JP2011517681A - プロセス - Google Patents

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Abstract

本発明は、(a)第一リアクタ中第一触媒の存在下で1,1,1‐トリフルオロ‐2,3‐ジクロロプロパン(243db)を3,3,3‐トリフルオロ-2-クロロプロペ-1-エン(CFCCl=CH)へ変換し、(b)式CFCFXCHの化合物(X=ClまたはF)を生成するために、第二リアクタ中第二触媒の存在下でCFCCl=CHをフッ素化剤と接触させ;および(c)2,3,3,3‐テトラフルオロプロペン(1234yf)を生成するために、式CFCFXCHの化合物を脱ハロゲン化水素することを含んでなる、製造のための方法を提供する。

Description

本発明は2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンの製造方法に関する。特に、本発明は、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンを生成するために、1,1,1‐トリフルオロ‐2,3‐ジクロロプロパンをフッ素化して、フッ素化から形成された化合物を脱ハロゲン化水素することを含んでなる、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンの製造方法に関する。
2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンはHFO‐1234yf、HFC‐1234yfまたは単に1234yfとしても知られている。以下、別記されない限り、2,3,3,3‐テトラフルオロプロペンは1234yfと称される。1234yfを製造するために知られた方法は、典型的には、低収率、および/または毒性および/または高価試薬の取扱い、および/または極端な条件の使用、および/または毒性副産物の生成のような欠点を呈する。1234yfの製造のための方法は、例えば、Journal Fluorine Chemistry(82),1997,171-174で記載されている。この論文において、1234yfは四フッ化イオウとトリフルオロアセチルアセトンとの反応により製造されている。しかしながら、この方法は、試薬の取扱いに伴う危険性とそれらの費用のために、学問的関心があるにすぎない。1234yfの製造のための他の方法がUS‐2931840で記載されている。この場合には、テトラフルオロエチレンの存在下または不在下におけるC1クロロフルオロカーボン類の熱分解が、1234yfを生じると述べられていた。しかしながら、記載された収率は非常に低く、しかも極端な条件下で危険な化学物質を取扱うことが必要であった。このような方法は様々な強毒性副産物を生成することも予想されるのである。既知方法の欠点に取り組むことに加えて、易利用性原材料のみを用いる1234yfの新たな製造方法を提供することが望まれるであろう。
この明細書における既発表文献の掲載または考察は、該文献が最先端の一部または一般常識であるという認識としては必ずしもうけとるべきでない。
本発明は、(a)第一リアクタ中、第一触媒の存在下で、1,1,1‐トリフルオロ‐2,3‐ジクロロプロパン(243db)を3,3,3‐トリフルオロ-2-クロロプロペ-1-エン(CFCCl=CH)へ変換すること、(b)第二リアクタ中、第二触媒の存在下で、CFCCl=CHをフッ素化剤と接触させて式CFCFXCHの化合物(式中、X=ClまたはF)を生成すること、および(c)式CFCFXCHの化合物を脱ハロゲン化水素して2,3,3,3‐テトラフルオロプロペン(1234yf)を生成することを含んでなる製造方法を提供することにより、1234yfを製造するための既知経路の前記欠陥に取り組むものである。
上記方法はバッチ式または連続式で行われる。各工程(a)、(b)および(c)は独立してバッチ式または連続式で行われる。各工程(a)、(b)および(c)の反応時間は広範囲にわたる。しかしながら、反応時間は典型的には0.01〜100時間、例として0.1〜50時間、例えば1〜20時間の範囲である。
いずれか適切な装置、例えばスタティックミキサー、攪拌タンクリアクタまたは攪拌気液分離器が工程(a)、(b)および(c)でリアクタとして用いられる。好ましくは、該装置は、腐食に抵抗性である1種以上の材料、例えばHastelloyまたはInconelから作製される。
1,1,1‐トリフルオロ‐2,3‐ジクロロプロパンはHCFC‐243dbまたは243dbとしても知られている。別記されない限り、この化合物は243dbと称される。3,3,3‐トリフルオロ-2-クロロプロペ-1-エン(CFCCl=CH)はHFO-1233xfまたは1233xfとして知られている。別記されない限り、この化合物は1233xfと称される。
式CFCFXCHの化合物は、HCFC‐244cbとしても知られるCFCFClCHでも、またはHFC‐245cbとしても知られるCFCFCHでもよい。別記されない限り、これらの化合物は各々244cbおよび245cbと称される。
本発明の工程(a)では、第一リアクタ中第一触媒の存在下で243dbを1233xfへ変換する。このように、工程(a)は1233xfを生成するために243dbの脱塩化水素を伴う。この反応は液相または気相、好ましくは気相で行われる。
工程(a)で用いられる触媒は、243dbを脱塩化水素するために有効な、いかなる適切な触媒でもよい。好ましい触媒は、活性炭、アルミナおよび/または遷移金属の酸化物を含んでなるものである。好ましい触媒の別な群は、TaX、SbX、SnX、TiX、FeCl、NbX、VX、AlX(X=FまたはCl)を含めた、担持(例えば炭素)または非担持ルイス酸金属ハロゲン化物である。
疑義の回避のために、活性炭、アルミナおよび/または遷移金属の酸化物を含んでなる触媒について、我々は本質的に活性炭、アルミナおよび/または遷移金属の酸化物のみである触媒、および例えば1種以上の金属(例えば、遷移金属)および/またはその化合物の添加により改質された活性炭、アルミナおよび/または遷移金属の酸化物である触媒を含めている。
“活性炭”について、我々は約50〜約3000mまたは約100〜約2000m(例えば約200〜約1500mまたは約300〜約1000m)のように比較的高い表面積の炭素を含めている。活性炭は炭(例えば木炭)、堅果殻(例えばココナツ)および木のような炭質物から得られる。粉末、顆粒およびペレット状の活性炭のように、いかなる形の活性炭でも用いられる。Cr、Mn、Au、Fe、Sn、Ta、Ti、Sb、Al、Co、Ni、Mo、Ru、Rh、Pdおよび/またはPtおよび/またはこれら金属の1種以上の化合物(例えばハロゲン化物)の添加で改質(例えば、含浸)された活性炭も用いうる。
Cr、Mn、Au、Fe、Sn、Ta、Ti、Sb、Al、Co、Ni、Mo、Ru、Rh、Pdおよび/またはPtおよび/またはこれら金属の1種以上の化合物(例えばハロゲン化物)の添加で改質されたアルミナも用いうる。
Cr、Mn、Au、Fe、Sn、Ta、Ti、Sb、Al、Co、Ni、Mo、Ru、Rh、Pdおよび/またはPtおよび/またはこれら金属の1種以上の化合物(例えばハロゲン化物)の添加で改質された遷移金属の酸化物も用いうる。
遷移金属の好ましい酸化物はCr、Ti、V、ZrまたはFeの酸化物である。例えば、クロミア(Cr)単独、あるいはZn、Mn、Zr、Ni、Alおよび/またはMgおよび/またはこれら金属の1種以上の化合物の添加で改質されたクロミアが用いうる。適切なクロミアベース触媒としては、EP‐A‐0502605、EP‐A‐0773061、EP‐A‐957074、WO98/10862およびWO2006/106353で記載されたものがある。
工程(a)における触媒の好ましい群は、活性炭、アルミナおよび/またはクロミアを含んでなる触媒である。クロミアをベースにした触媒が現在特に好ましい。好ましいクロミアベース触媒は亜鉛/クロミア触媒である。
用語“亜鉛/クロミア触媒”について、我々はクロムまたはクロムおよび亜鉛の化合物または亜鉛の化合物を含んでなる触媒を意味する。このような触媒は当業界で知られている;例えばEP‐A‐0502605、EP‐A‐0773061、EP‐A‐0957074およびWO98/10862参照。しかしながら、1233xfを生成するために243dbの脱ハロゲン化水素、および/または式CFCFXCHの化合物を生成するために1233xfのフッ素化、および/または1234yfを生成するために式CFCFXCHの化合物の脱ハロゲン化水素を促進するために亜鉛/クロミア触媒が用いうることを、本発明者らは意外にも発見したのである。
典型的には、本発明の亜鉛/クロミア触媒に存在するクロムまたはクロムの化合物は、クロムの酸化物、オキシフッ化物またはフッ化物、例えば酸化クロムである。
本発明の亜鉛/クロミア触媒に存在する亜鉛または亜鉛の化合物の総量は、典型的には約0.01%〜約25%、好ましくは0.1%〜約25%、好都合には0.01%〜6%亜鉛、一部の態様では好ましくは触媒の0.5重量%〜約25重量%、好ましくは触媒の約1〜10重量%、更に好ましくは触媒の約2〜8重量%、例えば触媒の約4〜6重量%である。
他の態様において、触媒は好都合には0.01%〜1%、更に好ましくは0.05%〜0.5%亜鉛を含んでなる。
好ましい量は、クロムまたはクロムおよび/または亜鉛の化合物または亜鉛の化合物の性質、および/または触媒が作られる手法のような、いくつかのファクターに依存する。これらのファクターは以下で更に詳細に記載されている。
ここで挙げられた亜鉛または亜鉛の化合物の量は、元素亜鉛としてまたは亜鉛の化合物としていずれで存在するにしても、元素亜鉛の量に関すると理解されるべきである。
本発明で用いられる亜鉛/クロミア触媒は追加の金属またはその化合物を含有してもよい。典型的には、追加の金属は、好ましくはニッケル、マグネシウム、アルミニウムおよびそれらの混合物から選択される、二価または三価金属である。典型的には、追加の金属は触媒の0.01重量%〜約25重量%、好ましくは触媒の約0.01〜10重量%の量で存在する。他の態様では少なくとも約0.5重量%または少なくとも約1重量%の追加金属を含むことがある。
本発明で用いられる亜鉛/クロミア触媒は非晶質でもよい。これについて、我々は触媒が例えばX線回折で分析されたときに実質的な結晶特性を呈しないことを意味する。
一方、触媒は部分的に結晶質でもよい。これについて、我々は触媒の0.1〜50重量%がクロムの1種以上の結晶化合物および/または亜鉛の1種以上の結晶化合物の形であることを意味する。部分的に結晶質の触媒が用いられるとすれば、それはクロムの1種以上の結晶化合物および/または亜鉛の1種以上の結晶化合物の形で、好ましくは触媒の0.2〜25重量%、更に好ましくは0.3〜10重量%、更に一層好ましくは0.4〜5重量%を占める。
フッ素化/脱ハロゲン化水素反応で使用に際し、結晶化度は変化してもよい。そのため、本発明の触媒はフッ素化/脱ハロゲン化水素反応で使用前に上記のような結晶化度を有し、フッ素化/脱ハロゲン化水素反応で使用中または後にこれらの範囲外で結晶化度を有することも可能である。
本発明の触媒における結晶物質の割合は、当業界で知られたいずれか適切な方法により調べられる。適切な方法としてはX線回折(XRD)技術がある。X線回折が用いられるとき、結晶質酸化クロムの量のような結晶物質の量は、触媒に存在する既知量のグラファイト(例えば、触媒ペレットを生産する上で用いられるグラファイト)と比較して、または更に好ましくは適切な国際認証標準から作製された参照物質、例えばNIST(National Institute of Standards and Technology)参照物質とサンプル物質とのXRDパターンの強度の比較により調べられる。
本発明の亜鉛/クロミア触媒は、それがフッ化水素またはフッ素化炭化水素のようなフッ化物含有種との前処理へ付される前に、典型的には少なくとも50m/g、好ましくは70〜250m/g、最も好ましくは100〜200m/gの表面積を有している。この前処理に際して、以下で更に詳細に記載されるように、触媒中酸素原子の少なくとも一部はフッ素原子で置換される。
本発明の亜鉛/クロミア触媒は、典型的には、活性および選択性のレベルの有利なバランスを有している。好ましくは、それらが比較的長い使用寿命を有することを意味した化学的頑強度もそれらは有している。本発明の触媒は好ましくは比較的容易な取扱いを行える機械的強度も有し、例えばそれらは公知技術を用いてリアクタへ投入またはリアクタから排出しうる。
本発明の亜鉛/クロミア触媒は、当業界で知られたいずれか適切な形で用意される。例えば、それらは固定床または流動床で使用に適したサイズのペレットまたは顆粒の形で用意される。触媒は担持させてもまたは非担持でもよい。触媒が担持されるならば、適切な担体としてはAlF、フッ素化アルミナまたは活性炭がある。
本発明の亜鉛/クロミア触媒には、高いルイスおよび/またはブレンステッド酸度および/または塩基度を有するものを含めて、このような触媒の増進形も含む。
本発明で用いられる非晶質触媒は、非晶質クロミアベース触媒を生成するために当業界で知られた、いかなる方法で得てもよい。適切な方法として、水酸化アンモニウムの添加で硝酸亜鉛およびクロムの溶液からの共沈がある。一方、非晶質クロミア触媒への亜鉛またはその化合物の表面含浸も用いうる。
非晶質亜鉛/クロミア触媒を製造するための別な方法としては、例えば、亜鉛金属によるクロム(VI)化合物、例えばクロム酸塩、重クロム酸塩、特に重クロム酸アンモニウムからクロム(III)への還元、次いで共沈および洗浄;または固体物としてクロム(VI)化合物および亜鉛の化合物、例えば酢酸亜鉛またはシュウ酸亜鉛を混合し、クロム(VI)化合物から酸化クロム(III)への還元を行い亜鉛の化合物を酸化亜鉛へ酸化するために該混合物を高温に加熱することがある。
亜鉛は、用いられる触媒製造技術に少なくともある程度応じて、化合物、例えばハロゲン化物、オキシハロゲン化物、酸化物または水酸化物の形で非晶質クロミア触媒中および/または上へ導入してもよい。非晶質触媒製造がクロミア、ハロゲン化クロミアまたはクロムオキシハロゲン化物の含浸による場合、該化合物は好ましくは水溶性塩、例えばハロゲン化物、硝酸塩または炭酸塩であり、水溶液またはスラリーとして用いられる。一方、亜鉛およびクロムの水酸化物が(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化アンモニウムのような塩基の使用により)共沈され、次いで非晶質触媒を製造するために酸化物へ変換されてもよい。塩基性クロミア触媒との不溶性亜鉛化合物の混合および粉砕は、非晶質触媒前駆体を製造する別な方法を提供する。クロムオキシハロゲン化物ベースの非晶質触媒を製造する方法は、亜鉛の化合物を水和クロムハロゲン化物へ加えることからなる。
非晶質触媒前駆体へ導入される亜鉛または亜鉛の化合物の量は、用いられる製造法に依存する。使用触媒はクロム含有格子、例えばクロム酸化物、オキシハロゲン化物またはハロゲン化物格子に置かれた亜鉛の陽イオンを含有する表面を有している、と考えられている。このように、要される亜鉛または亜鉛の化合物の量は、非表面位置に亜鉛または亜鉛の化合物も含有している共沈のような他の方法で作製された触媒の場合よりも、含浸で作製された触媒の方が通常少ない。
上記いずれの方法または他の方法も、本発明の方法で用いられる非晶質触媒の製造に用いられる。
ここで記載された亜鉛/クロミア触媒は、典型的には、それらが使用時に曝される環境条件下でそれらが安定であるように、使用前に熱処理で安定化される。この安定化は多くが2段階方法である。第一段階において、触媒は窒素または窒素/空気環境中で熱処理により安定化される。当業界において、この段階はよく“か焼”と呼ばれている。フッ素化触媒は次いで、典型的にはフッ化水素中の熱処理でフッ化水素に対して安定化される。この段階はよく“前フッ素処理”と称されている。
これら2つの熱処理段階が行われる条件の慎重な制御により、結晶化度が制御された程度に触媒へ誘導される。
例えば、非晶質触媒は適切な雰囲気中において約300〜約600℃、好ましくは約400〜600℃、更に好ましくは500〜590℃、例えば520、540、560または580℃の温度で約1〜約12時間、好ましくは約2〜約8時間、例えば約4時間にわたり熱処理される。この熱処理が行われる適切な雰囲気としては、窒素の雰囲気または窒素中約0.1〜約10%v/vの酸素レベルを有する雰囲気がある。他の酸化環境も代わりに用いうる。例えば、適切な酸化剤を含有した環境としては硝酸塩、CrOまたはO(例えば空気)の供給源を含有したものがあるが、それらに限定されない。この熱処理段階は、典型的には、非晶質触媒を生成するために先行技術で用いられているか焼段階に加えてまたはその代わりに行われる。
前フッ素処理段階の条件は、それらが結晶化を触媒へ実質的に導入しないように選択される。これは、フッ化水素の存在下、所望により窒素のような他のガスの存在下、大気または高大気圧で約1〜約16時間にわたり、約200〜約500℃、好ましくは約250〜約400℃の温度で触媒前駆体の熱処理により行われる。
前フッ素処理段階の条件は、それらが触媒の結晶化度に変化を誘導するか、またはそれらがこのような変化を誘導しないように選択される。フッ化水素の存在下、所望により空気のような他のガスの存在下、大気または高大気圧で約1〜約16時間にわたる約250〜約500℃、好ましくは約300〜約400℃の温度で触媒前駆体の熱処理が、結晶化度が前記の通りである、例えば触媒の0.1〜8.0重量%(典型的には触媒の0.1から8.0重量%未満)がクロムの1種以上の結晶化合物および/または少なくとも1種の追加金属の1種以上の結晶化合物の形であるような触媒を生成できることを、本発明者らは発見した。
当業者であれば、前記の条件を変えることにより、例えば熱処理が行われる温度および/または時間および/または雰囲気を変えることにより、触媒の結晶化度が変えられることをわかるであろう。典型的には、例えば、より高い結晶化度(例えば、触媒の8〜50重量%)の触媒は、温度を高める、および/またはか焼時間を増す、および/または触媒前処理が行われる雰囲気の酸化性を増すことにより製造される。
か焼温度、時間および雰囲気の関数として触媒結晶化度のバリエーションが、6%亜鉛/クロミア触媒の8gサンプルがある範囲の条件にわたりか焼に付されて、誘導された結晶化度のレベルがX線回折で調べられた一連の実験を示す、下記表により掲載されている。
Figure 2011517681
前フッ素処理は、典型的には触媒の表面積を低下させる効果を有している。前フッ素処理後、本発明の触媒は、典型的には20〜200m/g、例として50〜150m/g、例えば約100m/g未満の表面積を有している。
使用に際して、亜鉛/クロミア触媒は空気中約300℃〜約500℃の温度で加熱することにより定期的に再生または再活性化してもよい。空気も窒素のような不活性ガスまたは触媒処理方法から熱時出現するフッ化水素との混合物として用いてよく、再活性化触媒を用いるフッ素化方法に直接用いてよい。一方、酸化性ガス、例えば酸素または塩素をリアクタへ導入することにより、触媒は使用時でも連続的に再生しうる。
工程(a)における触媒は、243dbの重量ベースで約0.01〜約50重量%、例として約0.1〜約30%、例えば約0.5〜約20%の量で用いられる。
フッ化水素(HF)の存在下で行われることが、工程(a)では好ましい。例えば、アルミナまたは遷移金属の酸化物(例えば、亜鉛/クロミア触媒のようなクロミアベース触媒)が該工程で触媒として用いられるとき、HFは触媒の過度な分解を防止および/または遅延させるために用いうる。
工程(a)は、約−70〜約450℃の温度および大気、低または高大気圧、好ましくは約0〜約30baraで行われる。
好ましくは、工程(a)は約0〜約390℃、例として約100〜約380℃または約200〜約370℃(例えば約240〜約260℃)の温度で行われる。
工程(a)は好ましくは約0.01〜約25baraまたは約0.1〜約20bara、例として約1〜約10bara(例えば1〜5bara)の圧力で行われる。
本発明の工程(b)では、式CFCFXCHの化合物(X=ClまたはF)を生成するために、第二リアクタ中第二触媒の存在下でCFCCl=CH(1233xf)をフッ素化剤と接触させる。このように、工程(b)は244cbおよび/または245cbを生成するために1233xfのフッ素化を伴う。この反応は液相または気相、好ましくは液相で行われる。
所望により極性非プロトン溶媒中で、いずれの適切な求核性フッ化物源も含めて、いかなる適切なフッ素化剤も工程(b)で用いうる。適切なフッ素化剤の例としては、HF、NaF、KFおよびアミン:HF錯体、例えばOlah試薬がある。極性非プロトン溶媒中のKFのように、HFが好ましいフッ素化剤である。
工程(b)で用いられる触媒は、1233xfをフッ素化するために有効な、いかなる適切な触媒でもよい。好ましい触媒は、工程(a)の触媒に関して前記されたような活性炭、アルミナおよび/または遷移金属の酸化物および/または担持または非担持ルイス酸金属ハロゲン化物を含んでなるものである。
工程(b)で好ましい触媒は、クロミア(特に気相反応の場合)およびルイス酸金属ハロゲン化物触媒(特に液相反応の場合)を含んでなるものである。工程(b)で使用上好ましいクロミアベース触媒は亜鉛/クロミア触媒である。同一の触媒(例えば、クロミアベース触媒)が工程(a)および(b)で用いうる。
典型的には、工程(b)は約−100〜約400℃の温度および0〜約50baraの圧力で行われる。
工程(b)が液相で行われるとすれば、それは好ましくは約−50〜約250℃、例として約0〜約200℃または約10〜約150℃(例えば約50〜約100℃)の温度で行われ、約1〜約50baraまたは約5〜約40bara、例として約10〜約30bara(例えば15〜25bara)の圧力で行われる。
工程(b)が気相で行われるとすれば、それは好ましくは約0〜約390℃、例として約100〜約350℃または約200〜約300℃の温度で行われ、約0.1〜約30baraまたは約0.5〜約25bara、例として約1〜約20bara(例えば5〜15bara)の圧力で行われる。
本発明の工程(a)および(b)は、別々な第一および第二リアクタで各々行われる。工程(a)および(b)で各々反応を促進させるように各リアクタで条件を変えることを含めて、これら2工程で別々なリアクタの使用に伴う利点がある、と考えられている。
例えば、工程(a)が気相で、工程(b)が液相で行われる。工程(b)と比較して高い温度が工程(a)で用いうる。工程(a)と比較して高い圧力が工程(b)で用いうる。
工程(a)はHFの不在下で行えるが、HFは工程(b)でフッ素化剤として用いうる。一方、例えば触媒を安定化させるために、HFが工程(a)で用いられるとすれば、それは工程(b)と比較して低い濃度で用いられる。例えば、工程(a)におけるHF:有機物(例えば243db)のモル比は好ましくは約0.01:1〜約50:1、例として約0.1:1〜約40:1、例えば約0.5:1〜約30:1または約2:1〜約15:1(例えば約10:1〜約20:1または約5:1〜約10:1)である。工程(b)におけるHF:有機物(例えば1233xf)のモル比は好ましくは約1:1〜約100:1、例として約2:1〜約50:1、例えば約5:1〜約40:1(例えば約10:1〜約30:1)である。
工程(a)で生成された1233xfは、第一リアクタから工程(b)でフッ素化用の第二リアクタへ直接移してもよい。好ましくは、しかしながら、1233xfは第二リアクタへ通される前に精製工程へ付される。精製は、1回以上の蒸留、凝縮または相分離工程でいずれか他の生成物または試薬から1233xfの分離により、および/または水または水性ベースとスクラブすることにより行われる。
本発明の方法の工程(c)では、式CFCFXCHの化合物(X=ClまたはF)が244cb(即ちX=Cl)の脱塩化水素および/または245cb(即ちX=F)の脱フッ化水素により1234yfへ変換される。
本発明の方法の工程(c)は、1234yfを生成するために式CFCFXCHの化合物を脱ハロゲン化水素する上で有効ないずれか適切な反応条件下で行われる。脱ハロゲン化水素は気相および/または液相中で行われ、典型的には約−70〜約1000℃(例えば0〜400℃)の温度で行われる。工程(c)は大気、低または高大気圧、好ましくは約0〜約30baraで行われる。
脱ハロゲン化水素は熱で誘導しても、塩基媒介でも、および/またはいずれか適切な触媒により触媒してもよい。適切な触媒としては、金属および炭素ベース触媒、例として活性炭、主族(例えばアルミナベース触媒)および遷移金属を含んでなるもの、例えばクロミアベース触媒(例えば亜鉛/クロミア)またはニッケルベース触媒(例えばニッケルメッシュ)がある。1234yfを生成するために式CFCFXCHの化合物の脱ハロゲン化水素を行う1つの好ましい方法は、CFCFXCHを金属触媒、例えばクロミアベース(例えば亜鉛/クロミア)触媒と接触させることによる。
工程(b)で用いられる触媒が工程(c)と同一であるとき(例えば、亜鉛/クロミア触媒のようなクロミアベース触媒を用いるとき)、工程(b)および(c)は“ワンポット”式で、即ち同時に行える。一方、工程(b)および(c)の双方が同一触媒の存在下で行われるとき、フッ素化および脱ハロゲン化水素反応は2つの別々な工程で、例えば2以上の別々な反応ゾーンまたはリアクタを用いて行ってもよい。工程(a)に関して前記されたようないずれの適切な装置(例えば、リアクタ)も、工程(b)および(c)で用いうる。
工程(b)および(c)の双方が同一触媒の存在下で行われるとき、各工程(b)および(c)の反応条件は同一(例えばワンポット方法)でもまたは異なってもよい。好ましくは、工程(b)および(c)が同一触媒の存在下で行われる場合の反応条件は、フッ素化および脱ハロゲン化水素反応を各々最良化しうるように別々に選択しうる。これは以下で更に詳細に説明されている。
フッ素化工程(b)に好ましい条件は前記されている。脱ハロゲン化水素工程(c)は気または液相、好ましくは気相で行われる。典型的にはクロミアベース(例えば亜鉛/クロミア)触媒のような金属触媒の存在下において、気相で行われるとき、工程(c)は好ましくは約200〜約360℃、例えば約240〜約340℃の温度で行われる。
(脱ハロゲン化水素を促進する)工程(c)よりも、(フッ素化を促進する)工程(b)で高い圧力を用いた方が有利である、と現在考えられている。そのため、工程(c)は好ましくは約0.01〜約25baraまたは約0.1〜約20bara、例として約1〜約10bara(例えば1〜5bara)で行われる。
本発明のフッ素化工程(b)は1233xfをHFと接触させて行われる。本発明の工程(c)はHFの存在下で行ってもよい。例えば、工程(b)からの残留HF、および/または別な供給からのHFが存在してもよい。一方、例えば工程(b)の前にHFから式CFCFXCHの化合物の分離後に、およびHFの追加共供給なしに、工程(c)がHFの不在下で行われてもよい。ある態様では、工程(c)で有機原料の過剰分解および/または触媒のコーキングを防止および/または遅延させるために、HFを少量用いることが望ましいかもしれない。
工程(b)および(c)の双方がHFの存在下で行われるとき、工程(b)でフッ素化および工程(c)で脱ハロゲン化水素を促進しうるように、HF:有機物のモル比は各工程で別々に選択しうる。例えば、工程(c)におけるHF:有機物(例えば式CFCFXCHの化合物)のモル比は好ましくは約0.01:1〜約50:1、例として約0.1:1〜約40:1、例えば約0.5:1〜約30:1または約2:1〜約15:1(例えば約10:1〜約20:1または約5:1〜約10:1)である。
工程(b)と比較して工程(c)でHFの濃度を減少させる(それによりこれらの工程でフッ素化/脱ハロゲン化水素反応を促す)他の手法は、工程(c)へ希釈ガス(例えば窒素)を加えることによる。
1234yfを生成するために式CFCFXCHの化合物の脱ハロゲン化水素を行う他の好ましい方法は、CFCFXCHを塩基と接触させることによる(塩基媒介脱ハロゲン化水素)。
工程(c)のこの塩基媒介脱ハロゲン化水素方法では、CFCFXCHを塩基、例えば金属水酸化物またはアミド(好ましくは塩基性金属水酸化物またはアミド、例えばアルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物またはアミド)と接触させる。
別記されない限り、ここで用いられているように、用語“アルカリ金属水酸化物”について、我々は水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムおよび水酸化セシウムから選択される化合物または化合物の混合物に関する。同様に、用語“アルカリ金属アミド”について、我々はリチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド、ルビジウムアミドおよびセシウムアミドから選択される化合物または化合物の混合物に関する。
別記されない限り、ここで用いられているように、用語“アルカリ土類金属水酸化物”について、我々は水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムおよび水酸化バリウムから選択される化合物または化合物の混合物に関する。同様に、用語“アルカリ土類金属アミド”について、我々はベリリウムアミド、マグネシウムアミド、カルシウムアミド、ストロンチウムアミドおよびバリウムアミドから選択される化合物または化合物の混合物に関する。
典型的には、工程(c)の塩基媒介脱ハロゲン化水素方法は−50〜300℃の温度で行われる。好ましくは、該方法は約20〜約250℃、例えば約50〜約200℃の温度で行われる。塩基媒介脱ハロゲン化水素は0〜約30baraの圧力で行いうる。
もちろん、当業者であれば、塩基媒介脱ハロゲン化水素を行うために好ましい条件(例えば、温度、圧力および反応時間)が式CFCFXCHの化合物の性質、用いられる塩基、および/または触媒の存在などのようないくつかのファクターに応じて変わりうる、と理解するであろう。
工程(c)の塩基媒介脱ハロゲン化水素方法は溶媒の存在または不在下で行われる。溶媒が用いられなければ、式CFCFXCHの化合物は、例えばチューブ型リアクタにおいて、溶融塩基または熱塩基の中または上へ通される。溶媒が用いられるとすれば、一部の態様において好ましい溶媒は水であるが、多くの他の溶媒も用いうる。一部の態様では、溶媒、例えばアルコール類(例えばプロパン‐1‐オール)、ジオール類(例えばエチレングリコール)およびポリオール類、例えばポリエチレングリコール(例えばPEG200またはPEG300)が好ましい。これらの溶媒は単独でもまたは組み合わせでも用いられる。別な態様では、極性非プロトン溶媒として知られる種類からの溶媒も好ましい。このような極性非プロトン溶媒の例としては、ジグリム、スルホラン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、アセトニトリル、ヘキサメチルホスホルアミド(HMPA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびN‐メチルピロリドン(NMP)がある。溶媒の沸点は、好ましくは、それが反応条件下で過度な圧力を生じないようなものである。
好ましい塩基は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、更に好ましくは水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムからなる群より選択されるアルカリ金属水酸化物、最も好ましくは水酸化カリウムである。
他の好ましい塩基は、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムからなる群より選択されるアルカリ土類金属水酸化物、更に好ましくは水酸化カルシウムである。
塩基は、典型的には、工程(c)を構成する諸成分の総重量ベースで1〜50重量%の量で存在する。好ましくは、塩基は5〜30重量%の量で存在する。
塩基対式CFCFXCHの化合物のモル比は、典型的には1:20〜50:1、好ましくは1:5〜20:1、例えば1:2〜10:1である。
前記のように、塩基媒介脱ハロゲン化水素では、好ましくは溶媒として水を用いる。このように、脱ハロゲン化水素反応では、共溶媒または希釈液の必要性なしに、好ましくは少なくとも1種の塩基、例えばアルカリ(またはアルカリ土類)金属水酸化物の水溶液を用いる。しかしながら、共溶媒または希釈液は、例えば系粘度を変えるために、反応副産物にとり好ましい相として働くために、または熱質量を増すために用いうる。有用な共溶媒または希釈液としては、反応し合わないかまたは方法の平衡または動態に悪影響を与えないものであり、メタノールおよびエタノールのようなアルコール類;エチレングリコールのようなジオール類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルのようなエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのようなエステル類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような線状、分岐状および環状アルカン類;ヘキサフルオロイソプロパノール、ペルフルオロテトラヒドロフランおよびペルフルオロデカリンのようなフッ素化希釈液がある。
工程(c)の塩基媒介脱ハロゲン化水素は、好ましくは触媒の存在下で行われる。触媒は、好ましくは、例えば水相から、有機相へイオン化合物の移動を促す相間移動触媒である。水が溶媒として用いられると、水または無機相がアルカリ金属水酸化物の結果として存在し、有機相がフルオロカーボンの結果として存在する。相間移動触媒はこれら非類似成分の反応を促進させる。様々な相間移動触媒が異なる様式で機能するが、それらが脱ハロゲン化水素反応を促進しさえすれば、それらの作用メカニズムが本発明におけるそれらの有用性を決することはない。相間移動触媒はイオン性または中性であり、典型的にはクラウンエーテル類、オニウム塩類、クリプタンド類およびポリアルキレングリコール類、およびそれらの誘導体(例えば、それらのフッ素化誘導体)からなる群より選択される。
有効量の相間移動触媒が、望ましい反応を行い、望ましい生成物へ選択性を強め、または収率を高めるように用いられるべきである;反応物、方法条件および相間移動触媒が選択されたら、このような量が限定実験で決められる。典型的には、存在する式CFCFXCHの化合物の量と比較して用いられる触媒の量は0.001〜20mol%、例として0.01〜10mol%、例えば0.05〜5mol%である。
クラウンエーテル類とは、エーテル基がジメチレン結合で繋がれた環状分子である。クラウンエーテル類は、水酸化物のアルカリ金属イオンを受容または保有でき、それにより反応を促進すると考えられる分子構造を形成している。特に有用なクラウンエーテル類としては、18‐クラウン‐6(特に水酸化カリウムとの組合せ)、15‐クラウン‐5(特に水酸化ナトリウムとの組合せ)および12‐クラウン‐4(特に水酸化リチウムとの組合せ)がある。
上記クラウンエーテル類の誘導体、例えばジベンジル‐18‐クラウン‐6、ジシクロヘキサニル‐18‐クラウン‐6、ジベンジル‐24‐クラウン‐8およびジベンジル‐12‐クラウン‐4も有用である。クラウンエーテル類と類似して同様の目的に有用な他の化合物は、他の種類のドナー原子、特にNまたはSによる酸素原子の1以上の置換で異なった化合物である。上記すべてのフッ素化誘導体も用いうる。
クリプタンド類は、相間移動触媒として塩基媒介脱ハロゲン化水素に有用な、もう1つの種類の化合物である。これらは、適正な間隔でドナー原子を含む鎖で橋頭構造を繋げることにより形成された、三次元多環式大環状キレート剤である。橋のドナー原子はすべてO、NまたはSでも、あるいは該化合物は橋鎖がこのようなドナー原子の組合せを含む混合ドナー大環状分子でもよい。適切なクリプタンド類としては、(‐OCHCH‐)基の鎖で窒素橋頭を繋げて得られる二環式分子、例えば〔2.2.2〕クリプタンド(4,7,13,16,21,24‐ヘキサオキサ‐1,10‐ジアザビシクロ〔8.8.8〕ヘキサコサン,商標名Kryptand 222およびKryptofix 222で市販)がある。
工程(b)の塩基媒介方法で触媒として用いうるオニウム塩としては、式RおよびRで各々表わされる四級ホスホニウム塩および四級アンモニウム塩がある。これらの式において、R、R、RおよびRの各々は典型的には独立してC1‐10アルキル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチルまたはピリジニル)またはアリールアルキル基(例えば、ベンジルまたはC1‐10アルキル置換フェニル)を表わし、Zはハロゲン化物または他の適切な対イオン(例えば硫酸水素)である。
このようなホスホニウム塩および四級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド(商標Aliquat 336およびAdogen 464で市販)、テトラ‐n‐ブチルアンモニウムクロリド、テトラ‐n‐ブチルアンモニウムブロミド、テトラ‐n‐ブチルアンモニウム硫酸水素塩、テトラ‐n‐ブチルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムクロリド、トリフェニルメチルホスホニウムブロミドおよびトリフェニルメチルホスホニウムクロリドがある。ベンジルトリエチルアンモニウムクロリドが強塩基条件下で使用上好ましい。
他の有用なオニウム塩としては、高温安定性(例えば、約200℃まで)を呈するもの、例えば4‐ジアルキルアミノピリジニウム塩、テトラフェニルアルソニウムクロリド、ビス〔トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン〕イミニウムクロリドおよびテトラキス〔トリス(ジメチルアミノ)ホスフィンイミノ〕ホスホニウムクロリドがある。後の2化合物は熱濃水酸化ナトリウムの存在下で安定であるとも報告されており、したがって特に有用である。
相間移動触媒として有用なポリアルキレングリコール化合物は式RO(RO)で表わされ、ここでRはC1‐10アルキレン基であり、RおよびRの各々は独立してH、C1‐10アルキル基、アリール基(例えば、フェニル、ナフチルまたはピリジニル)またはアリールアルキル基(例えば、ベンジルまたはC1‐10アルキル置換フェニル)であり、mは少なくとも2の整数である。好ましいRおよびRは双方とも同一であり、例えばそれらは双方ともHである。
このようなポリアルキレングリコール類としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ヘキサエチレングリコール、ジイソプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコールおよびテトラメチレングリコール、モノアルキルグリコールエーテル類、例えばこのようなグリコール類のモノメチル、モノエチル、モノプロピルおよびモノブチルエーテル類、ジアルキルエーテル類、例えばテトラエチレングリコールジメチルエーテルおよびペンタエチレングリコールジメチルエーテル、このようなグリコール類のフェニルエーテル類、ベンジルエーテル類と、ポリアルキレングリコール類、例えばポリエチレングリコール(平均分子量約300)およびポリエチレングリコール(平均分子量約400)並びにこのようなポリアルキレングリコール類のジアルキル(例えば、ジメチル、ジプロピル、ジブチル)エーテル類がある。
上記群の1つの中からの相間移動触媒の組合せと2以上の群からの組合せまたは混合物も有用かもしれない。クラウンエーテル類および四級アンモニウム塩、例えば18‐クラウン‐6およびそのフッ素化誘導体とベンジルトリエチルアンモニウムクロリドが触媒の現在好ましい群である。
243dbは(例えばApollo Scientific Ltd,UKから)市販されている。一方、243dbは安価な原材料 四塩化炭素(CCl)およびエチレンから出発する合成経路で製造してもよい(下記反応スキーム参照)。これらの2出発物質は1,1,1,3‐テトラクロロプロパン(例えば、参照によりここに組み込まれるJ.Am.Chem.Soc.,Vol.70,p2529,1948参照)(HCC‐250fbまたは単に250fbとしても知られる)を生成するためにテロメル化される。
250fbは次いで3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)および/または1,1,1‐トリフルオロ‐3‐クロロプロパンを生成するためにフッ素化される(例えば、所望によりクロミア含有触媒、好ましくはここで記載されているような亜鉛/クロミア触媒の存在下で、HFを用いる)。(例えばNaOHまたはKOHを用いる)1,1,1‐トリフルオロ‐3‐クロロプロパンの脱ハロゲン化水素で3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)を生成する。一方、250fbは3,3,3‐トリクロロプロペンへ脱塩化水素、次いで1243zfへフッ素化してもよい。
1243zfは次いで、1,1,1‐トリフルオロ‐2,3‐ジクロロプロパン(243db)を生成するために、容易にハロゲン化、例えば(例えば塩素で)塩素化しうる。この反応スキームは以下でまとめられている(250fbから3,3,3‐トリクロロプロペンを経て1243zfへ至る経路は省略)。
Figure 2011517681
このように、本発明の他の面では1234yfの製造方法が提供され、該方法は、
(i)エチレンおよび四塩化炭素(CCl)をテロメル化して1,1,1,3‐テトラクロロプロパン(250fb)を生成すること、
(ii)250fbを3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)へ変換すること、
(iii)式CFCHACHBの化合物を生成するために1243zfを式ABの化合物(式中、AおよびBは独立してH、F、Cl、BrまたはIを表わすが、AおよびBが双方ともHまたはFであることはない)と接触させること、
(iv)第一リアクタ中、第一触媒の存在下で、式CFCHACHBの化合物を1233xfへ変換すること、
(v)第二リアクタ中第二触媒の存在下で1233xfをフッ素化剤と接触させて式CFCFXCHの化合物(式中、X=ClまたはF)を生成すること、および
(vi)式CFCFXCHの化合物を脱ハロゲン化水素して1234yfを生成すること
を含んでなる。
工程(iv)、(v)および(vi)は前記の工程(a)、(b)および(c)に相当する。このように、工程(a)、(b)および(c)の記載は、適宜に、工程(iv)、(v)および(vi)に該当する。
各工程(i)、(ii)および(iii)は独立してバッチ式または連続式で行われる。各工程(i)、(ii)および(iii)の反応時間は広範囲にわたる。しかしながら、反応時間は典型的には0.01〜100時間、例として0.1〜50時間、例えば1〜20時間の範囲である。各工程(i)、(ii)および(iii)は独立して気相または液相で行われる。
いずれか適切な装置、例えばスタティックミキサー、攪拌タンクリアクタまたは攪拌気液分離器が工程(i)、(ii)および(iii)でリアクタとして用いられる。好ましくは、該装置は、腐食に抵抗性である1種以上の材料、例えばHastelloyまたはInconelから作製される。
上記方法の工程(i)は、典型的には、250fbを生成するために適した条件下、触媒の存在下において、液相および/または気相中でエチレンをCClと接触させることからなる。
いずれか適した触媒、例えば鉄、銅および/または過酸化物を含んでなる触媒が、工程(i)で用いられる。
過酸化物を含んでなる触媒としては、過酸化ベンゾイルおよび過酸化ジ‐n‐ブチルがある。鉄を含んでなる触媒としては、鉄粉および第二鉄/第一鉄ハロゲン化物(例えば塩化物)がある。銅を含んでなる触媒としては、銅の塩、例えば銅ハロゲン化物(例えばCuCl)、硫酸銅および/またはシアン化銅がある。
典型的には、銅および鉄を含んでなる触媒は、助触媒またはリガンドと併用される。適切な助触媒としては、トリエチルオルトホルメート(HC(OEt))、窒素/リン含有リガンド、および/またはアンモニウム/ホスホニウム塩がある。好ましい窒素含有リガンドとしては、アミン類(例えば、一級および二級アミン類)、ニトリル類およびアミド類がある。好ましいリン含有リガンドとしては、ホスフェート類、ホスファイト類(例えばトリエチルホスファイト)およびホスフィン類がある。好ましいアンモニウムおよびホスホニウム塩としては、アンモニウムおよびホスホニウムハロゲン化物(例えば塩化物)がある。
工程(i)の触媒は、典型的には、存在するCClおよびエチレンのモル合計ベースで、約0.01〜約50mol%(例えば約0.1〜約10%)の量で用いられる。エチレンより過剰の四塩化炭素が通常用いられる。例えば、CCl:Cのモル比は典型的には約1:1〜約50:1、例として約1.1:1〜約20:1、例えば約1.2:1〜約10:1または約1.5:1〜約5:1である。
工程(i)の反応温度は、典型的には約20〜約300℃、好ましくは約30〜約250℃、例として約40〜約200℃、例えば約50〜約150℃の範囲である。
工程(i)の反応圧力は、典型的には0〜約40bara、好ましくは約1〜約30baraの範囲である。
好ましくは、工程(i)で形成される250fbは、それが工程(ii)でフッ素化される前に精製および/または単離される。精製は、1回以上の蒸留、凝縮または相分離工程でいずれか他の生成物または試薬から250fbの分離により、および/または水または水性ベースとスクラブすることにより行われる。
上記工程(ii)における1243zfへの250fbの変換は、典型的にはフッ素化および脱ハロゲン化水素サブ工程を伴う。
例えば、250fbは式CFCHCHClの化合物(253fb)を生成するためにフッ素化され、次いで1243zfを生成するために253fbの脱ハロゲン化水素に付される。これは以下で経路(ii1)と称される。
一方、250fbは3,3,3‐トリクロロプロペンを生成するために脱塩化水素し、次いで1243zfを生成するためにフッ素化に付してもよい。これは以下で経路(ii2)と称される。
経路(ii1)および(ii2)のいずれか一方または双方が、試薬および/または触媒の選択に応じて、250fbを1243zfへ変換するために用いられる。採用される経路とそれに伴う工程の数は、反応条件および(もしあれば)用いられる触媒の性質のようなファクターに依存する。このようなファクターは以下で更に詳細に記載されている。
経路(ii1)において、例えば250fbは253fbを生成するために触媒の存在下においてHFでフッ素化される。アルミニウム(例えばアルミナベース触媒)および/またはクロム(例えばクロミアベース触媒、特にここで記載されているような亜鉛/クロミア触媒)を含んでなる化合物および/または金属ハロゲン化物、例えば塩化物またはフッ化物(例えば、TaX、SbX、SnX、TiX、FeCl、NbX、VX、AlX(X=FまたはCl))および/または窒素含有塩基(例えば、アミン類およびピリジンのような窒素含有ヘテロサイクル類)のような、HFフッ素化に適したいかなる触媒も用いられる。アルミニウムを含んでなる触媒化合物の例としては、所望により1種以上の遷移金属化合物と混合された、AlFがある。
253fbは次いでいずれか適切な方法により、例えば塩基媒介(例えば、アルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物またはアミド類を含んでなる塩基を用いる)、熱または炭素/金属触媒(例えば、亜鉛/クロミア触媒)脱ハロゲン化水素により、1243zfへ脱ハロゲン化水素される。脱ハロゲン化水素はHFの存在下または不在下で行われる。253fbの脱ハロゲン化水素に適した反応条件は、式CFCFXCHの化合物(X=ClまたはF)の脱ハロゲン化水素工程(c)に関して先に記載されている。
HFを用いる経路(ii1)のフッ素化および脱ハロゲン化水素反応は、所望により脱ハロゲン化水素前に253fbの分離/単離と、同時に(即ちワンポット方法で)または連続的に行われる。好ましくは、経路(ii1)は亜鉛/クロミア触媒を用いてワンポットで行われる。
経路(ii2)において、脱塩化水素およびフッ素化反応は実質的に同一の反応条件下、即ちワンポット方法で行ってもよい。このように、250fbは1243zfを生成するために、典型的には1,1,1,3‐テトラフルオロプロパンを経て、触媒の存在下でHFと接触させてよい。適切な触媒としては、経路(ii1)に関して前記されたもの、特に亜鉛/クロミア触媒がある。
HFが工程(ii)に適したフッ素化剤として記載されているが、いかなる適切なフッ素化剤も用いうる。例えば、代わりの態様において、3,3,3‐トリフルオロプロペンは1,1,1,3‐テトラクロロプロパンをNaF、KFまたはアミン:HF錯体、例えばOlah試薬(ピリジニウムポリ(HF))で処理することによりワンポットで生成される。
典型的には、工程(ii)は約20〜約500℃の温度で行われる。例えば、KFまたはOlah試薬(ピリジニウムポリ(HF))を用いたときには、約50〜約200℃の温度が用いられる。一方、HFを用いるときは、それより高い温度、例として約100〜約500℃(例えば約120〜約400℃または約150〜約250℃)が用いられる。
用いられる温度は、用いられる触媒の性質に応じて変わる。例えば、窒素含有塩基が用いられるとき、好ましい温度は約100〜約250℃の範囲であり、一方アルミニウムの化合物をベースにした触媒が用いられるとき、好ましい温度は約200〜約350℃ある。亜鉛/クロミア触媒が工程(ii)で用いられるとき、温度は典型的には約150〜約400℃、例として約150〜約350℃、例えば約150〜約300℃または約150〜約250℃の範囲である。
工程(ii)の反応圧力は、典型的には0〜約30bara、好ましくは約1〜約20baraの範囲である。
3,3,3‐トリフルオロプロペンが経路(ii1)または経路(ii2)で生成されるかどうかにかかわらず、過剰のフッ素化剤が通常工程(ii)で用いられる。例えば、フッ素化剤としてHFを用いるとき、約1:1〜約100:1、例として約3:1〜約50:1、例えば約6:1〜約30:1のHF:有機物のモル比が用いられる。
好ましくは、工程(ii)で形成される1243zfは、それが工程(iii)で反応される前に精製および/または単離される。精製は、1回以上の蒸留、凝縮または相分離工程でいずれか他の生成物または試薬から1243zfの分離により、および/または水または水性ベースとスクラブすることにより行われる。
工程(ii)は、この明細書の最後に、1243zf製造方法と題された別な態様で、更に詳細に記載されている。
工程(iii)は1243zfのハロゲン化であり、式CFCHACHBの化合物を生成するために1243zfを式ABの化合物と接触させることを含んでなり、ここでAおよびBは独立してH、F、Cl、BrまたはIを表わすが、AおよびBが双方ともHまたはFであることはない。いかなる適切なハロゲン化剤ABも、1243zfを式CFCHACHBの化合物へ変換するために工程(iii)で用いうる。例としては、所望により各々HFの存在下で、Cl、Br、I、ClF、ClBrおよびIClがある。好ましくは、AまたはBの少なくとも一方はClであり、したがって1243zfはそれをCl、ClF、ClBrおよび/またはIClと接触させて塩素化される。塩素(Cl)が好ましい塩素化剤である。好ましくは、工程(iii)は243dbを生成するために1243zfを塩素(Cl)と接触させて行われる。
工程(iii)は、有利には触媒の存在下で行われる。遷移金属(例えば、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Sn、Ta、Sb、Au、Ag、Mo、Ru、Rh、Pd、Ptあるいはそれらの化合物または上記の混合物)または主族元素、例えば炭素、ケイ素またはアルミニウムあるいはそれらの化合物または上記の混合物を含んでなる触媒を含めて、いかなる適切な触媒も用いうる。塩素化触媒の好ましい群は、活性炭、アルミナおよび/または遷移金属の酸化物を含んでなるものである。このような触媒は工程(a)に関して先に記載されている。
活性炭が現在工程(iii)で好ましい触媒であり、例えばそれは安価、有効かつ頑強だからである。活性炭は、例えばSutcliffe-Speakmanから市販されている。
工程(iii)は、好ましくは気相中で行われる。しかしながら、工程(iii)は、溶媒として243db生成物を用いて、液相中で行ってもよい。このような方法における反応の熱は、243db生成物/溶媒を蒸発させることで除去しうる。
典型的には、工程(iii)は約−100〜約400℃、例として約−80〜約300℃または−50〜約250℃、例えば約0〜約200℃または約50〜約150℃の温度で行われる。該方法は、約0〜約30bara、例として約0.1〜約20baraまたは約0.5〜約10bara、例えば約1〜約5baraの圧力で行われる。
典型的には、工程(iii)における1243zf:式ABの化合物(例えばCl)のモル比は約10:1〜約1:5、例として約5:1〜約1:2、例えば約3:1〜約1.5:1(例えば約2.5:1〜約1:1)である。
工程(iii)で形成される式CFCHACHBの化合物(例えば243db)は、工程(iv)で用いられる前に精製および/または単離してもよい。例えば、式CFCHACHBの化合物は工程(iii)で式ABの化合物および1243zfから(例えば、蒸留、凝縮および相分離、および/または水または水性ベースとスクラブすることにより)分離され、脱塩化水素工程(iv)を行うために異なる反応器またはゾーンへ移される。
こうして、工程(iii)および(iv)で用いられる反応条件(例えば、温度および圧力)はハロゲン化および脱塩化水素反応を各々促進するように最良化しうる。例えば、ハロゲン化工程(iii)と比較して脱塩化水素工程(iv)で高い温度および/または低い圧力条件を用いることが最良である、と現在は考えられている。
他の態様において、工程(iii)は工程(iv)と組み合わせてもよく、即ちこれらの工程はワンポット方法で同時に行える。この組合せ方法(以下で方法(x)と称される)は、1233xfを生成するために、亜鉛/クロミア触媒の存在下でCl、Br、I、ClF、ClBrおよびIClから選択される式ABの化合物およびHFと3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)を接触させることを含んでなる。このように、方法(x)では、該触媒が塩素化および脱塩化水素化双方の触媒として作用する。塩素(Cl)が、好ましくはHFの存在下において、方法(x)における式ABの好ましい化合物である。
方法(x)において、用いられる条件(例えば、温度、圧力および1243:塩素のモル比)は、式CFCHACHBの化合物(例えば243db)への1243zfのハロゲン化(即ち、工程(iii)単独)に関して前記された最も広い範囲に属する。しかしながら、方法(x)における同時塩素化/脱塩化水素化は、工程(iii)で記載された対応ハロゲン化(例えば塩素化)単独と比較して高い温度を要することがある。例えば、方法(x)で好ましい温度条件は典型的には約50〜約400℃、例として約100〜約350℃の範囲である。
典型的には、方法(c)/(vi)で形成された1234yfは精製される。これは常法で、例えば蒸留、凝縮、相分離および/または(例えば、水または水性ベースで)スクラブにより行われる。
別な態様において、本発明は3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)の製造方法を提供し、該方法は亜鉛/クロミア触媒の存在下で式CXCHCHXまたはCXCH=CHの化合物をフッ化水素(HF)と接触させることを含んでなり、ここで各Xは独立してF、Cl、BrまたはIであるが、式CXCH=CHの化合物において少なくとも1つのXはFではない。別記されない限り、これは以下で(本発明の)1243zf製造方法と称される。
好ましい態様において、この方法は1243zfを生成するために式CXCHCHXの化合物の反応に関する。
式CXCHCHXの化合物はあらゆるハロプロパン(X=F、Cl、BrまたはI)を表わす。好ましい面において、X=FまたはCl。式CXCHCHXの化合物の例としては、1,1,1,3‐テトラクロロプロパン(CClCHCHCl,250fb)、1,1,3‐トリクロロ‐1‐フルオロプロパン(CClFCHCHCl)、1,3‐ジクロロ‐1,1‐ジフルオロプロパン(CClFCHCHCl)、3‐クロロ‐1,1,1‐トリフルオロプロパン(CFCHCHCl,253fb)および1,1,1,3‐テトラフルオロプロパン(CFCHCHF,254fb)がある。
一面において、式CXCHCHXの化合物は250fb、253fbおよび254fbから選択される。好ましい態様において、式CXCHCHXの化合物は253fbである。別な好ましい態様において、式CXCHCHXの化合物は254fbである。特に好ましい態様において、式CXCHCHXの化合物は250fbである。
式CXCH=CHの化合物はあらゆるハロプロペン(X=F、Cl、BrまたはI、但し少なくとも1つのXはFではない)を表わす。好ましくは、XはFまたはClである(但し少なくとも1つのXはFではない)。式CXCH=CHの化合物の例としては、3,3,3‐トリクロロプロペン(CClCH=CH)、3,3‐ジクロロ‐3‐フルオロプロペン(CClFCH=CH)および3‐クロロ‐3,3‐ジフルオロプロペン(CClFCH=CH)がある。好ましい面において、式CXCH=CHの化合物は3,3,3‐トリクロロプロペンを表わす。
亜鉛/クロミア触媒が1243zf製造方法に必要とされるフッ素化および/または脱ハロゲン化水素反応に特に有効であることを、本発明者らは予想外にも発見した。特に、亜鉛/クロミア触媒は他の触媒、例えばクロミアベース触媒より活性であると考えられている。これは、別な状況で要されるものより弱い強制条件(例えば、低い温度および/または圧力)を用いて、1243zf製造方法を行わせうる。
亜鉛/クロミア触媒は、有機物(例えば、式CXCHCHXまたはCXCH=CHの化合物)およびHFの合計重量ベースで約0.01〜約50重量%、例として約0.1〜約30%、例えば約0.5〜約20%の量で、1243zf製造方法に用いられる。
1243zf製造方法はいずれか適切な装置、例えばスタティックミキサー、攪拌タンクリアクタまたは攪拌気液分離器で行える。好ましくは、該装置は、腐食に抵抗性である1種以上の材料、例えばHastelloy(登録商標)またはInconel(登録商標)から作製される。
1243zf製造方法はバッチ式または(半)連続式で行われる。好ましくは、本発明の方法は連続式で行われる。典型的には、1243zf製造方法は気相で行われる。
該方法は大気、低または高大気圧、典型的には0〜約30bara、好ましくは約1〜約20baraで行われる。
典型的には、本発明の1243zf製造方法は約100℃〜約500℃(例えば約150℃〜約500℃または約100〜約450℃)の温度で行われる。好ましくは、該方法は約150℃〜約450℃、例として約150℃〜約400℃、例えば約200℃〜約350℃の温度で行われる。低い温度、例として約150℃〜約350℃、例えば約150℃〜約300℃または約150℃〜約250℃でも、本発明の方法、例えば1243zfへの250fbの変換に用いうる。
1243zf製造方法は、典型的には約1:1〜約100:1、例として約3:1〜約50:1、例えば約4:1〜約30:1または約5:1または6:1〜約20:1または30:1のHF:有機物のモル比を用いる。
1243zf製造方法の反応時間は、通常約1秒間〜約100時間、好ましくは約10秒間〜約50時間、例として約1分間〜約10または20時間である。連続方法において、触媒と試薬との典型的接触時間は約1〜約1000秒間、例えば約1〜約500秒間または約1〜約300秒間または約1〜約50、100もしくは200秒間である。
1243zf製造方法は、亜鉛/クロミア触媒の存在下で1,1,1,3‐テトラクロロプロパン(250fb)をフッ化水素(HF)と接触させて3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)を製造するために、特に有効である。
250fbはハロゲン化炭化水素の一般供給業者、例えばApollo Scientific,Stockport,UKから購入しうる。一方、250fbは四塩化炭素(CCl)およびエチレンのテロメル化により製造してもよい(例えば、参照によりここに組み込まれるJ.Am.Chem.Soc.,Vol.70,p2529,1948参照)。
1243zfへの250fbの変換は、典型的にはフッ素化および脱ハロゲン化水素サブ工程を伴う。
例えば、250fbは、下記スキームで示されているように、式CXCHCHClの化合物(X=ClまたはF)を生成するためにフッ素化される。1243zfは式CXCHCHClの化合物(X=F)の最終脱塩化水素工程により生成される。これは以下で経路(a)として示されている。
Figure 2011517681
一方、250fbは3,3,3‐トリクロロプロペンを生成するために脱塩化水素させ、次いで1243zfを生成するために段階的フッ素化してもよい。これは経路(b)として上に示されている。経路(a)および(b)は、本発明の方法の工程(ii)に関してここで記載されているように、経路(ii1)および(ii2)に各々相当する。
経路(a)および(b)のいずれか一方または双方が、250fbを1243zfへ変換するために行いうる。例えば、経路(a)のCClFCHCHClは経路(b)のCClFCH=CHを生成するために脱塩化水素される。HFおよび250fbが高温で混合されれば、これら反応の一部は自然に起きると予想されるが、該反応はどのように妥当な時間の長さでも亜鉛/クロミア触媒の不在下では完了に至らないであろう。
意外にも、亜鉛/クロミア触媒が1243zfへの250fbおよびHFのワンポット変換を促進させる際に有効であることを、本発明者らは発見したのである。特に、該触媒の活性のおかげで、250fbの優れた変換と1243zfへの選択性を維持しながらも、1243zfを生成するために知られた(気相)方法と比較して弱い強制条件(例えば、低い温度)で済むと考えられている。
本発明はここから以下の非制限例で実証される。
実施例1:大気圧で活性炭触媒の存在下1233xfへの243dbの脱塩化水素化
243dbを1243zfの塩素化によりその場で製造し、下記のように1233xfへ脱塩化水素した。活性炭触媒1.1gを1.25cm(0.5″)×30cm Inconelリアクタチューブへ装填した。触媒を250℃で2時間にわたり窒素流(約10mL/min)下で乾燥させた。次いで供給流 塩素(約2mL/min)および1243zf(約6mL/min)を始める前に、下記表1で示された反応温度にチューブを冷却した。リアクタゾーンから出た反応ガスのサンプルを採取し、GCおよびGC‐MSで分析した(表1参照)。
Figure 2011517681
実施例2:大気圧で3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)の塩素化
243dbを1243zfの塩素化によりその場で製造し、下記のように1233xfへ脱塩化水素した。活性炭触媒4.0gを1.25cm(0.5″)×30cm Inconelリアクタチューブへ装填した。触媒を250℃で1.5時間にわたり窒素流(約30mL/min)下で乾燥させた。次いで供給流 窒素(0または8mL/min)、塩素(8mL/min)および1243zf(8mL/min)を始める前に、下記表で示された反応温度にチューブを冷却した。リアクタゾーンから出た反応ガスのサンプルを採取し、GCおよびGC‐MSで分析した。
Figure 2011517681
表1および2の結果は、活性炭が1233xfへの243dbの変換に驚くほど有効な触媒であることを示している。
実施例3:亜鉛/クロミア触媒で1233xfへの243dbの脱塩化水素化
243dbを1243zfの塩素化によりその場で製造し、下記のように1233xfへ脱塩化水素した。1.25cm(0.5″)×30cm Inconelリアクタチューブへ5.2%亜鉛/クロミア触媒4gを装填した。触媒を250℃および2時間にわたり窒素流(50mL/min)下で乾燥させた。乾燥時間後、触媒のフッ素処理を始めるために、HF(5〜8mL/min)を窒素流へ導入した。温度を40℃/minで380℃に上げ、そこで16時間保った。2〜3時間後、HFブレークスルーをリアクタ排ガスで検出し、窒素流を止めた。この処理後にリアクタ温度を表3で示された温度へ下げ、HF(12mL/min)、1243zf(3.2mL/min)および塩素(3mL/min)を含んでなる混合物をそれに通した。リアクタ排ガスのサンプルを採取し、GCおよびGC‐MSで分析した。応答ファクターを調べるために既知標準を用いてGCを較正し、未知物質を定量するために平均応答ファクターを用いた。
Figure 2011517681
表2の結果は、亜鉛/クロミアが1233xfへの243dbの変換に驚くほど有効な触媒であることを示している。
実施例4:243dbから1234yf/245ebの製造
2つのInconelリアクタ(30cm×0.5″)に各6gの5.2%Zn/クロミア触媒を装填した。これらのチューブを次いで連結して置き、触媒を250℃および3barg圧力で一夜にわたり窒素流(80mL/min)下で乾燥させた。触媒を次いで300℃および3barg圧力で72時間にわたる4mL/min HFおよび80mL/min窒素の混合物との処理により活性化させた。300℃のとき、窒素流をゼロに減少させた。HFブレークスルーを検出したとき(4時間)、温度を25℃/hrで380℃に上げ、そこで更に7時間保った。
活性化後に圧力を15bargに高め、第一リアクタ温度を340℃に調整し、第二を100℃に調整して、243db(10mL/min)およびHF(100mL/min)からなる原料混合物をそれらに通した。リアクタの連結から出たガスをサンプリングし、GC‐MSで分析したが、結果は以下に掲載されている:
243db変換90%
生成物:1233xf(70%),CFCFClCHを含む244異性体(10%),1234yf(1.4%),245eb(1.0%)
実施例5:高圧における250fb(CCl CH CH Cl)のフッ化水素化
Inconnelチューブ30cm×0.5インチから作製されたリアクタに、下記のように処理された、本質的に特性上非晶質である5.2%Zn/クロミア触媒6gを装填した:
触媒を250℃および3bargで48時間にわたり窒素(80mL/min)下で加熱することにより最初に乾燥させた。次いで、窒素流へHF(4mL/min)を導入して温度を300℃に16時間上げることにより、触媒の前フッ素処理を始めた。最後の5時間で、窒素流を徐々にゼロへ減少させた。温度を次いで25℃/hrで380℃に上げ、380℃で7時間保ち、次いで25℃/hrで250℃へ冷却した。
250fb(3mL/min)およびHF(45mL/min)を含んでなる原料混合物を次いで15bargおよび200℃で触媒へ通した。リアクタから出たガスを定期的にサンプリングし、酸ガスを除去するためにアルカリ性スクラバーへ通した後でGCにより分析した。酸ガスの除去後にリアクタ排ガスで検出された唯一の生成物は、望ましい生成物1243zf(91mol%,CFCH=CH)および1,1‐ジフルオロ‐1,3‐ジクロロプロパン(9mol%,CFClCHCHCl)であった。
反応条件を変えることにより(例えば、温度および/または接触時間を増すことにより)、1,1‐ジフルオロ‐1,3‐ジクロロプロパンが1243zfへ変換されうる、と考えられている。こうして、250fbは1回の通過で1243zfへ100%選択率で完全に変換された。
実施例6:大気圧における250fb(CCl CH CH Cl)のフッ化水素化
Inconnelチューブ30cm×0.5インチから作製されたリアクタに、本質的に特性上非晶質であるクロミア担持5.2%wt Zn触媒2.0gを装填した。触媒を次いで250℃で3時間にわたり窒素(80mL/min)下で乾燥させた。HF(20mL/min)を次いで窒素流へ導入し、触媒の前フッ素処理を始めた。HFがリアクタ排ガスで検出されたとき、リアクタ温度を25℃/hrで250℃から370℃へ上げ、そこで7時間維持してから、25℃/hrで200℃へ逆冷却した。
250fb(1mL/min)、HF(25mL/min)および窒素(30mL/min)を含んでなる原料混合物を200℃で15時間にわたりリアクタへ供給した。リアクタから出たガスをアルカリ性溶液でスクラブして酸ガスを除去し、GC‐MSおよびGCにより分析した。スクラブされたリアクタ排ガスで同定された唯一の種類は実験全体を通して1243zfであった。
実施例5および6は、亜鉛/クロミア触媒を用いた250fbとHFとの反応が非常に穏やかな条件下で1243zfを選択的に生成することを実証している。
実施例7:1243zf(CF CH=CH )への254fb(CF CH CH F)の気相変換
Inconnelチューブ30cm×0.5インチから作製されたリアクタに、本質的に特性上非晶質であるクロミア担持5.2%wt Zn触媒2.0gを装填した。触媒を次いで250℃で3時間にわたり窒素(80mL/min)下で乾燥させた。HF(20mL/min)を次いで窒素流へ導入し、触媒の前フッ素処理を始めた。HFがリアクタ排ガスで検出されたとき、リアクタ温度を25℃/hrで250℃から370℃へ上げ、そこで7時間維持してから、25℃/hrで200℃へ逆冷却した。
1243zfへの254fbの変換を実証するために、HFおよび254fbの混合物を様々な温度および比率で触媒に通して供給した。リアクタへの原料の輸送を助けるために、窒素キャリアガス流を用いた。リアクタから出たガスをGC‐MSおよびGCにより分析した。結果が下記表でまとめられている:
Figure 2011517681
上記からわかるように、1243xfへの254fbの変換は適度な条件のとき亜鉛/クロミア触媒でクリーンかつ容易である。

Claims (44)

  1. (a)第一リアクタ中、第一触媒の存在下で、1,1,1‐トリフルオロ‐2,3‐ジクロロプロパン(243db)を3,3,3‐トリフルオロ-2-クロロプロペ-1-エン(CFCCl=CH,1233xf)へ変換すること、
    (b)第二リアクタ中、第二触媒の存在下で、1233xfをフッ素化剤と接触させて式CFCFXCHの化合物(式中、X=ClまたはF)を生成すること、および
    (c)式CFCFXCHの化合物を脱ハロゲン化水素して1234yfを生成すること
    を含んでなる,2,3,3,3‐テトラフルオロプロペン(1234yf)の製造方法。
  2. 工程(a)が約−70〜約450℃の温度および0〜30baraの圧力で行われる、請求項1の方法。
  3. 第一触媒および第二触媒が、活性炭を含んでなる触媒、アルミナを含んでなる触媒、遷移金属の酸化物を含んでなる触媒、ルイス酸金属ハロゲン化物触媒およびそれらの混合物から選択される、請求項1または2の方法。
  4. 工程(b)が約−100〜約400℃の温度および0〜約50baraの圧力で行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. フッ素化剤がフッ化水素(HF)である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 工程(b)が気相で行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 第二触媒が活性炭、アルミナおよび/または遷移金属の酸化物を含んでなる、請求項6の方法。
  8. 工程(b)が約0〜約390℃の温度および0.1〜約30baraの圧力、好ましくは約200〜約370℃の温度および約1〜約10baraの圧力で行われる、請求項6または7の方法。
  9. 工程(b)が液相で行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  10. 第二触媒がルイス酸金属ハロゲン化物触媒である、請求項9の方法。
  11. 工程(b)が約−50〜約250℃の温度および約1〜約50baraの圧力、好ましくは約10〜約150℃の温度および約10〜約30baraの圧力で行われる、請求項9または10の方法。
  12. 工程(a)がHFの存在下で行われる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 工程(a)におけるHF:有機物のモル比が約0.01:1〜約50:1、好ましくは約2:1〜約15:1である、請求項12の方法。
  14. 工程(b)におけるHF:有機物のモル比が約1:1〜約100:1、好ましくは約5:1〜約40:1である、請求項5〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 工程(a)で生成された1233xfが、工程(b)で第二リアクタへ通される前に精製される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 工程(c)が約−70〜約1000℃の温度および約1〜約30baraの圧力で行われる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 工程(c)が金属触媒脱ハロゲン化水素により行われる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 工程(c)が約0〜約400℃の温度および0.01〜約25baraの圧力、好ましくは約200〜約360℃および約1〜約10で行われる、請求項17の方法。
  19. 工程(c)がHFの存在下で行われる、請求項17または18の方法。
  20. 工程(c)におけるHF:有機物のモル比が約0.01:1〜約50:1、好ましくは約2:1〜約15:1である、請求項19の方法。
  21. 工程(c)が工程(b)と同時に行われる、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 工程(c)が式CFCFXCHの化合物を塩基と接触させて行われる、請求項16の方法。
  23. 工程(c)が約−50〜約300℃、好ましくは約20〜約250℃の温度で行われる、請求項22の方法。
  24. 塩基が金属水酸化物、金属アミドおよびそれらの混合物から選択される、請求項22または23の方法。
  25. 塩基がアルカリ金属水酸化物であり、好ましくはアルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選択される、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 塩基がアルカリ土類金属水酸化物であり、好ましくはアルカリ土類金属水酸化物が水酸化カルシウムである、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 工程(c)が溶媒中で行われ、好ましくは溶媒が水、アルコール類、ジオール類、ポリオール類、極性非プロトン溶媒およびそれらの混合物から選択され、前記方法が所望により共溶媒または希釈液の存在下で行われる、請求項22〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 工程(c)が触媒の存在下で行われ、好ましくは触媒がクラウンエーテルまたは四級アンモニウム塩である、請求項22〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)を式ABの化合物と接触させて式CFCHACHBの化合物を生成する工程(iii)を含んでなり、ここでAおよびBは独立してH、F、Cl、BrまたはIを表わすが、AおよびBが双方ともHまたはFであることはなく、好ましくはABは塩素であり、CFCHACHBは243dbである、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 1,1,1,3‐テトラクロロプロパン(250fb)を3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)へ変換する工程(ii)を含んでなる、請求項29に記載の方法。
  31. エチレンおよび四塩化炭素(CCl)をテロメル化して1,1,1,3‐テトラクロロプロパンを生成する工程(i)を含んでなる、請求項30に記載の方法。
  32. (i)エチレンおよび四塩化炭素(CCl)をテロメル化して1,1,1,3‐テトラクロロプロパン(250fb)を生成すること、
    (ii)250fbを3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)へ変換すること、
    (iii)1243zfを式ABの化合物(式中、AおよびBは独立してH、F、Cl、BrまたはIを表わすが、AおよびBが双方ともHまたはFであることはない)と接触させて式CFCHACHBの化合物を生成すること、
    (iv)第一リアクタ中、第一触媒の存在下で、式CFCHACHBの化合物を1233xfへ変換すること、
    (v)第二リアクタ中、第二触媒の存在下で、1233xfをフッ素化剤と接触させて式CFCFXCHの化合物(式中、X=ClまたはF)を生成すること、および
    (vi)式CFCFXCHの化合物を脱ハロゲン化水素して1234yfを生成すること
    を含んでなる、1234yfの製造方法。
  33. 亜鉛/クロミア触媒の存在下で式CXCHCHXまたはCXCH=CHの化合物をフッ化水素(HF)と接触させることを含んでなり、ここで各Xは独立してF、Cl、BrまたはIであるが、式CXCH=CHの化合物において少なくとも1つのXはFではない、3,3,3‐トリフルオロプロペン(1243zf)の製造方法。
  34. XがFまたはClである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記方法が式CXCHCHXの化合物を接触させることを含んでなる、請求項33または34に記載の方法。
  36. 式CXCHCHXの化合物がCFCHCHCl(253fb)を含んでなる、請求項33〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 式CXCHCHXの化合物がCClCHCHCl(250fb)を含んでなる、請求項33〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記方法が約100℃〜約500℃、好ましくは約150℃〜約450℃の温度で行われる、請求項33〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記方法が0〜約30bara、好ましくは約1〜約20baraの圧力で行われる、請求項33〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. HF:有機物のモル比が約1:1〜約100:1、好ましくは約3:1〜約50:1である、請求項33〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記方法が気相で行われる、請求項33〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記方法が連続式または半連続式である、請求項33〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. ここに一般的に記載されているような、あらゆる新規な方法。
  44. 実施例を参照してここに一般的に記載されているような、あらゆる新規な方法。
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