JP2013196950A - 透明導電性基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光透過性、特に、赤外線透過性に優れており、表面抵抗率が従来品よりも低い透明導電性基板の製造方法の提供。
【解決手段】金属微粒子と、分散剤と、溶媒とを含む金属微粒子懸濁溶液を、透明基板の表面に塗布し乾燥させて、前記透明基板表面に金属網目状導電体層を形成する工程と、次いで、前記透明基板表面に形成された金属網目状導電体層に、有機溶剤を接触させる工程と、次いで、前記透明基板表面に形成された金属網目状導電体層に、酸溶液を接触させ、波長400〜2000nm域の赤外線透過率が50%以上であり、かつ表面抵抗率が20Ω/□以下である透明導電性基板を得る工程と、を有することを特徴とする透明導電性基板の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、広い波長帯域で光線透過率が高く、表面抵抗率が低い金属網目構造層を有する透明導電性基板に関する。
可視光線を透過でき、導電性を有する透明導電性基材としては、従来より、ガラスなどの透明基板の表面に、ITOなどの透明導電性材料からなる導電性薄膜を形成した透明導電性基板が用いられている。しかし、ITO薄膜を有する透明導電性基板は、製造コストが高く、また、合成樹脂シートなどには適用し難い問題がある。
また、特許文献1には、可視光線を透過するが、赤外線を通さない窓貼用の合成樹脂フィルムが開示されている。該窓貼用熱線反射フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に金属薄膜層を積層した透明な熱線反射フィルムと、その一方の面に積層されたハードコート層および他方の面に積層されたアクリル系粘着剤層とからなる。該ハードコート層が、その重量を基準として、無機微粒子を20重量%以上80重量%未満含有することを特徴としている。
また、特許文献2には、基板の少なくとも片面の表面ぬれ張力が45mN/m以上、73mN/m以下であり、表面ぬれ張力が45mN/m以上、73mN/m以下の面に金属微粒子溶液を塗布する、基板上に金属微粒子層を網目状に積層する網目状金属微粒子積層基板の製造方法が開示されている。この方法は、基板に接触しない非接触式塗布方法によって、金属微粒子溶液を積層することを特徴としている。
特開2001−179887号公報 特開2009−016700号公報
特許文献1に開示された窓貼用熱線反射フィルムは、合成樹脂フィルムを用いて比較的安価に製造でき、可視光線透過性が良好であるが、ITOなどの金属薄膜層により赤外線は反射されてしまうため、赤外線を透過させる透明導電性基材としては使用できない。
また、特許文献1に記載された窓貼用熱線反射フィルムは、ITOなどの金属薄膜層の表面抵抗率が大きいために、10Ω/□以下にするには複数回製膜する必要があり製造コストが高くなる。そのため、ある程度の導電性が必要な透明導電性基材、例えば、透明導電性積層体、電磁波シールド材、ディスプレイ用透明電極などの用途には適用し難いという問題がある。
また、特許文献2に開示された網目状金属微粒子積層基板の製造方法は、可視光透過性が良好で、かつ表面抵抗率が比較的低い高品質の透明導電性基板を製造し得るが、この従来技術によって得られた透明導電性基板の表面抵抗率は十分に低いとは言えず、そのために適用範囲が制限されてしまうという問題があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、光線透過性、特に、赤外線透過性に優れており、表面抵抗率が従来品よりも低い透明導電性基板の製造方法の提供を課題とする。
前記課題を達成するため、本発明は、金属微粒子と分散剤、及び溶媒とを含む金属微粒子懸濁溶液を、透明基板の表面に塗布し乾燥させて、前記透明基板表面に金属網目状導電体層を形成する工程と、次いで、前記透明基板表面に形成された金属網目状導電体層に、有機溶剤を接触させる工程と、次いで、前記透明基板表面に形成された金属網目状導電体層に、酸溶液を接触させ、波長400〜2000nm域の赤外線透過率が50%以上であり、かつ表面抵抗率が20Ω/□以下である透明導電性基板を得る工程と、を有することを特徴とする透明導電性基板の製造方法を提供する。
本発明の透明導電性基板の製造方法において、さらに、前記金属網目状導電体層の両端部の近傍に、前記金属網目状導電体層に通電するための電極が、対向して設けられる工程を有することが好ましい。
本発明の透明導電性基板の製造方法において、前記金属微粒子懸濁溶液が、銀の微粒子を含む銀コロイド溶液であることが好ましい。
本発明の透明導電性基板の製造方法において、前記透明基板が可撓性を有する透明合成樹脂フィルムであることが好ましい。
本発明の透明導電性基板の製造方法において、前記有機溶剤がケトン系溶剤であることが好ましい。
本発明の透明導電性基板の製造方法において、前記酸溶液が塩酸を含むものであることが好ましい。
本発明の透明導電性基板の製造方法は、透明基板の表面に金属網目状導電体層を形成した後、該導電体層に有機溶剤を接触させ、さらに酸溶液を接触させることによって、波長400〜2000nm域の赤外線透過率が50%以上であり、かつ表面抵抗率が従来品よりも低い透明導電性基板を得ることができる。
本発明の製造方法により得られる透明導電性基板の、一例を示す断面図である。 本発明の製造方法により得られる透明導電性基板の、一例を示す平面図である。 図2に示したA部の、拡大部である。 図3に示したB部の、拡大図である。 実施例で作製した面状発熱体サンプルの、分光透過率の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の透明導電性基板の製造方法は、金属微粒子と、分散剤と、溶媒とを含む金属微粒子懸濁溶液を、透明基板の表面に塗布し乾燥させて、前記透明基板表面に金属網目状導電体層を形成する工程(以下、工程1と記す)と、次いで、前記透明基板表面に形成された金属網目状導電体層に、有機溶剤を接触させる工程(以下、工程2と記す)と、次いで、前記透明基板表面に形成された金属網目状導電体層に、酸溶液を接触させ、波長400〜2000nm域の赤外線透過率が50%以上であり、かつ表面抵抗率が20Ω/□以下である透明導電性基板を得る工程(以下、工程3と記す)と、を有することを特徴としている。
本発明の製造方法において、透明基板としては、特に限定されず、ガラスや樹脂など種々の基板を用いることができる。また、ガラスなどの透明な剛性を有する基板に、可撓性を有する透明合成樹脂フィルムを積層したような、2種以上の異なる透明基板を積層してなる積層基板を用いることができる。
本発明の好ましい実施形態において、透明基板としては、透明性、柔軟性、加工性に優れる可撓性を有する合成樹脂フィルムを用いることが好ましい。この合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。
前記透明基板の表面には、金属微粒子層からなる金属細線が網目状に積層されやすくなるように、親水性処理層を積層してもよい。この親水性処理層の材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、無水マレイン酸エチルエステル、などが挙げられる。その他、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等の、親水性金属酸化物の微粒子などが挙げられる。
前記透明基板には、合成樹脂において一般に使用される各種添加剤、例えば、酸化防止剤、防曇剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤などを、その特性を損なわない範囲で添加することができる。
本発明において使用される金属微粒子懸濁溶液は、金属微粒子と、分散剤と、溶媒とを含む懸濁溶液(金属コロイド溶液)である。金属微粒子懸濁溶液に用いる溶媒としては、有機溶剤と水との混合液を用いることができる。
本発明においては、金属微粒子懸濁溶液内で、金属微粒子が凝集するのを防止するために、分散剤を用いて分散されていることが好ましい。本発明で使用する分散剤としては、特に限定されないが、界面活性剤や高分子系分散剤などを用いることができる。これらは、1種類を使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、公知の、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性界面活性剤のいずれも使用できるが、アニオン性、ノニオン性の界面活性剤が特に好ましい。
また、アニオン性の界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルフェニルスルホン酸塩、アルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸アンモニウム塩、アルキルスルホン酸カリウム塩、アルキルスルホン酸ナトリウム塩等のアルキルスルホン酸塩類;アルキルカルボン酸アンモニウム塩、アルキルカルボン酸ナトリウム塩、高級脂肪酸塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸などが挙げられる。
また、カチオン性の界面活性剤としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミンなどの第1級ないし第3級のアミン塩、第4級アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
また、ノニオン性の界面活性剤としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-プロピレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシアルキレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、などが挙げられる。
また、両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタインなどのベタイン類、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩などのアルキルアミノ脂肪酸類などが挙げられる。
また、高分子系分散剤としては、例えば、極性の官能基を有する(メタ)アクリル酸モノマーの共重合体、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのモノマー、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類などが挙げられる。
また、本発明において、溶媒中に混合させる有機溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン、トリデカン、テトラデカンなどの炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、DIBK(ジイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、DAA(ジアセトンアルコール)などのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのアルコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。これらの有機溶剤群の中から選択された1種以上の有機溶剤と、水との混合液を、金属微粒子懸濁溶液の溶媒として使用することができる。
また、本発明で使用される金属微粒子の材質は、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、ニッケル(Ni)などが挙げられる。金属微粒子の粒子径が、1〜500nm程度の金属ナノ粒子であることが好ましい。金属ナノ粒子としては、銀(Ag)を使用した銀ナノ粒子が、特に好ましい。
本発明に使用する金属微粒子懸濁溶液は、金属微粒子と、分散剤と、溶媒とを含むものである。基材の表面で自己組織化膜を形成する金属微粒子懸濁溶液であれば、金属微粒子の構造や、使用する分散剤及び溶媒は限定されず、また、金属微粒子懸濁溶液の製造方法は、限定されない。好ましくは、温度が200℃以下で、溶媒および分散剤などの有機化合物が蒸発し、分解・飛散する金属微粒子懸濁溶液を用いるのが良い。
本発明で使用する金属微粒子の製造方法としては、例えば、金属を蒸発させた後、冷却させて金属微粒子を回収して行なう物理的な方法、溶液中の金属イオンを還元させて、一定の粒子径の金属微粒子を得る化学的な方法などを用いることができる。
また、本発明で使用する金属微粒子懸濁溶液としては、市販の自己組織化する金属微粒子懸濁溶液を用いることができる。このような、市販されている金属微粒子懸濁溶液の具体例としては、例えば、戸田工業株式会社製の、商品名「銀ナノ分散塗料、CET193−32」などが挙げられる。
また、本発明で使用する金属微粒子懸濁溶液を、透明基板12の表面に塗布する方法としては、例えば、ダイコート法、アプリケーター法、コンマコート法、スプレーコート法、ディップコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法などの公知の非接触式塗布方法を、適宜選択して用いることが好ましい。
この金属微粒子懸濁溶液を、透明基板表面に塗布する際に、透明基板上の湿度が1〜85%RHとなるように雰囲気を制御することが好ましく、10〜70%RHの範囲とすることがより好ましい。
また、金属微粒子懸濁溶液を、透明基板表面に塗布する際には、風速を遅くすることが好ましく、10m/秒以下とすることが好ましい。
さらに、金属微粒子懸濁溶液を透明基板表面に塗布する際の温度は、5〜100℃の範囲とすることが好ましく、15〜40℃の範囲とすることがより好ましい。
金属微粒子懸濁溶液を透明基板表面に塗布した後、これを乾燥させることによって、透明基板の表面に金属網目状導電体層が形成される。
このときの乾燥条件は、使用する金属微粒子懸濁溶液の成分などに応じて適宜調整されるが、通常は、金属微粒子懸濁溶液を塗布した透明基板を、温度15〜50℃の雰囲気中において、20〜120秒間程度、保持することが望ましい。
透明基板表面に形成された金属網目状導電体層の網目構造は、不規則であってもよいし、規則的な網目構造であってもよい。
本発明の透明導電性基板の製造方法では、次いで、前記透明基板表面に形成された金属網目状導電体層に有機溶剤を接触させる工程2を行う。
この工程2において、使用される有機溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ノルマルヘプタン、トリデカン、テトラデカンなどの炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシブチル、酢酸セロソルブ、酢酸アミル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、DIBK(ジイソブチルケトン)、シクロヘキサノン、DAA(ジアセトンアルコール)などのケトン系溶剤、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセロソルブ、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのアルコールエーテル系溶剤、およびこれらの混合溶剤が挙げられる。これらの中でも、ケトン系溶剤が好ましく、アセトンが特に好ましい。
この工程2において、金属網目状導電体層に有機溶剤を接触させる方法としては、金属網目状導電体層に外力が加わらないような方法で行うことが好ましい。例えば、有機溶剤を入れた槽内に前記透明基板を一定時間浸漬して引き上げる方法、傾斜させた透明基板の金属網目状導電体層に有機溶剤を噴霧する方法などが挙げられる。
金属網目状導電体層に有機溶剤を接触させる際の温度は、40℃以下が好ましく、30℃以下とすることがより好ましい。
また、有機溶剤の接触時間は、1〜120秒間の範囲が好ましく、1〜30秒間の範囲がより好ましい。
この工程2において、金属網目状導電体層に有機溶剤を接触させた後、金属網目状導電体層に有機溶剤が残らないように、十分に乾燥させておくことが好ましい。有機溶剤を乾燥除去するための方法としては、熱風乾燥法、通風乾燥法、オーブン加熱法などが採用できる。乾燥温度としては、140〜170℃程度で通風乾燥する方法が好ましい。
本発明の透明導電性基板の製造方法では、次いで、前記基板表面に形成された金属網目状導電体層に酸溶液を接触させ、透明導電性基板を得る工程3を行う。
この工程3において使用される酸溶液としては、種々の無機酸、有機酸から選択することができる。酸溶液の具体例としては、例えば、塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、DL−リンゴ酸、ステアリン酸、アジピン酸、サリチル酸、クエン酸、酢酸などが挙げられる。これらの中でも、塩酸を含む酸溶液が好ましい。
この工程3において、金属網目状導電体層に酸溶液を接触させる方法としては、金属網目状導電体層に外力が加わらないような方法で行うことが好ましい。例えば、酸溶液を入れた槽内に前記透明基板を一定時間浸漬して引き上げる方法、傾斜させた透明基板の金属網目状導電体層に酸溶液を噴霧する方法などが挙げられる。
金属網目状導電体層に酸溶液を接触させる際の温度は、40℃以下が好ましく、30℃以下とすることがより好ましい。
また、酸溶液の接触時間は、10〜500秒間の範囲が好ましく、30〜120秒間の範囲がより好ましい。
この工程3において、金属網目状導電体層に酸溶液を接触させた後、金属網目状導電体層に酸溶液が付着して残らないように、十分に水で洗浄した後、乾燥させておくことが好ましい。
この乾燥の方法は、熱風乾燥法、通風乾燥法、オーブン加熱法などが採用できる。乾燥温度としては、140〜170℃程度で通風乾燥する方法が好ましい。
前記工程1〜工程3を経て、透明基板の表面に金属網目状導電体層が形成された透明導電性基板が得られる。
この透明導電性基板は、光透過性に優れ、特に波長400〜2000nm域の赤外線透過率が50%以上、好ましくは60%以上であり、しかも表面抵抗率が20Ω/□以下、好ましくは10Ω/□以下という特性を有している。
このようにして透明導電性基板を得た後、金属網目状導電体層の両端部の近傍には、金属網目状導電体層に通電するための電極が、対向して設けられる。
前記電極としては、銀ペーストなどの導電性ペーストを金属網目状導電体層の両端部の近傍に塗布し、熱処理することで簡単に形成することができる。また、この電極には、アルミ箔や銅箔などの金属箔や銅線、銅線ワイヤを配置した後、導電性ペーストを塗布し、熱処理して形成することもできる。このような金属箔や銅線を透明基板から突き出すように設けておくことで、金属網目状導電体層に通電するための端子を形成することができる。
図1及び図2は、前述した通り、製造した透明導電性基板の一例を示す図である。
本例の透明導電性基板11は、透明基板12の一方の面上に金属微粒子が網目状に積層された金属網目状導電体層13が積層されるとともに、該金属網目状導電体層13の両端部に、該金属網目状導電体層13に通電するための、電極14,15が設けられた構成になっている。金属網目状導電体層13が積層された部分は、波長400〜2000nmの光線透過率が50%以上である。
前記金属網目状導電体層13は、図3に示すように、金属細線の部分16が透明部分17を囲むように金属網目状導電体層13に縦横に延びて構成されている。
この金属細線の部分16は、図4に示すように、微細な金属微粒子が集合し、隣接した粒子同士が結合した状態になっている。この金属細線の部分16で形成された、金属網目状導電体層13を通して通電可能になっている。
前記金属網目状導電体層13は、図3に示した金属細線の部分16以外の隙間に透明樹脂を満たすことによって、平坦な表面に形成することもできる。
この透明樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
このように、図3に示した金属細線の部分16以外の隙間に透明樹脂を満たす方法としては、溶融状態の樹脂を金属網目状導電体層13側の面上にフィルム上に押出してこれをロール加工する方法や、未硬化樹脂溶液と硬化剤とからなる塗布液を金属網目状導電体層13側の面上に塗布し、硬化させる方法などによって行うことができる。
前記金属網目状導電体層13は、透明基板12の表面に直接形成してもよいし、別に用意した基板の表面に金属網目状導電体層13を形成した後、これを透明基板12表面に転写させる方法で積層することもできる。
この透明導電性基板11は、広い波長帯域で光透過率が高く、表面抵抗率が低い金属網目構造層を有するものであり、液晶や有機EL素子を用いたディスプレイ製造用、或いは太陽電池パネル製造用等の透明電極材料、ディスプレイ装置や携帯電話用の電磁波シールド材、電極間に通電して発熱する面状発熱体などの各種用途に使用可能である。特に、赤外線を透過できるので、赤外線センサのセンサ部に取り付ける防曇用或いは凍結防止用の透明面状発熱体として有用である。
[実験1]
(金属網目状導電体層の作製)
透明基板として、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる基材(SKC社製、商品名「Skyrol SH34」)の片面を、コロナ処理により親水化処理した。
この親水化処理面上に、金属微粒子懸濁溶液(戸田工業株式会社製、商品名「銀ナノ分散塗料 CET193−32」)を、Wet厚25μmとなるように塗工した。この金属微粒子懸濁溶液の塗工は、ダイコート法により行った。
次に、温度40℃の雰囲気下で45秒間放置して、PET樹脂からなる基材上に、金属網目状構造を形成した。
次に、150℃熱風オーブンで1分間乾燥した。乾燥後、得られたサンプル(比較例1:アセトン処理前)の表面抵抗率を測定した結果、表面抵抗率は30〜50Ω/□であった。
(低抵抗化処理)
前記の通り、透明基板上に金属網目状導電体層を形成したサンプルを、アセトン中に30秒間浸漬した後、150℃の熱風オーブンで2分間乾燥した。このアセトン処理後のサンプル(比較例2)の表面抵抗率は13.5Ω/□であった。
次に、アセトン処理後のサンプルを、1N塩酸中に1分間浸漬した後、水洗し、150℃の熱風オーブンで2分間乾燥した。このアセトン処理+塩酸処理後のサンプル(実施例1)の表面抵抗率は2.7Ω/□であった。
これとは別に、透明基板上に金属網目状導電体層を形成したサンプルを、アセトン処理なしに1N塩酸中に1分間浸漬した後、水洗し、150℃熱風オーブンで2分間乾燥させた。この塩酸処理後のサンプル(比較例3)の表面抵抗率は4.0Ω/□であった。
前記比較例1〜3及び実施例1の処理と、表面抵抗率の測定結果を表1にまとめて記す。
表1の結果から、本発明に係る実施例1のサンプルは、アセトン処理と塩酸処理を順に行ったことによって、表面抵抗率の低いものが得られた。
[実験2:塩酸処理条件の比較]
実験1での(金属網目状導電体層の作製)と同様にして、複数のサンプルを作製した。これらのサンプルを、アセトン中に30秒間浸漬後、150℃熱風オーブンで2分間乾燥した。このアセトン処理後の複数のサンプルについて、表面抵抗率(Ω/□)を測定した。その結果を表2に記す。表2に記した表面抵抗率は、後述する塩酸処理において、塩酸濃度及び浸漬時間を変更した各サンプルに対応した、塩酸処理前(アセトン処理後)のサンプルの表面抵抗率(Ω/□)の数値である。
次に、これらのサンプルを、表3中に記した各塩酸濃度(0.1〜1mol/L)、各浸漬時間(10〜240s)の各条件で塩酸浸漬し、その後水洗し、150℃熱風オーブンで2分乾燥させて低抵抗化処理したサンプルを作製した。これらのサンプルの表面抵抗率を測定し、その結果を表3に記す。
表3の結果から、全てのサンプルについて、塩酸処理前の表面抵抗率よりも塩酸処理後のサンプルの表面抵抗率の方が低くなった。
塩酸浸漬処理の条件としては、浸漬時間による際は認められなかったが、塩酸濃度による差異が認められた。表面抵抗率6Ω/□以下のサンプルが得られる0.5mol/L以上の濃度が特に有効であった。
[実験3:分光透過率の測定]
日本分光製分光透過率計V−570を用い、前記面状発熱体のサンプルの分光透過率を測定した。その結果を図5に示す。
図5に示すように、前記面状発熱体のサンプルは、可視光線〜赤外線領域までの広い波長帯域において高い光線透過率を有しており、特に、赤外線領域(700nm〜2000nm)の光線透過率は概ね70%程度であった。
一方、比較のために、市販の透明熱線反射フィルム(帝人社製、商品名「レフテル」)について分光透過率を測定した結果、赤外線領域(700nm〜2000nm)の光線透過率は概ね50%未満であった。
本発明は、広い波長帯域で光線透過率が高く、表面抵抗率が低い金属網目構造層を有する透明導電性基板の製造方法に関する。
本発明の製造方法により得られる透明導電性基板は、例えば、液晶や有機EL素子を用いたディスプレイ製造用、或いは太陽電池パネル製造用等の透明電極材料、ディスプレイ装置や携帯電話用の電磁波シールド材、電極間に通電して発熱する面状発熱体などの、各種用途に使用可能である。
11…透明導電性基板、12…透明基板、13…金属網目状導電体層、14,15…電極、16…金属細線の部分、17…透明部分、

Claims (6)

  1. 金属微粒子と、分散剤と、溶媒とを含む金属微粒子懸濁溶液を、透明基板の表面に塗布し乾燥させて、前記透明基板表面に金属網目状導電体層を形成する工程と、
    次いで、前記透明基板表面に形成された金属網目状導電体層に、有機溶剤を接触させる工程と、
    次いで、前記透明基板表面に形成された金属網目状導電体層に、酸溶液を接触させ、波長400〜2000nm域の赤外線透過率が50%以上であり、かつ表面抵抗率が20Ω/□以下である透明導電性基板を得る工程と、を有することを特徴とする透明導電性基板の製造方法。
  2. さらに、前記金属網目状導電体層の両端部の近傍に、前記金属網目状導電体層に通電するための電極が、対向して設けられる工程を有することを特徴とする請求項1に記載の透明導電性基板の製造方法。
  3. 前記金属微粒子懸濁溶液が、銀の微粒子を含む銀コロイド溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明導電性基板の製造方法。
  4. 前記透明基板が、可撓性を有する透明合成樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明導電性基板の製造方法。
  5. 前記有機溶剤が、ケトン系溶剤であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明導電性基板の製造方法。
  6. 前記酸溶液が、塩酸を含むものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明導電性基板の製造方法。
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