JP7006869B2 - 粘着剤組成物及び粘着シート - Google Patents
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Description
<1> 分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレートの含有率が35質量%以上、水酸基を有する単量体の含有率が35質量%以下、かつ環状構造を有する単量体の含有率が10質量%未満である単量体成分を少なくとも一部付加重合してなる(メタ)アクリル系重合体(A)と、光重合開始剤(B)と、2つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体(C)と、を含み、前記単量体成分を全て付加重合した場合に得られる重合体のガラス転移温度が-50℃以上-15℃以下であり、下記式(1)の値が0.06~0.3である、粘着剤組成物。
<3> 前記重合性単量体(C)は、2つの(メタ)アクリロイルオキシ基、並びにアルキレン基及びアルキレンオキシ基の少なくとも一方から構成される、<1>又は<2>に記載の粘着剤組成物。
<4> 前記重合性単量体(C)は、脂環式構造を有する、<1>~<3>のいずれか1つに記載の粘着剤組成物。
更に(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタアクリレートの少なくとも一方を意味する。
更に(メタ)アクリル系重合体とは、(メタ)アクリル系重合体を構成する単量体のうち、少なくとも主成分である単量体が(メタ)アクリロイル基を有する単量体である重合体を意味する。ここでいう主成分である単量体とは、重合体を構成する単量体の中で最も含有率(質量%)が大きい単量体を意味する。本発明の一実施態様で用いる(メタ)アクリル系重合体では、主成分である(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が全構成単位の50質量%以上である。
更に粘着剤組成物とは、反応が終了する前の組成物であって、例えば、液状、ペースト状又は粉末状の組成物を意味する。
更に粘着剤層とは、反応が終了した後の層であって、例えば、固形状又はゲル状の層を意味する。
本発明の粘着剤組成物は、分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレートの含有率が35質量%以上、水酸基を有する単量体の含有率が35質量%以下、かつ環状構造を有する単量体の含有率が10質量%未満である単量体成分を少なくとも一部付加重合してなる(メタ)アクリル系重合体(A)と、光重合開始剤(B)と、2つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体(C)と、を含み、前記単量体成分を全て付加重合した場合に得られる重合体のガラス転移温度が-50℃以上-15℃以下であり、下記式(1)の値が0.06~0.3である。なお、本発明の粘着剤組成物は、単量体成分の一部が付加重合されている場合、未反応の単量体成分を含む。
また、粘着剤層は重合性単量体(C)と、単量体成分の一部が付加重合されている場合に存在する未反応の単量体成分と、光重合開始剤(B)と、が反応して三次元構造の重合体を有し、この重合体が(メタ)アクリル系重合体(A)と物理的に相互作用し、架橋に疑似する構造になると推測される。このとき、前述の式(1)の値が特定の数値範囲内であるため、前述の三次元構造の重合体の凝集力が適度となり、段差追従性及び耐ディレイバブル性に優れる。
本発明で用いる(メタ)アクリル系重合体(A)は、分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレートの含有率が35質量%以上、水酸基を有する単量体の含有率が35質量%以下、かつ環状構造を有する単量体の含有率が10質量%未満である単量体成分を少なくとも一部付加重合してなる。
分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレートは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
水酸基を有する単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、単量体成分は、水酸基を有する単量体を含んでいなくてもよい。
アルキルアクリレートは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
分岐鎖アルキル基を有さないアルキルメタクリレートは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、水酸基を有し、かつ環状構造を有する単量体は、水酸基を有する単量体として扱う。
1/Tg=m1/Tg1+m2/Tg2+・・・+m(k-1)/Tg(k-1)+mk/Tgk
・・・(式2)
式2中、Tg1、Tg2、・・・、Tg(k-1)、Tgkは、単量体成分に含まれる各単量体を単独重合体としたときの絶対温度(K)で表されるガラス転移温度である。m1、m2、・・・、m(k-1)、mkは、(メタ)アクリル系重合体(A)を構成する各単量体のモル分率をそれぞれ表し、m1+m2+・・・+m(k-1)+mk=1である。
例えば、単独重合体のガラス転移温度が異なる単量体を用いることで、前述の重合体のガラス転移温度(Tg)を適宜調製できる。
なお、絶対温度(K)から273を引くことで絶対温度(K)をセルシウス温度(℃)に換算可能であり、セルシウス温度(℃)に273を足すことでセルシウス温度(℃)を絶対温度(K)に換算可能である。
(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が、40万以上であると、粘着剤層に十分な凝集力を付与することが可能となり、加工性及び耐ディレイバブル性に優れる傾向がある。また、(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)が、300万以下であると、粘着剤組成物の製造が容易となる。
上記の点から、(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)としては、40万~80万であってもよく、45万~70万であってもよい。
(1)(メタ)アクリル系重合体(A)の溶液を剥離紙に塗布し、100℃で2分間乾燥させ、フィルム状の(メタ)アクリル系重合体(A)を得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル系重合体(A)をテトラヒドロフランに固形分0.2質量%となるように溶解させる。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、下記条件にて、標準ポリスチレン換算値として、(メタ)アクリル系重合体(A)の重量平均分子量(Mw)を測定する。
(条件)
GPC :HLC-8220 GPC(東ソー株式会社製)
カラム :TSK-GEL GMHXL 4本使用(東ソー株式会社製)
移動相溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流速 :0.6mL/分
カラム温度:40℃
(メタ)アクリル系重合体(A)の重合方法は、特に限定されない。例えば、分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレートを少なくとも含む単量体成分、及び光重合開始剤を混合し、混合物に活性エネルギー線を照射して、少なくとも一部を重合させることによって(メタ)アクリル系重合体(A)を重合してもよい。
なお、(メタ)アクリル系重合体(A)の重合に用いる光重合開始剤としては、後述の光重合開始剤(B)を用いればよい。
本発明の粘着剤組成物は、光重合開始剤(B)を含む。粘着剤組成物が光重合開始剤を含むと、光重合開始剤から生成したラジカルによって、後述する重合性単量体(C)がラジカル重合して硬化し、粘着剤層を形成することが可能となる。また、(メタ)アクリル重合体(A)として単量体成分を一部付加重合させたものを用いる場合、光重合開始剤から生成したラジカルによって、未反応の分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレート、必要に応じて水酸基を有する単量体等も、ラジカル重合して硬化する。
光重合開始剤(B)としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。
光重合開始剤(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤(B)の具体例としては、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社)、2-ヒドロキシ-2-メチル-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー(商品名:エサキュアONE、ランバルティ株式会社)、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(商品名:イルガキュア2959、BASFジャパン株式会社)、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン(商品名:イルガキュア127、BASFジャパン株式会社)、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン(商品名:イルガキュア651、BASFジャパン株式会社)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(商品名:ダロキュア1173、BASFジャパン株式会社)、2-メチル-1-[(4-メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン(商品名:イルガキュア907、BASFジャパン株式会社)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタノン-1、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(商品名:ルシリンTPO、BASFジャパン株式会社)、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、BASFジャパン株式会社)、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
本発明の粘着剤組成物は、2つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体(C)を含む。例えば、重合性単量体(C)は、2つの(メタ)アクリロイルオキシ基、並びにアルキレン基及びアルキレンオキシ基の少なくとも一方から構成されることが好ましい。
重合性単量体(C)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の粘着剤組成物は、必要に応じて、耐候性安定剤、可塑剤、軟化剤、剥離助剤、染料、顔料、無機充填剤、界面活性剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、光安定剤等を含んでもよい。
本発明の粘着剤組成物は、反応後のゲル分率が20%~80%であることが好ましく、35%~70%であることがより好ましく、50%~65%であることが更に好ましい。反応後のゲル分率が20%以上であることにより、粘着剤層の凝集力に優れ、耐ディレイバブル性に優れる傾向にあり、反応後のゲル分率が80%以下であることにより、段差追従性に優れる傾向にある。
本発明は、上述した粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する粘着シートであってもよい。本発明の粘着シートは、基材を有しない無基材タイプの粘着シートでもよく、基材の少なくとも片面に粘着剤層を有する有基材タイプの粘着シートでもよい。
また、基材は、透明であることが好ましい。
基材の厚さは、特に限定されず、例えば、耐久性の観点からは、5μm~100μmが好ましい。
剥離フィルムは、粘着剤層からの剥離が容易に行なえるものであれば、特に限定されない。剥離フィルムとしては、例えば、少なくとも片面に剥離処理剤を用いた易剥離処理が施された樹脂フィルム(例えば、PET等のポリエステルフィルム)が挙げられる。
剥離処理剤としては、フッ素系樹脂、パラフィンワックス、シリコーン、長鎖アルキル基化合物等が挙げられる。
剥離フィルムは、粘着シートを実用に供するまでの間、粘着剤層の表面を保護し、使用時に剥離される。
粘着剤層のヘイズは、本発明の粘着シートをタッチパネル構成部材の貼合、及び液晶ディスプレイ(LCD)とタッチパネルとの貼合に適用したときの視認性の観点から、2.0%未満が好ましく、1.0%未満がより好ましく、0.5%以下が更に好ましい。
本発明の粘着シートの作製方法は、特に限定されない。本発明の粘着シートは、例えば、以下の方法によって作製することができる。
無基材タイプの粘着シートは、例えば、剥離フィルムの剥離処理面に粘着剤組成物を塗布し、乾燥させ、反応を起こして粘着剤層を形成した後、この粘着剤層上に別の剥離フィルムを剥離処理面が接するように重ねることで作製できる。
有基材タイプの粘着シートは、例えば、基材の両面に粘着剤組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して反応を起こして粘着剤層を形成した後、基材の両面に形成された粘着剤層上に、それぞれ剥離フィルムを剥離処理面が接するように重ねることで作製できる。
また、有基材タイプの粘着シートは、例えば、剥離フィルムの剥離処理面に粘着剤組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射して反応を起こして粘着剤層を形成した後、得られた剥離フィルム付きの粘着剤層を基材の両面に重ねる方法によっても作製できる。
本発明の粘着剤組成物又は粘着シートを用いたタッチパネルは、タッチパネル構成部材と、既述の本発明の粘着剤組成物で形成された粘着剤層を有する。例えば、一実施形態である静電容量方式のタッチパネルでは、透明導電性フィルム、意匠フィルム等が粘着剤層によって貼合され、積層した構成(例えば、透明導電性フィルム/粘着剤層/透明導電性フィルム/粘着剤層/意匠フィルム)となる。
また、タッチパネルは、例えば液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置に、粘着剤層によって貼合されていてもよい。
〔(メタ)アクリル系重合体(A)液の製造〕
温度計、撹拌機、窒素導入管、活性エネルギー線照射装置、及び還流冷却管を備えた反応器内に、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)82.5質量部(全単量体成分に対して55質量%)、2-エチルヘキシルメタクリレート(2EHMA)52.5質量部(全単量体成分に対して35質量%)及び2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2HEMA)15.0質量部(全単量体成分に対して10質量%)からなる単量体混合液150質量部と、光重合開始剤であるビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュアTPO、BASFジャパン株式会社製)0.05質量部と、を仕込み、反応器内を窒素置換した。
次いで、反応器内の混合物を撹拌しながら30℃に昇温した後に、活性エネルギー線照射装置より紫外線を4000mJ/cm2となるように混合物に照射することで、重合率約35%の部分重合物である、(メタ)アクリル系重合体(A)と未反応の単量体成分とを含む(メタ)アクリル系重合体(A)液を得た。
製造例A-1で得られた(メタ)アクリル系重合体(A)のガラス転移温度(単量体成分が全て付加重合したと仮定したときの計算値、以下同様)は、-45℃である。
以下の表1に示す単量体組成としたこと以外は、前述の製造例A-1と同様にして、重合率約35%の部分重合物である、(メタ)アクリル系重合体(A)と未反応の単量体成分とを含む(メタ)アクリル系重合体(A)液を得た。
製造例A-2~A-8にて製造した(メタ)アクリル系重合体(A)の単量体組成及びガラス転移温度を表1に示す。
以下の表1に示す単量体組成としたこと以外は、前述の製造例A-1と同様にして、その他の(メタ)アクリル系重合体液を得た。なお、製造例B-1、B-2及びB-4~B-6では、重合率約35%の部分重合物である、(メタ)アクリル系重合体と未反応の単量体成分とを含むその他の(メタ)アクリル系重合体液を製造した。製造例B-3では、重合率約10%の部分重合物である、(メタ)アクリル系重合体と未反応の単量体成分とを含むその他の(メタ)アクリル系重合体液を製造した。
製造例B-1~B-6にて製造したその他の(メタ)アクリル系重合体の単量体組成及びガラス転移温度を表1に示す。
なお、表1中の単量体成分における数値の単位は、質量%であり、Tgの単位は前述の計算式で求めたセルシウス温度(℃)である。
<粘着剤組成物の調製>
製造例A-1で得られた(メタ)アクリル系重合体(A)液100質量部に、光重合開始剤である1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184、BASFジャパン株式会社製)1.0質量部と、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:A-DCP、新中村化学工業株式会社製、分子量=304.4)2.7質量部とを加えて混合し、粘着剤組成物を調製した。
なお、実施例1における前述の式(1)の値は、以下のようにして求めた。
重合性単量体(C)の質量/単量体成分の質量…2.7/100
重合性単量体(C)の分子量…304.4
重合性単量体(C)中の(メタ)アクリロイルオキシ基の数…2
(2.7/100)×(1/304.4)×2×1000=0.177
実施例2~14では、以下の表2に示す粘着剤組成物の組成としたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製した。
比較例1~10では、以下の表2に示す粘着剤組成物の組成としたこと以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製した。
詳細には、比較例1では、単量体成分における分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレートである2EHMAの含有率が35質量%未満であった。
比較例2では、単量体成分における水酸基を有する単量体の含有率が35質量%超えであり、かつガラス転移温度が-15℃超えであった
比較例3では、重合性単量体(C)の替わりに、3つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体を用いた。なお、比較例3及び後述の比較例4では、式(I)の値は、式(I)中の重合性単量体(C)を3つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体に置き換えて算出した。
比較例4では、単量体成分における環状構造を有する単量体の含有率が10質量%以上であり、かつ、重合性単量体(C)の替わりに、3つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体を用いた。
比較例5では、単量体成分における環状構造を有する単量体の含有率が10質量%以上であった。
比較例6及び7では、ガラス転移温度がそれぞれ-15℃超え及び-50℃未満であった。
比較例8では、重合性単量体(C)の替わりに、2つのビニル基を有する重合性単量体を用いた。なお、比較例8では、式(I)の値は、式(I)中の重合性単量体(C)を2つのビニル基を有する重合性単量体に、「(メタ)アクリロイルオキシ基の数」を「ビニル基の数」に置き換えて算出した。
比較例9では、重合性単量体(C)を用いなかった。
比較例10では、前述の式(1)の値が0.3超えであった。
調製した粘着剤組成物を、シリコーン系剥離処理剤で易剥離処理された剥離フィルム(商品名:フィルムバイナ100E、藤森工業株式会社製)の剥離処理面に、最終的な粘着剤層の厚みが100μmとなるように塗布し、塗布層を形成した。その後、塗布層の表面を、別途用意した剥離フィルム(商品名:フィルムバイナ25E-0010BD、藤森工業株式会社製)の剥離処理面が塗布層側になるように被覆することで、粘着剤組成物の塗布層を酸素から遮断した。このようにして得られた塗布層を有するシートに高圧水銀灯を用いて照度120mW/cm2、積算光量3000mJ/cm2の条件で、活性エネルギー線を照射した。このようにして無基材タイプの両面粘着シート(剥離フィルム/粘着剤層/剥離フィルム)を作製した。作製した両面粘着シートを試験用サンプルとした。
前記試験用サンプルの一方の剥離フィルムを剥がし、電解銅箔(古河電気工業株式会社製、10μm、NC-WC処理品)を剥離フィルムを剥がした面に貼り合せた。その後、試験用サンプルの他方の剥離フィルムを剥がし、粘着剤層が露出した面に、さらに別の、一方の剥離フィルムを剥がした試験サンプルの粘着剤層が露出した面を貼り合せた。この試験用サンプルを貼り合せる手順を、粘着剤層が200μmの厚みになるまで繰り返した。粘着剤層が200μmの厚みとなったところで、最後に貼り合せた試験用サンプルの剥離フィルムを剥がし、粘着剤層が露出した面に、電解銅箔を貼り合せた。このようにして得られた2枚の電解銅箔の間に200μmの厚みの粘着剤層が積層されたサンプルを、50mm×50mmのサイズにカットして比誘電率測定サンプルとした。
-測定条件-
測定治具:Agilent Technologies製Dielectric Test Fixture 16453A
測定周波数:1MHz
-評価基準-
A:比誘電率が3.0未満である。
B:比誘電率が3.0以上3.5未満である。
C:比誘電率が3.5以上4.0未満である。
D:比誘電率が4.0以上である。
前記試験用サンプルの一方の剥離フィルム(フィルムバイナ25E-0010BD)を剥がし、粘着剤層が露出した面を、易接着処理されたPETフィルム(商品名:A-4100、東洋紡株式会社製、厚み100μm)の易接着処理された面に貼り合わせた。その後、もう一方の剥離フィルム(フィルムバイナ100E)を剥がし、粘着剤層が露出した面に、20μmの段差を有する部材(PETフィルムに、インクをスクリーン印刷し、膜厚20μmの段差を形成したもの)を貼り付けて試験片とした。前記試験片をオートクレーブ処理(5気圧、50℃、20分間)後、目視にて外観を確認し、以下の基準で評価した。下記評価基準のA、B及びCは、実用上問題の無いレベルであり、Dは実用上問題のあるレベルである。
-評価基準-
A:気泡の長さが3mm未満か、確認できない。
B:気泡の長さが3mm以上10mm未満である。
C:気泡の長さが10mm以上15mm未満である。
D:気泡の長さが15mm以上である。
上記段差追従性評価と同様に、試験片をオートクレーブ処理(5気圧、50℃、20分間)した。次いで、試験片を85℃環境で1時間保管し、目視にて外観を確認し、以下の基準で評価した。下記評価基準のA、B及びCは、実用上問題の無いレベルであり、Dは実用上問題のあるレベルである。
-評価基準-
A :気泡の長さが3mm未満か、確認できない。
B :気泡の長さが3mm以上10mm未満である。
C :気泡の長さが10mm以上15mm未満である。
D :気泡の長さが15mm以上である。
前記試験用サンプルの一方の剥離フィルム(フィルムバイナ25E-0010BD)を剥がし、粘着剤層が露出した面を、易接着処理されたPETフィルム(A-4100(東洋紡株式会社製)、厚み100μm)の易接着処理された面に貼り合わせた。この試験用サンプルを25mm×150mmにカット後、もう一方の剥離フィルム(フィルムバイナ100E)を剥がし、ガラス板表面に重さ2kgのゴムローラーを用いて粘着剤層がガラス板(松浪硝子工業株式会社製、光学ソーダガラス)に接するように圧着して粘着力評価用サンプルとした。この粘着力評価用サンプルを23℃、50%RHの条件下で24時間放置した後、180゜剥離における粘着力(N/25mm)を剥離速度300mm/minで測定し、下記評価基準に従って評価した。下記評価基準のA、B及びCは、実用上問題の無いレベルであり、Dは実用上問題のあるレベルである。
-評価基準-
A :粘着力が20N/25mm以上であり、かつ凝集破壊がない。
B :粘着力が10N/25mm以上20N/25mm未満であり、かつ凝集破壊がない。
C :粘着力が5N/25mm以上10N/25mm未満であり、かつ凝集破壊がない。
D :粘着力が5N/25mm未満であるか、又は凝集破壊している。
前記試験用サンプルの両面の剥離フィルムを剥がして得られる粘着剤層を用いて以下の手順(1)~(4)により、ゲル分率を測定した。
(1) 精密天秤にて質量を正確に測定した250メッシュの金網(100mm×100mm)に粘着剤層を約0.25g貼付し、ゲル分が漏れないように包む。その後、精密天秤にて質量を正確に測定して試料を作製する。
(2)得られた試料を酢酸エチル80mlに3日間浸漬する。
(3)試料を取り出して少量の酢酸エチルにて洗浄し、100℃で24時間乾燥させる。その後、精密天秤にて質量を正確に測定する。
(4)下式によりゲル分率を計算する。
ゲル分率(質量%)=[(Z-X)/(Y-X)]×100
但し、Xは金網の質量(g)、Yは粘着剤層を貼付した金網の浸漬前の質量(g)、Zは粘着剤層を貼付した金網の浸漬、乾燥後の質量(g)である。
なお、表2中の2官能及び3官能の重合性単量体の数値は、(メタ)アクリル系重合体液を100質量部としたときの質量部である。
HDDAは1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、分子量=226.3)を表し、A-DOD-Nは1,10-デカンジオールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、分子量=282.4)を表し、A-200はポリエチレングリコール#200ジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、分子量=308.0)を表し、
TMPTAはトリメチロールプロパントリアクリレート(新中村化学工業株式会社製、分子量=296.3)を表す。また、アダマンタンジオールジアクリレートの分子量は276.3であり、1,7-オクタジエンの分子量は110.2である。
実施例1~14では、表2に示すように、比誘電率、段差追従性、耐ディレイバブル性及び粘着力の評価がそれぞれC以上であった。
一方、比較例1~10では、表2に示すように、比誘電率、段差追従性、耐ディレイバブル性及び粘着力の少なくとも一つの評価がDであった。
Claims (5)
- 炭素数が5~9の分岐鎖アルキル基を有するアルキルメタクリレートの含有率が35質量%以上、水酸基を有する単量体の含有率が35質量%以下、かつ環状構造を有する単量体の含有率が10質量%未満である単量体成分を少なくとも一部付加重合してなる(メタ)アクリル系重合体(A)と、
光重合開始剤(B)と、
2つの(メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性単量体(C)と、
を含み、
前記(メタ)アクリル系重合体(A)を重合する際に用いられる前記単量体成分を全て付加重合した場合に得られる重合体のガラス転移温度が-50℃以上-15℃以下であり、
下記式(1)の値が0.06~0.3であり、
前記(メタ)アクリル系重合体(A)は前記単量体成分の一部が付加重合してなる場合、未反応の単量体成分をさらに含む、粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系重合体(A)を重合する際に用いられる前記単量体成分では、前記水酸基を有する単量体の含有率が1質量%~25質量%である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記重合性単量体(C)は、2つの(メタ)アクリロイルオキシ基、並びにアルキレン基及びアルキレンオキシ基の少なくとも一方から構成される、請求項1又は請求項2に記載の粘着剤組成物。
- 前記重合性単量体(C)は、脂環式構造を有する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
- 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物から形成された粘着剤層を有する、粘着シート。
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