JP3098304B2 - 光学用積層シートの製造方法 - Google Patents
光学用積層シートの製造方法Info
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Description
ぐれた光学用積層シート(殊に液晶表示パネル製造用の
電極基板に適した光学用積層シート)を工業上有利に製
造する方法に関するものである。
来はガラスが用いられていたが、薄型にできないこと、
耐衝撃性が劣ること、量産化しにくいことなどの問題点
があるため、最近ではプラスチックス基板を用いること
が多くなっており、本出願人においても以下に述べるよ
うないくつかの出願を行っている。
には、ポリカーボネート系樹脂等のシートからなるレタ
ーデーション値30nm以下の基材層の少なくとも片面に
水性アンカーコート層を設けた後、そのアンカーコート
層の上に耐透気性樹脂または/および架橋性樹脂硬化物
からなる単層または複層の保護層を設けた液晶表示パネ
ル用電極基板が示されている。
気性合成樹脂フィルム層と架橋性樹脂硬化物層との積層
体同士が、それぞれの耐透気性合成樹脂フィルム層面が
対向する状態で接着剤層を介して積層一体化された構成
を有する液晶表示パネル用電極基板が示されている。
製膜法により形成された耐透気性合成樹脂フィルム層の
両面に、その耐透気性合成樹脂フィルム層と反応しうる
架橋剤を使用した架橋性樹脂硬化物層を流延法により直
接形成させるようにした液晶表示パネル用電極基板の製
造法が示されている。
剤性を有しない樹脂層を有するレターデーション値30
nm以下の基材シートの樹脂層側に、アルコール可溶性紫
外線硬化型接着剤層または水系熱硬化型接着剤層を積層
し、さらにその接着剤層上に剥離性シートを積層した液
晶表示パネル製造用の貼着型積層シートが示されてお
り、基材シートの例として、ポリカーボネート等の樹脂
シート/アンカーコーティング層/耐透気性合成樹脂層
/フェノキシエーテル系架橋重合体層の層構成を有する
シートがあげられている。
ル状に巻回可能な電極支持フィルムの片面に透明電極を
設けた構成を有する透明電極付き電極支持フィルムの電
極支持フィルム側を、レターデーション値が80nm以
下、光線透過率が60%以上の母材に貼着により積層一
体化した透明電極付き液晶セル基板が示されており、電
極支持フィルムの例として、樹脂フィルム層/アンカー
コーティング層/架橋性樹脂硬化物層、樹脂フィルム層
/アンカーコーティング層/耐透気性合成樹脂フィルム
層/架橋性樹脂硬化物層、架橋性樹脂硬化物層/耐透気
性合成樹脂フィルム層/アンカーコーティング層/樹脂
フィルム層/アンカーコーティング層/耐透気性合成樹
脂フィルム層/架橋性樹脂硬化物層、架橋性樹脂硬化物
層/耐透気性合成樹脂フィルム層/接着剤層/耐透気性
合成樹脂フィルム層/架橋性樹脂硬化物層などの層構成
を有するフィルムがあげられている。
板を液晶表示パネル製造用の電極基板として用いる場合
は、架橋性樹脂硬化物層上にITO等の透明電極を形成
させ、さらにその上に配向膜を設けてから、液晶セルに
組み立てる。この場合、基板間に封じ込める液晶がTN
(ツイステド・ネマチック)液晶である場合には、透明
電極形成側の基板表面の多少の凹凸は製品品質にほとん
ど影響を及ぼさない。というのは、TN液晶を用いた液
晶セルから組み立てた液晶表示パネルは無彩色であっ
て、濃淡さえはっきりすればパネルとして合格となるか
らである。
STN(スーパー・ツイステド・ネマチック)液晶であ
る場合には、基板間の間隙が5〜6μm 程度にすぎない
にもかかわらずSTN液晶によりたとえば270゜程度
のツイストがなされるため、透明電極形成側の基板表面
にわずかの凹凸があっても表示に紫、緑などの色がつい
て画面が非常に見にくくなるという事態を生じ、この点
がプラスチックス基板を用いた液晶表示パネルの最大の
弱点となっていた。上に引用した本出願人の出願にかか
る電極基板も、この問題点については充分な解決がなさ
れていなかった。
面平滑性の極めてすぐれた光学用積層シート(殊に液晶
表示パネル製造用の電極基板に適した光学用積層シー
ト)を工業上有利に製造する方法を提供することを目的
とするものである。
トの製造方法は、少なくとも表面層が耐透気性樹脂層で
ある単層または複層のシートであってアンカーコーティ
ング層を設けまたは設けない光等方性シート(1) と平滑
面を有する平滑化鋳型材(3) との間隙に活性エネルギー
線硬化型樹脂組成物の樹脂液(2a)を供給して該樹脂液(2
a)が両者間に層状に挟持されるようにし、ついで活性エ
ネルギー線の照射によりその挟持層(2b)を硬化させて活
性エネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) となすことを特徴
とするものである。
ト」、「フィルム」、「層」とあるのはいずれも薄層物
という意味であり、厚さを限定するものではない。
表面層が耐透気性樹脂層である単層または複層の光等方
性シートが用いられる。
しては、たとえば、アクリロニトリル成分、ビニルアル
コール成分またはハロゲン化ビニリデン成分を50モル
%以上含有する重合体から形成された層があげられ、特
にポリビニルアルコールまたはその共重合変性物あるい
はグラフト物、エチレン含量が15〜50モル%のエチ
レン−ビニルアルコール共重合体など、水酸基を有する
ポリマーが重要である。
れ、その酸素透過率(ASTM D-1434-75に準じて測定)が
30cc/24hr・m2・atm 以下、殊に20cc/24hr・m2・
atm以下さらには10cc/24hr・m2・atm 以下であるこ
とが望ましい。耐透気性樹脂層の厚さは、1〜50μm
、殊に2〜20μm の範囲に設定するのが適当であ
る。
脂層以外の層としては、基材層、架橋性樹脂硬化物層な
どがあげられる。光等方性シート(1) の層構成の例は、
耐透気性樹脂層、耐透気性樹脂層/耐透気性樹脂層、耐
透気性樹脂層/基材層、耐透気性樹脂層/基材層/耐透
気性樹脂層、耐透気性樹脂層/基材層/耐透気性樹脂層
/架橋性樹脂硬化物層などである。なお積層構成の場合
は、層間にアンカーコーティング層や接着剤層を設ける
ことができる。また光等方性シート(1) の表面層を構成
する耐透気性樹脂層の表面には、必要に応じアンカーコ
ーティング層を設けることができる。
ト、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリスルホン、ポリアリレート、アモルファスポリ
オレフィン、ポリパラバン酸系樹脂、ポリアミドなどが
用いられる。
とが望ましい。基材層は流延法や押出法により得られ、
その厚さは30μm 〜3mm程度とすることが多い。
性樹脂としては、フェノキシエーテル型架橋性樹脂、エ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルエポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、フェノール樹脂またはウレタン樹脂などが
あげられる。
記の化1で示されるフェノキシエーテル型重合体であ
る。
素数1〜3の低級アルキル基またはBr 、R7 は炭素数
2〜4の低級アルキレン基、mは0〜3の整数、nは2
0〜300の整数をそれぞれ意味する。)
ある多官能性化合物を架橋反応させると、フェノキシエ
ーテル型架橋重合体が得られる。架橋重合体を得るため
に反応させる架橋剤(多官能性化合物)としては、水酸
基との反応活性が高い基、例えば、イソシアネート基、
カルボキシル基、カルボキシル基における反応性誘導基
(たとえばハライド、活性アミド、活性エステル、酸無
水物基等)、メルカプト等を同一または異なって2以上
有する化合物などが用いられ、特にポリイソシアネート
が重要である。
に少なくとも3個以上のアクリロイルオキシ基または/
およびメタアクリロイルオキシ基を含有する化合物(以
下、多官能(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物と
いう)を主成分とする多官能不飽和単量体または/およ
びその初期ラジカル反応物を主成分とする組成物をあげ
ることができる。特に好ましいのは、分子中に少なくと
も3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を含有する
多官能不飽和単量体を、全不飽和単量体に対して50重
量%以上、好ましくは70重量%、特に好ましくは90
重量%以上含有する不飽和単量体混合物または/および
その初期ラジカル反応物から成る組成物である。
構成する活性エネルギー線硬化型樹脂としては、光重合
性を有するプレポリマーまたは/およびモノマーに、必
要に他の単官能または多官能モノマー、各種ポリマー、
光重合開始剤、増感剤を配合した樹脂組成物が用いられ
る。
リエステルアクリレート、ポリエステルウレタンアクリ
レート、エポキシアクリレート、ポリオールアクリレー
トなどが例示され、光重合性モノマーとしては、単官能
アクリレート、2官能アクリレート、3官能以上のアク
リレートなどが例示される。これらの中では、硬化後の
物性が良好なエポキシアクリレートが特に有用であるの
で、これを少なくとも一部用いることが望ましい。
マーとしては、上記のほか、下記の化2で示されるホス
ファゼン系樹脂も好適に用いられる。
型樹脂であるときは、通常光開始剤や増感剤を少量併用
するが、樹脂の種類によってはこれらを配合しないで紫
外線照射しても硬化する場合がある。光開始剤としては
アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーケト
ン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエーテル、ベン
ジルケタール類、チオキサントン類をはじめとする種々
の光硬化剤が用いられ、増感剤としてはアミン類、ジエ
チルアミノエチルメタクリレートをはじめとする種々の
増感剤が用いられる。
し必要なら少量の溶剤を併用しても差し支えない。
厚さは適宜に設定できるが、1〜20μm 、殊に2〜1
0μm とすることが多い。
には次の第1の方法により製造される。すなわち、アン
カーコーティング層を設けまたは設けない光等方性シー
ト(1) と平滑フィルムからなる平滑化鋳型材(3) との間
隙に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の樹脂液(2a)を
供給して該樹脂液(2a)が両者間に層状に挟持されるよう
にする。光等方性シート(1) は製膜用ロール(4a)に、平
滑化鋳型材(3) は製膜用ロール(4b)にそれぞれ予め供給
しておき、両製膜用ロール(4a), (4b)間の間隙は所定の
値に調整しておく。製膜用ロール(4a), (4b)は必要に応
じ保温可能に構成しておく。
記の挟持層(2b)を硬化させて活性エネルギー線硬化型樹
脂硬化層(2) となす。活性エネルギー線としては、紫外
線、電子線などがあげられる。活性エネルギー線照射時
の積算光量や線量は、活性エネルギー線硬化型樹脂硬化
層(2) の厚さなどを考慮して最適範囲に設定し、平滑化
鋳型材(3) の円滑剥離性や活性エネルギー線硬化型樹脂
硬化層(2) の耐溶剤性を確保するようにする。
ネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) /平滑化鋳型材(3) よ
りなる積層体が得られるので、爾後の任意の段階でその
積層体から平滑化鋳型材(3) を剥離除去し、光等方性シ
ート(1) /活性エネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) より
なる積層シートを得る。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート、二軸延伸
ポリブチレンテレフタレートシート、二軸延伸ポリエチ
レンナフタレートシート等の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムや、二軸延伸ポリプロピレンフィルムなどが用いら
れ、コストおよび平滑性を加味すると二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートフィルムが特に重要である。この場
合、その表面がコロナ放電や火炎処理されていると、爾
後の工程での平滑化鋳型材(3) の剥離が困難となるの
で、そのような処理を施さないものを用いるように留意
する。
0.15μm 以下、好ましくは0.05μm以下、さらには0.01
μm 以下であることが要求され、表面粗度が0.15μm よ
りも大きくなると所期の平滑性を有する光学用積層シー
トが得られなくなる。上記の二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムのうち填料を配合しないものは、二
軸延伸により表面平滑性が顕著に向上するので、平滑性
を極限にまで上げることができる。
る第2の方法は、アンカーコーティング層を設けまたは
設けない光等方性シート(1) または平滑フィルムからな
る平滑化鋳型材(3) の一方に活性エネルギー線硬化型樹
脂組成物の樹脂液(2a)を流延しておき、該流延層に平滑
化鋳型材(3) または光等方性シート(1) を被覆させなが
らロールの間隙により挟持層(2b)の厚さを制御しつつ、
活性エネルギー線の照射により挟持層(2b)を硬化させて
活性エネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) となす方法であ
る。
る第3の方法は、アンカーコーティング層を設けまたは
設けない光等方性シート(1) 上に活性エネルギー線硬化
型樹脂組成物の樹脂液(2a)を流延しておき、該流延層に
平滑化鋳型材(3) としての平滑加工したガラスを押し当
てながら挟持層(2b)の厚さを制御しつつ、活性エネルギ
ー線の照射により挟持層(2b)を硬化させて活性エネルギ
ー線硬化型樹脂硬化層(2) となす方法である。この方法
においては、使用したガラスを反復使用する。
活性エネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) の自由面の表面
粗度は、平滑化鋳型材(3) の表面平滑性の程度などなど
に応じ、 0.5μm 以下、好ましくは 0.2μm 以下、さら
に好ましくは 0.1μm 以下となる。一般に、溶融押出フ
ィルムの表面粗度は100μm 厚のフィルムで3〜4μ
m 、流延製膜フィルムの表面粗度は100μm 厚のフィ
ルムで2〜3μm であるから、活性エネルギー線硬化型
樹脂硬化層(2) の自由面の表面粗度は常識外とも言える
ほど小さいものである。
型樹脂硬化層(2) の耐熱性、耐溶剤性、透明電極形成性
もすぐれたものとなる。
は、光学的用途に用いることを考慮して、その全体のレ
ターデーション値が60nm以下、好ましくは30nm以
下、可視光線透過率が60%以上、好ましくは70%以
上であることが望ましい。
ルギー線硬化型樹脂硬化層 (2)よりなる層構成の積層シ
ートの活性エネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) 上に透明
電極を設け、さらにその上から配向膜を形成すれば、液
晶セル基板が作製できる。
タリング法、イオンプレーティング法、金属溶射法、金
属メッキ法、化学蒸着法、スプレー法などが採用され、
特にスパッタリング法が重要である。透明電極の材質と
しては、主としてSn 、In、Ti 、Pb 、Tb 等の金
属またはそれらの酸化物が用いられ、透明電極の層厚
は、少なくとも100オングストローム、さらには20
0オングストローム以上とするのが通常である。
ートは、液晶表示パネル製造用の電極基板として特に重
要であるが、位相差板用部材、偏光板用部材、光ディス
ク、光カードなどの用途にも適用することができる。
にあっては、積層シートの表面に位置する活性エネルギ
ー線硬化型樹脂硬化層(2) の自由面の表面平滑度が極め
て高いので、たとえばこれをSTN液晶を封入する液晶
セルの電極基板として用いた場合であっても、表示に
紫、緑などの色がついて画面が非常に見にくくなるとい
う事態を生じない。
る。以下「部」とあるのは重量部である。
例を示した工程図である。
ト、(7) リップ状の吐出口、(4a), (4b)は1対の製膜用
ロールである。(8) は紫外線照射装置である。(9) はニ
ップロール、(10)は積層シート(S) を剥離するための剥
離用ロールである。
ト(厚さ110μm 、レターデーション値12nm)の片
面に水溶性四級化エステルウレタン系アンカーコーティ
ング剤を塗布、乾燥して厚さ 0.5μm のアンカーコーテ
ィング層を設けた後、そのアンカーコーティング層の上
から、エチレン含量32モル%のエチレン−ビニルアル
コール共重合体20部、水45部、n−プロパノール5
0部、メチロール化メラミン (住友化学工業株式会社製
スミテックM−3)4部よりなる組成の樹脂液を流延
し、温度110℃の乾燥機中を通過させて乾燥させた。
これにより、厚さ8μm の耐透気性樹脂層が形成され
た。
トシートの他面にも厚さ 0.5μm のアンカーコーティン
グ層を設け、さらにそのアンカーコーティング層の上か
ら上記と同じ厚さ8μm の耐透気性樹脂層を設けた。
フェノキシエーテル樹脂(東都化成株式会社製)40
部、メチルエチルケトン40部、セロソルブアセテート
20部、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプ
ロパンとのアダクト体の75%溶液(日本ポリウレタン
株式会社製コロネートL)40部よりなる組成の硬化性
樹脂組成物をアプリケーターを使用して塗布し、80℃
で4分間乾燥してから、130℃で20分間加熱して、
厚さ10μm のフェノキシエーテル樹脂系の架橋性樹脂
硬化物層を形成させた。
ら、市販の溶剤タイプのウレタン系アンカーコーティン
グ剤による厚さ1μm のアンカーコーティング層を形成
させた。
透気性樹脂層/アンカーコーティング層/基材層/アン
カーコーティング層/耐透気性樹脂層/架橋性樹脂硬化
物層の層構成を有する光等方性シート(1) が得られた。
μm 、表面粗度 0.004μm のコロナ放電処理していない
二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株
式会社製Oタイプ)を準備した。
樹脂「V−254PA」100部にベンゾフェノン1部
を加え、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の樹脂液(2
a)を調製した。
ャケット(6) に熱媒を送って内容物を約30℃に保温す
ると共に、脱気を行った。
製膜用ロール(4a), (4b)の間隙に吐出口(7) から樹脂液
(2a)を吐出した。
記の光等方性シート(1) および平滑化鋳型材(3) をそれ
ぞれ供給してあり、吐出口(7) から吐出した樹脂液(2a)
が光等方性シート(1) の耐透気性樹脂層面(架橋性樹脂
硬化物層とは反対側の面)と平滑化鋳型材(3) の平滑面
との間に挟持されて挟持層(2b)となるようにした。
トを紫外線照射装置(8) にて下記の条件で紫外線照射
後、平滑化鋳型材(3) を剥離除去した。紫外線照射によ
り挟持層(2b)は硬化して、活性エネルギー線硬化型樹脂
硬化層(2) となった。これにより、活性エネルギー線硬
化型樹脂硬化層(2) /光等方性シート(1) の層構成を有
する積層シート(S) が得られた。なお平滑化鋳型材(3)
の剥離除去は、紫外線照射後にすぐ行わずに、一旦巻取
機に巻き取ってから、後日行うようにしてもよい。
項目の意味は下記の通りである。 ・厚さ (2) 厚は、形成したエネルギー線硬化型樹脂硬化層(2)
の厚さ。 ・剥離性 平滑化鋳型材(3) としての二軸延伸ポリエチレンテレフ
タレートフィルムの剥離の円滑さ。(○:良好、×:不
良) ・粗度 活性エネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) の自由面の表面
平滑度を、光の干渉を利用した非接触式表面粗さ計によ
り測定。 ・R値 積層シート(S) 全体のレターデーション値。 ・透過率 積層シート(S) 全体の可視光線透過率。 ・硬度 鉛筆硬度 ・耐溶剤性 積層シート(S) を44±1℃のジメチルアセトアミド中
に5分間浸漬して、活性エネルギー線硬化型樹脂硬化層
(2) の溶解の有無を観察した。(○:異常なし、×:溶
解)
ート(S) の活性エネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) 面
に、スパッタリング法により厚さ500オングストロー
ムのITO層からなる透明電極を直接形成させた。以下
このシートを電極基板として用いて、常法に従い、配向
膜の形成とラビング処理、液晶セルの組み立て、位相差
板および偏光板の積層を行い、液晶表示パネルを作製し
た。得られた液晶表示パネルは、表示に着色が見られ
ず、ガラスを基板として用いた液晶表示パネルと遜色の
ない性能を有していた。
リレートシート(鐘淵化学株式会社製、厚さ100μm
、レターデーション値15nm)を用いたほかは実施例
1と同様にして光等方性シート(1) を得た。
硬化性樹脂「出光PPZ」100部にベンゾフェノン1
部を加え、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の樹脂液
(2a)を調製した。
a)を用いたほかは実施例1を繰り返した。条件および結
果を表2に示す。
脂層/アンカーコーティング層/基材層/アンカーコー
ティング層/耐透気性樹脂層/アンカーコーティング層
の層構成を有する光等方性シート(1) を製造した。
と同様にしてその片面に厚さ 4.0μm の活性エネルギー
線硬化型樹脂硬化層(2) を形成させ、引き続きもう一方
の面にも厚さ 4.0μm の活性エネルギー線硬化型樹脂硬
化層(2) を形成させた。得られた積層シート(S) の活性
エネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) 面の表面粗度は、両
面とも 0.1μm 以下であった。
ンカーコーティング層を設けてある)に実施例1の樹脂
液(2a)を流延しておき、該流延層に平滑化鋳型材(3) と
しての平滑加工した表面粗度0.05μm のガラスを押し当
てながら挟持層(2b)の厚さを 5.0μm に制御しつつ紫外
線照射を行い、ついでガラスを剥離除去した。得られた
積層シート(S) の活性エネルギー線硬化型樹脂硬化層
(2) 面の表面粗度は 0.1μm 以下であった。
シートにあっては、たとえばこれをSTN液晶を封入す
る液晶セルの電極基板として用いた場合であっても、表
示に紫、緑などの色がついて画面が非常に見にくくなる
という事態を生じない。
STN液晶方式の普及には目を見張るものがあるが、本
発明により、その用途にガラス基板に代えてプラスチッ
クス基板を用いても、表示特性が遜色のないものとなる
のである。
るにもかかわらず、その製造工程がシンプルであるとい
う工業上の有利さを有する。
一例を示した工程図である。
Claims (2)
- 【請求項1】少なくとも表面層が耐透気性樹脂層である
単層または複層のシートであってアンカーコーティング
層を設けまたは設けない光等方性シート(1) と平滑面を
有する平滑化鋳型材(3) との間隙に活性エネルギー線硬
化型樹脂組成物の樹脂液(2a)を供給して該樹脂液(2a)が
両者間に層状に挟持されるようにし、ついで活性エネル
ギー線の照射によりその挟持層(2b)を硬化させて活性エ
ネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) となすことを特徴とす
る光学用積層シートの製造方法。 - 【請求項2】活性エネルギー線硬化型樹脂硬化層(2) の
自由面の表面粗度が 0.5μm 以下であり、積層シート全
体のレターデーション値が60nm以下、可視光線透過率
が60%以上である請求項1記載の光学用積層シートの
製造方法。
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