JPH07128649A - 光等方性積層体 - Google Patents

光等方性積層体

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JPH07128649A
JPH07128649A JP30111993A JP30111993A JPH07128649A JP H07128649 A JPH07128649 A JP H07128649A JP 30111993 A JP30111993 A JP 30111993A JP 30111993 A JP30111993 A JP 30111993A JP H07128649 A JPH07128649 A JP H07128649A
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JP30111993A
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English (en)
Inventor
Rinjiro Ichikawa
林次郎 市川
Kazuma Eguchi
和磨 江口
Satoru Kimura
悟 木村
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Fujimori Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Fujimori Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大型の液晶表示パネル用電極基板の用途であ
っても使用することができ、しかも工業的生産性をも考
慮した光等方性積層体を提供することを目的とする。 【構成】 基材シート層(1) の少なくとも片面に耐透気
性樹脂層(2) が設けられ、さらにその耐透気性樹脂層
(2) 上に架橋性樹脂または紫外線硬化型樹脂の硬化物層
(3) が設けられた単位積層シート(4) を、接着剤層(ad)
を介して所定の複数枚数貼着した構成を有する積層体で
ある。この場合、単位積層シート(4) を所定枚数を光軸
方向を実質的に直交させて積層することにより全体のレ
ターデーション値を30nm未満となし、硬化物層(3) が
積層体の両最外層となるように積層し、積層体の厚みが
200μm 以上となるように単位積層シート(4) を積層
し、積層体の少なくとも片面の表面粗度が± 0.1μm 以
下であるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、剛性を改良した光等方
性積層体、殊に、大型の液晶表示パネル用電極基板に適
した光等方性積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネル用電極基板としては、従
来はガラスが用いられていたが、重量が大であること、
薄型にできないこと、破損しやすいこと、量産化しにく
いことなどの問題点があるため、最近ではプラスチック
ス基板が普及してきている。本出願人においても、次に
列挙するような特許出願を行っている。
【0003】特開昭63−71829号公報には、光等
方性基材シート層の少なくとも片面にアンカーコート層
を介して耐透気性樹脂層を設け、さらに該耐透気性樹脂
層上に架橋性樹脂硬化物層を設けた構成の液晶表示パネ
ル用電極基板が示されている。
【0004】特開昭64−50021号公報には、耐透
気性樹脂層/架橋性樹脂硬化物層からなる積層フィルム
の2枚を、耐透気性樹脂層同士が対向する状態で接着剤
層を介して積層一体化した液晶表示パネル用電極基板が
示されている。
【0005】特開昭64−50022号公報には、架橋
性樹脂硬化物層/耐透気性樹脂層/架橋性樹脂硬化物層
の構成を有する液晶表示パネル用電極基板が示されてい
る。
【0006】特開平4−159518号公報には、光等
方性基材シート層(1) の少なくとも片面に流延法による
耐透気性樹脂層(2) が設けられ、さらに該耐透気性樹脂
層(2) 上に流延法による架橋性樹脂硬化物層(3) が設け
られた単位積層シート(4) の2枚またはそれ以上を、架
橋性樹脂硬化物層(3) が両最外層となるように接着剤層
(ad)を介して貼着した構成を有する液晶表示パネル用電
極基板が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示パネルはここ
数年で驚くほど進展しており、しかも年々大型化の趨勢
にある。大型の液晶表示パネル用の基板としては、依然
としてガラス基板が主流となっているが、しだいにプラ
スチックス基板に置き換えられつつある。
【0008】しかしながら、厚手のプラスチックス基板
はレターデーション値が大きくなることを免かれず、一
方、レターデーション値の小さい薄手のプラスチックス
基板は、手で触れたときの変形がすぐには戻らないた
め、手で触れた個所に液晶リングを生ずるなどの問題点
がある。
【0009】本出願人の出願にかかる上述の特開昭63
−71829号公報、特開昭64−50021号公報、
特開昭64−50022号公報の基板も、小ないし中程
度の大きさの基板としてはすぐれているが、大型基板と
しては上記と同様の問題点を有しており、さらに改良を
図る必要があった。
【0010】これに対し、本出願人の出願にかかる上述
の特開平4−159518号公報の基板、すなわち、光
等方性基材シート層(1) の少なくとも片面に流延法によ
る耐透気性樹脂層(2) が設けられ、さらに該耐透気性樹
脂層(2) 上に流延法による架橋性樹脂硬化物層(3) が設
けられた単位積層シート(4) の2枚またはそれ以上を、
架橋性樹脂硬化物層(3) が両最外層となるように接着剤
層(ad)を介して貼着した構成を有する液晶表示パネル用
電極基板は、大型基板にも対処しうるという利点があ
る。
【0011】しかしながらこの基板にあっては、個々の
単位積層シート(4) のレターデーション値は小さくて
も、それを所定枚数積層するとレターデーション値が積
算していくので、積層体の厚みを200μm 以上、殊に
250〜1000μm (つまり0.25〜1mm)というよう
に撓みを生じない厚みに設定する場合、全体のレターデ
ーション値が大きくなって光等方性が失われることがあ
った。光等方性が失われると、パネルとしての適正視角
が狭くなると共に、干渉縞が発生し、液晶表示パネルと
したきに判読性が低下することになる。
【0012】このような問題は、単位積層シート(4) と
してレターデーション値が極限にまで小さいものを用い
れば克服できるが、そのようなことは工業的な量産性を
考慮すると実際には困難である。
【0013】本発明は、このような背景下において、大
型の液晶表示パネル用電極基板の用途であっても使用す
ることができ、しかも工業的生産性をも考慮した光等方
性積層体を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の光等方性積層体
は、基材シート層(1) の少なくとも片面に耐透気性樹脂
層(2) が設けられ、さらにその耐透気性樹脂層(2) 上に
架橋性樹脂または紫外線硬化型樹脂の硬化物層(3)が設
けられた単位積層シート(4) を、接着剤層(ad)を介して
所定の複数枚数貼着した構成を有する積層体であって、
単位積層シート(4) を所定枚数を、光軸方向を合わせて
積層したときには全体のレターデーション値が30nm以
上になるが、光軸方向を実質的に直交させて積層するこ
とにより全体のレターデーション値を30nm未満となし
たこと、硬化物層(3) が積層体の両最外層となるように
積層したこと、積層体の厚みが200μm 以上となるよ
うに単位積層シート(4) を積層したこと、および、積層
体の少なくとも片面の表面粗度が± 0.1μm 以下である
こと、を特徴とするものである。
【0015】以下本発明を詳細に説明する。
【0016】基材シート層(1) 基材シート層(1) としては、ポリカーボネート、ポリア
リーレンエステル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ビシクロ基を有するポリオレフィンなどの樹脂から
形成された層があげられる。光等方性基材シート層(1)
の厚さは、通常は25〜1000μm 、好ましくは30
〜500μm の範囲に設定される。基材シート層(1) の
レターデーション値には特に限定はなく、一軸方向の延
伸であれば延伸品であっても差し支えない。
【0017】耐透気性樹脂層(2) 耐透気性樹脂層(2) としては、その酸素透過率(ASTM D
-1434-75に準じて測定)が30cc/24hr・m2・atm 以
下、好ましくは20cc/24hr・m2・atm 以下である樹脂
層があげられる。このような樹脂層としては、アクリロ
ニトリル成分、ビニルアルコール成分またはハロゲン化
ビニリデン成分を50モル%以上含有する重合体から形
成された層があげられ、ポリアミドも用いることができ
る。これらの中では、特に、ポリビニルアルコールまた
はその共重合変性物あるいはグラフト物、エチレン含量
が15〜50モル%のエチレン−ビニルアルコール共重
合体などのビニルアルコール系樹脂層、なかんずくエチ
レン−ビニルアルコール共重合体層が好適である。耐透
気性樹脂層(2) の厚さは、通常1〜50μm 、好ましく
は2〜20μm の範囲に設定する。1μm 未満では耐透
気性が不充分であり、また必要以上に厚さを厚くするこ
とは、コスト高になるだけであって、工業的な意味がな
い。
【0018】硬化物層(3) 硬化物層(3) としては、架橋性樹脂または紫外線硬化型
樹脂の硬化物層があげられる。
【0019】このうち前者の架橋性樹脂としては、フェ
ノキシエーテル型架橋性樹脂、エポキシ系樹脂、アクリ
ル系樹脂、アクリルエポキシ系樹脂、アクリルシリコー
ン系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂系、フェノ
ール系樹脂、ウレタン系樹脂などがあげられ、殊にフェ
ノキシエーテル型重合体の水酸基の水素部分に多官能性
化合物を架橋反応させたフェノキシエーテル型架橋重合
体が好ましい。ここで多官能性化合物(架橋剤)として
は、水酸基との反応活性が高い基、たとえば、イソシア
ネート基、カルボキシル基、カルボキシル基における反
応性誘導基(たとえばハライド、活性アミド、活性エス
テル、酸無水物基等)、メルカプト等を同一または異な
って2以上有する化合物があげられる。
【0020】後者の紫外線硬化型樹脂としては、光重合
性を有するプレポリマーまたは/およびモノマーに、必
要に応じ他の単官能または多官能性モノマー、各種ポリ
マー、光重合開始剤(アセトフェノン類、ベンゾフェノ
ン類、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾ
インエーテル、ベンジルケタール類、チオキサントン類
など)、増感剤(アミン類、ジエチルアミノエチルメタ
クリレートなど)を配合した樹脂組成物が用いられる。
ここで光重合性プレポリマーとしては、ポリエステルア
クリレート、ポリエステルウレタンアクリレート、エポ
キシアクリレート、ポリオールアクリレートなどが例示
され、光重合性モノマーとしては、単官能アクリレー
ト、2官能アクリレート、3官能以上のアクリレートな
どが例示される。光重合性を有するプレポリマーまたは
モノマーとしては、上記のほか、ホスファゼン系樹脂も
用いられる。
【0021】上記の硬化物層(3) の厚さは、通常は2〜
100μm 、好ましくは3〜50μm の範囲に設定され
る。
【0022】単位積層シート(4) 上述の基材シート層(1) の少なくとも片面に耐透気性樹
脂層(2) を設け、さらに該耐透気性樹脂層(2) 上に硬化
物層(3) を設けることにより、単位積層シート(4) が得
られる。積層順序は任意である。単位積層シート(4) の
層構成は、(1)/(2)/(3) 、(3)/(2)/(1)/(2)/(3) などと
なる。(1)/(2) の層間には、水系またはアルコール系の
アンカーコート層(ac)を介在させることも多い。耐透気
性樹脂層(2) は流延法や押出法によって、硬化物層(3)
は流延法や吐出法などによって形成される。
【0023】光等方性積層体 本発明においては、このようにして製造した単位積層シ
ート(4) を接着剤層(ad)を介して所定の複数枚数貼着
し、光等方性積層体となす。
【0024】接着剤層(ad)形成用の接着剤としては、ウ
レタン系接着剤、アクリルウレタン系接着剤、アクリル
エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着
剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤などが
用いられる。殊に、エポキシ系接着剤などスティフネス
を与えることができる接着剤を用いることが好ましく、
また硬化に際し気泡が入りにくい紫外線硬化型接着剤も
好ましい。当初は粘着性を有し、経時的に接着剤に変化
して永久接着が図られる粘接着剤や、感圧性接着剤ある
いは感熱性接着剤を用いることもできる。これらの中で
は、ノンソルベント型のアクリルウレタン系接着剤やノ
ンソルベント型のアクリルエポキシ系接着剤接着剤が特
に好ましい。
【0025】単位積層シート(4) を所定の複数枚数貼着
するに際しては、次の点に留意することが要求される。
【0026】まず第1の要件は、単位積層シート(4) を
所定枚数を、光軸方向を合わせて積層したときには全体
のレターデーション値が30nm以上になるが、光軸方向
を実質的に直交させて積層することにより全体のレター
デーション値を30nm未満(好ましくは20nm以下、さ
らに好ましくは15nm以下)となすことである。ここで
「実質的に」とは、90゜±10゜の範囲内にあること
を言うものとする。たとえば単位積層シート(4) のレタ
ーデーション値が20nmである場合、その2枚を光軸を
合わせて積層すればレターデーション値はほぼ40nmに
なるが、光軸方向を直交させて積層すればレターデーシ
ョン値はほぼゼロになる。
【0027】第2の要件は、積層体の両最外層が硬化物
層(3) となるように積層することである。
【0028】第3の要件は、積層体の厚みが200μm
以上、殊に250〜1000μm となるように単位積層
シート(4) を積層することである。積層体の厚みが上記
範囲の下限値よりも薄いときは、撓みを生ずるので、大
型の液晶表示パネル用の電極基板には対処しえなくな
る。
【0029】第4の要件は、積層体の少なくとも片面の
表面粗度を± 0.1μm 以下(好ましくは±0.05μm 以
下)に設定することである。このように積層体の少なく
とも片面を平滑面にするには、たとえば次のような方法
が採用される。
【0030】方法A 表面粗度が± 0.1μm 以下(好ましくは±0.05μm 以
下)のフィルム面、ガラス面または金属面からなる平滑
性支持体上に硬化物層(3) 形成用の樹脂液を流延して硬
化物層(3) を形成させ、該工程を経て単位積層シート
(4) を製造し、ついで光等方性積層体を製造する方法。
【0031】方法B 単位積層シート(4) を構成する他の層を作製してから、
その上に平滑な硬化物層(3) を形成して単位積層シート
(4) となし、ついで光等方性積層体を製造する方法。こ
こで単位積層シート(4) を構成する他の層上に平滑な硬
化物層(3) を形成するには、 B1: 当該他の層と平滑性フィルム支持体とを、わずか
に間隙をあけて並行に配置した1対のロールのそれぞれ
に供給し、ロールの間隙に向けて硬化物層(3)形成用の
樹脂液を吐出すると共に、両ロールを互いに喰い込む方
向に回転させて前記他の層と平滑性フィルム支持体との
間に樹脂液が挟持されるようにし、そのように挟持され
た状態で樹脂液を硬化させて硬化物層(3) となす方法、
あるいは、 B2: 前記他の層上に硬化物層(3) 形成用の樹脂液を流
延すると共に、その樹脂液が不完全硬化状態にある間に
その上から平滑性支持体を当接し、ついで硬化を図る方
法、が採用される。
【0032】方法C 硬化物層(3) を有しまたは有しない積層体を作製してか
ら、その表面に、上記B(B1 またはB2 )の方法に準
じて平滑な硬化物層(3) を形成させる方法。
【0033】上記の平滑性フィルム支持体の好ましい例
は、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロ
ピレンフィルムなどの平滑性フィルム支持体である。二
軸延伸ポリエステルフィルムにおけるポリエステルと
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレートなどである。
【0034】用途 本発明の光等方性積層体は、大型の液晶表示パネル用電
極基板として特に有用である。もちろん中型または小型
の電極基板であってもよい。そのほか、各種の記録装置
(光カード等など)、表示装置(高分子液晶表示基板
等)などの目的にも用いることができる。
【0035】これらの用途にあっては、上記の光等方性
積層体の平滑な表面にITO、その他の透明電極を設け
る。なお透明電極の形成には、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法、金属溶射法、金属メ
ッキ法、化学蒸着法、スプレー法などが採用される。
【0036】
【作用】本発明の光等方性積層体は、単位積層シート
(4) を所定の複数枚数貼着した構成を有するが、光軸方
向を実質的に直交させて積層しているので、個々の単位
積層シート(4) のレターデーション値が積算することが
なく、全体のレターデーション値を30nm未満とするこ
とができ、光等方性を確保することができる。
【0037】また積層体の厚みを200μm 以上、好ま
しくは250〜1000μm と厚くしてあるので、撓み
を生じたり、手で触れた個所に液晶リングを生じたりす
ることがなく、大型の液晶表示パネル用電極基板として
も用いることができる。
【0038】そして硬化物層(3) が積層体の両最外層と
なるように積層してあるので、積層体の表面の表面が高
硬度で、耐薬品性も良好である。また積層体の少なくと
も片面の表面粗度が± 0.1μm 以下であるので、STN
用研磨ガラスの並の平滑性を有する。なお、平滑面に形
成した硬化物層(3) 上には特別の処理を施さなくてもI
TO等の透明電極を形成させることができるが、さらに
ITO等の透明電極との密着性を上げるため、平滑な硬
化物層(3) 面にコロナ放電処理、イオンプレーティング
処理、プラズマ処理などの処理を施すこともできる。
【0039】そのほか、本発明の光等方性積層体は対称
性が保たれているので、カールを生じがたい。
【0040】耐透気性樹脂層(2) は、すぐれた酸素遮断
性を有し、液晶表示パネル用電極基板として用いたとき
は、封入した液晶の寿命の延長に大きく貢献する。
【0041】硬化物層(3) はそれ単独では脆く、耐透気
性樹脂層(2) はそれ単独では透湿性を有することがある
が、両層が隣接状態で積層しているため、硬化物層(3)
の脆さは耐透気性樹脂層(2) で補償され、耐透気性樹脂
層(2) の透湿性は硬化物層(3) で補償される。
【0042】従って、本発明の光等方性積層体は、プラ
スチックス基板の軽量性や加工性が生かされながら、ガ
ラス基板と遜色のない性能が得られる。
【0043】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」とあるのは重量部である。
【0044】実施例1 図1は本発明の光等方性積層体の一例を示した断面図で
ある。
【0045】基材シート層(1) の一例としての厚さ20
0μm 、光軸方向のレターデーション値60nmのポリカ
ーボネートシートの片面に、水性ポリエステルウレタン
系のアンカーコーティング剤をコーティングした後、乾
燥し、厚さ1μm のアンカーコート層(ac)を形成させ
た。
【0046】ついで、このアンカーコート層(ac)の上か
ら、エチレン含量32モル%のエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体20部、水45部、n−プロパノール45
部およびメチロール化メラミン (住友化学工業株式会社
製スミテックM−3)4部よりなる組成の樹脂液を流延
し、温度110℃の乾燥機中を通過させて乾燥させた。
これにより、厚さ8μm の耐透気性樹脂層(2) が形成さ
れた。
【0047】わずかの間隙をあけて並行に配置した1対
のロールの片方に、上記で得た基材シート層(1) /アン
カーコート層(ac)/耐透気性樹脂層(2) からなる積層シ
ートをその耐透気性樹脂層(2) 側の面が上面となるよう
に供給し、またもう一方のロールに、平滑性フィルム支
持体の一例としての厚さ100μm 、表面粗度が平均で
0.006μm 、最大で0.04μm のコロナ放電処理していな
い二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋
紡績株式会社製の「A−4100」)をその平滑面が上
面となるように供給し、両ロールを上方から見て互いに
喰い込む方向に回転させながら、両ロール間にエポキシ
アクリレート系の紫外線硬化型樹脂液を吐出した。
【0048】その結果、紫外線硬化型樹脂液が上記積層
シートと平滑性フィルム支持体との間にサンドウイッチ
状に挟持されたので、出力120W/cm、1灯、ランプ距
離200mm、ライン速度2m/min、1パス、光量600
mJ/cm2の条件で紫外線照射を行い、挟持された紫外線硬
化型樹脂液の層を硬化させ、厚さ10μm の硬化物層
(3) となした。
【0049】これにより、基材シート層(1) /アンカー
コート層(ac)/耐透気性樹脂層(2)/硬化物層(3) /平
滑性フィルム支持体の層構成を有する平滑性フィルム支
持体付きの単位積層シート(4) が得られた。このシート
から平滑性フィルムを剥離除去したときの硬化物層(3)
の表面粗度は、光の干渉を利用した非接触式表面粗さ計
による測定で0.05μm (つまり± 0.025μm )であっ
た。
【0050】上記のようにして平滑性フィルム支持体付
きの単位積層シート(4) の長尺シートが多数得られたの
で、そのうちの一つの長尺シートを巾方向に直角に裁断
し、平滑性フィルム支持体付きの正方形の単位積層シー
ト(4) となした。
【0051】次に、上記で得た長尺の単位積層シート
(4) の基材シート層(1) 側の面に、ノンソルベント型接
着剤の一例としてのウレタンアクリル系の紫外線硬化型
接着剤を塗布すると共に、その上から上述の正方形の単
位積層シート(4) の基材シート層(1) 側を光軸方向を直
交させながら圧着し、ついで紫外線照射を行うことによ
り硬化させて厚さ10μm の接着剤層(ad)を形成させ
た。
【0052】これにより、光軸方向が直交した2枚の単
位積層シート(4) が接着剤層(ad)を介して貼着した平滑
性フィルム支持体付きの光等方性積層体が得られた。平
滑性フィルムを剥離除去した後の光等方性積層体の層構
成は、単位積層シート(4) /接着剤層(ad)/単位積層シ
ート(4) 、さらに詳しくは、(3)/(2)/(ac)/(1)/(ad)/
(1)/(ac)/(2)/(3)である(図1参照)。
【0053】この光等方性積層体の厚さは448μm 、
レターデーション値はほぼゼロ、可視光線透過率は85
%、酸素透過率(ASTM D-1434-75に準じて測定)は 0.1
cc/24hr・m2・atm 以下、表面の鉛筆硬度は2Hであっ
た。
【0054】次に、上記の光等方性積層体から平滑性フ
ィルムを剥離除去し、片方の硬化物層(3) の表面にIT
Oによる厚さ1500オングストロームの透明電極をス
パッタリング法により形成させた。硬化物層(3) には何
らの処理を行わなかったにもかかわらず、ITO層の密
着性は良好であった。このようにして得られた透明電極
付きの光等方性積層体は、大型の液晶表示パネル用電極
基板としての適性を備えていた。
【0055】実施例2 図2は本発明の光等方性積層体の他の一例を示した断面
図である。
【0056】実施例1と同様にして基材シート層(1) の
片面にアンカーコート層(ac)、耐透気性樹脂層(2) 、硬
化物層(3) 、平滑性フィルム支持体を設けると共に、基
材シート層(1) の他面にもアンカーコート層(ac)、耐透
気性樹脂層(2) 、硬化物層(3) 、平滑性フィルム支持体
を設け、平滑性フィルム支持体付きの単位積層シート
(4) を製造した。ただし基材シート層(1) としては、厚
さ120μm 、光軸方向のレターデーション値30nmの
ポリカーボネートシートを用いた。
【0057】この平滑性フィルム支持体付きの単位積層
シート(4) の長尺シートの一つを巾方向に直角に裁断
し、平滑性フィルム支持体付きの正方形の単位積層シー
ト(4)となした。
【0058】ついで、上記で得た長尺の単位積層シート
(4) の基材シート層(1) 側の面に、ノンソルベント型接
着剤の一例としてのウレタンアクリル系の紫外線硬化型
接着剤を塗布すると共に、その上から上述の正方形の単
位積層シート(4) の基材シート層(1) 側を光軸方向を直
交させながら圧着し、ついで紫外線照射を行うことによ
り硬化させて厚さ10μm の接着剤層(ad)を形成させ
た。
【0059】これにより、光軸方向が直交した2枚の単
位積層シート(4) が接着剤層(ad)を介して貼着した平滑
性フィルム支持体付きの光等方性積層体が得られた。平
滑性フィルムを剥離除去した後の光等方性積層体の層構
成は、単位積層シート(4) /接着剤層(ad)/単位積層シ
ート(4) 、さらに詳しくは、(3)/(2)/(ac)/(1)/(ac)/
(2)/(3)/(ad)/(3)/(2)/(ac)/(1)/(ac)/(2)/(3)である
(図2参照)。
【0060】この光等方性積層体の厚さは326μm 、
レターデーション値はほぼゼロ、可視光線透過率は86
%、酸素透過率(ASTM D-1434-75に準じて測定)は 0.1
cc/24hr・m2・atm 以下、表面の鉛筆硬度は2Hであっ
た。
【0061】次に、上記の光等方性積層体から平滑性フ
ィルムを剥離除去し、片方の硬化物層(3) の表面にIT
Oによる厚さ1300オングストロームの透明電極をス
パッタリング法により形成させた。硬化物層(3) には何
らの処理を行わなかったにもかかわらず、ITO層の密
着性は良好であった。このようにして得られた透明電極
付きの光等方性積層体は、大型の液晶表示パネル用電極
基板としての適性を備えていた。
【0062】実施例3 基材シート層(1) の一例としての厚さ250μm 、光軸
方向のレターデーション値50nmのポリアリーレンエス
テルシートの片面に、水性ポリエステルウレタン系のア
ンカーコーティング剤をコーティングした後、乾燥し、
厚さ1μm のアンカーコート層(ac)を形成させた。
【0063】このアンカーコート層(ac)の上から、実施
例1と同様のエチレン−ビニルアルコール共重合体系の
樹脂液を用いて厚さ8μm の耐透気性樹脂層(2) を形成
させた。
【0064】続いてこの耐透気性樹脂層(2) の上から、
フェノキシエーテル樹脂40部、メチルエチルケトン4
0部、セロソルブアセテート20部、トリレンジイソシ
アネートとトリメチロールプロパンとのアダクト体の7
5重量%溶液(日本ポリウレタン株式会社製コロネート
L)40部よりなる組成の樹脂液を流延し、80℃で4
分間乾燥して溶剤の大部分を揮散させてから、表面を平
滑性フィルム支持体の一例としての厚さ100μm 、表
面粗度が平均で 0.006μm 、最大で0.04μm のコロナ放
電処理していない二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルム(東洋紡績株式会社製の「A−4100」)で
圧着被覆しつつ、120℃で5分間加熱して、厚さ10
μm の硬化物層(3) を形成させた。その後、平滑性フィ
ルム支持体を剥離除去し、温度60℃の恒温室に1日放
置して硬化物層(3) をエイジングさせた。
【0065】これにより、基材シート層(1) /アンカー
コート層(ac)/耐透気性樹脂層(2)/硬化物層(3) の層
構成を有する単位積層シート(4) が得られた。硬化物層
(3)の表面粗度は、光の干渉を利用した非接触式表面粗
さ計による測定で0.05μm (つまり± 0.025μm )であ
った。
【0066】以下実施例1と同様にして、光軸方向が直
交した2枚の単位積層シート(4) が接着剤層(ad)を介し
て貼着した光等方性積層体が得られた(図1参照)。こ
の光等方性積層体の厚さは548μm 、レターデーショ
ン値はほぼゼロ、可視光線透過率は85%、酸素透過率
(ASTM D-1434-75に準じて測定)は 0.1cc/24hr・m2
atm 、表面の鉛筆硬度は2Hであった。
【0067】実施例4 実施例1と同様にして、基材シート層(1) /アンカーコ
ート層(ac)/耐透気性樹脂層(2) からなる長尺の積層シ
ートを多数作製し、その積層シートのうちの一つを巾方
向に直角に裁断した。
【0068】長尺の積層シートの基材シート層(1) 側の
面に、ノンソルベント型接着剤の一例としてのウレタン
アクリル系の紫外線硬化型接着剤を塗布すると共に、そ
の上から裁断した方の積層シートの基材シート層(1) 側
を光軸方向を直交させながら圧着し、ついで紫外線照射
を行うことにより硬化させて厚さ10μm の接着剤層(a
d)を形成させた。これにより、(2)/(ac)/(1)/(ad)/(1)/
(ac)/(2)よりなる層構成の積層シートが得られた。
【0069】わずかの間隙をあけて並行に配置した1対
のロールの片方に上記で得た積層シートを供給し、また
もう一方のロールに、平滑性フィルム支持体の一例とし
ての厚さ100μm 、表面粗度が平均で 0.006μm 、最
大で0.04μm のコロナ放電処理していない二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製
の「A−4100」)をその平滑面が上面となるように
供給し、両ロールを上方から見て互いに喰い込む方向に
回転させながら、両ロール間に予め脱気したエポキシア
クリレート系の紫外線硬化型樹脂液を吐出した。
【0070】その結果、紫外線硬化型樹脂液が上記積層
シートと平滑性フィルム支持体との間にサンドウイッチ
状に挟持されたので、出力120W/cm、1灯、ランプ距
離200mm、ライン速度2m/min、1パス、光量600
mJ/cm2の条件で紫外線照射を行い、挟持された紫外線硬
化型樹脂液の層を硬化させ、厚さ10μm の硬化物層
(3) となした。
【0071】上記の積層シートの他面についても、同様
の操作により厚さ10μm の硬化物層(3) を形成させ
た。
【0072】これにより、光軸方向が直交した2枚の単
位積層シート(4) が接着剤層(ad)を介して貼着した平滑
性フィルム支持体付きの光等方性積層体が得られた。平
滑性フィルムを剥離除去した後の光等方性積層体の層構
成は、単位積層シート(4) /接着剤層(ad)/単位積層シ
ート(4) 、さらに詳しくは、(3)/(2)/(ac)/(1)/(ad)/
(1)/(ac)/(2)/(3)である(図1参照)。
【0073】この光等方性積層体の厚さは548μm 、
レターデーション値はほぼゼロ、可視光線透過率は85
%、酸素透過率(ASTM D-1434-75に準じて測定)は 0.1
cc/24hr・m2・atm 、表面の鉛筆硬度は2Hであった。
硬化物層(3) の表面粗度は0.05μm (つまり± 0.025μ
m )であった。
【0074】
【発明の効果】本発明の光等方性積層体にあっては、プ
ラスチックス基板の軽量性や加工性が生かされながら、
ガラス基板と遜色のない性能が得られ、大型の液晶表示
パネル用電極基板の用途にも好適に使用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光等方性積層体の一例を示した断面図
である。
【図2】本発明の光等方性積層体の他の一例を示した断
面図である。
【符号の説明】
(1) …基材シート層、 (2) …耐透気性樹脂層、 (3) …硬化物層、 (4) …単位積層シート、 (ac)…アンカーコート層、 (ad)…接着剤層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シート層(1) の少なくとも片面に耐透
    気性樹脂層(2) が設けられ、さらにその耐透気性樹脂層
    (2) 上に架橋性樹脂または紫外線硬化型樹脂の硬化物層
    (3)が設けられた単位積層シート(4) を、接着剤層(ad)
    を介して所定の複数枚数貼着した構成を有する積層体で
    あって、 単位積層シート(4) を所定枚数を、光軸方向を合わせて
    積層したときには全体のレターデーション値が30nm以
    上になるが、光軸方向を実質的に直交させて積層するこ
    とにより全体のレターデーション値を30nm未満となし
    たこと、 硬化物層(3) が積層体の両最外層となるように積層した
    こと、 積層体の厚みが200μm 以上となるように単位積層シ
    ート(4) を積層したこと、および、 積層体の少なくとも片面の表面粗度が± 0.1μm 以下で
    あること、を特徴とする光等方性積層体。
  2. 【請求項2】接着剤層(ad)がノンソルベント型の接着剤
    から形成された層である請求項1記載の光等方性積層
    体。
  3. 【請求項3】液晶表示パネル用電極基板である請求項1
    記載の光等方性積層体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014113705A (ja) * 2012-12-06 2014-06-26 Nitto Denko Corp 積層体および該積層体を用いた透明導電性フィルム
JP2016538160A (ja) * 2013-11-19 2016-12-08 エルジー・ケム・リミテッド プラスチックフィルム積層体

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US10391748B2 (en) 2013-11-19 2019-08-27 Lg Chem, Ltd. Plastic film laminate

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