JP6082965B2 - フレキシブル基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロニクス回路のベースとして好適に用いることができるフレキシブル基板及びその製造方法に関する。
有機トランジスタや有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス等により構成される有機エレクトロニクス回路は、軽量でフレキシブルな情報端末への応用が期待されている。このような有機エレクトロニクス回路は、透明なフレキシブル基板又はフィルム(以下、単に「基板」と言う場合もある。)上に形成される。
前記フレキシブル基板の材料の候補としては、機械的な面でのフレキシビリティ(柔軟性)や価格等の観点から、ポリイミドやアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の合成樹脂が挙げられる。
ところで、上記のような有機エレクトロニクス回路は、通常、有機半導体や有機導電ポリマーをクロロホルムやクロロベンゼン、アセトン等の有機溶媒に溶解し、スプレーコートや印刷法等でフレキシブル基板上にパターン形成することにより作製される。このため、フレキシブル基板は、有機溶媒に難溶であることが必要である。
しかしながら、上記材料のうち、ポリイミドは有機溶媒に溶解しないが、PETやPEN、アクリル樹脂は非常に溶解しやすい。
また、フレキシブル基板には、酸素や水蒸気をできる限り透過しないガスバリア性を有していることが求められるが、フレキシブル基板は、通常、分子緻密度が低いため、空気中の水蒸気を透過してしまう。例えば、非特許文献1に、上記樹脂材料による基板のガスバリア性について、系統的な評価ではないものの、樹脂基板単体では有機エレクトロニクス用基板には不向きであることが報告されている。
このため、上記のような樹脂基板に、有機溶媒に対する難溶性及びガスバリア性を付与するために、無機酸化物をコーティングすることが検討されている。
例えば、非特許文献2には、ガス透過性を10-3g/m2・day以下に抑えるために、厚さ5〜10nm程度のアルミナ膜を積層させることが記載されている。
また、前記フレキシブル基板は、有機太陽電池や有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の光の入出力を伴うデバイスを集積するためには、その特性として、透明で、可視光の透過性があることも求められる。
しかしながら、上記樹脂材料のうち、ポリイミドは半透明であり、上記のような光デバイスを形成するのには不向きである。一方、PETやPEN、アクリル樹脂は、透明性に優れているものの、耐熱性が十分とは言えない。それぞれの耐熱温度としては、PETは約130℃、PENは約180℃、アクリル樹脂は約80℃が限界である。
杉本 晃、外2名, Pioneer R&D, Vol.11No.3, pp.48〜56 M.D.Groner et al., Applied Physics Letters, 88, 051907, 2006
このため、樹脂基板に無機酸化物膜を積層させるためには、前記樹脂の耐熱温度以下のできる限り低温で成膜しなければならない。
しかしながら、アルミナ等の酸化物膜を積層させるためには、従来の方法では、100℃以上、多くの場合は300℃程度の高温処理が必要であり、上記のような樹脂基板に適用することは困難であった。
このように、有機エレクトロニクス回路の基板としては、フレキシブルで透明で、ガスバリア性を有し、かつ、有機溶剤に難溶であることが必要とされているが、これらの特性を同時に満たすことができる基板は、まだ開発されていない。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、透明で、ガスバリア性を有し、かつ、有機溶媒に対して難溶であり、フレキシブルな有機エレクトロニクス回路を形成するための基板として好適なフレキシブル基板及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の第1の態様に係るフレキシブル基板の製造方法は、透明な樹脂からなるフレキシブルフィルムの両面に、厚さ0.7〜10nmのシリカ膜がコーティングされているフレキシブル基板を製造する方法であって、前記フレキシブルフィルムを真空中で加熱乾燥する工程の後、加熱処理したフレキシブルフィルムを真空槽内に配置し、該真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、前記真空槽にオゾンを導入するオゾン工程と、前記真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、前記真空槽にプラズマで励起された水蒸気を導入するプラズマ水蒸気工程と、前記真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、前記真空槽にシリコン系有機ガスを導入するシラン工程とからなる一連の工程を繰り返すことにより、前記フレキシブルフィルムの両面にシリカ膜をコーティングすることを特徴とする。
このような原子堆積法を用いたシリカ膜のコーィングによれば、特別な温度維持装置を必要とすることなく、均一な膜形成が可能となり、ロール状基板の製造にも適用し得る。
また、本発明の第2の態様に係るフレキシブル基板の製造方法は、透明な樹脂からなるフレキシブルフィルムの両面に、厚さ0.7〜10nmのシリカ膜がコーティングされているフレキシブルフィルムを真空中で加熱乾燥する工程の後、加熱処理したフレキシブルフィルムを真空槽内に配置し、該真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、前記真空槽にプラズマで励起された水蒸気を導入するプラズマ水蒸気工程と、前記真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、前記真空槽にシリコン系有機ガスを導入するシラン工程とからなる一連の工程を繰り返すことにより、前記フレキシブルフィルムの両面にシリカ膜をコーティングすることを特徴とする。
上記製造方法において、このようにオゾン工程を省略することも可能であり、これにより、工程の簡略化を図ることできる。
前記フレキシブルフィルムを構成する樹脂としては、透明性やフレキシビリティ、コスト等の点から、アクリル樹脂、ポリイミド、PET又はPENが好適である。
このような構成とすることにより、フレキシブルフィルムを構成する樹脂の透明性を維持したまま、有機溶媒による侵食及び溶解を防止することができ、また、ガスバリア性の向上が図られる。
上記製造方法においては、各方法における一連の工程を0〜80℃で行うことが好ましい。
上記の製造方法におけるシリカ膜コーティングは、常温で行えば、より簡便な製造方法として用いることができる。
また、前記プラズマ水蒸気工程においては、水に曝して加湿した不活性ガスをガラス管に通し、該ガラス管の外周に巻かれた誘導コイルから高周波磁界を印加することにより、前記ガラス管内の加湿された不活性ガスを励起させてプラズマ化し、得られた水蒸気を真空槽に導入することが好ましい。
このような方法によれば、プラズマで励起された水蒸気を真空槽内に簡便に供給することができる。
本発明に係るフレキシブル基板は、基材となる樹脂の透明性を維持したまま、ガスバリア性を有し、かつ、有機溶媒に対して難溶であるため、フレキシブルな有機エレクトロニクス回路を形成するための基板として好適である。
また、本発明に係る製造方法によれば、上記のようなフレキシブル基板を比較的低温な工程で製造することができるため、コストの低下を図ることができ、ひいては、有機トランジスタや有機太陽電池、有機エレクトロルミネッセンス等の有機エレクトロニクスによるフレキシブル端末の低コスト化に寄与し得る。
本発明に係るフレキシブル基板の断面構造を示した図である。 本発明の第1の態様に係るフレキシブル基板の製造方法の工程フロー図である。 プラズマ水蒸気発生装置の一例を示した概念断面図である。 本発明の第2の態様に係るフレキシブル基板の製造方法の工程フロー図である。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
図1に、本発明に係るフレキシブル基板の断面構造を示す。図1に示したように、本発明に係るフレキシブル基板は、透明な樹脂からなるフレキシブルフィルム1の両面に、厚さ0.7〜10nmのシリカ膜2がコーティングされているものである。
基材となるフレキシブルフィルム1は、透明であり、フィルム状にした際にフレキシビリティのある樹脂が用いられ、具体的には、アクリル樹脂やポリイミド、PEN、PET等により構成することができる。
前記フレキシブルフィルム1の両面にシリカ膜2をコーティングすることにより、フレキシブルフィルム1を構成する樹脂の両面からの有機溶媒による侵食及び溶解を防止する。シリカ膜2によるコーティングは、フレキシブルフィルム1の片面のみではなく、両面に行うことにより、ガスバリア性の点でも有利となる。
シリカ膜2の厚さは、0.7〜10nmとする。
前記厚さが0.7nm未満では、均一な成膜が困難であり、該基板の有機溶媒に対する難溶性を確保することができない。一方、10nmを超えると、該基板のフレキシビリティが失われ、シリカ膜が剥離しやすくなる。
図2に、上記のような本発明に係るフレキシブル基板を製造するための第1の態様に係る方法の工程フローを示す。
本発明の第1の態様に係る製造方法においては、まず、前記フレキシブルフィルムを真空中で加熱乾燥する。
この加熱乾燥工程において、フレキシブルフィルム中に含まれる水分を除去する。フレキシブルフィルムを予め十分に乾燥しておかないと、後にフレキシブルフィルムに含まれる水分が拡散し、該基板上に形成する有機エレクトロニクス回路の故障の原因となる。また、フレキシブルフィルムに水分子が吸着していると、コーティングするシリカ膜の密着力を弱めることとなる。
前記加熱乾燥における乾燥温度は、フレキシブルフィルムの軟化や形状変化を防止する観点から、フレキシブルフィルムを構成する樹脂の耐熱温度以下とする。例えば、PENの場合は、180℃以下でよいが、アクリル樹脂の場合には、80℃以下で24時間程度乾燥させることが好ましい。
上記加熱乾燥工程の後、パージ工程として、フレキシブルフィルムを真空槽内に配置し、該真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気する。
なお、本発明における不活性ガスとしては、窒素やアルゴン等の希ガスが用いられる。また、真空排気する場合には、1×10-4Torr程度まで行う。
そして、前記パージ工程の後、該真空槽にオゾンを導入する。
このオゾン工程において、前記フレキシブルフィルムは、オゾンに曝されて、その表面の油汚れ(有機物付着)が除去される。
オゾンの照射量は、フレキシブルフィルム表面の汚染量にもよるが、通常、1×10-3Torrで1000秒程度照射することにより、分子層1層程度の油汚れを容易に除去することができる。
前記オゾン工程の後、再び、真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程を経る。
このようなパージ工程を経ないと、真空槽中にオゾンが残り、この残留オゾンが後の工程における作用効果を低減させることとなる。
前記パージ工程の後、プラズマ水蒸気工程として、前記真空槽にプラズマで励起された水蒸気を導入し、フレキシブルフィルム表面をプラズマで励起された水蒸気に曝す。
このプラズマ水蒸気工程において、励起水蒸気に含まれるOHがフレキシブルフィルム表面に吸着し、該表面にヒドロキシル基が付加される。この表面のヒドロキシル基は、後のシラン工程において有機シランガスの吸着サイトとして吸着率を高める働きを有している。
前記プラズマで励起された水蒸気は、例えば、図3に示すような装置を用いて発生させることができる。バブラ10内の温められた水11に不活性ガス12を供給し、バブラ10内で加湿された不活性ガスを、外周に巻かれた誘導コイル13により高周波磁界を印加したガラス管14内でプラズマ化させる。これにより発生したプラズマ水蒸気15を真空槽へ導入する。
このような装置によれば、プラズマで励起された水蒸気を真空槽内に簡便に供給することができる。
そして、再び、上記と同様のパージ工程を経た後、シラン工程として、前記真空槽に、シリコン系有機ガス、例えば、トリス(ジメチルアミノ)シラン(HSi[(N[CH3]2)]3)等の有機アミノシランガスを導入し、フレキシブルフィルム表面に吸着させる。
例えば、トリス(ジメチルアミノ)シランは、フレキシブルフィルム表面にヒドロキシル基が存在すると、以下に示す反応により化学吸着することが知られている(F.Hirose et al., Thin Solid Films, vol.519, pp.270-275 (2010)参照)。
2−OH + H-Si[(N[CH3]2)]3
→ H-Si[N(CH3)2][-OH]2+ [HN(CH3)2](gas)
このような反応により、フレキシブルフィルム表面に、有機アミノシラン1分子層分を吸着させることができる。
このフレキシブルフィルムは、上記と同様のパージ工程、さらに、オゾン工程を経ることにより、前記有機アミノシラン1分子層分の吸着層が酸化され、該フレキシブルフィルム表面に1分子層分のシリカ膜が形成される。
この方法によれば、フレキシブルフィルムの片面につき1分子層分のシリカ膜が形成され、これが両面同時に行われるため、前記フレキシブルフィルムの両面にシリカ膜をコーティングすることができる。
さらに、パージ工程を経た後、上記と同様のプラズマ水蒸気工程を行うことにより、前記シリカ膜表面にヒドロキシル基が形成され、再び、シリコン系有機ガスを吸着可能となる。
このように、1層分のシリカ膜が形成された後、さらに、パージ工程、プラズマ水蒸気工程、パージ工程、シラン工程、パージ工程、オゾン工程を1サイクルとして、これを繰り返し、サイクル数を増やすことにより、シリカ膜の膜厚を厚くすることができる。
前記1サイクルで形成されるシリカ膜の厚さは0.7〜1nmである。前記1サイクルを繰り返し、所望の厚さになった時点で終了すればよい。
図4に、本発明の第2の態様に係る製造方法の工程フローを示す。
図4に示す第2の態様に係る方法は、上記の第1の方法に係る製造方法のうち、上記オゾン工程及びその前に行うパージ工程を省略したものである。
このように、上記オゾン工程を行わずに、フレキシブルフィルム表面にシリカ膜を形成させることも可能である。これにより、工程の簡略化を図ることできる。
この場合は、プラズマ水蒸気工程をより長時間行うことにより、シリコン系有機ガスの吸着層にヒドロキシル基を吸着させて完全に酸化させて、シリカ膜を形成する。
上記の本発明に係る製造方法におけるシリカ膜によるコーティングは、いわゆる原子層堆積法と呼ばれる方法であるが、上記製造方法に係る一連の工程は、0〜80℃で行うことができ、非加熱、すなわち、常温で行うことも可能である。
このため、本発明に係る製造方法は、特別な温度維持装置を必要とすることなく、均一な膜形成を可能とするものであり、ロール状基板の製造にも容易に対応し得る。
前記各工程における処理温度が80℃を超えると、フレキシブルフィルムを構成する樹脂が軟化したり、形状が変化したりするおそれがある。一方、0℃未満であると、真空槽を含む各処理装置が、結露又は氷結を生じるおそれがある。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
(フレキシブル基板の作製)
アクリル樹脂からなる厚さ0.8mmのフレキシブルフィルム1の両面に、厚さ3.5nmのシリカ膜2がコーティングされた図1に示すようなフレキシブル基板を以下に示す工程により作製した。
まず、アクリル樹脂からなるフレキシブルフィルムを10-3Pa以下の真空槽内で、80℃で24時間放置して乾燥させた。このフィルムを、真空槽内に配置し、室温(27℃)で、真空槽を10-4Pa以下まで排気した(パージ工程)後、オゾンを1×108L・s-1で導入し、前記フィルム表面の油汚れを除去した(オゾン工程)。
次に、真空槽を一旦、真空排気した(パージ工程)後、プラズマ水蒸気を導入して、前記フィルム表面にヒドロキシル基を吸着させた(プラズマ水蒸気工程)。
前記プラズマ水蒸気は、図3に示すような装置を用いて発生させた。バブラ10内で50℃に温めた水に不活性ガス12としてアルゴンガスを流量10sccmで供給し、加湿させたアルゴンガスを、誘導コイル13により高周波磁場をかけたガラス管14内でプラズマ化させた。高周波磁場の周波数は13.56MHz、高周波電力は30Wとした。
これにより発生したプラズマ水蒸気15を真空槽へ2分間導入した。
次に、真空槽を真空排気した(パージ工程)後、トリス(ジメチルアミノ)シランガスを2.3sccmで20秒間導入し、前記フィルム表面にトリス(ジメチルアミノ)シランを1分子層分吸着させた(シラン工程)。
この後、上記のパージ工程、オゾン工程、パージ工程、プラズマ水蒸気工程、パージ工程及びシラン工程を1サイクルとして、49サイクル繰り返し、オゾン工程で終了した。
上記工程終了後、前記フィルム表面に形成されたシリカ膜の厚さを分光エリプソメトリにより測定したところ、前記シリカ膜は両面にそれぞれ膜厚3.5nmで形成されていることが確認された。
(有機溶媒に対する溶解試験)
上記のようにして得られたフレキシブル基板について、有機溶媒に対する溶解試験を行った。試験は、有機溶媒としてアセトンを用い、これを基板上に0.5mL滴下し、乾燥させたものを目視観察することにより行った。
シリカ膜によるコーティングをしていないフレキシブルフィルムは、アクリル樹脂が溶解して白濁したが、シリカ膜でコーティングしたフレキシブル基板は、透明のままであり、有機溶媒に対して不溶であることが認められた。
(可視光の透過性評価)
また、可視光の透過性は、波長400〜700nmの範囲において、透過度が90〜95%であり、シリカ膜によるコーティングの有無による差は見られず、シリカ膜でコーティングしたフレキシブル基板においても、透明性が維持されていることが認められた。
[実施例2]
シリカ膜の厚さを10nmとし、それ以外については、実施例1と同様にして作製したフレキシブル基板について、可視光の透過性評価を行ったところ、透明性も維持されていることが確認された。
なお、フレキシブルフィルムとして、PEN、PET又はポリイミドフィルムを用いて、それ以外については実施例1と同様にして、それぞれ、シリカ膜によるコーティングを行い、得られた各フレキシブル基板について、有機溶媒に対する溶解試験及び可視光の透過性評価を行ったところ、いずれも、有機溶媒に対して不溶であり、透明性も維持されていることが確認された。
[比較例1]
シリカ膜の厚さを13nmとし、それ以外については、実施例1と同様にして作製したフレキシブル基板は、シリカ膜の剥離が生じ、剥離は100℃程度の加熱で顕著となった。
[比較例2]
シリカ膜の厚さを15nmとし、それ以外については、実施例1と同様にして作製したフレキシブル基板について、可視光の透過性評価を行ったところ、シリカ膜でコーティングしていないフレキシブルフィルムと比較して、透光性が3%程度低く、また、若干、青みがかって見えた。
1 フレキシブルフィルム
2 シリカ膜
10 バブラ
11 水
12 不活性ガス
13 誘導コイル
14 ガラス管
15 プラズマ水蒸気

Claims (5)

  1. 透明な樹脂からなるフレキシブルフィルムの両面に、厚さ0.7〜10nmのシリカ膜がコーティングされているフレキシブル基板を製造する方法であって、
    前記フレキシブルフィルムを真空中で加熱乾燥する工程の後、
    加熱処理したフレキシブルフィルムを真空槽内に配置し、該真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、
    前記真空槽にオゾンを導入するオゾン工程と、
    前記真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、
    前記真空槽にプラズマで励起された水蒸気を導入するプラズマ水蒸気工程と、
    前記真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、
    前記真空槽にシリコン系有機ガスを導入するシラン工程と
    からなる一連の工程を繰り返すことにより、前記フレキシブルフィルムの両面にシリカ膜をコーティングすることを特徴とするフレキシブル基板の製造方法。
  2. 透明な樹脂からなるフレキシブルフィルムの両面に、厚さ0.7〜10nmのシリカ膜がコーティングされているフレキシブル基板を製造する方法であって、
    前記フレキシブルフィルムを真空中で加熱乾燥する工程の後、
    加熱処理したフレキシブルフィルムを真空槽内に配置し、該真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、
    前記真空槽にプラズマで励起された水蒸気を導入するプラズマ水蒸気工程と、
    前記真空槽を不活性ガスで満たすか、又は、真空排気するパージ工程と、
    前記真空槽にシリコン系有機ガスを導入するシラン工程と
    からなる一連の工程を繰り返すことにより、前記フレキシブルフィルムの両面にシリカ膜をコーティングすることを特徴とするフレキシブル基板の製造方法。
  3. 前記フレキシブルフィルムを構成する樹脂が、アクリル樹脂、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブル基板の製造方法
  4. 前記一連の工程を0〜80℃で行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフレキシブル基板の製造方法。
  5. 前記プラズマ水蒸気工程においては、水に曝して加湿した不活性ガスをガラス管に通し、該ガラス管の外周に巻かれた誘導コイルから高周波磁界を印加することにより、前記ガラス管内の加湿された不活性ガスを励起させてプラズマ化し、得られた水蒸気を真空槽に導入することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のフレキシブル基板の製造方法。
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