JP2008274241A - 糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効果的に親水性を付与することが可能であり、広範囲の用途で使用可能な非イオン界面活性剤となる糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物およびその製造方法を提供。
【解決手段】式(1)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物。
Figure 2008274241

(式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、Xは式(2)で表される基、Yはオキシアルキレン基含有基を表す。)
Figure 2008274241

(式中、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基であり、d=1〜2である。)
【選択図】なし

Description

本発明は新規な糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体及びその製造方法に関する。
オルガノポリシロキサンは耐熱性、耐候性、離型性、撥水性、生理的不活性に優れ様々な分野で使用されているが、疎水性のオルガノポリシロキサンに親水性の化合物を変性させることによって界面活性能を付与させた変性オルガノポリシロキサンも一般的に広く用いられている。オルガノポリシロキサンの変性方法として具体的には、例えば、末端に水酸基を有するポリオキシアルキレンと、アルコキシ基を含有するオルガノポリシロキサンとの変性反応や、アリル基など末端に二重結合を有するポリオキシアルキレンと、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンとのヒドロシリル化変性反応、及び末端にエポキシ基を有するポリオキシアルキレンと、アミノ基を含有するオルガノポリシロキサンとの変性反応によって得られるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンであり、中でもヒドロシリル化変性反応が多く用いられている。また、ヒドロシリル化変性反応により得られる非イオン系の変性オルガノポリシロキサンに関して、より多く用いられているポリオキシアルキレン基の中では、ポリオキシエチレン基が親水性の強い変性基として使用されているが、オキシエチレン基よりもさらに強い親水性を持つ、アルコール性水酸基を変性基として有する変性オルガノポリシロキサン化合物もこれまでに数多く提案されてきており、例えば、グリセリン残基を有する変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン残基を有する変性オルガノポリシロキサン、糖残基を有する変性オルガノポリシロキサンが挙げられる。これらの中で、糖残基を有する変性オルガノポリシロキサン化合物に関しては以下に示すような多くの化合物及びその製造方法が提案されている。
1)ソルビタンとアリルグリシジルエーテルをアルカリ触媒の存在下で反応させた前駆体を、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンとヒドロシリル化させた化合物の製造方法。(例えば特許文献1)
2)アミノ変性シリコーンと糖ラクトンを混合加熱し、アミド化によって得る化合物の製造法。(例えば特許文献2)
3)アリルグルコシド等のアルケニル基を有するグルコシドとハイドロジェンオルガノポリシロキサンをヒドロシリル化させた化合物及びその製造方法。(例えば特許文献3)
4)グルコースとアリルグリコールをパラトルエンスルホン酸触媒により脱水縮合させた前駆体をハイドロジェンオルガノポリシロキサンと変性させた化合物及びその製造方法と、アリルグリコール変性オルガノポリシロキサンとグルコースを脱水縮合させた製造方法。(例えば特許文献4)
5)アセチル化された糖質とアリルアルコールとの反応により得られた前駆体を、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンとヒドロシリル化させ、ナトリウムメトキシドによりアセチル基を分解することによって得られる化合物。およびアセチル化された糖質とチオ尿素との反応により得られた前駆体を、ハロゲン基を有するオルガノポリシロキサンと反応し、ナトリウムメトキシドによりアセチル基を分解することによって得られる化合物。(例えば特許文献5)
6)糖質と二重結合を有する中間結合鎖前駆体をパラトルエンスルホン酸触媒により脱水縮合させ、さらにハイドロジェンオルガノポリシロキサンと変性させた化合物の製造方法。(例えば特許文献6)
7)アセチル化された糖質とアリルアルコールとの反応により得られた前駆体を、チオカルボン酸またはチオール化合物と付加反応させ、金属チオラート化の上ハロゲン基を有するオルガノポリシロキサンと縮合反応させることによって得られる化合物(例えば特許文献7)
これらのうち、1)、6)については糖残基を有する前駆体1分子に対して、反応性オルガノポリシロキサンと反応しうる官能基数が複数個存在する化合物であるため、オルガノポリシロキサンとの変性反応においてゲル化や樹脂化の恐れがあり、2)についてはアミノ基を有する化合物を使用するため、それに伴う臭気の問題や着色の恐れがあり、また3)、4)、5)及び7)については変性基のグルコシド残基は酸や熱に対して不安定な構造であり、使用に制限を受ける可能性がある。さらに、前述のグリセリン残基を有する変性オルガノポリシロキサンやポリグリセリン残基を有する変性オルガノポリシロキサンを含め、より少量の原料の配合でも効果的に親水性を付与することができる変性オルガノポリシロキサン化合物はこれまでに見出されていなかった。さらに、前駆体の官能基数が1分子中に1個のみ導入できるような制御が可能であって、且つ効率よく糖残基を有する変性オルガノポリシロキサンを製造する方法も、同じくこれまでには見出されていなかった。
特開昭57−209295号公報 特開昭62−68820号公報 特開平5−186596号公報 特開平6−316590号公報 特開平11−92490号公報 特開2002−119840号公報 特開2003−146991号公報
本発明は、糖アルコール残基を有する前駆体を用いることにより、より少量の原料の配合でも効果的に親水性を付与することが可能であり、広範囲の用途で使用可能な非イオン界面活性剤を提供する新規な糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物と、原料の官能基数が1分子中に1個のみ導入できるような制御が可能であって、且つ効率的に糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を得ることができる糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、式(1)及び式(2)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物である。
Figure 2008274241
(式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、Xは式(2)で表される基、Yは−RO(AO)nR(式中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基、Rは水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、炭素数2〜24のアシル基のいずれかであり、n=1〜100である)を表し、RはR、X、Yのいずれかであり、a=0〜700、b=0〜100、c=0〜50でb=0の場合Rの少なくとも一つはXである。)
Figure 2008274241
(式中、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基であり、d=1〜2である。)
また、式(3)及び式(4)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体である。
Figure 2008274241
(式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、Vは式(4)で表される基、Wは−R11O(AO)mR12(式中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、R11は炭素数3〜5の2価の炭化水素基、R12は水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、炭素数2〜24のアシル基のいずれかであり、m=1〜100である)を表し、RはR、V、Wのいずれかであり、e=0〜700、f=0〜100、g=0〜50でf=0の場合Rの少なくとも一つはVである。)
Figure 2008274241
(式中、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基、R及びR10はそれぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、h=1〜2である。但し、R及びR10の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。)
さらに、下記に示す工程で製造することを特徴とする糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物の製造方法である。
A.ペンチトールまたはヘプチトールに式(5)で表される化合物を理論当量に対して1.2〜1.5倍量、酸触媒をペンチトールまたはヘプチトールに対して5×10−6〜5×10−4モル%用いてケタール化反応を行う工程。
B.Aで得られたケタール化合物に炭素数3〜5のアルケニルハライドをアルカリ触媒の存在下で反応させた後、酸またはアルカリ吸着能を有する吸着剤を用いて精製を行う工程。
C.Bで得られた化合物を、塩化白金酸を触媒としてヒドロシリル化反応を行い、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体を得る工程。
D.Cで得られた化合物に酸を用いて酸加水分解を行い、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を得る工程。
Figure 2008274241
(式中、R13及びR14はそれぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、R15及びR16はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示す。但し、R13及びR14の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。)
加えて、下記に示す工程で製造することを特徴とする糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物の製造方法である。
E.ペンチトールまたはヘプチトールに式(5)で表される化合物を理論当量に対して1.2〜1.5倍量、酸触媒をペンチトールまたはヘプチトールに対して5×10−6〜5×10−4モル%用いてケタール化反応を行う工程。
F.Eで得られたケタール化合物に炭素数3〜5のアルケニルハライドをアルカリ触媒の存在下で反応させた後、酸またはアルカリ吸着能を有する吸着剤を用いて精製を行う工程。
G.Fで得られた化合物に酸を用いて酸加水分解を行い、式(6)で示されるペンチトールモノアルケニルエーテルまたはヘプチトールモノアルケニルエーテルを得る工程。
Figure 2008274241
(式中、R17は炭素数3〜5のアルケニル基を示し、i=1〜2である。)
H.Gで得られた化合物に塩化白金酸を触媒としてヒドロシリル化反応を行い、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を得る工程。
本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物は、より少量の原料の配合でも効果的に親水性を付与することが可能な特定の糖アルコール残基を有する新規な変性オルガノポリシロキサン化合物であり、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンの分子量とSi−H基の数を変えることにより親水性を自由に調節することができ、これらの組み合わせにより乳化性の付与、乳化物の乳化安定性やチクソトロピー性の付与、分散能の付与といった優れた界面活性能を有する非イオン界面活性剤を得ることができる。また、本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体は、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を得るための前駆体として非常に有用である。さらに本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物の製造方法は前駆体の官能基数が1分子中に1個のみ導入できるような制御が可能であって、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を高純度で効率よく製造することができる。
本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物は、式(1)で表される構造を有するものである。式(1)において、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、Xは式(2)で表される基、Yは−RO(AO)nR(式中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基、Rは水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、炭素数2〜24のアシル基のいずれかであり、n=1〜100である)を表し、RはR、X、Yのいずれかであり、a=0〜700、b=0〜100、c=0〜50でb=0の場合Rの少なくとも一つはXである。また式(2)において、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基であり、d=1〜2である。
また、本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体は、式(3)で表される構造を有するものである。式(3)において、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、Vは式(4)で表される基、Wは−R11O(AO)mR12(式中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、R11は炭素数3〜5の2価の炭化水素基、R12は水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、炭素数2〜24のアシル基のいずれかであり、m=1〜100である)を表し、RはR、V、Wのいずれかであり、e=0〜700、f=0〜100、g=0〜50でf=0の場合Rの少なくとも一つはVである。また式(4)において、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基、R及びR10はそれぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、h=1〜2である。但し、R及びR10の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。
式(1)において、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、Xは式(2)で表される基、Yは−RO(AO)nRである。
式(3)において、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、Vは式(4)で表される基、Wは−R11O(AO)mR12である。
式(1)及び式(3)において、RおよびRは炭素数1〜8の炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。
式(1)、式(2)、式(3)および式(4)において、R、R、RおよびR11は炭素数3〜5の2価の炭化水素基であり、例えば、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンテン基、イソペンテン基等が挙げられ、好ましくはプロピレン基、イソブチレン基である。
式(1)及び式(3)において、RおよびR12は、水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、炭素数2〜24のアシル基のいずれかであり、例えば、炭素数1〜24の炭化水素基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、へキシル基、イソヘプチル基、2−エチルへキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、イソステアリル基、オレイル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基等が挙げられ、炭素数2〜24のアシル基としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、イソノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、安息香酸、トルイル酸等由来のアシル基が挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基、ブチル基、酢酸由来のアシル基である。
式(4)において、RおよびR10は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかであり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。
式(1)において、RはR、X、Yのいずれかであり、好ましくはR、Xである。
式(3)において、RはR、V、Wのいずれかであり、好ましくはR、Vである。
式(1)及び式(3)において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、具体的にはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。
式(1)及び式(3)において、nおよびmは1〜100であり、好ましくは1〜80、より好ましくは3〜70である。
式(1)において、aは0〜700、bは0〜100、cは0〜50であり、好ましくはaは0〜200、bは0〜50、cは0〜10であり、b=0の場合Rの少なくとも一つはXである。
式(3)において、eは0〜700、fは0〜100、gは0〜50であり、好ましくはeは0〜200、fは0〜50、gは0〜10であり、f=0の場合Rの少なくとも一つはVである。
式(2)及び式(4)において、dおよびhは1〜2であり、好ましくは1である。
さらに、本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物の製造方法は、具体的には下記に記す方法により製造することができる。
1.ケタール化反応:
ケタール化反応に用いる糖アルコールとしては炭素数5または7のペンチトールやヘプチトールが用いられ、ペンチトールとしては、D−アラビトール、L−アラビトール、キシリトール、リビトールが挙げられ、へプチトールとしては、α−D−グルコヘプチトール、β−D−グルコヘプチトール、β−L−グルコヘプチトール、α−D−マンノヘプチトール、α−L−マンノヘプチトール、β−D−マンノヘプチトール、β−D−アルトロヘプチトール、β−L−アルトロヘプチトール、β−D−ガラヘプチトール、β−L−ガラヘプチトール、β−イドヘプチトール、β−アロヘプチトール、α−D−アロヘプチトールが挙げられるが、好ましくはD−アラビトール、L−アラビトール、キシリトール、リビトールであり、より好ましくはキシリトールである。これらは、天然物、合成物のいずれでもよく、単独で用いても、2種以上の混合物で用いてもよい。
次に、本発明においては、ケタール化剤として、式(5)で表される化合物が用いられる。式(5)において、R13及びR14はそれぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、R15及びR16はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示す。但し、R13及びR14の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。ここで、R13、R14、R15及びR16が示す炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、これらは単独でも2種以上が混合したものでもよく、好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。
ペンチトールまたはヘプチトールと、式(5)で表される化合物とを用いてケタール化反応を行う場合、用いられる式(5)で表される化合物の仕込み量は理論当量に対して1.2〜1.5倍量であり、より好ましくは1.3〜1.5倍量であり、さらに好ましくは1.3〜1.4倍量である。なお、理論当量とは、化学方程式上必要とされる量をいい、例えば式(5)で表される化合物の場合ペンチトールに対して2当量、ヘプチトールに対して3当量を表す。具体的に説明すると、ペンチトールの場合、ペンチトール1モルに対して式(5)で表される化合物の仕込み量は2.4〜3.0モルであり、より好ましくは2.6〜3.0モルであり、さらに好ましくは2.6〜2.8モルとなる。また、へプチトールの場合、ヘプチトール1モルに対して式(5)で表される化合物は3.6〜4.5モルであり、より好ましくは3.9〜4.5モルであり、さらに好ましくは3.9〜4.2モルとなる。
式(5)で表される化合物の仕込み量が理論当量に対して1.2倍量より少ない場合、完全にケタール基に置換できず、ペンチトールの場合モノケタール体や未反応ペンチトールが、ヘプチトールの場合モノケタール体、ジケタール体、未反応ヘプチトールが残存する割合が多くなる。したがって、ケタール化されていない水酸基が多くなり、また、次のアルケニル化工程において1分子中にアルケニル基が複数個含まれた化合物の含有量が多くなることから、共重合体原料や変性材料として用いる場合、架橋して固化するなど望ましくない性能が出てしまう恐れがある。
一方、理論当量に対して1.5倍量を上回ると、過剰原料の回収に時間を要し効率的ではないことに加え、二量体が副生し反応物は増粘または固化してしまう恐れがある。このケタール化反応により、式(7)で表される水酸基を1個有するペンチトールジケタール誘導体またはヘプチトールトリケタール誘導体が得られる。
Figure 2008274241
(式中、R18及びR19はそれぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、j=1〜2である。但し、R18及びR19の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。)
なお、得られる水酸基を1個有するペンチトールジケタール誘導体またはヘプチトールトリケタール誘導体は水酸基の位置が異なる構造異性体や立体異性体の混合物として得られるが、これらをそのまま使用しても、蒸留等によりさらに高純度にしたものを使用してもよい。例えば、キシリトールを用いて上記のケタール化を行った場合、1,2,3,4−ジ−O−イソプロピリデン−DL−キシリトール及び1,2,4,5−ジ−O−イソプロピリデン−DL−キシリトールが約90:10(モル比)の混合物として得られる。
ケタール化反応において使用する酸触媒としては、酢酸、塩酸、塩化亜鉛、塩化アンモニウム、リン酸、硝酸、硫酸、硫酸銅、パラトルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素エーテラート、五酸化二リン等の酸触媒が挙げられ、パラトルエンスルホン酸が特に好ましい。パラトルエンスルホン酸は無水物でも一水和物でもよい。酸触媒の使用量は、ペンチトールまたはヘプチトールに対して、5×10−6〜5×10−4モル%、より好ましくは7×10−6〜4×10−4モル%、さらに好ましくは1×10−5〜3×10−4モル%である。酸触媒の使用量が5×10−6モル%を下回るとケタール化反応が完全に進行しない。また、5×10−4モル%を上回ると反応副生物と過剰分の式(5)で表される化合物を回収中にケタール基の分解が起こり、また着色して色相が増加する。なお、反応に用いる式(5)で表される化合物はいずれも中性であることが好ましい。
本発明の方法では、ケタール化反応における条件は特に制限はなく、状況に応じて適宜選定すればよいが、通常、反応温度は30〜90℃の範囲内で設定され、特に好ましくは60〜80℃である。反応温度が30℃未満になるとペンチトールジケタールまたはヘプチトールトリケタールは高粘度のため撹拌効率が低下する恐れがある。また、90℃を超えると着色の原因となる場合がある。ケタール化反応後の副生物および過剰の式(5)の化合物の回収は、通常は常圧、不活性ガス気流下で行われるが、これらの化合物を完全に留去させるには、副生物および過剰の式(5)の化合物の留出が、終了した時点で減圧状態にしたのち留去を行う。留出が継続している段階で減圧状態にするとケタール基が分解して、目的生成物のケタール基置換率が低下してしまうことがある。
本発明において用いられる酸触媒の使用量は極めて微量であるため、得られた水酸基を1個有するペンチトールジケタール誘導体またはヘプチトールトリケタール誘導体を、さらに別の反応用原料に用いる場合、中和処理や除去を行わなくても差し支えない。ただし、用途によっては触媒の失活や除去が必要な場合があるが、その場合には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど一般的に使用されるアルカリ中和剤や、酸吸着能を有する吸着剤を用いて処理を行うのが好ましい。酸吸着能を有する吸着剤の市販品としては、キョーワード100(MgO)、キョーワード300(2.5MgO・Al・xHO)、キョーワード500(MgAl(OH)16CO・4HO)、キョーワード600(2MgO・6SiO・xHO)、キョーワード1000(Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO)(協和化学工業(株)製)、トミックスAD−100(MgO:97.8%)、トミックスAD−500(MgO:37.4%、Al:17.2%、CO:8.1%)、トミックスAD−800(SiO:42.1%、CaO:31.5%)(富田製薬(株)製)などを例示することができる。
2.アルケニルエーテル化反応:
1.のケタール化反応によって得られた式(7)で表される化合物と、アルケニルハライドとをアルカリ触媒の存在下で反応させてアルケニル基を1個有するペンチトールジケタール誘導体またはヘプチトールトリケタール誘導体を製造する。
本発明の方法における水酸基を1個有するペンチトールジケタールまたはヘプチトールトリケタールのアルケニル化反応は、公知の技術を用いて行うことができ、具体的には水酸基を1個有するペンチトールジケタールまたはヘプチトールトリケタールに、アルカリ触媒の存在下アルケニルハライドを作用させる。アルケニル化反応において用いるアルカリ触媒としては、金属ナトリウム、金属カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等が挙げられる。これらは単一または2種以上の混合物でもよく、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
アルケニル化反応において用いる末端アルケニル基含有ハロゲン化合物としては、直鎖または分岐の炭素数3〜5の末端アルケニル基を有するハロゲン化物を用いる。具体例としては、アリルクロライド、アリルブロマイド、アリルアイオダイド、メタリルクロライド、メタリルブロマイド、メタリルアイオダイド、3−ブテニルクロライド、3−ブテニルブロマイド、3−ブテニルアイオダイド、3−メチル−3−ブテニルクロライド、3−メチル−3−ブテニルブロマイド、3−メチル−3−ブテニルアイオダイド等が挙げられ、好ましくはアリルクロライド、メタリルクロライドである。
アルケニル化反応における反応温度は、60〜140℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。60℃よりも低いと反応速度が低下し、反応時間の増加やペンチトールジケタールまたはヘプチトールトリケタールの残存量増加の原因となり、140℃よりも高いと二重結合の内部転位が起こる原因となる。
アルケニル化反応終了後の精製は、公知の技術である過剰のアルケニルハライドを留去後、水を加え塩析により分層させて過剰のアルカリ触媒および無機塩を分離除去させる方法を用いる。塩析工程に用いる水の量は、アルケニル化反応において用いたアルカリ触媒100重量部に対して、200〜500重量部が好ましい。条件としては、温度が60〜100℃、20分〜4時間静置させるのが好ましく、水層と有機層が分層した後、水層の抜き操作を行う。
水層の抜き操作後の有機層には若干のアルカリ分が残っているため、中和が行われる。通常は酸による中和が行われるが、本発明におけるアルケニル基を1個有するペンチトールジケタール誘導体またはヘプチトールトリケタール誘導体は、水などの存在下、強酸性領域ではケタール基が加水分解されてしまう。
そのため、本発明においては、酸またはアルカリ吸着能を有する吸着剤を用いて中和を行うが、中和時のpHを調整することでケタール基が分解されることなくアルカリ分の除去が可能となる。
本発明において用いる酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸等、ピバル酸、シュウ酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸無水物、パラトルエンスルホン酸一水和物、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸等が挙げられ、塩酸、リン酸、酢酸が好ましい。また、アルカリ吸着能を有する吸着剤としては、アルカリ吸着能を有するものであれば各種のものが使用可能であり、例えば活性白土、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、マグネシアなどが挙げられる。本発明の方法に用いられる好適な吸着剤の市販品としては、キョーワード600(2Mg・6SiO・xHO)、キョーワード700(Al・9SiO・HO)(協和化学工業(株)製)、トミックスAD−300(MgO:13.2%、Al:31.0%、SiO:30.5%)、トミックスAD−600(MgO:14.2%、SiO:63.2%)、トミックスAD−700(Al:11.2%、SiO:68.0%)(富田製薬(株)製)等を例示することができる。これら用いる酸やアルカリ吸着能を有する吸着剤は、単一でも2種以上の混合物でもよい。また、酸についてはそのまま用いても水等で希釈したものでもよい。
本発明において、中和後のpHは好ましくは5.0〜7.5、より好ましくは5.3〜7.2、さらに好ましくは5.5〜7.0の範囲に調整するのが好ましい。中和後のpHが5.0を下回るとケタール基の分解が起こるので好ましくない。また、pHが7.5を超えるとアルカリ金属化合物が残存し、共重合体原料や変性材料として利用する際に副反応を引き起こしたり、末端二重結合の内部転位を引き起こしたりする原因となるので好ましくない。酸またはアルカリ吸着能を有する吸着剤による処理温度は、一義的には定められないが、通常は50〜100℃、好ましくは60〜90℃である。添加量については、残存するアルカリ触媒の量や種類により異なるが、原料仕込量に対し0.5〜5質量%の範囲を目安とすればよい。少なすぎるとアルカリ分を完全に中和することができず、一方多すぎるとケタール基が分解されてしまう恐れがある。酸またはアルカリ吸着能を有する吸着剤による中和後、析出した塩や処理後の吸着剤を濾過または遠心分離などにより除去すればよい。
また、上記の方法により得られたアルケニル基を1個有するペンチトールジケタール誘導体またはヘプチトールトリケタール誘導体は、蒸留等によりさらに純度を向上させることも可能である。
このアルケニルエーテル化反応により、式(8)で表されるアルケニル基を1個有するペンチトールジケタール誘導体またはヘプチトールトリケタール誘導体が得られる。
Figure 2008274241
(式中、R20は炭素数3〜5のアルケニル基、R21及びR22はそれぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、k=1〜2である。但し、R21及びR22の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。)
3.ヒドロシリル化反応:
2.のアルケニルエーテル化によって得られた式(8)で表される化合物と、式(9)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンとを触媒存在下ヒドロシリル化反応を行うことにより、式(3)及び式(4)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体を得られる。
Figure 2008274241
ヒドロシリル化反応に用いる原料ハイドロジェンオルガノポリシロキサンは、式(9)において、R23は炭素数1〜8の炭化水素基、R24は水素原子もしくは炭素数1〜8の炭化水素基であり、p=0〜700、q=0〜100でq=0の場合R24の少なくとも一つは水素原子で好ましくはR23はメチル基、p=0〜200、q=0〜50である。
式(8)で表される化合物と、式(9)のハイドロジェンオルガノポリシロキサンの反応に用いる触媒としては、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金などの第VIII 族遷移金属又はそれらの化合物が挙げられるが、塩化白金酸が入手しやすく、また、そのアルコール溶液が均一系触媒であるため、取り扱いが容易であり好ましい。この反応には、必要に応じて溶媒を使用してもよい。用いる溶媒としては、例えば、四塩化炭素、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトンエタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどを挙げることができる。また、仕込み方法は、式(8)の化合物及び式(9)のハイドロジェンオルガノポリシロキサンを一括で仕込む方法や、式(8)の化合物の一部と式(9)のハイドロジェンオルガノポリシロキサンを仕込み、次いで式(8)の化合物の残りを連続的に仕込む方法、及び式(9)のハイドロジェンオルガノポリシロキサンを仕込み、次いで式(8)の化合物を連続的に仕込む方法等がある。また、式(9)のSi−Hの反応性基を完全に反応させるため、末端に二重結合を有する炭素数4〜8の炭化水素、具体的には1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどを追加して反応することもできる。さらに、合成時の取り扱いを容易にするために式(10)で表される末端にアルケニル基を有するポリオキシアルキレン化合物を用いて共変性させることもできる。
25O(AO)rR26 (10)
式(10)において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、具体的にはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。rはオキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜100であり、好ましくは1〜80、より好ましくは3〜70である。R25は末端に二重結合を有する炭素数3〜5のアルケニル基であり、例えば、アリル基、メタリル基、3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基等が挙げられ、好ましくはアリル基、メタリル基である。R26は水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、炭素数2〜24のアシル基のいずれかであり、炭素数1〜24の炭化水素基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、へキシル基、イソヘプチル基、2−エチルへキシル基、オクチル基、イソノニル基、デシル基、ドデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソセチル基、オクタデシル基、オレイル基、イソステアリル基、オレイル基、エイコシル基、ドコシル基、テトラコシル基等が挙げられ、炭素数2〜24のアシル基としては酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、イソノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等由来のアシル基が挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基、ブチル基、酢酸由来のアシル基である。なお、末端にアルケニル基を有するポリオキシアルキレン化合物を用いて共変性させる場合、式(8)で表される化合物と末端にアルケニル基を有するポリオキシアルキレン化合物との配合比率は式(3)で表される範囲で行うことができる。
4.脱ケタール化反応
3.のヒドロシリル化によって得られた式(3)及び式(4)で表される化合物を酸加水分解することにより、式(1)及び式(2)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を得ることができる。
酸加水分解の方法としては、例えば、式(3)及び式(4)で表される化合物100重量部に対し、酸を0.2〜5重量部、水を5〜40重量部添加し酸加水分解処理を行い、不活性ガスを吹き込みながら生成したカルボニル化合物及び水を留出させた後、アルカリで中和してpHを中性とし、脱水を行い生成した塩を濾別する方法がある。使用する酸としては、例えば、塩酸、燐酸、硫酸などの鉱酸や、酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸を挙げることができる。これらの中で、後処理などの点から、塩酸及び燐酸を好適に使用することができる。必要に応じて、水との接触をよくするために、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールを同時に添加することができる。脱ケタール化はヒドロシリル化反応後触媒及び溶媒の除去後行っても良く、また精製せずにそのまま行っても良い。
さらに上記の方法以外に、ペンチトールまたはヘプチトールを用いてケタール化反応を行い、続いて炭素数3〜5のアルケニルハライドを用いてアルケニルエーテル化反応を行った後、脱ケタール化反応を行い酸加水分解によって式(6)で示されるペンチトールモノアルケニルエーテルまたはヘプチトールモノアルケニルエーテルを得て、塩化白金酸を触媒としてヒドロシリル化反応を行い、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を得る方法も用いることができる。各工程の反応条件については上記1.〜4.記載の方法により行うことができる。
従って、本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物は、より少量の原料の配合でも効果的に親水性を付与することが可能な特定の糖アルコール残基を有する新規な変性オルガノポリシロキサン化合物であり、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンの分子量とSi−H基の数を変えることにより親水性を自由に調節することができ、乳化性と分散能に優れた界面活性能を有する非イオン界面活性剤となるため、べたつきが無く保湿性能を有する化粧品材料、繊維油剤、塗料添加剤、整泡剤等の広範囲の用途で使用することができる。また、本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体は、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を得るための前駆体として非常に有用である。さらに本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物の製造方法は前駆体の官能基数が1分子中に1個のみ導入できるような制御が可能であって、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を高純度で効率よく製造することができるため有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、合成品の分析は下記に記す方法で行った。
(実験方法)
水酸基価:JIS K 1557−1
動粘度:JIS K 2283
不飽和度:JIS K 1557−3
(ガスクロマトグラフィー測定による純度(以下、GC純度と省略する)測定方法)
サンプル:0.1wt%トルエン溶液
サンプル注入量:1μL
カラム:J&W 123−7033 DB−WAX(30m×320μm×0.5μm)
キャリヤーガス:He 3mL/min
カラム温度:160℃、30分後、5℃/minで240℃まで昇温
検出器:FID
実施例1
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管及び油水分離管を取り付けた3リットル容量の四ツ口フラスコにキシリトール700.0g、2,2−ジメトキシプロパン1291.2gとパラトルエンスルホン酸一水和物26.5mgをとり、反応系内を窒素ガスで置換後60〜90℃に保持し、2時間反応させた。反応終了後副生したメタノールおよび過剰分2,2−ジメトキシプロパンを常圧窒素気流下で加熱留去させ、留出物は冷却管、油水分離管を経由して凝縮後回収した。留出物が止まったことを確認して、80〜100℃、10mmHg(ゲージ圧力)で1時間微量の副生物および過剰原料を除去し、式(11)で表されるジイソプロピリデンキシリトール1013.6gを得た。性状は10℃で液体であり、動粘度(25℃)は498.6mm/s、GC純度は95%であった。
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(62.1),C2(76.7),C3(77.6),C4(75.0),C5(65.5),C6〜C7(109.6 ,109.7),C8〜C11(27.1 ,27.0 ,26.1 ,25.4)
次に、撹拌装置、窒素導入管及び熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに上記の方法で得た式(11)で表されるジイソプロピリデンキシリトール700.0g、水酸化カリウム349.0g、アリルクロライド277.3gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら110℃まで昇温し3時間反応させた。水(1045g)を添加し10分撹拌後1時間静置させ分層した下層のアルカリを含む水を排出し、残りの有機層は10重量%燐酸10.2gで中和し、100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間脱水を行い濾過により式(12)で表されるジイソプロピリデンキシリトールモノアリルエーテル691.8gを得た。水酸基価は13KOHmg/g、動粘度(25℃)は19mm/s、不飽和度は3.3meq/g、GC純度は94%であった。
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(117.3),C2(134.3),C3(72.5),C4(70.6),C5(76.4),C6(78.5),C7(75.7),C8(65.7),C9〜C10(109.7 ,109.8),C11〜C14(27.0 ,27.0 ,26.2 ,25.5)
続いて撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容四ツ口フラスコに式(13)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(HMS−301、アヅマックス(株)製)200gと、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)を白金換算で40ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下撹拌しながら、得られた式(12)で表されるジイソプロピリデンキシリトールモノアリルエーテル260gを滴下し90℃で反応を行った。途中1−オクテン27.5gを加え、サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、過剰に加えた1−オクテンを留去後式(14)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体418.3gを得た。
Figure 2008274241
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(1.8),C2(1.0),C3(13.4),C4(23.0),C5(71.9),C6(71.4),C7(75.8),C8(78.7),C9(74.5),C10(65.7),C11〜C12(109.6 ,109.7),C13〜C16(27.0 ,27.0 ,26.3 ,25.5)
続いて式(14)の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体350.0gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容量の四ツ口フラスコに仕込み、水35g、10重量%燐酸42g及びイソプロピルアルコール140gを添加した。イソプロピルアルコール還流下、密閉状態で2時間撹拌後、窒素バブリングでイソプロピルアルコール、水及びアセトンを系外に留去した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液14.7gを用いて中和した後水を添加し110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で水分の除去を行い、次いでキョーワード1000及びキョーワード700(協和化学工業(株)製)を各11.7g添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間精製し、濾過により式(15)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン252gを得た。
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(1.8),C2(1.0),C3(13.4),C4(23.0),C5(71.9),C6(71.6),C7(73.5),C8(73.9),C9(71.7),C10(64.1)
実施例2
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管及び油水分離管を取り付けた5リットル容量の四ツ口フラスコにキシリトール1400.0g、2,2−ジメトキシプロパン2678.4gとパラトルエンスルホン酸一水和物53mgをとり、反応系内を窒素ガスで置換後60〜90℃に保持し、2時間反応させた。反応終了後副生したメタノールおよび過剰分2,2−ジメトキシプロパンを常圧窒素気流下で加熱留去させ、留出物は冷却管、油水分離管を経由して凝縮後回収した。留出物が止まったことを確認して、80〜100℃、10mmHg(ゲージ圧力)で1時間微量の副生物および過剰原料を除去し、式(11)で表されるジイソプロピリデンキシリトール2050.2gを得た。性状は10℃で液体であり、動粘度(25℃)は528.4mm/s、GC純度は96%であった。
次に、撹拌装置、窒素導入管及び熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに上記の方法で得たジイソプロピリデンキシリトール1400.0g、水酸化ナトリウム497.2g、アリルクロライド531.4gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら100℃まで昇温し3時間反応させた。水(1994g)を添加し10分撹拌後1時間静置させ分層した下層のアルカリを含む水を排出し、残りの有機層は100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間脱水を行い、引き続きキョーワード700(協和化学工業(株)製)を84.6g添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間吸着処理を行い、濾過により式(12)で表されるジイソプロピリデンキシリトールモノアリルエーテル1331.8gを得た。水酸基価は19KOHmg/g、動粘度(25℃)は18mm/s、不飽和度は3.3meq/g、GC純度は93%であった。
次に、撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた3リットル容量の四ツ口フラスコに上記の方法で得られたジイソプロピリデンキシリトールモノアリルエーテル1200.0g、10重量%燐酸144.0g、水120gを添加し、80℃、密閉状態で1時間撹拌後、窒素バブリングで水及びアセトンを系外に留去した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液50.4gを用いて中和した後水を添加し100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で水分の除去を行い、引き続きキョーワード1000(協和化学工業(株)製)を36.0g添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間吸着処理を行い、濾過により式(16)で表されるキシリトールモノアリルエーテル772.8gを得た。水酸基価は1153KOHmg/g、動粘度(25℃)は12314mm/s、不飽和度は4.59meq/gであった。
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(117.7),C2(137.0),C3(72.7),C4(71.8),C5(73.2),C6(74.0),C7(72.0),C8(64.1)
続いて撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容量の四ツ口フラスコに式(13)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン200gと、イソプロピルアルコール100g、酢酸カリウム0.2gを加え、さらに触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)を白金換算で30ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下撹拌しながら、得られた式(16)で表されるキシリトールモノアリルエーテル213.4gとイソプロピルアルコール200gの混合物を滴下し、滴下終了後イソプロピルアルコール還流で反応を行った。途中サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、イソプロピルアルコールを留去後式(15)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン369gを得た。
実施例3
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容量の四ツ口フラスコに式(13)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン200gと、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)を白金換算で30ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下撹拌しながら、実施例1で得られた式(12)で表されるジイソプロピリデンキシリトールモノアリルエーテル162.3gとポリオキシエチレンアリルメチルエーテル(EO付加モル数10.6モル)170.2gの混合物を滴下し90℃で反応を行った。途中1−オクテン27.5gを加え、サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、過剰に加えた1−オクテンを留去後式(17)で表される糖アルコール・ポリオキシエチレン共変性オルガノポリシロキサン前駆体447gを得た。
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(1.8),C2(1.0),C3(13.4),C4(23.0),C5(71.9),C6(71.4),C7(75.8),C8(78.7),C9(74.5),C10(65.7),C11〜C12(109.6 ,109.7),C13〜C16(27.0 ,27.0 ,26.3 ,25.5),C17(13.3),C18(23.0),C19(71.9),C20(70.0),C21(70.6),C22(71.9),C23(59.0)
続いて式(17)で表される糖アルコール・ポリオキシエチレン共変性オルガノポリシロキサン前駆体350.0gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容量の四ツ口フラスコに仕込み、水35g、10重量%燐酸42g及びイソプロピルアルコール140gを添加した。イソプロピルアルコール還流下、密閉状態で2時間撹拌後、窒素バブリングでイソプロピルアルコール、水及びアセトンを系外に留去した。次いで10重量%水酸化ナトリウム水溶液14.7gを用いて中和した後水を添加し110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で水分の除去を行い、次いでキョーワード1000及びキョーワード700(協和化学工業(株)製)を各11.7g添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間精製し、濾過により式(18)で表される糖アルコール・ポリオキシエチレン共変性オルガノポリシロキサン263gを得た。
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(1.8),C2(1.0),C3(13.4),C4(23.0),C5(71.9),C6(71.6),C7(73.5),C8(73.9),C9(71.7),C10(64.1),C11(13.3),C12(23.0),C13(71.9),C14(70.0),C15(70.6),C16(71.9),C17(59.0)
実施例4
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容量の四ツ口フラスコに式(13)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン200gと、イソプロピルアルコール135g、酢酸カリウム0.2gを加え、さらに触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)を白金換算で35ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下撹拌しながら、実施例2で得られた式(16)で表されるキシリトールモノアリルエーテル140.2gとポリオキシエチレンアリルメチルエーテル(EO付加モル数10.6モル)113.2gの混合物を滴下し、滴下終了後イソプロピルアルコール還流で反応を行った。途中1−オクテン27.5gを加え、サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、イソプロピルアルコール及び過剰に加えた1−オクテンを留去後式(19)で表される糖アルコール・ポリオキシエチレン共変性オルガノポリシロキサン372gを得た。
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(1.8),C2(1.0),C3(13.4),C4(23.0),C5(71.9),C6(71.6),C7(73.5),C8(73.9),C9(71.7),C10(64.1),C11(13.3),C12(23.0),C13(71.9),C14(70.0),C15(70.6),C16(71.9),C17(59.0)
実施例5
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容量の四ツ口フラスコに式(20)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン390g(HMS−082、アヅマックス(株)製)と、イソプロピルアルコール140g、酢酸カリウム0.2gを加え、さらに触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)を白金換算で30ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下撹拌しながら、実施例2で得られた式(16)で表されるキシリトールモノアリルエーテル110gとイソプロピルアルコール110gの混合物を滴下し、滴下終了後イソプロピルアルコール還流で反応を行った。途中サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、イソプロピルアルコールを留去後式(21)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン431.6gを得た。
Figure 2008274241
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(1.8),C2(1.0),C3(13.4),C4(23.0),C5(71.9),C6(71.6),C7(73.5),C8(73.9),C9(71.7),C10(64.1)
実施例6
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容量の四ツ口フラスコにペンタメチルジシロキサン100gと、イソプロピルアルコール50g、酢酸カリウム0.1gを加え、さらに触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)を白金換算で35ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下撹拌しながら、実施例2で得られた式(16)で表されるキシリトールモノアリルエーテル155.0gとイソプロピルアルコール100gの混合物を滴下し、滴下終了後イソプロピルアルコール還流で反応を行った。途中1−オクテン22.5gを加えた。サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、イソプロピルアルコール及び過剰に加えた1−オクテンを留去後式(22)で表される糖アルコール変性オルガノジシロキサン218gを得た。
Figure 2008274241
13C-NMR分析による帰属(カッコ内の数値は化学シフト、単位ppm)
C1(1.9),C2(13.3),C3(23.1),C4(71.8),C5(71.6),C6(73.5),C7(73.9),C8(71.7),C9(64.1)
実施例7
実施例5で得られた糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物17重量%、25℃における粘度が0.1Pa・sのジメチルポリシロキサン33重量%、イオン交換水50重量%の比率で乳化物を調製した。乳化物は糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物とポリジメチルシロキサンを仕込みホモミキサーで混合しながら、次いでイオン交換水を加えることで調製した。調製した乳化物を20mlスクリュー管に入れて乳化安定性試験を実施し、常温および50℃で1週間保存した場合の乳化安定性を目視により判定した。評価基準は乳化物に分離等の変化が目視により確認できないものを○、それ以外を×とした。比較として、式(23)に示すポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物を用いた。合成方法は実施例と同様の条件で行った。
比較例1
実施例7で使用した糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を式(23)に示すポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物に置換した以外は、実施例7と同様の方法で調整した。
Figure 2008274241
また、レオメーターを用いて回転数1〜300rpmの範囲で25℃における乳化物の粘度(Pa・s)を測定した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2008274241
以上の結果より、実施例7の乳化物は比較例1と比べて乳化安定性が良好で、且つ高粘度のものが得られ撹拌速度を上げることにより粘度が低下する、いわゆるチクソトロピー性を有することが分かった。これは本発明の化合物中に親水性の水酸基が効果的に付与されているため、優れた特性が現れているものと考えられる。したがって、本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物はハイドロジェンオルガノポリシロキサンの分子量とSi−H基の数を調整することにより、多様な物性に優れた界面活性能を有する非イオン界面活性剤となり、例えば、乳化性が良好で伸びや拡がりに優れた化粧品材料や、たれ防止やレベリング性に優れた塗料添加剤等、広範囲の用途で使用することができる。また、本発明の合成原料として使用するキシリトールは植物を原料とし、生分解性、熱安定性、保存安定性が良好な化合物であるが、これらの特性は一部を除き本発明の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物に付与することができるため、非常に有用である。

Claims (4)

  1. 式(1)で表される糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物。
    Figure 2008274241
    (式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、Xは式(2)で表される基、Yは−RO(AO)nR(式中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基、Rは水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、炭素数2〜24のアシル基のいずれかであり、n=1〜100である)を表し、RはR、X、Yのいずれかであり、a=0〜700、b=0〜100、c=0〜50でb=0の場合Rの少なくとも一つはXである。)
    Figure 2008274241
    (式中、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基であり、d=1〜2である。)
  2. 式(3)で表される請求項1記載の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体。
    Figure 2008274241
    (式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、Vは式(4)で表される基、Wは−R11O(AO)mR12(式中、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、R11は炭素数3〜5の2価の炭化水素基、R12は水素原子、炭素数1〜24の炭化水素基、炭素数2〜24のアシル基のいずれかであり、m=1〜100である)を表し、RはR、V、Wのいずれかであり、e=0〜700、f=0〜100、g=0〜50でf=0の場合Rの少なくとも一つはVである。)
    Figure 2008274241
    (式中、Rは炭素数3〜5の2価の炭化水素基、R及びR10はそれぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、h=1〜2である。但し、R及びR10の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。)
  3. 下記のA〜D工程で製造することを特徴とする、請求項1記載の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物の製造方法。
    A.ペンチトールまたはヘプチトールに式(5)で表される化合物を理論当量に対して1.2〜1.5倍量、酸触媒をペンチトールまたはヘプチトールに対して5×10−6〜5×10−4モル%用いてケタール化反応を行う工程。
    B.Aで得られたケタール化合物に炭素数3〜5のアルケニルハライドをアルカリ触媒の存在下で反応させた後、酸またはアルカリ吸着能を有する吸着剤を用いて精製を行う工程。
    C.Bで得られた化合物を、塩化白金酸を触媒としてヒドロシリル化反応を行い、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン前駆体を得る工程。
    D.Cで得られた化合物に酸を用いて酸加水分解を行い、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を得る工程。
    Figure 2008274241
    (式中、R13及びR14はそれぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、R15及びR16はそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示す。但し、R13及びR14の少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。)
  4. 下記のE〜H工程で製造することを特徴とする、請求項1記載の糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物の製造方法。
    E.ペンチトールまたはヘプチトールに式(5)で表される化合物を理論当量に対して1.2〜1.5倍量、酸触媒をペンチトールまたはヘプチトールに対して5×10−6〜5×10−4モル%用いてケタール化反応を行う工程。
    F.Eで得られたケタール化合物に炭素数3〜5のアルケニルハライドをアルカリ触媒の存在下で反応させた後、酸またはアルカリ吸着能を有する吸着剤を用いて精製を行う工程。
    G.Fで得られた化合物に酸を用いて酸加水分解を行い、式(6)で示されるペンチトールモノアルケニルエーテルまたはヘプチトールモノアルケニルエーテルを得る工程。
    Figure 2008274241
    (式中、R17は炭素数3〜5のアルケニル基を示し、i=1〜2である。)
    H.Gで得られた化合物に塩化白金酸を触媒としてヒドロシリル化反応を行い、糖アルコール変性オルガノポリシロキサン化合物を得る工程。
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