JP2009100781A - NeisseriaMeningitidis抗原 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、Neisseria Meningitidis(A株およびB株
)由来のタンパク質を提供することを課題とする。
【解決手段】上記課題は、本明細書に記載されたアミノ酸配列、対応するヌクレオチド配列、発現データ、および血清学的なデータが提供されることによって解決された。本発明のタンパク質は、ワクチン、免疫原性組成物、および/または診断薬のために有用な抗原である。したがって、本発明は、ワクチン、免疫原性組成物、および/または診断薬なども提供する。
【選択図】なし

Description

本発明はNeisseria meningitidis細菌由来の抗原に関
する。
(背景)
Neisseria meningitidisは、ヒトにおいて病原性であ
る非運動性のグラム陰性双球菌である。N.meningitidisは、咽頭
にコロニー形成をし、髄膜炎(および、時折、髄膜炎のない敗血症)を引き起こ
す。N.meningitidisは、N.gonorrhoeaeに密接に関
係しているが、髄膜炎菌が淋病菌と明らかに異なる1つの特徴は、全ての病原性
髄膜炎菌に存在する多糖類性莢膜の存在である。
N.meningitidisは、風土病および伝染病を引き起こす。米国に
おいて、発病率は1年間に100,000人中0.6〜1人の割合であり、そし
て大発生によりずっと大きくなり得る(Liebermanら(1996)Sa
fety and Immunogenicity of a Serogro
ups A/C Neisseria meningitidis Oligo
saccharide−Protein Conjugate Vaccine
in Young Children.JAMA 275(19):1499
−1503;Schuchatら(1997)Bacterial Menin
gitis in the United States in 1995,N
Engl J Med 377(14):970−976)。発展途上国では
、風土病の割合は、よりずっと大きくそして伝染病発生率は1年間あたり100
,000人あたり500件に達し得る。死亡率は極めて高く、米国では10〜2
0%、そして発展途上国においてはよりずっと高い。Haemophilus
influenzaeに対する共役ワクチンの導入の結果、N.meningi
tidisは、米国において全ての年齢における細菌性髄膜炎の主な原因である
(Schuchat(1997)前出)。
この生物の莢膜多糖類に基づいて、N.meningitidisの12血清
群が同定されている。A群はサハラアフリカ周縁での伝染病において最も頻繁に
関与している病原体である。血清型B群および血清型C群は、米国および大部分
の先進国における症例の大部分の原因である。血清型W135およびYは、米国
および先進国における症例の残りの原因である。現在使用される髄膜炎ワクチン
は、血清型A、C、Y、およびW135で構成される4価の多糖類ワクチンであ
る。これは、青年および成人には効果があるが、弱い免疫応答および短い保護持
続期間を誘導し、そして乳児には使用され得ない(例えば、Morbidity
and Mortality weekly report,Vol.46,
No.PR−5(1997))。これは、多糖類が、繰り返し免疫処置により増
強され得ない弱い免疫応答を誘導するT細胞独立性抗原であるからである。H.
influenzaに対するワクチン接種の成功に続き、血清型Aおよび血清型
Cに対する共役ワクチンが開発されており、そして臨床試験の最終段階である(
Zollinger WD「New and Improved Vaccin
es Against Meningococcal Disease」New
Generation Vaccines,前出,469−488頁;Lie
bermanら(1996)前出;Costantinoら(1992)Dev
elopment and phase I clinical testin
g of a conjugate vaccine against men
ingococcus AおよびC.Vaccine 10:691−698)
しかし、髄膜炎菌Bは問題を残している。この血清型は現在、米国、欧州、お
よび南アメリカにおける全髄膜炎のおおよそ50%の原因である。この多糖類ア
プローチは使用され得ない。なぜなら、menB莢膜多糖類は、哺乳動物組織に
もまた存在するα(2−8)−結合型N−アセチルノイラミン酸のポリマーであ
るからである。これは抗原に対する寛容性を生ずる;実際、免疫応答が惹起され
た場合、それは抗−自己であり、それ故、所望されない。自己免疫の誘導を回避
しそして保護的免疫応答を誘導するために、この莢膜性多糖類は、例えば、N−
アセチル基をN−プロピオニル基と置換するように化学的に改変されるが、特異
的抗原性は不変のままである(RomeroおよびOutschoorn(19
94)Current Status of Meningococcal g
roup B vaccine candidates:capsular o
r non−capsular? Clin Microbiol Rev 7
(4):559−575)。
menBワクチンに対する代替のアプローチは、外膜タンパク質(OMP)の
複合体混合物(OMPのみを含むかまたはポーリンに富むOMPのいずれかを含
む)を使用するか、または細菌活性をブロックする抗体を誘導すると考えられる
クラス4OMPを欠失した。このアプローチは、十分に特徴付けられていないワ
クチンを産生する。それらワクチンは、相同な菌株に対して保護し得えるが、外
膜タンパク質の多くの抗原性改変体が多く存在する場合、全体として効果がない
。抗原変異性を克服するために、9つまでの異なるポーリンを含む多価ワクチン
が構築されている(例えば、Poolman JT(1992)Develop
ment of a meningococcal vaccine.Infe
ct.Agents Dis.4:13−28)。外膜ワクチンで使用されるさ
らなるタンパク質は、opaおよびopcタンパク質であるが、これらのアプロ
ーチは抗原変異性を克服し得ない(例えば、Ala’AldeenおよびBor
riello(1996)The meningococcal tranfe
rrin−binding proteins 1 and 2 are bo
th surface exposed and generate bact
ericidal antibodies capable of killi
ng homologous and heterologous strai
ns.Vaccine 14(1):49−53)。
特定の量の配列データは、髄膜炎菌および淋病菌の遺伝子ならびにタンパク質
(例えば、EP−A−0467714,WO96/29412)について利用可
能であるが、これは決して完全ではない。さらなる配列の供給は、免疫系に対す
る標的と推測され、そして抗原的に変異し得ることのない分泌タンパク質または
表面露出タンパク質を同定するための機会を提供し得た。例えば、同定されたタ
ンパク質のいくつかは、髄膜炎菌Bに対して効果のあるワクチンの成分であり、
いくつかは全ての髄膜炎菌血清型に対するワクチンの成分であり、そして他は全
ての病原性Neisseriaeに対するワクチンの成分であり得た。
(本発明)
本発明は、本実施例で開示されたN.meningitidisアミノ酸配列
を含むタンパク質を提供する。したがって、本発明は、以下をも提供する。
(1) 配列番号2、4、および6からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、タンパク質。
(2) 項目1に記載のタンパク質をコードする、核酸分子。
(3) 配列番号1、3、および5からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、項目2に記載の核酸分子。
(4)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、および90からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、タンパク質。
(5)請求項4に記載のタンパク質に対して50%以上の配列同一性を有するタンパク質。
(6)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、および90からなる群より選択されるアミノ酸配列のフラグメントを含む、タンパク質。
(7)項目4−6のいずれか1つに記載のタンパク質に結合する抗体。
(8)項目4−6のいずれか1つに記載のタンパク質をコードする、核酸分子。
(9)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、および89からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、項目8に記載の核酸分子。
(10)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、57、59、61、63、65、67、69、71、73、75、77、79、81、83、85、87、および89からなる群より選択されるヌクレオチド配列のフラグメントを含む、核酸分子。
(11) 項目8〜10のいずれか1つに記載の核酸分子に相補的なヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
(12) 項目8〜11のいずれか1つに記載の核酸分子に対して50%以上の配列同一性を有するヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
(13) 高ストリンジェント条件下で、項目8〜12のいずれか1つに記載の核酸分子にハイブリダイズし得る、核酸分子。
(14) 項目1〜13のいずれか1つに記載のタンパク質、核酸分子、または抗体を含む、組成物。
(15) ワクチン組成物または診断組成物である、項目14に記載の組成物。
(16) 医薬品としての使用のための、項目14または15に記載の組成物。
(17) Neisseria細菌、特にNeisseria Meningitidisに起因する感染の処置または予防のための医薬品の製造における、項目14に記載の組成物の使用。
これはまた、本実施例で開示されるN.meningitidisアミノ酸配
列と相同な(すなわち、配列同一性を有する)配列を含むタンパク質を提供する
。この特定の配列に依存して、配列同一性の程度は、好ましくは50%よりも大
きい(例えば、60%、70%、80%、90%、95%、99%以上)。これ
らの相同なタンパク質は、本実施例で開示される配列の変異体および対立遺伝子
の改変体を含む。代表的には、2つのタンパク質の間の50%の同一性またはそ
れより大きい同一性は、機能的に等価であることの表示であると考えられる。タ
ンパク質間の同一性は、好ましくはパラメーターgap open penal
ty=12およびgap extention penalty=1を有するa
ffine変換ギャップ検索を使用して,MPSRCHプログラム(Oxfor
d Molecular)において実行されるようなSmith−Waterm
an相同性検索アルゴリズムによって決定される。
本発明はさらに、本実施例で開示されるN.meningitidisアミノ
酸配列のフラグメントを含むタンパク質を提供する。このフラグメントは、その
配列由来の少なくともn個の連続したアミノ酸を含み、そしてその特定の配列に
依存して、nは7以上(例えば8、10、12、14、16、18、20以上)
である。好ましくはこのフラグメントは、その配列に由来するエピトープを含む
本発明のタンパク質は、もちろん、種々の手段(例えば、組換え発現、細胞培
養物からの精製、化学合成など)によっておよび種々の型で(例えば、天然型、
融合型など)調製され得る。これらは、好ましくは実質的に純粋な型で調製され
る(すなわち、他のN.meningitidisタンパク質または宿主細胞タ
ンパク質を実質的に含まない)。
さらなる局面に従って、本発明は、これらのタンパク質に結合する抗体を提供
する。これらは、ポリクローナルまたはモノクローナルであり、そして任意の適
切な手段により産生され得る。
さらなる局面に従って、本発明は、本実施例で開示されるN.meningi
tidisヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。さらに、本発明は、本実施
例で開示されるN.meningitidisヌクレオチド配列と相同な(すな
わち、配列同一性を有する)配列を含む核酸を提供する。
さらに、本発明は、本実施例で開示されるN.meningitidis核酸
に、好ましくは「高ストリンジェンシー」な条件下で(例えば、0.1×SSC
、0.5%SDS溶液中65℃)ハイブリダイズし得る核酸を提供する。
これらの配列のフラグメントを含む核酸もまた、提供される。これらは、N.
meningitidis配列由来の少なくともn個の連続するヌクレオチドを
含有すべきであり、そして特定の配列に依存して、nは10以上(例えば、12
、14、15、18、20、25、30、35、40以上)である。
さらなる局面に従って、本発明は、本発明のタンパク質およびタンパク質フラ
グメントをコードする核酸を提供する。
本発明が上記の配列に相補的な配列を含む核酸を提供することもまた、認識さ
れるべきである(例えば、アンチセンスの目的またはプローブの目的において)
本発明に従う核酸は、もちろん、多くの様式(例えば、化学合成により、ゲノ
ムライブラリーまたはcDNAライブラリーから、生物体自体などから)で調製
され得、そして種々の型(例えば、一本鎖、二本鎖、ベクター、プローブなど)
をとり得る。
さらに、用語「核酸」は、DNAおよびRNA、そしてまた改変された骨格を
含むDNAおよびRNAのようなそれらのアナログ、そしてまたペプチド核酸(
PNA)などを含む。
さらなる局面に従って、本発明は、本発明のヌクレオチド配列を含むベクター
(例えば、発現ベクター)およびこのようなベクターで形質転換された宿主細胞
を提供する。
さらなる局面に従って、本発明は、本発明に従うタンパク質、抗体および/ま
たは核酸を含む組成物を提供する。これらの組成物は、例えばワクチンとして、
または診断用試薬として、または免疫原性組成物として適切であり得る。
本発明はまた、医薬品として(例えばワクチンとして)または診断用試薬とし
て使用するための、本発明に従う核酸、タンパク質、または抗体を提供する。ま
た、以下の製造における、本発明に従う核酸、タンパク質、または抗体の使用を
提供する:(i)ナイセリア細菌に起因する感染の処置または予防のための医薬
品;(ii)ナイセリア細菌またはナイセリア細菌に対して惹起された抗体の存
在を検出するための診断用試薬;および/または(iii)ナイセリア細菌に対
する抗体を惹起し得る試薬。上記のナイセリア細菌は、任意の種または菌株であ
り得る(例えば、N.gonorrhoeae)が、好ましくは、N.meni
ngitidis、特に菌株A、菌株B、または菌株Cである。
本発明はまた、治療的有効量の、本発明に従う核酸、タンパク質、および/ま
たは抗体を患者に投与する工程を含む、患者の処置の方法を提供する。
さらなる局面に従って、本発明は、種々のプロセスを提供する。
本発明のタンパク質を産生するためのプロセスであって、タンパク質の発現を
誘導する条件下において、本発明に従う宿主細胞を培養する工程を包含する、プ
ロセスが提供される。
本発明のタンパク質または核酸を産生するためのプロセスであって、ここでそ
のタンパク質または核酸は、化学的手段を使用して、一部または全体が合成され
るプロセスが提供される。
本発明のポリヌクレオチドを検出するためのプロセスであって、(a)本発明
に従う核プローブを、二重鎖を形成させるハイブリダイズの条件下で生物学的サ
ンプルと接触させる工程;および(b)上記の二重鎖を検出する工程を包含する
、プロセスが提供される。
本発明のタンパク質を検出するためのプロセスであって、(a)本発明に従う
抗体を、抗体−抗原複合体の形成に適した条件下で生物学的サンプルと接触させ
る工程;および(b)上記の複合体を検出する工程を包含する、プロセスが提供
される。
PCT/IB98/01665に開示される配列とは異なり、本願に開示され
る配列は、N.gonorrhoeaeに、いかなる有意なホモログも有しない
と考えられている。従って、本発明の配列はまた、N.meningitidi
sとN.gonorrhoeaeとの間を識別するための試薬の調製における用
途を見出す。
本発明を実行するために用いられ得る標準的な技術および手順(例えば、ワク
チン接種目的または診断目的のために、開示された配列を利用するための)の要
旨は以下の通りである。この要旨は、本発明に対する限定ではなく、むしろ使用
され得るが使用する必要があるわけではない例を与えるものである。
図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。 図1〜7は、それぞれORF40、38、44、52、114、41、および124を用いる、実施例1、2、3、7、13、16、および19に関する生化学的データ、ならびに配列解析を示す。M1およびM2は分子量マーカーである。矢印は、ウェスタンブロッティングにおける主要な組換え産物の位置を示すか、または主要なN.meningitidis免疫活性バンドの位置を示す。TPは、N.meningitidisの総タンパク質抽出物を示す;OMVは、N.meningitidis外膜ベシクル調製物を示す。殺菌性アッセイの結果において:菱形は、免疫前のデータを示し;三角形は、GSTコントロールデータを示し;丸は、組換えN.meningitidisタンパク質のデータを示す。コンピューター分析は、親水性プロット(上段)、抗原性指標プロット(中段)、およびAMPHI分析(下段)を示す。AMPHIプログラムは、T細胞エピトープを予測するために使用されており(Gaoら(1989)J.Immunol.143:3007;Robertsら(1996)AIDS Res Hum Retrovir 12:593;Quakyiら(1992)Scand J Immunol 補遺 11:9)、そしてDNASTAR,Inc.(1228 South Park Street,Madison,Wisconsin 53715 USA)のProtean packageで利用可能である。
(概説)
本発明の実施は、特に示されなければ、分子生物学、微生物学、組換えDNA
、および免疫学の従来的な技術を使用し、これらは当該分野の当業者の技術範囲
内である。このような技術は以下の文献で十分説明されている(例えば、Sam
brook Molecular Cloning;A Laboratory
Manual 第2版(1989);DNA Cloning,Volume
s I and ii(D.N Glover編 1985);Oligonu
cleotide Synthesis(M.J.Gait編 1984);N
ucleic Acid Hybridization(B.D.Hamesお
よびS.J.Higgins編 1984);Transcription a
nd Translation(B.D.HamesおよびS.J.Higgi
ns編 1984);Animal Cell Culture(R.I.Fr
eshney編 1986);Immobilized Cells and
Enzymes(IRL Press,1986);B.Perbal,A P
ractial Guide to Molecular Cloning(1
984);the Methods in Enzymology serie
s(Academic Press,Inc.),特に154および155巻;
Gene Transfer Vectors for Mammalian
Cells(J.H.MillerおよびM.P.Calos編 1987,C
old Spring Harbor Laboratory);Mayerお
よびWalker,編(1987),Immunochemical Meth
ods in Cell and Molecular Biology(Ac
ademic Press,London);Scopes,(1987)Pr
otein Purification:Principles and Pr
actice,第2版(Springer−Verlag,N.Y.)、および
Handbook of Experimental Immunology,
Volumes I−IV(D.M.WeirおよびC.C.Blackwel
l編 1986)。
ヌクレオチドおよびアミノ酸についての標準的な略語が、本明細書において使
用される。
本明細書中で引用される全ての刊行物、特許、および特許出願は参考としてそ
の全体が援用される。特に、英国特許出願9800760.2、9819015
.0、および9822143.5の内容が本明細書中に援用される。
(定義)
Xを含む組成物は、組成物中の全X+Yの少なくとも85重量%がXであると
き、Yを「実質的に含まない」。好ましくは、Xは、組成物中の全X+Yの少な
くとも90重量%を、さらに好ましくは少なくとも約95重量%または99重量
%さえを含む。
用語「含む(comprising)」は「含む(including)」お
よび「からなる」を意味する。例えば、Xを「含む」組成物は、もっぱらXから
なり得るか、またはX+YのようなXに付加したものも含み得る。
用語「異種」とは、天然では共に見られない2つの生物学的成分をいう。この
成分は、宿主細胞、遺伝子、調節領域(例えば、プロモーター)であり得る。異
種成分は天然では共に見られないが、遺伝子に対して異種のプロモーターがその
遺伝子に作動可能に連結されるときのように、それらは共に機能し得る。別の例
は、ナイセリア配列がマウス宿主細胞に対して異種であることである。さらなる
例は、天然においてみられない配置で単一タンパク質に組み立てられる同じタン
パク質または異なるタンパク質由来の2つのエピトープである。
「複製起点」とは、発現ベクターのような、ポリヌクレオチドの複製を開始お
よび調節するポリヌクレオチド配列である。複製起点は、細胞内でのポリヌクレ
オチド複製の自律性ユニットとして振る舞い、それ自体の制御下で複製し得る。
複製起点は、ベクターが特定の宿主細胞において複製するために必要であり得る
。特定の複製起点を有せば、発現ベクターは、細胞内の適切なタンパク質の存在
下で高いコピー数で再生され得る。起点の例は、酵母において有効な自律性複製
配列;およびCOS−7細胞で有効であるウイルスT抗原である。
「変異体」配列は、天然の配列または開示された配列とは異なるが配列同一性
を有するDNA配列、RNA配列またはアミノ酸配列として規定される。特定の
配列に依存して、天然の配列または開示された配列と変異体配列との間の配列同
一性の程度は、好ましくは50%より大きい(例えば、上記記載のSmith−
Watermanアルゴリズムを使用して算出して60%、70%、80%、9
0%、95%、99%またはそれ以上)。本明細書中で使用されるように、本明
細書で核酸分子配列が提供される核酸分子、または領域の「対立遺伝子改変体」
は、別のもしくは2番目の単離体のゲノム中の同じ遺伝子座で本質的に生ずる核
酸分子または領域および、例えば、変異または組換えにより生ずる天然変化に起
因して、類似するが、しかし同一でない核酸配列を有する核酸分子、または領域
である。コード領域の対立遺伝子改変体は、代表的には、比較される遺伝子によ
ってコードされるタンパク質の活性と類似した活性を有するタンパク質をコード
する。対立遺伝子改変体はまた、遺伝子の5’または3’非翻訳領域(例えば、
調節制御領域)での変化を含み得る(例えば、米国特許第5,753,235号
)。
(発現系)
ナイセリアヌクレオチド配列は、種々の異なる発現系;例えば、哺乳動物細胞
、バキュロウイルス、植物、細菌、および酵母と共に使用される発現系において
発現され得る。
(i.哺乳動物系)
哺乳動物発現系は当該分野において公知である。哺乳動物プロモーターは、哺
乳動物RNAポリメラーゼを結合し得、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子
)のmRNAへの下流(3’)転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロ
モーターは、転写開始領域(これはコード配列の5’末端の近位に通常位置する
)およびTATAボックス(転写開始部位の25〜30塩基対(bp)上流に通
常位置する)を有する。TATAボックスは、その正しい部位においてRNAポ
リメラーゼIIにRNA合成を開始させるよう指示すると考えられている。哺乳
動物プロモーターはまた、TATAボックスの100〜200bp上流以内に通
常位置する上流プロモーターエレメントを含む。上流プロモーターエレメントは
、転写が開始され、そしていずれかの方向において作用し得る速度を決定する(
Sambrookら(1989)「Expression of Cloned
Genes in Mammalian Cells」 Molecular
Cloning:A Laboratory Manual、第2版)
哺乳動物ウイルス遺伝子は、しばしば高度に発現され、そして広い宿主範囲を
有する;従って、哺乳動物ウイルス遺伝子をコードする配列は、特に有用なプロ
モーター配列を提供する。例は、SV40初期プロモーター、マウス乳癌ウイル
スLTRプロモーター、アデノウイルス主要後期プロモーター(Ad MLP)
、および単純疱疹ウイルスプロモーターを含む。さらに、マウスのメタロチオネ
イン遺伝子のような非ウイルス性遺伝子に由来する配列もまた、有用なプロモー
ター配列を提供する。発現は、構成性であるかまたは調節される(誘導可能)か
のいずれかであり得る、プロモーターに依存して、ホルモン応答性細胞において
グルココルチコイドで誘導され得る。
上記に記載されるプロモーターエレメントと組み合わされるエンハンサーエレ
メント(エンハンサー)の存在は、通常発現レベルを増大させる。エンハンサー
は、相同性プロモーターまたは異種プロモーターに連結されるとき、転写を10
00倍まで刺激し得る調節DNA配列であり、合成は、通常のRNA開始部位で
開始する。エンハンサーはまた、それらが、通常方向もしくはflipped方
向のいずれかで転写開始部位より上流または下流に、もしくはプロモーターから
1000ヌクレオチドを超える距離で位置するとき、活性である(Maniat
isら(1987) Science 236:1237;Albertsら(
1989)Molecular Biology of the Cell,第
2版)。ウイルス由来のエンハンサーエレメントは、それらは通常、より広い宿
主範囲を有するため、特に有用であり得る。
例としては、SV40初期遺伝子エンハンサー(Dijkemaら(1985
)EMBO J.4:761)およびラウス肉腫ウイルスの長末端反復(LTR
)に由来するエンハンサー/プロモーター(Gormanら(1982b)Pr
oc.Natl.Acad.Sci.79:6777)およびヒトサイトメガウ
イルスに由来するエンハンサー/プロモーター(Boshartら(1985)
Cell 41:521)が挙げられる。さらに、いくつかのエンハンサーは調
節可能であり、そしてホルモンまたは金属イオンのような誘導因子の存在下のみ
で活性になる(Sassone−CorsiおよびBorelli(1986)
Trends Genet.2:215;Maniatisら(1987)Sc
ience 236:1237)。
DNA分子は、哺乳動物細胞において細胞内で発現され得る。プロモーター配
列は、組換えタンパク質のN末端における最初のアミノ酸が常にATG開始コド
ンによりコードされるメチオニンである場合、DNA分子と直接連結され得る。
所望される場合、N末端は、臭化シアンとのインビトロでのインキュベーション
によりタンパク質から切断され得る。
あるいは、外来タンパク質もまた、哺乳動物細胞において外来タンパク質の分
泌を提供するリーダー配列フラグメントで構成される融合タンパク質をコードす
るキメラDNA分子を作製することにより、細胞から成長培地へ分泌され得る。
好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかにおいて切断され得る、リー
ダーフラグメントおよび外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部位が存
在する。リーダー配列フラグメントは通常、細胞からのタンパク質の分泌を指示
する疎水性アミノ酸で構成される単一のペプチドをコードする。アデノウイルス
3分割リーダーは、哺乳動物細胞における外来タンパク質の分泌を提供するリー
ダー配列の例である。
通常、哺乳類細胞によって認識される転写終結配列およびポリアデニル化配列
は、翻訳終止コドンの3’側に存在する調節領域であり、従って、プロモーター
エレメントと共に、コード配列に隣接する。成熟mRNAの3’末端は、部位特
異的転写後切断およびポリアデニル化により形成される(Birnstielら
、(1985)Cell 41:349;ProudfootおよびWhite
law(1988)「Termination and 3’end proc
essing of eukaryotic RNA.」Transcript
ion and splicing(B.D.HamesおよびD.M.Glo
ver編);Proudfoot(1989)Trends Biochem.
Sci.14:105)。これらの配列は、mRNAの転写を指示し、そのmR
NAは、そのDNAにコードされるポリペプチドに翻訳され得る。転写終結/ポ
リアデニル化シグナルの例としては、SV40由来のシグナルが挙げられる(S
ambrookら(1989)「Expression of cloned
genes in cultured mammalian cells.」M
olecular Cloning:A Laboratory Manual
)。
通常、プロモーター、ポリアデニル化シグナル、および転写終結配列を含む上
記の構成要素は、発現構築物内に共に導入される。エンハンサー、機能的なスプ
ライス供与部位および受容部位を有するイントロン、ならびにリーダー配列もま
た、所望される場合、発現構築物内に含まれ得る。発現構築物はしばしば、哺乳
類細胞または細菌のような宿主内で安定して維持し得る染色体外エレメント(例
えば、プラスミド)のような、レプリコン内で維持される。哺乳類の複製系とし
ては、複製にトランス作用性の因子を必要とする、動物ウイルス由来の複製系が
挙げられる。例えば、SV40(Gluzmam(1981)Cell 23:
175)、またはポリオーマウイルスのようなパポバウイルスの複製系を含むプ
ラスミドは、適切なウイルスのT抗原の存在下で極めて高いコピー数で複製する
。哺乳類レプリコンのさらなる例としては、ウシパピローマウイルスおよびエプ
スタイン−バーウイルス由来のレプリコンが挙げられる。さらに、このレプリコ
ンは、二つの複製系を有し得、従って、例えば、発現用の哺乳類細胞内で、なら
びにクローニングおよび増幅用の原核生物の宿主内で、そのレプリコンを維持す
ることが可能である。このような哺乳類−細菌シャトルベクターの例としては、
pMT2(Kaufmanら.(1989)Mol.Cell.Biol.9:
946)およびpHEBO(Shimizuら.(1986)Mol.Cell
.Biol.6:1074)が挙げられる。
使用される形質転換の手順は、形質転換される宿主に依存する。異種のポリヌ
クレオチドの哺乳類細胞への導入方法は、当該分野で公知であり、その方法とし
ては、デキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブ
レン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション
、リポソーム内でのポリヌクレオチドの封入、およびDNAの核内への直接微量
注入が挙げられる。
発現用宿主として利用可能な哺乳類細胞株は、当該分野で公知であり、そのよ
うな細胞株としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細
胞、乳仔ハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝細胞
癌細胞(例えば、Hep G2)および多くの他の細胞株を含むが、これらに限
定されない、アメリカンタイプカルチャーコレクション(American T
ype Culture Collection)(ATCC)から入手可能な
多くの不死化細胞株が含まれる。
(ii バキュロウイルス系)
タンパク質をコードしているポリヌクレオチドはまた、適切な昆虫の発現ベク
ター内に挿入され得、そしてそのベクター内で、制御エレメントに作動可能に連
結される。ベクターの構築には、当該分野で公知の技術を使用する。一般に、そ
の発現系の構成要素として、以下のものが挙げられる:バキュロウイルスゲノム
のフラグメント、および発現させる異種遺伝子の挿入のための簡便な制限部位の
両方を含む転移ベクター(通常は細菌ベクター);転移ベクター内のバキュロウ
イルスに特異的なフラグメントに相同性のある配列を有する野生型バキュロウイ
ルス(これは、バキュロウイルスゲノム内への異種遺伝子の相同組換えを可能に
する);ならびに適切な昆虫宿主細胞および生育培地。
転移ベクターにタンパク質をコードするDNA配列を挿入した後、そのベクタ
ーおよび野生型ウイルスゲノムを、昆虫宿主細胞にトランスフェクトし、そこで
ベクターとウイルスゲノムを組換え可能にする。パッケージングされた組換えウ
イルスは発現され、そして組換えプラークが同定されそして精製される。バキュ
ロウイルス/昆虫細胞発現系の材料および方法は、特に、Invitrogen
、San Diego CAからキット形態(「MaxBac」キット)で市販
される。これらの技術は、一般に当業者に公知であり、そしてSummersお
よびSmith,Texas Agricultural Experimen
t Station Bulletin No.1555(1987)(以下、
「Summers and Smith」)に十分に記載されている。
タンパク質をコードするDNA配列をバキュロウイルスゲノムに挿入するのに
先立って、プロモーター配列、リーダー配列(所望される場合)、目的のコード
配列、および転写終結配列を含む上記の構成要素を、通常、中間転移構築物(転
移ベクター)に構築する。この構築物は、単一の遺伝子および作動可能に連結さ
れた調節エレメント;操作可能に連結された調節エレメントのセットを各々が所
有する複数の遺伝子;あるいは同じ調節エレメントのセットにより調節される複
数の遺伝子を含み得る。中間転移構築物は、しばしば、細菌のような宿主内で安
定的に維持し得る染色体外エレメント(例えば、プラスミド)のような、レプリ
コン内で維持される。レプリコンは、複製系を有しており、従って、それはクロ
ーニングおよび増幅用の適切な宿主内で維持され得る。
現在、外来遺伝子のAcNPVへの導入のために最も一般に使用される転移ベ
クターは、pAc373である。当業者に公知の多くの他のベクターもまた設計
される。これらのベクターとしては、例えば、pVL985(ポリへドリンの開
始コドンをATGからATTに変化させ、そしてそのATTから32塩基対下流
に、BamHIクローニング部位を導入する;(LuckowおよびSumme
rs,Virology(1989)17:31を参照のこと)が挙げられる。
このプラスミドも通常、ポリへドリンポリアデニル化シグナル(Miller
ら、(1988)Ann.Rev.Microbiol.,42:177)、お
よび原核生物のアンピシリン耐性(amp)遺伝子、およびE.coli.にお
ける選抜ならびに増殖のための複製起点を含む。
バキュロウイルス転移ベクターは通常、バキュロウイルスプロモーターを含む
。バキュロウイルスプロモーターは、バキュロウイルスRNAポリメラーゼに結
合し、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)のmRNAへの下流(5’〜3
’)方向の転写を開始し得る任意のDNA配列である。プロモーターは、通常、
コード配列の5’末端に近接して存在する転写開始領域を有する。この転写開始
領域は通常、RNAポリメラーゼ結合部位および転写開始点を含む。バキュロウ
イルス転移ベクターはまた、エンハンサーと呼ばれる第2のドメインを有し得、
存在する場合は、通常、構造遺伝子に対し遠位にある。発現は調節され得るか、
あるいは構成的であり得る。
ウイルスの感染周期の後期で大量に転写される構造遺伝子は、特に有用なプロ
モーター配列を提供する。例としては、ウイルス多面体タンパク質をコードする
遺伝子(Friesenら、(1986)「The Regulation o
f Baculovirus Gene Expression,」:The
Molecular Biology of Baculoviruses(W
alter Doerfler編);EPO公開番号第127839号および同
第155476号;ならびにp10タンパク質をコードする遺伝子(Vlakら
,(1988),J.Gen.Virol.69:765)由来の配列が挙げら
れる。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌昆虫タンパク質、あるいはバ
キュロウイルスポリへドリン遺伝子(Carbonellら,(1998)Ge
ne,73:409)のような、分泌バキュロウイルスタンパク質の遺伝子に由
来し得る。あるいは、哺乳類細胞の翻訳後修飾(シグナルペプチド切断、タンパ
ク質分解性切断、およびリン酸化のような)のシグナルは、昆虫細胞に認識され
ると考えられ、そして分泌および核蓄積に必要なシグナルはまた、無脊椎動物細
胞および脊椎動物細胞間で保存されると考えられるために、ヒトインターフェロ
ンα(Maedaら,(1985),Nature 315:592);ヒトガ
ストリン放出ペプチド(Lebacq−Verheydenら,(1988),
Molec.Cell.Biol.8:3129);ヒトIL−2(Smith
ら,(1985)Proc.Nat’l Acad.Sci.USA、82:8
404);マウスIL−3(Miyajimaら,(1987)Gene 58
:273);およびヒトグルコセレブロシダーゼ(Martinら,(1988
)DNA、7:99)をコードする遺伝子由来のような、非昆虫起源のリーダー
もまた、昆虫での分泌を与えるために使用され得る。
組換えポリペプチドあるいは組換えポリタンパク質は、細胞内に発現され得る
か、あるいは適切な調節配列と共に発現される場合、分泌され得る。非融合の外
来タンパク質の優れた細胞内発現は、通常、ATG開始シグナルに先行する適切
な翻訳開始シグナルを含む、短いリーダー配列を完全に有する異種遺伝子が必要
である。所望であれば、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロでの
インキュベーションにより、成熟タンパク質から切断され得る。
あるいは、自然に分泌されない組換えポリタンパク質または組換えタンパク質
は、昆虫において外来タンパク質の分泌を与えるリーダー配列フラグメントを含
む、融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作成することにより、昆虫
細胞から分泌され得る。リーダー配列フラグメントは通常、タンパク質の小胞体
内へのトランスロケーションを指示する疎水性アミノ酸からなるシグナルペプチ
ドをコードしている。
タンパク質の発現産物前駆体をコードするDNA配列および/または遺伝子の
挿入後、昆虫細胞宿主に、転移ベクターの異種DNAおよび野生型バキュロウイ
ルスのゲノムDNAを(通常は、同時トランスフェクションによって)同時形質
転換する。構築物のプロモーターおよび転写終結配列は、通常バキュロウイルス
ゲノムの2〜5kbの区域を含む。バキュロウイルスウイルスの望ましい部位に
異種DNAを導入する方法は、当該分野で公知である(SummersおよびS
mith、前出;Juら(1987);Smithら,Mol.Cell.Bi
ol.(1983)3:2156;ならびにLuckowおよびSummers
(1989)を参照のこと)。例えば、その挿入は、相同二重交差組換え(ho
mologous double crossover recombinat
ion)により、ポリへドリン遺伝子のような遺伝子内に対してであり得る;挿
入はまた、所望のバキュロウイルス遺伝子に設計された制限酵素部位内に対して
であり得る。Millerら、(1989)、Bioessays 4;91。
発現ベクター内のポリへドリン遺伝子の代わりにクローン化される場合のDNA
配列は、5’側および3’側の両側でポリへドリン特異的配列に隣接し、そして
ポリへドリンプロモーターの下流に配置される。
新規に形成されたバキュロウイルス発現ベクターは続いて、感染性の組換えバ
キュロウイルス内にパッケージングされる。相同組換えは、低い頻度で起こる(
約1%と約5%との間);それゆえ、同時トランスフェクション後に産生された
ウイルスの大半は、依然として野生型ウイルスである。従って、組換えウイルス
を同定するための方法が必要である。その発現系の利点は、組換えウイルスを区
別し得る可視的スクリーニングである。天然のウイルスにより産生されるポリへ
ドリンタンパク質は、ウイルス感染後の後期で、その感染された細胞の核内で非
常に高いレベルで産生される。蓄積されたポリへドリンタンパク質は、閉塞体を
形成し、またそれは包理された粒子を含む。これらの閉塞体は、最大15μmの
大きさで、高度に屈折性であり、明るく輝く外見を与え、容易に光学顕微鏡下で
可視化される。組換えウイルスに感染された細胞は、閉塞体を欠く。組換えウイ
ルスと野生型ウイルスとを区別するために、トランスフェクションの上清を、当
業者に公知の技術により昆虫細胞の単層にプラーク形成させた。すなわち、プラ
ークを、光学顕微鏡下で閉塞体の存在(野性型ウイルスを示す)または非存在(
組換えウイルスを示す)についてスクリーニングする。「Current Pr
otocols in Microbiology」第2巻(Ausubelら
編)16.8(増補10、1990);SummersおよびSmith、前出
;Millerら(1989)。
組換えバキュロウイルス発現ベクターは、いくつかの昆虫細胞への感染用に開
発された。例えば、組換えバキュロウイルスは、特に以下に示すもののために開
発された:Aedes aegypti、Autographa califo
rnica、Bombyx mori、Drosophila melanog
aster、Spodoptera frugiperda、およびTrich
oplusia ni(WO89/046699;Carbonellら,(1
985)J.Virol.56:153;Wright(1986)Natur
e 321:718;Smithら,(1983)Mol.Cell.Biol
.3:2156;ならびにおよびFraserら,(1989)In Vitr
o Cell.Dev.Biol.25:225を一般に参照のこと)。
細胞および細胞培養培地は、バキュロウイルス/発現系における異種ポリペプ
チドの直接発現および融合物発現の両方のために市販される;細胞培養技術は、
一般に当業者に公知である。例えば、SummersおよびSmith(前出)
を参照のこと。
次いで、改変した昆虫細胞を、適切な栄養培地で増殖し得、このことは、その
改変した昆虫宿主内で存在するプラスミドの安定的維持を可能にする。発現産物
の遺伝子が、誘導性の制御下にある場合、宿主は高密度になるまで増殖され得、
そして発現は誘導され得る。あるいは、発現が構成的である場合、その産物は培
地中に連続的に発現され、そして栄養培地を連続的に循環させながら、目的産物
を取り出し、そして枯渇した栄養を補給しなければならない。その産物は、クロ
マトグラフィー(例えば、HPLC、アフィニティークロマトグラフィー、イオ
ン交換クロマトグラフィーなど);電気泳動;密度勾配遠心;溶媒抽出などのよ
うな技術により精製され得る。適切な場合、その産物をさらに精製し、必要なら
ば、培地中に分泌された、または昆虫細胞の溶解から生じた任意の昆虫タンパク
質を実質的に除去し、その結果、宿主細片(例えば、タンパク質、脂質および多
糖類)を少なくとも実質的に含まない産物を供給し得る。
タンパク質の発現を得るために、形質転換体に由来する組換え宿主細胞は、組
換えタンパク質をコードする配列の発現を可能にする条件下でインキュベートさ
れる。これらの条件は、選択された宿主細胞に依存して変動する。しかし、その
条件は、当該分野で公知のことに基づいて、当業者に容易に確かめられ得る。
(iii.植物系)
当該分野で公知の多くの植物細胞培養および全植物遺伝子発現系が存在する。
例示的な植物細胞遺伝子発現系としては、米国特許第5,693,506号;米
国特許第5,659,122号;および米国特許第5,608,143号のよう
な特許に記載されるものが挙げられる。植物細胞培養における遺伝子発現の別の
例は、Zenk,Phytochemistry 30:3861−3863(
1991)に記載された。植物タンパク質のシグナルペプチドの記載は、上記の
参考文献に加え、以下に示すものの中においても見出され得る:Vaulcom
beら,Mol.Gen.Genet.209:33−40(1987);Ch
andlerら,Plant Molecular Biology 3:40
7−418(1984);Rogers,J.Biol.Chem.260:3
731−3738(1985);Rothsteinら,Gene 55:35
3−356(1987);Whittierら,Nucleic Acids
Research 15:2515−2535(1987);Wirselら,
Molecular Microbiology 3:3−14(1989);
Yuら,Gene 122:247−253(1992)。植物ホルモン(ジベ
レリン酸およびジベレリン酸により誘導される分泌酵素)による植物遺伝子発現
の調節の記載は、R.L.JonesおよびJ.MacMillin,Gibb
erellins:Advanced Plant Physiology,M
alcolm B.Wilkins編、1984 Pitman Publis
hing Limited,London,21−52頁の中に見出され得る。
他の代謝調節性遺伝子が記載される参考文献は:Sheen,Plant Ce
ll,2:1027−1038(1990);Maasら,EMBO J.9:
3447−3452(1990);BenkelおよびHickey、Proc
.Natl.Acad.Sci.84:1337−1339(1987)。
代表的に、当該分野で公知の技術を使用して、所望のポリヌクレオチド配列は
、植物内で操作するために設計された遺伝子調節エレメントを含む発現カセット
の中に挿入される。その発現カセットは、植物宿主内での発現に適切な発現カセ
ットの上流および下流にコンパニオン配列を有する望ましい発現ベクターの中に
挿入される。そのコンパニオン配列は、プラスミドまたはウイルス起源のもので
あり、そしてそのベクターが、細菌のような本来のクローニング宿主から、所望
の植物宿主へとDNAを移動させるために必要とされる特徴をベクターに提供す
る。基本的な細菌/植物ベクター構築物は、好ましくは、広い宿主範囲の原核生
物の複製起点;原核生物の選択マーカー;および、Agrobacterium
の形質転換については、Agrobacterium媒介移入のためのT DN
A配列を植物染色体に提供する。異種遺伝子が容易に検出できない場合は、好ま
しくは、その構築物はまた、植物細胞が形質転換されたかどうかを決定するため
に適した選択マーカー遺伝子を有する。適切なマーカーの一般的な総説は、例え
ば、イネ科のメンバーについては、WilminkおよびDons,1993,
Plant Mol.Biol.Reptr,11(2):165−185に見
られる。
植物ゲノムへの異種配列の組み込みを可能にするために適した配列もまた、推
奨される。これらは、相同組換えのためのトランスポゾン配列など、および植物
ゲノム内への異種発現カセットのランダム挿入を可能にするTi配列を含み得る
。適切な原核生物選択マーカーとしては、アンピシリンまたはテトラサイクリン
のような抗生物質に対する耐性が挙げられる。さらなる機能をコードしている他
のDNA配列もまた、当該分野で公知のように、そのベクターの中に存在し得る
本発明の核酸分子は、目的のタンパク質の発現用の発現カセットに含まれ得る
。2つ以上も可能であるが、通常はただ一つの発現カセットである。組換え発現
カセットは、異種タンパク質のコード配列に加え、以下のエレメントを含む:プ
ロモーター領域、植物5’非翻訳配列、構造遺伝子がそれを備えているかどうか
に依存する開始コドン、ならびに転写および翻訳終結配列。そのカセットの5’
末端および3’末端の独特な制限酵素部位は、既存のベクター内への容易な挿入
を可能にする。
異種のコード配列は、本発明に関係する任意のタンパク質のための配列であり
得る。目的のタンパク質をコードする配列は、適切な場合には、そのタンパク質
のプロセシングおよびトランスロケーションを可能にするシグナルペプチドをコ
ードし、そして通常、本発明の所望のタンパク質の膜への結合を生じ得る任意の
配列を欠いている。転写開始領域は、大部分は、発芽中に発現およびトランスロ
ケーションされる遺伝子のためのものであるから、トランスロケーションを与え
るシグナルペプチドを使用することにより、目的のタンパク質のトランスロケー
ションもまた提供し得る。このようにして、目的のタンパク質は、それらが発現
される細胞からトランスロケーションされ、そして効率的に収集され得る。代表
的には、種子における分泌は、種子の胚乳内へ、アリューロン層または胚盤上皮
層を通過する。タンパク質を産生する細胞からそのタンパク質が分泌される必要
はないが、このことは組換えタンパク質の分離および精製を容易にする。
所望の遺伝子産物の最終的な発現が、真核生物細胞におけるものであるために
、クローン化した遺伝子の任意の部分が、宿主のスプライソソーム(splic
osome)機構により、プロセシングによりイントロンとして取り出される配
列を含むかどうかを決定することが望ましい。そのような場合、「イントロン」
領域の部位特異的変異誘発は、誤ったイントロンコードとして遺伝情報の一部を
欠失することを防ぐために実施され得る。ReedおよびManiatis、C
ell 41:95−105、1985。
ベクターは、組換えDNAを機械的に転移するためにマイクロピペットを用い
て植物細胞内に直接的に微量注入され得る(Crossway、Mol.Gen
.Genet,202:179−185、1985)。遺伝子物質はまた、ポリ
エチレングリコールを用いて植物細胞内に転移され得る(Krensら、Nat
ure,296、72−74、1982)。核酸部分の導入の別の方法は、小さ
いビーズまたは微粒子のいずれかのマトリックスの内部に、あるいは表面に核酸
を有する小さな微粒子による高速バリスティック(ballistic)穿通法
である(Kleinら,Nature,327,70−73,1987ならびに
KnudsenおよびMuller,1991,Planta,185:330
−336は、大麦胚乳の粒子の照射(bombardment)によりトランス
ジェニック大麦を作製することを教示している)。さらに別の導入方法は、他の
物体、いずれかのミニ細胞、細胞、リソソームあるいは他の易融な脂肪表面体と
のプロトプラストの融合である(Fraleyら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,79,1859−1863,1982)。
ベクターはまた、エレクトロポレーションにより植物細胞内に導入され得る(
Frommら、Proc.Nati.Acad.Sci.USA 82:582
4,1985)。この技術において、植物プロトプラストは、遺伝子構築物を含
むプラスミドの存在下でエレクトロポレートされる。高い電界の強さの電気衝撃
により、生体膜を可逆的に通過できるようにし、プラスミドの導入を可能にする
。エレクトロポレートされた植物プロトプラストは細胞壁を再形成し、分裂し、
植物カルス形成する。
プロトプラストが単離され得、そして培養されて完全な再生植物を与え得る全
ての植物は、本発明により形質転換され得、転移した遺伝子を保持する完全な植
物が再生される。実際に、全ての植物は、さとうきび、甜菜、綿、果実および他
の樹木、マメ科植物および野菜の全ての主要な種を含むがそれらに限定されない
培養細胞あるいは組織から再生され得る。いくつかの適応した植物としては、例
えば、以下の属由来の種が挙げられる;Fragaria,Lotus,Med
icago,Onobrychis,Trifolium,Trigonell
a,Vigna,Citrus,Linum,Geranium,Maniho
t,Daucus,Arabidopsis,Brassica,Raphan
us,Sinapis,Atropa,Capsicum,Datura,Hy
oscyamus,Lycopersion,Nicotiana,Solan
um,Petunia,Digitalis,Majorana,Cichor
ium,Helianthus,Lactuca,Bromus,Aspara
gus,Antirrhinum,Hererocallis,Nemesia
,Pelargonium,Panicum,Pennisetum,Ranu
nculus,Senecio,Salpiglossis,Cucumis,
Browaalia,Glycine,Lolium,Zea,Triticu
m,Sorghum,およびDatura。
再生のための手法は、植物の種によって変化するが、しかし一般に異種遺伝子
のコピーを含む形質転換されたプロトプラストの懸濁液が最初に提供される。カ
ルス組織が形成され、そしてシュートがカルスから誘導され得、続いて発根され
得る。あるいは、胚形成がプロトプラスト懸濁液から誘導され得る。これらの胚
は、天然の胚として発芽し、植物を形成する。培養培地は、一般に種々のアミノ
酸、ならびにオーキシンおよびサイトカイニンのようなホルモンを含有する。ま
たグルタミン酸およびプロリンを培地に添加することは、特にコーンおよびアル
ファルファのような種にとって有用である。シュートおよび根は通常、同時に発
生する。効果的な再生は培地、遺伝子型、および培養遍歴に依存する。これらの
3つの変数が制御される場合は、再生は十分に再現性がありそして繰り返し可能
である。
いくつかの植物細胞培養系において、本発明の所望のタンパク質は排出され得
、あるいはこのタンパク質は植物全体から抽出され得る。本発明の所望のタンパ
ク質は培地内に分泌される場合、これは回収され得る。あるいは、胚および胚の
ない不完全な種子または他の植物組織は、機械的に破壊され細胞と組織との間の
任意の分泌されたタンパク質を放出し得る。その混合物は緩衝液に懸濁され、可
溶タンパクを回収し得る。次いで、従来のタンパク質単離および精製方法が組換
えタンパク質を精製するために使用される。時間、温度、pH、酸素、および容
量のパラメーターは、異種タンパク質の適切な発現および回収のために慣用的な
方法により調整される。
(iv.細菌系)
細菌の発現技術は、当該分野で公知である。細菌のプロモーターは、細菌のR
NAポリメラーゼに結合し得、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)の下流
方向(3’方向)へのmRNAへの転写を開始し得る任意のDNA配列である。
プロモーターは、通常、コード配列の5’末端に近接して存在する転写開始領域
を有する。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位および転写
開始部位を含む。細菌のプロモーターはまた、オペレーターと呼ばれる第二のド
メインを有し得、RNA合成が始まる近接のRNAポリメラーゼ結合部位と重複
し得る。オペレーターは、遺伝子リプレッサータンパク質が、オペレーターに結
合し、そのため特定の遺伝子の転写を阻害し得るような、負の調節された(誘導
性の)転写を可能にする。構成的発現は、オペレーターのような負の調節エレメ
ントの非存在下で起こり得る。さらに、正の調節は、遺伝子アクチベータータン
パク質結合配列により達成され得、その配列が存在する場合は通常、RNAポリ
メラーゼ結合配列の(5’)側に近接している。遺伝子アクチベータータンパク
質の例としては、異化活性化タンパク質(CAP)があり、それはEscher
ichia coli(E.Coli)におけるlacオペロンの転写の開始を
助ける(Raibaudら(1984)Annu.Rev.Genet.18:
173)。調節される発現は、それゆえ正または負のいずれかであり、それによ
り、転写を増強するかまたは低下するかのいずれかをし得る。
代謝経路の酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する
。例としては、ガラクトース、ラクトース(lac)(Changら.(199
7)Nature 198:1056)、およびマルトースのような糖代謝の酵
素由来のプロモーター配列が挙げられる。さらなる例としては、トリプトファン
(trp)(Goeddelら.(1980)Nuc.Acids Res.8
:4057;Yelvertonら.(1981)Nucl.Acids Re
s.9:731;米国特許第4,738,921号;EP−A−0036776
号およびEP−A−0121775)のような生合成酵素由来のプロモーター配
列が挙げられる。g−ラクタマーゼ(g−laotamase)(bla)プロ
モーター系(Weissmann(1981)「The cloning of
Interferon and other mistakes.」Inte
rferon3(I.Gresser編))、バクテリオファージλPL(Sh
imatakeら.(1981)Nature 292:128)およびT5(
米国特許第4,689,406号)プロモーター系もまた有用なプロモーター配
列を提供する。
さらに、天然に存在しない合成プロモーターもまた、細菌のプロモーターとし
て機能する。例えば、あるバクテリアあるいはバクテリオファージプロモーター
の転写活性化配列は、別のバクテリアあるいはバクテリオファージプロモーター
のオペロン配列と結合し得、合成ハイブリッドプロモーターを形成する。(米国
特許第4,551,433号)。例えば、tacプロモーターは、lacリプレ
ッサーにより調節されるtrpプロモーター配列およびlacオペロン配列の両
方から構成される、ハイブリッドtrp−lacプロモーターである(Aman
nら.(1983)Gene 25:167;de Boerら.(1983)
Proc.Natl.Acad.Sci.80:21)。さらに、ある細菌のプ
ロモーターは、細菌のRNAポリメラーゼに結合し、そして転写を開始させる能
力を有する非細菌起源の天然に存在するプロモーターを含み得る。非細菌起源の
天然に存在するプロモーターはまた、原核生物内でいくらかの遺伝子の高いレベ
ルでの発現を生じるために、適合性のあるRNAポリメラーゼと結合され得る。
バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼ/プロモーター系は、連結したプ
ロモーター系の例である(Studierら.(1986)J.Mol.Bio
l.189:113;Taborら.(1985)Proc Natl.Aca
d.Sci.82:1074)。さらに、ハイブリッドプロモーターはまた、バ
クテリオファージプロモーターおよびE.coliオペレーター領域から構成さ
れ得る(EPO−A−0267851)。
機能性のプロモーター配列に加え、効果的なリボソーム結合部位はまた、原核
生物における外来遺伝子の発現に有用である。E.coliにおいて、リボソー
ム結合部位は、シャイン−ダルガノ(SD)配列と呼ばれ、そして開始コドン(
ATG)および開始コドンの3〜11ヌクレオチド上流に位置する長さ3〜9ヌ
クレオチドの配列を含む(Shineら.(1975)Nature 254:
34)。SD配列は、SD配列とE.coliの16SrRNAの3’側との間
の塩基対形成によりmRNAのリボソームへの結合を促進すると考えられている
(Steitzら.(1979)「Genetic Signals and
nucleotide sequences in messenger RN
A.」Biological Regulation and Develop
ment:Gene Expression(R.F.Goldberger編
))。弱いリボソーム結合部位を有する真核遺伝子および原核遺伝子の発現のた
めには(Sambrookら.(1989)「Expression of c
loned genes in Escherichia coli.」Mol
ecular Cloning:A Laboratory Manual)。
DNA分子は、細胞内で発現され得る。プロモーター配列は、直接的にそのD
NA分子と連結され得、この場合、N末端の最初のアミノ酸は、常に、ATG開
始コドンによりコードされるメチオニンである。所望される場合、N末端のメチ
オニンは、臭化シアンとのインビトロインキュベーション、あるいは細菌のメチ
オニンN末端ペプチダーゼとのインビボまたはインビトロのいずれかでのインキ
ュベーションによりタンパク質から切断され得る(EPO−A−0219237
)。
融合タンパク質は、直接的発現に代わるものを提供する。通常、内在性の細菌
のタンパク質、あるいは他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA
配列は、異種のコード配列の5’末端と融合される。発現の際に、この構築物は
、2つのアミノ酸配列の融合を提供する。例えば、バクテリオファージλ細胞遺
伝子は、外来遺伝子の5’末端と連結し得、そして細菌において発現され得る。
生じた融合タンパク質は、好ましくは、外来遺伝子由来のバクテリオファージタ
ンパク質を切断するためのプロセシング酵素(第Xa因子)用の部位を保持する
(Nagaiら.(1984)Nature 309:810)。融合タンパク
質はまた、lacZ(Jiaら.(1987)Gene 60:197)、tr
pE(Allenら.(1987)J.Biotechnol.5:93;Ma
koffら.(1989)J.Gen.Microbiol.135:11)、
およびChey(EP−A−0324647)遺伝子由来の配列を用いて作製さ
れ得る。2つのアミノ酸配列の接合部でのDNA配列は、切断部位をコードして
もよいし、あるいはコードしなくてもよい。別の例は、ユビキチン融合タンパク
質である。そのような融合タンパク質は、好ましくは、外来タンパク質からユビ
キチンを切断するためのプロセシング酵素(例えば、ユビキチン特異的プロセシ
ングプロテアーゼ)用の部位を保持するユビキチン領域と共に作製され得る。こ
の方法を通して、天然外来タンパク質は単離され得る(Millerら.(19
89)Bio/Technology 7:698)。
あるいは、外来タンパク質はまた、細菌における外来タンパク質の分泌を提供
するシグナルペプチド配列フラグメントから構成される、融合タンパク質をコー
ドするキメラDNA分子を作製することによって、細胞から分泌され得る(米国
特許4,336,336)。シグナル配列フラグメントは、通常、細胞からのタ
ンパク質の分泌を指向する、疎水性アミノ酸から構成されるシグナルペプチドを
コードする。このタンパク質は、増殖培地(グラム陽性細菌)、または細胞の内
膜と外膜との間に位置する細胞周辺腔(グラム陰性細菌)のいずれかへ分泌され
る。好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断され得る、このシ
グナルペプチドフラグメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部
位がある。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、E.coli外膜タンパク質遺伝
子(ompA)(Masuiら(1983)、Experimetal Man
ipulation of Gene Expression;Ghrayeb
ら、(1984)EMBO J.3:2437)およびE.coliアルカリホ
スファターゼシグナル配列(phoA)(Okaら(1985)Proc.Na
tl.Acad.Sci.82:7212)のような、分泌性細菌タンパク質に
関する遺伝子由来であり得る。さらなる例として、種々のBacillus株由
来のα−アミラーゼ遺伝子のシグナル配列は、B.subtilis由来の異種
タンパク質を分泌するために使用され得る(Palvaら(1982)Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 79:5582;EP−A−024404
2)。
通常、細菌によって認識される転写終結配列は、翻訳終止コドンの3’側に位
置する調節領域であり、そして従って、プロモーターとともに、コード配列に隣
接する。これらの配列は、そのDNAによってコードされるポリペプチドへと翻
訳され得るmRNAの転写を指向する。転写終結配列は、しばしば、転写の終結
を補助するステムループ構造を形成し得る、約50ヌクレオチドのDNA配列を
含む。例は、強力なプロモーターを有する遺伝子(例えば、E.coliのtr
p遺伝子および他の生合成遺伝子)由来の転写終結配列を含む。
通常、上記の成分(プロモーター、シグナル配列(もし所望ならば)、目的の
コード配列、および転写終結配列を含む)は、ともに組み立てられて発現構築物
となる。発現構築物は、しばしば、宿主(例えば細菌)における安定な保持が可
能である染色体外エレメント(例えばプラスミド)のような、レプリコンに保持
される。このレプリコンは複製系を有し、従って、このことが、発現またはクロ
ーニングおよび増幅のいずれかのために、レプリコンが原核生物宿主において保
持されることを可能にする。さらに、レプリコンは、高コピー数プラスミドまた
は低コピー数プラスミドのいずれかであり得る。高コピー数プラスミドは、一般
に約5〜約200、そして通常約10〜約150の範囲のコピー数を有する。高
コピー数プラスミドを含む宿主は、好ましくは少なくとも約10個、そしてより
好ましくは少なくとも約20個のプラスミドを含む。高コピー数ベクターまたは
低コピー数ベクターのいずれかが選択され得、それは、宿主に対するベクターお
よび外来タンパク質の効果に依存する。
あるいは、発現構築物は、組み込みベクターを用いて、細菌のゲノムへ組み込
まれ得る。組み込みベクターは、通常、ベクターが組み込むのを可能にする、細
菌の染色体と相同な少なくとも1つの配列を含む。組み込みは、ベクターにおけ
る相同なDNAと細菌の染色体との間の組換えから生じるようである。例えば、
種々のBacillus株からのDNAによって構築される組み込みベクターは
、Bacillus染色体に組み込まれる(EP−A−0 127 328)。
組み込みベクターはまた、バクテリオファージまたはトランスポゾン配列から構
成され得る。
通常、染色体外発現構築物および組み込み発現構築物は、選択マーカーを含ん
で、形質転換された細菌株の選択を可能にし得る。選択マーカーは、細菌宿主に
おいて発現され得、そして細菌が薬物(例えば、アンピシリン、クロラムフェニ
コール、エリスロマイシン、カナマイシン(ネオマイシン)、およびテトラサイ
クリン)に耐性になるようにする遺伝子を含み得る(Daviesら(1978
)Annu.Rev.Microbiol.32:469)。選択マーカーはま
た、ヒスチジン、トリプトファン、およびロイシンの生合成経路における生合成
遺伝子のような、生合成遺伝子を含み得る。
あるいは、上記の成分のいくつかは、形質転換ベクターにおいてともに組み立
てられ得る。形質転換ベクターは、通常、上記のように、レプリコンにおいて保
持されるか、または組み込みベクターへと開発されるかのいずれかの選択マーカ
ー(market)から構成され得る。
発現ベクターまたは形質転換ベクターは、染色体外レプリコンまたは組み込み
ベクターのいずれも、多くの細菌への形質転換のために開発されてきた。例えば
、発現ベクターは、とりわけ、以下の細菌のために開発されてきた:Bacil
lus subtilis(Palvaら(1982)Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 79:5582;EP−A−0 036 259およ
びEP−A−0 063 953;WO 84/04541)、Escheri
chia coli(Shimatakeら(1981)Nature 292
:128;Amannら(1985)Gene 40:183;Studier
ら(1986)J.Mol.Biol.189:113;EP−A−0 036
776、EP−A−0 136 829およびEP−A−0 136 907
)、Streptococcus cremoris(Powellら(198
8)Appl.Environ.Microbiol.54:655);Str
eptococcus lividans(Powellら(1988)App
l.Environ.Microbiol.54:655)、Streptom
yces lividans(米国特許4,745,056)。
外来DNAを細菌宿主へ導入する方法は、当該分野において周知であり、そし
て通常、CaCl2または他の薬剤(例えば、2価の陽イオンおよびDMSO)
のいずれかで処理された細菌の形質転換を含む。DNAはまた、エレクトロポレ
ーションによって、細菌細胞へ導入され得る。形質転換の手順は、通常、形質転
換される細菌の種によって変化する。例えば以下を参照のこと:(Masson
ら(1989)FEMS Microbiol.Lett.60:273;Pa
lvaら(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:
5582;EP−A−0 036 259およびEP−A−063 953;W
O 84/04541、Bacillus)、(Millerら(1988)P
roc.Natl.Acad.Sci.85:856;Wangら(1990)
J.Bacteriol.172:949、Campylobacter)、(
Cohenら(1973)Proc.Natl.Acad.Sci.69:21
10;Dowerら(1988)Nucleic Acids Res.16:
6127;Kushner(1978)「ColE1由来のプラスミドによるE
scherichia coliの形質転換のための改良された方法」Gene
tic Engineering:Proceedings of the I
nternational Symposium on Genetic En
gineering(H.W.BoyerおよびS.Nicosia編);Ma
ndelら(1970)J.Mol.Biol.53:159;Taketo(
1988)Biochim.Biophys.Acta 949:318;Es
cherichia)、(Chassyら(1987)FEMS Microb
iol.Lett.44:173 Lactobacillus);(Fied
lerら(1988)Anal.Biochem 170:38、Pseudo
monas);(Augustinら(1990)FEMS Microbio
l.Lett.66:203、Staphylococcus)、(Baran
yら(1980)J.Bacteriol.144:698;Harlande
r(1987)「エレクトロポレーションによるStreptococcus
lactisの形質転換」Streptococcal Genetics(J
.FerrettiおよびR.Curtiss III編);Perryら(1
981)Infect.Immun.32:1295;Powellら(198
8)Appl.Environ.Microbiol.54:655;Somk
utiら(1987)Proc.4th Evr.Cong.Biotechn
ology 1:412、Streptococcus)。
(v.酵母発現)
酵母発現系もまた、当業者に公知である。酵母プロモーターは、酵母RNAポ
リメラーゼに結合可能であり、そしてコード配列(例えば、構造遺伝子)からm
RNAへの下流の(3’側の)転写を開始し得る、任意のDNA配列である。プ
ロモーターは、通常、コード配列の5’末端の近位に位置する転写開始領域を有
する。この転写開始領域は、通常、RNAポリメラーゼ結合部位(「TATAボ
ックス」)および転写開始部位を含む。酵母プロモーターはまた、上流アクチベ
ーター配列(UAS)と呼ばれる第2のドメインを有し得、これは、もし存在す
るならば、通常、構造遺伝子とは遠位である。このUASは、調節される(誘導
できる)発現を可能にする。構成的発現は、UASの非存在下で生じる。調節さ
れる発現は、正または負のいずれかであり得、それによって転写を増加させるか
または減少させるかのいずれかであり得る。
酵母は、活性な代謝経路を有する発酵性微生物であり、従って、代謝経路にお
ける酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例とし
ては、以下が挙げられる:アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)(EP−A−
0 284 044)、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6−リン酸
イソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPまた
はGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホスホグリセ
リン酸ムターゼ、およびピルビン酸キナーゼ(PyK)(EPO−A−0 32
9 203)。酵母PHO5遺伝子はまた、酸性ホスファターゼをコードし、有
用なプロモーター配列を提供する(Myanoharaら(1983)Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 80:1)。
さらに、天然には生じない合成プロモーターもまた、酵母のプロモーターとし
て機能する。例えば、ある1つの酵母プロモーターのUAS配列は、別の酵母プ
ロモーターの転写活性化領域と連結され得、合成ハイブリッドプロモーターを生
成し得る。このようなハイブリッドプロモーターの例は、GAP転写活性化領域
と連結されるADH調節配列(米国特許第4,876,197号および同第4,
880,734号)を含む。ハイブリッドプロモーターの他の例は、ADH2、
GAL4、GAL10、またはPHO5遺伝子のいずれかの調節配列からなり、
GAPまたはPyK(EP−A−0 164 556)のような解糖酵素遺伝子
の転写活性化領域に結合されているプロモーターを含む。さらに、酵母プロモー
ターは、酵母RNAポリメラーゼと結合し、そして転写を開始する能力を有する
、天然に生じる非酵母起源のプロモーターを含み得る。このようなプロモーター
の例としては、とりわけ、以下が挙げられる:(Cohenら、(1980)P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 77:1078;Heniko
ffら(1981)Nature 283:835;Hollenbergら(
1981)Curr.Topics Microbiol.Immunol.9
6:119;Hollenbergら(1979)「酵母Saccharomy
ces cerevisiaeにおける細菌の抗生物質耐性遺伝子の発現」、P
lasmids of Medical,Environmental and
Commercial Importance(K.N.Timmisおよび
A.Puhler編);Mercerau−Puigalonら(1980)G
ene 11:163;Panthierら(1980)Curr.Genet
.2:109;)。
DNA分子は、酵母において、細胞内で発現され得る。プロモーター配列は、
DNA分子と直接連結され得、その場合、組換えタンパク質のN末端にある最初
のアミノ酸は常にATG開始コドンによってコードされているメチオニンである
。もし所望ならば、N末端のメチオニンは、臭化シアンとのインビトロインキュ
ベーションによって、タンパク質から切断され得る。
融合タンパク質は、酵母発現系について、ならびに哺乳動物、バキュロウイル
ス、および細菌の発現系において、代替物を提供する。通常、内因性酵母タンパ
ク質、または他の安定なタンパク質のN末端部分をコードするDNA配列は、異
種コード配列の5’末端に融合される。発現において、この構築物は、2つのア
ミノ酸配列の融合物を提供する。例えば、酵母またはヒトのスーパーオキシドジ
スムターゼ(SOD)遺伝子は、外来遺伝子の5’末端に連結され、そして酵母
において発現し得る。2つのアミノ酸配列の連結部にあるDNA配列は、切断部
位をコードしてもよいし、コードしなくてもよい。例えば、EP−A−0 19
6 056を参照のこと。別の例はユビキチン融合タンパク質である。このよう
な融合タンパク質は、外来タンパク質からユビキチンを切断するプロセシング酵
素(例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)のための部位を好ま
しくは保持する、ユビキチン領域を伴って作製される。従って、この方法を通じ
て、ネイティブな融合タンパク質は、単離され得る(例えば、WO88/024
066)。
あるいは、外来タンパク質はまた、酵母における外来タンパク質の分泌を提供
する、リーダー配列フラグメントから構成される融合タンパク質をコードする、
キメラDNA分子を作製することによって、細胞から増殖培地へ分泌され得る。
好ましくは、インビボまたはインビトロのいずれかで切断され得る、リーダーフ
ラグメントと外来遺伝子との間にコードされるプロセシング部位が存在する。リ
ーダー配列フラグメントは、通常、細胞からのタンパク質の分泌を指向する、疎
水性アミノ酸から構成されるシグナルペプチドをコードする。
適切なシグナル配列をコードするDNAは、分泌性酵母タンパク質に関する遺
伝子由来であり得、その遺伝子は例えば、酵母インベルターゼ遺伝子(EP−A
−0 012 873;JPO.62,096,086)およびA因子遺伝子(
米国特許第4,588,684号)である。あるいは、インターフェロンリーダ
ーのような、酵母における分泌もまた提供する、非酵母起源のリーダーが存在す
る(EP−A−0 060 057)。
好ましいクラスの分泌リーダーは、酵母α因子遺伝子のフラグメントを使用す
るリーダーであり、これは「プレ」シグナル配列、および「プロ」領域の両方を
含む。用いられ得るこの型のα因子フラグメントは、完全長の、プレプロα因子
リーダー(約83アミノ酸残基)ならびに短縮されたα因子リーダー(通常約2
5〜約50アミノ酸残基)を含む(米国特許第4,546,083号および同第
4,870,008号;EP−A−0 324 274)。分泌を提供するα因
子リーダーフラグメントを使用するさらなるリーダーは、第1の酵母のプレ配列
を有するが、第2の酵母α因子からのプロ領域を有さないで作製される、ハイブ
リッドα因子リーダーを含む(例えば、WO89/02463を参照のこと)。
通常、酵母によって認識される転写終結配列は、翻訳終止コドンの3’側に位
置する調節領域であり、そして従って、プロモーターと共にコード配列に隣接す
る。これらの配列は、そのDNAによってコードされるポリペプチドへと翻訳さ
れ得る、mRNAの転写を指向する。転写終結配列および他の酵母に認識される
終結配列の例は、例えば、解糖酵素をコードする転写終結配列である。
通常、上記の成分(プロモーター、リーダー(もし所望であれば)、目的のコ
ード配列、および転写終結配列を含む)は、組み立てられて発現構築物になる。
発現構築物は、宿主(例えば、酵母または細菌)において安定に保持され得る染
色体外エレメント(例えば、プラスミド)のような、レプリコンにおいてしばし
ば保持される。このレプリコンは、2つの複製系を有し得、従って、レプリコン
が、例えば、発現のために酵母において、ならびにクローニングおよび増幅のた
めに原核生物宿主において保持されることを可能にする。このような酵母−細菌
シャトルベクターの例としては、以下が挙げられる:YEp24(Botste
inら(1979)Gene 8:17〜24)、pCl/1(Brakeら(
1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:4642〜
4646)、およびYRp17(Stinchcombら(1982)J.Mo
l.Biol.158:157)。さらに、レプリコンは、高コピー数プラスミ
ドまたは低コピー数プラスミドのいずれかであり得る。高コピー数プラスミドは
、一般に約5〜約200、そして通常約10〜約150の範囲のコピー数を有す
る。高コピー数プラスミドを含む宿主は、好ましくは少なくとも約10個、そし
てより好ましくは少なくとも約20個を有する。高コピー数ベクターまたは低コ
ピー数ベクターのいずれかが選択され得、それは、宿主に対するベクターおよび
外来タンパク質の効果に依存する。例えば、Brakeら、前出を参照のこと。
あるいは、発現構築物は、組み込みベクターを用いて、酵母のゲノムへ組み込
まれ得る。組み込みベクターは、通常、ベクターが組み込むのを可能にする、酵
母の染色体に相同な少なくとも1つの配列を含み、そして好ましくは、発現構築
物に隣接する2つの相同配列を含む。組み込みは、ベクターにおける相同なDN
Aと酵母の染色体との間の組換えから生じるようである(Orr−Weaver
ら(1983)Methods in Enzymol.101:228〜24
5)。組み込みベクターは、そのベクター中に含有するために適切な相同配列を
選択することによって、酵母における特定の遺伝子座に指向され得る。Orr−
Weaverら、前出を参照のこと。1つ以上の発現構築物が組み込まれ得、産
生される組換えタンパク質のレベルにおそらく影響を与え得る(Rineら(1
983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:6750)。
ベクターに含まれる染色体配列は、ベクターにおける単一セグメント(これは、
ベクター全体の組み込みを生じる)、または染色体における隣接セグメントに相
同でかつベクターにおける発現構築物に隣接する2つのセグメント(これは、発
現構築物のみの安定した組み込みを生じ得る)のいずれかとして生じ得る。
通常、染色体外発現構築物および組み込み発現構築物は、選択マーカーを含み
得、形質転換された酵母株の選択を可能にする。選択マーカーは、酵母宿主にお
いて発現され得る生合成遺伝子を含み得、それは例えば、ADE2、HIS4、
LEU2、TRP1、およびALG7、ならびにG418耐性遺伝子であり、そ
れぞれ、酵母細胞においてツニカマイシンおよびG418に対して耐性を与える
。さらに、適切な選択マーカーはまた、金属のような毒性化合物の存在下におい
て増殖する能力を、酵母に提供し得る。例えば、CUP1の存在は、酵母が、銅
イオンの存在下において増殖することを可能にする(Buttら(1987)M
icrobiol.Rev.51:351)。
あるいは、上記成分のうちのいくつかは、組み立てられて形質転換ベクターに
なり得る。形質転換ベクターは、通常、上記のように、レプリコンにおいて保持
されるか、または組み込みベクターに開発されるかのいずれかである、選択マー
カーから構成される。
発現ベクターおよび形質転換ベクターは、染色体外レプリコンまたは組み込み
ベクターのいずれかであり、多くの酵母への形質転換のために開発されてきた。
例えば、発現ベクターは、とりわけ、以下の酵母のために開発されてきた:Ca
ndida albicans(Kurtzら(1986)Mol.Cell.
Biol.6:142)、Candida maltosa(Kunzeら(1
985)J.Basic Microbiol.25:141)、Hansen
ula polymorpha(Gleesonら(1986)J.Gen.M
icrobiol.132:3459;Roggenkampら(1986)M
ol.Gen.Genet.202:302)、Kluyveromyces
fragilis(Dasら(1984)J.Bacteriol.158:1
165)、Kluyveromyces lactis(De Louvenc
ourtら(1983)J.Bacteriol.154:737;Van d
en Bergら(1990)Bio/Technology 8:135)、
Pichia guillerimondii(Kunzeら(1985)J.
Basic Microbiol.25:141)、Pichia pasto
ris(Creggら(1985)Mol.Cell.Biol.5:3376
;米国特許第4,837,148号および同第4,929,555号)、Sac
charomyces cerevisiae(Hinnenら(1978)P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1929;Itoら(1
983)J.Bacteriol.153:163)、Schizosacch
aromyces pombe(BeachおよびNurse(1981)Na
ture 300:706)、およびYarrowia lipolytica
(Davidowら(1985)Curr.Genet.10:380471;
Gaillardinら(1985)Curr.Genet.10:49)。
外来DNAを酵母宿主へ導入する方法は、当該分野において周知であり、そし
て通常、スフェロプラストの、またはアルカリ陽イオンで処置された無傷の酵母
細胞のいずれかの形質転換を含む。形質転換の手順は、通常、形質転換される酵
母の種によって変化する。例えば以下を参照のこと:(Kurtzら(1986
)Mol.Cell.Biol.6:142;Kunzeら(1985)J.B
asic Microbiol.25:141;Candida);(Glee
sonら(1986)J.Gen.Microbiol.132:3459;R
oggenkampら(1986)Mol.Gen.Genet.202:30
2;Hansenula);(Dasら(1984)J.Bacteriol.
158:1165;De Louvencourtら(1983)J.Bact
eriol.154:1165;Van den Bergら(1990)Bi
o/Technology 8:135;Kluyveromyces);(C
reggら(1985)Mol.Cell.Biol.5:3376;Kunz
eら(1985)J.Basic Microbiol.25:141;米国特
許第4,837,148号および同第4,929,555号;Pichia);
(Hinnenら(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
75:1929;Itoら(1983)J.Bacteriol.153:1
63 Saccharomyces);(BeachおよびNurse(198
1)Nature 300:706;Schizosaccharomyces
);(Davidowら(1985)Curr.Genet.10:39;Ga
illardinら(1985)Curr.Genet.10:49;Yarr
owia)。
(抗体)
本明細書中で使用される場合に、用語「抗体」とは、少なくとも1つの抗体結
合部位から構成されるポリペプチドまたはポリペプチド群をいう。「抗体結合部
位」は、抗原のエピトープの特徴に相補的な内部表面形状および電荷分布を有す
る、3次元結合空間であり、これが、抗体と抗原の結合を可能にする。「抗体」
は、例えば、脊椎動物抗体、ハイブリッド抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、変化
した抗体、一価抗体、Fabタンパク質、および単一ドメイン抗体を含む。
本発明のタンパク質に対する抗体は、アフィニティークロマトグラフィー、免
疫アッセイ、およびNeisseriaのタンパク質の識別/同定に有用である
本発明のタンパク質に対する抗体(ポリクローナルおよびモノクローナルの両
方)は、従来の方法によって調製され得る。一般に、タンパク質は、最初に、適
切な動物、好ましくはマウス、ラット、ウサギ、またはヤギを免疫するために使
用される。ウサギおよびヤギは、得られ得る血清の容量、および標識された抗ウ
サギ抗体および抗ヤギ抗体の入手可能性に起因して、ポリクローナル血清の調製
のために好ましい。免疫は、一般的に、タンパク質を生理食塩水(好ましくはフ
ロイント完全アジュバントのようなアジュバント)に混合または乳化し、そして
混合物または乳化物を非経口的に(一般的に皮下、または筋肉内に)注射するこ
とによって、行われる。50〜200μg/注射の用量が、代表的に十分である
。免疫は、一般的に、2〜6週後に生理食塩水(好ましくはフロイント不完全ア
ジュバントを用いて)中のタンパク質の1回以上の注射でブーストされる。ある
いは、当該分野において公知の方法を使用するインビトロ免疫によって抗体を産
生し得る。これは、本発明の目的にとっては、インビボ免疫に等しいと考えられ
る。ポリクローナル抗血清は、免疫された動物からガラスまたはプラスチック製
容器へ採血し、その血液を25℃で1時間インキュベートし、その後4℃で2〜
18時間インキュベートすることによって得られる。この血清は、遠心分離(例
えば1,000g、10分間)によって回収される。ウサギから、1回の採血に
つき約20〜50mlが得られ得る。
モノクローナル抗体は、KohlerおよびMilstein(Nature
(1975)256:495〜96)の標準的方法、またはその改変版を使用し
て調製される。代表的には、マウスまたはラットが、上記のように免疫される。
しかし、血清を抽出するために動物から採血するよりも、脾臓(および必要に応
じていくつかの大きなリンパ節)が取り出され、そして単細胞へ解離される。も
し所望ならば、脾臓細胞は、(非特異的付着細胞の回収後)細胞懸濁液をタンパ
ク質抗原でコーティングされたプレートまたはウェルへアプライすることによっ
て、スクリーニングされ得る。この抗原に特異的な膜結合免疫グロブリンを発現
するB細胞は、このプレートに結合し、そして残りの懸濁液によって、洗い落と
されない。生じるB細胞、または全ての解離された脾臓細胞は、次に骨髄腫細胞
と融合するように誘導されてハイブリドーマを形成し、そして選択培地(例えば
ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン培地、「HAT」)において培養さ
れる。生じるハイブリドーマは、限界希釈によってプレーティングされ、そして
免疫する抗原に対して特異的に結合する(かつ関連しない抗原に結合しない)抗
体の産生についてアッセイされる。選択されるMAb分泌ハイブリドーマは、次
にインビトロ(例えば、組織培養瓶または中空繊維リアクター中で)、またはイ
ンビボ(マウスにおける腹水として)のいずれかで培養される。
もし所望ならば、抗体は(ポリクローナルまたはモノクローナルいずれであっ
ても)、従来技術を使用して標識され得る。適切な標識としては、以下が挙げら
れる:発蛍光団、発色団、放射性原子(特に32Pおよび125I)、電子密度試薬
、酵素、および特異的結合パートナーを有するリガンド。酵素は、代表的に、そ
の活性によって検出される。例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼは、通常、3
,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)を青い色素(分光光度計
を用いて定量可能)へ変換するその能力によって、検出される。「特異的結合パ
ートナー」とは、高い特異性でリガンド分子に結合し得るタンパク質をいい、例
えば抗原およびそれに特異的なモノクローナル抗体の場合である。他の特異的結
合パートナーは、ビオチンおよびアビジンまたはストレプトアビジン、IgGお
よびプロテインA、ならびに当該分野において公知の多くのレセプター−リガン
ド対を含む。同じ標識がいくつかの異なる様式で働き得るので、以上の記載が、
種々の標識を別個のクラスへ分類することを意味しないことは、理解されるべき
である。例えば、125Iは、放射性標識として、または電子密度試薬として働き
得る。HRPは、酵素として、またはMAbについての抗原として働き得る。さ
らに、所望の効果のために、種々の標識を組合せ得る。例えば、MAbおよびア
ビジンはまた、本発明の実施において、標識を必要とする。従って、MAbをビ
オチンで標識して、そして125Iで標識したアビジン、またはHRPで標識した
抗ビオチンMAbで、その存在を検出し得る。他の置換および可能性は、当業者
に容易に明らかであり、そして本発明の範囲内に等しいと考えられる。
(薬学的組成物)
薬学的組成物は、本発明のポリペプチド、抗体または核酸のいずれかを含み得
る。この薬学的組成物は、治療上有効な量の、本願発明のポリペプチド、抗体、
またはポリヌクレオチドのいずれかを含む。
本明細書において使用される用語「治療上有効な量」とは、所望の疾患または
状態を処置、改善、または予防するための治療薬剤の量、または、検出可能な治
療効果または予防効果を示すための治療薬剤の量をいう。この効果は、例えば、
キメラマーカーまたは抗原レベルによって検出され得る。治療効果はまた、体温
低下のような、身体の症状における減少を含む。被験体に関する正確な有効量は
、被験体の大きさおよび健康、状態の性質および程度、および投与のために選択
される治療または治療の組合せに依存する。従って、あらかじめ正確な有効量を
特定することは有用ではない。しかし、所定状況のための有効量は、慣用的な実
験によって決定され得、そして臨床医の判断内である。
本発明の目的のために、有効な用量は、DNA構築物が投与される個体におい
て、DNA構築物の約0.01mg/kg〜50mg/kgまたは0.05mg
/kg〜約10mg/kgである。
薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。用語「薬学的
に受容可能なキャリア」とは、抗体またはポリペプチド、遺伝子、および他の治
療薬剤のような治療薬剤の投与のための、キャリアをいう。この用語は、この組
成物を受け取る個体に有害な抗体の産生をそれ自体誘導しない、任意の薬学的キ
ャリアをいい、そして、過度の毒性を伴わずに投与され得る。適切なキャリアは
、タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸コ
ポリマー、および不活性ウイルス粒子のように、大きく、緩徐に代謝される高分
子であり得る。このようなキャリアは、当業者に周知である。
薬学的に受容可能な塩が、その中で使用され得る。例えば、塩酸塩、臭化水素
塩、リン酸塩、硫酸塩などのような鉱酸塩;および酢酸塩、プロピオン酸塩、マ
ロン酸塩、安息香酸塩などのような有機酸の塩である。薬学的に受容可能な賦形
剤の徹底的な議論は、Remington’s Pharmaceutical
Sciences(Mack Pub.Co.、N.J.1991)にて利用
可能である。
治療組成物における薬学的に受容可能なキャリアは、水、生理食塩水、グリセ
ロールおよびエタノールのような液体を含み得る。さらに、湿潤剤または乳化剤
、pH緩衝物質などのような補助物質が、このようなビヒクルに存在し得る。代
表的には、治療組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかの、注射可能物質と
して調製される;注射前に液体ビヒクルに溶解または懸濁するのに適切な固体形
態もまた、調製され得る。リポソームは、薬学的に受容可能なキャリアの定義中
に含まれる。
(送達方法)
一旦処方されると、本発明の組成物は、その被験体へ直接投与され得る。処置
される被験体は、動物であり得;特に、ヒト被験体が処置され得る。
その組成物直接送達は、一般的に、皮下的に、腹腔内に、静脈内に、または筋
内のいずれかでの注入によって達成されるか、あるいは、組織の間隙空間へ送達
される。この組成物はまた、病巣へ投与され得る。他の投与様式には、経口投与
、および肺投与、坐剤、および経皮(transdermal)適用または経皮
(transcutaneous)適用(例えば、WO98/20734を参照
のこと)、針、および遺伝子銃またはハイポスプレー(hypospray)が
含まれる。投薬処置は、単回用量スケジュール、または多数回用量スケジュール
であり得る。
(ワクチン)
本発明に従うワクチンは、予防用(すなわち、感染を予防するため)または治
療用(すなわち、感染後の疾患を処置するため)のいずれかであり得る。
このようなワクチンは、免疫抗原、免疫原、ポリペプチド、タンパク質または
核酸を、通常「薬学的に受容可能なキャリア」との組み合わせにおいて含み、こ
れは、キャリア自体は、その組成物を受ける個体に有害である抗体の産生を誘発
しない任意のキャリアを含む。適切なキャリアは、代表的に、大きく、緩徐に代
謝される高分子(例えば、タンパク質、ポリサッカリド、ポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸、重合アミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝集物(例えば、油小滴また
はリポソーム)、および不活性ウイルス粒子である。このようなキャリアは、当
業者に周知である。さらに、これらのキャリアは免疫刺激薬剤(「アジュバント
」)として機能し得る。さらに、この抗原または免疫原は、細菌毒素(例えば、
ジフテリア、破傷風、コレラ、H.pyloriなどの病原因子からの毒素)と
結合体化され得る。
この組成物の効力を増強するために好ましいアジュバントは、(1)アルミニ
ウム塩(「ミョウバン」)(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム
、硫酸アルミニウムなど)、(2)水中油乳剤処方物(他の特定の免疫刺激薬剤
(例えば、ムラミルペプチド(以下を参照のこと)または細菌細胞壁成分)を伴
うか伴わない)を包含するが、それらに限定されず、例えば、以下:(a)5%
スクアレン、0.5% Tween 80、および0.5% Span85(必
要に応じて、種々の量のMTP−PE(以下を参照のこと)を含有するが、必要
ではない)を含み、モデル110Y微小流体化器(Microfluidics
、Newton、MA)のような微小流体化器を用いてμ未満の粒子へと処方さ
れたMF59TM(WO90/14837;Vaccine design:th
e subunit and adjuvant approach、Powe
ll & Newman編、Plenum Press 1995の第10章)
;(b)μ未満のエマルジョンへと微小流体化されたか、またはボルテックスし
て、より大きな粒子径エマルジョンを生成したかのいずれかである、10%スク
アレン、0.4%Tween80、5%プルロニックブロックポリマーL121
、およびthr−MDP(以下を参照のこと)を含有するSAF、ならびに(c
)2%スクアレン、0.2%Tween80、およびモノホスホリピドA(MP
L)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)。好
ましくはMPLおよびCWS(DetoxTM)からなる群由来の1つ以上の細菌
細胞壁成分を含むRibiTMアジュバント系(RAS)、(Ribi Immu
nochem、Hamilton、MT);(3)サポニンアジュバント(例え
ば、StimulonTM)(Cambridge Bioscience、Wo
rcester、MA)を使用し得るか、またはそれから粒子(例えば、ISC
OM(免疫刺激性複合体)を生成し得る;(4)完全フロイントアジュバント(
CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(5)サイトカイン
(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−
5、IL−6、IL−7、IL−12など)、インターフェロン(例えば、γイ
ンターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死
因子(TNF)など;および(6)その組成物の効力を増強するための免疫刺激
因子として作用する他の物質を包含するがそれらに限定されない。ミョウバンお
よびMF59TMが好ましい。
上記で言及したように、ムラミルペプチドは、N−アセチル−ムラミル−L−
スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラ
ミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(ノル−MDP)、N−アセチルムラ
ミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’
−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチ
ルアミン(MTP−PE)などを包含するがそれらに限定されない。
免疫原性組成物(例えば、免疫化抗原/免疫原/ポリペプチド/タンパク質/
核酸、薬学的に受容可能なキャリア、およびアジュバント)は、代表的に、希釈
剤(例えば、水、生理食塩水、グリセロール、エタノールなど)を含有する。さ
らに、補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質など)は、このよ
うなビヒクルにおいて存在し得る。
代表的に、免疫原性組成物は、液体溶液または懸濁物のいずれかとして、注射
剤として調製され;注射前に液体ビヒクルにおける溶液または懸濁物として適切
な固体形態もまた調製され得る。この調製物はまた、薬学的に受容可能なキャリ
アの下で、上記に記載のように、アジュバント効果の増強のために乳化され得る
かまたはリポソーム中にカプセル化され得る。
ワクチンとして使用される免疫原性組成物は、免疫学的有効量の抗原性または
免疫原性のポリペプチド、および任意の他の上記の成分を必要に応じて含む。「
免疫学的有効量」とは、その量の個体への投与が、単回用量であれ、一連の一部
としてであれ、処置または予防に有効であることを意味する。この量は、処置さ
れる個体の健康および身体状態、処置される個体の分類学上の群(例えば、非ヒ
ト霊長類、霊長類など)、個体の免疫系が抗体を合成する能力、所望される防御
の程度、そのワクチンの処方、処置する医師の医療的状況の評価、および他の関
連する因子に依存して変動する。その量は、比較的広い範囲に入り、この量が慣
用的な試行を通して決定され得ることが予想される。
免疫原性組成物は、従来のように、非経口的(例えば、皮下、筋肉内または経
皮(transudermally)/経皮(transucutaneous
ly)のいずれかでの注射による)(例えば、WO98/20734)に投与さ
れる)。他の投与様式に適切なさらなる処方物は、経口処方物および肺処方物、
坐剤、および経皮適用を含む。投薬処置は、単回用量スケジュールまたは多数回
用量スケジュールであり得る。ワクチンは、他の免疫調節剤とともに投与され得
る。
タンパク質ベースのワクチンの代替として、DNAワクチン接種を使用し得る
(例えば、RobinsonおよびTorres(1997)Seminars
in Immunology 9:271−283;Donnellyら(1
997)Annu Rev Immunol 15:617−648;本明細書
中後半部を参照のこと)。
(遺伝子送達ビヒクル)
哺乳動物における発現のためにその哺乳動物へ送達される、本発明の治療剤の
コード配列を含む構築物の送達のための遺伝子治療ビヒクルは、局所または全身
的のいずれかで投与され得る。これらの構築物は、ウイルスベクターアプローチ
または非ウイルスベクターアプローチを、インビボまたはエキソビボの様式で利
用し得る。このようなコード配列の発現は、内因性哺乳動物プロモーターまたは
異種プロモーターを用いて誘導され得る。このコード配列のインビボでの発現は
、構成性または調節性のいずれかであり得る。
本発明は、意図された核酸配列を発現し得る遺伝子送達ビヒクルを含む。この
遺伝子送達ビヒクルは、好ましくは、ウイルスベクター、およびより好ましくは
レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AA
V)ベクター、ヘルペスウイルスベクターまたはアルファウイルスベクターであ
る。このウイルスベクターはまた、アストロウイルスベクター、コロナウイルス
ベクター、オルソミクソウイルスベクター、パポバウイルスベクター、パラミク
ソウイルスベクター、パルボウイルスベクター、ピコルナウイルスベクター、ポ
ックスウイルスベクター、またはトガウイルスベクターであり得る。一般には、
Jolly(1994)Cancer Gene Therapy 1:51−
64;Kimura(1994)Human Gene Therapy 5:
845−852;Connelly(1995)Human Gene The
rapy 6:185−193;およびKaplitt(1994)Natur
e Genetics 6:148−153を参照のこと。
レトロウイルスベクターは、当該分野で周知であり、そして本発明者らは、任
意のレトロウイルス遺伝子治療ベクターが本発明において使用可能であることを
意図する。これには、B型、C型およびD型のレトロウイルス、異種栄養性ウイ
ルス(例えば、NZB−X1、NZB−X2およびNZB9−1(O’Neil
l(1985)J.Virol.53:160を参照のこと)、多栄養性レトロ
ウイルス(polytropic retrovirus)(例えば、MCFお
よびMCF−MLV(Kelly(1983)J.Virol.45:291を
参照のこと)、スプマウイルスおよびレンチウイルスが含まれる。RNA Tu
mor Viruses、第2版、Cold Spring Harbor L
aboratory、1985を参照のこと。
レトロウイルス遺伝子治療ベクターの部分は、異なるレトロウイルスに由来し
得る。例えば、レトロウイルスLTRは、マウス肉腫ウイルスに由来し得、tR
NA結合部位はラウス肉腫ウイルスに由来し得、パッケージングシグナルはマウ
ス白血病ウイルスに由来し得、そして第二鎖合成の起源はニワトリ白血病ウイル
スに由来し得る。
これらの組換えレトロウイルスベクターを使用して、適切なパッケージング細
胞株へそれらを導入することによって形質導入コンピテントレトロウイルスベク
ター粒子を生成し得る(米国特許第5,591,624号を参照のこと)。レト
ロウイルスベクターは、レトロウイルス粒子へのキメラインテグラーゼ酵素の組
込みによって宿主細胞DNAへの部位特異的組込みのために構築され得る(WO
96/37626号を参照のこと)。この組換えウイルスベクターは複製欠損組
換えウイルスであることが好ましい。
上記のレトロウイルスベクターに関する使用について適切なパッケージング細
胞株は、当該分野で周知であり、容易に調製され(WO95/30763号およ
びWO92/05266号を参照のこと)、そしてこれを使用して、組換えベク
ター粒子の生産のためのプロデューサー細胞株(これは、ベクター細胞株または
「VCL」とも称される)を作製し得る。好ましくは、このパッケージング細胞
株は、ヒトの親細胞(例えば、HT1080細胞)またはミンク親細胞株から作
製され、これは、ヒト血清における不活化を除去する。
レトロウイルス遺伝子治療ベクターの構築のために好ましいレトロウイルスは
、ニワトリ白血病ウイルス、ウシ白血病ウイルス、マウス白血病ウイルス、ミン
ク細胞フォーカス形成ウイルス、マウス肉腫ウイルス、細網内皮症ウイルス、お
よびラウス肉腫ウイルスを含む。特に好ましいマウス白血病ウイルスは、407
0Aおよび1504A(HartleyおよびRowe(1976)J. Vi
rol.19:19−25)、Abelson(ATCC番号VR−999)、
Friend(ATCC番号VR−245)、Graffi、Gross(AT
CC番号VR−590)、Kirsten、Harvey肉腫ウイルスおよびR
auscher(ATCC番号VR−998)およびモロニーマウス白血病ウイ
ルス(ATCC番号VR−190)を含む。このようなレトロウイルスは、寄託
機関または収集機関(例えば、アメリカンタイプカルチャーコレクション(「A
TCC」)、Rockville、Maryland)から入手し得るか、また
は一般に利用可能な技術を用いて公知の供給源から単離され得る。
本発明において使用可能な例示的な公知のレトロウイルス遺伝子治療ベクター
は、特許出願GB2200651、EP0415731、EP0345242、
EP0334301、WO89/02468;WO89/05349、WO89
/09271.WO90/02806、WO90/07936、WO94/03
622、WO93/25698、WO93/25234、WO93/11230
、WO93/10218、WO91/02805、WO91/02825、WO
95/07994、米国特許第5,219,740号、同4,405,712号
、同4,861,719号、同4,980,289号、同4,777,127号
、同5,591,624号に記載されるものを含む。Vile(1993)Ca
ncer Res 53:3860−3864;Vile(1993)Canc
er Res 53:962−967;Ram(1993)Cancer Re
s 53(1993)83−88;Takamiya(1992)J Neur
osci Res 33:493−503;Baba(1993)J Neur
osurg 79:729−735;Mann(1983)Cell 33:1
53;Cane(1984)Proc Natl Acad Sci 81;6
349;およびMiller(1990)Human Gene Therap
y 1もまた参照のこと。
ヒトアデノウイルス遺伝子治療ベクターもまた当該分野で公知であり、そして
本発明において使用可能である。例えば、Berkner(1988)Biot
echniques 6:616およびRosenfeld(1991)Sci
ence 252:431;ならびにWO93/07283、WO93/062
23、およびWO93/07282を参照のこと。本発明において使用可能な例
示的な公知のアデノウイルス遺伝子治療ベクターは、上記に参照される文書およ
びWO94/12649、WO93/03769、WO93/19191、WO
94/28938、WO95/11984、WO95/00655、WO95/
27071、WO95/29993、WO95/34671、WO96/053
20、WO94/08026、WO94/11506、WO93/06223、
WO94/24299、WO95/14102、WO95/24297、WO9
5/02697、WO94/28152、WO94/24299、WO95/0
9241,WO95/25807、WO95/05835、WO94/1892
2およびWO95/09654において記載されるものを含む。あるいは、Cu
riel(1992)Hum.Gene Ther.3:147−154に記載
されるような殺傷したアデノウイルスに連結したDNAの投与が使用され得る。
本発明の遺伝子送達ビヒクルはまた、アデノウイルス随伴ウイルス(AAV)ベ
クターを含む。本発明における使用のためのこのようなベクターの主要なおよび
好ましい例は、Srivastava WO93/09239に開示されるAA
V−2ベースのベクターである。最も好ましいAAVベクターは、2つのAAV
逆方向末端反復を含む。ここで、ネイティブD配列は、ヌクレオチドの置換によ
って改変され、その結果、少なくとも5つのネイティブなヌクレオチドから18
までのネイティブヌクレオチド、好ましくは少なくとも10のネイティブヌクレ
オチドから18までのネイティブヌクレオチド、最も好ましくは10のネイティ
ブヌクレオチドが維持され、そしてD配列の残りのヌクレオチドが欠失またはネ
イティブでないヌクレオチドで置換されている。AAV逆方向末端反復のネイテ
ィブなD配列は、各AAV逆方向末端反復において(すなわち、各末端に1つの
配列が存在する)20の連続するヌクレオチドの配列であって、これは、HP形
成に関与しない。ネイティブでない置換ヌクレオチドは、同じ位置でのネイティ
ブなD配列に見出されるヌクレオチド以外の任意のヌクレオチドであり得る。他
の使用可能な例示的なAAVベクターは、、pWP−19、pWN−1であり、
これらは両方ともNahreini(1993)Gene 124:257−2
62に開示される。このようなAAVベクターの別の例は、psub201(S
amulski(1987)J.Virol.61:3096を参照のこと)で
ある。別の例示的なAAVベクターは、Double−D ITRベクターであ
る。Double−D ITRベクターの構築は、米国特許第5,478,74
5号に開示される。なお他のベクターは、Carter 米国特許第4,797
,368号およびMuzyczka 米国特許第5,139,941号、Cha
rtejee 米国特許第5,474,935号ならびにKotin WO94
/288157に開示されるものである。本発明において使用可能なAAVベク
ターのなおさらなる例は、SSV9AFABTKneoであり、これは、AFP
エンハンサーおよびアルブミンプロモーターを含み、そして肝臓において優性に
発現を指向する。その構造および構築は、Su(1996)Human Gen
e Therapy 7:463−470に開示される。さらなるAAV遺伝子
治療ベクターは、米国特許第5,354,678号、同5,173,414号、
同5,139,941号、および同5,252,479号に開示される。
本発明の遺伝子治療ベクターはまた、ヘルペスベクターを含む。主要なおよび
好ましい例は、チミジンキナーゼポリペプチドをコードする配列を含む単純ヘル
ペスウイルスベクター(例えば、米国特許第5,288,641号、およびEP
0176170(Roizman)に開示されるもの)である。さらなる例示的
な単純ヘルペスウイルスベクターは、WO95/04139(Wistar I
nstitute)に開示されるHFEM/ICP6−lacZ、Geller
(1988)Science 241:1667−1669ならびにWO90/
09441およびWO92/07945に記載されるpHSVlac、Fink
(1992)Human Gene Therapy 3:11−19に記載さ
れるHSV Us3::pgC−lacZ、ならびにEP0453242(Br
eakefieled)に記載されるHSV 7134、2RH 105および
GAL4、ならびにATCCに受託番号ATCC VR−977およびATCC
VR−260として寄託されたものを含む。
意図されるのはまた、本発明において使用され得るアルファウイルス遺伝子治
療ベクターである。好ましいアルファウイルスベクターは、シンドビスウイルス
ベクターである。トガウイルス、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR−67
;ATCC VR−1247)、ミッデルブルグ(Middleberg)ウイ
ルス(ATCC VR−370)、ロスリバーウイルス(ATCC VR−37
3;ATCC VR−1246)、ヴェネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス(ATC
C VR−923;ATCC VR−1250;ATCC VR−1249;A
TCC VR−532)および米国特許第5,0091,309号、同5,21
7,879号、およびWO92/10578に記載されるもの。より詳細には、
米国特許出願第08/405,627号(1995年3月15日出願)、WO9
4/21792号、WO92/10578号、WO95/07994号、米国特
許第5,091,309号、および米国特許第5,217,879号に記載され
るそれらのアルファウイルスベクターが使用可能である。このようなアルファウ
イルスは、ATCC、Rockville、Marylandのような寄託機関
または収集機関から入手し得るか、または一般的に利用可能な技術を用いて公知
の供給源から単離され得る。好ましくは、細胞傷害性が減少したアルファウイル
スベクターを使用する(米国特許出願番号08/679640を参照のこと)。
DNAベクター系(例えば、真核細胞層状発現系)もまた、本発明の核酸の発
現について有用である。真核生物層状発現系の詳細な説明についてはWO95/
07994を参照のこと。好ましくは、本発明の真核細胞層状発現系はアルファ
ウイルスベクターに由来し、そして最も好ましくはシンドビスウイルスベクター
に由来する。
本発明における使用に適切な他のウイルスベクターは、ポリオウイルス(例え
ば、ATCC VR−58およびEvans、Nature 339(1989
)385およびSabin(1973)J.Biol.Standardiza
tion 1:115に記載されるもの;リノウイルス、例えば、ATCC V
R−1110およびArnold(1990)J Cell Biochem
L401に記載されるもの;ポックスウイルス(例えば、カナリアポックスウイ
ルスまたはワクシニアウイルス(例えば、ATCC VR−111およびATC
C VR−2010ならびにFisher−Hoch(1989)Proc N
atl Acad Sci 86:317;Flexner(1989)Ann
NY Acad Sci 569:86、Flexner(1990)Vac
cine 8:17;米国特許第4,603,112号および同第4,769,
330号ならびにWO89/01973号に記載されるもの));SV40ウイ
ルス(例えば、ATCC VR−305およびMulligan(1979)N
ature 277:108およびMadzak(1992)J Gen Vi
rol 73:1533に記載されるもの);インフルエンザウイルス(例えば
、ATCC VR−797および米国特許第5,166,057号およびEna
mi(1990)Proc Natl Acad Sci 87:3802−3
805;EnamiおよびPalese(1991)J Virol 65:2
711−2713およびLuytjes(1989)Cell 59:110(
McMichael(1983)NEJ Med 309:13ならびにYap
(1978)Nature 273:238およびNature(1979)2
77:108もまた参照のこと)に記載されるような逆遺伝子技術を使用して作
製した組換えインフルエンザウイルス);EP−0386882およびBuch
schacher(1992)J.Virol.66:2731に記載されるよ
うなヒト免疫不全ウイルス;麻疹ウイルス(例えば、ATCC VR−67およ
びVR−1247ならびにEP−0440219に記載されるもの);アウラウ
イルス(例えば、ATCC VR−368);ベバルウイルス(例えば、ATC
C VR−600およびATCC VR−1240);カバス(Cabasso
u)ウイルス(例えば、ATCC VR−922);チクングンヤウイルス(例
えば、ATCC VR−64およびATCC VR−1241);フォートモー
ガン(Fort Morgan)ウイルス(例えば、ATCC VR−924)
;ゲタウイルス(例えば、ATCC VR−369およびATCC VR−12
43);キジラガハ(Kyzylagach)ウイルス(例えば、ATCC V
R−927);マヤロウイルス(例えば、ATCC VR−66);ムカンボウ
イルス(例えば、ATCC VR−580およびATCC VR−1244);
ヌヅムウイルス(例えば、ATCC VR−371);ピクスナウイルス(例え
ば、ATCC VR−372およびATCC VR−1245);トナテ(To
nate)ウイルス(例えば、ATCC VR−925);トリニティウイルス
(例えば、ATCC VR−469);ユナウイルス(例えば、ATCC VR
−374);ワタロアウイルス(例えば、ATCC VR−926);Y−62
−33ウイルス(例えば、ATCC VR−375);オニオンウイルス、東部
ウマ脳脊髄炎ウイルス(例えば、ATCC VR−65およびATCC VR−
1242);西部ウマ脳脊髄炎ウイルス(例えば、ATCC VR−70、AT
CC VR−1251、ATCC VR−622およびATCC VR−125
2);ならびにコロナウイルス(例えば、ATCC VR−740およびHam
re(1966)Proc Soc Exp Biol Med 121:19
0に記載のもの)に由来のものを含む。
本発明の組成物の細胞への送達は、上記に言及したウイルスベクターに限定さ
れない。他の送達方法および媒体が使用され得る(例えば、核酸発現ベクター、
殺傷したアデノウイルスに連結したかまたは連結してないポリカチオン性縮合D
NA単独(例えば、米国特許出願番号08/366,787(1994年12月
30日出願)およびCuriel(1992)Hum Gene Ther 3
:147−154を参照のこと)、リガンド連結DNA(例えば、Wu(198
9)J Biol Chem 264:16985−16987を参照のこと)
、真核生物細胞送達ビヒクル細胞(例えば、米国特許出願番号08/240,0
30(1994年5月9日出願)および米国特許出願番号08/404,796
を参照のこと)、光重合化ヒドロゲル物質の沈着、手動の遺伝子送達粒子銃(米
国特許第5,149,655号に記載されるような)、米国特許第5,206,
152号およびWO92/11033に記載されるような電離放射線、核酸電荷
中和または細胞膜との融合)。さらなるアプローチは、Philip(1994
)Mol Cell Biol 14:2411−2418およびWoffen
din(1994)Proc Natl Acad Sci 91:1581−
1585に記載される。
粒子媒介遺伝子転移が使用され得る(例えば、米国特許出願番号60/023
,867を参照のこと)。手短には、配列を、高レベル発現のための従来の制御
配列を含む従来のベクターに挿入し得、次いで細胞標的化リガンド(例えば、ア
シアロオロソムコイド(WuおよびWu(1987)J.Biol.Chem.
262:4429−4432に記載されるような)、Hucked(1990)
Biochem Pharmacol 40:253−263に記載されるよう
なインスリン、Plank(1992)Bioconjugate Chem
3:533−539に記載されるようなガラクトース、ラクトースまたはトラン
スフェリン)に連結された合成遺伝子転移分子(例えば、重合DNA結合カチオ
ン様ポリリジン、プロタミンおよびアルブミン)とともにインキュベートされ得
る。
裸のDNAもまた使用され得る。例示的な裸のDNA導入方法は、WO90/
11092および米国特許第5,580,859号に記載される。取り込み効率
は、生体分解性のラテックスビーズを用いて改良され得る。DNAコートラテッ
クスビーズは、ビーズによるエンドサイトーシス開始の後に効率よく細胞へと輸
送される。この方法は、ビーズを処理して疎水性を高め、それによってエンドソ
ームの破壊および細胞質へのDNAの放出を容易にすることによってさらに改良
され得る。
遺伝子送達ビヒクルとして作用し得るリポソームは、米国特許第5,422,
120号、WO95/13796、WO94/23697、WO91/1444
5、およびEP524,968に記載される。米国特許出願60/023,86
7に記載されるように、非ウイルス性送達において、ポリペプチドをコードする
核酸配列は、高レベル発現のための従来の制御配列を含む従来のベクターへと挿
入され得、次いで細胞標的化リガンド(例えば、アシアロオロソムコイド、イン
スリン、ガラクトース、ラクトースまたはトランスフェリン)に連結された、重
合性DNA結合カチオン(例えば、ポリリジン、プロタミン、およびアルブミン
)のような合成遺伝子転移分子とともにインキュベートされ得る。他の送達系は
、種々の組織特異的または普遍的作用性のプロモーターの制御下に遺伝子を含む
DNAをカプセル化するためのリポソームの使用を含む。さらに、使用に適切な
非ウイルス送達は、機械的送達系(例えば、Woffendinら(1994)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91(24):11581−
11585に記載されるアプローチを含む。さらに、コード配列およびそのよう
なものの発現産物は、光重合化ヒドロゲル物質の沈着を介して送達され得る。コ
ード配列の送達について使用され得る、遺伝子送達のための他の従来の方法は、
例えば、手動の遺伝子転移粒子銃(米国特許第5,149,655号に記載され
るような);移入された遺伝子を活性化するための電離放射線の使用(米国特許
第5,206,152号およびWO92/11033に記載されるような)を含
む。
例示的なリポソームおよびポリカチオン性遺伝子送達ビヒクルは、米国特許第
5,422,120号および同第4,762,915号;WO95/13796
;WO94/23697;およびWO91/14445;EP−0524968
;およびStryer、Biochemistry、236−240頁(197
5)、W.H.Freeman、San Francisco;Szoka(1
980)Biochem Biophys Acta 600:1;Bayer
(1979)Biochem Biophys Acta 550:464;R
ivnay(1987)Meth Enzymol 149:119;Wang
(1987)Proc Natl Acad Sci 84:7851;Pla
nt(1989)Anal Biochem 176:420に記載されるもの
である。
ポリヌクレオチド組成物は、治療有効量(この用語は上記に定義されるとおり
である)の遺伝子治療ビヒクルを含み得る。本発明の目的のために、有効用量は
、投与される個体において、約0.01mg/kg〜50mg/kgまたは0.
05mg/kg〜約10mg/kgのDNA構築物である。
(送達方法)
一旦処方されると、本発明のポリヌクレオチド組成物は、(1)被験体に直接
;(2)エキソビボで被験体由来の細胞に送達されて;または(3)組換えタン
パク質の発現のためにインビトロで、投与され得る。処置される被験体は、哺乳
動物または鳥類であり得る。ヒト被験体もまた処置され得る。
この組成物の直接送達は、皮下、腹腔内、静脈内、または筋肉内の注射によっ
て、または組織の間質空間への送達のいずれかによって一般的に達成される。こ
の組成物はまた、病巣へ投与され得る。他の投与様式は、経口投与および肺投与
、坐剤、および経皮または経皮適用(例えば、WO98/20734を参照のこ
と)、針、ならびに遺伝子銃またはハイポスプレーを含む。投薬処置は、単回用
量スケジュールまたは多数回用量スケジュールであり得る。
エキソビボ送達および被験体への形質転換細胞の再移植のための方法は、当該
分野で公知であり、そして例えばWO93/14778に記載されている。エキ
ソビボ適用に有用である細胞の例は、例えば、幹細胞、特に、造血細胞、リンパ
細胞、マクロファージ、樹状細胞または腫瘍細胞を含む。
一般的に、エキソビボ適用およびインビトロ適用の両方のための核酸の送達は
、以下の手順:例えば、デキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシ
ウム沈降、ポリブレン媒介トランスフェクション、原形質融合、エレクトロポレ
ーション、ポリヌクレオチドのリポソーム内へのカプセル化、およびDNAの核
への直接の微量注入(これらはすべて当該分野で周知である)で達成され得る。
(ポリヌクレオチドおよびポリペプチドの薬学的組成物)
上記に記載の薬学的に受容可能なキャリアおよび塩に加えて、以下のさらなる
薬剤がポリヌクレオチド組成物および/またはポリペプチド組成物とともに使用
され得る。
(A.ポリペプチド)
1つの例は、限定することなく以下を包含するポリペプチドである:アシアロ
オロソムコイド(ASOR);トランスフェリン;アシアロ糖タンパク質;抗体
;抗体フラグメント;フェリチン;インターロイキン;インターフェロン;顆粒
球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子
(G−CSF)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、幹細胞因子
およびエリスロポエチン。ウイルス抗原(例えば、エンベロープタンパク質)も
また、使用され得る。また、他の侵襲性生物由来のタンパク質(例えば、RII
として知られるPlasmodium falciparumの環境スポロゾイ
ト(circumsporozoite)タンパク質由来の17アミノ酸ペプチ
ド)。
(B.ホルモン、ビタミンなど)
包含され得る他の群は、例えば、ホルモン、ステロイド、アンドロゲン、エス
トロゲン、甲状腺ホルモン、またはビタミン、葉酸である。
(C.ポリアルキレン、ポリサッカリドなど)
また、ポリアルキレングリコールが、所望のポリヌクレオチド/ポリペプチド
とともに含有され得る。好ましい実施態様において、ポリアルキレングリコール
は、ポリエチレングリコールである。さらに、モノサッカリド、ジサッカリド、
またはポリサッカリドが含有され得る。この局面の好ましい実施態様において、
このポリサッカリドは、デキストランまたはDEAEデキストランである。また
、キトサンおよびポリ(乳酸−コ−グリコリド)。
(D.脂質およびリポソーム)
所望のポリヌクレオチド/ポリペプチドはまた、被験体またはそれに由来する
細胞への送達の前に、脂質中にカプセル化され得るか、またはリポソーム中にパ
ッケージングされ得る。
脂質カプセル化は、一般的に核酸を安定に結合し得るか、または核酸を捕捉お
よび維持し得るリポソームを用いて達成される。縮合ポリヌクレオチドの脂質調
製物に対する比は、変動し得るが、一般的に約1:1(mgDNA:マイクロモ
ル脂質)であるか、または脂質がより多いかである。核酸の送達のためのキャリ
アとしてのリポソーム使用の概説については、HugおよびSleight(1
991)Biochim.Biophys.Acta.1097:1−17;S
traubinger(1983)Meth.Enzymol.101:512
−527を参照のこと。
本発明における使用のためのリポソーム調製物は、カチオン性(正に荷電した
)、アニオン性(負に荷電した)および中性の調製物を含む。カチオン性リポソ
ームは、機能的な形態で、プラスミドDNA(Felgner(1987)Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7416);m
RNA(Malone(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 86:6077−6081;および精製した転写因子(Debs(199
0)J.Biol.Chem.265:10189−10192)の細胞内送達
を媒介することが示されている。
カチオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[1−2,3−ジ
オレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTM
A)リポソームは、GIBCO BRL、Grand Island、NYから
の商標リポフェクチン(Lipofectin)の下で入手可能である(Fel
gner(前出)もまた参照のこと)。他の市販されているリポソームは、トラ
ンスフェクテース(transfectace)(DDAB/DOPE)および
DOTAP/DOPE(Boerhinger)を含む。他のカチオン性リポソ
ームは、当該分野で周知の技法を使用して、容易に利用可能な物質から調製され
得る。例えば、DOTAP(1,2−ビス(オレイルオキシ)−3−(トリメチ
ルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記載について、Szoka(19
78)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:4194−41
98;WO90/11092を参照のこと。
同様に、アニオン性および中性リポソームは、例えば、Avanti Pol
ar Lipids(Birmingham,AL)から容易に入手可能である
か、または容易に入手可能な物質を使用してたやすく調製され得る。このような
物質には、とりわけ、ホスファチジルコリン、コレステロール、ホスファチジル
エタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオ
イルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホスファチジルエ
タノールアミン(DOPE)が含まれる。これらの物質はまた、適切な比率のD
OTMAおよびDOTAPの出発物質と混合され得る。これらの物質を使用して
リポソームを作製する方法は、当該分野で周知である。
このリポソームは、多重膜のベシクル(MLV)、小さな単一膜ベシクル(S
UV)、または大きな単一膜のベシクル(LUV)を含み得る。種々のリポソー
ム−核酸複合体は当該分野で公知の方法を使用して調製される。例えば、Str
aubinger(1983)Meth.Immunol.101:512−5
27;Szoka(1978)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
75:4194−4198;Papahadjopoulos(1975)B
iochim.Biophys.Acta 394:483;Wilson(1
979)Cell 17:77);DeamerおよびBangham(197
6)Biochim.Biophys.Acta 443:629;Ostro
(1977)Biochem.Biophys.Res.Commun.76:
836;Fraley(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 76:3348);EnochおよびStrittmatter(197
9)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:145;Fral
ey(1980)J.Biol.Chem.(1980)255:10431;
SzokaおよびPapahadjopoulos(1978)Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 75:145;ならびにSchaefer−
Ridder(1982)Science 215:166を参照のこと。
(E.リポタンパク質)
さらに、リポタンパク質が、送達されるポリヌクレオチド/ポリペプチドとと
もに含まれ得る。利用されるリポタンパク質の例は、キロミクロン、HDL、I
DL、LDL、およびVLDLを含む。これらのタンパク質の変異体、フラグメ
ント、または融合物もまた、使用され得る。また、天然に存在するリポタンパク
質の改変体(例えば、アセチル化されたLDL)が使用され得る。これらのリポ
タンパク質は、リポタンパク質レセプターを発現する細胞へのポリヌクレオチド
の送達を標的化し得る。好ましくは、リポタンパク質が、送達されるポリヌクレ
オチドとともに含まれる場合、他の標的化リガンドはその組成物中には含まれな
い。
天然に存在するリポタンパク質は、脂質部分およびタンパク質部分を含む。こ
のタンパク質部分は、アポタンパク質として知られる。現在では、アポタンパク
質A、B、C、D、およびEが単離および同定されている。少なくともこれらの
うちの2つはいくつかのタンパク質を含み、ローマ数字によって、AI、AII
、AIV;CI、CII、CIIIと命名されている。
1つのリポタンパク質は、1より多くのアポタンパク質を含み得る。例えば、
天然に存在するキロミクロンはA、B、C、およびEからなり、そして時間が経
てばこれらのリポタンパク質はAアポタンパク質を欠失し、そしてCおよびEア
ポタンパク質を獲得する。VLDLは、A、B、C、およびEアポタンパク質を
含み、LDLはアポタンパク質Bを含み;そしてHDLはアポタンパク質A、C
、およびEを含む。
これらのアポタンパク質のアミノ酸は公知であり、そして例えば、Bresl
ow(1985)Annu Rev.Biochem 54:699;Law(
1986)Adv.Exp.Med.Biol.151:162;Chen(1
986)J Biol Chem 261:12918;Kane(1980)
Proc Natl Acad Sci USA 77:2465;およびUt
ermann(1984)Hum Genet 65:232に記載されている
リポタンパク質は、トリグリセリド、コレステロール(遊離およびエステル)
、およびリン脂質を含む、種々の脂質を含む。この脂質の組成は、天然に存在す
るリポタンパク質において変化する。例えば、キロミクロンは主としてトリグリ
セリドを含む。天然に存在するリポタンパク質の脂質含有物のより詳細な記載は
、例えば、Meth.Enzymol.128(1986)に見いだされ得る。
この脂質の組成は、レセプター結合活性についてアポタンパク質の立体構造にお
いて補助するために選択される。脂質組成はまた、ポリヌクレオチド結合分子と
の疎水性相互作用および会合を容易にするように選択され得る。
天然に存在するリポタンパク質は、例えば、血清から超遠心分離によって単離
され得る。そのような方法は、Meth.Enzymol.(前出);Pita
s(1980)J.Biochem.255:5454−5460およびMah
ey(1979)J Clin.Invest 64:743−750に記載さ
れる。リポタンパク質はまた、インビトロまたは所望の宿主細胞中のアポタンパ
ク質遺伝子の発現による組換え方法によって産生され得る。例えば、Atkin
son(1986)Annu Rev Biophys Chem 15:40
3およびRadding(1958)Biochim Biophys Act
a 30:443を参照のこと。リポタンパク質はまた、Biomedical
Techniologies,Inc.,Stoughton,Massac
husetts,USAのような商業的な供給者から購入され得る。さらなるリ
ポタンパク質の記載は、Zuckermannら、PCT/US97/1446
5に見い出され得る。
(F.ポリカチオン性薬剤)
ポリカチオン性薬剤は、送達される所望のポリヌクレオチド/ポリペプチドを
有する組成物中に、リポタンパク質を伴って、またはリポタンパク質を伴わずに
含まれ得る。
ポリカチオン性薬剤は、代表的には、生理的に適切なpHにおいて正味の正電
荷を示し、そして所望の位置への送達を容易にするために核酸の電荷を中和し得
る。これらの薬剤は、インビトロ、エキソビボ、およびインビボ適用のいずれも
を有する。ポリカチオン性薬剤は、生きている被験体に、筋肉内、皮下などのい
ずれかで核酸を送達するために使用され得る。
以下は、ポリカチオン性薬剤として有用なポリペプチドの例である:ポリリジ
ン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、およびプロタミン。他の例は、ヒストン
、プロタミン、ヒト血清アルブミン、DNA結合タンパク質、非ヒストン染色体
タンパク質、DNAウイルス由来のコートタンパク質(例えば、X174)を含
む。転写因子もまた、DNAに結合するドメインを含み、従って核酸縮合薬剤と
して有用であり得る。手短に言えば、転写因子(例えば、C/CEBP、c−j
un、c−fos、AP−1、AP−2、AP−3、CPF、Prot−1、S
p−1、Oct−1、Oct−2、CREP、およびTFIID)は、DNA配
列に結合する塩基性ドメインを含む。
有機ポリカチオン性薬剤は、スペルミン、スペルミジン、およびプトレシン(
purtrescine)を含む。
ポリカチオン性薬剤の大きさおよびその物理的特性は、上記の表から外挿され
て、他のポリペプチドポリカチオン性薬剤が構築され得るか、または合成ポリカ
チオン性薬剤が産生され得る。
有用な合成ポリカチオン性薬剤は、例えば、DEAE−デキストラン、ポリブ
レンを含む。LipofectinTM、およびlipofectAMINETM
、ポリヌクレオチド/ポリペプチドと組み合わせた場合にポリカチオン性複合体
を形成するモノマーである。
(免疫診断アッセイ)
本発明のNeisseria抗原は、抗体レベルを検出するためのイムノアッ
セイにおいて使用され得る(または、逆に抗Neisseria抗体は抗原レベ
ルを検出するために使用され得る)。充分に規定された組換え抗原に基づくイム
ノアッセイは、侵襲性の診断方法と置き換えるために開発され得る。生物学的サ
ンプル(例えば、血液サンプルまたは血清サンプルを含む)内のNeisser
iaタンパク質に対する抗体が検出され得る。このイムノアッセイの設計は、多
くのバリエーションの対象であり、そして種々のこれらは当該分野で公知である
。イムノアッセイのプロトコルは、例えば、競合アッセイ、または直接反応アッ
セイ、またはサンドイッチ型アッセイに基づき得る。プロトコルはまた、例えば
、固体支持体を使用し得、または免疫沈降によってなされ得る。ほとんどのアッ
セイは、標識された抗体またはポリペプチドの使用を含み、その標識は、例えば
、蛍光分子、化学発光分子、放射性分子、または色素分子であり得る。プローブ
からのシグナルを増幅するアッセイもまた公知である;これらの例は、ビオチン
およびアビジンを利用するアッセイ、ならびに酵素標識および酵素媒介イムノア
ッセイ(例えば、ELASAアッセイ)である。
免疫診断に適切でありそして適切な標識試薬を備えるキットは、適切な容器中
に、アッセイの実行に必要とされる残りの試薬および物質(例えば、適切な緩衝
液、塩溶液など)ならびに適切なアッセイのセットの説明書と共に、本発明の組
成物を含む適切な物質を詰めることによって構築される。
(核酸ハイブリダイゼーション)
「ハイブリダイゼーション」とは、水素結合により2つの核酸配列が互いに会
合することをいう。代表的には、1つの配列は、固体支持体に固定され、そして
他方は溶液中で遊離している。次いで、2つの配列を水素結合に好ましい条件下
で互いに接触させる。この結合に影響を与える因子は以下を含む:溶媒のタイプ
および容量;反応温度;ハイブリダイゼーションの時間;撹拌;液体相の配列の
固体支持体への非特異的な付着をブロックする薬剤(Denhardt’s試薬
またはBLOTTO);配列の濃縮;配列の会合の速度を増大させる化合物(硫
酸デキストランまたはポリエチレングリコール)の使用;およびハイブリダイゼ
ーション後の洗浄条件のストリンジェンシー。Sambrookら(前出)第2
巻、第9章、9.47〜9.57頁を参照のこと。
「ストリンジェンシー」とは、異なる配列よりも非常に類似する配列の会合に
好ましいハイブリダイゼーション反応における条件をいう。例えば、研究中のハ
イブリッドの計算されたTmより約120〜200℃低い、温度および塩濃度の
組み合わせが選択されるべきである。温度および塩条件はしばしば、フィルター
に固定したゲノムDNAのサンプルが目的の配列にハイブリダイズし、次いで異
なるストリンジェンシーの条件下で洗浄される、予備的な実験において経験的に
決定され得る。Sambrookら、9.50頁を参照のこと。
例えば、サザンブロットを行う場合、考慮する変数は、(1)ブロットされる
DNAの複雑さ、および(2)プローブおよび検出される配列の間の相同性であ
る。研究されるフラグメントの全量は、プラスミドまたはファージ消化物につい
ての0.1〜1μgから、高度に複雑な真核生物ゲノム中の単一コピーについて
は10-9〜10-8gまで、10倍変化し得る。より低い複雑さのポリヌクレオチ
ドについては、実質的により短いブロッティング、ハイブリダイゼーション、お
よび曝露時間、より少量の出発ポリヌクレオチド、およびより低い比活性のプロ
ーブが使用され得る。例えば、単一コピーの酵母遺伝子は、1μgの酵母DNA
を用いて開始し、2時間ブロットし、そして4〜8時間108cpm/μgのプ
ローブを用いてハイブリダイズして、わずか1時間の曝露時間を用いて検出され
得る。単一コピーの哺乳動物遺伝子について、保守的なアプローチは、10μg
のDNAを用いて開始し、一晩ブロットし、そして108cpm/μgより多い
プローブを用いて10%硫酸デキストランの存在下で一晩ハイブリダイズし、約
24時間露光時間を生じる。
いくつかの因子が、プローブと目的のフラグメントとの間のDNA−DNAハ
イブリッドの融解温度(Tm)、ならびに、結果として、ハイブリダイゼーショ
ンおよび洗浄についての適切な条件に影響を与え得る。多くの場合において、そ
のプローブはフラグメントに対して100%相同なわけではない。他の共通して
直面する変化には、ハイブリダイズする配列の長さおよび全G+C含量、ならび
にイオン強度およびハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミド含量が含まれ
る。これらのすべての因子の効果は、一つの式によって近似され得る:
Tm=81+16.6(log10Ci)+0.4[%(G+C)]−0.6
(%ホルムアミド)−600/n−1.5(%ミスマッチ)。
ここでCiは塩濃度(一価イオン)であり、およびnは塩基対内のハイブリッド
の長さである(MeinkothおよびWahl(1984)Anal.Bio
chem.138:267〜284からわずかに改変した)。
ハイブリダイゼーション実験の設計において、核酸ハイブリダイゼーションに
影響を与えるいくつかの因子が簡便に変更され得る。ハイブリダイゼーションお
よび洗浄の温度ならびに洗浄の間の塩濃度を調整するのが最も単純である。ハイ
ブリダイゼーション温度(すなわち、ストリンジェンシー)が上昇するにつれて
、非相同的な鎖の間で起こるハイブリダイゼーションは起こりにくくなるようで
あり、結果として、バックグラウンドが減少する。放射標識したプローブが固定
化されたフラグメントと完全に相同ではない場合(遺伝子ファミリーおよび種間
のハイブリダイゼーション実験における場合で頻繁であるように)、ハイブリダ
イゼーション温度は低下されなければならず、そしてバックグラウンドが増大す
る。洗浄の温度は、類似の様式で、ハイブリダイゼーションバンドの強度、およ
びバックグラウンドの程度に影響を与える。洗浄のストリンジェンシーはまた、
塩濃度の減少とともに増大する。
一般的に、50%ホルミアミドの存在下で都合よいハイブリダイゼーション温
度は、標的フラグメントに95%〜100%相同であるプローブについて42℃
、90%〜95%相同性では37℃、および85%〜90%相同性については3
2℃である。より低い相同性については、上記の式を用いて、適切にホルムアミ
ド含量が低減され、そして温度が調整されるべきである。プローブと標的フラグ
メントとの間の相同性が未知である場合、最も単純なアプローチは、ともにスト
リンジェントではないハイブリダイゼーション条件および洗浄条件で開始するこ
とである。オートラジオグラフィー後に非特異的バンドまたは高いバックグラウ
ンドが観察される場合、フィルターは高ストリンジェンシーで洗浄され得、そし
て再び露光され得る。露光のために必要な時間がこのアプローチを非実用的にす
る場合、いくつかのハイブリダイゼーションおよび/または洗浄ストリンジェン
シーが並行して試験されるべきである。
(核酸プローブアッセイ)
本発明に従う核酸プローブを利用する、PCR、分枝DNAプローブアッセイ
、またはブロッティング技術のような方法は、cDNAまたはmRNAの存在を
決定し得る。プローブは、検出されるに十分に安定な、二重鎖または二本鎖複合
体を形成し得る場合に、本発明の配列に「ハイブリダイズする」といわれる。
核酸プローブは、本発明のNeisseriaヌクレオチド配列(センス鎖お
よびアンチセンス鎖の両方を含む)にハイブリダイズする。多くの異なるヌクレ
オチド配列がアミノ酸配列をコードするが、ネイティブなNeisseria配
列は、細胞に存在する実際の配列であるので、好ましい。mRNAは、コード配
列を表し、従ってプローブはコード配列に相補的であるべきであり、一本鎖cD
NAはmRNAに相補的であり、従ってcDNAプローブは非コード配列に相補
的であるべきである。
プローブ配列はNeisseria配列(またはその相補物)に同一である必
要はない。核酸プローブが標的ヌクレオチドと検出され得る二重鎖を形成し得る
場合、配列および長さのいくらかの変動は、アッセイの感受性の増加をもたらし
得る。また、核酸プローブは、形成された二重鎖を安定化するためにさらなるヌ
クレオチドを含み得る。さらなるNeisseria配列もまた、形成された二
重鎖を検出するための標識として役立ち得る。例えば、非相補的ヌクレオチド配
列が、そのプローブの5’末端に付着され得、ここでそのプローブ配列の残りは
Neisseria配列に相補的である。あるいは、プローブ配列が、Neis
seria配列とハイブリダイズし、そしてそれによって検出され得る二重鎖を
形成するためにNeisseria配列との十分な相補性を有する場合、非相補
的塩基またはより長い配列が、プローブ中に分散され得る。
プローブの正確な長さおよび配列は、ハイブリダイゼーション条件(例えば、
温度、塩条件など)に依存する。例えば、診断的適用については、分析物の配列
の複雑さに依存して、核酸プローブは、代表的には、少なくとも10〜20ヌク
レオチド、好ましくは15〜25、そしてより好ましくは少なくとも30ヌクレ
オチドを含むが、これよりも短くもあり得る。短いプライマーは、一般的には、
鋳型との十分に安定なハイブリッド複合体を形成するのにより低い温度を必要と
する。
プローブは、合成的手順(例えば、Matteucciらのトリエステル法、
(J.Am.Chem.Soc.(1981)103:3185)、またはUr
deaら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1983)80:
7461)に従って、または市販の自動オリゴヌクレオチド合成機を使用して、
生成され得る。
プローブの化学的性質は、優先度に従って選択され得る。特定の適用について
は、DNAまたはRNAが適切である。他の適用については、改変(例えば、ホ
スホロチオエートまたはメチルホスホネートのようなバックボーンの改変)が組
み込まれ得、インビボの半減期を増大させるため、RNA親和性を変化させるた
め、ヌクレアーゼ耐性などを増大させるために使用され得る(例えば、Agra
walおよびIyer(1995)Curr Opin Biotechnol
6:12−19;Agrawal(1996)TIBTECH 14:376
−387を参照のこと);ペプチド核酸のようなアナログもまた使用され得る(
例えば、Corey(1997)TIBTECH 15 224−229;Bu
chardtら(1993)TIBTECH 11:384−386を参照のこ
と)。
あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、少量の標的核酸を検出する別
の周知の手段である。そのアッセイは、Mullisら、(Meth.Enzy
mol.(1987)155:335−350);米国特許第4,683,19
5号および同第4,683,202号に記載されている。2つの「プライマー」
ヌクレオチドは、標的核酸とハイブリダイズし、そして反応を開始するために使
用される。このプライマーは、増殖標的(またはその相補物)の配列にハイブリ
ダイズしない、二重鎖の安定性を補助するための、または、例えば、都合のよい
制限部位を組み込むための配列を含み得る。代表的には、このような配列は、所
望のNeisseria配列に隣接する。
熱安定性のポリメラーゼは、もともとの標的核酸を鋳型として使用して、プラ
イマーから標的核酸のコピーを作製する。標的核酸の閾値量がポリメラーゼによ
って産生された後、それらはより従来的な方法(例えば、サザンブロット)によ
って検出され得る。サザンブロット法を使用する場合、標識されたプローブは、
Neisseria配列(またはその相補物)にハイブリダイズする。
また、mRNAまたはcDNAは、Sambrookら(前出)に記載される
、従来的なブロッティング技術によって検出され得る。mRNA、またはmRN
Aからポリメラーゼ酵素を使用して生成されたcDNAは、ゲル電気泳動を使用
して精製および分離され得る。次いで、ゲル上のこの核酸は、ニトロセルロース
のような固体支持体にブロットされる。この固体支持体は、標識されたプローブ
に曝露され、次いですべてのハイブリダイズしていないプローブを洗浄して除去
する。次に、標識プローブを含む二重鎖を検出する。代表的には、そのプローブ
は、放射活性部分で標識される。
(実施例)
本実施例は、N.meningitidisで同定された核酸配列を、それら
の推定の翻訳産物と共に記載する。すべての核酸配列が完全なわけではなく、す
なわち、それらは、全長の野生型タンパク質より短い配列をコードする。現在、
本明細書に記載されるDNA配列のいずれもN.gonorrhoeaeの有意
なホモログを有するとは考えられていない。
本実施例は一般的には以下の様式である:
・N.meningitidis(B株)において同定されたヌクレオチド配

・この配列の推定の翻訳産物
・データベースの比較に基づく翻訳産物のコンピューター分析
・N.meningitidis(A株)において同定された対応する遺伝子
およびタンパク質配列
・適切に抗原性であることを示すタンパク質の性質の記載
・生化学的分析の結果(発現、精製、ELISA、FACSなど)。
本実施例は、代表的には種および株の間の配列同一性の詳細を含む。配列にお
いて類似のタンパク質は、一般的に構造および機能の両方において類似し、そし
て配列相同性はしばしば、共通の進化の起源を示す。公知の機能のタンパク質の
配列との比較は、新しい配列に対する推定のタンパク質の機能の割り当てのため
の指針として広く使用され、そして、特に全ゲノム分析において有用であること
が証明されている。
配列比較を、BLAST、BLAST2、BLASTn、BLASTp、tB
LASTn、BLASTx、およびtBLASTxの各アルゴリズム(例えば、
Altschulら、(1997)Gapped BLAST and PSI
−BLAST:a new generaion of protein da
tabase search programs.Nucleic Acids
Research 25:2289−3402もまた参照のこと)を使用して
、NCBI(http://www.ncbi.nlm.nih.gov)で行
った。検索を、以下のデータベースに対して行った:縮重しないGenBank
+EMBL+DDBJ+PDB配列および縮重しないGenBank CDS
翻訳物+PDB+SwissProt+SPupdate+PIR配列。
ヌクレオチド配列中のドット(例えば、実施例12中の288位)は、リーデ
ィングフレームを維持するために任意に導入したヌクレオチドを示す。同様に、
二重下線を付したヌクレオチドを取り除いた。小文字(例えば、実施例12の5
89位)は、独立した配列決定反応のアラインメントの間に生じたあいまいさを
示す(本実施例におけるヌクレオチド配列のいくつかは2つ以上の実験の結果を
合わせて得られる)。
ヌクレオチド配列を全部で6つのリーディングフレームで走査して、Espo
stiら(Critical evaluation of the hydr
opathy of membrane proteins(1990)Eur
J Biochem 190:207−219)の統計学的な研究に基づくア
ルゴニズムを用いて、疎水性ドメインの存在を予測した。これらのドメインは、
潜在的な膜貫通領域または疎水性リーダー配列を表す。
オープンリーディングフレームを、プログラムORFFINDER(NCBI
)を使用して、フラグメント化されたヌクレオチド配列から予測した。
下線を付したアミノ酸配列は、PSORTアルゴリズム(http://ww
w.psort.nibb.ac.jp)によって予測される、ORF中の可能
な膜貫通ドメインまたはリーダー配列を示す。機能的なドメインもまた、MOT
IFSプログラム(GCG WisconsinおよびPROSITE)を使用
して予測した。
種々の試験を使用して、本実施例で同定されたタンパク質のインビボの免疫原
性を評価し得る。例えば、そのタンパク質は、組換え的に発現され得、そしてイ
ムノブロットによって患者の血清をスクリーニングするために使用し得る。タン
パク質と患者の血清との間の陽性反応は、この患者が以前に問題のタンパク質に
対する免疫応答を引き起こしたことを示す(すなわち、このタンパク質は免疫原
である)。この方法はまた、免疫優性タンパク質を同定するために使用され得る
この組み換えタンパク質をまた、例えばマウスで抗体を調製するために簡便に
使用し得る。タンパク質が細胞表面に局在することの直接的な確認のために、こ
れらを使用し得る。標識された抗体(例えば、FACSのための蛍光標識)をイ
ンタクトな細菌とインキュベートし得、そして細菌表面における標識の存在がこ
のタンパク質の局在を確認する。
特に、以下の方法(A)〜(S)を使用して、本発明のタンパク質の発現、精
製、および生化学的特徴付けを行った。
(A.染色体DNA調製)
N.meningitidis株2996を、100mlのGC培地中で対数
増殖期まで増殖させ、遠心分離によって収集し、そして5ml緩衝液(20%ス
クロース、50mM Tris−HCl、50mM EDTA、pH8)に再懸
濁した。氷上で10分間インキュベーションした後、その細菌を10ml溶解溶
液(50mM NaCl、1% Na−サルコシル、50μg/ml プロテイ
ナーゼK)の添加によって溶菌し、そしてその懸濁液を37℃で2時間インキュ
ベートした。2回のフェノール抽出(pH8に平衡化)および1回のクロロホル
ム/イソアミルアルコール(24:1)抽出を行った。DNAを、0.3M 酢
酸ナトリウムおよび2容量のエタノールの添加によって沈殿させ、そして遠心分
離によって収集した。ペレットを、70%エタノールで1回洗浄し、そして4m
l緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA、pH8)に再溶解
した。DNA濃度を、260nmにおけるODを読みとることによって測定した
(B.オリゴヌクレオチド設計)
合成オリゴヌクレオチドプライマーを、(a)利用可能な場合にはmenin
gococcusB配列、または(b)gonococcus/meningo
coccusA配列を使用して、必要に応じて、meningococcusの
好ましいコドン使用頻度に適合させて、各々のORFのコード配列に基づいて設
計した。予測されるリーダー配列の直後の下流の5’末端増幅プライマー配列を
推定することによって、任意の予測されるシグナルペプチドを除外した。
5’プライマーは2つの制限酵素部位を含んだ(その遺伝子自体の制限パター
ンに依存して、BamHI−NdeI、BamHI−NheI、またはEcoR
I−NheI);3’プライマーは、XhoI制限部位を含んだ。この手順を、
各々の増幅産物(各々のORFに一致する)のクローニングを2つの異なる発現
系:pGEX−KG(BamHI−XhoIまたはEcoRI−XhoIのいず
れかを使用する)、およびpET21b+(NdeI−XhoIまたはNheI
−XhoIのいずれかを使用する)に指向させるために確立した。
5’末端プライマーテイル:CGCGGATCCCATATG (Bam
HI−NdeI)
CGCGGATCCGCTAGC (Bam
HI−NheI)
CCGGAATTCTAGCTAGC (Eco
RI−NheI)
3’末端プライマーテイル: CCCGCTCGAG (XhoI
)。
制限酵素認識配列を含むのと同様に、プライマーは、増幅される配列にハイブ
リダイズするヌクレオチドを含んだ。ハイブリダイズするヌクレオチドの数は、
プライマー全体の融解温度に依存し、そして各々のプライマーについて以下の式
を使用して決定した:
m=4(G+C)+2(A+T)
(テイルを除外)
m=64.9+0.41(%GC)−600/N
(プライマー全体)
選択したオリゴの平均融解温度は、オリゴ全体について65〜70℃であり、そ
してハイブリダイズ領域単独では50〜55℃であった。
表1は、各増幅のために使用される正方向および逆方向のプライマーを示す。
Perkin Elmer 394 DNA/RNA合成機によってオリゴを合
成し、2mlのNH4OH中でカラムから溶出し、そして56℃での5時間のイ
ンキュベートにより脱保護した。このオリゴを0.3M 酢酸ナトリウムおよび
2容量のエタノールの添加によって沈殿させた。次に、このサンプル遠心分離し
、そしてそのペレットを100μlまたは1mlの水のいずれかに再懸濁した。
OD260を、Perkin Elmer Lambda Bio分光光度計を使
用して決定し、濃度を決定し、そして2〜10pmol/μlに調整した。
(C.増幅)
標準PCRプロトコールは、以下のとおりである:50〜200ngのゲノム
DNAを、20〜40μMの各オリゴ、400〜800μMのdNTPs溶液、
1×PCR緩衝液(1.5mM MgCl2を含む)、2.5単位のTaqI
DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer AmpliTaq、GIBC
O Platinum、Pwo DNAポリメラーゼ、またはTakara S
huzo Taqポリメラーゼを使用する)の存在下でテンプレートとして使用
した。
いくつかの場合において、PCRを10μlのDMSOまたは50μlの2M
ベタインの添加によって最適化した。
ホットスタート(全混合物を95℃で予め3分間インキュベーションしている
間にポリメラーゼを添加する)の後に、各サンプルに二工程増幅を行った:最初
の5サイクルを、制限酵素のテールを除く1つのオリゴのハイブリダイゼーショ
ン温度を使用して行い、次にオリゴ全長のハイブリダイゼーション温度に従って
30サイクルを行った。このサイクルの次に、72℃で最後の10分間の伸長工
程を行った。
標準サイクルは、以下のとおりである:
変性 ハイブリダイゼーション 伸長
最初の5サイクル 30秒 30秒 30〜60秒
95℃ 50〜55℃ 72℃
最後の30サイクル 30秒 30秒 30〜60秒
95℃ 65〜70℃ 72℃
伸長時間は、増幅されるORFの長さに従って変化する。
増幅を9600または2400のいずれかのPerkin Elmer Ge
neAmp PCRシステムを使用して行った。結果を確認するために、増幅容
量の1/10を1〜1.5%アガロースゲルにロードし、そして各増幅フラグメ
ントのサイズをDNA分子量マーカーと比較した。
増幅したDNAを、1%アガロースゲルに直接ロードしたか、またはまずエタ
ノール沈殿し、そして適切な容量に再懸濁し、1%アガロースゲルにロードした
。次に、正確なサイズのバンドに対応するDNAフラグメントを、Qiagen
Gel Extraction Kitを使用し、製造業者の指示に従い、ゲ
ルから溶出して精製した。DNAフラグメントの最終容量は、水または10mM
Tris、pH8.5の、30μlまたは50μlのいずれかであった。
(D.PCRフラグメントの切断)
増幅フラグメントに対応する精製DNAを2つのアリコートに分け、そして以
下を用いて二重に消化した:
−pET−21b+へのクローニングおよびC末端His−タグ融合物としての
タンパク質のさらなる発現のためのNdeI/XhoIまたはNheI/Xho

−pGEX−KGへのクローニングおよびN末端GST融合物としてのタンパク
質のさらなる発現のためのBamHI/XhoIまたはEcoRI/XhoI
−pGex−HisへのクローニングおよびN末端His−タグ融合物としての
タンパク質のさらなる発現のためのEcoRI/PstI、EcoRI/Sal
I、SalI/PstI。
各精製DNAフラグメントを、各制限酵素(New England Bio
labs)20単位を用い、適切な緩衝液の存在下の30または40μlのいず
れかの最終容量中で、インキュベートした(37℃で3時間〜オーバーナイト)
。次に、消化産物をQIAquick PCR精製キットを使用して、製造業者
の指示に従い、精製し、そして、水または10mM Tris−HCl(pH8
.5)のいずれかの30または50μlの最終容量中で溶出した。最終DNA濃
度を、適定した分子量マーカーの存在下での1%アガロースゲル電気泳動によっ
て決定した。
(E)クローニングベクター(pET22B、pGEX−KG、pTRC−H
isA、およびpGex−His)の消化)
10μgのプラスミドを、適切な緩衝液の存在下で、200μlの反応容量中
で、50単位の各制限酵素を用いて、37℃で一晩のインキュベーションで2重
に消化した。消化物全体を1%アガロースゲルにロードした後に、消化したベク
ターに対応するバンドを、Qiagen QIAquick Gel Extr
action Kitを使用してゲルから精製し、そのDNAを50μlの10
mM Tris−HCl(pH8.5)中に溶出した。DNA濃度をサンプルの
OD260を測定することにより評価し、そして50μg/μlに調整した。1μ
lのプラスミドを、各クローニング手順に使用した。
ベクターpGEX−Hisは、トロンビン切断部位の上流に6つのヒスチジン
残基をコードする領域を有し、ベクターpTRC99(Pharmacia)の
多重クローニング部位を含有する改変したpGEX−2Tベクターである。
(F)クローニング)
以前に消化して精製した各ORFに対応するフラグメントを、pET22bお
よびpGEX−KGの両方にライゲーションした。最終容量20μl中で、分子
比3:1のフラグメント/ベクターを、0.5μlのNEB T4 DNAリガ
ーゼ(400単位/μl)を使用して、製造業者から供給された緩衝液の存在下
でライゲーションした。この反応物を、室温で3時間、インキュベートした。い
くつかの実験において、ライゲーションを、Boheringerの「Rapi
d Ligation Kit」を使用して、製造業者の指示に従い、行った。
適切な株に組換えプラスミドを導入するために、100μlのE.coli
DH5コンピテント細胞を、リガーゼ反応溶液とともに、40分間氷上でインキ
ュベートし、次に、37℃で3分間インキュベートし、次に、800μlのLB
ブロスを添加した後、再度37℃で20分間インキュベートした。次に細胞を、
Eppendorfの微量遠心機において最大速度で遠心分離し、そして約20
0μlの上清に再懸濁した。次に、その懸濁物をLBアンピシリン(100mg
/ml)上にプレーティングした。
組換えクローンのスクリーニングを、無作為に選択した5つのコロニーを、1
00μg/mlのアンピシリンを加えた2ml(pGEXまたはpTCクローン
)または5ml(pETクローン)のLBブロスのいずれかにおいて37℃で一
晩増殖させて、行った。次に、細胞をペレットにして、Qiagen QIAp
rep Spin Miniprep Kitを使用し、製造業者の指示に従い
、DNAを最終容量30μlに抽出した。各々個々のミニプレップ(約1g)の
5μlを、NdeI/XhoIまたはBamHI/XhoIのいずれかを用いて
消化し、そして全消化物を、1〜1.5%アガロースゲル(予想インサートのサ
イズに依存する)に、分子量マーカー(1Kb DNA Ladder、GIB
CO)と並行してロードした。陽性クローンのスクリーニングを、正確なインサ
ートのサイズに基づいて行った。
(G)発現)
発現ベクターにクローニングした各ORFを、組換えタンパク質産物の発現に
適切な株に形質転換した。各構築物の1μlを使用して、30μlのE.col
i BL21(pGEXベクター)、E.coli TOP10(pTRCベク
ター)またはE.coli BL21−DE3(pETベクター)を、上記のよ
うに形質転換した。pGEX−Hisベクターの場合、同一のE.coli株(
W3110)を初期のクローニングおよび発現のために使用した。単一の組換え
コロニーを2mlのLBおよびアンピシリン(100μg/ml)に接種し、3
7℃で一晩インキュベートし、次に、100mlのフラスコ中で20mlのLB
およびアンピシリン(100μg/ml)中に1:30で希釈した(OD600
範囲が0.1〜0.15の間であることを確認する)。このフラスコをODが発
現の誘導に適切な指数増殖期を示すまで(pETおよびpTRCベクターについ
て、0.4〜0.8 OD;pGEXおよびpGEX−Hisベクターについて
0.8〜1 OD)、回転型水浴振とう機中で30℃でインキュベートした。p
ET、pTRCおよびpGEX−Hisベクターについて、タンパク質の発現を
1mM IPTGの添加によって誘導し、一方、pGEX系の場合、IPTGの
最終濃度は、0.2mMであった。30℃での3時間のインキュベーションの後
、サンプルの最終濃度を、ODによって確認した。発現を確認するために、1m
lの各サンプルを取り出し、微量遠心機で遠心分離し、ペレットをPBS中で再
懸濁し、そしてクマシーブルー染色を用いる12% SDS−PAGEによって
分析した。全サンプルを6000gで遠心分離し、そしてペレットをさらなる使
用のためにPBS中に再懸濁した。
(H)GST融合タンパク質の大規模精製)
単一のコロニーをLBおよびアンピシリンアガープレート上で37℃で一晩増
殖させた。細菌を、水浴振とう機中の20mlのLBおよびアンピシリン液体培
養物中に接種し、一晩増殖させた。細菌を、600mlの新鮮な培地中に1:3
0に希釈し、最適な温度(20〜37℃)でOD5500.8〜1まで増殖させた
。タンパク質の発現を0.2mMのIPTGを用いて誘導し、続いて、3時間イ
ンキュベートした。培養物を8000rpmで4℃で遠心分離した。上清を捨て
、細菌のペレットを7.5mlの冷PBS中に懸濁した。この細胞を、Bran
son sonifier B−15を使用し、氷上で、30秒間、40Wで超
音波処理して、破砕し、2回凍結融解して、再度遠心分離した。この上清を回収
し、150μlのグルタチオン−Sepharose 4B樹脂(Pharma
cia)(前もってPBSで洗浄)と混合し、室温で30分間インキュベートし
た。このサンプルを700gで5分間4℃で遠心分離した。この樹脂を10ml
の冷PBSを用いて、10分間、2回洗浄し、1mlの冷PBSに再懸濁し、そ
して使い捨てカラムにロードした。この樹脂をフロースルーが0.02〜0.0
6のOD280に到達するまで2mlの冷PBSで2回洗浄した。GST融合タン
パク質を、700μlの冷グルタチオン溶出緩衝液(10mM 還元グルタチオ
ン、50mM Tris−HCl)の添加によって溶出し、そして画分をOD28
0が0.1になるまで回収した。各画分の21μlを、Biorad SDS−
PAGE Molecular weight standard broad
range(M1)(200、116.25、97.4、66.2、45、3
1、21.5、14.4、6.5kDa)またはAmersham Rainb
ow Marker(M2)(220、66、46、30、21.5、14.3
kDa)のいずれかを標準として使用する12%SDSゲル上にロードした。G
STの分子量が26kDaなので、この値を各GST融合タンパク質の分子量に
添加しなければならない。
(I)His−融合物の溶解度分析)
His融合発現産物の溶解度を分析するために、3ml培養物のペレットを、
緩衝液M1[500μl PBS pH7.2]中に再懸濁した。25μlのリ
ゾチーム(10mg/ml)を添加し、細菌を15分間、4℃でインキュベート
した。このペレットを、Branson sonifier B−15を使用し
、40Wで30秒間、超音波処理して、2回凍結融解して、次いで再度、遠心分
離工程によってペレットと上清に分離した。この上清を回収し、そしてこのペレ
ットを緩衝液M2[8M 尿素、0.5M NaCl、20mM イミダゾール
および0.1M NaH2PO4]に再懸濁し、4℃で3〜4時間、インキュベー
トした。遠心分離の後、上清を回収し、そしてペレットを緩衝液M3[6M グ
アニジニウム−HCl、0.5M NaCl、20mM イミダゾールおよび0
.1M NaH2PO4]に4℃、一晩再懸濁した。全工程からの上清を、SDS
−PAGEで分析した。
(J)His−融合物の大規模精製)
単一のコロニーをLBおよびアンピシリンアガープレート上で37℃で一晩増
殖させた。細菌を、20mlのLBおよびアンピシリン液体培養物中に接種し、
水浴振とう機中で一晩インキュベートした。細菌を、600mlの新鮮な培地中
に1:30に希釈し、最適な温度(20〜37℃)でOD550が0.6〜0.8
まで増殖させた。タンパク質の発現を1mMのIPTGの添加によって誘導し、
そして、培養物をさらに3時間インキュベートした。培養物を4℃で8000r
pm、遠心分離した。上清を捨て、細菌のペレットを7.5mlの(i)可溶性
タンパク質について冷緩衝液A(300mM NaCl、50mM リン酸緩衝
液、10mM イミダゾール、pH8)、または(ii)不溶性タンパク質につ
いて緩衝液B(尿素8M、10mM Tris−HCl、100mM リン酸緩
衝液、pH8.8)中に懸濁した。
この細胞を、Branson sonifier B−15を使用し、氷上で
、30秒間、40Wで超音波処理して、破砕し、2回凍結融解して、そして再度
遠心分離した。
不溶性タンパク質について、上清を−20℃に保存し、一方、ペレットを2m
lの緩衝液C(6M 塩酸グアニジン、100mM リン酸緩衝液、10mM
Tris―HCl、pH7.5)に再懸濁し、そしてホモジナイザーで10サイ
クル処理した。この産物を13000rpmで40分間遠心分離した。
上清を回収し、150μlのNi2+−樹脂(Pharmacia)(適切なよ
うに、緩衝液Aまたは緩衝液Bのいずれかで前もって洗浄する)と混合し、30
分間、穏やかな撹拌をしながら、室温でインキュベートした。このサンプルを4
℃で5分間、700gで遠心分離した。この樹脂を10mlの緩衝液AまたはB
を用いて10分間、2回洗浄し、1mlの緩衝液AまたはB中に再懸濁し、使い
捨てカラムにロードした。この樹脂を、(i)2mlの冷緩衝液Aを用いて4℃
で、または(ii)2mlの緩衝液Bを用いて室温でのいずれかで、フロースル
ーが0.02〜0.06のOD280に達するまで洗浄した。
この樹脂を、(i)2mlの冷20mMのイミダゾール緩衝液(300mM
NaCl、50mM リン酸緩衝液、20mM イミダゾール、pH8)、また
は(ii)緩衝液D(尿素8M、10mM Tris−HCl、100mM リ
ン酸緩衝液、pH6.3)のいずれかで、フロースルーが0.02〜0.06の
OD280に達するまで洗浄した。このHis−融合タンパク質を、700μlの
(i)冷溶出緩衝液A(300mM NaCl、50mM リン酸緩衝液、25
0mM イミダゾール、pH8)、または(ii)溶出緩衝液B(尿素8M、1
0mM Tris−HCl、100mM リン酸緩衝液、pH4.5)のいずれ
かの添加によって溶出し、OD280が0.1になるまで、画分を回収した。21
μlの各画分を、12%SDSゲルにロードした。
(K)His−融合タンパク質の再生)
10%グリセロールを、変性タンパク質に添加した。次にこのタンパク質を透
析緩衝液I(10%グリセロール、0.5M アルギニン、50mM リン酸緩
衝液、5mM 還元型グルタチオン、0.5mM 酸化型グルタチオン、2M
尿素、pH8.8)を使用して20μg/mlまで希釈し、同じ緩衝液に対して
、4℃で12〜14時間透析した。このタンパク質をさらに透析緩衝液II(1
0%グリセロール、0.5M アルギニン、50mM リン酸緩衝液、5mM
還元型グルタチオン、0.5mM 酸化型グルタチオン、pH8.8)に対して
4℃で12〜14時間透析した。タンパク質濃度を、以下の式を用いて推定した

タンパク質(mg/ml)=(1.55×OD280)−(0.76×OD260)。
(L)His−融合物の大規模精製)
500mlの細菌培養物を誘導し、そして融合タンパク質を、上記の手順を使
用して、緩衝液M1、M2またはM3中で可溶化した。細菌の粗抽出物を、この
融合タンパク質の可溶化緩衝液に依存して、緩衝液M1、M2またはM3を用い
て平衡化したNi−NTAスーパーフローカラム(Qiagen)上にロードし
た。結合しない物質を、カラムを同一の緩衝液で洗浄することにより溶出した。
対応する500mMのイミダゾールを含有する緩衝液を用いて、特異的なタンパ
ク質を溶出し、イミダゾールを含有しない対応する緩衝液に対して、透析した。
各操作の後、このカラムを、少なくとも2カラム容量の0.5M 水酸化ナトリ
ウムを用いて洗浄することにより、消毒し、次の使用の前に再度平衡化した。
(M)マウスの免疫化)
20μgの各精製タンパク質を使用して、マウスの腹腔内で免疫した。ORF
44の場合、CD1マウスを、Al(OH)3をアジュバントとして用いて、1
、21および42日目に免疫し、そして56日目に採取したサンプルにおける免
疫応答をモニターした。ORF40について、CD1マウスを、AL(OH)3
ではなくフロイントアジュバントを用いて免疫し、そして免疫応答を56日目で
はなく42日目に測定したことを除いて、同一の免疫プロトコールを使用した。
同様に、ORF38について、CD1マウスをフロイントアジュバントを用いて
免疫したが、免疫応答を49日目に測定した。
(N)ELISAアッセイ(血清分析))
無莢膜のMenB M7株を、チョコレートアガープレート上にプレートし、
37℃でオーバーナイトでインキュベートした。細菌のコロニーをアガープレー
トから滅菌ドラコン(dracon)スワブを使用して回収し、0.25%グル
コースを含有する7mlのMueller−Hintonブロス(Difco)
中に接種した。細菌の増殖を30分毎に、OD620を追跡することによりモニタ
ーした。細菌をODが0.3〜0.4の値に達するまで増殖させた。培養物を1
0分間10000rpmで遠心分離した。上清を捨て、細菌をPBSで1回洗浄
し、0.025%のホルムアルデヒドを含有するPBS中に再懸濁し、室温で2
時間インキュベートし、次に4℃でオーバーナイトで攪拌しながらインキュベー
トした。100μlの細菌細胞を、96ウェルGreinerプレートの各ウェ
ルに添加し、そして4℃でオーバーナイトでインキュベートした。次にそのウェ
ルをPBT洗浄緩衝液(PBS中の0.1% Tween−20)を用いて3回
洗浄した。200μlの飽和緩衝液(水中に2.7%のポリビニルピロリドン
10)を各ウェルに添加し、そしてプレートを37℃で2時間インキュベートし
た。ウェルをPBTで3回洗浄した。200μlの希釈血清(希釈緩衝液:PB
S中に1% BSA、0.1% Tween−20、0.1% NaN3)を各
ウェルに添加し、そしてそのプレートを37℃で90分間インキュベートした。
ウェルをPBTで3回洗浄した。希釈緩衝液中に1:2000に希釈した100
μlのHRP−結合体化ウサギ抗マウス(Dako)血清を、各ウェルに添加し
、そのプレートを37℃で90分間インキュベートした。ウェルを、PBT緩衝
液で3回洗浄した。100μlのHRPのための基質緩衝液(25mlのクエン
酸緩衝液、pH5、10mgのO−フェニルジアミンおよび10μlのH2O)
を各ウェルに添加し、このプレートを室温に20分間放置した。100μlのH
2SO4を各ウェルに添加し、OD490を追跡した。OD490が対応する免疫前血清
の2.5倍である場合、ELISAが陽性であると考慮した。
(O)FACScan細菌結合アッセイ手順)
無莢膜MenB M7株をチョコレートアガープレートにプレートし、37℃
でオーバーナイトでインキュベートした。細菌のコロニーをアガープレートから
滅菌ドラコン(dracon)スワブを使用して回収し、0.25%グルコース
を含有する各々8mlのMueller−Hintonブロス(Difco)を
含む4本のチューブに中に接種した。細菌の増殖を30分毎に、OD620を追跡
することによりモニターした。細菌を、ODが0.35〜0.5の値に達するま
で増殖させた。培養物を10分間4000rpmで遠心分離した。上清を捨て、
ペレットをブロッキング緩衝液(1% BSA、0.4% NaN3)中に再懸
濁し、5分間4000rpmで遠心分離した。細胞をOD620が0.07に達す
るようにブロッキング緩衝液に再懸濁した。100μlの細菌細胞を、Cost
er96ウェルプレートの各ウェルに添加した。100μlの希釈(1:200
)血清(ブロッキング緩衝液中)を各ウェルに添加し、そしてそのプレートを4
℃で2時間インキュベートした。細胞を5分間4000rpmで遠心分離し、そ
の上清を吸引し、各ウェルに200μl/ウェルのブロッキング緩衝液を添加す
ることにより、細胞を洗浄した。100μlのR−フィコエリトリン結合体化F
(ab)2ヤギ抗マウス(1:100希釈)を各ウェルに添加し、そしてプレー
トを1時間4℃でインキュベートした。細胞を、4000rpm5分間の遠心分
離によって遠心沈殿し、200μl/ウェルのブロッキング緩衝液を添加するこ
とにより、洗浄した。その上清を吸引し、そして細胞を200μl/ウェルのP
BS、0.25%のホルムアルデヒドに再懸濁した。そのサンプルをFACSc
anチューブに移して、読み取った。FACScan設定の条件は、以下のとお
りである:FL1 オン、FL2およびFL3 オフ;FSC−H閾値:92;
FSC PMT電圧:E 02;SSC PMT:474;増幅利得 7.1:
FL−2 PMT:539;補償値:0。
(P)OMV調製)
細菌を5GCプレート上でオーバーナイトで増殖させ、白金耳を用いて採取し
、そして10mlの20mM Tris−HClに再懸濁した。56℃、30分
間の熱不活化を行い、そして細菌を10分間氷上で超音波処理することにより破
壊した(50% 衝撃係数、50% 出力)。未破壊細胞を5000g、10分
間の遠心分離によって除去し、そして全細胞エンベロープ画分を50000g、
4℃、75分間の遠心分離によって回収した。細胞質膜タンパク質を粗外膜から
抽出するために、全画分を2%サルコシル(Sigma)中に再懸濁し、そして
室温で20分間インキュベートした。この懸濁液を、10000gで10分間遠
心し、凝集物を除去し、そしてこの上清をさらに50000gで75分間、超遠
心分離して、外膜をペレット化した。この外膜を、10mM Tris−HCl
(pH8)に再懸濁し、そしてそのタンパク質濃度をBio−Rad Prot
einアッセイによって、BSAを標準として用いて測定した。
(Q)全抽出物の調製)
細菌をGCプレート上でオーバーナイトで増殖させ、白金耳を用いて採取し、
そして1mlの20mM Tris−HClに再懸濁した。56℃、30分の熱
不活化を行った。
(R)ウェスタンブロッティング)
MenB株2996由来の精製タンパク質(500ng/レーン)、外膜ベシ
クル(5μg)および全細胞抽出物(25μg)を、15%SDS−PAGE上
にロードし、ニトロセルロース膜上に転写した。この転写を、2時間、150m
A、4℃、転写緩衝液中(0.3% Tris塩基、1.44% グリシン、2
0% メタノール)で行った。この膜を飽和緩衝液(PBS中の10% スキム
ミルク、0.1% Triton X100)中での4℃のオーバーナイトのイ
ンキュベートにより飽和させた。この膜を洗浄緩衝液(PBS中の3% スキム
ミルク、0.1% Triton X100)を用いて2回洗浄し、洗浄緩衝液
中に1:200に希釈したマウス血清とともに、2時間37℃でインキュベート
した。この膜を2回洗浄し、1:2000希釈の西洋わさびペルオキシダーゼ標
識化抗マウスIgとともに90分間インキュベートした。この膜をPBS中の0
.1% Triton X100を用いて2回洗浄し、Opti−4CN基質キ
ット(Bio−Rad)を用いて、発色させた。この反応を水を添加して停止し
た。
(S)殺菌性アッセイ)
MC58株をチョコレートアガープレート上で、37℃でオーバーナイトで増
殖させた。5〜7のコロニーを回収し、そして7mlのMueller−Hin
tonブロスに接種するために使用した。この懸濁液を、旋回装置上で37℃で
インキュベートし、OD620が0.5〜0.8になるまで増殖させた。この培養
物を滅菌1.5mlエッペンドルフチューブに等分し、微量遠心機中で最大速度
で20分間遠心分離した。このペレットをGey緩衝液(Gibco)中で1回
洗浄し、そして同一の緩衝液中でOD620を0.5に再懸濁し、Gey緩衝液中
に1:20000に希釈し、25℃で保存した。
50μlのGey緩衝液/1% BSAを96ウェル組織培養プレートの各ウ
ェルに添加した。25μlの希釈マウス血清(Gey緩衝液/0.2% BSA
中に1:100)を各ウェルに添加し、そのプレートを4℃でインキュベートし
た。上記記載の細菌懸濁液の25μlを各ウェルに添加した。熱不活化(56℃
水浴中に30分)または正常乳児ウサギ補体のいずれかの25μlを各ウェルに
添加した。乳児ウサギ補体の添加の直後に、1ウェルあたり22μlの各サンプ
ルをMueller−Hintonアガープレート上にプレートした(時間0)
。この96ウェルプレートを1時間37℃で回転しながらインキュベートし、次
に、1ウェルあたり22μlの各サンプルをMueller−Hintonアガ
ープレート上にプレートした(時間1)。オーバーナイトのインキュベートの後
、時間0および時間1に対応するコロニーを計数した。
表2は、クローニング、発現および精製結果の概要を示す。
(実施例1)
以下の部分DNA配列は、N.meningitidisで同定された(配列
番号1):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号2;ORF40)に対応する:
Figure 2009100781

さらなる研究は、以下の完全DNA配列を明らかにした(配列番号3)
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号4;ORF40−1)に対応する:
Figure 2009100781

さらなる研究は、N.meningitidisのA株における対応遺伝子を
同定した(配列番号5):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号6;ORF40a)を有するタンパク
質をコードする:
Figure 2009100781

初めに同定されたB系統部分配列(ORF40)は、ORF40aとの254
アミノ酸重複にわたって65.7%の同一性を示す:
Figure 2009100781

系統B完全配列(ORF40−1)およびORF40aは、601アミノ酸重
複において83.7%の同一性を示す:
Figure 2009100781

これらのアミノ酸配列のコンピューター解析は、以下の結果を与えた。
(H.influenzae(受託番号U41852)のb型表面筋原繊維遺
伝子座によりコードされるHsfタンパク質との相同性)
ORF40およびHsfタンパク質は、251アミノ酸重複において54%の
アミノ酸同一性を示す:
Figure 2009100781

ORF40aはまた、Hsfに対しても相同性を示す:
Figure 2009100781

Hsfとの相同性に基づいて、N.meningitidis由来のこのタン
パク質、ならびにそれらのエピトープは、ワクチンもしくは診断薬のための有用
な抗原になり得ることが予測された。
ORF40−1(61kDa)を上記のように、pETベクターおよびpGe
xベクターにクローン化し、E.coliにおいて発現させた。タンパク質発現
および精製の産物を、SDS−PAGEにより分析した。図1AはHis融合タ
ンパク質のアフィニティ−精製の結果を示し、そして図1BはE.coliにお
けるGST融合体の発現の結果を示す。精製His融合タンパク質を使用してマ
ウスを免疫し、その血清をFACS分析のため(図1C)、殺菌性アッセイのた
め(図1D)およびELISAのため(陽性結果)に使用した。これらの実験は
、ORF40−1が表面露出タンパク質であり、そして有用な免疫原であること
を確認する。
図1Eは、ORF40−1についての親水性、抗原性指標、およびAMPHI
領域のプロットを示す。
(実施例2)
以下の部分DNA配列は、N.meningitidisにおいて同定された
(配列番号7):
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列(配列番号8;ORF38)に対応する:
Figure 2009100781

さらなる研究が、完全ヌクレオチド配列(配列番号9)を明らかにした:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号10;ORF38−1)に対応する:
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピューター解析が、推定の原核生物膜リポタンパク質
の脂質付着部位(下線)を明らかにする。
さらなる研究は、N.meningitidisのA系統における対応遺伝子
を同定した(配列番号11):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号12;ORF38a)を有するタンパ
ク質をコードする:
Figure 2009100781

初めに同定されたB系統部分配列(ORF38)は、ORF38aとの165
アミノ酸重複にわたって95.2%の同一性を示す:
Figure 2009100781

B系統完全配列(ORF38−1)およびORF38aは321アミノ酸の重
複内で98.4%の同一性を示す:
Figure 2009100781

これらのアミノ酸配列のコンピューター解析は、以下の結果を与えた。
(C.jejuni(受託番号X82427)のリポタンパク質(リポ)との
相同性)
ORF38およびリポは、96アミノ酸の重複内で38%のアミノ酸同一性を
示す:
Figure 2009100781

この解析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質、
ならびにそのエピトープは、ワクチンもしくは診断薬のための有用な抗原になり
得ることが予測された。
ORF38−1(32kDa)を上記のように、pETベクターおよびpGe
xベクターにクローン化し、E.coliにおいて発現させた。タンパク質発現
および精製の産物を、SDS−PAGEにより分析した。図2AはHis融合タ
ンパク質のアフィニティ−精製の結果を示し、そして図2BはE.coliにお
けるGST融合体の発現の結果を示す。精製His融合タンパク質を使用してマ
ウスを免疫し、その血清をウェスタンブロット分析のため(図2C)、およびF
ACS分析のため(図2D)に使用した。これらの実験は、ORF38−1が表
面露出タンパク質であり、そして有用な免疫原であることを確認する。
図2Eは、ORF38−1についての親水性、抗原性指標、およびAMPHI
領域のプロットを示す。
(実施例3)
以下のN.meningitidisDNA配列が、同定された(配列番号1
3):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号14;ORF44)に対応する:
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピューター解析が、下線で示したリーダーペプチドを
推定した。
さらなる研究は、N.meningitidisのA系統における対応遺伝子
を同定した(配列番号15):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号16;ORF44a)を有するタンパ
ク質をコードする:
Figure 2009100781

B系統の配列(ORF44)は、ORF44aとの124アミノ酸の重複にわ
たって99.2%の同一性を示す:
Figure 2009100781

コンピューター分析は、以下の結果を与えた:
(Eikenella corrodensのLecA付着因子(受託番号
D78153)との相同性)
ORF44およびLecAタンパク質は、91アミノ酸の重複内で45%のア
ミノ酸同一性を示す:
Figure 2009100781

付着因子との相同性に基づいて、N.meningitidis由来のこのタ
ンパク質、ならびにそのエピトープは、ワクチンもしくは診断薬のための有用な
抗原になり得ることが予測された。
ORF44−1(11.2kDa)を上記のように、pETベクターおよびp
Gexベクターにクローン化し、E.coliにおいて発現させた。タンパク質
発現および精製の産物を、SDS−PAGEにより分析した。図3AはHis融
合タンパク質のアフィニティ−精製の結果を示し、そして図3BはE.coli
におけるGST融合体の発現の結果を示す。精製His融合タンパク質を使用し
てマウスを免疫し、その血清をELISAのために使用し、陽性の結果を得、そ
して殺菌性アッセイのため(図3C)に使用した。これらの実験は、ORF44
−1が表面露出タンパク質であり、そして有用な免疫原であることを確認する。
図3Dは、ORF44−1についての親水性、抗原性指標、およびAMPHI
領域のプロットを示す。
(実施例4)
以下の部分DNA配列は、N.meningitidisにおいて同定された
(配列番号17):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号18;ORF49)に対応する:
Figure 2009100781

さらなる研究が、完全ヌクレオチド配列(配列番号19)を明らかにした:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号20;ORF49−1)に対応する:
Figure 2009100781

コンピューター解析は、膜貫通ドメインを予想し、そしてまたORF49が、
公知のタンパク質と有意なアミノ酸相同性を有さないことを示す。しかし、N.
meningitidisのA系統由来の対応するORFが、同定された:
ORF49は、N.meningitidisのA系統由来のORF(ORF
49a)と、173アミノ酸の重複にわたって、86.1%の同一性を示す:
Figure 2009100781

ORF49−1およびORF49aは、457アミノ酸の重複内で83.2%
の同一性を示す:
Figure 2009100781

完全長ORF49aのヌクレオチド配列(配列番号21)は、以下である:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号22)を有するタンパク質をコードす
る:
Figure 2009100781

推定膜貫通ドメインの存在に基づいて、N.meningitidis由来の
これらのタンパク質およびこれらのエピトープは、ワクチンまたは診断のための
有用な抗原であり得ることが推定される。
(実施例5)
以下の部分DNA配列をN.meningitidisで同定した(配列番号
23)。
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号24;ORF50)に対応する:
Figure 2009100781

コンピューター分析は、2つの膜貫通ドメインを推定し、そしてまたORF5
0が公知のタンパク質との有意なアミノ酸相同性を有さないことを示す。
推定膜貫通ドメインの存在に基づいて、N.meningitidis由来の
このタンパク質、およびそのエピトープがワクチンまたは診断のために有用な抗
原であり得ることが推定される。
(実施例6)
以下の部分配列をN.meningitidisにおいて同定した(配列番号
25)。
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号26;ORF39)に対応する:
Figure 2009100781

さらなる研究は、以下の完全ヌクレオチド配列(配列番号27)を明らかにし
た:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号28;ORF39−1)に対応する:
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピュータ分析は、以下の結果を与えた;
(N.meningitidis(株A)由来の推定ORFとの相同性)
ORF39は、N.meningitidisの株A由来のORF(ORF3
9aと165アミノ酸重複にわたって100%の同一性を示す:
Figure 2009100781

ORF39−1およびORF39aは、以下の710アミノ酸重複において9
9.4%の同一性を示す:
Figure 2009100781

完全長ORF39aヌクレオチド配列(配列番号29)は、以下である:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号30)を有するタンパク質をコードす
る:
Figure 2009100781

ORF39aは、以下のA.pleuropneumoniae由来の細胞溶
解素と相同性である:
Figure 2009100781

(Haemophilus actinomycetemcomitans(
寄託番号X53955)のHlyBロイコトキシン分泌ATP結合タンパク質と
の相同性)
ORF39およびHlyBタンパク質は、N末端およびC末端領域でそれぞれ
、167および55重複において71%および69%のアミノ酸同一性を示す。
Figure 2009100781

この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびこのエピトープがワクチンまたは診断のために有用な抗原であり得ることが
推定される。
(実施例7)
以下の部分DNA配列をN.meningitidisにおいて同定した(配
列番号31):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列に対応する(配列番号32、ORF52):
Figure 2009100781

さらなる研究は、以下の完全なヌクレオチド配列を明らかにした(配列番号3
3):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号34、ORF52−1)に対応する:
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピュータ分析は、原核生物膜リポタンパク質脂質付着
部位(下線)を推定する。
ORF52−1(7kDa)を上記のようにpGexベクター中にクローン化
し、そしてE.coli中で発現した。タンパク質の発現および精製の産物をS
DS−PAGEによって分析した。図4Aは、GST融合体のアフィニティー精
製の結果を示す。図4Bは、親水性、抗原性指標、およびORF52−1のAM
PHI領域のプロットを示す。
この分析に基づいて、N.meningitidis由来のタンパク質および
このエピトープがワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが推測
される。
(実施例8)
以下のDNA配列をN.meningitidisにおいて同定した(配列番
号35):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号36、ORF56)に対応する:
Figure 2009100781

さらなる研究は、以下の完全なヌクレオチド配列(配列番号37)を明らかに
した:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号38;ORF56−1)に対応する:
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピュータ分析は、リーダーペプチド(下線)を推定し
、そしてORF56が膜タンパク質またはペリプラズミック(periplas
mic)なタンパク質であり得ることを示唆する。
この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびそのエピトープは、ワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ること
が推定される。
(実施例9)
以下の部分DNA配列をN.meningitidisにおいて同定した(配
列番号39):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号40;ORF63)に対応する:
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピュータ分析は、膜貫通領域を推測する。
この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびそのエピトープがワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることを
推定する。
(実施例10)
以下の部分DNA配列をN.meningitidisにおいて同定した(配
列番号41):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号42;ORF69)に対応する:
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピュータ分析は、膜貫通領域を推定する。
N.meningitidisの株A由来の対応ORFもまた同定された:
(N.meningitidis(株A)由来の推定ORFとの相同性)
ORF69は、N.meningitidisの株A由来のORF(ORF6
9a)と以下の78アミノ酸重複にわたって96.2%の同一性を示す:
Figure 2009100781

ORF69aヌクレオチド配列(配列番号43)は、以下である:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号44)を有するタンパク質をコードす
る:
Figure 2009100781

この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびそのエピトープがワクチンまたは診断のために有用な抗原であることが推定
される。
(実施例11)
以下のDNA配列をN.meningitidisにおいて同定した(配列番
号45):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号46;ORF77)に対応する:
Figure 2009100781

さらなる研究は、完全なヌクレオチド配列(配列番号47)を明らかにした:
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列(配列番号48;ORF77−1)に対応する:
Figure 2009100781

アミノ酸配列のコンピュータ分析は、推定リーダー配列およびいくつかの膜貫
通ドメインを明らかにする。
N.meningitidisの株A由来の対応ORFもまた同定した:
(N.meningitidis(株A)由来の推定ORFとの相同性)
ORF77は、N.meningitidisの株A由来のORF(ORF7
7a)と以下の173アミノ酸重複にわたって96.5%の同一性を示す:
Figure 2009100781

ORF77−1およびORF77aは、以下の185アミノ酸重複において9
6.8%の同一性を示す:
Figure 2009100781

以下のORF77a部分ヌクレオチド配列(配列番号49)を同定した:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号50)を有するタンパク質をコードす
る:
Figure 2009100781

この分析に従って、N.meningitidis由来のこのタンパク質およ
びそのエピトープがワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが推
定される。
(実施例12)
以下の部分DNA配列をN.meningitidisにおいて同定した(配
列番号51)。
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号52;ORF112)に対応する:
Figure 2009100781

さらなる研究は、さらなる部分ヌクレオチド配列(配列番号53)を明らかに
した:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号54;ORF112−1)に対応する
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピュータ分析は、2つの膜貫通ドメインを推定する。
N.meningitidisの株A由来の対応ORFもまた同定された:
(N.meningitidis(株A)由来の推定ORFとの相同性)
ORF112は、N.meningitidisの株A由来のORF(ORF
112a)と以下の166アミノ酸重複にわたって96.4%の同一性を示す:
Figure 2009100781

以下の部分ORF112aヌクレオチド配列(配列番号55)を同定した:
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号56)を有するタンパク質をコードす
る:
Figure 2009100781

ORF112aおよびORF112−1は、以下の326アミノ酸重複にわた
って96.3%の同一性を示す:
Figure 2009100781

この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびこのエピトープがワクチンまたは診断のための有用な抗原であり得ることが
推定される。
(実施例13)
以下の部分DNA配列をN.meningitidisにおいて同定した(配
列番号57):
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号58;ORF114)に対応する:
Figure 2009100781

さらなる研究は、以下の完全なヌクレオチド配列(配列番号59)を明らかに
した(配列番号59):
Figure 2009100781
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号60;ORF114−1)に対応する
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピュータ分析は、膜貫通領域を推定し、そしてまた以
下の結果を与える:
(N.meningitidis(株A)由来の推定ORFとの相同性)
ORF114は、N.meningitidisの株A由来のORF(ORF
114a)と以下の284アミノ酸配列重複にわたって91.9%の同一性を示
す:
Figure 2009100781

完全長のORF114aヌクレオチド配列(配列番号61)は、以下である:
Figure 2009100781
Figure 2009100781

これは、以下のアミノ酸配列(配列番号62)を有するタンパク質をコードす
る:
Figure 2009100781

ORF114−1およびORF114aは、以下の1564アミノ酸重複にお
いて89.8%の同一性を示す:
Figure 2009100781
Figure 2009100781

(N.meningitidis(受託番号AF030941)の推定分泌タ
ンパク質pspAとの相同性)
ORF114およびpspAタンパク質は、302アミノ酸の重複部分におい
て36%のアミノ酸同一性を示す:
Figure 2009100781

ORF114aはまた、pspAと相同である。
Figure 2009100781
Figure 2009100781

ORF114−1のアミノ酸1〜1423を、上記のように、pGexベクタ
ーにクローニングし、E.coli.中で発現させた。GST−融合発現をSD
S−PAGEを用いて可視化した、そして図5は、ORF114−1についての
親水性、抗原性指標およびAMPHI領域のプロットを示す。
これらの結果(N.meningitidisの推定分泌タンパク質との相同
性を含む)および、膜貫通ドメインの存在に基づいて、N.meningiti
dis由来のこのタンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断剤の
ために有用な抗原であり得ることが予想される。
(実施例14)
以下の部分的なDNA配列は、N.meningitidisにおいて同定さ
れた<配列番号63>。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号64;ORF116>と対応する。
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピューター分析は、以下の結果を示した:
(N.meningitidis(受託番号AF030941)の推定分泌タ
ンパク質pspAとの相同性)
ORF116およびpspAタンパク質は、502アミノ酸の重複において3
8%のアミノ酸同一性を示す:
Figure 2009100781

pspAとの相同性に基づいて、N.meningitidis由来のこのタ
ンパク質およびそのエピトープが、ワクチンまたは診断剤のための有用な抗原で
あり得ることが予想される。
(実施例15)
以下の部分的なDNA配列は、N.meningitidisにおいて同定さ
れた<配列番号65>。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号66;ORF118>と対応する。
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピューター分析は、2つの推定膜貫通ドメインを表す
この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびそのエピトープが、ワクチンまたは診断剤のための有用な抗原であり得るこ
とが予想される。
(実施例16)
以下の部分的なDNA配列は、N.meningitidisにおいて同定さ
れた<配列番号67>。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号68;ORF41>と対応する。
Figure 2009100781

さらなる研究により、完全なヌクレオチド配列<配列番号69>を明らかにし
た。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号70;ORF41−1>と対応する。
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピューター分析は、膜貫通ドメインを予想し、そして
N.meningitidis(A株)由来のORFとの相同性がまた見出され
た。
ORF41は、N.meningitidisのA株由来のORF(ORF4
1a)と279アミノ酸の重複にわたって92.8%の同一性を示す。
Figure 2009100781

部分的なORF41aヌクレオチド配列<配列番号71>は以下である:
Figure 2009100781

これは、部分的アミノ酸配列<配列番号72>を有するタンパク質をコードす
る:
Figure 2009100781

ORF41aおよびORF41−1は、595アミノ酸の重複において94.
8%の同一性を示す。
Figure 2009100781

ORF41−1のアミノ酸25〜619を上記のように増幅した。図6は、O
RF41−1についての親水性、抗原性指標、およびAMPHI領域のプロット
を示す。
この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびそのエピトープが、ワクチンまたは診断剤のための有用な抗原であり得るこ
とが予想される。
(実施例17)
以下のDNA配列は、N.meningitidisにおいて同定された<配
列番号73>。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号74;ORF51>と対応する。
Figure 2009100781

さらなる研究により、完全なヌクレオチド配列<配列番号75>を明らかにし
た。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号76;ORF51−1>と対応する。
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピューター分析は、3つの推定膜貫通ドメインを表す
。N.meningitidisのA株由来の対応するORFをまた同定した。
(N.meningitidis(A株)由来の予想ORFとの相同性)
ORF51は、N.meningitidisのA株由来のORF(ORF5
1a)と150アミノ酸の重複にわたって96.7%の同一性を示す。
Figure 2009100781

ORF51−1およびORF51aは255アミノ酸の重複において99.2
%の同一性を示す:
Figure 2009100781

完全長ORF51aヌクレオチド配列<配列番号77>は以下である:
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号78>を有するタンパク質をコードする:
Figure 2009100781

この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびそのエピトープが、ワクチンまたは診断剤のための有用な抗原であり得るこ
とが予想される。
(実施例18)
以下の部分的なDNA配列は、N.meningitidisにおいて同定さ
れた<配列番号79>。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号80;ORF82>と対応する。
Figure 2009100781

さらなる研究により、完全なヌクレオチド配列<配列番号81>を明らかにし
た。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号82;ORF82−1>と対応する。
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピューター分析は、予想リーダーペプチドを明らかに
する。N.meningitidisのA株由来の対応するORFをまた同定し
た。
(N.meningitidis(A株)由来の予想ORFとの相同性)
ORF82は、N.meningitidisのA株由来のORF(ORF8
2a)と172アミノ酸の重複にわたって97.1%の同一性を示す。
Figure 2009100781

ORF82aおよびORF82−1は、242アミノ酸の重複において99.
2%の同一性を示す:
Figure 2009100781

完全長ORF82aヌクレオチド配列<配列番号83>は以下である:
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号84>を有するタンパク質をコードする:
Figure 2009100781

この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびそのエピトープが、ワクチンまたは診断剤のための有用な抗原であり得るこ
とが予想される。
(実施例19)
以下の部分的DNA配列は、N.meningitidisにおいて同定され
た<配列番号85>。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号86;ORF124>と対応する。
Figure 2009100781

このアミノ酸配列のコンピューター分析は、膜貫通ドメインを予想する。
さらなる研究により、完全なヌクレオチド配列<配列番号87>を明らかにし
た。
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号88;ORF124−1>と対応する。
Figure 2009100781

N.meningitidisのA株由来の対応ORFをまた、同定した:
(N.meningitidis(A株)由来の予想ORFとの相同性)
ORF124は、N.meningitidisのA株由来のORF(ORF
124a)との152アミノ酸の重複にわたって87.5%の同一性を示す:
Figure 2009100781

ORF124aおよびORF124−1は、152アミノ酸の重複において89
.5%の同一性を示す。
Figure 2009100781

完全長ORF124aのヌクレオチド配列<配列番号89>は以下である:
Figure 2009100781

これは、アミノ酸配列<配列番号90>を有するタンパク質をコードする。
Figure 2009100781

ORF124−1を、上記のように増幅した。図7は、ORF124−1につ
いての親水性、抗原性指標、およびAMPHI領域のプロットを示す。
この分析に基づいて、N.meningitidis由来のこのタンパク質お
よびそのエピトープが、ワクチンまたは診断剤のための有用な抗原であり得るこ
とが予想される。
本発明が実施例のみにより記載されたこと、およびその改変が本発明の精神お
よび範囲内にとどまったままでなされ得ることが理解される。
Figure 2009100781
Figure 2009100781

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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