JP7312648B2 - 粘着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤組成物に関する。より詳しくは、粘着性に優れた粘着剤組成物に関する。
(メタ)アクリル酸エステル類を重合して得られる重合体は、工業的に汎用性が高く有用であり、各種用途において広く使用されている。そのような用途の一つとして、粘着剤用途が知られている。なかでも有機溶剤型アクリル系粘着剤は、ベースとなるポリマーの設計により粘着性が発現されるが、充分な物性を得るために架橋反応を利用するのが一般的である。架橋により架橋剤の構造や密度が大きく変化し、凝集力が向上する等、大きく物性が変化する。一般的には、ポリマー側鎖のカルボキシル基やヒドロキシ基を反応点として、イソシアネート、エポキシ、金属キレート剤等を架橋剤に用いることで架橋構造を形成する。
しかしながら、ベースとなるポリマーが側鎖にビニルエーテル基を有し、これを反応点として構築するような架橋構造はほとんど検討されてこなかった。ビニルエーテル基は、他の反応点の官能基と比較して、金属腐食性がない、保存安定性が高い、刺激性・毒性が少ない等の利点がある。ビニルエーテル基を有するポリマーを利用した数少ない検討例としては、例えば、下記のようなものがある。
例えば、特許文献1には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムとを接着するための光硬化型接着剤組成物として、ビニルエーテル基含有重合体と、光カチオン重合開始剤と、反応性希釈剤を含むものが開示されている。
また、例えば、特許文献2には、太陽電池モジュール用バックシートの接着剤層を形成するための接着剤として、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.5~6.0である不飽和二重結合含有重合体を含むものが開示されている。
特開2014-206625号公報 特開2015-185772号公報
しかしながら、これらの従来技術において使用される重合体は、分子量が10000未満と小さい。一般に低分子量のポリマーは流動性が高いという利点はあるものの凝集力が小さく、粘着剤として用いるためにはより高分子量のポリマーが必要となる。そのため、目的・用途に応じた、ビニルエーテル基を含む粘着剤組成物の選択や設計が容易にできるように、より多くの種類の、ビニルエーテル基を含む粘着剤組成物が開発されることが望ましい。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、比較的分子量が大きい重合体を含み、かつビニルエーテル基を反応点として利用する粘着剤であり、粘着性等の物性に優れた新たな粘着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、粘着剤組成物について種々検討したところ、特定の構造単位を有する重合体と、架橋剤及び/又は硬化触媒とを含み、上記重合体が特定範囲の重量平均分子量と分子量分布を有することにより、優れた粘着性を有する粘着剤組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む粘着剤組成物であって、上記重合体(A)は、重量平均分子量が10000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であることを特徴とする粘着剤組成物である。
Figure 0007312648000001
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。Rは、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)
本発明はまた、重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む粘着剤組成物であって、上記重合体(A)は、下記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分のグループトランスファー重合物であることを特徴とする粘着剤組成物でもある。
Figure 0007312648000002
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。Rは、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)
上述の粘着剤組成物において、上記架橋剤(B)は、ビニルエーテル化合物、環状エーテル化合物、アクリル酸エステル、カルボン酸化合物、マレイミド化合物、及び、チオールからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
上述の粘着剤組成物において、上記硬化触媒(C)は、カチオン硬化触媒、及び、ラジカル硬化触媒からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の粘着剤組成物は、上述の構成からなるため、優れた粘着性を有する。本発明の粘着剤組成物は、紙、金属、ガラス、各種プラスチック等に対する粘着用途に好適に用いることができる。
GPC法により得られる微分分子量分布曲線の概略図である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
また、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。
粘着剤組成物(1)
本発明の第一の粘着剤組成物(以下、「粘着剤組成物(1)」とも称する。)は、下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含み、上記重合体(A)は、重量平均分子量が10000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であることを特徴とする。
Figure 0007312648000003
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。Rは、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)
本発明の粘着剤組成物(1)が、優れた粘着性を有するのは、比較的高分子量の重合体(A)を含み、かつ組成物を硬化させた場合に、重合体(A)のビニルエーテル基が速やかにかつ高い反応率で架橋構造を形成し、充分な凝集力を発現するためと推測される。
以下に、本発明の粘着剤組成物(1)に含まれる各成分について説明する。
<重合体(A)>
本発明において使用する重合体(A)は、上記一般式(1)で表される構造単位(以下、「構造単位(a1)」とも称する。)を有し、重量平均分子量が10000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下である。
上記一般式(1)において、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
上記一般式(1)において、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す
又はRで表される有機基としては、例えば、炭素数1~20の鎖状又は環状の1価の炭化水素基、及び、上記炭化水素基を構成する原子の少なくとも一部を、ハロゲン原子、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に置換したもの等が挙げられる。
上記鎖状の炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基等の飽和炭化水素基、アルケニル基等の不飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは飽和炭化水素基が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、ヘプチル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、2,4-ジメチルペンチル基、3-エチルペンチル基、2,2,3-トリメチルブチル基、オクチル基、メチルヘプチル基、ジメチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、トリメチルペンチル基、3-エチル-2-メチルペンチル基、2-エチル-3-メチルペンチル基、2,2,3,3-テトラメチルブチル基、ノニル基、メチルオクチル基、3,7-ジメチルオクチル基、ジメチルヘプチル基、3-エチルヘプチル基、4-エチルヘプチル基、トリメチルヘキシル基、3,3-ジエチルペンチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等のアルキル基;ビニル基、n-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、2-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、1-ヘプテニル基、2-ヘプテニル基、1-オクテニル基又2-オクテニル基等のアルケニル基;等が挙げられる。
上記環状の炭化水素基としては、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニレル基、メトキシフェニル基、トリクロロフェニル基、エチルフェニル基、トリル基、キシリル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。
上記ハロゲン原子としては、塩素、臭素、又はフッ素が好ましく、フッ素がより好ましい。
なかでも、上記有機基としては、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数1~5のハロゲン化アルキル基、炭素数6~12の芳香族炭化水素基が好ましく、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~5のハロゲン化アルキル基、又は炭素数6~11の芳香族炭化水素基がより好ましく、炭素数1~2のアルキル基、炭素数1~2のハロゲン化アルキル基、炭素数6~8の芳香族炭化水素基がより好ましい。
上記一般式(1)において、Rは、水素原子又は有機基を表す。
で表される有機基としては、例えば、上述したR及びRで表される有機基と同じものを挙げることができる。なかでも、Rは、炭素数1~11の鎖状又は環状の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~10のシクロアルキル基、炭素数6~11の芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1~3のアルキル基であることが更に好ましい。
上記構造単位(a1)を有する重合体は、例えば、下記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分を重合することにより得られる。
Figure 0007312648000004
上記一般式(2)中、R、R、R及びRは、上記一般式(1)中のR、R、R及びRとそれぞれ同じである。
上記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシエチル等を好ましく挙げることができる。
上記重合体(A)は、上記構造単位(a1)を1種のみ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。
上記重合体(A)における上記構造単位(a1)の含有割合は、全構造単位100モル%に対して0.1~20モル%であることが好ましい。上記構造単位(a1)の含有割合は、十分な密度で架橋構造を形成することができる点で、1モル%以上であることがより好ましく、3モル%以上であることが更に好ましく、15モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることが更に好ましい。
なお、上記構造単位(a1)として2種以上含む場合は、上記含有割合は、その2種以上の合計含有割合である。
上記重合体(A)は、更に、他の構造単位(a2)を有していてもよい。上記他の構造単位(a2)としては、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類以外の他の重合性単量体由来の構造単位が挙げられる。
上記他の重合性単量体としては、例えば、電子不足二重結合を有する重合性単量体が挙げられ、これらは製造する重合体の目的、用途に応じて適宜選択することができる。
上記電子不足二重結合を有する重合性単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸i-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸s-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-アミル、(メタ)アクリル酸s-アミル、(メタ)アクリル酸t-アミル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2-(アセトアセトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸アリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフルオロペンチル、(メタ)アクリル酸ヘプタドデカフルオロデシル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル等のハロゲン含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸(3-エチルオキセタン-3-イル)メチル等の環状エーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N,N’-ジメチルアミノエチル、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、2-イソプロペニル-2-オキサゾリン等の窒素原子含有重合性単量体類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の多官能性重合性単量体類;
2-(メタ)アクロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)アクロイルイソシアネート等のイソシアネート基含有重合性単量体類;
4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、1-(メタ)アクリロイル-4-シアノ-4-(メタ)アクリロイルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等の紫外線安定性重合性単量体類;
メチレンブチロラクトン、メチルメチレンブチロラクトン等の重合性環状ラクトン単量体類;(メタ)アクリロニトリル;無水マレイン酸;
1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-2-イルメタアクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-メチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-メチル-2-イソブチル-1,3-ジオキソラン、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2-メチル-2-シクロヘキシル-1,3-ジオキソラン、4-(メタ)アクリロイルオキシメチル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
上記他の重合性単量体は、炭素数が1~22であることが好ましく、1~18であることがより好ましく、3~15であることが更に好ましい。
上記重合体(A)は、上記他の構造単位(a2)を1種のみ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。
上記重合体(A)における上記構造単位(a2)の含有割合は、全構造単位100モル%に対して80~99.9モル%であることが好ましい。上記構造単位(a2)の含有割合は、粘着剤としての重合体の力学物性(粘度、ガラス転移温度等)をより一層発現させることができる点で、85モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることが更に好ましく、99モル%以下であることがより好ましく、97モル%以下であることが更に好ましい。
なお、上記構造単位(a2)として2種以上含む場合は、上記含有割合は、その2種以上の合計含有割合である。
上記重合体(A)は、主鎖末端に、炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物由来の末端基を有することが好ましい。後述のように、上記重合体(A)が、炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物を重合開始剤として使用したグループトランスファー重合により製造される場合、上記重合体の主鎖の重合開始側末端には、上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物に由来する基が形成される。
グループトランスファー重合は、後述のように、上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物を重合開始剤としてモノマーを重合させるアニオン重合の一種であり、上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物が、上述したビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の(メタ)アクリル基又は上記構造単位(a2)を与える電子不足二重結合を有する重合性単量体に付加することにより、後述するような炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物由来の構造が末端に形成されると同時に、新たなシリルケテンアセタールが重合体の成長末端側に形成される。そして、形成されたシリルケテンアセタールに、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類又は上記構造単位(a2)を与える電子不足二重結合を有する重合性単量体が更に重合する。このように、単量体成分の重合において、成長末端のシリルケテンアセタールが次々と重合体分子の末端へと移ってゆくことにより重合体が得られると考えられている。
上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物由来の末端基としては、例えば、下記一般式(3)、(4)又は(5)で示される構造が好ましく挙げられる。
Figure 0007312648000005
(式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。Rは、有機基を表す。)
Figure 0007312648000006
(式中、R、R及びR7’は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。)
Figure 0007312648000007
(式中、R、R及びR7’は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。)
上記一般式(3)、(4)及び(5)において、R及びRで表される有機基としては、上述した有機基と同じものが挙げられるが、なかでも、炭素数1~12の炭化水素基であることが好ましい。
上記炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、芳香族炭化水素基等が挙げられる。上記炭化水素基は、上記炭化水素基を構成する原子の少なくとも一部が、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に置換されていてもよいし、上記炭化水素基を構成する水素原子の一つ以上が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;水酸基;アルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
なかでも、R及びRで表される炭化水素基は、炭素数1~6のアルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基、芳香族炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1~6のアルキル基、シクロアルキル基であることが更に好ましく、炭素数1~6のアルキル基であることが更により好ましく、メチル基、エチル基であることが特に好ましい。
及びR7’で表される有機基としては、例えば、上述した有機基と同じものが挙げられるが、なかでも、炭素数1~22の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1~12のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert-ブチル基、アダマンチル基、シクロヘキシル基、2-エチルヘキシル基、フェニル基であることが更に好ましく、メチル基、エチル基、tert-ブチル基であることが特に好ましい。
及びR7’で表される上記炭化水素基は、上記炭化水素基を構成する原子の少なくとも一部が、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に置換されていてもよいし、上記炭化水素基を構成する水素原子の一つ以上が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;水酸基;アルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
また、RとR又はRとR若しくはR7’は、結合して環構造を形成していてもよい。上記環構造としては、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル等のシクロアルキル等の脂環式炭化水素構造;ジヒドロフラン環、テトラヒドロフラン環、ジヒドロピラン環、テトラヒドロピラン環等の含酸素ヘテロ環構造;等が挙げられる。
なお、上記グループトランスファー重合を用いて上記重合体(A)を製造する際に、重合開始剤として、後述する一般式(7)で表されるシリルケテンアセタール、一般式(8)で表されるビニルシラン化合物、一般式(9)で表されるアリルシラン化合物をそれぞれ用いると、得られる重合体は、それぞれ上記一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)で表される構造の主鎖末端を有する。
なかでも、上記重合体(A)は、グループトランスファー重合で得られた場合に分子量分布が制御されている点で、主鎖に、上記一般式(3)で表されるシリルケテンアセタール由来の末端基を有することが好ましい。
上記重合体(A)はまた、更に、下記一般式(6)で表される末端構造を有していてもよい。主鎖の片末端に、下記一般式(6)で表される末端構造を有すると、重合体に所望の機能を付与することができる。上記重合体(A)は、主鎖の一方の末端に上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物由来の末端基を有し、もう一方の末端に下記一般式(6)で表される末端構造を有することが好ましい。
Figure 0007312648000008
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。Rは、水素原子又は有機基を表す。Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシメチル基、アリル基又はプロパルギル基を表す。nは、1以上の整数を表す。)
上記一般式(6)中、R、R、R及びRは、上記一般式(1)中のR、R、R及びRとそれぞれ同じである。
上記一般式(6)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシメチル基、アリル基又はプロパルギル基を表す。上記アルキル基としては、炭素数1~8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~6のアルキル基であることがより好ましい。
なかでも、上記Xは、重合体の末端基を統一できる点では水素原子であることが好ましく、重合体に機能を付与しやすい点ではプロパルギル基であることが好ましく、重合体の安定性を高める点ではアルキル基であることが好ましい。
上記重合体(A)は、重量平均分子量が10000以上である。上記重合体(A)が上記範囲の重量平均分子量を有し、かつ、分子量分布が5.0以下であると、粘着剤組成物の粘着性が優れたものとなる。
上記重合体(A)の重量平均分子量は、粘着剤としての保持力をより発現させるため、50000以上であることが好ましく、100000以上であることがより好ましく、150000以上であることが更に好ましい。
上記重合体(A)は、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下である。上記重合体(A)の分子量分布は、重合体の諸物性のばらつきを抑制することができる点で、4.5以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましく、2.5以下であることが更に好ましい。下限値は、1.0以上である。上記分子量分布は、「分散度」ともいう。
上記重合体(A)の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法を用いて測定することができ、具体的には、後述する実施例に記載の方法により求めることができる。分子量分布は、重量平均分子量を数平均分子量で除することにより算出して求めることができる。
上記重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、-70℃~-10℃であることが好ましい。上記ガラス転移温度は、粘着力やタック性がより一層発現しやすいという点で、-20℃以下であることがより好ましく、-30℃以下であることが更に好ましい。
上記ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、-100℃から10℃/分で100℃まで昇温した際のベースラインの変化を測定することで求めることができる。
上記重合体(A)は、不溶分の量が、上記重合体100質量%に対して、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0.5質量%以下であることが特に好ましい。
上記不溶分とは、重合体に含まれるゲル成分であり、好ましくは酢酸エチル、トルエン又はテトラヒドロフランに対して不溶な成分であり、25℃での溶解度が、酢酸エチル、トルエン又はテトラヒドロフラン100gに対して0.5g以下、好ましくは0.1g以下である。
上記不溶分の量は、上記重合体の濃度が約33質量%となるように、酢酸エチル、トルエン又はテトラヒドロフランを加え、室温で充分に攪拌した後、孔径4μmのフィルターに通し、そのフィルター上に残った不溶分の乾燥後の質量を(b)とし、初期の重合体の質量を(a)とした場合に、(b)/(a)×100より求めることができる。
上記重合体(A)は、上記重合体(A)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定して得られる微分分子量分布曲線において、上記微分分子量分布曲線の最大値の点をTとし、上記微分分子量分布曲線上Tの5%高さの点を低分子量側からL及びLとする場合に、T-L-Lで囲まれた三角形の面積(X)と、該微分分子量分布曲線とL-Lを結ぶ線で囲まれた部分の面積(Y)との比(X/Y)が、0.8~2.0であることが好ましい。上記重合体が上述の範囲の比を満たすことにより、重合体のゲル化が抑制されていると言える。上記比(X/Y)は、0.8~1.5であることがより好ましい。
なお、図1に、GPC法により測定して得られる微分分子量分布曲線の概略図と、上記T、L、Lを示す。
上記GPCの測定条件は、後述する実施例に記載の方法と同様である。
(重合体(A)の製造方法)
上記重合体(A)を製造する方法としては、上述した構成を有する重合体(A)を製造することができる方法であれば、特に限定されないが、上記重合体(A)を効率良く製造することができる点で、上述したビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分をグループトランスファー重合することにより製造する方法が好ましい。グループトランスファー重合を行うことにより、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の(メタ)アクリロイル基のみを重合反応させた重合体を効率良く製造することができる。また、この方法によれば、得られる重合体に含まれるゲル成分(不溶分)の量を低く抑えることができる。
グループトランスファー重合は、シリルケテンアセタール等の炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物を重合開始剤としてモノマーを重合させるアニオン重合の一種である。炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物が、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の(メタ)アクリロイル基に付加し、新たに形成された重合体の成長末端のシリルケテンアセタールが次々と重合体分子の末端へと移ってゆくことにより重合体が得られる。
このようなグループトランスファー重合を用いることにより、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の重合反応を、室温等の、制御が比較的容易な温度範囲で行うことができる。また、反応系内の水分量を厳密に制御する必要もなく、上記重合反応を行うことができる。更に、上記重合を用いれば、不純物の生成が少なく、高転化率でビニルエーテル基を残存させたままビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル重合体を製造することができる。
上記重合体(A)の好ましい製造方法として、上記グループトランスファー重合を用いた方法を以下に説明する。
上記重合体(A)の製造方法は、上述したビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分を、炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物、及び、触媒の存在下でグループトランスファー重合する工程を含むことが好ましい。
上記の重合反応では、具体的には、反応前に、上記単量体成分、触媒、炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物のうちいずれか2つを反応容器内に仕込み、残り1つを添加することにより重合が開始する。これらを添加する順序については特に限定されず、任意の方法で添加して重合を開始することができる。
また、上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物、触媒、及び、単量体成分は、それぞれ、使用する全量を一度に添加してもよいし、少量ずつ連続的に添加してもよいし、数回に分けて添加してもよい。
上記単量体成分を重合して得られる重合体の分子量は、上記単量体成分の種類及び量や、上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物の種類及び量、上記触媒の種類及び量、使用する溶媒の種類や量により適宜制御することができる。
上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物の使用量は、所望の重合体が得られるのであれば特に限定されないが、より効率的に上記重合体を製造することができる点で、使用する単量体成分に対して、1×10-4~10モル%であることが好ましく、1×10-3~5モル%がより好ましく、1×10-2~1モル%であることが更に好ましい。
上記触媒の使用量は、所望の重合体が得られるのであれば特に限定されないが、より効率的に上記重合体を製造することができる点で、使用する単量体成分に対して、1×10-4~10モル%であることが好ましく、1×10-3~5モル%がより好ましく、1×10-2~1モル%であることが更に好ましい。
上記重合反応は、溶媒を使用せずに行うこともできるが、溶媒を使用することが好ましい。使用する溶媒としては、原料、触媒、重合開始剤、重合体を溶解させることのできる溶媒であれば制限されないが、重合反応が効率良く進行し得る点で、非プロトン性溶媒が好ましい。
本発明において使用する溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、バレロニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2-ジメトキシエタン(DME)、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)等のエーテル系溶媒;ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペンタフルオロベンゼン、オクタフルオロトルエン等のフッ素系溶媒;DMSO、ニトロメタン等が挙げられる。
なかでも、重合反応がより一層効率良く進行し得る点で、上記溶媒としては、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、及びニトリル系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒であることがより好ましい。
上記溶媒は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記溶媒の使用量としては、使用する単量体成分総量100質量%に対して、好ましくは10~10000質量%、より好ましくは50~5000質量%、更に好ましくは100~1000質量%が挙げられる。
また、上記重合においては、重合開始時の溶媒中の酸素濃度が1000ppm以下であることが好ましい。重合開始時の溶媒中の酸素濃度が上述の範囲であると、上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物や触媒等の活性がより低下しにくくなるため、重合反応がより良好に進行し、所望の重合体をより効率良く製造することができる。上記酸素濃度は、800ppm以下であることがより好ましく、0~500ppmであることが更に好ましい。
上記酸素濃度は、ポーラロ方式溶存酸素計により測定することができる。
また、上記重合においては、重合開始時の溶媒中の水分量が1000ppm以下であることが好ましい。重合開始時の溶媒中の水分量が上述の範囲であると、上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物が分解を起こしにくく触媒等の活性がより低下しにくくなるため、重合反応がより良好に進行し、所望の重合体をより効率良く製造することができる。上記水分量は、500ppm以下であることがより好ましく、300ppm以下であることが更に好ましい。
上記水分量は、カールフィッシャー水分測定法により測定することができる。
上記重合における反応温度は、特に制限されないが、分子量及び分子量分布の制御や触媒活性の維持ができる点で、-20~100℃が好ましく、-10~50℃がより好ましく、0~30℃が更に好ましい。また、製造コスト低減の観点から、室温±20℃で重合する工程を含むことも、本発明の製造方法の好ましい形態の一つである。
反応時間は、特に制限されないが、10分~48時間が好ましく、30分~36時間がより好ましく、1~24時間が更に好ましい。
上記重合における反応雰囲気下は、大気下でもよいが、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下であることが好ましい。
また上記重合における雰囲気中の酸素濃度は、10000ppm以下であることが好ましく、1000ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることが更に好ましい。
上記重合反応で得られる重合体は、主鎖末端に開始剤のシリル基を含むシリルケテンアセタール構造又はエノレートアニオン構造となっており、反応系内に水、アルコール、又は酸を添加して、重合体の片末端のシリルケテンアセタール又はエノレートアニオンをカルボン酸又はエステルに変換させることにより、重合反応を停止させることができる。
上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール等が挙げられる。
上記酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸や、酢酸、安息香酸等の有機酸が挙げられる。
水、アルコール又は酸の使用量としては特に制限されないが、使用する炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物1molに対し、好ましくは1~1000mol、より好ましくは1~100mol、更に好ましくは1~10molである。
また、上記水、アルコール、又は酸の代わりに、求電子剤を添加してもよい。求電子剤を添加することにより、目的の官能基を導入して、重合反応を停止させることができる。上記求電子剤としては、例えば、ヨウ素や臭素等のハロゲン、ハロゲン化コハク酸イミド化合物、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリル、ハロゲン化プロパルギル、アルデヒド、酸クロライド等が挙げられる。
上記求電子剤の使用量としては、特に限定されないが、使用するシリルケテンアセタール1molに対し、好ましくは0.5~1.5mol、より好ましくは0.6~1.3mol、更に好ましくは0.8~1.2molである。
上記製造方法において使用する単量体成分、炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物、及び、触媒について説明する。
上記単量体成分としては、上記構造単位(a1)を導入し得る単量体と、上記構造単位(a2)を導入し得る単量体が挙げられる。上記構造単位(a1)を導入し得る単量体としては、上述したビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。上記構造単位(a2)を導入し得る単量体としては、上述した他の重合体単量体が挙げられる。
上記各単量体の含有量は、所望の含有割合範囲の構造単位を有する重合体が得られるよう、適宜設定するとよい。
上記炭素-炭素二重結合を有するシラン化合物としては、例えば、下記一般式(7):
Figure 0007312648000009
(式中、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R、R、R及びR10は、同一又は異なって、有機基を表す。RとR又はRとRは、結合して環構造を形成していてもよい。R、R及びR10は、これらのうち2つ以上が結合して環構造を形成していてもよい。)
で表されるシリルケテンアセタール、下記一般式(8):
Figure 0007312648000010
(式中、R、R及びR7’は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R、R及びR10は、同一又は異なって、有機基を表す。RとR又はRとR7’は、結合して環構造を形成していてもよい。R、R及びR10は、これらのうち2つ以上が結合して環構造を形成していてもよい。)
で表されるビニルシラン化合物、及び、下記一般式(9):
Figure 0007312648000011
(式中、R、R及びR7’は、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。R、R及びR10は、同一又は異なって、有機基を表す。RとR又はRとR7’は、結合して環構造を形成していてもよい。R、R及びR10は、これらのうち2つ以上が結合して環構造を形成していてもよい。)
で表されるアリルシラン化合物の1種又は2種以上が好ましく挙げられる。
なかでも、重合が効率良く進みやすい点で、シリルケテンアセタールがより好ましい。
上記一般式(7)、(8)及び(9)において、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。
上記R及びRとしては、上述した一般式(3)、(4)、(5)中のR及びRとそれぞれ同じものが挙げられる。
上記R及びR7’としては、上述した一般式(3)、(4)、(5)中のR及びR7’とそれぞれ同じものが挙げられる。
上記一般式(7)、(8)及び(9)において、R、R、及びR10は、同一又は異なって、有機基を表す。
、R及びR10で表される有機基としては、上述した有機基と同じものが挙げられるが、なかでも、炭素数1~12の炭化水素基、アルコキシ基であることが好ましく、炭素数1~6の炭化水素基、アルコキシ基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基であることが更に好ましい。
また、上記R、R及びR10で表される炭化水素基は、上記炭化水素基を構成する原子の少なくとも一部が、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に置換されていてもよいし、上記炭化水素基を構成する水素原子の一つ以上が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;水酸基;アルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
上記一般式(7)、(8)及び(9)中の-SiR10で表される基としては、具体的には、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。なかでも、入手容易であることや合成容易である点で、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェニルシリル基が好ましい。
上記一般式(7)で表されるシリルケテンアセタールとしては、具体的には、例えば、メチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリメチルシリル)ジイソプロピルケテンアセタール、メチル(トリエチルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリイソプロピルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(tert-ブチルジメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリメチルシリル)ジエチルケテンアセタール、メチル(トリフェニルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(メチルジフェニルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(ジメチルフェニルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリエトキシシリル)ジメチルケテンアセタール、エチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、2-エチルヘキシル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、tert-ブチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、1-[(1-メトキシ-2-メチル-1-プロペニル)オキシ]-1-メチルシラシクロブタン等が挙げられる。
これらの中でも、入手容易である点や合成容易な点、また安定性の点から、メチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール、メチル(トリイソプロピルシリル)ジメチルケテンアセタール、エチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタールが好ましい。
上記シリルケテンアセタールは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(8)で表されるビニルシラン化合物としては、具体的には、例えば、ビニルトリメチルシラン、1-トリメチルシリルヘキセン、1-トリメチルシリルオクテン、1-トリメチルシリル-1-フェニルエチレン、1-トリメチルシリル-2-フェニルエチレン、ビニル-tert-ブチルジメチルシラン、1-tert-ブチルジメチルシリルヘキセン、1-tert-ブチルジメチルシリルオクテン、1-tert-ブチルジメチルシリル-2-フェニルエチレン、ビニルトリス(トリメチルシリル)シラン、1-トリス(トリメチルシリル)シリルヘキセン、1-トリス(トリメチルシリル)シリルオクテン、1-トリス(トリメチルシリル)シリル-2-フェニルエチレン等が挙げられる。
上記一般式(9)で表されるアリルシラン化合物としては、具体的には、例えば、3-(トリメチルシリル)-1-プロペン、3-(トリエチルシリル)-1-プロペン、3-(ジメチルエチルシリル)-1-プロペン、3-(トリイソプロピルシリル)-1-プロペン、3-(ジメチルイソプロピルシリル)-1-プロペン、3-(トリノルマルプロピルシリル)-1-プロペン、3-(ジメチルノルマルプロピルシリル)-1-プロペン、3-(トリノルマルブチルシリル)-1-プロペン、3-(ジメチルノルマルブチルシリル)-1-プロペン、3-(トリフェニルシリル)-1-プロペン、3-(ジメチルフェニルシリル)-1-プロペン、2-メチル-3-(トリメチルシリル)-1-プロペン、3-(トリメチルシリル)-2-メチル-1-プロペン、3-(トリフェニルシリル)-2-メチル-1-プロペン等が挙げられる。
上記触媒としては、ブレンステッド塩基やルイス塩基等の塩基性触媒として作用するものが好ましく挙げられ、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等の無機塩基;トリアルキルアミン、ピリジン等の有機塩基;等が挙げられる。
なかでも、上記触媒としては、上記ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の重合をより一層効率良く行うことができる点で、有機リン化合物、N-ヘテロ環カルベン、フッ素イオン含有化合物、環状アミン化合物、及び、アンモニウム塩化合物からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。これらの特定の触媒を使用する場合、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類において、ビニルエーテル基のカチオン重合やビニルエーテルの分解が起こりにくく、(メタ)アクリロイル基のみをより一層効率良く重合させることができる。
上記有機リン化合物としては、例えば、1-tert-ブチル-4,4,4-トリス(ジメチルアミノ)-2,2-ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]-2λ,4λ-カテナジ(ホスファゼン)(ホスファゼン塩基P4-t-BuP)、1-tert-オクチル-4,4,4-トリス(ジメチルアミノ)-2,2-ビス[トリス(ジメチルアミノ)ホスホラニリデンアミノ]-2λ,4λ-カテナジ(ホスファゼン)(ホスファゼン塩基P4-tOct)、1-tert-ブチル-2,2,4,4,4-ペンタキス(ジメチルアミノ)-2λ,-4λ-カテナジ(ホスファゼン)(ホスファゼン塩基P2-t-Bu)、1-エチル-2,2,4,4,4-ペンタキス(ジメチルアミノ)-2λ,4λ-カテナジ(ホスファゼン)(ホスファゼン塩基P2-t-Et)、tert-ブチルイミノ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホラン(ホスファゼン塩基P1-t-Bu)、tert-ブチルイミノ-トリ(ピロリジノ)ホスホラン(BTPP)、2-tert-ブチルイミノ-2-ジエチルアミノ-1,3-ジメチルペルヒドロ-1,3,2-ジアザホスホリン等のホスファゼン塩基;トリス(2,4,6-トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリブチルホスフィン、トリス(ジメチルアミノホスフィン)、2,8,9-トリイソブチル-2,5,8,9-テトラアザ-1-ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカン、2,8,9-トリメチル-2,5,8,9-テトラアザ-1-ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカン、2,8,9-トリイソプロピル-2,5,8,9-テトラアザ-1-ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカン;等が挙げられる。なかでも、塩基性が強く、シリルケテンアセタールを効果的に活性化できる点で、ホスファゼン塩基P4-t-BuP、2,8,9-トリイソブチル-2,5,8,9-テトラアザ-1-ホスファビシクロ[3,3,3]ウンデカンが好ましい。
上記N-ヘテロ環カルベンとしては、例えば、1,3-ジメチルイミダゾール-2-イリデン、1,3-ジエチルイミダゾール-2-イリデン、1,3-ジ-tert-ブチルイミダゾール-2-イリデン、1,3-ジ-シクロヘキシルイミダゾール-2-イリデン、1,3-ジ-イソプロピルイミダゾール-2-イリデン、1,3-ジ(1-アダマンチル)イミダゾール-2-イリデン、1,3-ジ-メシチルイミダゾール-2-イリデン等が挙げられる。なかでも、シリルケテンアセタールを効果的に活性化できる点で、1,3-ジ-tert-ブチルイミダゾール-2-イリデン、1,3-ジ-イソプロピルイミダゾール-2-イリデンが好ましい。
上記フッ素イオン含有化合物としては、例えば、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAF)、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムビフルオリド(TASHF)、フッ化水素-ピリジン、テトラブチルアンモニウムビフルオリド、フッ化水素カリウム等が挙げられる。なかでも、入手容易である点やシリルケテンアセタールを効果的に活性化できる点で、フッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(TBAF)、テトラブチルアンモニウムビフルオリド、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムビフルオリド(TASHF)が好ましい。
上記環状アミン化合物としては、例えば、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン等が挙げられる。
上記アンモニウム塩化合物としては、例えば、テトラブチルアンモニウムビスアセテート、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルアンモニウムベンゾエート、テトラブチルアンモニウムビスベンゾエート、テトラブチルアンモニウムメタクロロベンゾエート、テトラブチルアンモニウムシアネート、テトラブチルアンモニウムメトキシド、テトラブチルアンモニウムチオレート、テトラブチルアンモニウムビブロマイド、及び、これらのアンモニウム塩化合物のアンモニウムカチオンをテトラメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、N-メチル-N-ブチルピペリジニウム、N-メチル-N-ブチルピロリジニウムカチオンに変えたものやピリジニウムカチオンに変えたもの等が挙げられる。
また、上記の他に1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノン-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンのような塩基性の強い含窒素複素環化合物も用いることができる。
上記触媒は、1種のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合においては、本発明の効果に影響を与えない範囲において、上述した成分以外に、更に他の成分を使用してもよい。上記他の成分としては、例えば、重合反応において通常使用される重合開始剤、連鎖移動剤、重合促進剤、重合禁止剤等の公知の添加剤等が挙げられる。これらは、必要に応じて適宜選択することができる。
上記製造方法は、上記重合反応工程以外の他の工程を含んでいてもよい。上記他の工程としては、例えば、熟成工程、中和工程、重合開始剤や連鎖移動剤の失活工程、希釈工程、乾燥工程、濃縮工程、精製工程等が挙げられる。これらの工程は、公知の方法により行うことができる。
本発明の粘着剤組成物(1)における上記重合体(A)の含有量は、上記粘着剤組成物の固形分総量100質量%に対して50~100質量%であることが好ましく、75~99質量%であることがより好ましく、90~98質量%であることが更に好ましい。
なお、本明細書において、「固形分総量」とは、硬化物を形成する成分(硬化物の形成時に揮発する溶媒等や硬化触媒を除く成分)の総量を意味する。
<架橋剤(B)>
本発明において使用する架橋剤としては、上記重合体(A)を架橋しうる化合物であれば、特に限定されないが、なかでも、重合体中のビニルエーテル基と速やかに架橋反応を起こすことができる点で、ビニルエーテル化合物、環状エーテル化合物、アクリル酸エステル、カルボン酸化合物、マレイミド化合物、及び、チオールからなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルエーテル化合物、環状エーテル化合物、チオールがより好ましく、ビニルエーテル化合物、環状エーテル化合物が更に好ましい。架橋剤は、1種のみ使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記ビニルエーテル化合物としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1-メチル-2,2-ジメチルプロピルビニルエーテル、2-エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル-2,4-ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等のビニルアリールエーテル;シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等の脂環式化合物含有ビニルエーテル;アリルビニルエーテル等のアリル基含有ビニルエーテル;ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4-ブタンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル等の多官能性ジビニルエーテル;等が挙げられる。
上記環状エーテル化合物としては、例えば、n-ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、1,2-エポキシシクロヘキサン等の単官能エポキシ樹脂;ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF ジグリシジルエーテル、モノアリルジグリシジルイソシアヌル酸、グリシジルメタクリレート等の2官能エポキシ樹脂;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノエチル)ベンゼン、ノボラック型エポキシ樹脂、テトラキスフェノールエタン型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂;1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート等の脂環式オキシラン環を有するエポキシ樹脂;3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-エチル-3-フェノキシメチルオキセタン、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3-エチル(トリエトキシシリルプロポキシメチル)オキセタン、3-シクロヘキシルオキシメチル-3-エチル-オキセタン等の単官能オキセタン樹脂;ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス{〔(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン等の2官能オキセタン樹脂;トリメチロールプロパントリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタン樹脂;テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
上記アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、エトキシ-ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングルコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、9,9-ビス[4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、トリメチロルプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌル酸、ジトリメチロルプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の、(メタ)アクリロイル基を有するマクロマー等が挙げられる。
上記カルボン酸化合物としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、アゾベンゼン-4,4’-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸、クエン酸、トリメリット酸、1,3,5-トリカルボン酸ベンゼン等の分子内に2個以上の官能基を有する化合物;ポリ(メタ)アクリル酸等の側鎖にカルボキシル基を含むような重合体等が挙げられる。
上記マレイミド化合物としては、例えば、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N,N’-テトラメチレンビスマレイミド、ビスフェノールAビス(4-マレイミドフェニルエーテル)、4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、4,4’-ジフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’-ジフェニルスルフォンビスマレイミド、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン等のマレイミド化合物が挙げられる。
上記チオールとしては、例えば、1,2-エタンジチオール、1,3-プロパンジチオール、2,4,6-トリメルカプト-トリアジン、2-ジブチルアミノ-4,6-ジメルカプト-トリアジン、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)等、分子内に2個以上のチオール基を有する化合物等が挙げられる。また、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸など、分子内にカルボキシル基とチオール基を少なくとも1つずつ含有する化合物であってよい。
この他に、ビニルエーテル基と反応し架橋構造を形成しうる化合物を用いることもできる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラエチレングリコール、ポリカーボネートジオール、グリセロール等の脂肪族アルコール;4,4’-ビフェノール、ビスフェノールA等の芳香族アルコール;無水マレイン酸等の酸無水物;等が挙げられる。
上記架橋剤(B)の含有量は、上記粘着剤組成物の固形分総量100質量%に対して、0~50質量%であることが好ましく、1~25質量%であることがより好ましく、2~10質量%であることが更に好ましい。
<硬化触媒(C)>
本発明において使用する硬化触媒としては、特に限定されないが、好ましくは、カチオン硬化触媒、及び、ラジカル硬化触媒からなる群より選択される少なくとも一種を挙げることができる。なかでも、ビニルエーテル基の架橋反応が速やかに進行するというである点で、カチオン硬化触媒が好ましい。
カチオン硬化触媒、ラジカル硬化触媒のどちらの場合も、粘着剤の実施形態に応じて、熱潜在性又は光潜在性のものを用いることもできる。これらの触媒は、1種のみ使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
熱潜在性カチオン硬化触媒
熱潜在性カチオン硬化触媒としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。これらは、光照射によっては実用的な量のカチオン活性種を発生し得ない化合物であり、カチオン活性種を発生する温度は、40℃~200℃が好ましく、60℃~180℃がより好ましく、80℃~150℃が更に好ましい。上記熱潜在性カチオン硬化触媒として、非イオン性の硬化触媒と、イオン性の硬化触媒が挙げられる。
上記熱潜在性カチオン硬化触媒のうち、非イオン性硬化触媒としては、有機ホウ素化合物等のルイス酸部と、アミン、ピリジン等の窒素含有化合物、ホスフィン等のリン含有化合物、スルフィド等の硫黄含有化合物等のルイス塩基部との組み合わせからなる化合物が挙げられる。
上記熱潜在性カチオン硬化触媒のうち、イオン性硬化触媒としては、例えば、(4-ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウム、(4-ヒドロキシフェニル)メチル-o-トリルスルホニウム、(4-アセトキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム等のカチオンと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリシアノメタニド等のアニオンとの組み合わせからなる化合物が挙げられる。
光潜在性カチオン硬化触媒
光潜在性カチオン硬化触媒としては、特に限定されず、公知のものを用いることができ、非イオン性の硬化触媒とイオン性の硬化触媒が挙げられる。上記非イオン性の硬化触媒としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N-ヒドロキシイミドホスホナート等が挙げられる。上記イオン性の硬化触媒としては、例えば、ジフェニルヨードニウム、4-メトキシジフェニルヨードニウム、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウム、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、ジフェニル-4-チオフェノキシフェニルスルホニウム、ビス〔4-(ジフェニルスルフォニオ)-フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(ジ(4-(2-ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)-フェニル〕スルフィド、4-クロロフェニルジフェニルスルホニウム、トリフェニルスルホニウム、η5-2,4-(シクロペンタジェニル)〔1,2,3,4,5,6-η-(メチルエチル)ベンゼン〕-Fe(1+)等のカチオンと、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等のアニオンとの組み合わせからなる化合物が挙げられる。また、必要に応じてチオキサントン等の光増感剤を添加しても良い。
熱潜在性ラジカル硬化触媒
熱潜在性ラジカル硬化触媒としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)等のアゾ化合物;等が挙げられる。
光潜在性ラジカル硬化触媒
上記光潜在性ラジカル硬化触媒としては、例えば、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-1フェニルプロパノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパノン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン等のアルキルフェノン類;2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類;1-[4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)]-1,2-オクタンジオン、1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)エタノン等のオキシムエステル類;ベンゾイルぎ酸メチル等が挙げられる。
上記硬化触媒(C)の含有量は、上記重合体(A)と架橋剤(B)の総和を100質量部とした場合に、0.01~20質量部であることが好ましく、0.5~10質量部であることがより好ましく、1~5質量部であることが更に好ましい。
本発明の粘着剤組成物(1)は、上述した成分以外に、他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、溶剤、紫外線吸収剤、光増感剤、酸化防止剤、色材、可塑剤、粘着付与剤、レベリング剤、無機微粒子、有機微粒子、消泡剤、シランカップリング剤、帯電防止剤、発泡抑制剤、フィラー等が挙げられる。これらの成分は、公知のものから適宜選択して使用することができる。また、これらの使用量も適宜設定することができる。
粘着剤組成物(2)
本発明の第二の粘着剤組成物(以下、「粘着剤組成物(2)」とも称する。)は、重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む粘着剤組成物であって、上記重合体(A)は、上記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分のグループトランスファー重合物であることを特徴とする。
このようなグループトランスファー重合物を含む粘着剤組成物もまた粘着性に優れる。
上記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分のグループトランスファー重合物は、上記単量体成分をグループトランスファー重合して得られる重合体である。上記粘着剤組成物(2)において使用される重合体(A)としては、具体的には、上記粘着剤組成物(1)において使用される重合体(A)と同様のものが挙げられる。
上記粘着剤組成物(2)において使用される架橋剤(B)としては、上記粘着剤組成物(1)において使用される架橋剤(B)と同様のものが挙げられる。
上記粘着剤組成物(2)において使用される硬化触媒(C)としては、上記粘着剤組成物(1)において使用される硬化触媒(C)と同様のものが挙げられる。
また、上記粘着剤組成物(2)は、更に他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、上記粘着剤組成物(1)で使用される他の成分と同じものが挙げられる。
各成分の含有量は、上述した粘着剤組成物(1)において使用されるものとそれぞれ同じ量が挙げられる。
本明細書ではまた、上記粘着剤組成物(1)及び(2)を合わせて「本発明の粘着剤組成物」とも称する。
<粘着剤組成物の製造方法>
本発明の粘着剤組成物の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述した各成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。分散混合は、特に限定されず、公知の手法により行えばよい。また、通常行われる他の工程を更に含むものであってもよい。例えば、色材を含む場合、溶媒や分散剤等を用いて色材組成物を予め調製し、次いで、上述した各成分と混合してもよい。
<使用方法>
本発明の粘着剤組成物の使用方法としては、例えば、上記粘着剤組成物を基材上に塗布し、塗布物を乾燥、加熱、又は活性エネルギー線を照射、あるいはこれらの組み合わせにより、塗布物を硬化させて粘着剤層を形成する方法等が挙げられる。
上記基材としては、特に限定されず、例えば、木材、ガラス、SUS板、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の各種プラスチック、あるいはこれらの組合せからなる公知の基材が挙げられる。
塗布方法は、特に限定されず、グラビアコート、ロールコート、バーコート、アプリケーター等の公知の方法で行うことができる。
乾燥又は加熱方法は、粘着剤組成物の組成、目的、用途に応じて、公知の方法から適宜選択すればよいが、例えば、40~150℃で行うことが好ましく、60~120℃で行うことがより好ましい。乾燥加熱時間は、1~30分間であることが好ましく、2~10分間であることがより好ましい。
活性エネルギー線照射は、赤外線、紫外線、X線、電子線等の活性エネルギー線を用いて公知の方法で行うことができる。照射量は、粘着剤組成物の組成、用途に応じて適宜設定することができる。
<用途>
本発明の粘着剤組成物は、優れた粘着性を有する。本発明の粘着剤組成物は、優れた粘着性が必要とされる用途に好適に使用することができ、具体的には、例えば、粘着シート、粘着フィルム、粘着テープ、両面テープ、表面保護フィルム、表面保護テープ、マスキングテープ、太陽電池モジュール用バックシート等、広範囲において好適に使用することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を、それぞれ意味するものとする。
下記の製造例で得られた重合体の各種物性は以下のようにして測定した。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び、分子量分布(Mw/Mn)>
得られた重合体組成物を、テトラヒドロフランで溶解・希釈し、孔径0.45μmのフィルターで濾過したものを、下記ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置、及び条件で測定した。
装置:HLC-8020GPC(東ソー社製)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
標準物質:標準ポリスチレン(東ソー社製)
分離カラム:TSKgel SuperHM-M、TSKgel SuperH-RC(東ソー社製)
H-NMR測定>
得られた重合体について、下記の条件でH-NMR測定を行った。
装置:アジレント・テクノロジー社製核磁気共鳴装置(600MHz)
測定溶媒:重クロロホルム
サンプル調製:得られた重合体組成物の数mg~数十mgを測定溶媒に溶解した。
<X/Y値>
上記の重合体の分子量測定で得られた微分分子量分布曲線において、図1に示すように、最大値の点をTとし、上記微分分子量分布曲線上Tの5%高さの点を低分子量側からL及びLとした場合の、T-L-Lで囲まれた三角形の面積(X)と、上記微分分子量分布曲線とL-Lを結ぶ線で囲まれた部分の面積(Y)を求め、比(X/Y)の値を算出した。
重合体の合成
(製造例1)重合体組成物A
500mLのフラスコに、アクリル酸2-(ビニロキシエトキシ)エチル(以下、「VEEA」と称する。)(4.5g、24mmol)、アクリル酸-n-ブチル(以下、「BA」と称する。)(35.4g、276mmol)、アクリル酸-2-エチルヘキシル(以下、「EHA」と称する。)(50.9g、276mmol)、アクリロイルモルホリン(以下、「ACMO」と称する。)(4.2g、24mmol)、脱水トルエン(150mL)、メチル(トリメチルシリル)ジメチルケテンアセタール(70mg、0.40mmol)を入れ、窒素気流下、0℃で攪拌しながらホスファゼン塩基P4-t-Bu(8.0mMトルエン溶液、0.20mmol)を加えた。室温で5時間攪拌した後、反応溶液を酢酸エチルで希釈し、シリカゲルショートカラムに通すことで触媒を除去した。得られた溶液の重合体濃度を濃縮・調整し、30%のVEEA-BA-EHA-ACMO共重合体を含む重合体組成物Aを得た。
得られた重合体組成物AをH-NMRで確認したところ、ビニルエーテル由来のピークを確認し、積分値からビニルエーテル基がすべて残存していることが分かった。一方、モノマーであるVEEAのピークは確認されなかった。得られた重合体の重量平均分子量は251200、数平均分子量は65900であり、分子量分布(Mw/Mn)は、3.81であった。重合体のX/Y値は1.07であった。
(製造例2)重合体組成物B
アクリル酸(以下、「AA」と称する。)(16.2g、0.22mol)、アクリル酸-ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と称する。)(0.75g、6.5mmol)、BA(185g、1.4mol)、EHA(259g、1.4mol)、ACMO(18.2g、0.13mmol)、連鎖移動剤(n-ドデシルメルカプタン)(0.48g、モノマーの0.1%)をフラスコに秤量し、均一になるよう撹拌した。うち160gを取り分け、モノマー溶液Aとした。残る溶液に、重合開始剤(ABN-E)(0.29g、モノマーの0.01%)を加えて均一になるよう撹拌した。これをモノマー溶液Bとした。まず、温度計、撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、モノマー溶液A、酢酸エチル278g、重合開始剤(ABN-E、日本ファインケム社製)(0.15g、モノマーの0.01%)を加えて均一になるよう撹拌した。フラスコ内の溶液を昇温し、80~82℃に達したところで、モノマー溶液Bを90分かけて滴下した。さらに、滴下終了から90分後から、重合開始剤(ABN-E)(1.44g)を酢酸エチル43gに溶解した溶液を、30分おき5回に分けて滴下した。5回目の開始剤溶液の滴下終了から90分後に加熱をやめ、酢酸エチル72gを加えて希釈した。こうしてAA-HEA-BA-EHA-ACMO共重合体を含む重合体濃度50%の重合体組成物Bを得た。
得られた重合体の重量平均分子量は208000、数平均分子量は44000であり、分子量分布(Mw/Mn)は、4.73であった。
(実施例1~3、比較例1~5)
粘着剤組成物の調製
表1に示す配合となるように、上記で得られた重合体組成物A又はB、架橋剤、硬化触媒を混合し、粘着剤組成物を調製した。なお、表中の各配合量は、固形分換算量である。また、架橋剤、硬化触媒は、下記のものを使用した。
(架橋剤)
A:1,4-シクロヘキサンジメタノール ジビニルエーテル(アルドリッチ社製)
B:コロネートL55E(固形分55%、ポリイソシアネート化合物、日本ポリウレタン社製)
C:TETRAD-C(多官能エポキシ化合物、三菱ガス化学社製)
(硬化触媒)
硬化触媒として、FX-TP-BC-PC-AD-57103(カチオン硬化触媒、日本触媒社製)を使用した。
Figure 0007312648000012
得られた粘着剤組成物について、保持力評価、及び、ボールタック試験を下記の方法で行った。結果を表2に示す。
<試験片の作成方法>
基材としてAl蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)を用い、得られた粘着剤組成物を、乾燥後の厚さが25μmとなるように上記基材の片面に塗布した後、80℃で3分間乾燥を行った。その後、粘着剤表面に離型紙(サンエー化研株式会社製、商品名K-80HS)を貼着して保護した後、表1に示す所定の温度、時間にて養生し、粘着フィルム(粘着製品)を得た。この粘着フィルムを所定の大きさに切断して、試験片を作製した。なお、離型紙は各種測定試験を実施する際に引き剥がした。
<保持力の測定方法>
温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、JIS G 4305に規定されるSUS板に、2kgのゴムローラを1往復させて、上記粘着フィルムを貼着した。貼付面積は25mm×25mmであった。このサンプルを25分間放置した後、80℃の恒温機に入れて、鉛直に吊り下げた。20分間経過した後、粘着フィルムに9.8Nの重りを掛けた。負荷は、1.568N/cmであった。荷重を掛けて、SUS板から粘着フィルムが落下するまでの時間、又は、24時間(1440分)後のズレ距離を測定した。
<ボールタック試験>
評価サンプルとして上記粘着フィルムを用意し、JIS Z-0237に規定されているJ.Dow法に基づいて温度が23℃、相対湿度が65%の雰囲気中でボールタック試験を行ない、斜面で停止したボール番号を調べ、タック性を評価した(ボールタックテスター、上島製作所製)。すなわち、30℃の傾斜板に、上記粘着シート上の滑走距離が10cmになるように裁断し、塗布面が表側になるようにして粘着シートを載置し、上記表面に大きさの異なる鋼球(直径1/32インチから32/32インチまでの、1/32インチずつ直径が異なる32個の鋼球。小さい順に1から32までの番号が振られている。)を転がして、停止するか否かにより粘着力を測定した。より番号の大きい鋼球が停止する方が、タック性が大きいと評価する。
Figure 0007312648000013
表2より、実施例1~3は、ビニルエーテル基含有重合体に対し、硬化触媒及び/又は架橋剤を添加して調製した粘着剤である。いずれも80℃という比較的高い温度でも充分に保持力を維持し、タック力も比較的強いことが明らかとなった。これは、充分に架橋が進行して凝集力が向上したためと考えられる。
比較例1は、ビニルエーテル基含有重合体に対し、架橋剤と硬化触媒を含まず調製した粘着剤である。全く架橋が進行せず、粘着性を示さなかったものと考えられる。
比較例2~5は、ビニルエーテル基を含まない重合体に対し、一般的に用いられる架橋剤を添加して調製した粘着剤である。80℃1時間の硬化条件で調製したサンプルは、ほとんど粘着性を発現しなかった。40℃72時間の硬化条件で調製したサンプルは、ある程度の保持力を示したが、実施例ほど強くはなく、タック力も弱かった。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む粘着剤組成物であって、
    該重合体(A)は、重量平均分子量が150000以上であり、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であり、
    該架橋剤(B)は、ビニルエーテル化合物、環状エーテル化合物、アクリル酸エステル、カルボン酸化合物、マレイミド化合物、及び、チオールからなる群より選択される少なくとも一種である
    ことを特徴とする粘着剤組成物。
    Figure 0007312648000014
    (式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。Rは、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)
  2. 重合体(A)と、架橋剤(B)及び/又は硬化触媒(C)とを含む粘着剤組成物であって、
    該重合体(A)は、下記一般式(2)で表されるビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類を含む単量体成分のグループトランスファー重合物であり、
    該重合体(A)の重量平均分子量が150000以上であり、
    該架橋剤(B)は、ビニルエーテル化合物、環状エーテル化合物、アクリル酸エステル、カルボン酸化合物、マレイミド化合物、及び、チオールからなる群より選択される少なくとも一種である
    ことを特徴とする粘着剤組成物。
    Figure 0007312648000015
    (式中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は有機基を表す。Rは、水素原子又は有機基を表す。nは、1以上の整数を表す。)
  3. 前記硬化触媒(C)は、カチオン硬化触媒、及び、ラジカル硬化触媒からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
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