JPH0912440A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH0912440A
JPH0912440A JP15792695A JP15792695A JPH0912440A JP H0912440 A JPH0912440 A JP H0912440A JP 15792695 A JP15792695 A JP 15792695A JP 15792695 A JP15792695 A JP 15792695A JP H0912440 A JPH0912440 A JP H0912440A
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JP
Japan
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polyether
cosmetic
formula
group
modified polyorganosiloxane
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP15792695A
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English (en)
Inventor
Nobutsugu Kida
信嗣 木田
Yoshiyuki Sato
吉幸 佐藤
Koji Shikanuma
浩二 鹿沼
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toshiba Silicone Co Ltd filed Critical Toshiba Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ケイ素原子に結合した、一般式: 【化17】 で示されるポリエーテル鎖含有基を有するポリエーテル
変性ポリオルガノシロキサンを含有することを特徴とす
る化粧料。 【効果】 特殊な精製工程を経ないポリエーテル変性ポ
リオルガノシロキサンを配合して、経時的に臭気を発し
ない化粧料が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエーテル変性ポリ
オルガノシロキサンを含有する化粧料に関し、さらに詳
細には、新規なポリエーテル変性ポリオルガノシロキサ
ンを含有し、経時的に臭気を発することのない化粧料に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオルガノシロキサンの少なくとも1
個のケイ素原子に、ポリオキシエチレン、ポリオキシプ
ロピレンまたはオキシエチレン・オキシプロピレン混成
ポリオキシアルキレンのようなポリエーテル鎖を有する
基が結合しているポリエーテル変性ポリオルガノシロキ
サンは、分子中にポリシロキサン鎖とポリエーテル鎖を
有し、種々の化粧料用材料に対する相溶性、あるいは乳
化性のような界面活性に優れ、化粧料に配合されると、
化粧料にすべり性、のびおよび特有の光沢を与えること
から、シャンプー、リンス、ハンドクリーム、メーキャ
ップ材など、各種の化粧品の成分として、幅広く利用さ
れている。
【0003】しかしながら、従来のポリエーテル変性ポ
リオルガノシロキサンは、経時的にアルデヒド臭や酸敗
臭などの臭気を発するに至る。そのため、これらを配合
した化粧品が、保存中に臭気を発するに至るという問題
があった。
【0004】臭気の発生機構については、特開平2−3
02438号公報や特開平2−115110号公報など
に記述されている。すなわち、ポリエーテル変性ポリオ
ルガノシロキサンは、一般に末端にアリル基を有するポ
リエーテル化合物と、ケイ素−水素結合を有するポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサンとを、塩化白金酸など
の貴金属系触媒を用いて付加反応させることによって合
成される。この際、アリル基がイソプロペニル基に異性
化される副反応が起こり、イソプロペニル基を有するポ
リエーテル化合物が、不純物としてポリエーテル変性ポ
リオルガノシロキサン中に存在する。このイソプロペニ
ル基が、経時的に、特に酸性水中で加水分解され、プロ
ピオンアルデヒドを生じて臭気を発するに至る。
【0005】このため、活性炭や活性白土による吸着、
水蒸気処理、トコフェロールやフィチン酸の添加などに
よって、エーテル変性ポリオルガノシロキサンを無臭化
する試みがなされているが、特に化粧料の成分として用
いられる場合、空気中に開放して水分と接触したり、化
粧料として用いられて汗や水分と接触することによっ
て、臭気を発することがある。
【0006】特開平2−302438号公報には、不純
物として含まれるイソプロペニル基含有ポリエーテル化
合物のイソプロペニル基をあらかじめ酸性条件で加水分
解し、ついで除去することによって精製し、ポリエーテ
ル変性ポリオルガノシロキサンが臭気を発しないように
する方法が開示されている。この方法は、たしかに臭気
の程度を大幅に低減できる有用な方法であるが、精製の
際に、シロキサン結合を切断するおそれのある濃塩酸な
どの酸性物質を使用しなければならず、このため、この
ような処理を行わないポリエーテル変性ポリオルガノシ
ロキサンと比較して、水中での長期安定性に不安があ
る。また、生成するプロピオンアルデヒドを完全に除去
するためには大量の水を用いて水蒸気蒸留をする必要が
あり、製造に長時間を要すること、また実際の製造に際
しては品質のバラツキを起こしやすいという問題点を含
んでいる。
【0007】特開平2−115110号公報には、ポリ
エーテル鎖とポリオルガノシロキサンとの結合部分に、
エーテル結合の代わりにエステル結合を存在させること
により、不純物としてイソプロペニル基を有する化合物
を含まないようにした、化粧品用材料として用いられる
ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンが開示されて
いる。このような構造をとることによって、たしかにイ
ソプロペニル基を有する化合物を全く含まないポリエー
テル変性ポリオルガノシロキサンが得られるが、製造工
程が複雑であり、工業的に有利な方法ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エーテル変性ポリオルガノシロキサンを含有しつつ、経
時的に臭気を発することのない化粧品を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、ポリエーテル鎖
への結合部に特定の構造を有するポリエーテル変性ポリ
オルガノシロキサンが、その合成の際に、経時的に臭気
を発する原因となるイソプロペニル基への異性化反応を
生ずることなく、しかも、特殊な精製方法や製造工程を
使用せずに簡便な方法で合成でき、そのうえ、このよう
な新規なポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを配
合された化粧料が、前述のようなポリエーテル変性ポリ
オルガノシロキサンの特徴を十分に発揮することを見出
して、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明の化粧料は、平均単位式
(I):
【化3】 (式中、R1 はたがいに同一でも異なっていてもよい置
換または非置換の1価の炭化水素基を表し;Zは一般
式:
【化4】 (式中、Yは酸素原子またはR6 Oを表し、ここでR6
はアルキレン基を表し;R2 およびR3 はそれぞれ独立
して置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;R4
は1種または2種以上の炭素原子数2〜4のアルキレン
基を表し;R5 は水素原子または炭素原子数1〜18の
脂肪族不飽和結合を含まない1価の炭化水素基を表し;
nは3〜100の数である)で示される1価のポリエー
テル鎖含有基であり;xは0<x≦2、yは0<y≦1
を満たす数であり、x+yは1.9≦x+y≦2.1の
範囲である)で示されるポリエーテル変性ポリオルガノ
シロキサンを含有することを特徴とする。
【0011】本発明で化粧料の成分として用いられるポ
リエーテル変性ポリオルガノシロキサンにおいて最も特
徴的なことは、単位式(IIa):
【化5】 (式中、R1 、Zは前述のとおり;aは0〜2の整数、
bは1〜3の整数である)で示されるポリエーテル鎖含
有シロキサン単位を分子中に少なくとも1個有すること
である。bは、合成の容易なことから1が最も好まし
い。ここで、ケイ素原子に結合したポリエーテル鎖含有
基Zは、ケイ素原子とポリエーテル鎖との間に、一般
式:
【化6】 (式中、R2 、R3 およびYは前述のとおり)で示され
る結合部を有しており、このことによって、ポリエーテ
ル鎖含有ポリオルガノシロキサンを合成する際に、臭気
の原因となるイソプロペニル基への異性化を生じない。
【0012】R2 およびR3 は、それぞれ置換または非
置換の1価の炭化水素基であり、具体例としては、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチルなどの直鎖状または分岐
状のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシルなど
のシクロアルキル基;2−フェニルエチルなどのアラル
キル基;フェニルなどのアリール基;ならびにクロロメ
チルなどの置換炭化水素基が挙げられ、R2 とR3 は互
いに同一でも異なっていてもよい。これらの中でも、原
料の入手とポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの
合成が容易なこと、ならびに該ポリシロキサンの取扱や
界面活性が良好なことから、それぞれ炭素数1〜4の直
鎖状または分岐状のアルキル基が好ましく、R2 、R3
がともにメチル基であることが特に好ましい。
【0013】Yはエーテル酸素原子であるか、オキシア
ルキレン基−R6 O−である。Rはアルキレン基であ
り、メチレン、エチレン、トリメチレンなどのアルキレ
ン基が例示される。Yとしては、原料の入手とポリエー
テル変性ポリオルガノシロキサンの合成が容易なこと、
および結合の耐加水分解性などから、酸素原子であるこ
とが好ましい。
【0014】R は−R4 O−としてポリエーテル鎖
を構成する炭素原子数2〜4のアルキレン基を表し;エ
チレン、トリメチレン、テトラメチレンなどの直鎖状ア
ルキレン基;ならびにメチルエタン−1,2−ジイル、
エチルエタン−1,2−ジイルなどの分岐状アルキレン
基が挙げられ、同一ポリエーテル鎖に1種でもよく、2
種以上のR4 を含む共重合ポリエーテル鎖を形成してい
てもよく、この場合、ランダム共重合鎖でも、ブロック
共重合鎖でもよい。ポリエーテル変性ポリオルガノシロ
キサンが界面活性剤として優れた物性を得るためには、
4 はエチレン、メチルエタン−1,2−ジイルまたは
両者の混成であることが好ましい。
【0015】ポリエーテル鎖の重合度nは3〜100、
好ましくは3〜50の整数であり、ポリエーテル鎖変性
ポリオルガノシロキサンの用途と、必要な疎水/親水比
や粘度、界面張力などの物性に応じて、R4 の種類ない
しその組合せとともに選択される。
【0016】R5 はポリエーテル鎖含有基Zの末端基で
あって、水素原子または脂肪族不飽和結合を含まぬ炭素
原子数が1〜18の1価の炭化水素基であり、具体的に
は、メチル、エチル、ブチル、オクチル、オクタデシル
などのアルキル基;ベンジルなどのアラルキル基;フェ
ニルなどのアリール基;ならびにオクチルフェニル、ノ
ニルフェニルなどのアリカリール基が例示される。
【0017】このような構造のポリエーテル鎖含有基Z
の代表例として、次のようなものが挙げられる。
【0018】
【化7】
【0019】分子中にこのようなZを含有するポリエー
テル変性ポリオルガノシロキサンのシロキサン骨格は、
直鎖状でも環状でもよく、また分子中に若干の分岐を含
んでいてもよい。
【0020】該ポリシロキサン分子中で、上述のポリエ
ーテル鎖含有基Zは、シロキサン鎖の末端ケイ素原子、
中間ケイ素原子および分岐点のケイ素原子のいずれに結
合していても差支えない。Zを含有するシロキサン単位
(IIa)は、その分子中における位置とZの数に応じ
て、0〜2個のR1 を有してもよい。このようなシロキ
サン単位(IIa)は、1分子中に複数の形のものがあっ
てもよく、換言すれば、たとえばZは直鎖状シロキサン
骨格の末端と中間のケイ素原子の両方に結合して存在し
ても差支えない。また、該ポリエーテル変性ポリオルガ
ノシロキサンには、必要に応じて、単位式(IIb):
【化8】 (式中、R1 は前述のとおり;cは分子中における該シ
ロキサン単位の位置に応じて、0〜3の整数である)で
示される、Zを含有しないシロキサン単位を有していて
もよい。
【0021】該ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサ
ンにおいて、上述のシロキサン単位(IIa)および(II
b)のケイ素原子に結合したZ以外の有機基R1 は、置
換または非置換の1価の炭化水素基であり、具体例とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル
などのアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシルな
どのシクロアルキル基;2−フェニルエチル、2−フェ
ニルプロピルなどのアラルキル基;フェニル、トリルな
どのアリール基;ならびに3−メトキシプロピルなどの
置換炭化水素基が挙げられ、分子中に1種でも、2種以
上が併存していてもよい。これらの中でも、原料の入手
とポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンの合成が容
易なこと、および得られる該ポリシロキサンの界面活性
が良好なことから、90%以上がメチル基であることが
好ましく、実質的にすべてメチル基であることが最も好
ましい。
【0022】このようなポリエーテル変性ポリオルガノ
シロキサンは、分子全体の平均単位式が式(I):
【化9】 (式中、R1 、Z、xおよびyは前述のとおり)で示さ
れる。xは0<x≦2を満たす数である。xが2を越え
ると親水性が不十分である。yは0<y≦1を満たす数
である。yが1を越えるものは合成しにくいうえ、親油
性が不十分である。さらに、x+yは1.9〜2.1の
範囲である。x+yが1.9未満ではシロキサン骨格の
分岐度が増し、あるいは網状化するために、制御よく合
成することが困難である。また、2.1を越えると、ポ
リオルガノシロキサン部分の分子量が小さくなり、界面
活性剤としての良好な特性が得られない。
【0023】該ポリシロキサンの平均分子量は好ましく
は500〜500,000であり、特に好ましくは1,
000〜50,000である。平均分子量が500未満
では親油性と親水性の両立が難しく、500,000を
越えると粘度が高過ぎて取扱いにくい。
【0024】該ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサ
ンは、たとえば次のようにして合成される。
【0025】まず、一般式:
【化10】 または
【化11】 (式中、R2 、R3 およびR6 は前述のとおり)で示さ
れる、ビニル基に隣接した第三級炭素原子に水酸基が結
合し、またはビニル基に隣接した第四級炭化水素にR6
を介して水酸基が結合した分岐状不飽和アルコールに、
環状エーテルで開環付加重合させる。分岐状不飽和アル
コールとしては、3−メチル−1−ブテン−3−オー
ル、3−エチル−1−ブテン−3−オール、3−プロピ
ル−1−ブテン−3−オール、3,3−ジメチル−1−
ブテン−4−オール、3−メチル−3−エチル−1−ブ
テン−4−オール、3,3−ジメチル−1−ペンテン−
5−オール、3,3−ジメチル−1−ヘキセン−6−オ
ール、3,5−ジメチル−1−ヘキセン−3−オールな
どが例示され、反応が良好に進行することから、3−メ
チル−1−ブテン−3−オールが最も好ましい。
【0026】環状エーテルとしては、Z中のポリエーテ
ル鎖R4 に対応するエチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、ブチレンオキシド、オキタセンおよびテトラヒド
ロフランが挙げられ、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシドおよび両者の併用が好ましい。これらは、1種で
も、2種以上を併用して、ポリエーテル共重合体を形成
させてもよい。共重合体を得るには、2種以上の環状エ
ーテルを混合して同時に開環付加重合させてランダム共
重合体を得ることも、逐次的に反応させてブロック共重
合体を得ることもできる。
【0027】反応は、ポリエーテルの重合度が所望の値
になるまで、アルキレンオキシドの物性に合わせて加圧
下または常圧下、たとえば1.5〜5気圧の加圧下、温
度110〜180℃で行われる。通常、反応を促進する
ために反応触媒が使用される。反応触媒としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ触媒、ま
たはトリフルオロホウ素、塩化アルミニウムなどのルイ
ス酸触媒が使用できる。アルカリ触媒を使用した場合
は、中和剤として酸が使用されるが、この場合、リン酸
や酢酸などの弱酸によって中和されることが望ましい。
【0028】このようにして得られたポリエーテル化合
物の、分岐状アルケニル基とは反対側の末端には、第一
級または第二級のヒドロキシル基が存在している。これ
に、R5 が炭化水素基の場合、該R5 に対応するハロゲ
ン化炭化水素、たとえば塩化メチル、塩化ブチルまたは
塩化ベンジルを用いて、該ヒドロキシル基をエーテル化
することができる。
【0029】このようにして、一般式(III):
【化12】 (式中、R2 、R3 、R4 、R5 、Yおよびnは前述の
とおり)で示される分岐状アルケニル基含有ポリエーテ
ル化合物が得られる。
【0030】上記の分岐状アルケニル基含有ポリエーテ
ル化合物を、目的とするポリエーテル変性ポリオルガノ
シロキサンのポリオルガノシロキサン部分に対応するポ
リオルガノハイドロジェンシロキサンと、ヒドロシリル
化反応によってカップリングさせる。
【0031】該ポリオルガノハイドロジェンシロキサン
は、ケイ素−水素結合を分子中に少なくとも1個有し、
平均単位式(IV):
【化13】 (式中、R1 、xおよびyは前述のとおり)で示され、
そのシロキサン骨格は直鎖状、分岐状または環状のいず
れでもよく、目的とするポリエーテル変性ポリオルガノ
シロキサンのポリオルガノシロキサン部分の分子構造に
応じて、任意に選択できる。
【0032】ヒドロシリル化反応は、触媒として白金ま
たは白金化合物の存在下に、前述の分岐状アルケニル基
含有ポリエーテル化合物(III)とポリオルガノハイドロ
ジェンシロキサン(IV)とを、接触させることによって
行われる。触媒としては、白金黒、白金カーボンあるい
は白金アルミナなどの担持触媒;塩化白金酸のイソプロ
パノール溶液、塩化白金酸とオクタノールから得られる
錯体や白金と各種ビニルシロキサン類の錯体などの錯化
合物;または白金コロイドなどが例示される。触媒の使
用量は、ヒドロシリル化反応にあずかる両成分の合計量
に対して、白金元素量として通常0.1〜1,000pp
m であり、好ましくは1〜500ppm の範囲で使用され
る。0.1ppm 未満では反応が遅く、工業的に不利であ
り、また1,000ppm を越えてもそれだけの効果が得
られず、白金化合物が高価なため経済的に不利となる。
【0033】この反応は無溶媒で行うこともできるが、
反応性を向上させるため適当な溶媒を用いてもよい。使
用できる溶媒としては、トルエン、キシレンなどの炭化
水素類;イソプロパノールなどのアルコール類などが例
示される。反応は適当な加熱条件下で行われるが、温度
は60〜120℃の範囲に設定されることが好ましい。
60℃未満の温度条件では反応の進行が遅くて不利であ
り、120℃を越える高温では、ポリエーテル部分の熱
分解などの副反応が生じる可能性があって好ましくな
い。通常は反応の制御の容易さから、前述の分岐状アル
ケニル基含有ポリエーテル化合物またはポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンを滴下する方法が取られるが、
活性の弱い触媒を用いるケースでは、全材料をはじめか
ら混合した状態で反応を開始させることもできる。反応
は加熱状態で3〜20時間攪拌することによって行われ
る。その後、微量残存するケイ素−水素結合を消滅させ
る目的で、アルコール類などによる処理を行ってもよ
い。また、ポリエーテル化合物が末端基に水酸基を有す
る場合は、アルコールとケイ素−水素結合との間の脱水
素縮合反応によるゲル化を防ぐ目的で、酢酸ナトリウム
や酢酸カリウムを添加して反応させることもできる。
【0034】このようにして、平均単位式(I):
【化14】 (式中、R1 、Z、xおよびyは前述のとおり)で示さ
れるポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンが合成さ
れる。精製の際に、臭気の原因を除くための加水分解や
水蒸気蒸留などは特に必要とせず、溶媒などの留去、触
媒の除去、ろ過など、通常の精製工程によって精製して
よい。
【0035】本発明の化粧料は、上述のようにして得ら
れた新規なポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを
成分として含有することを特徴とする。化粧料として
は、溶液、乳液、クリーム状、ムース状、粉体その他、
あらゆる形状の皮膚化粧料、メーキャップ化粧料、毛髪
化粧料のほか、紫外線遮蔽などの特殊な効果を目的とす
る化粧料や、薬用化粧料などを包含する。
【0036】本発明の化粧料には、これらの化粧料に通
常用いられる各種の成分を配合することができる。ま
た、ポリエーテル部分の自動酸化を防ぐために、上記の
ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンに添加する
か、別途に化粧料中に配合するかの方法によって、トコ
フェロールやフィチン酸のような酸化防止剤を配合して
もよい。
【0037】
【発明の効果】本発明によって、特殊な精製工程や製造
工程を必要とせずに、工業的に有利な方法で得られる、
ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを含有しなが
ら、経時的にアルデヒド臭や酸敗臭などの臭気を発しな
い化粧料を得ることができる。
【0038】本発明の化粧料は、上記の特徴に加えて、
ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサンを配合した化
粧料に特有な、すべり性、のびおよび光沢を有する。そ
れゆえ、本発明の化粧料は、皮膚用、メーキャップ用、
毛髪用など、各種の化粧料として広く利用できる。
【0039】
【実施例】以下、合成例および実施例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。これらの例において、部は重
量部を表す。本発明は、これらの実施例によって制限さ
れるものではない。
【0040】ポリオルガノハイドロジェンシロキサンと
して、次の平均組成式を有するS−1およびS−2を用
いた。ただし、組成式において、シロキサン単位に次の
略号を用い、いずれもランダム共重合体である。 M: (CH3)3 SiO1/2 単位 D: (CH3)2 SiO単位 D′: (CH3)HSiO単位 S−1: MD′412M S−2: MD′440
【0041】分岐状アルケニル基を有するポリエーテル
化合物としては、次の平均構造式を有するP−1〜P−
4を用いた。
【0042】
【化15】
【0043】上記のポリエーテル化合物の合成法の代表
例として、P−1の合成は次のようであった。すなわ
ち、3−メチル−1−ブテン−3−オール172部をオ
ートクレーブに仕込み、水酸化ナトリウム0.8部を加
え、昇温しつつ溶解させて、温度を135℃に保った。
これにエチレンオキシドを圧入して2.5気圧に3時間
保ち、さらにその温度で、圧力降下が認められなくなる
まで放置した。ついで常圧に戻して反応液を取り出し、
リン酸を加えて中和し、ろ過して、無色透明の液状物を
得た。エチレンオキシドの消費量は約800部であっ
た。水酸基価の測定結果から求めた平均分子量は480
であり、ポリエーテル化合物P−1が得られたことを確
認した。
【0044】また、比較のために、次の平均組成式を有
するポリエーテル化合物C−1およびC−2を用いた。 C−1: CH2 =C(CH3)CH2 CH2 −O−(C
2 CH2 O)9−H C−2: CH2 =CHCH2 −O−(CH2 CH2
O)9−H
【0045】合成例1 還流冷却管、攪拌装置および滴下漏斗を取付けた4つ口
フラスコに、P−1を44.3部、イソプロパノール1
00部、塩化白金酸のイソプロパノール溶液(白金含有
量1%)が0.2部および酢酸ナトリウムの1%メタノ
ール溶液3部を仕込み、窒素気流下で溶媒の還流条件ま
で昇温した。次に滴下漏斗からS−1を32.3部、1
時間かけて滴下した。ヒドロシリル化反応が定量的に進
行し、1時間後に反応はほぼ終了したが、そのまま3時
間攪拌を続け、赤外線吸収スペクトル分析でSi−H結
合の吸収(2,140cm-1)が完全に消失したことを確
認した。冷却後、ろ過助剤を用いてろ過し、次に120
℃、10Torrの状態に1時間保ち、溶媒およびその他の
低沸点分を完全に除去して、褐色透明液状のポリエーテ
ル変性ポリメチルシロキサンA−1を得た。
【0046】合成例2 S−1の代わりにS−2を84.3部、P−1の代わり
にP−2を107.5部、またイソプロパノールの代わ
りにトルエン150部を用いた以外は、合成例1と同様
にして反応を進め、褐色透明固状のポリエーテル変性ポ
リメチルシロキサンA−2を得た。
【0047】合成例3 P−1の代わりにP−3を99.0部用いた以外は合成
例1と同様にして反応を進め、褐色透明液状のポリエー
テル変性ポリメチルシロキサンA−3を得た。
【0048】合成例4 P−1の代わりにP−4を105.4部用いた以外は合
成例1と同様にして反応を進め、褐色透明固状のポリエ
ーテル変性ポリメチルシロキサンA−4を得た。
【0049】合成例5 P−1の代わりにP−5を48.6部用いた以外は合成
例1と同様にして反応を進め、褐色透明液状のポリエー
テル変性ポリメチルシロキサンをA−5を得た。
【0050】分析および物性の測定 合成例1〜5で得られたポリエーテル変性ポリメチルシ
ロキサンA−1〜A−5について、比重、屈折率、粘度
および数平均分子量を測定した。ただし、数平均分子量
は高速液体クロマトグラフによった。これらの結果は、
表1に示すとおりである。
【0051】
【表1】
【0052】1H核磁気共鳴スペクトルによる分析の結
果、得られたポリエーテル変性ポリメチルシロキサン
は、次のような平均構造式を有することが確認された。
これらはいずれもランダム共重合体である。
【0053】
【化16】
【0054】合成例6(比較用) P−1の代わりにC−1を125.3部用い、S−1を
64.7部用いた他は、合成例1と同様にして反応を進
め、比較のためのポリエーテル変性ポリメチルシロキサ
ンB−1を得た。
【0055】合成例7(比較用) P−1の代わりにC−2を118.0部用い、S−1を
64.7部用いた他は、合成例1と同様にして反応を進
め、比較のためのポリエーテル変性ポリメチルシロキサ
ンB−2を得た。
【0056】合成例8(比較用) 合成例7と同様にして得られたポリエーテル変性ポリメ
チルシロキサンを100部とり、これに濃塩酸1.0部
を加えた後、攪拌下でさらに3kg/cm2のスチームを4時
間導入し、さらに120℃、10Torrの状態に1時間保
つことにより、プロピオンアルデヒドを完全に除去し
た。脱水、ろ過、精製によって、比較のためのポリエー
テル変性ポリメチルシロキサンB−3を得た。
【0057】実施例1 合成例1〜8で得られたポリエーテル変性ポリメチルシ
ロキサンA−1〜A−5およびB−1〜B−3につい
て、水中における臭気発生試験を行った。すなわち、各
ポリエーテル変性ポリメチルシロキサン20部を蒸留水
20部に溶解させ、ガラス容器それぞれ2個に収容し
て、初期の臭気を検査した後、密栓した。各1個を60
℃に48時間放置し、他方を室温で3ヵ月放置した後、
それぞれ臭気の発生について検査した。その結果を表2
に示す。
【0058】
【表2】
【0059】実施例2 合成例1および2で得られた本発明によるポリエーテル
変性ポリメチルシロキサン、ならびに合成例6〜8で得
られた比較のためのポリエーテル変性ポリメチルシロキ
サンを用いて、表3に示す処方で、スキンケア用乳液を
調製した。この乳液の初期(調製直後)の臭気を検査し
た後、ガラス容器それぞれ2個に収容して密栓し、60
℃に放置した。1個は72時間後、他は1ヵ月後に開栓
して臭気を検査して、初期の臭気と比較した。その結果
は、表3に示すとおりであった。
【0060】
【表3】
【0061】実施例3 合成例3および4、ならびに合成例6〜8で得られたポ
リエーテル変性ポリメチルシロキサンを用いて、表4に
示す処方でスキンケア用クリームを調製し、以下、実施
例2と同様の実験を行った。その結果は、表4に示すと
おりであった。
【0062】
【表4】
【0063】実施例4 合成例1および5、ならびに合成例6〜8で得られたポ
リエーテル変性ポリメチルシロキサンを用いて、表5に
示す処方で化粧水を調製し、以下、実施例2と同様の実
験を行った。その結果は、表5に示すとおりであった。
【0064】
【表5】
【0065】実施例5 実施例2と同様の5種類のポリエーテル変性ポリメチル
シロキサンを用いて、表6に示す処方で液状ファンデー
ションを調製し、以下、実施例2と同様の実験を行っ
た。その結果は、表6に示すとおりであった。
【0066】
【表6】
【0067】実施例6 実施例2と同様の5種類のポリエーテル変性ポリメチル
シロキサンを用いて、表7に示す処方でシャンプーを調
製し、以下、実施例2と同様の実験を行った。その結果
は、表7に示すとおりであった。
【0068】
【表7】
【0069】実施例7 実施例2と同様の5種類のポリエーテル変性ポリメチル
シロキサンを用いて、表8に示す処方でリンスを調製
し、以下、実施例2と同様の実験を行った。その結果
は、表8に示すとおりであった。
【0070】
【表8】
【0071】実施例8 実施例2と同様の5種類のポリエーテル変性ポリメチル
シロキサンを用いて、表9に示す処方でセット剤を調製
し、以下、実施例2と同様の実験を行った。その結果
は、表9に示すとおりであった。
【0072】
【表9】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均単位式(I): 【化1】 (式中、R1 はたがいに同一でも異なっていてもよい置
    換または非置換の1価の炭化水素基を表し;Zは一般
    式: 【化2】 (式中、Yは酸素原子またはR6 Oを表し、ここでR6
    はアルキレン基を表し;R2 およびR3 はそれぞれ独立
    して置換または非置換の1価の炭化水素基を表し;R4
    は1種または2種以上の炭素原子数2〜4のアルキレン
    基を表し;R5 は水素原子または炭素原子数1〜18の
    脂肪族不飽和結合を含まない1価の炭化水素基を表し;
    nは3〜100の数である)で示される1価のポリエー
    テル鎖含有基であり;xは0<x≦2、yは0<y≦1
    を満たす数であり、x+yは1.9≦x+y≦2.1の
    範囲である)で示されるポリエーテル変性ポリオルガノ
    シロキサンを含有することを特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】 ポリエーテル変性ポリオルガノシロキサ
    ンのYが酸素原子であり、R2 およびR3 がいずれもメ
    チル基である請求項1記載の化粧料。
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