JP2014009314A - 光重合性硬化型粘着剤組成物 - Google Patents

光重合性硬化型粘着剤組成物 Download PDF

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JP2014009314A JP2012147724A JP2012147724A JP2014009314A JP 2014009314 A JP2014009314 A JP 2014009314A JP 2012147724 A JP2012147724 A JP 2012147724A JP 2012147724 A JP2012147724 A JP 2012147724A JP 2014009314 A JP2014009314 A JP 2014009314A
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Akira Matsumura
明 松村
Noriaki Okamoto
憲明 岡本
Daisuke Shiraishi
大介 白石
Koichi Noguchi
浩一 野口
Hitoshi Niike
仁志 新池
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Abstract

【課題】空気硬化性に優れ、つまり酸素による重合阻害を受けにくい、新規な光重合性硬化型粘着剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】(a)質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子、(b)ラジカル重合性単量体、(c)ビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物、及び(d)光重合開始剤を含有する光重合性粘着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は光重合性硬化型粘着剤組成物に関する。
携帯電話、パソコン、テレビ等の液晶表示装置等では、光学部材の貼り合わせに、粘着剤(感圧接着剤)及び粘着シートが使用されている。液晶表示装置の中でも、タッチパネル用途では、粘着剤及び粘着シートが直接ITO(Indium Tin Oxide、インジウム錫酸化物)面に貼り合せられる。そのため、タッチパネル用途では、ITOを劣化させない目的で、カルボン酸含有単量体等の酸成分を含まない粘着剤及び粘着シートが使用されている。また、前記粘着剤及び粘着シートでは、粘着力と保持力とがバランス良く保持することも求められている。更に、耐熱性、耐湿熱白化性、段差追従性等の機能を有する溶剤含有タイプのアクリル系粘着剤等も知られている。
粘着剤は、基材レス粘着シート(基材を有しない粘着シート)として粘着シート状又はテープ状に加工される。基材レス粘着シートは、一般にOCAテープ(Optical Clear Adhesive Tape)と呼ばれ、例えば粘着剤層がセパレーター(リリースフィルム)2枚に挟まれた構成をとる。その粘着剤層の膜厚は、薄いもので10〜50μm程度、厚いもので100〜500μm程度の膜厚を有している。
さて、従来の溶剤含有タイプの粘着剤(例えばアクリル系)は、一般に溶剤中でラジカル重合性単量体を重合させて得られる。この溶剤含有タイプの粘着剤から形成される粘着シートでは、製造の際に粘着剤の溶剤を乾燥工程で除去する必要があった。そのため、粘着剤層の塗工厚さの半分以下程度の厚さの粘着剤層(粘着シート)しか得られなかった。前記溶剤含有タイプのアクリル系粘着剤は、薄膜用途には適しているものの、厚膜用途には適しているとは言い難く、厚膜用粘着シートを得ることは困難であった。また、光学用途で使用される粘着シートは、高い透明性も求められるため、粘着剤層内部に不織布等の基材を併用することができない。そのため、従来の溶剤含有タイプの粘着剤は、光学用途での、厚膜形成用の粘着剤層及び厚膜の粘着シートの形成には不向きであった。
また、光学用途の中でも、タッチパネル用途では、液晶表示装置本体の意匠性を確保する目的等で、本体に印刷インキが厚く塗工されている。そのため、本体に塗工された印刷インキによる段差を埋めるためにも、厚膜の粘着シートが求められている。例えば、薄い粘着剤層を塗工し、次いで乾燥するという工程を複数回繰り返すことで、粘着剤層を多層化し、厚膜の粘着剤層(及び粘着シート)を調製する方法が知られている。しかしながら、この様な多層化した粘着剤層では、粘着剤層表面を光学的に均一に形成することが困難であった。また、粘着剤層の多層化は、製造工程数が多く、使用する部材等も多くなる問題があった。また、粘着剤が溶剤系であるため、溶剤除去のための乾燥エネルギーが多く、製造時間も長くなるので、経済的に問題を抱えていた。
特許文献1では、紫外線照射により粘着剤用液状組成物を硬化させる際、酸素障害を抑制する目的で、照射時は塗工面に別のフィルムを置き、酸素を遮蔽した状態で、硬化させた粘着フィルムが製造されている。また、特許文献2では、放射線照射により粘着剤層を硬化させる際、酸素障害を抑制する目的で、照射を不活性ガス中で行い、粘着シートが製造されている。この様に、特許文献1及び2に開示される粘着剤組成物は、一般的な紫外線照射による硬化では、空気中の酸素による重合障害を受け易いものであった。粘着剤組成物が、空気中の酸素により硬化障害を受けると、硬化後の粘着剤層の保持力及び凝集力は不十分であった。またフィルムシートで酸素遮断する方法では光重合開始剤の分解物が空気中に飛散することなく塗膜中に残存するので粘着物性の低下や粘着シート内で気泡が生じたり、光重合開始剤由来の臭気が残る。
特許文献3には、ビニルエーテル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類を含有する電子線硬化樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献3の硬化樹脂組成物は高エネルギーの電子線による硬化させるものであり、非常に高価な電子線照射装置が必要となる。このため電子線照射装置は、生産設備としての一般工業用途への普及率は極めて低い。
特許文献4では、分子内に3個以上のアクリロイル基を有する単量体を含有する紫外線硬化型粘着剤組成物が開示されている。しかしながら、特許文献4の分子内に3個以上のアクリロイル基を有する単量体を用いると、紫外線照射により過架橋が起こり易く、紫外線照射量の制御が困難であり、その結果、紫外線硬化型粘着剤組成物の粘着物性が大幅に低下する問題があった。
特開2003-253225号公報 特開2004-300442号公報 特開2008-50590号公報 特開2000-109779号公報
本発明は、空気硬化性に優れ、つまり酸素による重合阻害を受けにくい、新規な光重合性硬化型粘着剤組成物を提供することを目的とする。また、前記光重合性硬化型粘着剤組成物に含まれる高分子成分の製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、光重合性硬化型粘着剤組成物に関し、空気硬化性に優れるため、酸素による硬化障害を受けにくいので、紫外線等の光線の照射を不活性ガス中やフィルムシートでラミネートした状態で行わなくても、その硬化物が優れた粘着力や保持力等を発現する。更に溶剤を含まないため粘着層を形成させる際、通常の粘着シートや粘着テープのそれと比較し、粘着剤層内部に不織布などの基材を併用することなく厚く塗工・形成させることが容易となり、粘着層の表面状態の向上に寄与し、溶剤留去に伴う乾燥コストの低減、製造時間の短縮など製造コストを低減させ、且つ溶剤を排出させないことで環境への負荷を著しく少なくすることを目的とする。
また、光重合性粘着剤組成物の製造方法に関しては、炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体とアゾ系重合開始剤を使用し、無溶剤下で重合させて反応が完結する前に重合を重合禁止剤及び/または酸素で中断させることにより得られる高分子(a)と残存重合性単量体((b)成分を含む)の混合物を製造するには、一般に溶剤中でラジカル重合性の単量体を重合して得られた樹脂溶液から、溶剤を留去した後にラジカル重合性の単量体で任意の粘度に希釈する必要がある。この方法では製造工程がラジカル重合、溶剤留去、ラジカル重合性の単量体による希釈と複数の工程を要する。また、残存溶剤による発泡や粘着物性が低下する問題もある。
更に溶剤を使用しないで、無溶剤下でラジカル重合性の単量体を高温重合した場合、一般に急な発熱や粘度上昇によりゲル化が起こり、反応制御が非常に困難である。
また、溶剤を使用しないで、無溶剤下でラジカル重合性の単量体を低温重合した場合、重合禁止剤または酸素で反応を中断させないと、経時的に反応が進行することで製品安定性が低下する問題がある。
本発明の目的は、上述の如く従来技術の問題点を解決し、無溶剤下でラジカル重合性の単量体を安全に、且つ多くの工程を踏むことなく、重合させてなる、高分子(a)と残存単量体((b)成分を含む)の混合物を得ることができる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、(a)特定の高分子、(b)ラジカル重合性単量体、(c)特定のビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物及び(d)特定の光重合開始剤を用いることにより、空気硬化性に優れ、粘着剤層内部に不織布などの基材を併用することなく厚く塗工し、粘着シートを形成させることが容易で、且つ溶剤留去に伴う乾燥コストの低減、粘着層の表面状態の向上に寄与する光重合性粘着剤樹脂組成物の開発に至った。
更に、高分子(a)とラジカル重合性の単量体((b)成分含む)の混合物の製造に関して、溶剤留去に伴う乾燥コストの低減、製造時間の短縮など製造コストを低減させ、且つ溶剤の排出を伴わないため環境への負荷を著しく少なくする方法を見出した。
即ち、本発明は以下の通りである。
項1. (a)質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子、
(b)ラジカル重合性単量体、
(c)一般式(1):
Figure 2014009314
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素原子、水素原子及び窒素原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、nは0又は1である。)で表されるビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物、及び
(d)一般式(2):
Figure 2014009314
(式中、Yは炭素原子、水素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、Xは水酸基又はモルホリノ基である。)で表される光重合開始剤
を含有する光重合性粘着剤組成物。
項2. 前記高分子(a)が、炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体を重合させて得られる、前記項1に記載の光重合性粘着剤組成物。
項3. (a)質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子、
(b)ラジカル重合性単量体、
(c)一般式(1):
Figure 2014009314
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素原子、水素原子及び窒素原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、nは0又は1である。)で表されるビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物、及び
(d)一般式(2):
Figure 2014009314
(式中、Yは炭素原子、水素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、Xは水酸基又はモルホリノ基である。)で表される光重合開始剤
を含有する光重合性粘着剤組成物の製造方法であって、
当該製造方法は、
(1)無溶剤下で、アゾ系重合開始剤を使用し、炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体を重合する工程、及び
(2)前記ラジカル重合の反応が完結する前に、当該重合を重合禁止剤及び/又は酸素で中断させる工程、
を含み、
前記工程1及び2により、前記高分子(a)と未反応のラジカル重合性単量体との混合物を得る製造方法。
項4. 前記混合物において、前記未反応のラジカル重合性単量体が前記(b)ラジカル重合性単量体を含む、前記項3に記載の製造方法。
本発明の上記(a)〜(d)を含む光重合性粘着剤組成物は、空気硬化性に優れているため、酸素による硬化障害を受けにくく、紫外線等の光線の照射を不活性ガス中やフィルムシートでラミネートした状態で行わなくても、その硬化物が優れた粘着力や保持力等を発現し、更に溶剤を含まないため粘着層を形成させる際、通常の粘着シートや粘着テープのそれと比較し、粘着剤層内部に不織布などの基材を併用することなく厚く塗工・形成させることが容易となり、粘着層の表面状態の向上に寄与し、溶剤留去に伴う乾燥コストの低減、製造時間の短縮など製造コストを低減させ、且つ溶剤を排出させないことで環境への負荷を著しく少なくすることが可能となる。
また、本発明の上記高分子(a)とラジカル重合性単量体(b)を含む混合物を無溶剤下で安全に、且つ多くの工程を踏むことなく得ることが可能となる。
本発明の光重合性粘着剤組成物を使用することにより、厚膜の粘着層を短時間で形成させることが可能で、粘着層の表面状態を向上させ、溶剤留去に伴う乾燥エネルギーと製造時間の短縮など製造コストを大きく低減させ、且つ溶剤を排出させないことで環境への負荷が著しく少ない粘着シートを製造することができる。
本発明の光重合性粘着剤組成物は、従来からの用途である両面テープ、梱包テープ、ラベル等へ使用することができるが、特に携帯電話、パソコン、テレビ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション、ATM、切符の自動販売機、サイネージ用、電子書籍、電子ペーパーなどの各種ディスプレイ機器の表示(画像表示装置)のタッチパネルを構成する光学部材の貼り合わせに好適に用いることができる。
最近、これらが画像表示装置製品の意匠性を高め差別化を図るため保護透明板に印刷層を設けることが多い。この印刷インク層、各種回路に使用される銀ペースト等の層、またFPD部分に発生する段差など、基材シートやフィルムに10〜60μm程度の段差を有する場合が多く、粘着シートによる貼り合わせ時や貼り合わせ後に気泡が発生するという問題がある。これは粘着剤層の段差追従性の不足によるものである。この段差追従性を得るために厚手の粘着シート又はフィルムが求められており、この用途に本発明の光重合性粘着剤組成物は最適である。
更に、本発明者らが先に出願したWO2012/023567で開示した組成を適用することにより、高温・高湿度環境下における粘着層の濁り(ヘイズ値の増加)や白化が少なく、またヘイズ値の上昇が見られた際にも常温環境下に戻すと、短時間でヘイズが解消し、透明性に優れるといった効果を粘着シートに付与する事ができる。
得られた粘着シートは、ITOやATO(アンチモン錫酸化物)などの透明導電性皮膜やそれをエッチングして得られる回路、及び銀、銅、アルミなどの微細な金属配線を付したガラスや樹脂(PET、PMMA(アクリル)、PC(ポリカーボネート)、COP(シクロオレフィンポリマー)等)のシートやフィルムへ貼り合わせ、さらに別のシートやフィルムに貼り合わせることにより、二つの基材を貼り合わせて使用される。例えば、ITOをスパッタした後にエッチングなどで回路が形成されたガラス上に、本発明の粘着シートの粘着面を貼り合わせ、粘着シートのセパレーターを剥がした後、UV硬化型樹脂でハードコートされたPETフィルムを張り合わせたり、ITOをスパッタした後にエッチングなどで回路が形成された表面処理PETフィルム上に、本発明の粘着シートの粘着面を貼り合わせ、粘着シートのセパレーターを剥がした後、PETフィルムを貼り合わせたり、光学フィルム上に直接粘着剤組成物を塗工して乾燥した後に別の光学フィルムを貼り合わせたり、ITOのパターンが形成された樹脂シートやフィルム、ガラスなどを別の光学部材(例えば、偏光板(TAC、COP他)や液晶セル(ガラス))に貼り合わせたりする場合が挙げられるが、タッチパネルを形成するシートやフィルム状の光学部材同士を貼り合わせる場合に全般的に適用され、粘着剤や粘着シートの被着体の種類は特に限定されない。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光重合性粘着剤組成物は、
(a)質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子、
(b)ラジカル重合性単量体、
(c)一般式(1):
Figure 2014009314
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素原子、水素原子及び窒素原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、nは0又は1である。)で表されるビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物、及び
(d)一般式(2):
Figure 2014009314
(式中、Yは炭素原子、水素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、Xは水酸基又はモルホリノ基である。)で表される光重合開始剤
を含有する。
また、本発明の光重合性粘着剤組成物の製造方法は、
前記光重合性粘着剤組成物の製造方法であって、
当該製造方法では、
(1)無溶剤下で、アゾ系重合開始剤を使用し、炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体を重合する工程、及び
(2)前記ラジカル重合の反応が完結する前に、当該重合を重合禁止剤及び/又は酸素で中断させる工程、
を含み、
前記工程1及び2により、前記高分子(a)と未反応のラジカル重合性単量体との混合物を得る。
(1)(a)質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子
高分子(a)の構成
高分子(a)は、質量平均分子量が50,000〜2,000,000であれば、その種類に制限されない。高分子(a)として、例えば、ゴム系高分子、アクリル系高分子、ポリエステル系高分子、ポリエーテル系高分子、ポリウレタン系高分子、ポリシロキサン系高分子等の高分子を使用することができる。
前記ゴム系高分子としては、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンゴム(ABS)、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、天然ゴム、スチレン・エチレン・スチレン共重合体(SES)、スチレン・ブチレン・スチレン共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・プロピレン共重合体(SEP)、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(SIS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEPS)、スチレン・イソプレン・エチレン・スチレン共重合体(SIES)、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(SEEPS)等が挙げられる。
前記ポリエステル系高分子としては、多価カルボン酸と多価アルコール重縮合体が挙げられる。
前記ポリエーテル系高分子としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポロフェニレンオキシド、ポリスルフォン、ポリアセタール等が挙げられる。前記ポリウレタン系高分子としては、ポリカーボネート系、ポリエステル系、ポリエーテル系等が挙げられる。前記ポリシロキサン系高分子としてはメチル水素ポリシロキサン系、ジメチルポリシロキサン系、ジアミノポリシロキサン系等が挙げられる。
前記アクリル系高分子としては以下に示す単量体を共重合して得られるアクリル系高分子が好ましい。その単量体の例としては、(メタ)アクリル酸メチル(以下、アクリレート及び/又はメタクリレートを、(メタ)アクリレートと略して表す)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸イソウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸イソドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジプロピルメタクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルメタクリルアミド、N−メチル−N−プロピルアクリルアミド、N−メチル−N−プロピルメタクリルアミド、N−メチル−N−ブチルアクリルアミド、N−メチル−N−ブチルメタクリルアミド、N−エチル−N−プロピルアクリルアミド、N−エチル−N−プロピルメタクリルアミド、N−エチル−N−ブチルアクリルアミド、N−エチル−N−ブチルメタクリルアミド、N−プロピル−N−ブチルアクリルアミド、N−プロピル−N−ブチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、ダイアセトンアクリルアミド、メチルアクリルアミドグリコレートメチルエーテル、メチルメタクリルアミドグリコレートメチルエーテル、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル(例えば、ジャパンエポキシレジン製:ベオバ(商品名))、安息香酸ビニル、アクリロニトリル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジアリルメチルアミン、アミノスチレン、ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、又は4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、又は3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン、カルボジイミドエチル(メタ)アクリレート、又はtert−ブチルカルボジイミドエチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、4−アセトアセトキシブチル(メタ)アクリレート、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル、又は4−アセトアセトキシブチルビニルエーテル、アクリロニトリル、又はメタクリロニトリル、ノルマルプロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ノルマルブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニールエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、又はジエチレングリコールジビニルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、4−メチルスチレン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸イソトリデシル、メタクリル酸イソトリデシル、アクリル酸ミリスチル、メタクリル酸ミリスチル、アクリル酸セチル、メタクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸イソオクタデシル、メタクリル酸イソオクタデシル、アクリル酸オレイル、メタクリル酸オレイル、アクリル酸イコシル、メタクリル酸イコシル等を挙げることができる。
炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、好ましくは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル等が挙げられ、これら単量体は1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。高分子化合物に粘着剤としての基本的な粘弾性体特性を付与することができるという理由から、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル等が特に好ましい。その他、粘着物性向上や耐湿熱白化抑制、耐熱性向上などの理由から水酸基等の官能基を持ったラジカル重合性単量体をはじめ、上記単量体を1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
前記高分子(a)は、炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体を重合させて得られるものであることが好ましい。高分子(a)としては、粘着剤としての基本的な粘弾性体特性を付与という理由から、炭素数1〜12以下のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体及びアゾ系重合開始剤を仕込み、所定温度で塊状重合反応を行い、必要により重合禁止剤を添加して重合反応を停止させることで得られる、質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子が好ましい。
ラジカル重合性単量体に含まれる炭素数1〜12以下のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル等が好ましい。ラジカル重合性単量体の合計量に対して、炭素数1〜12以下のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物は、10〜95質量%がより好ましく、30〜85質量%が更に好ましく、50〜75質量%が特に好ましい。
高分子(a)を構成する単量体としては、被着体との接着性向上、耐湿熱白化の抑制、高誘電率という理由からアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリンが好ましく、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミドが特に好ましい。高分子(a)には、前記単量体が、0.1〜30質量%含まれることが好ましい。
高分子(a)の質量平均分子量
高分子(a)の質量平均分子量は50,000〜2,000,000であり、200,000〜1,500,000が好ましく、400,000〜1,200,000がより好ましい。高分子(a)の質量平均分子量が50,000未満であると、光重合性粘着剤組成物から粘着剤層を形成した場合に、耐熱性等の耐久性及び粘着力の低下が起こる場合がある。一方、高分子(a)の質量平均分子量が2,000,000を超えると、光重合性粘着剤組成物の樹脂粘度が高くなり塗工性が低下するため、粘着剤層を形成することが困難となり、工業製品として好ましくない場合がある。また、高分子(a)としては、質量平均分子量が50,000〜2,000,000の範囲内で、小さい分子量のポリマーと大きい分子量のポリマーとを、別々に重合反応により調製して、これら2つ又は2つ以上の高分子を混合して用いても良い。高分子(a)質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、例えば以下に示す条件で測定することができる。
質量平均分子量の測定方法
高分子(a)の質量平均分子量はGPCにて下記の条件にて測定することができる。
・GPC:島津製作所製(CTO-20A)
・カラム:昭和電工製(KF-806(φ8mm、長さ300mm)+KF-804(φ8mm、長さ300mm)+KF-802.5(φ8mm、長さ300mm)
・試料濃度:0.1%
・注入量:100μl
・流量:1.0ml/分
・溶離液:テトラヒドロフラン(試薬特級)
・カラム温度:50℃
・検出器(示差屈折計(RI)):島津製作所製(RID-10A)
・標準物質:ポリスチレン
(2)(b)ラジカル重合性単量体
ラジカル重合性単量体(b)はラジカル重合性の二重結合を有するものであれば特に限定はされない。前記高分子(a)で示したラジカル重合性の単量体を挙げることができる。
その他に1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性(アクロキシエチル)イソシアヌレート、トリスペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の炭素−炭素二重結合を複数個有する単量体も使用することができる。
ラジカル重合性単量体(b)としては、高分子化合物に粘着剤としての基本的な粘弾性体特性を付与することができるという理由から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソデシル等のラジカル重合性単量体が含まれることが好ましい。前記ラジカル重合性単量体は、高分子(a)を形成する単量体成分の総量に対して、好ましくは5〜80質量%の範囲、更に好ましくは20〜70質量%の範囲で使用する。
耐湿熱白化性向上という理由から、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、アクリロイルモルホリン等のラジカル重合性単量体が含まれることが好ましい。高分子(a)を形成する単量体成分の総量に対して、好ましくは1〜30質量%の範囲、更に好ましくは3〜20質量%の範囲で使用する。
基材との密着性を向上させるという理由から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−フェノキシ(メタ)アクリレート、イソボロニルアクリレート、N-アクリロイルオキシエチルヒキサヒドロフタルイミド等のラジカル重合性単量体が含まれることが好ましい。高分子(a)を形成する単量体成分の総量に対して、好ましくは0.1〜30質量%の範囲、更に好ましくは0.5〜20質量%の範囲で使用する。
(3)(c)一般式(1)で表される化合物
本発明の光重合性粘着剤組成物には、(c)成分として、一般式(1):
Figure 2014009314
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素原子、水素原子及び窒素原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、nは0又は1である。)で表される化合物(ビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物)が含まれる。
前記一般式中、R1は、水素原子又はメチル基である。
前記一般式中、R2は、炭素原子、水素原子及び窒素原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基である。また、R2の炭素数は1〜20であることが好ましい。
前記一般式中、nは、0又は1である。
この様なビニルエーテル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)で表される化合物の中でも、一般式(1a)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014009314
上記一般式(1a)中、R1は水素原子又はメチル基である。
一般式(1)で表される化合物は、各種製造方法によっても合成することができる。
具体的には、冷却管、温度計、乾燥空気導入管、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、有機ポリイソシアネート化合物、水酸基とアリル基を各1つ以上もつ単量体、水酸基およびアクリロイル基を各1つ以上もつ単量体、触媒、重合禁止剤を仕込み、これを乾燥空気雰囲気下で攪拌しながら室温〜55℃まで昇温させ、7〜10時間反応させ残留NCO濃度1.0質量%未満のアリルエーテル基含有アクリル酸エステル化合物を得ることができる。
本発明の光重合性粘着剤組成物は、成分(c)として、一般式(1)で表されるビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有の(メタ)アクリル酸エステル化合物を配合する為、特に、空気硬化性に優れる為、照射は不活性ガス中やフィルムシートでラミネートした状態で行う必要がない。
上記一般式(1)で表される前記ビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルの例として、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートの他に、水酸基及び(メタ)アクリロイル基を各1つ以上もつ単量体と有機ポリイソシアネート化合物と水酸基とアリル基を各1つ以上もつ単量体との反応生成物が挙げられる。
水酸基及び(メタ)アクリロイル基を各1つ以上もつ単量体は特に限定されず、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
水酸基とアリル基とを各1つもつ単量体は特に限定されず、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテルなどが挙げられる。特にトリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテルが好ましい。
有機ポリイソシアネート化合物は特に限定されず、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されることはなく、芳香族系、脂肪族系、あるいは脂環族系ポリイソシアネート化合物、それら2種以上の混合物、及びそれらを変性して得られる変性ポリイソシアネートのいずれでもよい。例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等のポリイソシアネートやそれらの変性ポリイソシアネート等を挙げることができる。特に脂肪族系、脂肪族系ポリイソシアネート化合物が好ましい。
水酸基及び(メタ)アクリロイル基を各1つ以上もつ単量体と有機ポリイソシアネート化合物と水酸基とアリル基を各1つ以上もつ単量体との反応生成物はこれらの化合物は単独で又は2種以上を混合して用いることが出来る。またポリプロピレングリコール等のポリオールも反応させて分子量を伸ばしても良い。
触媒は、特に限定されず、ジブチルチンラウレート等のスズ系触媒などの、一般的にウレタン反応ならびにエステル交換反応で使用される触媒が挙げられる。
(4)(d)一般式(2)で表される光重合開始剤
本発明の光重合性粘着剤組成物には、(d)成分として、一般式(2):
Figure 2014009314
(式中、Yは炭素原子、水素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、Xは水酸基又はモルホリノ基である。)
で表される光重合開始剤が含まれる。
本発明の光重合性粘着剤組成物は、一般式(2)で表される光重合開始剤を含むことにより、粘着層を形成させる際の光重合性を向上させるという効果を奏することができる。
前記一般式中、Yは水素原子、炭素原子、及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基である。Yは、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分枝状又は環状のアルキル基、アルコキシル基、ヒドロキシアルコキシル基、チオアルキル基が好ましい。
上記一般式(2)以外の光重合開始剤を使用した場合は、理由は不明ではあるが、粘着層の膜厚が150〜250μmの時に、粘着力が3N/25mm以下となり、十分な粘着力が発現しないため、好ましくない。
前記一般式中、Xは水酸基又はモルホリノ基:
Figure 2014009314
である。
前記一般式で表される光重合開始剤(d)としては、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン、分子内に-C(CH3)2-OHを持つ開始剤としては2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンを適宜選択して使用することができる。
前記一般式を満たす光重合開始剤(d)としては、以下の化学式で表される、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASF社製のDAROCUR 1173):
Figure 2014009314
1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(BASF社製のIRGACURE 2959):
Figure 2014009314
2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン(BASF社製のIRGACURE 127):
Figure 2014009314
等のα−ヒドロキシアルキルフェノン、
2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(BASF社製のIRGACURE 907):
Figure 2014009314
等のα−アミノアルキルフェノン等の光重合開始剤を用いることが好ましい。
また、上記化合物以外の一般的な光重合開始剤として、2,2−1ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、オキシフェニルアセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニルアセチックアシッド[2−ヒドロキシエトキシ]エチルエステルの混合物、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリンー4−イル−フェニル)ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン、1−[9−イル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート等を適宜選択して併用してもよい。また、増感剤、助剤等を併用することができる。
本発明の光重合粘着剤組成物は、成分(d)として、一般式(2)で表される光重合開始剤を配合する為、紫外線等の光線を照射により硬化させ、粘着物性を発現させることができる。
(5)その他の配合剤
本発明の光重合性粘着剤組成物は、本発明の光重合性粘着剤組成物により奏される効果を損なわない範囲で、必要により、反応性オリゴマー、粘着付与剤(タッキファイヤー)、帯電防止剤、無機フィラー、レベリング剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、架橋剤、粘性調整剤、殺菌剤、抗菌剤、着色剤等の配合剤を含有しても良い。
反応性オリゴマーとは(メタ)アクリロイル基を持つオリゴマーであり、例としては、有機イソシアネート化合物とポリエステルジオール化合物またはポリエーテルジオール化合物もしくはポリカーボネートジオール化合物と(メタ)アクリロイル基と水酸基含有の単量体を反応させてなるウレタン(メタ)アクリレートや脂肪族、芳香族ポリエステルからなるポリエステルポリエステル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAまたはノボラック化合物とカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基含有の単量体を反応させてなるエポキシ(メタ)アクリレート、ポリブタジエン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
粘着付与剤の例としては、ロジン系、テルペン系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系、スチレン樹脂系、クマロンインデン樹脂系、石油樹脂系などが挙げられる。ロジン系粘着付与剤としては、アビエチン酸を主成分としたロジンそのものやその誘導体が挙げられ、不均化ロジン、水添ロジン、マレイン化ロジン、重合ロジン、ホルムアルデヒド変性ロジン、及びこれらのエステル化物(グリセリンエステル化物他)等が挙げられる。但し、ITO等の透明性導電膜の用途としての光重合性粘着剤組成物である場合は、ITO等の透明性導電膜を腐食する恐れがあるため、カルボキシル基等の酸成分を有する粘着付与剤の使用を避けることが好ましい。
架橋剤の例としては、イソシアネート系、エポキシ系、エポキシシラン系、ヒドラジド系、カルボジイミド系、アジリジン系の他、有機物が配位した金属系(チタン系等)等の架橋剤が挙げられる。
(6)光重合性粘着剤組成物の製造方法
本発明の光重合性粘着剤組成物の製造方法は、
前記光重合性粘着剤組成物は、前述の
(a)質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子、
(b)ラジカル重合性単量体、
(c)一般式(1):
Figure 2014009314
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素原子、水素原子及び窒素原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、nは0又は1である。)で表されるビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物、及び
(d)一般式(2):
Figure 2014009314
(式中、Yは炭素原子、水素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、Xは水酸基又はモルホリノ基である。)で表される光重合開始剤
を含有する光重合性粘着剤組成物であり、
前記製造方法では、
(1)無溶剤下で、アゾ系重合開始剤を使用し、炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体を、重合する工程、及び
(2)前記ラジカル重合の反応が完結する前に、当該重合を重合禁止剤及び/又は酸素で中断させる工程、
を含み、
前記工程1及び2により、前記高分子(a)と未反応のラジカル重合性単量体との混合物を得る。
本発明の光重合性粘着剤組成物に関し、高分子(a)は、一般的な公知の重合方法によって得ることができ、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、光重合も可能であり、その種類に制限されない。
高分子(a)(例えば、アクリル系高分子)は、無溶剤下で、アゾ系重合開始を使用し、炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体を、ラジカル重合反応を行うことで、調製することができる。
このとき、前記重合の反応が完結する前に、当該重合を重合禁止剤及び/又は酸素で中断(停止)させ、重合後の高分子と未反応(未重合)の重合性単量体との混合物として得る。前記混合物において、前記未反応のラジカル重合性単量体が前記(b)ラジカル重合性単量体を含むものであっても良い。また、溶剤の存在下に単量体の重合を行い、その後溶剤及び未反応の単量体を除去して高分子(a)のみを得た後、(b)成分で希釈してもよい。更に(c)及び(d)成分を配合することで光重合性粘着剤組成物を得ることができる。
反応停止方法は重合禁止剤の添加、酸素又は乾燥空気の吹き込み、加熱、水添加などの方法で反応を停止させて混合物を得る方法が好適である。反応停止方法は特に限定されず、適宜選択すれはよい。2つ以上の方法を組み合せてもよい。特に好ましい方法は、重合禁止剤の添加と酸素又は乾燥空気の吹き込みである。重合温度は、一般に低温であり、30〜150℃程度の範囲で実施され、好ましくは30〜60℃である。30℃以下の場合は、反応速度が遅く、反応時間が長くなる、または反応を開始しない。150℃を超えると反応速度が速く、反応制御が困難であり、好ましくない。具体的には、冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、高分子(a)を構成する単量体及びアゾ系重合開始剤を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で30〜60℃まで昇温させ2〜8時間重合させ、重合禁止剤等を使用して反応を途中で停止させることで、高分子(a)を重合することができる。
また、溶剤を用いて、溶液重合により共重合させた場合、常温、または加熱、減圧下で溶剤を留去させることで高分子(a)を得ることもできる。重合温度は、一般的に、30〜120℃程度の範囲で実施され、好ましくは50〜90℃程度である。重合時や重合後の希釈用に使用される溶剤については特に限定されず、適宜選定すればよいが、溶剤の例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネートなどの有機溶剤が挙げられる。ただし、これら以外の溶剤を使用しても何ら差し支えなく、また、2種以上の溶剤を併用してもよい。特に好ましい溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、n−ヘキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
高分子(a)と未反応(未重合)の単量体との混合物として得る場合は、基材への塗工性という理由から、混合物中に高分子(a)が1〜70質量%程度、未反応(未重合)の単量体が30〜99質量%程度含まれることが好ましい。混合物中に高分子(a)が3〜50質量%程度、未反応(未重合)の重合性単量体が50〜97質量%程度含まれることがより好ましく、混合物中に高分子(a)が5〜40質量%程度、未反応(未重合)の重合性単量体が60〜95質量%程度含まれることが更に好ましい。高分子(a)が1質量%未満の場合は、光重合性粘着剤組成物の樹脂粘度が低くなり塗工性が低下するため、厚膜の粘着剤層を形成することが困難となる可能性がある。高分子(a)が70質量%を超えた場合は、光重合性粘着剤組成物の樹脂粘度が高くなり塗工性が低下するため、粘着剤層を形成することが困難となる可能性がある、工業製品として好ましくない。
また、無溶剤下で単量体を重合して得られた混合物に前述した(b)のラジカル重合性単量体を添加することにより高分子(a)と重合性単量体との混合物を調製することもできる。高分子(a)と重合性単量体との混合物は、基材への塗工性という理由から、混合物中に高分子(a)が1〜70質量%程度、重合性単量体が30〜99質量%程度含まれることが好ましい。混合物中に高分子(a)が3〜50質量%程度、重合性単量体が50〜97質量%程度含まれることがより好ましく、混合物中に高分子(a)が5〜40質量%程度、単量体が60〜95質量%程度含まれることが更に好ましい。上記範囲を外れた場合は、塗工性が低下し、粘着剤層の形性が困難となり、好ましくない。
更に、溶剤重合により得られた重合物から溶剤を留去した後、前述した(b)の重合性単量体を添加することにより、高分子(a)と重合性単量体との混合物を調製することもできる。高分子(a)と単量体との混合物は、基材への塗工性という理由から、混合物中に高分子(a)が1〜70質量%程度、重合性単量体が30〜99質量%程度含まれることが好ましい。混合物中に高分子(a)が3〜50質量%程度、単量体が50〜97質量%程度含まれることがより好ましい。上記範囲を外れた場合は、塗工性が低下し、粘着剤層の形性が困難となり、好ましくない。
重合開始剤
前記高分子(a)を重合するための重合開始剤は、無溶剤下での重合、溶液重合問わず、特に限定されない。高分子(a)がアクリル系重合体である場合は、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メトキシプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、[1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)]等のアゾ系化合物、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、エチルメチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジクミルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノイルパーオキサイド等の有機過酸化物系化合物等を使用することができる。過酸化物系化合物はN,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチルトルイジン等の還元剤を併用することによりレドックス重合を行うことも可能である。
本発明では、アゾ系化合物を使用することが好ましい。有機過酸化物系開始剤は、その分解物や開始剤切片にカルボキシル基等の酸成分を発生させる場合がある。よって、本発明の光重合性粘着剤組成物をITO等の透明導電性皮膜に用いる粘着剤層として形成する場合は、前記透明導電性皮膜を腐食する可能性がある。有機過酸化物系開始剤は、少量であれば使用や他の開始剤との併用も可能である。
重合開始剤は、高分子(a)を形成する単量体成分の総量に対して、好ましくは0.001〜10.0質量%の範囲、更に好ましくは0.01〜5質量%の範囲で使用する。また、高分子(a)の分子量は、重合開始剤の種類や添加量、重合時の温度、単量体濃度等で制御可能であるが、連鎖移動剤としてメルカプタン類、ハロゲン化炭素類、ハロゲン化炭化水素類などを適宜使用してもよい。
(7)光重合性粘着剤組成物中の各成分の配合割合
本発明の光重合性粘着剤組成物中の各成分の配合割合は、高分子(a)の含有率が1〜70質量%程度、ラジカル重合性単量体(b)の含有率が30〜99質量%程度、一般式(1)で表される化合物(c)の含有率が0.001〜30質量%程度、一般式(2)で表される光重合開始剤(d)の含有率が0.01〜15質量%程度であることが好ましい。
高分子(a)成分の含有率は、粘着剤としての基本的な粘弾性体特性を付与や厚膜粘着シートを得るための塗工性を向上させるという理由から、光重合性粘着剤組成物中、1〜70質量%程度が好ましく、3〜50質量%程度がより好ましい。高分子(a)成分の含有率が1質量%未満の場合は、粘着剤の粘度が低くなり、特に厚膜塗工をする時の塗工性が低下する、また、ラジカル重合性単量体(b)の割合が多くなり、光硬化性が低下する。高分子(a)成分の含有率が70質量%を超える場合は、粘着剤の粘度が高くなり塗工ができないという理由から好ましくない。
ラジカル重合性単量体(b)成分の含有率は、粘度調整により塗工性向上させる、紫外線等の光線を照射した場合の光硬化性を向上させるという理由から、光重合性粘着剤組成物中、30〜99質量%程度が好ましく、50〜97質量%程度がより好ましい。30質量%未満の場合は、粘着剤の粘度が高くなり塗工ができない。99質量%を超える場合は、粘着剤の粘度が低くなり、特に厚膜塗工をする時の塗工性が低下する、また、光硬化エネルギーが多く必要になるという理由から好ましくない。
光重合性粘着剤組成物中では、高分子(a)成分とラジカル重合性単量体(b)成分とを合わせて配合量として規定することができる。この場合、光重合性粘着剤組成物中、(a)成分と(b)成分との合計量は、50〜99質量%程度が好ましく、70〜99質量%程度がより好ましい。また、(a)成分と(b)成分との配合比率は、上記理由と同じ理由で、(a)成分:(b)成分=1〜70質量%:30〜99質量%%程度が好ましく、3〜50質量%:50〜97質量%程度がより好ましい。
一般式(1)で表される化合物(c)成分の含有率は、紫外線等の光線照射を不活性ガス中やフィルムシートでラミネートした状態で行う必要がなく、空気雰囲気下でも優れた硬化性を示す空気硬化性が向上するという理由から、光重合性粘着剤組成物中、0.001〜30質量%程度が好ましく、0.01〜20質量%程度がより好ましい。0.001質量%未満の場合は、空気硬化性の効果が得られない。30質量%を超える場合は、過架橋が起こり、粘着物性が低下するという理由から好ましくない。
また、光重合性粘着剤組成物中の一般式(1)で表される化合物(c)成分の配合量は、上記理由と同じ理由で、(a)成分と(b)成分との合計量100質量部に対して、0.001〜30質量部程度が好ましく、0.01〜20質量部程度がより好ましい。
一般式(2)で表される光重合開始剤(d)成分の含有率は、(c)と組み合わせた場合に粘着物性を低下させることなく紫外線等の光線の照射で硬化させるという理由から、光重合性粘着剤組成物中、0.01〜15質量%程度が好ましく、0.05〜10質量%程度がより好ましい。0.01%未満の場合は、光硬化が不十分となり、ラジカル重合性単量体が多く残る為、粘着力が出ない。15質量%を超える場合は、残存光開始剤による粘着物性の低下や光開始剤由来の着色が見られ、色差が悪化するという理由から好ましくない。
また、光重合性粘着剤組成物中の一般式(2)で表される光重合開始剤(d)成分の配合量は、上記理由と同じ理由で、(a)成分と(b)成分との合計量100質量部に対して、0.01〜15質量部程度が好ましく、0.05〜10質量部程度がより好ましい。
(8)光重合性粘着剤組成物の調製方法
(a)〜(d)成分を、混合することで、本発明の光重合性粘着剤組成物を調製することができる。ただし、上述の(a)〜(d)成分の配合順序は特に限定されない。
上記得られた光重合性粘着剤樹脂組成物を、フィルム等の支持体上に塗布し、空気中で、紫外線等の光線を照射して硬化させることにより、粘着剤層及び粘着シートを形成することができる。
(9)粘着剤層及び粘着シート
本発明の光重合性粘着剤組成物を用いて調製した粘着剤層及び粘着シートの膜厚は5〜1000μm程度が好ましく、20〜500μm程度がより好ましい。上記膜厚の範囲は、溶剤を用いた場合は、乾燥後の範囲である。最近、製品の意匠性を高め差別化を図るため保護透明板に印刷層を設けることが多い。この印刷インク層、各種回路に使用される銀ペーストなどの層、またFPD部分に発生する段差など、基材シートやフィルムに10〜60μm程度の段差を有する場合が多く、粘着シートによる貼り合わせ時に気泡が発生するという問題がある。これは粘着剤層の段差追従性の不足によるものである。この段差を粘着剤層が追従する為に20〜500μmの膜厚が好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、各種光学フィルム基材へ直接、もしくはセパレーターに塗工し、空気雰囲気下で紫外線等の光線を照射することで硬化させ、セパレーターを貼り合わせて得られる両面粘着シートとして使用される。本発明の粘着剤組成物を溶剤で希釈した場合、粘着剤を各種光学フィルム基材へ直接、もしくはセパレーターに塗工後、加熱乾燥して溶剤等の除去を行い、空気雰囲気下で紫外線等の光線を照射することで硬化させて粘着剤層を形成した後、セパレーターを貼り合わせてもよい。紫外線等の光線を照射して硬化させる際は、窒素雰囲気下でもよく、別のフィルム基材、セパレーターで貼り合わせてから硬化させてもよい。また、先に紫外線等の光線を照射し、後に別のフィルム基材、セパレーター等で貼り合わせてから、再度紫外線等の光線を照射して硬化させてもよい。セパレーターにはメラミンやシリコーンなどで表面処理したPETフィルム、オレフィン系フィルムなどの樹脂フィルム、シリコーンや剥離性アクリル樹脂などで表面処理したグラシン紙、コート紙、ラミネート紙などの離型紙を使用することができる。特にPETフィルムなどの樹脂フィルムが好ましい。さらにセパレーターは密着防止などの背面処理や帯電防止性を付与されていてもよい。なお、光学用途では高い透明性を求められるため、樹脂フィルムや不織布などの両面に粘着剤を塗布・含浸させて得られるタイプの両面粘着シートはあまり適していない。
更に、ITOパターンが形成された樹脂シートやフィルム、ガラスに直接粘着剤を塗布して液晶表示関連部材を貼りあわせた後、紫外線等を照射して硬化させてもよい。
膜形成液の塗布方法は、ダイコーター、リップコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、コンマロールコーター、ディップロールコーター、グラビアロールコーター、バーコーター、ブレードナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、スピンコーター、スプレーコーター、ディスペンサーなどの公知の方法を適宜選択して用いることができる。
(10)光重合性粘着剤組成物の硬化方法
本発明の光重合性粘着剤組成物の重合反応(硬化反応)に用いる光線としては、光重合開始剤をラジカル発生させる光線であれば特に限定されない。例えば、紫外線、可視光線、赤外線等を使用することができる。
本発明の光重合性粘着剤組成物は、ビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有の(メタ)アクリル酸エステル化合物(成分(c))を配合する為、空気硬化性に優れる為、照射は不活性ガス中やラミネートした状態で行う必要がない。ただし、不活性ガス中やラミネートした状態で照射して硬化させてもよい。
(11)光重合性粘着剤組成物を用いて調製した粘着シートの物性値
粘着力
本発明の粘着シートの粘着力は、JIS Z-0237に準拠して測定することができる。粘着シートを、室温23℃湿度50%RHの恒温室中で、幅25mm、有効測定長100mmに調整し厚さ5mmガラス板、厚さ2mmアクリル板、厚さ2mmポリカ板に、2kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせを行い、24時間放置後、引張試験機(TENSILON製:RTA-1T)にて180°剥離強度(N/25mm)の測定を、剥離速度300mm/分にて行うことができる。
本発明の粘着シートの粘着力は、ガラス板の場合、粘着力が低いと剥がれ、高すぎるとリワーク性を損なうという理由から、5〜70N/25mmが好ましく、10〜60N/25mmがより好ましく、15〜40N/25mmが更に好ましい。アクリル板、ポリカ板の場合も同様である。
保持力
本発明の粘着シートの保持力は、JIS Z-0237に準拠に準拠して測定することができる。粘着シートを、長さ25mm幅25mmに調整した後セパレーターをはがし、SUS304板に2kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わる。室温23℃、湿度50%RH下にて20分、更に40℃恒温槽中に20分放置後、試験片に1kgの荷重を掛け40℃恒温室中で1時間試験を行い、試験前後での貼り合せ位置からのずれ及び試験片の落下の有無の確認を行う。
本発明の粘着シートの保持力は、高い凝集力を得るという理由から、0〜15mmが好ましく、0〜10mmがより好ましく、0〜3mmが更に好ましい。落下がなく、試験片のズレが少ない程、保持力(凝集力)が高く良好な粘着シートである。
透明性
本発明の粘着シートの透明性は、室温23℃、湿度50%下でヘイズメーター(日本電色工業(株)製:NDH2000)で全光線透過率(%)、ヘイズ値(%)を測定することができる。
本発明の粘着シートの透明性は、タッチパネルなどの表示装置の視認性を向上させるという理由から、膜厚が150〜250μmの場合、ヘイズは5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下が更に好ましい。全光線透過率は85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。全光線透過率値が高いほど、またヘイズ値が低いほど透明性が高く良好な粘着シートである。
耐熱性
本発明の粘着シートの耐熱性は、次の方法で測定することができる。粘着シートのセパレーターをはがし80℃の恒温槽に1000時間放置し、色差計(グレタグマクベスAG社製スペクトロアイ)にて試験後のΔb値を測定し、更に目視による気泡、膨れの発生状態を確認する。
本発明の粘着シートの耐熱性は、熱による粘着力低下の抑制と粘着剤層の変色によるタッチパネルなどの表示装置の視認性低下の抑制という理由から、色差(Δb)は10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下が更に好ましい。気泡・膨れはない事が好ましい。
Δb=b1−b0 (b0:初期値、b1:測定値)
耐湿熱性
本発明の粘着シートの耐湿熱性は、次の方法で測定することができる。粘着シートのセパレーターをはがし、温度60℃、湿度95%RHの恒温)に1000時間放置し、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製:NDH2000)にてヘイズ値(%)を測定し、更に目視による気泡、膨れの発生状態を確認する。次に温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室に4時間放置し、ヘイズ値を測定することができる(白化戻り)。
本発明の粘着シートの耐湿熱性は、湿度、熱による粘着力低下の抑制とヘイズ悪化によるタッチパネル等の表示装置の視認性低下を抑制するという理由から、ヘイズ値(%)は、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、10%以下が更に好ましい。白化戻り(%)は、10%以下が好ましく、7%以下がより好ましく、5%以下が更に好ましい。気泡・膨れはない事が好ましい。
ITO腐食性
本発明の粘着シートのITO腐食性は、次の方法で測定することができる。ITOでスパッタリング処理された長さ120mm×幅50mm×厚さ125μmのPETフィルムのITO面に、粘着シートを長さ100mm×幅50mmに調整した後セパレーターをはがし、2kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせを行い、ITOフィルムの両端部に電極を作成して試験片を得る。この試験片を、60℃、95%RHの恒温恒湿槽へ入れ、1000時間後の抵抗値をテスター(アドバンテスト社製:R8340A)にて測定(R1)し、試験開始前の抵抗値(R0)と比較する。
ITO腐食性(%)=(R1-R0)/R0×100
本発明の粘着シートのITO腐食性(%)は、ITOの劣化によりタッチパネルの操作不良を防止するという理由から、膜厚150~250μmの場合、150%以下が好ましく、100%以下がより好ましく、70%以下が更に好ましい。上昇率が少ないほどITOを腐食する程度が低く良好な粘着シートである。
段差追従性
長さ150mm×幅100mmのガラス板上に、長さ100mm、幅50mmで、厚さが20μmとなるよう、黒色インキ(スクリーン印刷用インキ)をコーターで塗工し、ガラス板上に黒色インキによる20μmの段差を形成させて試験用基材とした。この試験用基材に、本発明の粘着シートを長さ100mm×幅25mmに調整した後セパレーターをはがし、室温23℃×湿度50%RH環境下で2kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせを行い、段差部分の状態を確認する。本発明の粘着シートの段差追従性は保護透明板に設けられた印刷層の段差を追従し、気泡によるタッチパネルなどの表示装置の視認性低下を抑制するという理由から、全く泡が見られないことが好ましい。
(12)光重合性粘着剤組成物、粘着剤層及び粘着シートの用途
本発明の光重合性粘着剤組成物を使用することにより、厚膜の粘着層を短時間で形成させることが可能となり、粘着剤層の表面状態を向上させることができる。また、本発明の光重合性粘着剤組成物を使用することにより、粘着剤(粘着剤層)及び粘着シートの製造では、無溶剤とすることができ、溶剤留去に伴う乾燥エネルギー、製造時間の短縮等、製造コストを大きく低減させることができる。また、本発明の光重合性粘着剤組成物を使用することにより、溶剤の排出を伴わないため、環境への負荷を著しく少なくすることが可能となる。
また、本発明の光重合性粘着剤組成物は、現在広く普及しており利用分野が広い市販の紫外線照射装置を用いて紫外線を照射することにより、硬化させることができるので、電子線照射装置を用いた場合に比べ安価に粘着剤(粘着剤層)及び粘着シートを形成することができる。
本発明の光重合性粘着剤組成物によれば、特にビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有の(メタ)アクリル酸エステル化合物(成分(c))を配合する為、空気硬化性に優れ、且つ透明性、接着性、塗工性等に優れた粘着剤(粘着剤層)及び粘着シートを形成することができる。また、本発明の光重合性粘着剤組成物は、成分(c)を配合する為、空気硬化性に優れる為、照射は不活性ガス中で行う必要やフィルムシートでラミネートする必要がない。従って、硬化剤(架橋剤)を必要とする通常の溶剤を含有するアクリル系粘着剤、又は従来からの空気硬化性に劣る無溶剤系の活性エネルギー線硬化型粘着剤と比較して、粘着シートを製造する際、優位性が特に発揮される。
本発明の粘着剤(及び粘着剤層)、並びに粘着シートは、特に、携帯電話、パソコン、テレビ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション、ATM、切符の自動販売機、サイネージ用、電子書籍、電子ペーパーなどの各種ディスプレイ機器の表示(画像表示装置)のタッチパネルに好適に用いることができる。本発明の粘着剤(及び粘着剤層)、並びに粘着シートは、前記表示(画像表示装置)のタッチパネルを構成する光学部材の貼り合わせに使用することができる。なお、使用されるディスプレイの種類ではFPD(フラットパネルディスプレイ)向けが適しており、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)、OLED(有機ELディスプレイ)などに適しているが、CRT(ブラウン管)他のディスプレイにも使用することができる。
また最近、製品の意匠性を高め差別化を図るため保護透明板に印刷層を設けることが多い。この印刷インク層、各種回路に使用される銀ペースト等の層、またFPD部分に発生する段差など、基材シートやフィルムに10〜60μm程度の段差を有する場合が多く、粘着シートによる貼り合わせ時や貼り合わせ後に気泡が発生するという問題がある。これは粘着剤層の段差追従性の不足によるものである。この段差追従性を得るために厚手の粘着シート又はフィルムが求められており、この用途に本発明の光重合性粘着剤組成物は最適である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明の光重合性粘着剤組成物を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。また、各例中の部及び%は質量基準である。
[アクリル系高分子とラジカル重合性単量体の混合物の製造例1]
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、イソノニルアクリレート10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8質量部、アクリル酸tert−ブチル8質量部、スチレン4質量部、N,N−ジメチルアクリルアミド20質量部、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)0.04質量部を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で45℃まで昇温させ7時間重合させた。このようにして得られたアクリル系高分子25質量%、単量体成分75質量%の混合樹脂溶液は、粘度4,700mPa・s、質量平均分子量80万であった。
[アクリル系高分子とラジカル重合性単量体の混合物の製造例2]
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、ブチルアクリレート65質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量部、アクリル酸エチル5質量部、2−フェノキシエチルアクリレート5質量部、アクリロイルモルホリン10質量部、イソボロニルアクリレート10質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.03質量部を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で55℃まで昇温させ5時間重合させた。この様にして得られたアクリル系高分子30質量%、単量体成分70質量%の混合樹脂溶液は、粘度6,200mPa・s、質量平均分子量70万であった。
[アクリル系高分子とラジカル重合性単量体の混合物の製造例3]
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート40質量部、アクリル酸イソステアリル20部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート10質量部、アクリル酸メチル10質量部、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド5質量部、N−ビニルピロリドン5質量部、N,N−ジエチルアクリルアミド5質量部、ジシクロペンテニルアクリレート5質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で65℃まで昇温させ3時間重合させた。このようにして得られたアクリル系高分子20質量%、単量体成分80質量%の混合樹脂溶液は、粘度3,800mPa・s、質量平均分子量75万であった。
[アクリル系高分子とラジカル重合性単量体の混合物の製造例4]
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、イソオクチルアクリレート55部、2−エチルヘキシルアクリレート15質量部、2−ヒドロキシブチルアクリレート11質量部、メタクリル酸メチル5.5質量部、α−メチルスチレン0.5質量部、N−イソプロピルアクリルアミド5質量部、酢酸ビニル8質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル0.05質量部を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃まで昇温させ6時間重合させた。このようにして得られたアクリル系高分子30質量%、単量体成分70質量%の混合樹脂溶液は、粘度7,000mPa・s、質量平均分子量68万であった。
[アクリル系高分子とラジカル重合性単量体の混合物の製造例5]
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート60質量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート8質量部、アクリル酸メチル8質量部、ベンジルアクリレート4質量部、N,N−ジメチルアクリルアミド20質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.8質量部、酢酸エチル100部を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で85℃まで昇温させ8時間重合させた。130℃、10mmHg以下で酢酸エチルを回収した重合物にN−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド100質量部、2−エチルヘキシルアクリレート30質量部、イソボロニルアクリレート20質量部、N,N−ジメチルアクリルアミド20質量部、エチルアクリレート30質量部を配合し、溶解させた。この様にして得られたアクリル系高分子33質量%、単量体成分67質量%の混合樹脂溶液は、粘度6,000mPa・s、重量平均分子量80万であった。
[アクリル系高分子とラジカル重合性単量体の混合物の比較例1]
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート65質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10質量部、アクリル酸メチル10質量部、スチレン5質量部、N,N−ジメチルアクリルアミド10質量部、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)0.04質量部を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で50℃まで昇温させ1時間重合させた。この様にして得られたアクリル系高分子10質量%、単量体成分90質量%の混合樹脂溶液は、粘度200mPa・s、重量平均分子量3万であった。
[アクリル系高分子とラジカル重合性単量体の混合物の比較例2]
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、ブチルアクリレート70質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5質量部、アクリル酸エチル5質量部、アクリロイルモルホリン10質量部、イソボロニルアクリレート10質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.01質量部を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で60℃まで昇温させ15時間重合させた。このようにして得られたアクリル系高分子35質量%、単量体成分65質量%の混合樹脂溶液は、粘度73,000mPa・s、重量平均分子量260万であった。
[アクリル系高分子とラジカル重合性単量体の混合物の比較例3]
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、2−エチルヘキシルアクリレート35質量部、2−ヒドロキシプロピルアクリレート5質量部、酢酸ビニル8質量部、イソステアリルアクリレート20質量部、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド12質量部、N−ビニルピロリドン5質量部、N,N−ジエチルアクリルアミド10質量部、ジシクロペンテニルアクリレート5質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を仕込み、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で65℃まで昇温させ3時間重合させた。このようにして得られたアクリル系高分子25質量%、単量体成分75質量%の混合樹脂溶液は、粘度5,600mPa・s、質量平均分子量75万であった。
[アリルエーテル含有アクリル酸エステル製造例1]
冷却管、温度計、乾燥空気導入管、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、イソホロンジイソシアネート54質量部、グリセリンモノアリルエーテル31.9質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート14.1質量部、ジブチルチンジラウレート0.2質量部、ハイドロキノン0.1質量部を仕込み、これを乾燥空気雰囲気下で攪拌しながら55℃まで昇温させ8時間反応させ残留NCO濃度0.8%のアリルエーテル基含有アクリル酸エステル化合物1を得た。
[アリルエーテル含有アクリル酸エステル製造例2]
冷却管、温度計、乾燥空気導入管、攪拌機、滴下漏斗を付したセパラブルフラスコに、イソホロンジイソシアネート24.9質量部、トリメチロールプロパンジアリルエーテル12.4質量部、2−ヘドロキシエチルアクリレート6.5質量部、ポリプロピレングリコール(分子量1000)56.1質量部、ジブチルチンジラウレート0.2質量部、ハイドロキノン0.1質量部を仕込み、これを乾燥空気雰囲気下で攪拌しながら55℃まで昇温させ8時間反応させ残留NCO濃度0.9%のアリルエーテル基含有アクリル酸エステル化合物2を得た。
[配合例]
Figure 2014009314
Figure 2014009314
[比較配合例]
Figure 2014009314
Figure 2014009314
光開始剤商品名(BASF社製)と化学名
ダロキュア1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
イルガキュア127:2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン
イルガキュア2959:1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン
イルガキュア907:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1−オン
イルガキュア651:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
イルガキュア184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル−ケトン
[粘着シートの作成]
硬化方式(1)
実施例又は比較例で得られた光重合性粘着剤組成物をドクターブレードを用いて厚さ50μmのセパレーター(離型PETフィルム)上に塗布し、コンベアータイプUV照射装置F300S/SQ(フュージョン社製)にHバルブを装着した状態で、1600mJ/cm2の紫外線を照射することにより200μmの粘着シートを作成した。更に厚さ50μmのセパレーター(離型PETフィルム)を貼り合せ「粘着シート」を得た。
硬化方式(2)
酸素阻害を受けずに硬化させる際は、実施例ないし比較例で得られた光重合性粘着剤組成物をドクターブレードを用いて厚さ50μmのセパレーター(離型PETフィルム)上に塗布し、50μmの基材フィルム(材質:PET)でラップし、コンベアータイプUV照射装置F300S/SQ(フュージョン社製)にHバルブを装着した状態で、800mJ/cm2の紫外線を照射することにより200μmの「粘着シート」を得た。
[粘度の測定]
JIS K-6833-1に準拠し、ブルックフィールド型回転粘度計(東機産業(株)製TVB-10型)を用いて、試料温度25℃、回転数12回転/分の条件にて測定した。
[分子量の測定]
分子量はGPCにて下記の条件にて測定した。
・GPC:島津製作所製(CTO-20A)
・カラム:昭和電工製(KF-806(φ8mm、長さ300mm)+KF-804(φ8mm、長さ300mm)+KF-802.5(φ8mm、長さ300mm)
・試料濃度:0.1%
・注入量:100μl
・流量:1.0ml/分
・溶離液:テトラヒドロフラン(試薬特級)
・カラム温度:50℃
・検出器(示差屈折計(RI)):島津製作所製(RID-10A)
・標準物質:ポリスチレン
[粘着力の評価]
JIS Z-0237に準拠し、室温23℃湿度50%RHの恒温室中で[粘着シートの作成]で得られた「粘着シート」を幅25mm、有効測定長100mmに調整し厚さ5mmガラス板、厚さ2mmアクリル板、厚さ2mmポリカ板に、2kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせを行い、24時間放置後、引張試験機(TENSILON製:RTA-1T)にて180°剥離強度(N/25mm)の測定を、剥離速度300mm/分にて行った。
[保持力の評価]
JIS Z-0237に準拠し、[粘着シートの作成]で得られた「粘着シート」を長さ25mm幅25mmに調整した後セパレーターをはがし、SUS304板に2kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせた。室温23℃、湿度50%RH下にて20分、更に40℃恒温槽中に20分放置後、試験片に1kgの荷重を掛け40℃恒温室中で1時間試験を行い、試験前後での貼り合せ位置からのずれ及び試験片の落下の有無の確認を行った。落下がなく、試験片のズレが少ない程、保持力(凝集力)が高く良好な粘着シートである。
[透明性の評価]
上記[粘着シートの作成]で作成した「粘着シート」からセパレーターをはがし、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製:NDH2000)にて室温23℃、湿度50%RH下で全光線透過率(%)、ヘイズ値(%)を測定し各種試験前の値とした。全光線透過率値が高いほど、またヘイズ値が低いほど透明性が高く良好な粘着シートである。
[耐熱性の評価]
[粘着シートの作成]にて作成した「粘着シート」からセパレーターをはがし80℃の恒温槽に1000時間放置し、色差計(グレタグマクベスAG社製スペクトロアイ)にて試験後のΔb値を測定し、更に目視による気泡、膨れの発生状態を確認した。表では、「色差(Δb)」及び「気泡・膨れ」の「耐熱試験後」とした。
Δb=b1−b0 (b0:初期値、b1:測定値)
[耐湿熱性の評価]
[粘着シートの作成]にて作成した「粘着シート」からセパレーターをはがし温度60℃湿度95%RHの恒温)に1000時間放置し、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製:NDH2000)にてヘイズ値(%)を測定し、更に目視による気泡、膨れの発生状態を確認した。次に温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室に4時間放置し、ヘイズ値を測定した(白化戻り)。表では、「ヘイズ値」(%)、「白化戻り(%)」、「気泡・膨れ」の「耐湿熱試験後」とした。
[ITO腐食性]
ITOでスパッタリング処理された長さ120mm×幅50mm×厚さ125μmのPETフィルムのITO面に、[粘着シートの作成]にて作成した「粘着シート」を長さ100mm×幅50mmに調整した後セパレーターをはがし、2kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせを行い、ITOフィルムの両端部に電極を作成して試験片を得た。この試験片を、60℃、95%RHの恒温恒湿槽へ入れ、1000時間後の抵抗値をテスター(アドバンテスト社製:R8340A)にて測定(R1)し、試験開始前の抵抗値(R0)と比較した。上昇率が少ないほどITOを腐食する程度が低く良好な粘着シートである。
ITO腐食性(%)=(R1-R0)/R0×100
[段差追従性]
長さ150mm×幅100mmのガラス板上に、長さ100mm、幅50mmで、厚さが20μmとなるよう、黒色インキ(スクリーン印刷用インキ)をコーターで塗工し、ガラス板上に黒色インキによる20μmの段差を形成させて試験用基材とした。この試験用基材に[粘着シートの作成]にて作成した「粘着シート」を長さ100mm×幅25mmに調整した後セパレーターをはがし、室温23℃×湿度50%RH環境下で2kgのゴムローラーで1往復、圧着速度300mm/分にて貼り合わせを行い、段差部分の状態を確認した。その状態(段差追従性)を下記の記号により示した。
S:全く気泡が見られない。
A:わずかに小さな球状の気泡が見られる。
B:大きな気泡が見られ、気泡同士がつながっている場合がある。
C:大きな気泡同士がつながり、段差部分で線上に広がっている。
[性能評価]
Figure 2014009314
Figure 2014009314
Figure 2014009314
Figure 2014009314
本発明の無溶剤下でラジカル重合によって得られた(a)質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子と、(b)ラジカル重合性の単量体とを含む混合物とビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有のアクリル酸エステル化合物を含む光重合性粘着剤組成物は、タッチパネル等で重要な透明性、ヘイズは従来品と変わらず良好であり、さらに空気硬化性に優れ、透明性、接着性、耐久性が高く、耐腐食性等、優れた性能を有することが確認され、特に静電容量方式用のタッチパネル用粘着剤組成物として有用であることがわかった。

Claims (4)

  1. (a)質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子、
    (b)ラジカル重合性単量体、
    (c)一般式(1):
    Figure 2014009314
    (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素原子、水素原子及び窒素原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、nは0又は1である。)で表されるビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物、及び
    (d)一般式(2):
    Figure 2014009314
    (式中、Yは炭素原子、水素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、Xは水酸基又はモルホリノ基である。)で表される光重合開始剤
    を含有する光重合性粘着剤組成物。
  2. 前記高分子(a)が、炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体を重合させて得られる、請求項1に記載の光重合性粘着剤組成物。
  3. (a)質量平均分子量50,000〜2,000,000の高分子、
    (b)ラジカル重合性単量体、
    (c)一般式(1):
    Figure 2014009314
    (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素原子、水素原子及び窒素原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、nは0又は1である。)で表されるビニルエーテル基又はアリルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物、及び
    (d)一般式(2):
    Figure 2014009314
    (式中、Yは炭素原子、水素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む有機残基であり、Xは水酸基又はモルホリノ基である。)で表される光重合開始剤
    を含有する光重合性粘着剤組成物の製造方法であって、
    当該製造方法は、
    (1)無溶剤下で、アゾ系重合開始剤を使用し、炭素数1〜12のアルキル鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル化合物を50質量%以上含むラジカル重合性単量体を重合する工程、及び
    (2)前記ラジカル重合の反応が完結する前に、当該重合を重合禁止剤及び/又は酸素で中断させる工程、
    を含み、
    前記工程1及び2により、前記高分子(a)と未反応のラジカル重合性単量体との混合物を得る製造方法。
  4. 前記混合物において、前記未反応のラジカル重合性単量体が前記(b)ラジカル重合性単量体を含む、請求項3に記載の製造方法。
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