JP3434968B2 - プラスチックス基板 - Google Patents

プラスチックス基板

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JP3434968B2
JP3434968B2 JP09365396A JP9365396A JP3434968B2 JP 3434968 B2 JP3434968 B2 JP 3434968B2 JP 09365396 A JP09365396 A JP 09365396A JP 9365396 A JP9365396 A JP 9365396A JP 3434968 B2 JP3434968 B2 JP 3434968B2
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林次郎 市川
進 岸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示パネル用
電極基板などの用途に適したプラスチックス基板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネル用電極基板(つまり液晶
セルの基板)としては、従来はガラスが用いられていた
が、重量が大であること、薄型にできないこと、破損し
やすいこと、量産化しにくいことなどの問題点があるた
め、最近ではプラスチックス基板が普及してきている。
【0003】本出願人もプラスチックス基板メーカーと
して過去に多数の出願を行っているが、このときのプラ
スチックス基板の層構成の代表例は、(イ)ポリカーボ
ネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテル
スルホンフィルム、ポリアリレートフィルムなどの基材
フィルムの両面に耐透気性樹脂層を設け、さらにこれら
の耐透気性樹脂層の上に硬化性樹脂硬化物層を設けたも
の、(ロ)基材フィルムを用いることなく、両外層がい
ずれも硬化型樹脂硬化物層で構成されると共に、これら
両外層で挟まれた内部側に耐透気性樹脂層を有するも
の、などである。後者の(ロ)にあっては、ガラスライ
クな剛性を得るために、両外層で挟まれた内部側に、耐
透気性樹脂層と共にさらに硬化型樹脂硬化物層を設ける
こともできる。
【0004】本出願人の出願にかかる特開平6−175
143号公報には、高分子シート製の光等方性ベースシ
ートの少なくとも片面に金属酸化物層を介して硬化性樹
脂硬化物層を設けた積層シートからなる電極基板、およ
び、高分子シート製の光等方性ベースシートの少なくと
も片面に硬化性樹脂硬化物層を介して金属酸化物層を設
けた積層シートからなる電極基板が示されている。金属
酸化物層の代表例はSiOx(ただし1<x<2)であ
り、その厚みは200〜2000オングストロームとす
ることが好ましいとある。
【0005】本出願人の出願にかかる特開平8−297
62号公報には、単層または複層の芯材層の少なくとも
片面に、ノンソルベント型の硬化型樹脂硬化物からなる
接着在層を介して、ポリアミドイミド等のイミド系樹脂
からなる硬質高軟化点三次元架橋体層が積層された光学
用シートが示されている。芯材層は、少なくとも1層の
ガスバリア性を有する層を有していることが望ましいと
ある。硬質高軟化点三次元架橋体層の上からは、必要に
応じてSiO2、SiOx(1<x<2)、Al2O3 、Fe2O3 、Mg
CO3 、CeO2、ZnO 、TiO2、ZrO2、ITO 、BaTiO3、LiNb
O3、KTaO3 、PbO、アルミン酸カルシウム、ガラスな
ど、あるいはこれらの混合物の層などの透明セラミック
ス層を設けてもよいとの記載があり、透明セラミックス
層の厚みは、通常200オングストローム〜1μm 、好
ましくは500〜800オングストロームの範囲に設定
することが望ましいとしている。
【0006】本出願人の出願にかかる特開平8−297
63号公報にも、類似の層構成の光学用シートの製造法
が示されている。
【0007】基材フィルムを用いるか否かにかかわら
ず、好ましいプラスチックス基板の構成は、両外層がい
ずれも硬化型樹脂硬化物層で構成され、両外層で挟まれ
た内部側に少なくとも1層の耐透気性樹脂層を有する構
成である。
【0008】このような層構成を有する基板の片面にI
TO等の透明電極を形成したもの2枚を、その透明電極
形成面の側が対向するように配置して、常法により液晶
セルが作製される。そして液晶セルには、位相板や偏光
板を貼着して、液晶表示パネルを作製する。典型的な液
晶表示パネルの構造は、偏光板/液晶セル/偏光板、ま
たは、偏光板/位相板/液晶セル/偏光板である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】両外層がいずれも硬化
型樹脂硬化物層で構成され、両外層で挟まれた内部側に
少なくとも1層の耐透気性樹脂層を有するプラスチック
ス基板は、液晶表示セルを構成する電極基板としての基
本的性質を備えているが、防湿性、防気性、カール防止
性、透明電極形成性の点で、ガラス基板に比してはなお
見劣りし、さらにその改良が望まれる。
【0010】本発明は、このような背景下において、プ
ラスチックス基板にさらに改良を加えることにより、最
良の品質のプラスチックス基板を得ることを目的とする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のプラスチックス
基板は、プラスチックス基板(1) のうち透明電極を形成
する側の面をA面、その反対側の面をB面と名付けると
き、該基板(1) のA面側の外層は硬化型樹脂硬化物層(1
1)で構成され、B面側の外層は硬化型樹脂硬化物層(12)
で構成され、これら両外層で挟まれた内部側には少なく
とも1層の有機の耐透気性樹脂層(13)が存在し、さら
に、A面側の硬化型樹脂硬化物層(11)の表面は平滑に形
成されると共に、その平滑な表面上に、スパッタリング
法によるSiOx( 1.2<x<2)からなる最外層(1
1') が形成され、B面側の硬化型樹脂硬化物層(12)の表
面は平滑に形成されると共に、その平滑な表面上に、ス
パッタリング法によるSiOx( 1.2<x<2)からな
る最外層(12') が形成されていることを特徴とするもの
である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
明細書においては、プラスチックス基板(1)のうち透明
電極を形成する側の面をA面、その反対側の面をB面と
名付けることにする。
【0013】本発明におけるプラスチックス基板(1)
は、そのA面側の外層は硬化型樹脂硬化物層(11)で構成
され、B面側の外層は硬化型樹脂硬化物層(12)で構成さ
れ、これら両外層で挟まれた内部側には少なくとも1層
の耐透気性樹脂層(13)が存在するものである。
【0014】両外層で挟まれた内部側には、耐透気性樹
脂層(13)のほか、基材フィルム(14)、硬化型樹脂硬化物
層(15)、あるいはその他の層が存在していてもよい。両
外層を硬化型樹脂硬化物層(11), (12)で形成するのは、
電極基板等として必要な剛性、表面硬度、防湿性、耐溶
剤性、耐熱性、配向膜形成性、耐液晶性などの性質を付
与するためである。内部側に耐透気性樹脂層(13)を設け
るのは、液晶の経時劣化や表示品質信頼性の低下を防止
するためである。
【0015】ここで硬化型樹脂硬化物層(11), (12), (1
5)形成用の樹脂液としては、紫外線硬化型樹脂液または
電子線硬化型樹脂液からなる活性エネルギー線硬化型樹
脂液があげられる。前者の紫外線硬化型樹脂としては、
光重合性を有するプレポリマーまたは/およびモノマー
に、必要に応じ他の単官能または多官能性モノマー、各
種ポリマー、光重合開始剤、増感剤を配合した樹脂組成
物が用いられる。ここで光重合性プレポリマーとして
は、エステルアクリレート系、エステルウレタンアクリ
レート系、エポキシアクリレート系、シリコーンアクリ
レート系などが例示され、光重合性モノマーとしては、
単官能アクリレート、2官能アクリレート、3官能以上
のアクリレートなどが例示される。後者の電子線硬化型
樹脂液としても同様の組成のものが用いられるが、光重
合開始剤や増感剤は添加するには及ばない。
【0016】硬化型樹脂硬化物層(11), (12), (15)形成
用の樹脂液としては、そのほか、熱硬化型の樹脂液、た
とえば、フェノキシエーテル型架橋性重合体、ポリアミ
ドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂など
の樹脂液などを用いることもできる。硬化型樹脂硬化物
層(11), (12), (15)としては、アモルファスポリオレフ
ィンに内的架橋手段(架橋剤の配合)または外的架橋手
段(活性エネルギー線照射)を講じたものも用いること
ができる。
【0017】硬化型樹脂硬化物層(11), (12), (15)形成
用の樹脂液には、次に述べる耐透気性樹脂層(13)との密
着性向上のため、適宜ポリイソシアネート化合物などを
配合することができる。
【0018】耐透気性樹脂層(13)形成用の樹脂液として
は、ビニルアルコール系重合体からなるもの、たとえ
ば、ポリビニルアルコールまたはその共重合変性物・グ
ラフト物・ポリマーアロイや、エチレン含量が15〜5
0モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体など、
あるいはこれらにさらに架橋剤を配合したものが好適に
用いられる。これらの中では、ポリビニルアルコールの
グラフト共重合体と架橋剤との組成物からなる樹脂液が
特に好適である。耐透気性樹脂層(13)の厚みは任意に設
定できるが、1層当り2〜100μm 、殊に5〜60μ
m とすることが多い。許容範囲を越えて極端に薄くなる
と所期の防気性が得られず、一方極端に厚くなると耐湿
性や耐熱性にとってマイナスとなる。
【0019】基材フィルム(14)としては、たとえば、ポ
リカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリ
エーテルスルホンフィルム、ポリアリレートフィルムな
どが例示できる。基材フィルム(14)と他の層との積層
は、アンカーコート層を介して行うことも多い。
【0020】本発明においては、A面側の硬化型樹脂硬
化物層(11)の表面を平滑に形成し、かつB面側の硬化型
樹脂硬化物層(12)の表面も平滑に形成する。
【0021】A面側およびB面側の層である硬化型樹脂
硬化物層(11), (12)の表面を平滑に形成するには、好適
には、該層を形成する樹脂液を平滑な表面を有する鋳型
フィルム(M) の平滑面に接触した状態で硬化させる過程
を経る方法が採用される。たとえば、樹脂液を平滑な表
面を有する鋳型フィルム(M) の平滑面に流延してから硬
化させれば、平滑面を得ることができる。また、わずか
に間隙をあけて並行に配置した1対のロールのそれぞれ
に鋳型フィルム(M) と他のフィルム層とを供給し、ロー
ルの間隙に向けて樹脂液を吐出すると共に、両ロールを
互いに喰い込む方向に回転させて樹脂液が挟持されるよ
うにし、そのように挟持された状態で活性エネルギー線
の照射または加熱手段を講じて該樹脂液を硬化させれ
ば、鋳型フィルム(M) に接触した側の硬化物層の面を平
滑にすることができる。
【0022】上記の鋳型フィルム(M) の材質としては、
二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムなどが好適に用いられる。二軸延伸ポリエス
テルフィルムにおけるポリエステルとは、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレートなどである。
【0023】A面側およびB面側の層である硬化型樹脂
硬化物層(11), (12)の平滑性は、光の干渉を利用した非
接触式表面粗さ計による測定で± 0.2μm 以下、殊に±
0.1μm 以下であることが望ましい。そのため、鋳型フ
ィルム(M) としても表面粗度が± 0.2μm 以下、殊に±
0.1μm 以下、さらには±0.01μm 以下の平滑面を有す
るものが用いられる。
【0024】そして本発明においては、上記のようにA
面側の硬化型樹脂硬化物層(11)の表面を平滑に形成する
と共に、その平滑な表面上に、スパッタリング法による
SiOx( 1.2<x<2)からなる最外層(11') を形成
する。同様に、上記のようにB面側の硬化型樹脂硬化物
層(12)の表面を平滑に形成すると共に、その平滑な表面
上に、スパッタリング法によるSiOx( 1.2<x<
2)からなる最外層(12') を形成する。
【0025】SiOxからなる最外層(11'), (12')は、
酸・アルカリに対する耐性がすぐれており、防湿性が良
好で、防気性もあり、またA面側のSiOx層(11') は
ITO形成時のアンダーコート層にもなる。またA面側
およびB面側の双方の最外層がSiOxの層となってい
るので、プラスチックス基板のカール防止の完全化が図
られる。
【0026】上記において、最外層(11'), (12')を形成
するSiOxにおけるxは、 1.2<x<2、好ましくは
1.3≦x≦1.9 である。xが 1.2以下では着色を生じ、
xが2になると脆くなって割れを生ずるおそれがある。
【0027】また最外層(11'), (12')を形成するSiO
xの厚みは、所期の効果を奏する範囲であれば適宜に設
定されるが、通常は20〜180オングストローム、好
ましくは30〜160オングストロームに設定すること
が望ましい。その厚みが極端に薄いときは所期の効果が
奏されず、一方その厚みが許容限度を越えて余りに厚い
ときには、着色を生じたり割れやすくなったりする。
【0028】なお、硬化型樹脂硬化物層(11), (12)の表
面は平滑であるので、その上に形成されたSiOxから
なる最外層(11'), (12')の表面も平滑となる。
【0029】本発明のプラスチックス基板は、通常の液
晶表示パネル用電極基板として特に有用であり、高分子
液晶表示基板、EL用基板、ECD用基板、ICカー
ド、その他の光学用途の基板としても用いることができ
る。
【0030】液晶表示パネルを作製するときは、上記の
プラスチックス基板(1) のA面側の最外層(11') 上にI
TO等の透明電極(2) を形成したものを用いて常法によ
り液晶セル(3) を作製し、さらに、液晶セル(3) を構成
するプラスチックス基板(1)のB面側に粘着剤層(ad)を
介して偏光板(4) や位相板(5) を貼着する。
【0031】〈作用〉本発明のプラスチックス基板にあ
っては、透明電極形成側のA面側およびその反対側のB
面側の外層がいずれも硬化型樹脂硬化物層(11), (12)で
構成され、これら両外層で挟まれた内部側に耐透気性樹
脂層(13)が存在するので、プラスチックス基板の良さが
生かされると共に、広い範囲の温度下での防湿性、防気
性が得られ、液晶表示セルを構成する電極基板としての
基本的性質を備えている上、A面側およびB面側の硬化
型樹脂硬化物層(11), (12)の表面はいずれも平滑に形成
されると共に、その平滑な表面上に、スパッタリング法
によるSiOx( 1.2<x<2)からなる最外層(11'),
(12')が形成されているので、防湿性、防気性、カール
防止性、透明電極形成性の点でも、ガラス基板に比し見
劣りしない品質が得られる。
【0032】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」とあるのは重量部である。
【0033】実施例1 図1は本発明のプラスチックス基板の一例を模式的に示
した断面図である。図4はそのプラスチックス基板を用
いて作製した液晶表示パネルの一例を模式的に示した断
面図である。
【0034】支持体フィルム(S) の一例としての厚み1
00μm の通常の透明ポリエステルフィルム(二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に、ポリビニ
ルアルコールのN−メチロールアクリルアミド−アクリ
ル酸グラフト共重合体の濃度12重量%の水溶液にメチ
ロールメラミン系架橋剤 (住友化学工業株式会社製の
「スミテックM−3」)を固形分の重量比で100:1
0の割合で配合した組成の樹脂液を流延し、温度が段階
的に60℃から110℃にまで高くなるように設定した
乾燥機中を通過させて乾燥させ、厚み30μm の耐透気
性樹脂層(13)を形成させた。
【0035】ついでその耐透気性樹脂層(13)の上から、
フェノキシエーテル樹脂(東都化成株式会社製)60
部、メチルエチルケトン40部、セロソルブアセテート
20部、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプ
ロパンとのアアダクト体の75重量%溶液(日本ポリウ
レタン工業株式会社製の「コロネートL」)60部から
なる組成の架橋性重合体の樹脂液を流延し、温度が80
〜120℃まで段階的に高くなるように設定した乾燥機
内を通過させることにより乾燥し、さらに145℃で2
0分間熱処理して、厚み30μm の硬化型樹脂硬化物層
(15)を形成させた。これにより、(S)/(13)/(15) の層構
成を有する積層フィルムが得られた。
【0036】わずかの間隙をあけて並行に配置した1対
のロールのそれぞれに、上記で得た積層フィルムをその
硬化型樹脂硬化物層(15)側が上面となるように供給し、
両ロールを上方から見て互いに喰い込む方向に回転させ
ながら、両ロール間にノンソルベントタイプのエポキシ
アクリレート系の紫外線硬化型樹脂液(旭電化工業株式
会社製)を吐出し、該樹脂液がサンドウイッチ状に挟持
された状態で、出力120W/cm、1灯、ランプ距離15
0mm、積算光量1000mJ/cm2の条件で紫外線照射を行
い、上記樹脂液を硬化させ、厚み15μm の活性エネル
ギー線硬化型樹脂硬化物層(15') となした。これによ
り、(S)/(13)/(15)/(15')/(15)/(13)/(S)の層構成を有
する積層フィルムが得られた。
【0037】次に、この積層フィルムから支持体フィル
ム(S), (S)を剥離除去した後、これをわずかの間隙をあ
けて並行に配置した1対のロールの一方に供給し、また
他方のロールに厚み100μm 、表面粗度が平均で 0.0
06μm 、最大で0.04μm (光の干渉を利用した非接触式
表面粗さ計による測定で± 0.1μm 以下である)のコロ
ナ放電処理していない二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムからなる平滑な鋳型フィルム(M) を供給し
て、両ロールを上方から見て互いに喰い込む方向に回転
させながら、両ロール間に上記と同じノンソルベントタ
イプの紫外線硬化型樹脂液を吐出し、該樹脂液がサンド
ウイッチ状に挟持された状態で上記と同じ条件で紫外線
照射を行って該樹脂液を硬化させ、厚み12μm の硬化
型樹脂硬化物層(11)を形成させた。これにより、(M)/(1
1)/(13)/(15)/(15')/(15)/(13)の層構成を有する積層フ
ィルムが得られた。
【0038】ついでこの積層フィルムと上記と同じ鋳型
フィルム(M) とを用いて、上記と同様にして両フィルム
間に上記と同じ紫外線硬化型樹脂液を吐出し、該樹脂液
がサンドウイッチ状に挟持された状態で上記と同じ条件
で紫外線照射を行って該樹脂液を硬化させ、厚み12μ
m の硬化型樹脂硬化物層(12)を形成させた。これによ
り、(M)/(11)/(13)/(15)/(15')/(15)/(13)/(12)/(M) の
層構成を有する積層フィルムが得られたので、鋳型フィ
ルム(M), (M)を剥離除去した。A面側((11)側)および
B面側((12)側)の面は、いずれも表面粗度で± 0.1μ
m 以下の平滑面を有していた。
【0039】このようにして得た積層フィルムのA面側
にSiOxをスパッタリングして厚み80オングストロ
ームのSiOx(x= 1.8)からなる最外層(11') を形
成させ、さらにB面側にもSiOxをスパッタリングし
て厚み80オングストロームのSiOx(x=約 1.8)
からなる最外層(12') を形成させた。
【0040】これにより、(11')/(11)/(13)/(15)/(15')
/(15)/(13)/(12)/(12') の層構成を有する目的のプラス
チックス基板(1) が得られた。このプラスチックス基板
(1)は、剛性、耐熱性、光等方性の点でガラスに近い性
能を有しており、機械的強度、高硬度、耐透湿性、耐薬
品性、酸素遮断性も良好であった。
【0041】このプラスチックス基板(1) のA面側の最
外層(11') 上にITOスパッタリングによる厚み450
オングストロームの透明電極(2) を形成させた。ITO
密着性は極めて好ましいものであった。
【0042】上記で得た透明電極(2) 付きのプラスチッ
クス基板(1) を用いて常法により液晶セル(3) を作製
し、そしてその液晶セル(3) を構成する一方のプラスチ
ックス基板(1) のB面側に粘着剤層(ad)を介して偏光板
(4) と位相板(5) とを貼着し、他方のプラスチックス基
板(1) のB面側には粘着剤層(ad)を介して偏光板(4) を
貼着した。貼着に際しては、常法に従いオートクレーブ
中での加圧下での圧着法を採用した。これにより、性能
のすぐれた液晶表示パネルが得られた。
【0043】実施例2 図2は本発明のプラスチックス基板の他の一例を模式的
に示した断面図である。ただしアンカーコート層は図示
を省略してある。
【0044】基材フィルム(14)の一例としての厚み10
0μm のポリカーボネートフィルムの片面に水性アンカ
ーコート剤による厚み1μm 以下のアンカーコート層を
設けてから、実施例1と同様に厚み12μm の耐透気性
樹脂層(13)を形成させた。基材フィルム(14)の他面にも
同様にして厚み1μm 以下のアンカーコート層、ついで
厚み12μm の耐透気性樹脂層(13)を形成させた。これ
により、(13)/(14)/(13)の層構成を有する積層フィルム
が得られた。
【0045】このようにして得た積層フィルムと実施例
1と同じ鋳型フィルム(M) とをわずかの間隙をあけて並
行に配置した1対のロールのそれぞれに供給し、両ロー
ル間にノンソルベントタイプの特殊アクリレート系の紫
外線硬化型樹脂液(日本合成ゴム株式会社製)を吐出
し、該樹脂液がサンドウイッチ状に挟持された状態で、
出力120W/cm、1灯、ランプ距離150mm、積算光量
1000mJ/cm2の条件で紫外線照射を行い、上記樹脂液
を硬化させ、厚み15μm の活性エネルギー線硬化型樹
脂硬化物層(11)となした。これにより、(M)/(11)/(13)/
(14)/(13) の層構成を有する積層フィルムが得られた。
【0046】次に、このようにして得た積層フィルムと
実施例1と同じ鋳型フィルム(M) とを、わずかの間隙を
あけて並行に配置した1対のロールのそれぞれに供給し
て、両ロールを上方から見て互いに喰い込む方向に回転
させながら、両ロール間に上記と同じノンソルベントタ
イプの紫外線硬化型樹脂液を吐出し、該樹脂液がサンド
ウイッチ状に挟持された状態で上記と同じ条件で紫外線
照射を行って該樹脂液を硬化させ、厚み15μm の硬化
型樹脂硬化物層(12)を形成させた。これにより(M)/(11)
/(13)/(14)/(13)/(12)/(M)の層構成を有する積層フィル
ムが得られたので、鋳型フィルム(M), (M)を剥離除去し
た。A面側((11)側)およびB面側((12)側)の面は、
いずれも表面粗度で± 0.1μm 以下の平滑面を有してい
た。
【0047】このようにして得た積層フィルムのA面側
にSiOxをスパッタリングして厚み90オングストロ
ームのSiOx(x= 1.6)からなる最外層(11') を形
成させ、さらにB面側にもSiOxをスパッタリングし
て厚み90オングストロームのSiOx(x= 1.6)か
らなる最外層(12') を形成させた。
【0048】これにより、(11')/(11)/(13)/(14)/(13)/
(12)/(12')の層構成を有する目的のプラスチックス基板
(1) が得られた。このプラスチックス基板(1) は、剛
性、耐熱性、光等方性の点でガラスに近い性能を有して
おり、機械的強度、高硬度、耐透湿性、耐薬品性、酸素
遮断性も良好であった。ついでこのプラスチックス基板
(1) のA面側の最外層(11') 上にITOスパッタリング
による厚み450オングストロームの透明電極(2) を形
成させたが、ITO密着性は極めて好ましいものであっ
た。
【0049】実施例3 図3は本発明のプラスチックス基板のさらに他の一例を
模式的に示した断面図である。
【0050】支持体フィルム(S) の一例としての厚み1
00μm の通常の透明ポリエステルフィルム上に、まず
ポリエステル系樹脂(高松油脂株式会社製の「A−51
3E」)の濃度20重量%の水分散液をコーティングし
た後、乾燥して、厚み2μmのプレコート層を形成させ
た。ついでこのプレコート層(pc)の上から、実施例1と
同様にして厚み20μm の耐透気性樹脂層(13)を形成さ
せた。これにより、(S)/(pc)/(13) の層構成を有する積
層フィルム1が得られた。
【0051】上記の積層フィルム1と実施例1と同じ鋳
型フィルム(M) とをわずかの間隙をあけて並行に配置し
た1対のロールのそれぞれに供給し、両ロール間にノン
ソルベントタイプの特殊アクリレート系の紫外線硬化型
樹脂液(日本合成ゴム株式会社製)を吐出し、該樹脂液
がサンドウイッチ状に挟持された状態で紫外線照射を行
って樹脂液を硬化させ、厚み15μm の活性エネルギー
線硬化型樹脂硬化物層(11)となし、支持体フィルム(S)
を剥離除去した。これにより、(M)/(11)/(13)/(pc)の層
構成を有する積層フィルム2が得られた。
【0052】上記の積層フィルム1と、上記と同じ鋳型
フィルム(M) とをわずかの間隙をあけて並行に配置した
1対のロールのそれぞれに供給し、両ロール間にノンソ
ルベントタイプの特殊アクリレート系の紫外線硬化型樹
脂液(日本合成ゴム株式会社製)を吐出し、該樹脂液が
サンドウイッチ状に挟持された状態で紫外線照射を行っ
て樹脂液を硬化させ、厚み15μm の活性エネルギー線
硬化型樹脂硬化物層(12)となし、支持体フィルム(S) を
剥離除去した。これにより、(M)/(12)/(13)/(pc)の層構
成を有する積層フィルム3が得られた。
【0053】わずかの間隙をあけて並行に配置した1対
のロールのそれぞれに、上記で得た積層フィルム2,3
をそれぞれのプレコート(pc)側が上面となるように供給
し、両ロールを上方から見て互いに喰い込む方向に回転
させながら、両ロール間にノンソルベントタイプのエポ
キシアクリレート系の紫外線硬化型樹脂液(旭電化工業
株式会社製)を吐出し、該樹脂液がサンドウイッチ状に
挟持された状態で、紫外線照射を行い、上記樹脂液を硬
化させ、厚み15μm の活性エネルギー線硬化型樹脂硬
化物層(15') となした。これにより、(M)/(11)/(13)/(p
c)/(15')/(pc)/(13)/(12)/(M) の層構成を有する積層フ
ィルム4が得られたので、両面側の鋳型フィルム(M),
(M)を剥離除去した。
【0054】このようにして得た積層フィルムのA面側
にSiOxをスパッタリングして厚み60オングストロ
ームのSiOx(x= 1.4)からなる最外層(11') を形
成させ、さらにB面側にもSiOxをスパッタリングし
て厚み60オングストロームのSiOx(x= 1.4)か
らなる最外層(12') を形成させた。これにより、(11')/
(11)/(13)/(pc)/(15')/(pc)/(13)/(12)/(12') の層構成
を有する目的のプラスチックス基板(1) が得られた。
【0055】
【発明の効果】作用の項でも述べたように、本発明のプ
ラスチックス基板にあっては、透明電極形成側のA面側
およびその反対側のB面側の外層がいずれも硬化型樹脂
硬化物層(11), (12)で構成され、これら両外層で挟まれ
た内部側に耐透気性樹脂層(13)が存在するので、プラス
チックス基板の良さが生かされると共に、広い範囲の温
度下での防湿性、防気性が得られ、液晶表示セルを構成
する電極基板としての基本的性質を備えている上、A面
側およびB面側の硬化型樹脂硬化物層(11), (12)の表面
はいずれも平滑に形成されると共に、その平滑な表面上
に、スパッタリング法によるSiOx( 1.2<x<2)
からなる最外層(11'), (12')が形成されているので、防
湿性、防気性、カール防止性、透明電極形成性の点で
も、ガラス基板に比し見劣りしない品質が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチックス基板の一例を模式的に
示した断面図である。
【図2】本発明のプラスチックス基板の他の一例を模式
的に示した断面図である。
【図3】本発明のプラスチックス基板のさらに他の一例
を模式的に示した断面図である。
【図4】本発明のプラスチックス基板を用いて作製した
液晶表示パネルの一例を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
(M) …鋳型フィルム、 (1) …プラスチックス基板、 (11)…硬化型樹脂硬化物層、 (11') …SiOxからなる最外層、 (12)…硬化型樹脂硬化物層、 (12') …SiOxからなる最外層、 (13)…耐透気性樹脂層、 (14)…基材フィルム、 (15), (15') …硬化型樹脂硬化物層、 (pc)…プレコート層、 (2) …透明電極、 (3) …液晶セル、 (4) …偏光板、 (5) …位相板、 (ad)…粘着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−64103(JP,A) 特開 平7−205323(JP,A) 特開 昭64−88425(JP,A) 特開 昭61−79645(JP,A) 特開 平8−29763(JP,A) 特開 平8−29762(JP,A) 特開 平6−175143(JP,A) 特開 平5−309794(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 G02F 1/1333

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックス基板(1) のうち透明電極を
    形成する側の面をA面、その反対側の面をB面と名付け
    るとき、 該基板(1) のA面側の外層は硬化型樹脂硬化物層(11)で
    構成され、B面側の外層は硬化型樹脂硬化物層(12)で構
    成され、これら両外層で挟まれた内部側には少なくとも
    1層の耐透気性樹脂層(13)が存在し、さらに、 A面側の硬化型樹脂硬化物層(11)の表面は平滑に形成さ
    れると共に、その平滑な表面上に、スパッタリング法に
    よるSiOx( 1.2<x<2)からなる最外層(11') が
    形成され、 B面側の硬化型樹脂硬化物層(12)の表面は平滑に形成さ
    れると共に、その平滑な表面上に、スパッタリング法に
    よるSiOx( 1.2<x<2)からなる最外層(12') が
    形成されていることを特徴とするプラスチックス基板。
  2. 【請求項2】最外層(11'), (12')の厚みが、いずれも2
    0〜180オングストロームである請求項1記載のプラ
    スチックス基板。
  3. 【請求項3】A面側およびB面側の層である硬化型樹脂
    硬化物層(11), (12)が、該層を形成する樹脂液が平滑な
    表面を有する鋳型フィルム(M) の平滑面に接触した状態
    で硬化する過程を経て形成されたものである請求項1記
    載のプラスチックス基板。
  4. 【請求項4】A面側およびB面側の層である硬化型樹脂
    硬化物層(11), (12)の平滑性が、光の干渉を利用した非
    接触式表面粗さ計による測定で± 0.2μm 以下である請
    求項1記載のプラスチックス基板。
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