JP2008283100A - 網目状金属微粒子積層基板及び透明導電性基板の製造方法 - Google Patents

網目状金属微粒子積層基板及び透明導電性基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、透明性および耐モアレ性に優れた網目状金属微粒子積層基板を生産性よく製造することができる網目状金属微粒子積層基板の製造方法および網目状金属微粒子積層基板、ならびに、それを用いた透明導電性基板を提供せんとするものである。
【解決手段】
本発明の網目状金属微粒子積層基板の製造方法は、基板の少なくとも片面に金属微粒子溶液を塗布することによって、該基板上に金属微粒子層を網目状に積層する網目状金属微粒子積層基板の製造方法であって、少なくとも金属微粒子溶液の塗布前に、基板を30〜200℃で熱処理してから積層することを特徴とするものである。
また、本発明の網目状金属微粒子積層基板は、かかる製造方法によって製造されたものであること特徴とするものであり、また、本発明の透明導電性基板は、かかる網目状金属微粒子積層基板を用いたことを特徴とするものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明性および耐モアレ性に優れた網目状金属微粒子積層基板の製造方法および網目状金属微粒子積層基板、ならびに、それを用いた透明導電性基板に関するものである。
透明導電性基板は回路材料として様々な機器に用いられており、電磁波シールド基板や太陽電池用途として用いられている。
電磁波シールド基板は家電用品、携帯電話、パソコン、テレビをはじめとした電子機器から放射された多種多様な電磁波を抑制する目的に用いられている。特に伸長著しいデジタル家電の中で、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイからも、強力な電磁波が放出されており、人体への影響も懸念されている。これらディスプレイは、比較的近い距離で、かつ場合によっては長時間にわたり画像を観察するため、これら電磁波を抑制する電磁波シールド基板が必要とされ、鋭意検討されている。
一般に、ディスプレイパネルに用いられる電磁波シールド基板には、透明な導電性基板が用いられており、現行用いられている電磁波シールド基板用の導電性基板の製造方法には、各種の方法が採用されている。例えば、銅箔をポリエステルフィルムに貼り合わせ、フォトリソグラフィーで規則正しいメッシュ形状をパターン化し、該銅箔をメッシュ状にエッチングすることで、導電性部分が銅であるメッシュ状導電性フィルムを作成している(特許文献1参照)。
特開2001−210988号公報
しかし、前述した従来の技術には次のような問題点がある。
特許文献1に記載の銅箔をエッチングする方法は、非常に精度の高いメッシュ形状を得るには優れた方法であるが、銅箔を貼り合わせる工程、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程などにおいては、一般的に収率が悪く、各工程の製品ロスが発生しやすいという問題があった。特に、エッチング工程では有害な廃液が発生するなど環境面での課題も多い。更に、素材として銅箔を用い、かつその後、銅箔をエッチングして透過性を上げようとすると、エッチングによって該銅箔の多くの部分を溶かし出して廃液にする必要があり、素材リサイクルの面でも課題が多いものであった。
また、この基板の格子状の銅箔層は規則的な構造を有しているため、モアレ現象が発生するという問題を有しているものでもあった。
ここで、モアレ現象とは、「点または線が幾何学的に規則正しく分布したものを重ね合せた時に生ずる縞状の斑紋」であり、また広辞苑によれば、「点または線が幾何学的に規制正しく分布したものを重ね合わせた時に生ずる縞模様の斑紋。網版印刷物を原稿として網版を複製する時などに起こりやすい」との記載があり、プラズマディスプレイで言えば、画面上に縞模様状の模様が発生する。これは、ディスプレイの前面に設けられる電磁波シールド基板に格子状などの規則的なパターンが設けられている場合、ディスプレイ背面版の、RGB各色の画素を仕切る規則正しい格子状の隔壁などとの相互作用により、該モアレ現象が生じるものである。また、電磁波シールド基板に格子状などの規則的なパターンが設けられている場合、この格子の線幅が太いほど、このモアレ現象が発生しやすいという問題があったものである。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、透明性および耐モアレ性に優れた網目状金属微粒子積層基板を生産性よく製造することができる網目状金属微粒子積層基板の製造方法および網目状金属微粒子積層基板、ならびに、それを用いた透明導電性基板を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の網目状金属微粒子積層基板の製造方法は、基板の少なくとも片面に金属微粒子溶液を塗布することによって、基板上に金属微粒子層を網目状に積層する網目状金属微粒子積層基板の製造方法であって、少なくとも金属微粒子溶液の塗布前に、基板を30〜200℃で熱処理してから積層することを特徴とするものである。また、本発明の網目状金属微粒子積層基板は、かかる製造方法によって製造されたものである特徴とするものであり、また、本発明の透明導電性基板は、かかる網目状金属微粒子積層基板を用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、透明性および耐モアレ性のいずれにも優れた網目状金属微粒子積層基板を、生産性に優れた方法で得ることができる。また、本発明の網目状金属微粒子積層を用いた透明導電性基板は、透明性と高いレベルの導電性を有し、耐モアレ性にも優れるので、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いることができる。
本発明は、前記課題、つまり透明性および耐モアレ性のいずれにも優れた網目状金属微粒子積層基板を生産性よく製造することができる網目状金属微粒子積層基板の製造方法について、鋭意検討し、基板の少なくとも片面に金属微粒子溶液を塗布して積層基板を製造する際に、少なくとも該金属微粒子溶液の塗布前に、基板を特定な条件を満たす温度で熱処理してから積層してみたところ、前記課題を一挙に解決することを究明したものである。
本発明では、かかる特定な工程における基板の温度を特定な条件で熱処理してから、該金属微粒子溶液塗布することによって、初めて、透明性に優れた基板をモアレもなく製造することができたものである。
かかる網目状金属微粒子積層基板の全光線透過率は好ましくは50%以上であり、より好ましくは65%以上であり、さらに好ましくは75%以上である。全光線透過率が50%より小さいと、網目状金属微粒子積層基板の透明性の点で問題が生じる場合がある。
かかる全光線透過率は、下記測定方法により測定されたものである。すなわち、常態(23℃、相対湿度65%)において、網目状金属微粒子積層基板を2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」を用いて測定した。3回測定した平均値を該網目状金属微粒子積層基板の全光線透過率とした。全光線透過率が50%以上であれば透明性は良好である。なお、基板の片面のみに金属微粒子層を積層している網目状金属微粒子積層基板の場合、金属微粒子層を積層した面側より光が入るように基板を設置して測定したものである。
本発明において、金属微粒子溶液を用いて網目状の構造を形成させる場合、例えば、金属微粒子と分散剤などの有機成分とからなる粒子を含む固形分の溶液(金属コロイド溶液)を用いて、塗布を行う方法を好適に用いることができる。かかる金属コロイド溶液の溶媒としては、水、各種の有機溶媒を用いることができる。
かかる金属微粒子の調整法としては、例えば、液層中で金属イオンを還元して金属原子とし、原子クラスターを経てナノ粒子へ成長させる化学的方法や、バルク金属を不活性ガス中で蒸発させて微粒子となった金属をコールドトラップで捕捉する手法や、ポリマー薄膜上に真空蒸着させて得られた金属薄膜を加熱して金属薄膜を壊し、固相状態でポリマー中に金属ナノ粒子を分散させる物理的手法などを用いることができる。
本発明においては、金属微粒子溶液として自己組織化する金属微粒子溶液を好ましく用いることができる。ここで、「自己組織化する金属微粒子溶液」とは、基板上に一面に塗布して放置しておくと、自然に基板上に網目状の構造を形成する溶液を意味するものである。このような金属微粒子溶液としては、例えばCima NanoTech社製CE103−7を用いることができる。
本発明の網目状金属微粒子積層基板における網目状の構造は、不規則であることが好ましい。すなわち、本発明の網目状金属微粒子積層基板をプラズマディスプレイに貼り合わせて使用した場合、網目状の構造を不規則な構造にすることでモアレ現象が発生しないものを得ることができるからである。
かかる不規則な網目状の構造は、微分干渉顕微鏡の観察像で特定し、該網目状の構造が、その形状において、空隙部分の形状や大きさが不揃いである状態、すなわち不規則な状態として観察されるものであり、従って、網目を構成する部分、すなわち線状の部分の形状も直線ではなく線太さが不揃いである状態、すなわち不規則な状態として観察されるものである。不規則な網目状の構造の一例を図1に示すが、これに限定されるものではない。
本発明の網目状金属微粒子積層基板の製造方法においては、基板の少なくとも片面に金属微粒子溶液を塗布する際に、少なくとも金属微粒子溶液の塗布前に、基板を30〜200℃で熱処理してから積層するという、特定の熱処理条件を満たすことが重要である。このように金属微粒子溶液の塗布前に基板を熱処理することで得られる、本発明の網目状金属微粒子積層基板は、該基板をディスプレイ上に使用した際にモアレ現象を抑制する効果を有する。なお、該熱処理は金属微粒子溶液の塗布前の熱処理であり、後述する金属微粒子溶液の塗布開始から塗布完了までの間の基板温度とは別工程である。
すなわち、金属微粒子溶液の塗布前に基板を200℃よりも高い温度で熱処理すると、基板の変形などの問題が生じる場合があり好ましくない。そのため、金属微粒子溶液の塗布前に基板を熱処理する際は、200℃以下の温度で熱処理を行う必要がある。
また、金属微粒子溶液の塗布前に基板を30℃より低い温度で熱処理してから積層した網目状金属微粒子積層基板を、プラズマディスプレイに貼り合わせて使用した場合、網目状金属微粒子積層基板の網目状の構造が規則的なパターンになってしまい、モアレ現象が生じる場合があるために好ましくない。例えば、金属微粒子溶液の塗布前に基板を30℃より低い温度で熱処理してから、ワイヤーバーを用いて積層した網目状金属微粒子積層基板は、ワイヤーバーのワイヤーピッチに沿って網目状の構造が配列し、そのため網目状構造が規則的なパターンになってしまい、モアレ現象が生じてしまうことがある。そのため、金属微粒子溶液の塗布前に基板を熱処理する際は、30℃以上の温度で熱処理を行う必要がある。
また、熱処理温度の上限値は、使用する基板の種類によって適宜選択することが好ましい。つまり基板に用いる材質の種類に応じて、基板の熱変形温度は異なるので、使用する基板の種類に応じて適宜熱処理温度の上限値を選択することができる。中でも金属微粒子溶液の塗布前に行う基板の熱処理温度は、好ましくは30〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃であり、さらに好ましくは30〜70℃である。
熱処理温度として200℃などの高温を採用することは、基板に用いる材質の種類、熱処理する時間によっては、基板の変形が発生したり、熱処理設備を200℃などの高温にしてそれを保つためのコストを増加させることになる。本発明では30℃以上で熱処理を行えば、それで十分なモアレ現象の抑制効果が得られるので、30℃〜70℃の比較的穏和な条件で熱処理することが特に好ましい。
また、熱処理時間は特に限定されないが、好ましい時間は5秒〜3分であり、より好ましくは10秒〜2分、特に好ましくは30秒〜1分である。熱処理温度200℃などの高温を採用することは、基板に用いる材質の種類によっては、3分などの比較的長い時間熱処理を行うことで、基板の変形などの問題が発生する可能性がある。よって熱処理時間30秒〜1分という条件で熱処理することにより、上記問題を発生することなく、十分なモアレ現象の抑制効果が得られるために特に好ましい。
本発明の網目状金属微粒子積層基板の製造方法において、基板の少なくとも片面に金属微粒子溶液を塗布する際に、少なくとも金属微粒子溶液塗布の塗布開始から塗布完了までの間において、基板上の湿度を1〜85%RHの条件を満たす雰囲気に制御することが好ましい。かかる基板上の湿度は、好ましくは、10〜70%RHであり、より好ましくは20〜60%RHであり、特に好ましくは30〜50%RHである。すなわち、基板上の湿度が1%未満では、全光線透過率が落ち、網目状金属微粒子積層基板の透明性の点で問題が生じる場合がある。また、基板上の湿度が85%RHより大きいと、網目状につながった構造がはなれてしまい、そのために、網目状金属微粒子積層基板を用いて透明導電性基板とした際の導電性の点で問題が生じる場合がある。
かかる基板上の湿度の測定は、湿度計を用いて以下のようにして測定する。すなわち、基板上に網目状金属微粒子層を積層する製造工程において、湿度計を用い、基板の金属微粒子溶液を塗布する面の中心から1cm上の湿度を測定したものである。
本発明において、金属微粒子溶液として網目形状に自己組織化する金属微粒子溶液を用いる場合、さらに、少なくとも金属微粒子溶液の塗布開始から金属微粒子溶液が網目形状になるまでの間において、上述したように基板上の湿度を特定な条件に維持することが好ましい。
本発明において、基板の少なくとも片面に金属微粒子溶液を塗布する際に、少なくとも金属微粒子溶液塗布の塗布開始から塗布完了までの間において、基板の金属微粒子溶液を塗布する面側の全方向からの風速を、10m/秒以下の条件を満たすように制御することが好ましい。かかる風速はより好ましくは、5m/秒以下であり、さらに好ましくは1m/秒以下であり、特に好ましくは0.5m/秒以下である。すなわち、該風速が10m/秒より大きいと、全光線透過率が落ち、網目状金属微粒子積層基板の透明性の点で問題が生じる場合がある。また、網目状につながった構造がはなれてしまい、そのために、網目状金属微粒子積層基板を用いて透明導電性基板とした際の導電性に問題が生じる場合がある。
かかる風速の測定は、風速計を用いて以下のようにして測定する。すなわち、基板上に網目状金属微粒子層を積層する製造工程において、風速計を用い、基板の金属微粒子溶液を塗布する面の1cm上で、まず、基板の中心のある一点で横方向からの風速を受けるようにプローブを基板と水平に置いたときの風速を静止状態で30秒間測定する(図2参照)。続いて、水平に置いてあるプローブ自身を、プローブ長手方向を軸として30度,60度,90度,120度,150度,180度回転させたときの風速を、それぞれ30秒間ずつ測定する(図3参照)。次に、最初に測定した状態から積層基板面に垂直で基板の中心を通る軸を中心として、プローブを右回りに45度,90度,135度回転させ、上記と同様にして、それぞれ風速を測定した(図4参照)。本願において、「基板の金属微粒子溶液を塗布する面側の全方向からの風速が10m/秒以下」とは、このようにして測定したすべての点において風速の最大が10m/秒以下であることを意味する。
本発明において、基板の金属微粒子溶液を塗布する面側の全方向からの風速を10m/秒以下にする方法は、特に限定されないが、基板の全面を遮蔽板で囲う装置を用いることが好ましい。
本発明において、基板の少なくとも片面に金属微粒子溶液を塗布する際に、少なくとも金属微粒子溶液塗布の塗布開始から塗布完了までの間において、基板上の温度が5〜100℃の条件を満たすように制御されていることが好ましい。かかる基板上の温度は、好ましくは、10〜50℃であり、より好ましくは15〜40℃であり、特に好ましくは15〜30℃である。すなわち、基板上の該温度が5℃未満もしくは、100℃より大きいと、全光線透過率が落ち、網目状金属微粒子積層基板の透明性の点で問題が生じる場合がある。また、網目状につながった構造がはなれてしまい、そのために、網目状金属微粒子積層基板を用いて透明導電性基板とした際の導電性の点で問題が生じる場合がある。
かかる基板上の温度の測定は、温度計を用いて以下のようにして測定する。すなわち、基板上に網目状金属微粒子層を積層する製造工程において、温度計を用い、基板の金属微粒子溶液を塗布する面の中心から1cm上の温度を測定したものである。
本発明における金属微粒子に用いられる金属としては、特に限定されず、白金、金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ビスマス、コバルト、鉄、アルミニウム、亜鉛、錫などが挙げられる。金属は1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における金属微粒子層とは、上記のような金属微粒子によって構成された層であり、金属微粒子以外に、他の各種添加剤、例えば、分散剤、界面活性剤、保護樹脂、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤などの無機成分、有機成分を含有することができる。
本発明においては、積層した金属微粒子層を熱処理、光線処理、通電処理など、金属微粒子層の導電性を高めるための公知の方法を用いて、金属微粒子層の導電性を高めることにより、網目状金属微粒子積層基板から好適に透明導電性基板を得ることができる。
本発明において、透明導電性基板を得るための網目状金属微粒子積層基板の熱処理は、200℃以上の高温で長時間行うと、基板の変形などの問題が生じる場合があり好ましくない。
また、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子層を酸で処理する方法により、導電性を高めることで透明導電性基板を得ることが好ましい。かかる酸で処理する方法は、穏和な処理条件で金属微粒子の導電性を高めることができるため、かかる緩和な処理条件を選択すれば、熱可塑性樹脂など、耐熱性や耐光性に劣る材料を基板として用いた場合でも、好適に酸処理することができる。また、複雑な装置や工程を必要としない方法のため、生産性の点でも好ましい。
かかる酸とは、特に限定されず、種々の有機酸、無機酸から選択することができる。有機酸としては、酢酸、シュウ酸、プロピオン酸、乳酸、ベンゼンスルホン酸などが挙げられる。無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。これらは、強酸であっても、弱酸であってもよい。好ましくは酢酸、塩酸、硫酸、およびその水溶液であり、より好ましくは塩酸、硫酸、およびその水溶液を用いることができる。
かかる酸で処理する具体的な方法としては、特に限定されず、例えば、酸や、酸の溶液の中に金属微粒子層を積層した基板を浸したり、酸や、酸の溶液を金属微粒子層の上に塗布したり、酸や、酸の溶液の蒸気を銀微粒子層にあてたりする方法が用いられる。
また、網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子層を酸で処理する前に、金属微粒子層を有機溶媒で処理することが好ましい。このように網目状金属微粒子積層基板の金属微粒子層を酸で処理する前に、有機溶媒で処理を行うと、より優れた導電性が得られやすくなる。
かかる金属微粒子層を有機溶媒で処理する段階としては、基板上に金属微粒子を網目状に積層して網目状金属微粒子積層基板としておいてから有機溶媒で処理する方法が、導電性を高める効果に優れ、生産性の点で効率がよいため好適に用いられる。 また、かかる有機溶媒で処理する前や後に、金属微粒子層を積層した基板に別の層を印刷したり、塗布したりして積層してもよい。また、かかる有機溶媒で処理する前や後に、金属微粒子層を積層した基板を乾燥したり、熱処理したり、紫外線照射処理などをしてもよい。
かかる金属微粒子層を有機溶媒で処理する際に該有機溶媒の処理温度は、常温で十分である。高温で処理を行うと、基板として熱可塑性樹脂フィルムを用いた場合には、基板を白化させ、透明性を損ねる場合があるため、好ましくない。かかる処理温度は、好ましくは40℃以下であり、より好ましくは30℃以下であり、特に好ましくは25℃以下である。
かかる金属微粒子層を有機溶媒で処理する方法は特に限定されず、例えば、有機溶媒の溶液の中に金属微粒子層を積層した基板を浸したり、有機溶媒を金属微粒子層上に塗布したり、有機溶媒の蒸気を金属微粒子層にあてたりする方法が用いられる。これらの中でも、有機溶媒の中に金属微粒子層を積層した基板を浸したり、有機溶媒を金属微粒子層上に塗布したりする方法が、導電性向上効果に優れるため好ましい。
かかる有機溶媒の一例を挙げると、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、1,3ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサンなどのアルカン類、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシドなどの双極性非プロトン溶媒、トルエン、キシレン、アニリン、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコール、エチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、クロロホルム等、およびこれらの混合溶媒を使用することができる。これらの中でも、ケトン類、エステル類、トルエンが含まれていると、導電性向上効果に優れるため好ましく、特に好ましくはケトン類である。
本発明における透明導電性基板の導電性に関しては、表面比抵抗が30Ω/□以下であることが好ましい。かかる表面比抵抗は、より好ましくは20Ω/□以下であり、さらに好ましくは10Ω/□以下であり、特に好ましくは4Ω/□以下である。かかる表面比抵抗が30Ω/□以下であると、導電性基板として通電して用いる際に、抵抗による負荷が小さくなるため、発熱が抑えられることや、低電圧で用いることができるので好ましい。また、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなど、フラットパネルディスプレイの電磁波シールド基板用の透明導電性基板として用いた場合には、電磁波シールド性が良好となるため、好ましい。
かかる表面比抵抗の測定は、例えば、網目状金属微粒子積層基板を150℃で2分間、熱処理を行い、1Nの塩酸に入れ、1分間放置する。その後、網目状金属微粒子積層基板を取り出して、水洗し、乾燥を行い、常態(23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下で、JIS−K−7194(1994)に準拠し、ロレスタ−EP(三菱化学株式会社製、型番:MCP−T360)を用いて測定することができる。かくして得られた表面比抵抗が30Ω/□以下であれば導電性は良好である。
本発明における基板とは、特に限定されず、ガラスや樹脂など種々の基板を用いることができる。また、ガラスや樹脂などの基板を2種以上貼り合わせるなどして組み合わせたものも用いることができる。
本発明において、基板の表面に親水性処理層が積層されている場合には、金属微粒子が網目状に積層されやすくなるため好ましい。かかる親水性処理層としては、特に限定されるものではないが、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタン、アクリル系樹脂、メタクリレート系樹脂、ポリアミド、ポリビニルアルコール類、澱粉類、セルロース誘導体、ゼラチン等の天然樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルブチラール、ポリアクリルアミド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアニリン、各種シリコーン樹脂や変性シリコーン樹脂などからなる層を用いることができる。
本発明において、基板が熱可塑性樹脂フィルムである場合、透明性、柔軟性、加工性に優れるなどの点で好ましい。本発明でいう熱可塑性樹脂フィルムとは、熱によって溶融もしくは軟化するフィルムの総称であって、特に限定されるものではないが、代表的なものとして、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムやポリスチレンフィルムなどのアクリル系フィルム、ナイロンなどのポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム、フッ素系フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルムなどを用いることができる。
これら熱可塑性樹脂フィルムとしては、ホモポリマーでも共重合ポリマーで構成されたものあってもよいが、これらのうち、機械的特性、寸法安定性、透明性などの点で、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルムなどが好ましく、更に、機械的強度、汎用性などの点で、ポリエステルフィルムが特に好ましい。
かかるポリエステルフィルムにおいて、ポリエステルとは、エステル結合を主鎖の主要な結合鎖とする高分子の総称であって、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、エチレン−2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、プロピレン−2,6−ナフタレート、エチレン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なくとも1種の構成成分を主要構成成分とするものを好ましく用いることができる。これら構成成分は、1種のみ用いても、2種以上併用してもよいが、中でも品質、経済性などを総合的に判断すると、エチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリエステル、すなわち、ポリエチレンテレフタレートを用いることが特に好ましい。また、基板に熱や収縮応力などが作用する場合には、耐熱性や剛性に優れたポリエチレン−2,6−ナフタレートが更に好ましい。これらポリエステルには、更に他のジカルボン酸成分やジオール成分が一部、好ましくは20モル%以下共重合されていてもよい。
かかるポリエステルの極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は、0.4〜1.2dl/gが好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲にあるものが本発明を実施する上で好適である。
また、かかる熱可塑性樹脂、たとえばポリエステル中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などがその特性を悪化させない程度に添加されていてもよい。
かかる熱可塑性樹脂フィルム、たとえばポリエステルフィルムは、二軸配向されたものであるのが好ましい。かかる二軸配向ポリエステルフィルムとは、一般に、未延伸状態のポリエステルシートまたはフィルムを長手方向および幅方向に各々2.5〜5倍程度延伸し、その後、熱処理を施し、結晶配向を完了したものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。
かかる熱可塑性樹脂フィルム、たとえばポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、用途や種類に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性などの点から、好ましくは10〜500μm、より好ましくは38〜250μm、最も好ましくは75〜150μmである。また、たとえば基板としてポリエステルフィルムを用いる場合は、共押出による複合フィルムであってもよい。一方、得られたフィルムを各種の方法で貼り合わせたものも用いることができる。
本発明の網目状金属微粒子積層基板には、基板、金属微粒子層の他に各種の層が積層されていてもよい。例えば、特に限定されるものではないが、基板と金属微粒子層の間に密着性改善のための下塗り層などが設けられていてもよく、金属微粒子層の上に保護層が設けられていてもよく、基板の片面、または両面に粘着層や、離型層や、保護層や、接着性付与層や、耐候性層などが設けられていてもよい。
以下、本発明の網目状金属微粒子積層基板の製造方法をより具体的に例示して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、親水性処理層が積層された二軸延伸ポリエステルフィルムを50℃の熱風オーブンに1分間入れてから、銀微粒子溶液を塗布し、銀微粒子層を網目状に積層する。本発明の網目状金属微粒子積層基板の製造方法を用いれば、透明性と耐モアレ性に優れた網目状金属微粒子積層基板を、生産性に優れた方法で得ることができる。また、網目状金属微粒子積層基板から、透明導電性基板を得るためには、例えば、網目状金属微粒子積層基板を150℃で2分間、熱処理を行い、1Nの塩酸に入れ、1分間放置する。その後、網目状金属微粒子積層基板を取り出して、水洗し、乾燥することで好適に得られる。
本発明の網目状金属微粒子積層基板を用いた透明導電性基板は、透明性と高いレベルの導電性を有しているため、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイに用いられる電磁波シールドフィルムとして用いることが可能である他、回路材料用途や、太陽電池用途など、各種の導電性基板用途にも好適に用いることができる。
[特性の測定方法および効果の評価方法]
各実施例・比較例で作成した導電性基板の特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)表面観察(形状観察)
網目状金属微粒子積層基板の表面を微分干渉顕微鏡(LEICA DMLM ライカマイクロシステムズ(株)製)にて倍率100倍で観察し、網目の形状を観察した。
(2)表面比抵抗
表面比抵抗の測定は、各実施例・比較例で得られた金属微粒子積層基板を、150℃で2分間の熱処理を行い、1Nの塩酸に入れ1分間放置する。その後、金属微粒子積層基板を取り出して、水洗し、乾燥を行い、常態(23℃、相対湿度65%)において24時間放置後、その雰囲気下で、JIS−K−7194(1994)に準拠した形で、ロレスタ−EP(三菱化学株式会社製、型番:MCP−T360)を用いて実施した。単位は、Ω/□である。
なお、本測定器は1×10Ω/□以下が測定可能である。表面比抵抗が30Ω/□以下であれば導電性は良好である。
(3)全光線透過率
全光線透過率は、常態(23℃、相対湿度65%)において、網目状金属微粒子積層基板を2時間放置した後、スガ試験機(株)製全自動直読ヘイズコンピューター「HGM−2DP」を用いて測定した。3回測定した平均値を該網目状金属微粒子積層基板の全光線透過率とした。
全光線透過率が50%以上であれば透明性は良好である。なお、基板の片面のみに金属微粒子層を積層している積層基板の場合、金属微粒子層を積層した面側より光が入るように基板を設置した。
(4)金属微粒子層形成時の基板上の湿度
湿度は、基板上に網目状金属微粒子層を積層する製造工程において、積層する基板の1cm上をCLIMOMASTER(MODEL 6531 日本カノマックス(株)製)にて測定した。湿度は、該基板の金属微粒子溶液を塗布する面の中心から1cm上で15秒以上測定し、安定したときの値とした。
(5)金属微粒子層形成時の基板上の温度
温度は、基板上に網目状金属微粒子層を積層する製造工程において、積層する基板の1cm上をCLIMOMASTER(MODEL 6531 日本カノマックス(株)製)にて測定した。温度は、該基板の金属微粒子溶液を塗布する面の中心から1cm上で30秒以上測定し、安定したときの値とした。
(6)金属微粒子層形成時の基板上の風速
風速は、基板上に網目状金属微粒子層を積層する製造工程において、積層する基板の1cm上をCLIMOMASTER(MODEL 6531 日本カノマックス(株)製)にて測定した。測定は、以下(i)〜(iii)の順に行った。
(i)該基板の金属微粒子溶液を塗布する面の1cm上で、図2のように、基板の中心のある一点で横方向からの風速を受けるようにプローブを基板と水平に置いたときの風速を静止状態で30秒間測定した。
(ii)水平に置いてあるプローブ自身を図3のように、プローブの長手方向を軸として30度,60度,90度,120度,150度,180度回転させたときの風速をそれぞれ静止状態で30秒間測定した。
(iii)(i)で測定した状態から図4のように、基板面に垂直で基板の中心を通る軸を中心として、プローブを右回りに45度,90度,135度回転させ、(ii)と同様に水平に置いてあるプローブを0度,30度,60度,120度,150度,180度回転させたときの風速をそれぞれ静止状態で30秒間測定した。
風速は、上記のようにして測定した各点の風速のうち、最大値とした。
(7)耐モアレ性
耐モアレ現象は、画像が映し出されているプラズマディスプレイとして、松下電器産業株式会社製VIERA TH−42PX50を用いて、画面の前で、画面と網目状金属微粒子積層基板が概ね平行になるようにして基板を持ち、画面と基板面が概ね平行の状態を保ちながら基板を360°回転させ、回転中にモアレ現象が発現するか否かを目視で観察することで評価した。
モアレが観察されないものを「○」、モアレが観察されるものを「×」とした。部分的にモアレが観察されるものを「△」とした。目視観察が「○」であればモアレ現象は良好とした。
なお、基板の片面のみに金属微粒子層を積層している場合、金属微粒子層を積層していない面側がディスプレイ画面に対向するように網目状金属微粒子積層板を持った。
次に、実施例に基づいて本発明を説明する。
(金属微粒子溶液1)
金属微粒子溶液1として、銀微粒子溶液であるCima NanoTech社製CE103−7を用いた。
(実施例1)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U46)の片面に親水性処理を行い、50℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、熱処理を行った。
続いて、熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)内を湿度30%RH、温度25℃、さらに、風量目盛りを調整し、風速0.6m/秒の雰囲気に維持した。この熱風オーブン内で、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの親水性処理層上に金属微粒子溶液1をWET厚み30μmになるようにワイヤーバーで塗布した。
次に、塗布した積層基板をそのまま室温で10分間経過させ、銀微粒子層を積層した積層基板(網目状金属微粒子積層基板)を得た。
この積層基板は、網目状であり、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
次に、この積層基板を150℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間、熱処理を行った。
続いて、この積層基板の銀粒子層を酸処理するために、1Nの塩酸(ナカライテスク(株)製 1N−塩酸)に1分間浸けた。
その後、積層基板を取り出し、水洗した後、水分を飛ばすために積層基板を150℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間乾燥を行った。この積層基板(透明導電性基板)の表面比抵抗は8Ω/□であった。
(実施例2)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U46)の片面に、親水性処理行い、100℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして積層基板(網目状金属微粒子積層基板)を作成した。
この積層基板は、網目状であり、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
次に、実施例1と同様に、得られた積層基板を熱処理、酸処理、水洗、乾燥の順に行った。
この積層基板(透明導電性基板)の表面比抵抗は8Ω/□であった。
(実施例3)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U46)の片面に、親水性処理行い、200℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして積層基板(網目状金属微粒子積層基板)を作成した。
この積層基板は、網目状であり、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
次に、実施例1と同様に、得られた積層基板を熱処理、酸処理、水洗、乾燥の順に行った。
この積層基板(透明導電性基板)の表面比抵抗は8Ω/□であった。
(実施例4)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U46)の片面に、親水性処理行い、30℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、熱処理を行った積層した以外は、実施例1と同様にして積層基板(網目状金属微粒子積層基板)を作成した。
この積層基板は、網目状であり、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
次に、実施例1と同様に、得られた積層基板を熱処理、酸処理、水洗、乾燥の順に行った。
この積層基板(透明導電性基板)の表面比抵抗は8Ω/□であった。
(実施例5)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U46)の片面に、親水性処理行い、50℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、熱処理を行った積層した以外は、実施例1と同様にして積層基板(網目状金属微粒子積層基板)を作成した。
この積層基板は、網目状であり、全光線透過率は80%で、耐モアレ性も良好であり「○」であった。
次に、この積層基板を150℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間、熱処理を行った。続いて、この積層基板ごと25℃のアセトン(佐々木化学薬品(株)製)に30秒間浸け、積層基板を取り出し、25℃で3分間乾燥させた。次に、この積層基板の銀粒子層を酸処理するために、1Nの塩酸(ナカライテスク(株)製 1N−塩酸)に1分間浸けた。その後、積層基板を取り出し、水洗した後、水分を飛ばすために積層基板を150℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で2分間乾燥を行った。
この積層基板(透明導電性基板)の表面比抵抗は3Ω/□であった。
(比較例1)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U46)の片面に、親水性処理行い、25℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして積層基板を作成した。
この積層基板の全光線透過率は80%であったが、積層した網目状金属微粒子積層基板をプラズマディスプレイに貼り合わせて使用した場合、網目状の構造が規則的なパターンになってしまい、その結果、部分的にモアレ現象が生じてしまい、「△」評価であった。
次に、実施例1と同様に、得られた積層基板を熱処理、酸処理、水洗、乾燥の順に行い、表面比抵抗は8Ω/□の積層基板(透明導電性基板)を得た。
(比較例2)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 ルミラー(登録商標)U46)の片面に、親水性処理行い、230℃の熱風オーブン(タバイエスペック(株)製 PHH−200)で1分間、熱処理を行った以外は、実施例1と同様にして積層基板を作成した。
この積層基板は金属微粒子溶液の塗布前の熱処理によって、基板の変形が起きてしまった。そのため塗布性が悪く、生産性を考えた場合にも好ましい条件ではない。
実施例1、2、3、4、5、比較例1、2の評価を表1に示す。
Figure 2008283100
本発明の網目状金属微粒子積層基板の製造方法によれば、透明性と耐モアレ性にも優れた網目状金属微粒子積層基板を、生産性に優れた方法で得ることができる。
本発明の網目状金属微粒子積層基板を用いてなる透明導電性基板は、透明性と高いレベルの導電性を有し、耐モアレ性にも優れるため、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶テレビなどのフラットパネルディスプレイに好適に用いることができる。
本発明の網目状金属微粒子積層基板における網目状の構造の一例を示す平面図である。 基板上の風速を測定する方法を説明する模式的に示す概略図である。 図2における風速測定方法において、プローブを長手方向を軸として回転させることを説明する側面図(図2をA方向から見た図)である。 図2における風速測定方法において、プローブを積層基板に垂直な軸を中心として回転させることを説明する平面図(図2をB方向から見た図)である。
符号の説明
1 積層基板
2 プローブ
3 測定孔
4 風速測定器

Claims (7)

  1. 基板の少なくとも片面に金属微粒子溶液を塗布することによって、基板上に金属微粒子層を網目状に積層する網目状金属微粒子積層基板の製造方法であって、少なくとも金属微粒子溶液の塗布前に、基板を30〜200℃で熱処理してから積層することを特徴とする、網目状金属微粒子積層基板の製造方法。
  2. 基板が熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする、請求項1に記載の網目状金属微粒子積層基板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法により製造される網目状金属微粒子積層基板の、金属微粒子層を、
    有機溶媒で処理した後、酸で処理することを特徴とする、透明導電性基板の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の製造方法により得られうる網目状金属微粒子積層基板。
  5. 請求項4に記載の網目状金属微粒子積層基板を用いた透明導電性基板。
  6. 請求項4に記載の網目状金属微粒子積層基板の、金属微粒子層を、
    有機溶媒で処理した後、酸で処理することにより得られることを特徴とする、透明導電性基板。
  7. プラズマディスプレイパネルの電磁波シールド基板として用いることを特徴とする、請求項5又は6に記載の透明導電性基板。
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