JP2645519B2 - 透明電極付き液晶セル基板の製造法 - Google Patents

透明電極付き液晶セル基板の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、液晶セルを作製するための透明電極付き液
晶セル基板の製造法に関するものである。
従来の技術 液晶表示パネルは、基本的には、液晶セルの両側に偏
光板を配置した構成を有する。
このうち液晶セルは、透明電極を形成した2枚の液晶
セル基板の透明電極側をスペーサを介して対向配置し、
両基板の間に液晶を封入すると共に、周縁をエポキシ系
接着剤などの接着剤で完全にシールした構成を有する。
なお、片方の透明電極上には予め全面に配向層を形成す
ると共に、ラビング処理を施しておき、他方の透明電極
は、予めパターン出し(レジスト塗布、現像、エッチン
グ、硬化レジストの剥離)を行うと共に、その上から配
向層を形成し、さらにラビング処理を行っておく。
上記液晶セル基板としては、従来は専らガラス板が用
いられていたが、ガラス板は重く、破損しやすく、また
大型液晶表示パネルにあってはギャップの均一化のため
の精密な研磨を要するので、最近ではこのような不利の
ないプラスチックス基板の開発が進んでいる。
液晶セル基板上への透明電極の形成には、通常真空蒸
着法やスパッタリング法が採用される。ところが、液晶
セル基板はたとえプラスチックス基板を用いていても相
応の厚さを有するので(パネルが大型化すると薄く剛性
のないプラスチックス基板では液晶を封入する基板間の
間隙を所定の精度に保つことができない)、液晶セル基
板をロール状に巻き取ることはできない。そのため、液
晶セル基板に連続的に透明電極を形成することは不可能
である。
そこで従来は、所定の寸法の液晶セル基板を真空蒸着
装置またはスパッタリング装置内に供給して高真空条件
にもたらし、真空蒸着またはスパッタリングを行ってか
ら真空状態を解除して取り出し、ついで次の液晶セル基
板を装置内に供給して同様の操作を繰り返すことが行わ
れている。
また、透明電極形成後の配向層の形成とラビング処
理、あるいはパターン出し、配向層の形成およびラビ
ング処理工程も、バッチ方式で行われている。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述の如き透明電極付き液晶セル基板
の製造法、つまり高真空と真空解除とを繰り返す方法
は、工程的に見て生産性が劣り、液晶表示パネルのコス
ト高の原因となっている。
同様に、透明電極形成後の配向層の形成とラビング
処理、あるいはパターン出し、配向層の形成およびラ
ビング処理工程も、バッチ方式で行われるため、著しく
生産性が劣る。
本発明は、このような状況に鑑み、上述の問題点を一
挙に解決することを目的になされたものである。
課題を解決するための手段 本発明の透明電極付き液晶セル基板の製造法は、透明
電極(2)形成装置内において、供給ロールに巻回した
レターデーション値が40nm以下で光線透過率が80%以上
の無色透明の電極支持フィルム(1)を、前記供給ロー
ルから繰り出しながら巻取ロールに巻き取る間に前記電
極支持フィルム(1)の片面に真空下に透明電極(2)
を形成させ、次にその透明電極(2)上への配向層
(3)の形成およびラビング処理までの工程をいずれも
ロール・ツウ・ロールにて行い、ついで得られた透明電
極(2)付き電極支持フィルム(1)の透明電極(2)
が付いていない方の面の側を、レターデーション値が60
nm以下で光線透過率が80%以上の剛性のあるシートまた
は板からなる無色透明の母材(4)に、アルコール可溶
性紫外線硬化型接着剤あるいは水系またはアルコール可
溶性熱硬化型接着剤からなる接着剤を用いて貼着するこ
とを特徴とするものである。
電極支持フィルム(1) 電極支持フィルム(1)としては、レターデーション
値が40nm以下で光線透過率が80%以上の無色透明のフィ
ルムであって、かつロール状に巻回可能なフィルムであ
れば、種々の単層または複層のフィルムが使用できる。
レターデーション値が40nmを越えるとき、光線透過率が
80%未満のとき、あるいは有色であるときは、液晶表示
パネルとしたときの表示の鮮明度の点で実用性を欠くよ
うになる。無色とは、染料や顔料で故意に色をつけない
という意味である。
ロール状に巻回可能であることが要求されるので、そ
の厚さは通常20〜500μm、殊に50〜200μmの範囲から
選択する。
単層フィルムの場合は、ポリカーボネート、ポリエー
テルスルホン、ポリスルホン、ポリアリーレンエステ
ル、ポリパラバン酸樹脂、アモルファスポリオレフィ
ン、セルロース系樹脂などの樹脂を製膜した樹脂フィル
ム層(11)が用いられる。
複層フィルムの場合は、上述の樹脂フィルム層(11)
の少なくとも2層、あるいは、上述の樹脂フィルム層
(11)、耐透気性合成樹脂フィルム層(12)および架橋
性樹脂硬化物層(13)のうちの少なくとも2種の層を含
む複層フィルムが好適に用いられる。
このような複層フィルムのうち、次の層構成を有する
複層フィルムは、好ましい層構成の代表例である。
樹脂フィルム層(11)/接着剤層(ad)/樹脂フィル
ム層(11)の層構成、 樹脂フィルム層(11)/アンカーコーティング層(a
c)/架橋性樹脂硬化物層(13)の層構成、 樹脂フィルム層(11)/アンカーコーティング層(a
c)/耐透気性合成樹脂フィルム層(12)/架橋性樹脂
硬化物層(13)の層構成、 架橋性樹脂硬化物層(13)/耐透気性合成樹脂フィル
ム層(12)/アンカーコーティング層(ac)/樹脂フィ
ルム層(11)/アンカーコーティング層(ac)/耐透気
性合成樹脂フィルム層(12)/架橋性樹脂硬化物層(1
3)の層構成、 架橋性樹脂硬化物層(13)/耐透気性合成樹脂フィル
ム層(12)/接着剤層(ad)/耐透気性合成樹脂フィル
ム層(12)/架橋性樹脂硬化物層(13)の層構成。
ここで耐透気性合成樹脂層(12)としては、酸素透過
率(ASTM D−1434−75に準じて測定)が30cc/24hr・atm
以下、好ましくは20cc/24hr・atm以下の層、殊に、アク
リロニトリル成分、ビニルアルコール成分またはハロゲ
ン化ビニリデン成分を50モル%以上含有し、かつ後述の
架橋性樹脂硬化物層(13)との反応基を含有する重合体
から形成された層があげられる。これらの中では、ポリ
ビニルアルコールまたはその共重合変性物あるいはグラ
フト物、エチレン含量が15〜50モル%のエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体あるいはそのグラフト物などOH基
を有するポリマーが重要である。このような耐透気性合
成樹脂層(12)を後述の架橋性樹脂硬化物層(13)と隣
接させると、両層間に接着剤層を設けなくても、後者の
硬化に用いた硬化剤により同時に前者との密着が図られ
るので有利であり、また両層の積層により、後者の脆さ
は前者によりカバーされ、前者の透湿性は後者によりカ
バーされる。
架橋性樹脂硬化物層(13)としては、フェノキシエー
テル系架橋性樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂などの架橋性
樹脂の硬化物の層があげられる。これらのうち特に好ま
しいものは、下記の一般式で示されるフェノキシエーテ
ル系重合体と架橋剤との組成物から形成される層であ
る。
(式中、R1〜R6はそれぞれ水素、炭素数1〜3の低級ア
ルキル基またはBr、R7は炭素数2〜4のアルキレン基、
mは0〜3の整数、nは20〜300の整数をそれぞれ意味
する。) 架橋剤としては、活性水素との反応活性の高い基、た
とえばイソシアネート基、カルボキシル基における反応
性誘導基(たとえばハライド、活性アミド、活性エステ
ル、酸無水物等)、メルカプト基などを2以上有する化
合物が用いられ、特にポリイソシアネート基が重要であ
る。
アンカーコーティング層(ac)または接着剤層(ad)
におけるアンカー剤または接着剤(感圧接着剤、感熱接
着剤等を含む)としては、アンカーコーティングまたは
接着の対象となる樹脂層を冒さないものであれば種々の
ものが選択使用できる。殊に、後述のアルコール可溶性
紫外線硬化型や、水系またはアルコール可溶性熱硬化型
接着剤は、好適なアンカー剤または接着剤の代表例であ
る。
透明電極(2) 透明電極(2)を形成するための素材としては、Sn、
In、Ti,Pb等の金属、あるいはこれらの酸化物が用いら
れ、金属単体を上述の電極支持フィルム(1)上に形成
したときは、必要に応じてその後酸化することもでき
る。当初から酸化物層として付着形成させる方法も採用
できるが、最初は金属単体または低級酸化物の形態で被
膜を形成し、ついで加熱酸化あるいは液相酸化等の酸化
処理を施して透明化する手段を採用することもできる。
低温スパッタリング装置を用いる場合は、酸化加熱工程
を省略することが可能である。なお上記以外に、Al、P
t、Ag等の貴金属を用いる場合もある。
本発明においては、透明電極(2)の形成を次のよう
にして行う。
まず、供給ロールに巻回した電極支持フィルム(1)
と巻取ロールとを、真空蒸着装置、スパッタリング装置
などの透明電極(2)形成装置内にセットしておく。
装置内を高真空にもたらし、電極支持フィルム(1)
を前記供給ロールから繰り出しながら巻取ロールに巻き
取る間に、前記電極支持フィルム(1)の片面に透明電
極(2)を連続的に形成させていく。
透明電極(2)形成後は、装置内の真空状態を解除
し、巻取ロールに巻き取られた透明電極(2)付き電極
支持フィルム(1)を取り出す。
透明電極(2)の層厚は、100Å以上、好ましくは200
Å以上とすることが多い。
配向層(3) 上述のように電極支持フィルム(1)上に透明電極
(2)を形成した後は、その上から配向層(3)を設け
る。
すなわち、液晶セルを製作するための片方の電極支持
フィルム(1)の透明電極(2)上には、予め全面に配
向層(3)を形成すると共に、ラビング処理を施す。
また、液晶セルを製作するための他方の電極支持フィ
ルム(1)の透明電極(2)上には、パターン出し(レ
ジスト塗布、現像、エッチング、硬化レジストの剥離)
を行った後、その上から配向層(3)を形成し、さらに
ラビング処理を施す。
これら一連の工程、すなわち、透明電極(2)上への
配向層(3)の形成とラビング処理、あるいは透明電極
(2)に対するパターン出し、配向層(3)の形成およ
びラビング処理は、電極支持フィルム(1)がロール状
に巻回可能であるので、電極支持フィルム(1)をロー
ルからロールに送る間に連続的に行うことができる。つ
まりロール・ツウ・ロールにて行うことができる。
母材(4) 本発明においては、上記で得られた透明電極(2)付
きの電極支持フィルム(1)(透明電極(2)上にはさ
らに配向層(3)が設けられている)の透明電極(2)
が付いていない方の面の側を接着剤を用いて母材(4)
に貼着する。
第1図は本発明の方法に従って製造した液晶セル基板
の断面図である。
母材(4)としては、レターデーション値が60nm以
下、光線透過率が80%以上で、無色透明の剛性のあるシ
ートまたは板を用いる。レターデーション値が60nmを越
えるとき、光線透過率が80%未満のとき、あるいは有色
であるときは、液晶表示パネルとしたときの表示の鮮明
度の点で実用性を欠くようになる。無色とは、染料や顔
料で故意に色をつけないという意味である。剛性のある
シートまたは板とは、材質または厚さの点でロール状に
巻回しにくいか巻回不可能なシートまたは板の意味であ
る。
母材(4)の厚さは、500〜5000μm、殊に600〜3000
μmが適当である。母材(4)の中で特に好ましいもの
は、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネート、
ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルスルホン、ポ
リアリーレンエステル、ポリアクリレート(ポリメチル
メタクリレートやポリメチルアクリレート)、ガラスな
ど、殊に最初の2者である。
貼着は接着剤を用いて行われるが、通常の接着剤を用
いると、その接着剤中に含まれる溶剤に起因して、電極
支持フィルム(1)または母材(4)の種類によっては
その表面が冒されることがある。また、通常の接着剤は
貼着操作の点で不便であり、感圧接着剤は通常の接着剤
のように完全硬化しないという問題点がある。
そこで、透明電極(2)付き電極支持フィルム(1)
と母材(4)との貼着のために、そして好ましくは電極
支持フィルム(1)の説明の項で述べたアンカーコーテ
ィング層(ac)、接着剤層(ad)の形成のためのアンカ
ー剤または接着剤として、以下に詳述するアンコール可
溶性紫外線硬化型接着剤や、水系またはアルコール可溶
性熱硬化型接着剤を用いられる。
アルコール可溶性紫外線硬化型接着剤としては、たと
えば、非官能性ポリマーと多官能性または/および単
官能性モノマー、官能性プレポリマー、官能性プレ
ポリマーと多官能性または/および単官能性モノマー、
官能性プレポリマーと非官能性ポリマーと多官能性ま
たは/および単官能性モノマー、官能性プレポリマー
と非官能性ポリマーに、重合開始剤を配合し、さらに必
要に応じ添加剤を配合した組成物のアルコール溶液が用
いられる。ここで非官能性ポリマーとしては、ウレタン
系ポリマー、アミド系ポリマー、アクリル系ポリマー、
ポリエステル系ポリマーなどが例示される。
上に述べたアルコール可溶性紫外線硬化型接着剤の中
では、ウレタンアクリレート系の一液型紫外線硬化型接
着剤であって、イソプロパノールを溶媒とするものが最
も好ましく、市販品としては、武田薬品工業株式会社製
のタケライトUV−500がある。
水系熱硬化型接着剤としては、エステル結合、アミド
結合、ウレタン結合およびエーテル結合よりなる群から
選ばれた少なくとも1種の結合基により高分子化した高
分子であって、自身を水性媒体中に溶解または分散させ
るに足る量の親水基を分子内に有する高分子と硬化剤と
からなる組成物が用いられる。水性媒体としては、水の
ほか、水とアルコールとの混合溶剤があげられ、親水基
としては、スルホン酸金属塩基、カルボキシル基、第1
級アミン基、第2級アミン基、第3級アミン基、第4ア
ンモニウム基などがあげられる。親水基を分子内に有す
る高分子の代表例としては、上述の親水基を有するポリ
エステル樹脂、上述の親水基を有するポリアミド樹脂、
上述の親水基を有するポリウレタン樹脂、上述の親水基
を有するポリエステルウレタン樹脂、ポリエチレンとポ
リアクリル酸と変性デンプンとの混合物からなるイオン
高分子錯体などがあげられる。なお高分子とは、オリゴ
マーまたはプレポリマーを含む概念である。
水系熱硬化型接着剤と同様に、アルコールに可溶また
はアルコールで稀釈可能な熱硬化型接着剤も用いること
ができる。
これらの接着剤で形成される層の厚さに特に限定はな
いが、乾燥基準で1〜50μm、殊に3〜30μmに設定す
ることが多い。ただしこれらの接着剤をアンカー剤とし
て用いるときは、0.2μm以上であればよい。
母材(4)に透明電極(2)付き電極支持フィルム
(1)を貼着した後は、常法に従い液晶セルが組み立て
られる。
作用および発明の効果 本発明においては、ロール状に巻回可能な透明電極
(2)付き電極支持フィルム(1)を用いるので、透明
電極(2)の形成が連続的になされ、従来のようにロー
ル巻きが困難ないし不可能な材質または厚さの基板を用
いて高真空と真空解除を繰り返す方法に比し、生産性が
格段に向上し、製造コストの低廉化も図られる。
また、透明電極(2)形成後の配向層(3)の形成と
ラビング処理、あるいはパターン出し、配向層(3)の
形成およびラビング処理工程も、ロール・ツウ・ロール
で行われるので、これらの工程をバッチで行う方法に比
し、生産性および製造コストの点で格段に有利となる。
液晶セル基板の製造は、上記の透明電極(2)付き電
極支持フィルム(1)を母材(4)に貼着により積層一
体化するだけで足り、目的とする液晶表示パネルを効率
的にかつ安価に製造することができる。
そして、上記貼着(透明電極(2)付き電極支持フィ
ルム(1)の母材(4)への貼着)に際し、接着剤とし
てアルコール可溶性紫外線硬化型接着剤や水系またはア
ルコール可溶性熱硬化型接着剤を用いているので、前者
の場合は一方の部材に塗布乾燥後も紫外線照射を行わな
い限りは安定であり、後者の場合は一方の部材に塗布乾
燥後も加熱を行わない限りは安定であり、またこの状態
では若干のタックを有するので他方の部材への粘着が可
能である。さらに、両者を重層した後、前者にあっては
紫外線照射、後者にあっては加熱キュアを行えば、両者
間の完全接着が図られる。つまり、上記接着剤は、接着
剤でありながら従来の粘着剤のように貼着でき、しかも
永久接着を図ることができる。またこのようなアルコー
ル可溶性紫外線硬化型接着剤や水系またはアルコール可
溶性熱硬化型接着剤を用いると、電極支持フィルム
(1)や母材(4)が耐溶剤性を有しない場合でも、何
ら問題を生じないという利点がある。
実 施 例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下
「部」、「%」とあるのは、光線透過率(%)を除き、
重量基準で示したものである。
実施例1 第2〜3図は本実施例で得た液晶セル基板の断面図で
ある。
電極支持フィルム(1) 樹脂フィルムの一例としての厚さ80μm、レターデー
ション値12nm、光線透過率90%のポリカーボネートフィ
ルム(11)に、ポリエステルウレタンを主剤とする固形
分40%の水性分散液(楠本化成株式会社製NeoRez R−93
17)100部に水溶性エポキシ系硬化剤(協立化学産業株
式会社製ワールドロックX−2030)5部を配合したアン
カー剤をワイヤーラウンドドクターを用いて塗布し、90
℃で約5分乾燥して、厚さ約1μmの水系アンカーコー
ティング層(ac)を形成させた。
この水系アンカーコーティング層(ac)上に、エチレ
ン含量32モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体
16部、水48部、n−プロパノール32部よりなる組成の塗
布液を塗布し、70〜110℃で乾燥して厚さ約10μmの耐
透気性合成樹脂層(12)を形成させた。
ついで、この耐透気性合成樹脂層(12)上に、フェノ
キシエーテル系樹脂(東都化成株式会社製)40部、メチ
ルエチルケトン40部、セロソルブアセテート20部、トリ
レジイソシアネート−トリメチロールプロパンアダクト
体の75%溶液(日本ポリウレタン株式会社製のコロネー
トL)40部よりなる組成の硬化性樹脂溶液をアプリケー
ターを用いて塗布し、80℃で4分乾燥してから、130℃
で20分間熱処理し、厚さ約14μmのフェノキシエーテル
系架橋重合体層(13)を形成させた。
これにより、ポリカーボネートフィルム(11)/水系
アンカーコーティング層(ac)/耐透気性合成樹脂層
(12)/フェノキシエーテル系架橋重合体層(13)より
なる層構成の厚さ105μm、レターデーション値8nm、光
線透過率92%の電極支持フィルム(1)が得られた。
接着剤層(ad) アルコール可溶性紫外線硬化型接着剤溶液として、武
田薬品工業株式会社製のタケライトUV−500(アクリル
ウレタンを主剤とする嫌気性の紫外線硬化型樹脂のイソ
プロパノール溶液、一液型、固形分40%、ザーン粘度18
秒/25℃)を用いた。
母材(4) 厚さ1000μm、レターデーション値8nm、光線透過率9
4%のポリメチルメタクリレートシートを用いた。
透明電極(2)付き電極支持フィルム(1) 上述の電極支持フィルム(1)を供給ロールに巻回し
た状態でスパッタリング装置内にセットし、また巻取ロ
ールもこのスパッタリング装置内にセットした。
装置内を高真空にもたらし、電極支持フィルム(1)
を前記供給ロールから繰り出しながら巻取ロールに巻き
取る間に、前記電極支持フィルム(1)の片面に連続的
にITOによるスパッタリングを行い、厚さ300Åの透明電
極(2)を形成させた。その後、装置内を常圧に戻し、
巻取ロールに巻き取られた透明電極(2)付き電極支持
フィルム(1)を取り出した。
上記で得たロール状に巻回された透明電極(2)付き
電極支持フィルム(1)に、ロール・ツウ・ロールによ
り配向層(3)を形成させ、引き続き該配向層(3)に
ラビング処理を施した。また、上記のようにして得たも
う1組のロール状に巻回された透明電極(2)付き電極
支持フィルム(1)に、ロール・ツウ・ロールによりパ
ターン出し(レジスト塗布、現像、エッチング、硬化レ
ジストの剥離)、配向層(3)の形成およびラビング処
理を行った。
液晶セル基板 このようにして得た2種の透明電極(2)付き電極支
持フィルム(1)の透明電極(2)側を配向層(3)の
上から保護シートで被覆して保護すると共に、その電極
支持フィルム(1)面にアプリケーターを用いて上記の
接着剤溶液を塗布し、80℃で2分間乾燥して、厚さ10μ
mのややタックを有するアルコール可溶性紫外線硬化型
接着剤層(ad)を形成させた。
これらのシートの接着剤層(ad)側をそれぞれ上記の
母材(4)に重層して圧着し、ついで保護シートを剥離
除去した。
ついでこれらの重層シートをコンベヤ上で移動させな
がら、母材(4)の側から(透明電極(2)の側からで
もよい)照射量120W/cm、照射時間10秒の条件で紫外線
を照射し、接着剤層(ad)を完全硬化させた。これによ
り、各層間の強固な接着が図られ、第2図および第3図
に示した2種の液晶セル基板が得られた。
実施例2 樹脂フィルム(11)として、厚さ100μm、レターデ
ーション値14nm、光線透過率90%のポリエーテルスルホ
ンフィルムを用いたほかは実施例1を繰り返し、液晶セ
ル基板を製造した。
実施例3 母材(4)として、厚さ800μm、レターデーション
値10nm、光線透過率93%、屈折率1.55、吸水率0.01%以
下、軟化温度150℃、鉛筆硬度2Hのアモルファスポリオ
レフィン(三井石油化学工業株式会社製のAPC)シート
を用いたほかは実施例1を繰り返し、液晶セル基板を製
造した。
実施例4 電極支持フィルム(1)として、フェノキシエーテル
系架橋重合体層(13)/水系アンカーコーティング層
(ac)/ポリカーボネートフィルム(11)/水系アンカ
ーコーティング層(ac)/フェノキシエーテル系架橋重
合体層(13)よりなる層構成の厚さ120μm、レターデ
ーション値11nm、光線透過率90%の電極支持フィルム
(1)を得、以下実施例1と同様にして液晶セル基板を
製造した。
実施例5 電極支持フィルム(1)として、フェノキシエーテル
系架橋重合体層(13)/水系アンカーコーティング層
(ac)/ポリカーボネートフィルム(11)よりなる層構
成の厚さ120μm、レターデーション値16nm、光線透過
率89%の電極支持フィルム(1)を得、以下実施例1と
同様にして液晶セル基板を製造した。
実施例6 実施例1の透明電極(2)付き電極支持フィルム
(1)の透明電極(2)側を配向層(3)の上から保護
シートで被覆して保護すると共に、その電極支持フィル
ム(1)面にアプリケーターを用いて電極支持フィルム
(1)製造時に用いたアンカー剤と同じ組成の水系熱硬
化型接着剤溶液を塗布し、90℃で2分間乾燥して、厚さ
10μmのややタックを有する水系熱硬化型接着剤層(a
d)を形成させた。
このシートの接着剤層(ad)側を上記の母材(4)に
重層して圧着し、ついで温度120℃で20分間加熱キュア
を行い、接着剤層(ad)を完全硬化させた。保護シート
を剥離除去することにより目的とする液晶セル基板が得
られた。
実施例7 透明電極(2)付き電極支持フィルム(1)と母材
(4)とを接着する接着剤として、東洋モートン株式会
社製のアルコール可溶性接着剤であるADCOTE−70(主
剤、固形分65%)とADCOTE−9H3(硬化剤、固形分65
%)とを重量比で100:2の割合で用いたほかは実施例6
を繰り返し、液晶セル基板を製造した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法に従って製造した液晶セル基板の
断面図である。 第2〜3図は実施例1で得た液晶セル基板の断面図であ
る。 (1)……電極支持フィルム、(11)……樹脂フィル
ム、ポリカーボネートフィルム、(12)……耐透気性合
成樹脂層、(13)……架橋性樹脂硬化物層、フェノキシ
エーテル系架橋重合体層、(2)……透明電極、(3)
……配向層、(4)……母材、(ad)……接着剤層、
(ac)……水系アンカーコーティング層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−119321(JP,A) 特開 昭61−163321(JP,A) 特開 昭62−269115(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極(2)形成装置内において、供給
    ロールに巻回したレターデーション値が40nm以下で光線
    透過率が80%以上の無色透明の電極支持フィルム(1)
    を、前記供給ロールから繰り出しながら巻取ロールに巻
    き取る間に前記電極支持フィルム(1)の片面に真空下
    に透明電極(2)を形成させ、次にその透明電極(2)
    上への配向層(3)の形成およびラビング処理までの工
    程をいずれもロール・ツウ・ロールにて行い、ついで得
    られた透明電極(2)付き電極支持フィルム(1)の透
    明電極(2)が付いていない方の面の側を、レターデー
    ション値が60nm以下で光線透過率が80%以上の剛性のあ
    るシートまたは板からなる無色透明の母材(4)に、ア
    ルコール可溶性紫外線硬化型接着剤あるいは水系または
    アルコール可溶性熱硬化型接着剤からなる接着剤を用い
    て貼着することを特徴とする透明電極付き液晶セル基板
    の製造法。
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