JP5136849B2 - ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物 - Google Patents

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Description

本発明はポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物に関する。さらに詳しくは、界面活性能、耐塩性及びオルガノポリシロキサンとの相溶性に優れ、反応性官能基数が1分子中に1個のみ導入できるような制御が可能なポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物、及びそれを得るためのポリオキシアルキレン化合物に関する。
オルガノポリシロキサンは耐熱性、耐候性、離型性、撥水性、生理的不活性に優れるため、プラスチック、繊維、塗料、化粧品等の様々な分野で使用されている。しかし、オルガノポリシロキサンは疎水性であり水やアルコール等への相溶性に乏しい。このため、配合する基剤への可溶化、乳化、相溶化、分散等を行うために、従来よりポリオキシエチレンアルキル(又はアルキルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー(プルロニック型)、ポリグリセリンアルキル(又はアルキルフェニル)エーテル、ポリグリセリンアルキルエステル等の非イオン性界面活性剤が使用されている。
しかし、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルキルフェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー(プルロニック型)はオルガノポリシロキサンとの相溶性が乏しいため、添加量を多くしなければならない。これに加えて、非イオン性界面活性剤の親水性基がポリオキシエチレン鎖のみの場合、塩の存在下では界面活性能の維持が十分でない、例えば気泡が維持しにくくなる等の問題があるため配合可能な基剤に制限があった。
また、ポリグリセリンアルキル(又はアルキルフェニル)エーテルやポリグリセリンアルキルエステルを用いる場合、塩の存在下においても上記の非イオン性界面活性剤と比較して界面活性能の維持が可能だが、親水性基にポリグリセリンを使用しているため非常に高粘度であり、高温化または水溶液でしかハンドリングできず、加えてオルガノポリシロキサンとの相溶性にも乏しいという問題があった。さらに、ポリグリセリンは一般的にジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン等の混合物であり、蒸留等の操作により単一成分のものを得なければ1分子中に複数個のエーテル基やエステル基を有する化合物が生成し、それが原因で気泡安定化、可溶化、乳化、相溶化、分散等ができないおそれがある。
この課題を解決するため、これまでにポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物を界面活性剤として用いることも提案されている(例えば特許文献1)。
特開昭62−216635号公報
しかし、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物は、オルガノポリシロキサンとの相溶性に優れるため添加量を少なくできるが、やはり塩の存在下では界面活性能の維持が十分でなく、気泡の破壊や、可溶化物、乳化物、相溶化物、分散物の分離等が起こる問題があった。
したがって、オルガノポリシロキサンとの相溶性に優れることに加え、塩の存在下においても気泡安定化、可溶化、乳化、相溶化、分散等が十分に維持でき、且つ、製造時に扱い易く蒸留等の操作が不要なポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物が求められていた。
本発明の課題は、オルガノポリシロキサンとの相溶性に優れることに加え、塩の存在下においても気泡安定化、可溶化、乳化、相溶化、分散等の界面活性能が十分に維持できるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物を提供することである。
すなわち、本発明は、式(1)で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物である。
Figure 0005136849
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、Xは式(2)で表される基を表し、RはR、Xのいずれかであり、a=0〜700、b=0〜100でb=0の場合にはRの少なくとも一つはXである。)
Figure 0005136849
(式中、Rは炭素数3〜5のアルキレン基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、c=1〜2、d=0〜50、e=0〜50であり、d=0の場合にはeは1以上であり、e=0の場合にはdは1以上である。)
また、式(1)のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物の合成原料である、式(3)で表されるポリオキシアルキレン化合物である。
Figure 0005136849
(式中、Rは炭素数3〜5のアルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、c=1〜2、d=0〜50、e=0〜50であり、d=0の場合にはeは1以上であり、e=0の場合にはdは1以上である。)
更に、塩化白金酸を触媒として請求項2記載のポリオキシアルキレン化合物をヒドロシリル化反応させることによって、請求項1記載のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物を製造する。
また、本発明は、下記のA工程、B工程、C工程およびD工程を実施することにより得られる、前記ポリオキシアルキレン化合物に係るものである。
(A工程) ペンチトールまたはヘプチトールに式(4)で表される化合物を理論当量に対して1.2〜1.5倍量、酸触媒をペンチトールまたはヘプチトールに対して5×10−6〜5×10−4モル%用いてケタール化反応を行い、一つの水酸基を有するケタール化物を得る工程。
(B工程) 前記ケタール化物の前記水酸基にアルカリ触媒の存在下で炭素数2〜4のアルキレンオキシドを温度80〜140℃で開環重合させる工程。
(C工程) 次いで炭素数3〜5のアルケニルハライドを用いてアルカリ触媒の存在下でアルケニルエーテル化反応を行う工程。
(D工程) 次いで酸を用いて酸加水分解を行う工程。
Figure 0005136849
(式中、R及びRはそれぞれ水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示す。但し、R及びRの少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。)
あるいは、B工程を行なわず、D工程の後に下記G工程を行なうことができる。
(G工程) 前記酸加水分解後に生成した水酸基にアルカリ触媒の存在下で炭素数2〜4のアルキレンオキシドを温度80〜140℃で開環重合させる工程。
この発明においては、(A工程)、(C工程)、(D工程)、(G工程)の順で実施する。
あるいは、前記B工程を省略することなく、前記D工程の後に上記のG工程を行なうことができる。
この発明においては、(A工程)、(B工程)、(C工程)、(D工程)、(G工程)の順で実施する。
本発明のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物は、糖アルコール残基を構成単位とする新規化合物であり、オルガノポリシロキサンとの相溶性に優れることに加え、塩の存在下においても気泡安定化、可溶化、乳化、相溶化、分散等の界面活性能が十分に維持できるものである。
また、本発明のポリオキシアルキレン化合物は、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物の合成原料として有用である。
さらに、本発明の製造方法は、前駆体の反応性官能基を1分子中に1個のみ導入できるような制御が可能であって、高純度で効率よく製造することができる。
本発明の新規ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物は、式(1)で表される構造を有する。ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物の原料であるポリオキシアルキレン化合物は、式(3)で表される構造を有する。
式(1)において、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。
式(1)において、RはR、Xのいずれかであり、Xは式(2)で表される基である。
式(2)において、Rは炭素数3〜5のアルキレン基であり、例えば、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンテン基、イソペンテン基等が挙げられ、好ましくはプロピレン基、イソブチレン基である。
また式(2)及び式(3)において、d及びeは、それぞれ独立に0〜50を満たし、d=0の場合にはe=1〜50であり、e=0の場合にはd=1〜50である。
d及びeは、好ましくは0〜40、より好ましくは0〜30である。d=0の場合、eは好ましくは1.5〜30、より好ましくは2〜20である、e=0の場合、dは好ましくは1.5〜30、より好ましくは2〜20である。
dまたはeが50を超えると化合物の粘度が高くなる、あるいは室温で凝固するため、ハンドリング性が悪くなるため好ましくない。
式(3)において、Rは炭素数3〜5のアルケニル基であり、例えば、アリル基、メタリル基、3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基等が挙げられ、好ましくはアリル基、メタリル基である。
式(2)及び式(3)において、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、具体的にはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げられ、好ましくはオキシエチレン基、オキシプロピレン基である。また、炭素数2〜4のオキシアルキレン基は単一で付加したものでも、2種以上がブロック状に付加したものでもランダム状に付加したものでもよい。2種以上がブロック状に付加したものあるいはランダム状に付加したものの場合、50mol%以上、より好ましくは70mol%以上、さらに好ましくは80mol%以上はオキシエチレン基である。オキシエチレン基の割合が50mol%未満の場合、親水性が低下してしまうため好ましくない。
本発明のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物は、具体的には下記の工程を用いて製造することにより得られる。
まず、本発明のポリオキシアルキレン化合物を後述のようにして製造する。次いで、ポリオキシアルキレン化合物を塩化白金酸を触媒として、後述のようにヒドロシリル化反応させることによって、本発明のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物を製造することができる。
(ヒドロシリル化反応)
式(3)で表される化合物と、式(5)で表されるハイドロジェンオルガノポリシロキサンとを触媒存在下ヒドロシリル化反応を行うことにより、式(1)で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物を製造する。
Figure 0005136849
(式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、RはR、水素原子のいずれかであり、a=0〜700、b=0〜100であり、b=0の場合にはRの少なくとも一つは水素原子である。)
式(3)で表される化合物と、式(5)のハイドロジェンオルガノポリシロキサンの反応に用いる触媒としては、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金などの第VIII 族遷移金属又はそれらの化合物が挙げられるが、塩化白金酸が入手しやすく、また、そのアルコール溶液が均一系触媒であるため、取り扱いが容易であり好ましい。この反応には、必要に応じて溶媒を使用してもよい。
ヒドロシリル化飯能に用いる溶媒としては、例えば、四塩化炭素、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール等を挙げることができる。また、仕込み方法は、式(3)の化合物及び式(5)のハイドロジェンオルガノポリシロキサンを一括で仕込む方法や、式(3)の化合物の一部と式(5)のハイドロジェンオルガノポリシロキサンを仕込み、次いで式(3)の化合物の残りを連続的に仕込む方法、及び式(5)のハイドロジェンオルガノポリシロキサンを仕込み、次いで式(3)の化合物を連続的に仕込む方法等がある。また、式(5)のSi−Hの反応性基を完全に反応させるため、末端に二重結合を有する炭素数4〜8の炭化水素、具体的には1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどを追加して反応することもできる。
式(3)で表される化合物は、以下のA〜D工程を実施することによって製造できる。
(A工程:ケタール化反応)
炭素数5または7の糖アルコールとケタール化剤を酸触媒の存在下で反応させ、水酸基を1個有する糖アルコール誘導体を製造する。
ケタール化反応に用いる糖アルコールとしては炭素数5のペンチトールや炭素数7のヘプチトールが用いられ、ペンチトールとしては、D−アラビトール、L−アラビトール、キシリトール、リビトールが挙げられ、へプチトールとしては、α−D−グルコヘプチトール、β−D−グルコヘプチトール、β−L−グルコヘプチトール、α−D−マンノヘプチトール、α−L−マンノヘプチトール、β−D−マンノヘプチトール、β−D−アルトロヘプチトール、β−L−アルトロヘプチトール、β−D−ガラヘプチトール、β−L−ガラヘプチトール、β−イドヘプチトール、β−アロヘプチトール、α−D−アロヘプチトールが挙げられるが、好ましくはD−アラビトール、L−アラビトール、キシリトール、リビトールであり、より好ましくはキシリトールである。これらは、天然物、合成物のいずれでもよく、単独で用いても、2種以上の混合物で用いてもよい。
次に、本発明においては、ケタール化剤として、式(4)で表される化合物が用いられる。式(4)において、R及びRはそれぞれ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基を示す。但し、R及びRの少なくとも1つは炭素数1〜4のアルキル基である。ここで炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、これらは単独でも2種以上が混合したものでもよく、好ましくはメチル基、エチル基であり、より好ましくはメチル基である。
ペンチトールまたはヘプチトールと、式(4)で表される化合物とを用いてケタール化反応を行う場合、用いられる式(4)で表される化合物の仕込み量は理論当量に対して1.2〜1.5倍量であり、より好ましくは1.3〜1.5倍量であり、さらに好ましくは1.3〜1.4倍量である。なお、理論当量とは、化学方程式上必要とされる当量をいい、ペンチトールに対して2当量、ヘプチトールに対して3当量を表す。具体的に説明すると、ペンチトールの場合、ペンチトール1 モルに対して式(4)で表される化合物の仕込み量は2.4〜3.0モルであり、より好ましくは2.6〜3.0モルであり、さらに好ましくは2.6〜2.8モルとなる。また、へプチトールの場合、ヘプチトール1モルに対して式(4)で表される化合物は3.6〜4.5モルであり、より好ましくは3.9〜4.5モルであり、さらに好ましくは3.9〜4.2モルとなる。
式(4)で表される化合物の仕込み量が理論当量に対して1.2倍量より少ない場合、完全にケタール基に置換できず、ペンチトールの場合モノケタール体や未反応ペンチトールが、ヘプチトールの場合モノケタール体、ジケタール体、未反応ヘプチトールが残存する割合が多くなる。したがって、ケタール化されていない水酸基が多くなり、また、次のアルケニル化工程において1分子中にアルケニル基が複数個含まれた化合物の含有量が多くなることから、共重合体原料や変性材料として用いる場合、架橋して固化するなど望ましくない性能が出てしまう恐れがある。一方、理論当量に対して1.5倍量を上回ると、過剰原料の回収に時間を要し効率的ではないことに加え、二量体が副生し反応物は増粘または固化してしまう恐れがある。
このケタール化反応により、式(6)で表される水酸基を1個有するペンチトールジケタールまたはヘプチトールトリケタールが得られる。
Figure 0005136849
(式中、f=1〜2である。)
なお、得られる水酸基を1個有するペンチトールジケタールまたはヘプチトールトリケタールは水酸基の位置が異なる構造異性体や立体異性体の混合物として得られるが、これらをそのまま使用しても、蒸留等を行い1 種の異性体にしてから使用してもよい。例えば、キシリトールを用いて上記のケタール化を行った場合、1,2,3,4−ジ−O−イソプロピリデン−DL−キシリトール及び1,2,4,5−ジ−O−イソプロピリデン−DL−キシリトールの生成比が約90:10の混合物として得られる。
ケタール化反応において使用する酸触媒としては、酢酸、塩酸、塩化亜鉛、塩化アンモニウム、燐酸、硝酸、硫酸、硫酸銅、パラトルエンスルホン酸、三フッ化ホウ素エーテラート、五酸化二リン等の酸触媒が挙げられ、パラトルエンスルホン酸が特に好ましい。パラトルエンスルホン酸は無水物でも一水和物でもよい。酸触媒の使用量は、ペンチトールまたはヘプチトールに対して、5×10−6〜5×10−4モル%、より好ましくは7×10−6〜4×10−4モル%、さらに好ましくは1×10−5〜3×10−4モル%である。酸触媒の使用量が5×10−6モル%を下回るとケタール化反応が完全に進行しない。また、5×10−4モル%を上回ると反応副生物と過剰分の式(4)で表される化合物を回収中にケタール基の分解が起こり、また着色して色相が増加する。なお、反応に用いる式(4)で表される化合物はいずれも中性であることが好ましい。
本発明の方法では、ケタール化反応における条件は特に制限はないが、反応温度は30〜90℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。反応温度が30℃未満になるとペンチトールジケタールまたはヘプチトールトリケタールが高粘度になり撹拌効率が低下する恐れがある。また、90℃を超えると着色の原因となる場合がある。ケタール化反応後の副生物および過剰の式(4)の化合物の回収は、通常は常圧、不活性ガス気流下で行われるが、これらの化合物を完全に留去させるには、副生物および過剰の式(4)の化合物の留出が終了した時点で減圧状態にした後に留去を行うことが好ましい。留出が継続している段階で減圧状態にするとケタール基が分解して、目的生成物のケタール基置換率が低下してしまうことがあるため好ましくない。
本発明において用いられる酸触媒の使用量は極めて微量であるため、得られた水酸基を1個有するペンチトールジケタールまたはヘプチトールトリケタールを、さらに別の反応用原料に用いる場合、中和処理や除去を行わなくてもよい。但し、用途によっては触媒の失活や除去が必要な場合があるが、その場合には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど一般的に使用されるアルカリ中和剤や、酸吸着能を有する吸着剤を用いて処理を行うのが好ましい。酸吸着能を有する吸着剤の市販品としては、キョーワード100(MgO)、キョーワード300(2.5MgO・
Al・ xHO)、キョーワード500(MgAl(OH)16CO・4HO)、キョーワード600(2MgO・
6SiO・ xHO)、キョーワード1000(Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO)(協和化学工業(株)製)、トミックスAD−100(MgO:97.8%)、トミックスAD−500(MgO:37.4%、Al:17.2%、CO:8.1%)、トミックスAD−800(SiO: 42.1%、CaO:31.5%)(富田製薬(株)製)などを例示することができる。
(B工程:アルキレンオキシド開環重合反応)
A工程で得られた化合物は、ケタール化反応に関与しない残り1つの水酸基を有している。この水酸基を有する化合物とアルキレンオキシドとをアルカリ触媒の存在下で開環重合させて、ポリオキシアルキレン化合物を製造する。
アルキレンオキシド開環重合において用いるアルカリ触媒は、金属ナトリウム、金属カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物でもよい。
アルキレンオキシド開環重合条件は、例えば、アルカリ触媒量は原料とアルキレンオキシドの合計量に対して0.01〜2質量%が好ましく、反応温度は60〜160℃が好ましく、80〜140℃がより好ましい。
(C工程:アルケニルエーテル化反応)
水酸基を有する化合物と、アルケニルハライドとをアルカリ触媒の存在下で反応させてアルケニル基を有するポリオキシアルキレン化合物を製造する。
本発明のアルケニルエーテル化反応は、公知の技術を用いて行うことができ、具体的には水酸基を有するケタール基含有ポリオキシアルキレン化合物に、アルカリ触媒の存在下アルケニルハライドを作用させる。アルケニル化反応において用いるアルカリ触媒としては、金属ナトリウム、金属カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等が挙げられる。これらの1種または2種以上の混合物でもよく、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。
アルケニル化反応において用いるアルケニル基含有ハロゲン化合物としては、直鎖または分岐の炭素数3〜5の末端アルケニル基を有するハロゲン化物を用いる。具体例としては、アリルクロライド、アリルブロマイド、アリルアイオダイド、メタリルクロライド、メタリルブロマイド、メタリルアイオダイド、3−ブテニルクロライド、3−ブテニルブロマイド、3−ブテニルアイオダイド、3−メチル−3−ブテニルクロライド、3−メチル−3−ブテニルブロマイド、3−メチル−3−ブテニルアイオダイド等が挙げられ、好ましくはアリルクロライド、メタリルクロライドである。
アルケニル化反応における反応温度は、60〜140℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。60℃よりも低いと反応速度が低下し、反応時間の増加や未反応物増加の原因となり、140℃よりも高いと二重結合の内部転位が起こる原因となる。
アルケニル化反応終了後の精製は、公知の方法で行なうことができる。例えば過剰のアルケニルハライドを留去後、水を加え塩析により分層させて過剰のアルカリ触媒および無機塩を分離除去させる方法を用いる。塩析工程に用いる水の量は、アルケニル化反応において用いたアルカリ触媒100質量部に対して、200〜500質量部が好ましい。条件としては、温度が60〜100℃、20分〜4時間静置させるのが好ましく、水層と有機層が分層した後、水層の抜き操作を行う。
水層の抜き操作後の有機層には若干のアルカリ分が残っているため、中和を行うことが好ましい。通常は酸による中和を行うが、ケタール基を有する化合物の場合、水などの存在下で強酸性領域ではケタール基がケタール基の分加水解が起こり得る。そのため、本発明においては、酸、またはアルカリ吸着能を有する吸着剤を用いて中和を行うが、中和時のpHを調整することでケタール基が分解されることなくアルカリ分の除去が可能となる。
本発明において用いる酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸等、ピバル酸、シュウ酸、塩酸、燐酸、硝酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸無水物、パラトルエンスルホン酸一水和物、ベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸等が挙げられ、塩酸、リン酸、酢酸が好ましい。また、アルカリ吸着能を有する吸着剤としては、アルカリ吸着能を有するものであれば各種のものが使用可能であり、例えば活性白土、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、マグネシアなどが挙げられ、好適な吸着剤の市販品としては、キョーワード600、キョーワード700(Al・9SiO・HO)(協和化学工業(株)製)、トミックスAD−300(MgO:13.2%、Al:31.0%、SiO:30.5%)、トミックスAD−600(MgO:14.2%、SiO:63.2%)、トミックスAD−700(Al:11.2%、SiO:68.0%)(富田製薬(株)製)等を例示することができる。これら用いる酸、またはアルカリ吸着能を有する吸着剤は、1種または2種以上の混合物でもよい。また、酸についてはそのまま用いても水等で希釈したものでもよい。
本発明において、中和後のpHは好ましくは5.0〜7.5、より好ましくは5.3〜7.2、さらに好ましくは5.5〜7.0の範囲に調整するのがよい。中和後のpHが5.0を下回るとケタール基を有する化合物の場合、ケタール基の分加水解が起こり得るので好ましくない。また、pHが7.5を超えるとアルカリ金属化合物が残存し、共重合体原料や変性材料として利用する際に副反応を引き起こしたり、末端二重結合の内部転位を引き起こしたりする原因となるので好ましくない。酸またはアルカリ吸着能を有する吸着剤による処理温度は、一義的には定められないが、通常は50〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。添加量については、残存するアルカリ触媒の量や種類により異なるが、原料仕込量に対し0.5〜5質量%の範囲を目安とすればよい。少なすぎるとアルカリ分を完全に中和することができず、一方多すぎるとケタール基が含有されている場合、ケタール基が分解されてしまう恐れがある。酸、またはアルカリ吸着能を有する吸着剤による中和後、析出した塩や処理後の吸着剤を濾過または遠心分離などにより除去できるが、必要に応じて前述のA工程やC工程で用いた酸、アルカリ吸着能を有する吸着剤活性白土、合成ゼオライト系吸着剤、イオン交換樹脂等を用いてさらに高度に精製することも可能である。
(D工程:脱ケタール化反応)
ケタール基を有する化合物を酸加水分解することにより水酸基を有する化合物を製造する。
酸加水分解の方法としては、例えば、ケタール基を有する化合物100質量部に対し、酸を0.2〜5質量部、水を5〜40%添加し酸加水分解処理を行い、不活性ガスを吹き込みながら生成したカルボニル化合物及び水を留出させた後、アルカリで中和してpHを中性とし、脱水を行い生成した塩を濾別する方法がある。使用する酸としては、例えば、塩酸、燐酸、硫酸などの鉱酸や、酢酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸を挙げることができる。これらの中で、後処理などの点から、塩酸及び燐酸を好適に使用することができる。必要に応じて、水との接触をよくするために、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコールを同時に添加することができる。
なお、式(3)でe=0の場合、水酸基とヒドロシリル基が結合した副生成物の生成を抑制するために、前記ヒドロシリル化反応を行った後にD工程の脱ケタール化反応を行ってもよい。
(G工程:アルキレンオキシド開環重合反応)
酸加水分解後に生成した水酸基を有する化合物と、アルキレンオキシドとをアルカリ触媒の存在下で開環重合させてポリオキシアルキレン化合物を製造する。この工程は、前述の(B工程:アルキレンオキシド開環重合反応)と同じ条件で実施できる。
以上のようにして、本発明のオルガノポリシロキサン化合物を製造できる。本発明のオルガノポリシロキサン化合物は、界面活性能に優れ、且つ、耐塩性とオルガノポリシロキサンとの相溶性にも優れたオルガノポリシロキサン化合物となり、化粧品材料、繊維油剤、塗料添加剤、整泡剤等の広範囲の用途で使用することができる。また、本発明のポリオキシアルキレン化合物は、製造時に扱い易く蒸留等の操作が不要であり、オルガノポリシロキサン化合物の合成原料として非常に有用である。さらに本発明のオルガノポリシロキサン化合物の製造方法は、反応性官能基数が1分子中に1個のみ導入できるような制御が可能で、オルガノポリシロキサン化合物を高純度で効率よく製造することができるため有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、合成品の分析は下記に記す方法で行った。
(測定方法)
水酸基価:JIS K 1557−1
動粘度:JIS K 2283
不飽和度:JIS K 1557−3
(ガスクロマトグラフィー−質量分析(以下、GC−MSと省略する)による化合物の同定およびガスクロマトグラフィー測定による純度(以下、GC純度と省略する)測定方法)
サンプル:0.1質量%トルエン溶液
サンプル注入量:1μL
カラム:J&W 123−7033 DB−WAX(30m×320μm×0.5μm)
キャリヤーガス:He 3mL/min
カラム温度:160℃、30分後、5℃/minで240℃まで昇温
検出器:FID
(IRスペクトルの測定条件)
装置:JASCO FT/IR−410
測定方法:液膜法
測定範囲:400〜4000cm−1
分解:2cm−1
積算回数:16回
[実施例1]
(A工程)
撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対、冷却管及び油水分離管を取り付けた3リットル容量の四ツ口フラスコにキシリトール700g、2,2−ジメトキシプロパン1291g、パラトルエンスルホン酸一水和物27mgをとり、反応系内を窒素ガスで置換後60〜90℃に保持し、2時間反応させた。反応終了後副生したメタノールおよび過剰分2,2−ジメトキシプロパンを常圧窒素気流下で加熱留去させ、留出物は冷却管、油水分離管を経由して凝縮後回収した。留出物が止まったことを確認して、80〜100℃、10mmHg(ゲージ圧力)で1時間微量の副生物および過剰原料の除去を行い、1014gのサンプルを得た。性状は10℃で液体であり、水酸基価は223KOHmg/g、動粘度(25℃)は500mm/sだった。また、GC−MSの結果、式(7)及び式(8)
で表されるジイソプロピリデンキシリトールの混合物であり、GC純度はそれぞれ式(7)の化合物が86%、式(8)の化合物が9%だった。また、キシリトール及びモノイソプロピリデンキシリトールは含有していなかった。(以下、代表構造として式(7)で表す。)
Figure 0005136849
Figure 0005136849
(B工程)
次に、撹拌装置、窒素導入管及び熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに上記の方法で得たジイソプロピリデンキシリトール464g、水酸化カリウム3gを仕込み、系中を窒素で置換した後撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で脱水を行った。次に系中を窒素で置換した後100℃まで昇温し、エチレンオキシド881gを計量槽に計り取り、120℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを5時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。反応物の一部を抜き取り、中和、脱水及び濾過により精製サンプルを得た。この分析を行ったところ反応中間生成物の水酸基価は84KOHmg/g、動粘度(25℃)は210mm/sだった。
(C工程)
続いて50℃以下まで冷却後、水酸化カリウム300g、アリルクロライド188gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら110℃まで昇温し3時間反応させた。水820gを添加し10分攪拌後1時間静置させ分層した下層のアルカリを含む水を排出し、残りの有機層は10質量%燐酸で中和し、100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間脱水を行い濾過により式(9)で表されるケタール基含有ポリオキシアルキレン化合物1110gを得た。水酸基価は3KOHmg/g、動粘度(25℃)は160mm/s、不飽和度は1.4meq/gだった。
Figure 0005136849
(D工程)
続いて式(9)のケタール基含有ポリオキシアルキレン化合物683gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容量の四ツ口フラスコに仕込み、水68g、10質量%燐酸41gを添加した。密閉状態で2時間撹拌後、窒素バブリングで水及びアセトンを系外に留去した。次いで10質量%水酸化ナトリウム水溶液29gを用いて中和した後水を添加し、110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で水分の除去を行い、次いでキョーワード1000及びキョーワード700(協和化学工業(株)製)を各2g添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間精製し、濾過により式(10)で表されるポリオキシアルキレン化合物563gを得た。水酸基価は360KOHmg/g、動粘度(25℃)は600mm/s、不飽和度は1.5meq/gだった。
Figure 0005136849
(ヒドロシリル化反応)
続いて撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ミリリットル容四ツ口フラスコに式(10)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(HMS−301、アヅマックス(株)製)27gと、得られた式(11)で表されるポリオキシアルキレン化合物90g、イソプロピルアルコール59g、酢酸カリウム0.04g、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10−3モル/リットル)を白金換算で12ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下昇温してイソプロピルアルコール還流下で反応を行った。途中サンプリングを行い、N/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、式(12)で表される変性オルガノポリシロキサン化合物107gを得た。反応後のサンプルのIRを測定し、Si−H結合に由来する約2160cm−1のピークの消失を確認した。
Figure 0005136849
Figure 0005136849
[実施例2]
(C工程)
実施例1のA工程でジイソプロピリデンキシリトールを得た後、B工程を実施せず、C工程を実施した。
すなわち、撹拌装置、窒素導入管及び熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに、実施例1のA工程で得たジイソプロピリデンキシリトール795g、水酸化カリウム398g、アリルクロライド304gを仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら徐々に110℃まで昇温し3時間反応させた。水1200gを添加し10分攪拌後1時間静置させ分層した下層のアルカリを含む水を排出し、残りの有機層は10質量%燐酸で中和し、100℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリングで1時間脱水を行い濾過により式(13)で表されるケタール基含有アルケニル化合物821gを得た。水酸基価は9KOHmg/g、動粘度(25℃)は21mm/s、不飽和度は3.5meq/gだった。
Figure 0005136849
(D工程)
続いて式(13)のケタール基含有アルケニル化合物729gを撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた1リットル容量の四ツ口フラスコに仕込み、水73g、10質量%燐酸44gを添加した。密閉状態で2時間撹拌後、窒素バブリングで水及びアセトンを系外に留去した。次いで10質量%水酸化ナトリウム水溶液30gを用いて中和した後水を添加し110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で水分の除去を行い、次いでキョーワード1000及びキョーワード700(協和化学工業(株)製)を各1g添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間精製し、濾過により式(14)で表されるアルケニル化合物484gを得た。水酸基価は1169KOHmg/g、動粘度(25℃)は12000mm/s、不飽和度は4.6meq/gだった。
Figure 0005136849
(G工程)
次に、撹拌装置、窒素導入管及び熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに上記の方法で得た式(14)で表されるアルケニル化合物310g、水酸化カリウム3gを仕込み、系中を窒素で置換した後撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で脱水を行った。次に系中を窒素で置換した後100℃まで昇温し、エチレンオキシド712gを計量槽に計り取り、120℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを8時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。さらに、110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で水分の除去を行い、次いでキョーワード1000及びキョーワード700(協和化学工業(株)製)を各2g添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間精製し、濾過により式(15)で表されるポリオキシアルキレン化合物1034gを得た。水酸基価は366KOHmg/g、動粘度(25℃)は600mm/s、不飽和度は1.3meq/gだった。
Figure 0005136849
(ヒドロシリル化反応)
続いて撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ミリリットル容四ツ口フラスコに式(11)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(HMS−301、アヅマックス(株)製)25gと、得られた式(15)で表されるポリオキシアルキレン化合物92g、イソプロピルアルコール59g、酢酸カリウム0.05g、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)を白金換算で12ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下昇温してイソプロピルアルコール還流下で反応を行った。途中サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、式(16)で表される変性オルガノポリシロキサン化合物101gを得た。反応後のサンプルのIRを測定し、Si−H結合に由来する約2160cm−1のピークの消失を確認した。
Figure 0005136849
[実施例3]
(G工程)
撹拌装置、窒素導入管及び熱電対を取り付けた5リットル容量のオートクレーブに実施例2の方法で得た式(14)で表されるアルケニル化合物310g、水酸化カリウム(東亞合成(株)製)3gを仕込み、系中を窒素で置換した後撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で脱水を行った。次に系中を窒素で置換した後100℃まで昇温し、エチレンオキシド1423gを計量槽に計り取り、120℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でエチレンオキシドを16時間かけて圧入し、さらに1時間反応を続けた。次に85℃まで降温し、未反応のエチレンオキシドを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去を行った。さらに、110℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で水分の除去を行い、次いでキョーワード1000及びキョーワード700(協和化学工業(株)製)を各2g添加し、90℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で2時間精製し、濾過により式(17)で表されるポリオキシアルキレン化合物1387gを得た。水酸基価は218KOHmg/g、動粘度(25℃)は430mm/s、不飽和度は0.8meq/gだった。
Figure 0005136849
(ヒドロシリル化反応)
続いて撹拌羽根、窒素吹き込み管、熱電対及び冷却管を取り付けた500ミリリットル容四ツ口フラスコに式(11)で表されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(HMS−301、アヅマックス(株)製)15gと、得られた式(17)で表されるポリオキシアルキレン化合物92g、イソプロピルアルコール54g、酢酸カリウム0.04g、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)を白金換算で12ppmとなるように仕込み、窒素雰囲気下昇温してイソプロピルアルコール還流下で反応を行った。途中サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスが発生しなくなるまで反応を継続し、式(18)で表される変性オルガノポリシロキサン化合物192gを得た。反応後のサンプルのIRを測定し、Si−H結合に由来する約2160cm−1のピークの消失を確認した。
Figure 0005136849
(実施例4)
実施例1、2及び3で得られた変性オルガノポリシロキサン化合物及び従来より公知の非イオン性界面活性剤を用いて、以下の試験を行い、気泡安定性を調べた。変性オルガノポリシロキサン化合物または界面活性剤2gと5質量%食塩水198gを1リットル容のトールメスシリンダーに採り、かき混ぜにより界面活性剤を完全に溶解した。トールメスシリンダーを40℃の恒温槽に入れ、液温を40±2℃に保持し、ディフーザーストーンを用いて窒素ガスを毎分500mlで吹き込み発泡させた。泡の高さが1リットル容を示す標線に達したとき、窒素ガスの吹き込みをやめた。窒素ガスの吹き込みをやめてから、5分間隔で25分後まで、泡の容積の経時変化を調べた。結果を表2に示す。
(比較例1〜3)
表1に示す変性オルガノポリシロキサン化合物及び界面活性剤を用いて、実施例3と同様の方法で試験を行い、塩存在の有無における気泡安定性を調べた。結果を表2に示す。
Figure 0005136849
Figure 0005136849
表2の結果より、実施例1、2及び3で得られた本発明の界面活性剤は、長時間の気泡安定性及び耐塩性に優れていることが分かる。一方、従来のポリエーテルを用いたポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物や非イオン性界面活性剤を用いた比較例では、実施例と比較して長時間の気泡安定性及び耐塩性が劣っていることがわかる。

Claims (2)

  1. 式(1)で表されるポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物。
    Figure 0005136849
    (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、Xは式(2)で表される基を表し、RはR、Xのいずれかであり、a=0〜700、b=0〜100で、b=0の場合にはRの少なくとも一つはXである。)
    Figure 0005136849
    (式中、Rは炭素数3〜5のアルキレン基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、c=1〜2、d=0〜50、e=0〜50であり、d=0の場合にはeは1以上であり、e=0の場合にはdは1以上である。)
  2. 請求項1記載のポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン化合物合成原料である、式(3)で表されるポリオキシアルキレン化合物。
    Figure 0005136849
    (式中、Rは炭素数3〜5のアルケニル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、c=1〜2、d=0〜50、e=0〜50であり、d=0の場合にはeは1以上であり、e=0の場合にはdは1以上である。)
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