-26 2010-07-08 Toppan Printing Co Ltd 光拡散板、光学部材、バックライトユニット及び表示装置
JP2018144456A (ja) * 2017-03-09 2018-09-20 ウシオ電機株式会社 接合体製造装置

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