JP2008266767A - フッ化物コート膜形成処理液およびフッ化物コート膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁性粉体、磁性金属板、又は磁性体金属板ブロックのいずれかである磁性体に対し、アルコールを主成分とする溶媒と、前記溶媒中に分散した希土類又はアルカリ土類金属のフッ化物とで構成され、X線回折で検出されるピークの少なくとも1つは1度よりも大きい半値幅を有する処理液を塗布する。
【選択図】図5
Description
12)膜厚管理により拡散に必要な分量で塗布可能であり、塗布材料の利用効率が高い。
13)磁粉あるいは磁性粒子と混合することで塗布磁性体を形成できる。
希土類フッ化物又はアルカリ土類金属フッ化物コート膜の形成処理液は以下のようにして作製した。
(1)水に溶解度の高い塩、例えばLaの場合は酢酸La、または硝酸La4gを100 mLの水に導入し、振とう器または超音波攪拌器を用いて完全に溶解した。
(2)10%に希釈したフッ化水素酸をLaF3 が生成する化学反応の当量分徐々に加え た。
(3)ゲル状沈殿のLaF3 が生成した溶液に対して超音波攪拌器を用いて1時間以上攪 拌した。
(4)4000〜6000r.p.m の回転数で遠心分離した後、上澄み液を取り除きほぼ同 量のメタノールを加えた。
(5)ゲル状のLaF3 を含むメタノール溶液を攪拌して完全に懸濁液にした後、超音波 攪拌器を用いて1時間以上攪拌した。
(6)(4)と(5)の操作を酢酸イオン、又は硝酸イオン等の陰イオンが検出されなく なるまで、3〜10回繰り返した。
(7)最終的にLaF3 の場合、ほぼ透明なゾル状のLaF3 となった。処理液としては LaF3 が1g/5mLのメタノール溶液を用いた。
(1)平均粒径が70μmの希土類磁石用磁粉100gに対して15mLのNdF3 コー ト膜形成処理液を添加し、希土類磁石用磁粉全体が濡れるのが確認できるまで混合し た。
(2)(1)のNdF3 コート膜形成処理希土類磁石用磁粉を2〜5torrの減圧下で溶媒 のメタノール除去を行った。
(3)(2)の溶媒の除去を行った希土類磁石用磁粉を石英製ボートに移し、1×10-5 torrの減圧下で200℃、30分と400℃、30分の熱処理を行った。
(4)(3)で熱処理した磁粉に対して、蓋付きマコール製(理研電子社製)容器に移し たのち、1×10-5torrの減圧下で、800℃、30分の熱処理を行った。
(5)(4)で熱処理を施した希土類磁石用磁粉の磁気特性を調べた。
(6)(4)で熱処理を施した希土類磁石用磁粉を用いて、金型中に装填し、不活性ガス 雰囲気中で10kOeの磁場中で配向し、成形圧5t/cm2の条件で加熱圧縮成形し た。成形条件は700℃、7mm×7mm×5mmの異方性磁石を作製した。
(7)(6)で作製した異方性磁石の異方性方向に30kOe以上のパルス磁界を印加し た。その磁石について磁気特性を調べた。
希土類フッ化物又はアルカリ土類金属フッ化物コート膜の形成処理液には実施例1に示した方法で作製した溶液を用いた。溶液のX線回折パターンにはREnFmと同定できる回折ピークはほとんど認められず、検出された主要回折ピークの半値幅は2〜10度であった。このことから溶液は流動性の悪い固相をほとんど含んでいないことがわかる。各フッ素化合物溶液に使用するゲルの半値幅及びNdFeB表面に塗布したままの状態でのX線回折ピークの半値幅を表1に示す。表に示すゲルあるいは塗布膜のすべての回折ピークが1度よりも大きく、非晶質に近いパターンをもっている。本実施例において、希土類磁石用磁粉には、組成を調整した母合金を急冷することにより作製したNdFeB系のアモルファス薄帯を粉砕した磁性粉を用いた。すなわち、母合金を単ロールや双ロール法などのロールを用いた手法で、回転するロールの表面に溶解させた母合金をアルゴンガスなどの不活性ガスにより噴射急冷した。また、雰囲気は不活性ガス雰囲気あるいは還元雰囲気,真空雰囲気である。得られた急冷薄帯はアモルファスあるいはアモルファスに結晶質が混合している。この薄帯の平均粒径が300μmになるように粉砕,分級した。このアモルファスを含む磁粉は、加熱することにより結晶化し主相がNd2Fe14B の磁粉となる。
(1)平均粒径が300μmの希土類磁石用磁粉100gに対して5mLのLaF3 コー ト膜形成処理液を添加し、希土類磁石用磁粉全体が濡れるのが確認できるまで混合し た。
(2)(1)のLaF3 コート膜形成処理希土類磁石用磁粉を2〜5torrの減圧下で溶媒 のメタノール除去を行った。
(3)(2)の溶媒の除去を行った希土類磁石用磁粉を石英製ボートに移し、1×10-5 torrの減圧下で200℃、30分と400℃、30分の熱処理を行った。
(4)(3)で熱処理した磁粉に対して、蓋付きマコール製(理研電子社製)容器に移し たのち、1×10-5torrの減圧下で、800℃、30分の熱処理を行った。
(5)(4)で熱処理を施した希土類磁石用磁粉の磁気特性を調べた。
(6)(4)で熱処理を施した希土類磁石用磁粉と100μm以下のサイズの固形エポキ シ樹脂(ソマール社製EPX6136)を体積で10%になるようにVミキサーを用 いて混合した。
(7)(6)で作製した希土類磁石用磁粉と樹脂とのコンパウンドを金型中に装填し、不 活性ガス雰囲気中で10kOeの磁場中で配向し、成形圧5t/cm2 の条件で70℃ の加熱圧縮成形した。7mm×7mm×5mmのボンド磁石を作製した。
(8)(7)で作製したボンド磁石の樹脂硬化を窒素ガス中で170℃、1時間の条件で 行った。
(9)(8)で作製したボンド磁石に30kOe以上のパルス磁界を印加した。その磁石 について磁気特性を調べた。
希土類フッ化物又はアルカリ土類金属フッ化物コート膜の形成処理液には実施例1に示した方法で作製したCaF2,LaF3溶液を用いた。CaF2,LaF3溶液の濃度は150g/dm3である。軟磁性粉として平均粒径が60μmの鉄粉,10μmのFe−7%Si粉,10μmのFe−50%Ni,30μmのFe−50%Co,20μmのFe−10%Si−5%Al粉,20μmのFe−10%Si−10%B粉を用いた。
(1)軟磁性粉1kgに対して100mLのLaF3 コート膜形成処理液を添加し、希土類 磁石用磁粉全体が濡れるのが確認できるまで混合した。
(2)(1)のLaF3 コート膜形成処理軟磁性粉を2〜5torrの減圧下で溶媒のメタノ ール除去を行った。
(3)(2)の溶媒の除去を行った軟磁性粉を石英製ボートに移し、1×10-5torrの減 圧下で200℃、30分と400℃、30分の熱処理を行った。
(4)(3)で作製した希土類磁石用磁粉を金型中に装填し、成形圧15t/cm2 の条件 で外径28mm×内径20mm×厚さ5mmのリング状の磁気特性評価用テストピースを作 製した。
(5)(4)で作製したテストピースを窒素ガス中で900℃,4時間の条件で焼鈍を行 った。
(6)(5)で熱処理後のテストピースを用いて電気特性と磁気特性を評価した。
NdFeB焼結体は以下の手法で作製した。原料となるNd,Fe及びBはNd粉,Nd−Fe合金粉,Fe−B合金粉を真空あるいはArなどの不活性ガス中で高周波誘導装置などを使用して溶解させる。この時必要に応じて、高保磁力化のための希土類元素であるTb,Dyなどを添加したり、組織安定化のためにTi,Nb,Vなどを添加したり、あるいは耐食性確保,磁気特性確保のためにCoを添加する。溶解した母合金をスタンプミルやジョークラッシャーなどを用いて租粉砕後ブラウンミル等で粉砕,ジェットミルで細粉砕する。これを20kOe以下の磁界中で磁場に沿って容易磁化方向が揃うように配向させ400℃から1200℃の減圧下あるいは不活性ガス中で0.1tから20t/cm2の圧力で加圧焼成する。成形した10×10×5mm3 の異方性方向(10mmの方向)に20kOe以上の磁界で着磁率95%以上に着磁した。着磁率はフラックスメータにより着磁磁界とフラックス量の関係を測定した結果より評価した。
(1)上記NdFeB焼結体のブロックをLaF3 コート膜形成処理中に浸漬し、そのブ ロックを2〜5torrの減圧下で溶媒のメタノール除去を行った。
(2)(1)の操作を5回繰り返した。
(3)(2)で表面コート膜を形成した異方性磁石の異方性方向に30kOe以上のパル ス磁界を印加した。
(4)(3)で作製した異方性磁石について塩水噴霧試験またはPCT試験を以下の条件 で行った。
・PCT試験:120℃,2atm、100%RH,1000時間
(5)(4)で塩水噴霧試験またはPCT試験を実施したその磁石について磁気特性を調 べた。
NdFeB系粉末としてNd2Fe14B を主とする急冷粉を作成し、これらの表面にフッ素化合物を形成する。実施例1で示した手法により光透過性のある溶液を作製し上記NdFeB粉と混合する。混合物の溶媒を蒸発させ、加熱により溶媒を除去する。このようにして形成した被膜についてXRD(X線回折)により調べた。その結果、加熱温度が200℃より低温では、X線回折ピークの半値幅がその後の熱処理後のピーク幅の2倍以上であり、半値幅が1度以上のブロードなピークが含まれている。このブロードなピークは前記REmFnなどの金属フッ素化合物や金属酸フッ素化合物の回折パターンと対応しない。200℃より高温側の熱処理によりフッ素化合物膜の結晶構造は変化し、DyF3,DyF2,DyOF などから構成されていることが判明した。NdFeB系磁粉の粒径1から300μmの粉末を磁気特性が低下する熱処理温度である800℃未満の温度で酸化を防止しながら加熱することにより、表面に高抵抗層が形成された残留磁束密度0.8T以上の磁粉が得られる。粒径1μm未満では酸化し易く磁気特性が劣化し易い。また300μmよりも大きい場合、高抵抗化あるいは他の効果であるフッ素化合物形成による磁気特性改善効果が小さくなる。磁粉の磁気特性のうち、保磁力は600から800℃の熱処理により約10から20%増加し、減磁しにくくなる。得られた磁粉の磁気特性は、残留磁束密度0.8−1.0T,保磁力10−20kOeであり、磁粉の抵抗は被覆するフッ素化合物の膜厚により異なるが、50nm以上の膜厚であればM(メガ)Ωに達する。
NdFeB系粉末としてNd2Fe14B を主とする急冷粉を作成し、これらの表面にフッ素化合物を形成する。DyF3を急冷粉表面に形成する場合、原料としてDy(CH3COO)3をH2O で溶解させ、HFを添加する。HFの添加によりゼラチン状のDyF3・XH2Oが形成される。これを遠心分離し、溶媒を除去する。ゾル状態の希土類フッ化物濃度が10g/dm3 以上で該処理液の700nmの波長において光路長が1cmの透過率は5%以上である。このような光透過性のある溶液のX線回折ピークはブロードであり、回折ピークの半値幅は2から10度であり流動性がある。この溶液と上記NdFeB粉と混合する。混合物の溶媒を蒸発させ、加熱により水和水を蒸発させる。500℃の熱処理によりフッ素化合物膜の結晶構造はNdF3構造,NdF2構造などから構成されていることが判明した。
希土類フッ化物又はアルカリ土類金属フッ化物コート膜の形成処理液は、酢酸希土類あるいは酢酸アルカリ土類金属を水に溶解後、希釈したフッ化水素酸を徐々に添加させた。ゲル状沈殿のフッ素化合物あるいは酸フッ素化合物または酸フッ素炭化物が生成した溶液に対して超音波攪拌器を用いて攪拌し、遠心分離後、メタノールを添加し、ゲル状のメタノール溶液を攪拌後、陰イオンを除去し透明化した。処理液は可視光において透過率が5%以上になるまで陰イオンを除去しており、処理液のX線回折パターンは半値幅1度以上の複数の回折ピークを含んでいた。この溶液を磁粉にコートし、溶媒を除去した。NdFeB系粉末としてNd2Fe14B を主構造とする急冷粉を作成し、これらの表面にDyフッ素化合物を形成する。上記のように光透過性のある溶液と上記NdFeB粉と混合後、混合物の溶媒を蒸発させる。200〜700℃の熱処理及び熱処理後の急冷によりフッ素化合物膜の結晶構造はNdF3構造,NdF2構造などになる。
NdFeB系焼結磁石の表面にゲルあるいはゾル状の光透過性があり、かつX線回折パターンに1度以上の回折ピークがみられる希土類フッ素化合物溶液を塗布する。前記回折パターンにはブロードな1度以上の半値幅を有するパターンが主であり、このようなブロードな回折パターンにシャープな金属フッ素化合物あるいは金属酸フッ素化合物のパターンが混合していても良い。ここで半値幅とは回折ピークの積分幅またはピーク強度の1/2での幅のいずれでも良い。
X線回折パターンで半値幅が1度から10度のピークが主ピークであるフッ素化合物溶液に1原子%以上のFeを添加し、FeイオンあるいはFeのクラスターが混合したゲルあるいはゾル状Fe−フッ素化合物を作製する。このときFe原子の一部はフッ素化合物のフッ素あるいはフッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類,Cr,Mn,Vあるいは希土類元素のいずれか1種以上の元素と化学的に結合する。このようなゲルあるいはゾル状のフッ素化合物またはフッ素化合物前駆体にミリ波あるいはマイクロ波などの電磁波を照射することで、フッ素原子とFe原子及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上の化学結合に寄与する原子が多くなり、Feフッ素及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上からなる3元系以上のフッ素化合物が形成され、ミリ波照射により保磁力10kOe以上のフッ素化合物を合成できる。Feイオンの一部あるいは代替として他の遷移金属元素イオンを添加しても良い。このような手法により、従来のように磁性粉末を得るための溶解,粉砕プロセス無しで磁石材料を得ることが可能であり、種々の磁気回路に適用できる。上記フッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類,Cr,Mn,Vあるいは希土類元素をMとすると、Fe−M−F系,Co−M−F系,Ni−M−F系磁石がゲルあるいはゾル状、または溶液状フッ素化合物を用いて高保磁力磁石を得ることができ、ミリ波照射により溶解しにくい種々の基板に塗布しミリ波照射することで作製できるため、機械加工することが困難な形状の磁石部品に適用できる。尚このようなフッ素化合物磁石に酸素,炭素,窒素,ホウ素などの原子が混入していても磁気特性への影響は少ない。このような材料系で発光特性を示す材料を得ることも可能である。
粒径0.1 〜100μmのSmFeN系磁粉の表面にX線回折パターンがブロードな回折ピークからなるフッ素化合物溶液を塗布する。フッ素化合物はアルカリ,アルカリ土類あるいは希土類元素を少なくとも1種以上含む化合物である。塗布されたSmFeN系磁粉を金型に挿入し、3−20kOeの磁界で磁粉を磁界方向に配向させながら圧縮成形し、仮成形体を作製する。異方性を有する仮成形体をミリ波照射により加熱し、フッ素化合物に選択加熱を施す。加熱中のSmFeN系磁粉の構造変化などに伴う磁気特性劣化を抑制させ、フッ素化合物がバインダーとなって、異方性磁石が作製でき、SmFeN磁粉がフッ素化合物で結着された磁石を得ることができる。フッ素化合物の占める体積を0.1−3%にすることで、残留磁束密度1.0T 以上のSmFeN異方性磁石が得られる。仮成形体形成後にフッ素化合物液を含浸させその後熱処理することで磁気特性を向上させることも可能である。局所的にSm−Fe−N−FあるいはSm−Fe−N−Oが形成されるが、フッ素化合物との反応により保磁力増加,角型性向上,残留磁束密度増加のいずれかの効果が確認される。SmFeN系などの窒素系磁粉の場合には、SmFe粉にミリ波照射してSmFeN系磁粉を作製することで、従来のアンモニア窒化などの場合よりも窒化による保磁力の増加が著しく、20kOe以上の保磁力が得られる。ミリ波を使用してフッ素化合物で結着させることは、他の鉄系材料であるFe−Si系,Fe−C系,FeNi系,FeCo系,Fe−Si−B系あるいはCo系磁性材料にも適用でき、軟磁性粉,軟磁性薄帯,軟磁性成形体,硬磁性粉,硬磁性薄帯,硬磁性成形体にも磁気特性を損なうことなく適用でき、他の金属系材料の接着も可能である。
X線回折パターンがブロードなピークを示すフッ素化合物溶液に粒径1〜100nmの1原子%以上のFeを含む微粒子を添加し、Fe系微粒子が混合したゲルあるいはゾル状Fe−フッ素化合物を作製する。上記ブロードなピークとはCu−Kα線を使用した場合のθ−2θ走査で測定した回折パターンが1度以上の半値幅をもつ主ピークを示している。微粒子表面のFe原子の一部はフッ素化合物のフッ素あるいはフッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類、あるいは希土類元素のいずれか1種以上の元素と化学的に結合し、このような微粒子を含むゲルあるいはゾル状のフッ素化合物またはフッ素化合物前駆体にミリ波あるいはマイクロ波を照射することで、フッ素原子とFe原子及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上の化学結合に寄与する原子が多くなり、Feフッ素及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上からなる3元系以上のフッ素化合物が形成され、ミリ波あるいはマイクロ波照射により保磁力10kOe以上のフッ素化合物を合成できる。Fe系微粒子の変わりに他の遷移金属元素微粒子を添加しても良い。このような手法により、従来のように磁性粉末を得るための溶解,粉砕プロセス無しで磁石材料を得ることが可能であり、種々の磁気回路に適用できる。上記フッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類、あるいは希土類元素をMとすると、Fe−M−F系,Co−M−F系,Ni−M−F系磁石がゲルあるいはゾル状、または溶液状フッ素化合物に微粒子を添加する手法を用いて高保磁力磁石を得ることができ、種々の基板に塗布しミリ波照射することで作製できるため、機械加工することが困難な形状の磁石部品に適用できる。尚このようなフッ素化合物磁石に酸素,炭素,窒素などの原子が混入していても磁気特性への影響は少ない。レジスト等を用いてパターニングされた形状に上記光透過性のあるフッ素化合物を挿入し乾燥後レジストの耐熱温度以下で熱処理する。さらにレジストを除去後加熱すれば保磁力が増加する。レジスト間隔10nm以上、磁石部厚さ1nm以上のスペースに上記ゾル状あるいはゲル状フッ素化合物を注入あるいは塗布することができ、3次元形状の磁石を機械加工なしでかつ蒸着,スパッタリング等の物理的手法を使用せずに小型磁石を作製することができる。このようなFe−M−F系磁石はFの濃度を調整することで、特定の波長の光のみ吸収することができる。したがってこのようなフッ素化合物は光学部品や光記録装置などの部品あるいはその部品の表面処理材として使用できる。
X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークを有し、光透過性のあるフッ素化合物に粒径10〜10000nmの希土類元素を少なくとも1種以上含む粒子を添加する。粒子の一例としてNd2Fe14B の構造を主相とする粒子を使用し、フッ素化合物が前記粒子表面に塗布される。フッ素化合物溶液と粒子の混合比あるいは塗布条件をパラメータとすることにより、粒子表面の被覆率を変えることができ、被覆率1〜10%でフッ素化合物による保磁力増加効果が確認でき、10〜50%で保磁力増加効果に加えて減磁曲線の角形性改善あるいはHkの向上が見られ、さらに被覆率50〜100%で成形後の抵抗増加が確認できる。ここで被覆率とは粒子の表面積に対して塗布した材料の覆っている面積である。被覆率1〜10%の粒子を使用して磁場中仮成形後800℃以上の温度で加熱成形することにより焼結磁石が得られる。被覆するフッ素化合物は、希土類元素を少なくとも1種以上含んだフッ素化合物である。溶液フッ素化合物を使用するため、粒子の界面に沿って層状あるいは板状にフッ素化合物が塗布でき、粒子に凹凸があってもその表面の形状に沿って層状に塗布される。被覆率1〜10%の粒子は磁場中仮成形後の熱処理により層状フッ素化合物の一部である希土類元素が結晶粒界に沿って拡散し、保磁力が被覆無しの場合と比較して増加する。なお、フッ素化合物をFe系粒子に塗布すると、塗布材料がない粒子表面の一部がフッ化する。したがって被覆率1〜10%の粒子においても、フッ素化合物が形成されている部分の面積が1〜10%であっても、90%の粒子表面が粒子の組成や表面状態に依存するがフッ化し、界面の磁気特性が変化するとともに、粒子表面の抵抗が増加する。希土類元素はフッ化されやすいため、粒子表面の希土類濃度が高いものほど粒子表面がゲルあるいはゾル状フッ素化合物に塗布された時に一部がフッ化し、粒子表面の抵抗が高くなる。このような高抵抗の粒子を焼結すると粒内の希土類元素が粒子表面のフッ素と結合し、粒界付近に希土類元素が偏析した構造となり、保磁力が増加する。
すなわち、フッ素が希土類原子のトラップ効果を発揮し、希土類元素の粒内拡散を抑制することで希土類元素が粒界に偏析し、保磁力が増加し粒内希土類元素濃度が低減され高残留磁束密度が得られる。
X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークを有し、可視光を透過可能なフッ素化合物溶液に粒径10〜10000nmの希土類元素を少なくとも1種以上含む粒子を添加する。粒子の一例としてNd2Fe14B の構造を主相とする粒子あるいは微小磁石を使用し、フッ素化合物が前記粒子表面と接触し、粒子表面に付着したフッ素化合物塗布溶液を溶媒などにより除去する。粒子表面には凝集したフッ素化合物はできるだけ残留しないようにし、塗布材料の残留量を平均被覆率10%以下にする。したがって平均90%以上の粒子面積が塗布材料の形成されていない面(走査電子顕微鏡1万倍で塗布された明瞭なフッ素化合物が認められない)となるが、この面の一部は粒子を構成している希土類元素の一部がフッ化し、フッ素の多い層となる。このように粒子表面の一部がフッ化するのは希土類元素がフッ素原子と結合し易いためであり、希土類元素がない場合、表面のフッ化は起こりにくい。希土類元素の一部がフッ化する場合、酸素原子とも結合しやすいため、酸フッ素化合物となる場合もあるが粒子表面にフッ素と結合している希土類元素からなる相が形成される。このようなフッ化した粒子を用いて磁場中圧縮成形し、その後焼結させて異方性焼結磁石を作製した。磁場中圧縮成形後の密度50〜90%の範囲の仮成形体に上記フッ素化合物溶液を含浸させ、粒子表面及び粒子クラック部表面をフッ素化合物の前駆体でその一部を被覆することも可能であり、このような含浸処理によって1〜100nmのフッ素化合物をクラック部の一部も含めて被覆することができ、保磁力増加,角型性向上,高抵抗化,残留磁束密度低減,希土類使用量低減,強度向上,磁粉の異方性付加などのいずれかの効果に寄与する。焼結時にはフッ素及び希土類元素の拡散を伴う。フッ化しない場合と比較して、重希土類元素の添加量が多いほどフッ化による保磁力増加が顕著になる。同一保磁力の焼結磁石を得るために必要な重希土類元素の濃度はフッ化により低減できる。これはフッ化によりフッ化相近傍に重希土類元素が偏析しやすくなるため粒界近傍に重希土類元素が偏析した構造が生まれるため、高保磁力となると考えられる。このような重希土類元素の偏析する幅は粒界から約1〜100nmである。
X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークを有し、可視光の透過性があるフッ素化合物溶液を用いて希土類元素を少なくとも1種以上含む粒径10〜10000nmの酸化物粒子に塗布し、800〜1200℃の温度範囲で加熱するかあるいはミリ波などの電磁波照射による加熱を施す。加熱により酸フッ素化合物が部分的に形成される。フッ素化合物溶液として希土類元素を少なくとも1種類以上含む溶液を使用することで酸フッ素化合物あるいはフッ素化合物の形成により、酸化物であるバリウムフェライトあるいはストロンチウムフェライト粒子の磁気特性が改善され、保磁力向上,減磁曲線の角型性向上,残留磁束密度向上が確認できる。特に鉄を1%以上含むフッ素化合物溶液を使用することで、残留磁束密度の増加効果が大きい。上記酸フッ素化合物の酸化物粒子をゾルゲルプロセスを用いて作製しても良い。
X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークを有し、光透過性のあるフッ素化合物溶液に1原子%以上のCoあるいはNiを添加し、Co,NiイオンあるいはCo,Niのクラスターが混合したゲルあるいはゾル状CoあるいはNi−フッ素化合物溶液を作製する。このときCoあるいはNi原子の一部はフッ素化合物のフッ素あるいはフッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類、あるいは希土類元素のいずれか1種以上の元素と化学的に結合する。このような光透過性のあるフッ素化合物またはフッ素化合物前駆体にミリ波あるいはマイクロ波を照射乾燥することで、フッ素原子とCoあるいはNi原子及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上の化学結合に寄与する原子が多くなり、CoあるいはNiフッ素及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上からなる3元系以上のフッ素化合物が形成され、ミリ波照射により保磁力10kOe以上のフッ素化合物を合成できる。CoあるいはNiイオンの一部あるいは代替として他の遷移金属元素イオンを添加しても良い。このような手法により、従来のように磁性粉末を得るための溶解,粉砕プロセス無しで磁石材料を得ることが可能であり、種々の磁気回路に適用できる。上記フッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類、あるいは希土類元素をMとすると、Co−M−F系,Co−M−F系,Ni−M−F系磁石が光透過性のある溶液状フッ素化合物を用いて高保磁力磁石あるいは磁石粉末を得ることができ、ミリ波照射により溶解しにくい種々の基板に塗布しミリ波照射することで作製できるため、機械加工することが困難な形状の磁石部品に適用できる。尚このようなフッ素化合物磁石に酸素,炭素,窒素などの原子が混入していても磁気特性への影響は少ない。
X線回折ピーク半値幅が1度以上の複数の回折ピークを有し、可視光で透過性を示すフッ素化合物系溶液に粒径1〜100nmの1原子%以上のFeを含む微粒子を添加し、Fe系微粒子が混合したFe−フッ素化合物を作製する。このとき微粒子表面のFe原子の一部はフッ素化合物のフッ素あるいはフッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類、あるいは希土類元素のいずれか1種以上の元素と化学的に結合する。このような微粒子あるいはクラスターを含む低粘度かつ光透過性のフッ素化合物またはフッ素化合物前駆体にミリ波あるいはマイクロ波を照射することで、フッ素原子とFe原子及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上の化学結合に寄与する原子が多くなり、フッ素原子を介してFe原子および希土類元素が結合、フッ素原子及び酸素原子とFe及び希土類元素の結合、あるいは希土類元素がフッ素原子、酸素原子及びFe原子と結合したいずれかの結合によりFe原子同士の磁化の一部が強磁性的になる。また一部のFe原子の磁化は反強磁性的な結合をとる。ミリ波あるいはマイクロ波照射により強磁性結合に有利となる構造が生じ、保磁力10kOe以上のFeを含むフッ素化合物を合成できる。Fe系微粒子の変わりに他の遷移金属元素微粒子を添加しても良い。すなわち、Co,Ni以外のCr,Mn,Vなどの遷移金属元素においてもこのような手法により、従来のように磁性粉末を得るための溶解,粉砕プロセス無しで永久磁石材料を得ることが可能であり、種々の磁気回路に適用できる。
X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークを有し、光透過性のフッ素化合物溶液に粒径1〜100nmの1原子%以上のFeを含む微粒子を添加し、Fe系微粒子が混合したFe−フッ素化合物を作製する。このとき微粒子表面のFe原子の一部はフッ素化合物のフッ素あるいはフッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類、あるいは希土類元素のいずれか1種以上の元素と化学的に結合する。このような微粒子あるいはクラスターを含む低粘度のフッ素化合物またはフッ素化合物前駆体にミリ波あるいはマイクロ波を照射することで、フッ素原子とFe原子及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上の化学結合に寄与する原子が多くなり、フッ素原子を介してFe原子および希土類元素が結合、フッ素原子及び酸素原子とFe及び希土類元素の結合、あるいは希土類元素がフッ素原子、酸素原子及びFe原子と結合したいずれかの結合によりFe原子同士の磁化の一部が強磁性的になり磁気異方性を有するようになる。微粒子の中でフッ素が多い相(フッ素10〜50%)とFeが多い相(Fe50〜85%)及び希土類元素の多い相(希土類元素20〜75%)が形成されることで、Feの多い層が磁化を担い、フッ素の多い相あるいは希土類元素の多い相が高保磁力に寄与する。また一部のFe原子の磁化は反強磁性的な結合をとる。ミリ波あるいはマイクロ波照射により強磁性結合に有利となる構造が生じ、保磁力10kOe以上のフッ素化合物を合成できる。Fe系微粒子の変わりに他の遷移金属元素微粒子を添加しても良い。このような手法により、従来のように磁性粉末を得るための溶解,粉砕プロセス無しで永久磁石材料を得ることが可能であり、種々の磁気回路に適用できる。
Nd2Fe14B を主相とするNdFeB系焼結磁石の表面に、X線回折ピーク半値幅が1度から10度の回折ピークを有し光透過性のある希土類フッ素化合物を塗布する。塗布後の希土類フッ素化合物の平均膜厚は1〜10000nmである。NdFeB系焼結磁石は結晶粒径が平均1−20μmでありNd2Fe14B を主相にした図3に示すような焼結磁石31であって、焼結磁石31の表面は加工あるいは研磨にともなう磁気特性の劣化が減磁曲線上にみられる。このような磁気特性劣化を改善すること、粒界近傍の希土類元素偏析による保磁力増加,減磁曲線の角型性向上,磁石表面あるいは粒界付近の高抵抗化,フッ素化合物による高キュリー点化,高強度化,高耐食性化,希土類使用量低減,着磁磁界低減などを目的に、希土類フッ素化合物溶液32を焼結磁石表面に塗布乾燥後、300℃以上焼結温度以下の温度で熱処理する。希土類フッ素化合物溶液から成長するクラスターは塗布乾燥直後100nm以下1nm以上の粒子に成長し、さらに加熱することで、焼結磁石の粒界や表面との反応や拡散が生じ、拡散層33が形成される。熱処理条件を選択することで拡散層が磁石全体を占めるようになり磁気特性を改善することができる。塗布乾燥後のフッ素化合物クラスターは、粉砕プロセスを経ていないため、突起や鋭角のある表面になっておらず、粒子を透過電子顕微鏡で観察すると丸みを帯びた、卵形あるいは円形に近くクラックは見られない。加熱によりこれらの粒子は焼結磁石表面で合体成長すると同時に、焼結磁石の粒界に沿って拡散あるいは焼結磁石の構成元素と相互拡散を起こす。また、これらのクラスター状の希土類フッ素化合物を焼結磁石表面に塗布するため、焼結磁石表面のほぼ全面にフッ素化合物が形成され、塗布乾燥後300℃以上焼結温度以下の温度で加熱する前に焼結磁石表面の一部の結晶粒表面で希土類元素濃度が高い部分の一部はフッ化する。このフッ化相、酸素を含むフッ化相は母相と部分的に整合性を保ちながら成長し、このようなフッ化相あるいは酸フッ化相の母相からみて外側にフッ素化合物相あるいは酸フッ素化合物相が整合的に成長し、このフッ化相,フッ素化合物相あるいは酸フッ素化合物相,炭化酸フッ素化合物相に重希土類元素あるいは遷移金属元素が偏析することで保磁力が増加する。粒界に沿って重希土類元素が濃縮された帯状の部分は幅1〜100nmの範囲が望ましく、この範囲であれば高残留磁束密度と高保磁力が満足できる。重希土類元素の偏析している領域はフッ素が偏析している領域よりも広い部分が多く、重希土類元素の偏析により磁気異方性エネルギーが増加し保磁力が増加すると共に、フッ素が粒界部に存在することで粒界の凹凸が少なく、粒界の幅も狭く、粒内の酸素も除去されるため磁気特性の角型性が良くなっている。このような手法によってDyを粒界に沿って濃縮させた場合、得られる焼結磁石の磁気特性は残留磁束密度1.0から1.7T,保磁力20〜50kOeであり同等の磁気特性を有する希土類焼結磁石に含有する重希土類元素濃度は、従来の重希土類添加NdFeB系磁粉を用いる場合よりも低くできる。上記焼結磁石表面のフッ素化合物中のFe濃度は、熱処理温度により異なり、1000℃以上で加熱すると10ppm 以上5%以下のFeがフッ素化合物中に拡散する。フッ素化合物の粒界付近でFe濃度が50%となるが、平均濃度が1%以上5%以下であれば焼結磁石全体の磁気特性にはほとんど影響しない。フッ素化合物系溶液は図3のような焼結磁石ブロックのみではなく、図4に示すようなリング磁石にも適用でき、リング磁石41の表面に溶液を塗布し、表面拡散層42及び断面図(3)に示す内部拡散層43を形成でき、磁気特性改善(角型性向上,保磁力増加),温度特性改善(磁気特性の温度依存性低減),電気抵抗増加,機械強度向上,耐食性信頼性向上などの効果が期待できる。
X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークを有するゲルあるいはゾル状のフッ素化合物溶液に粒径1〜100nmの1原子%以上のFeあるいはCoを含む微粒子を添加し、Fe系微粒子が混合したゲルあるいはゾル状Fe−フッ素化合物を作製する。このとき微粒子表面のFe原子の一部はフッ素化合物のフッ素あるいはフッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類、あるいは希土類元素のいずれか1種以上の元素と化学的に結合する。このような微粒子あるいはクラスターを含むゲルあるいはゾル状のフッ素化合物またはフッ素化合物前駆体に窒素を含む雰囲気でミリ波あるいはマイクロ波を照射することで、フッ素原子や窒素原子とFe原子及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上の化学結合に寄与する原子が多くなり、フッ素原子及び窒素原子を介してFe原子および希土類元素が結合、フッ素原子及び酸素原子とFe,Co及び希土類元素の結合、あるいは希土類元素がフッ素原子,酸素原子,窒素原子及びFe,Co原子と結合したいずれかの結合によりFe,Co原子同士の磁化の一部が強磁性的になり磁気異方性を有するようになる。微粒子の中でフッ素が多い相(フッ素10〜50%)窒素が多い相(窒素3〜20%)とFe,Coが多い相(Fe50〜85%)及び希土類元素の多い相(希土類元素10〜75%)が形成されることで、Fe,Coの多い層が磁化を担い、フッ素や窒素の多い相あるいは希土類元素の多い相が高保磁力に寄与する。このようなFe−M−F−Nの4元系(Mは希土類元素あるいはアルカリ,アルカリ土類元素)あるいはFe−Co−M−F,Fe−Co−M−Fで保磁力10kOe以上の磁気特性を有する磁石が得られる。
X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークを有し、可視光透過性を示すフッ素化合物溶液に粒径1〜100nmの1原子%以上のFeを含む微粒子を添加し、Fe−B微粒子が混合したFe−フッ素化合物クラスターを作製する。微粒子径が100nmを超えると内部に軟磁性成分のFe本来の特性がその後のプロセスを経て残留し、1nmより小さくなるとFeに対する酸素の濃度が高くなるので磁気特性の向上が困難となるため1〜100nmの粒径が望ましい。このときFe−B微粒子表面のFe原子の一部はフッ素化合物のフッ素あるいはフッ素化合物を構成するアルカリ,アルカリ土類、あるいは希土類元素のいずれか1種以上の元素と化学的に結合する。このような微粒子あるいはクラスターを含むゲルあるいはゾル状のFe−Bを含むフッ素化合物またはフッ素化合物前駆体にミリ波あるいはマイクロ波などの電磁波を照射することで、フッ素原子やホウ素(B)原子とFe原子及び上記フッ素化合物構成元素の1種以上の化学結合に寄与する原子が多くなり、フッ素原子を介してFe原子および希土類元素が結合、フッ素原子及びホウ素原子とFe及び希土類元素の結合、あるいは希土類元素がフッ素原子,酸素原子,ホウ素原子及びFe原子と結合したいずれかの結合によりFe原子同士の磁化の一部が強磁性的になり磁気異方性を有するようになる。微粒子の中でフッ素が多い相(フッ素10〜50%)ホウ素が多い相(ホウ素5〜20%)とFeが多い相(Fe50〜85%)及び希土類元素の多い相(希土類元素10〜75%)が形成されることで、Feの多い層が磁化を担い、フッ素やホウ素の多い相あるいは希土類元素の多い相が高保磁力に寄与する。このようなFe−M−B−Fの4元系(Mは希土類元素あるいはアルカリ,アルカリ土類元素)で保磁力10kOe以上の磁気特性を有する磁石が得られ,Mを重希土類元素にすることで、キュリー温度を400〜600℃にすることができる。
Nd2Fe14B を主相とするNdFeB系焼結磁石の表面に、100℃以上の温度で希土類フッ素化合物に成長可能なX線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークをもったフッ素化合物クラスター溶液を塗布する。塗布後の希土類フッ素化合物クラスターの平均膜厚は1〜10000nmである。このようなクラスターはバルクフッ素化合物の結晶構造をもたず、フッ素と希土類元素がある周期構造をもって結合し、一部は非晶質よりも長周期構造をもつものである。NdFeB系焼結磁石は結晶粒径が平均1−20μmでありNd2Fe14B を主相にした焼結磁石であって、焼結磁石の表面は加工あるいは研磨にともなう磁気特性の劣化が減磁曲線上にみられる。このような磁気特性劣化を改善すること、粒界近傍の希土類元素偏析による保磁力増加,減磁曲線の角型性向上,磁石表面あるいは粒界付近の高抵抗化,フッ素化合物による高キュリー点化,高強度化,高耐食性化,希土類使用量低減,着磁磁界低減,加工劣化層の磁気特性回復などを目的に、ゲルあるいはゾル状の希土類フッ素化合物前駆体を焼結磁石表面に塗布乾燥後、300℃以上焼結温度以下の温度で熱処理する。希土類フッ素化合物クラスターは塗布乾燥過程で100nm以下1nm以上の粒子状に成長し、さらに加熱することで、前駆体あるいは一部のフッ素化合物クラスターが焼結磁石の粒界や表面との反応や拡散が生じる。塗布乾燥加熱後のフッ素化合物粒子は、粒子同士が合体しない温度範囲であれば、粉砕プロセスを経ていないため、突起や鋭角のある表面になっておらず、粒子を透過電子顕微鏡で観察すると丸みを帯びた、卵形あるいは円形に近く、粒子内あるいは粒子表面にはクラックや、外形に不連続な凹凸は見られない。加熱によりこれらの粒子は焼結磁石表面で合体成長すると同時に、焼結磁石の粒界に沿って拡散あるいは焼結磁石の構成元素と相互拡散を起こす。また、これらのクラスター状の希土類フッ素化合物を焼結磁石表面に塗布するため、焼結磁石表面のほぼ全面にフッ素化合物が被覆され、塗布乾燥後焼結磁石表面の一部の結晶粒表面で希土類元素濃度が高い部分の一部はフッ化する。このフッ化相あるいは酸素を含むフッ化相または酸フッ化相は母相と部分的に結晶格子の整合性を保ちながら成長し、このようなフッ化相あるいは酸フッ化相の母相からみて外側にフッ素化合物相あるいは酸フッ素化合物相が整合的に成長し、このフッ化相,フッ素化合物相あるいは酸フッ素化合物相近傍に重希土類元素が偏析することで保磁力が増加する。粒界に沿って重希土類元素が濃縮された帯状の部分は幅0.1 〜1000nmの範囲が望ましく、この範囲であれば高残留磁束密度と高保磁力が満足できる。DyF2-3 の前駆体を用い上記手法によってDyを粒界に沿って濃縮させた場合、得られる焼結磁石の磁気特性は残留磁束密度1.0から1.6T,保磁力20〜50kOeであり同等の磁気特性を有する希土類焼結磁石に含有する重希土類元素濃度は、従来の重希土類添加NdFeB系磁粉を用いて焼結した場合あるいは2合金法のように重希土類元素濃度の多い粉末と混合して焼結する場合よりも低くできる。上記焼結磁石表面のフッ素化合物中のFe濃度は、熱処理温度により異なり、1000℃以上で加熱すると1ppm 以上5%以下のFeがフッ素化合物中に拡散する。フッ素化合物の粒界付近の一部でFe濃度が50%となる場合があるが、平均濃度が5%以下であれば焼結磁石全体の磁気特性にはほとんど影響しない。上記溶液は、希土類磁石以外にも、Fe系の軟磁性材料の損失低減,高強度化などに適用でき、Fe粉,Fe−Co粉,Fe−Si粉,Fe−C粉,Fe−Al−Si粉,Fe−Si−B粉あるいは薄帯などの表面に溶液を用いてフッ素を含む層を形成できる。また、上記のように粒界付近に重希土類元素が偏析した希土類磁石は、表面の加工による加工劣化が少なく、バルク焼結体から切断加工された磁石の磁気特性劣化は従来の焼結磁石よりも小さい。上記粒界付近には重希土類元素とともにGa,Cu,Nb,Mo,Ti,Sn,Zrなどの金属元素が偏析することで、さらに保磁力を増加させることが可能である。
SmCo合金を高周波溶解などで溶解し、不活性ガス中で粉砕する。粉砕した粉末径は1−10μmである。粉砕粉の表面に、X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークをもったフッ素化合物前駆体(SmF3 前駆体)を塗布乾燥し、磁界中プレス装置により塗布粉末を配向させ、圧粉体を作製する。圧粉体の粉末には多数のクラックが導入され、圧粉体の外部からフッ素化合物前駆体を塗布させることで、クラック面の一部もフッ素化合物前駆体で被覆される。これを焼結し、急冷する。焼結体は少なくとも二相から構成され、SmCo5及びSm2Co17相が形成している。フッ素化合物は焼結時に分解し始め、二相のどちらにも分布するが、SmCo5 の方に多くのフッ素原子が存在し、保磁力がフッ素化合物前駆体を添加しない場合に比べて増加する。また、フッ素化合物前駆体の塗布効果として、高抵抗化,角型性向上,減磁耐力向上のいずれかが確認できた。このようにCo系磁性材料に関しても溶液処理が可能であり、その磁気特性を向上させることが可能であり、SmCo系以外にもCo−Si−B系,Co−Fe系,Co−Ni−Fe系,Co−希土類系などの材料系に適用できる。
図1の基板13に下地層12をスパッタリングあるいは蒸着法を利用して形成後、Fe系磁性層11を物理蒸着あるいは化学蒸着法などで形成する。Fe系磁性層11を局所加熱させるためにフッ素化合物15を基板14にパターニングして形成し、Fe系磁性層11に接触あるいは近づける。電磁波などの照射によりフッ素化合物15が選択加熱され、フッ素化合物15に接触したFe系磁性層11が加熱され、Fe系磁性層11の磁気特性を変えることが可能である。Fe系磁性層11がFePt系の場合、電磁波照射により加熱部16は規則相になり高保磁力となる。高保磁力部の面積はフッ素化合物15の間隔で制御でき、高保磁力部と低保磁力部の比率を任意に変えることが可能であり、磁気ディスクに利用できる。フッ素化合物15をFe系磁性材料と接触させ、電磁波加熱により接触部のみフッ素化合物15とFe系磁性層11とを反応させることで、反応部のみ磁気特性を変化させることができ、保磁力,残留磁束密度,キュリー点(磁気変態点),電気抵抗,磁気抵抗,異方性エネルギーを変化でき、加熱中の磁界印加により異方性方向,交換結合などを付加することもできる。また、図2のようにあらかじめ基板21に溝を設け、溝部に電磁波で容易に温度上昇する発熱部22を形成する。発熱部22の上に磁性層23を形成中、電磁波を照射することで発熱部22が温度上昇し発熱部22の近傍のみ加熱され上記のような特性の変化を示す磁気特性変化部24が形成できる。このような工程を利用して磁気ヘッドや磁気ディスク装置に使用する素子あるいはフッ素化合物の発光特性を応用した光学素子などに適用できる。
Nd2Fe14B の組成近傍を主相とする粒径1から20μmの粒子を使用し、磁界中プレス成形した仮成形体を不活性ガス中あるいは真空中で500℃から1000℃の温度範囲に加熱後、X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークをもったフッ素化合物クラスター溶液あるいはコロイド溶液を含浸あるいは塗布する。この処理によりフッ素化合物前駆体溶液が成形体の内部の磁粉界面に沿って浸入し、その界面の一部がフッ素化合物前駆体で被覆される。次にこの含浸あるいは塗布された成形体を上記加熱温度よりも高い温度で焼結させ、さらに保磁力向上のため焼結温度よりも低い温度で熱処理し、フッ素及び前駆体構成元素である希土類元素,アルカリあるいはアルカリ土類元素を含有した焼結体を得る。このプロセスの特徴は、焼結前に磁粉表面の一部あるいは全てに希土類リッチ相を形成し、完全に焼結させずに磁粉と磁粉の接触部以外に1nm以上の隙間を確保して、その隙間にフッ素化合物前駆体を含浸あるいは塗布により浸入被覆させ、成形体最表面以外の成形体内部にある磁粉の表面の一部にフッ素化合物前駆体を被覆させるものである。このプロセスにより100mmの焼結体中心部においてもフッ素化合物クラスターを磁粉表面に被覆させることが可能であり、フッ素化合物クラスターの構成元素にDy,Tbなどの重希土類元素を選択することで、焼結体の結晶粒界付近に重希土類元素を偏析させ、保磁力増加,角型性向上,残留磁束密度増加,保磁力温度係数や残留磁束密度の温度係数低減、加工変質による磁気特性劣化の低減のいずれかが可能である。上記重希土類元素の偏析は結晶粒界から1〜100nmであり、熱処理温度に依存して変化し、粒界三重点のような特異点では広がる傾向がある。
X線回折ピーク半値幅が1度以上の回折ピークをもったFeフッ素化合物のクラスター溶液をアルカリ,アルカリ土類あるいは希土類元素の中の少なくとも1種を含むフッ素化合物の前駆体と混合させ、乾燥熱処理することでFe−M−F(Mはアルカリ,アルカリ土類あるいは希土類元素の中の少なくとも1種類の元素)化合物が形成できる。前駆体を混合させているため、乾燥熱処理過程で成長する粒子は1−30nmと小さく、これらのナノ粒子の中にフッ素化合物が成長する。高保磁力のフッ素化合物材料は、Feが10原子%以上、フッ素が1%以上の組成で粒界にMリッチ相を形成することにより作製可能であるが、特にFe濃度が50原子%以上、Mが5〜30%、フッ素が1〜20%でフッ素リッチ相,Feリッチ相及びMリッチ相を成長させ、粒界にフッ素リッチ相あるいはMリッチ相を成長させることにより、強磁性を示しかつ保磁力が10kOe以上の粉末が得られる。異方性を付加するために磁場中でフッ素化合物を成長させることで、Feリッチ相が磁場方向に沿って成長する。成長プロセスにおいて水素,酸素,炭素,窒素,ホウ素が混入しても上記相の骨格が壊れなければ特に問題はない。また、Fe−M−F(M原子がCr,Mnなどの遷移金属元素の1種以上)でM原子が5原子%以上、F原子が5原子%以上を、クラスター状フッ素化合物などを含む溶液から成長させ、高保磁力(保磁力5kOe以上)が得られる。これらの化合物の中にはフッ素原子に異方的な配列を持っていることで高い異方性が見られる。このような3元系磁石は上記のように溶液を用いて形成させるため、加工研磨工程は必要ないことから、複雑形状の磁石が容易に作製でき、1個の磁石内で異方性の方向を連続的に変えることも可能であり、各種回転機,磁気センサー,ハードディスク用磁石部品,磁気媒体に使用可能である。また、M原子の濃度を5原子%未満とすることで、Fe−M−F3元系合金は高飽和磁束密度軟磁性材料となり、各種磁気回路のコア材料に適用できる。このような磁性材料はFe−M−F以外にもFe−Co−M−F,Co−M−F系,Ni−M−F系でも達成でき、F組成及び結晶構造により軟磁性,硬磁性いずれの特性も達成でき、軟磁性と硬磁性を同一磁性材料に共存させ強磁性結合させた硬磁性材料も溶液を適用して作成可能である。またFを10原子%以上含有した上記磁性材料では、光学的性質と磁気的性質を併せ持った磁性材料を作成でき、発光あるいは吸収特性と磁気特性を共存した強磁性材料を磁気応用素子あるいは光学素子に適用できる。
Nd2Fe14B 構造を主相とするNdFeB系焼結磁石を加工研磨し積層電磁鋼板,積層アモルファスあるいは圧粉鉄と接着させて回転子を作製する場合、あらかじめ磁石を挿入する位置に積層電磁鋼板あるいは圧粉鉄が金型などにより加工されている。磁石挿入位置に焼結磁石を挿入する場合、焼結磁石と積層電磁鋼板あるいは圧粉鉄の間に0.01 〜0.5mm の隙間を設けている。このような隙間を含めた磁石位置に矩形,リング形、あるいはかまぼこ形状など湾曲した形状を含む種々の焼結磁石を挿入し、その隙間にゲルあるいはゾル状またはクラスター状のフッ素化合物溶液を注入し、100℃以上の温度で加熱し、焼結磁石と積層電磁鋼板,積層アモルファスあるいは圧粉鉄を接着させる。このとき、さらに500℃以上の温度で熱処理をすることで、焼結磁石表面に希土類元素あるいはフッ素を拡散させ、積層電磁鋼板あるいは圧粉鉄の表面にもフッ素化合物の構成元素を拡散させ、焼結磁石の磁気特性を向上(保磁力増加,角形性向上,減磁耐力向上,キュリー温度上昇など)させかつ接着を強固にすることができる。焼結磁石の湾曲した加工変質層の磁気特性改善が可能であり、各磁性材料の表面及び粒界におけるフッ素あるいは希土類元素を主成分とする拡散層には、酸素や炭素などの軽元素が含まれてもよい。焼結磁石の磁気特性改善には上記フッ素化合物に希土類元素を含有させるが、磁石磁気特性改善以外の接着効果や軟磁性の歪取りあるいは損失低減には、希土類元素あるいはアルカリ,アルカリ土類元素を含むフッ素化合物を使用することができる。
Fe,Co,Niの少なくとも1種類の元素を含む酸化物の微粒子にフッ素化合物溶液を塗布あるいは混合する。溶液にはゲル状あるいはゾル状フッ素化合物が含有しており溶媒はアルコール系を用いる。酸化物微粒子の大きさは1nmから10000nmの直径であり、形状は不定形,球形,偏平いずれでもよい。このような酸化物を主とする微粒子表面に溶液を接触させた後、熱処理する。上記酸化物微粒子にはあらかじめSr,Laなどの元素を添加してもよい。500℃から1500℃の熱処理によりフッ素化合物と酸化物の間で拡散あるいは反応がみられ、一部は酸フッ素化合物となる。また酸化物を構成している元素とフッ素化合物の構成元素が拡散することで異方性エネルギーの高い結晶が得られる。この結晶とはフッ素が1原子%以上含んだ酸フッ素化合物であり、酸フッ素化合物と酸化物の混合体でも異方性エネルギーが大きくなる。このような酸フッ素化合物は、残留磁束密度0.5から1.0Tであり保磁力は5から10kOeであり、従来のフェライト磁石よりも残留磁束密度を高くすることが可能である。酸フッ素化合物には窒素や炭素が混合しても磁気特性の大きな劣化は認められない。上記酸フッ素化合物の比抵抗は1×102Ωcm 以上の値を示すため渦電流損失は小さく、高周波磁界を使用する磁気回路に適用可能である。このようにフッ素原子あるいはフッ素化合物中に含有する希土類元素あるいはアルカリ元素と酸化物が反応し異方性エネルギーが大ききくなり、保磁力が増大するとともに磁気特性の温度依存性を抑制する。反応による保磁力増大以外の効果として、残留磁束密度増加,保磁力の温度係数低減,減磁曲線の角型性向上,カー回転角増加などの磁気光学効果増大,磁気抵抗効果増加,熱電効果発現,磁気冷凍効果の増加が確認された。
希土類フッ化物又はアルカリ土類金属フッ化物コート膜の形成処理液は以下のようにして作製した。
(1)水に溶解度の高い塩、例えばLaの場合は酢酸La、または硝酸La4gを100 mLの水に導入し、振とう器または超音波攪拌器を用いて完全に溶解した。
(2)10%に希釈したフッ化水素酸をLaFx(X=1−3)が生成する化学反応の当 量分徐々に加えた。
(3)ゲル状沈殿のLaFx(X=1−3)が生成した溶液に対して超音波攪拌器を用い て1時間以上攪拌した。
(4)4000〜6000r.p.mの回転数で遠心分離した後、上澄み液を取り除きほぼ同 量のメタノールを加えた。
(5)ゲル状のLaFクラスタを含むメタノール溶液を攪拌して完全に懸濁液にした後、 超音波攪拌器を用いて1時間以上攪拌した。
(6)(4)と(5)の操作を酢酸イオン、又は硝酸イオン等の陰イオンが検出されなく なるまで、3〜10回繰り返した。
(7)LaF系の場合、ほぼ透明なゾル状のLaFxとなった。処理液としてはLaFxが 1g/5mLのメタノール溶液を用いた。
(8)上記溶液に表2の炭素を除く有機金属化合物を添加した。
(9)NdFeB焼結体のブロック(10×10×10mm3)をLaF系コート膜形成処 理中に浸漬し、そのブロックを2〜5torrの減圧下で溶媒のメタノール除去を行った 。
(10)(9)の操作を1から5回繰り返し400℃から1100℃の温度範囲で0.5 −5時間熱処理した。
(11)(10)で表面コート膜を形成した異方性磁石の異方性方向に30kOe以上の パルス磁界を印加した。
R−Fe−B系(Rは希土類元素)焼結磁石に表面からG成分(Gは遷移金属元素及び希土類元素からそれぞれ1種以上選択される元素、または遷移金属元素及びアルカリ土類金属元素からそれぞれ1種以上選択される元素)及びフッ素原子を拡散させることによって得られ、次の式(1)または(2)
RaGbTcAdFeOfMg (1)
(R・G)a+bTcAdFeOfMg (2)
(ここでRは希土類元素から選択される1種又は2種以上、Mはフッ素を含有する溶液を塗布する前に焼結磁石内に存在する希土類元素を除く2族から116族のCとBを除く元素、Gは遷移金属元素及び希土類元素からそれぞれ1種以上選択される元素、または遷移金属元素及びアルカリ土類金属元素からそれぞれ1種以上選択される元素であるが、RとGが同一元素を含有していても良く、RとGが同一元素を含有していない場合は式(1)で表され、RとGが同一元素を含有している場合は式(2)で表される。TはFe及びCoから選ばれる1種又は2種、AはB(ホウ素)及びC(炭素)から選ばれる1種又は2種以上、a−gは合金の原子%でa,bは式(1)の場合10≦a≦15,0.005≦b≦2であり、式(2)の場合は10.005≦a+b≦17であり、3≦d≦15,0.01≦e≦4,0.04≦f≦4,0.01≦g≦11、残部がcである。)
で示される組成を有する焼結磁石であって、その構成元素であるF及び遷移金属元素の少なくとも1種が磁石中心から磁石表面に向かって平均的に含有濃度が高くなるように分布し、かつ該焼結磁石中の(R,G)2T14A正方晶からなる主相結晶粒の周りを取り囲む結晶粒界部において、結晶粒界に含まれるG/(R+G)の濃度が主相結晶粒中G/(R+G)濃度よりも平均的に濃く、かつ磁石表面から少なくとも10μmの深さ領域において結晶粒界部にR及びGの酸フッ化物,フッ化物または炭酸フッ化物が存在し、磁石表層付近の保磁力が内部よりも高いことを特徴とする希土類永久磁石は、遷移金属元素の濃度勾配が焼結磁石の表面から中心に向かって認められることが特徴の一つであり、以下の手法の例によって製造することが可能である。
(1)水に溶解度の高い塩、例えばDyの場合は酢酸Dy、または硝酸Dy4gを100 mLの水に導入し、振とう器または超音波攪拌器を用いて完全に溶解した。
(2)10%に希釈したフッ化水素酸をDyFx(x=1−3)が生成する化学反応の当 量分徐々に加えた。
(3)ゲル状沈殿のDyFx(x=1−3)が生成した溶液に対して超音波攪拌器を用い て1時間以上攪拌した。
(4)4000〜6000r.p.mの回転数で遠心分離した後、上澄み液を取り除きほぼ同 量のメタノールを加えた。
(5)ゲル状のDyFクラスタを含むメタノール溶液を攪拌して完全に懸濁液にした後、 超音波攪拌器を用いて1時間以上攪拌した。
(6)(4)と(5)の操作を酢酸イオン、又は硝酸イオン等の陰イオンが検出されなく なるまで、3〜10回繰り返した。
(7)DyF系の場合、ほぼ透明なゾル状のDyFxとなった。処理液としてはDyFxが 1g/5mLのメタノール溶液を用いた。
(8)上記溶液に表2の炭素を除く有機金属化合物を添加した。
(9)NdFeB焼結体のブロック(10×10×10mm3)をDyF系コート膜形成処 理中に浸漬し、そのブロックを2〜5torrの減圧下で溶媒のメタノール除去を行った 。
(10)(9)の操作を1から5回繰り返し400℃から1100℃の温度範囲で0.5 −5時間熱処理した。
(11)(10)で表面コート膜を形成した異方性磁石の異方性方向に30kOe以上の パルス磁界を印加した。
R−Fe−B系(Rは希土類元素)焼結磁石に表面からG成分(Gは遷移金属元素及び希土類元素からそれぞれ1種以上選択される元素、または遷移金属元素及びアルカリ土類金属元素からそれぞれ1種以上選択される元素)及びフッ素原子を拡散させることによって得られ、次の式(1)または(2)
RaGbTcAdFeOfMg (1)
(R・G)a+bTcAdFeOfMg (2)
(ここでRは希土類元素から選択される1種又は2種以上、Mはフッ素を含有する溶液を塗布する前に焼結磁石内に存在する希土類元素を除く2族から116族のCとBを除く元素、Gは遷移金属元素及び希土類元素からそれぞれ1種以上選択される元素、または遷移金属元素及びアルカリ土類金属元素からそれぞれ1種以上選択される元素であるが、RとGが同一元素を含有していても良く、RとGが同一元素を含有していない場合は式(1)で表され、RとGが同一元素を含有している場合は式(2)で表される。TはFe及びCoから選ばれる1種又は2種、AはB(ホウ素)及びC(炭素)から選ばれる1種又は2種以上、a−gは合金の原子%でa,bは式(1)の場合10≦a≦15、0.005≦b≦2であり、式(2)の場合は10.005≦a+b≦17であり、3≦d≦15,0.01≦e≦10,0.04≦f≦4,0.01≦g≦11、残部がcである。)
で示される組成を有する焼結磁石であって、その構成元素であるF及び半金属元素や遷移金属元素の少なくとも1種が磁石中心から磁石表面に向かって平均的に含有濃度が高くなるように分布し、かつ該焼結磁石中の(R,G)2T14A正方晶からなる主相結晶粒の周りを取り囲む結晶粒界部において、結晶粒界に含まれるG/(R+G)の濃度が主相結晶粒中G/(R+G)濃度よりも平均的に濃く、かつ磁石表面から少なくとも1μmの深さ領域において結晶粒界部にR及びGの酸フッ化物,フッ化物または炭酸フッ化物が存在し、磁石表層付近の保磁力が内部よりも高いことを特徴とする希土類永久磁石は、遷移金属元素の濃度勾配が焼結磁石の表面から中心に向かって認められることが特徴の一つであり、以下の手法の例によって製造することが可能である。
(1)水に溶解度の高い塩、例えばDyの場合は酢酸Dy、または硝酸Dy4gを100 mLの水に導入し、振とう器または超音波攪拌器を用いて完全に溶解した。
(2)10%に希釈したフッ化水素酸をDyFx(x=1−3)が生成する化学反応の当 量分徐々に加えた。
(3)ゲル状沈殿のDyFx(x=1−3)が生成した溶液に対して超音波攪拌器を用い て1時間以上攪拌した。
(4)4000〜6000r.p.mの回転数で遠心分離した後、上澄み液を取り除きほぼ同 量のメタノールを加えた。
(5)ゲル状のDyF系あるいはDyFC系,DyFO系クラスタを含むメタノール溶液 を攪拌して完全に懸濁液にした後、超音波攪拌器を用いて1時間以上攪拌した。
(6)(4)と(5)の操作を酢酸イオン、又は硝酸イオン等の陰イオンが検出されなく なるまで、3〜10回繰り返した。
(7)DyF系の場合、ほぼ透明なゾル状のCやOを含むDyFxとなった。処理液とし てはDyFxが1g/5mLのメタノール溶液を用いた。
(8)上記溶液に表2の炭素を除く有機金属化合物を添加した。
(9)NdFeB焼結体のブロック(10×10×10mm3)あるいはNdFeB系磁粉 をDyF系コート膜形成処理中に浸漬し、そのブロックを2〜5torrの減圧下で溶媒
のメタノール除去を行った。
(10)(9)の操作を1から5回繰り返し400℃から1100℃の温度範囲で0.5 −5時間熱処理した。
(11)(10)で表面コート膜を形成した焼結磁石あるいはNdFeB系磁粉の異方性 方向に30kOe以上のパルス磁界を印加した。
NdFeB系粉末としてNd2Fe14Bを主とする急冷粉を作成し、これらの表面にフッ素化合物を形成する。DyF3を急冷粉表面に形成する場合、原料としてDy(CH3COO)3をH2Oで溶解させ、HFを添加する。HFの添加によりゼラチン状のDyF3・XH2Oが形成される。これを遠心分離し、溶媒を除去する。ゾル状態の希土類フッ化物濃度が10g/dm3以上で該処理液の700nmの波長において光路長が1cmの透過率は5%以上である。このような光透過性のある溶液に遷移金属元素や半金属元素をすくなくとも1種含む化合物あるいは溶液を添加する。添加後の溶液のX線回折ピークはブロードであり、回折ピークの半値幅は1から10度であり流動性がある。この溶液と上記NdFeB粉と混合する。混合物の溶媒を蒸発させ、加熱により水和水を蒸発させる。500〜800℃の熱処理によりフッ素化合物膜の結晶構造は添加元素を含むNdF3構造,NdF2構造あるいは酸フッ化物などから構成されていることが判明した。磁粉中の拡散経路へのDyやNdの偏析,板状体のNdやDy及びフッ素の偏析以外に添加元素の偏析が認められ、異方性エネルギーの増加,粒界における格子整合性向上,フッ素による母相の還元などにより磁気特性が向上する。重希土類元素の使用量を低減するため、半金属元素や遷移金属元素を添加したフッ化物溶液による表面処理とその後の拡散により半金属元素や遷移金属元素の少なくとも1種を粒界近傍に編析させることで、保磁力の増加,減磁曲線の角型性向上,残留磁束密度増加,エネルギー積増加,キュリー温度上昇,着磁磁界低減,保磁力や残留磁束密度の温度依存性低減,耐食性向上,比抵抗増加,熱減磁率低減のいずれかの効果がNdFeB系磁粉で認められ、ボンド磁石用磁粉,熱間成形異方性磁粉及び熱間成形異方性焼結磁石の上記磁気特性改善を可能にする。
R−Fe−B系(Rは希土類元素)焼結磁石に表面からG成分(Gは金属元素(希土類元素を除く3族から11族の金属元素あるいは2族、12族から16族のCとBを除く元素から少なくとも1種類)と希土類元素1種以上から選択された元素)及びフッ素原子を拡散させることによって得られ、次の式(1)または(2)
RaGbTcAdFeOfMg (1)
(R・G)a+bTcAdFeOfMg (2)
(ここでRは希土類元素から選択される1種又は2種以上、Mはフッ素を含有する溶液を塗布する前に焼結磁石内に存在する希土類元素を除く2族から116族のCとBを除く元素、Gは金属元素(希土類元素を除く3族から11族の金属元素あるいは2族、12族から16族のCとBを除く元素)及び希土類元素からそれぞれ1種以上選択される元素、または金属元素(希土類元素を除く3族から11族の金属元素あるいは2族、12族から16族のCとBを除く元素)及びアルカリ土類金属元素からそれぞれ1種以上選択される元素であるが、RとGが同一元素を含有していても良く、RとGが同一元素を含有していない場合は式(1)で表され、RとGが同一元素を含有している場合は式(2)で表される。TはFe及びCoから選ばれる1種又は2種、AはB(ホウ素)及びC(炭素)から選ばれる1種又は2種以上、a−gは合金の原子%でa,bは式(1)の場合10≦a≦15,0.005≦b≦2であり、式(2)の場合は10.005≦a+b≦17であり、3≦d≦15,0.01≦e≦10,0.04≦f≦4,0.01≦g≦11、残部がcである。)
で示される組成を有する焼結磁石であって、その構成元素であるF及び金属元素(希土類元素を除く2族から116族のCとBを除く元素)の少なくとも1種が磁石中心から磁石表面に向かって平均的に含有濃度が高くなるように分布し、かつ該焼結磁石中の(R,G)2T14A正方晶からなる主相結晶粒の周りを取り囲む結晶粒界部において、結晶粒界に含まれるG/(R+G)の濃度が主相結晶粒中G/(R+G)濃度よりも平均的に濃く、かつ磁石表面から少なくとも1μmの深さ領域において結晶粒界部にR及びGの酸フッ化物、フッ化物または炭酸フッ化物が存在し、磁石表層付近の保磁力が内部よりも高いことを特徴とする希土類永久磁石は、金属元素(希土類元素を除く2族から116族のCとBを除く元素)の濃度勾配や濃度差が焼結磁石の表面から中心に向かって認められることが特徴の一つであり、以下の手法の例によって製造することが可能である。
(1)水に溶解度の高い塩、例えばDyの場合は酢酸Dy、または硝酸Dy1−10gを 100mLの水に導入し、振とう器または超音波攪拌器を用いて完全に溶解した。
(2)10%に希釈したフッ化水素酸をDyFx(x=1−3)が生成する化学反応の当 量分徐々に加えた。
(3)ゲル状沈殿のDyFx(x=1−3)が生成した溶液に対して超音波攪拌器を用い て1時間以上攪拌した。
(4)4000〜10000r.p.mの回転数で遠心分離した後、上澄み液を取り除きほぼ 同量のメタノールを加えた。
(5)ゲル状のDyF系あるいはDyFC系,DyFO系クラスタを含むメタノール溶液 を攪拌して完全に懸濁液にした後、超音波攪拌器を用いて1時間以上攪拌した。
(6)(4)と(5)の操作を酢酸イオン、又は硝酸イオン等の陰イオンが検出されなく なるまで、3〜10回繰り返した。
(7)DyF系の場合、ほぼ透明なゾル状のCやOを含むDyFxとなった。処理液とし てはDyFxが1g/5mLのメタノール溶液を用いた。
(8)上記溶液に金属元素(希土類元素を除く3族から11族の金属元素あるいは2族、 12族から16族のCとBを除く元素)の少なくとも1種の元素を含む有機金属化合 物を添加した。
(9)NdFeB焼結体のブロック(100×100×100mm3)あるいはNdFeB 系磁粉をDyF系コート膜形成処理中に浸漬し、そのブロックを2〜5torrの減圧下 で溶媒のメタノール除去を行った。
(10)(9)の操作を1から5回繰り返し400℃から1100℃の温度範囲で0.5 −5時間熱処理した。
(11)(10)で表面コート膜を形成した焼結磁石あるいはNdFeB系磁粉の異方性 方向に30kOe以上のパルス磁界を印加した。
希土類フッ化物又はアルカリ土類金属フッ化物コート膜の形成処理液は以下のようにして作製した。
(1)水に溶解度の高い塩、例えばNdの場合は酢酸Nd、または硝酸Nd4gを100 mLの水に導入し、振とう器または超音波攪拌器を用いて完全に溶解した。
(2)10%に希釈したフッ化水素酸をNdFxCy(x,yは正数)が生成する化学反応 の当量分徐々に加えた。
(3)ゲル状沈殿のNdFxCy(x,yは正数)が生成した溶液に対して超音波攪拌器を 用いて1時間以上攪拌した。
(4)4000〜6000r.p.mの回転数で遠心分離した後、上澄み液を取り除きほぼ同 量のメタノールを加えた。
(5)ゲル状のNdFC系クラスタを含むメタノール溶液を攪拌して完全に懸濁液にした 後、超音波攪拌器を用いて1時間以上攪拌した。
(6)(4)と(5)の操作を酢酸イオン、又は硝酸イオン等の陰イオンが検出されなく なるまで、3〜10回繰り返した。
(7)NdFC系の場合、ほぼ透明なゾル状のNdFxCy(x,yは正数)となった。処 理液としてはNdFxCy(x,yは正数)が1g/5mLのメタノール溶液を用いた 。
(8)上記溶液に表2の炭素を除く有機金属化合物を添加した。
(9)NdFeB焼結体のブロック(10×10×10mm3)をNdF系コート膜形成処 理中に浸漬し、そのブロックを2〜5torrの減圧下で溶媒のメタノール除去を行った
。
(10)(9)の操作を1から5回繰り返し400℃から1100℃の温度範囲で0.5 −5時間熱処理した。
(11)(10)で表面コート膜を形成した異方性磁石の異方性方向に30kOe以上の パルス磁界を印加した。
12 下地層
13,14,21 基板
15 フッ素化合物
16 加熱部
22 発熱部
24 磁気特性変化部
31 焼結磁石
32 フッ素化合物溶液
33 拡散層
41 リング磁石
42 表面拡散層
43 内部拡散層
Claims (19)
- アルコールを主成分とする溶媒と、
前記溶媒中に分散した希土類又はアルカリ土類金属のフッ化物と、で構成され、
X線回折で検出されるピークの少なくとも1つは、1度よりも大きい半値幅を有する処理液。 - 前記希土類又はアルカリ土類金属のフッ化物は、前記溶媒中にゾル状又はゲル状で分散した
請求項1に記載の処理液。 - 前記溶媒中における前記希土類又はアルカリ土類金属のフッ化物の濃度は、0.1g/dm3以上100g/dm3以下である
請求項1に記載の処理液。 - 前記希土類又はアルカリ土類金属は、
La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Mg,Ca,Sr,Baのうちの一種類以上を含む
請求項1に記載の処理液。 - 前記アルコールは、
メチルアルコール,エチルアルコール,n−プロピルアルコール,イソプロピルアルコ
ールのうちの一種類以上で構成される
請求項1に記載の処理液。 - 前記アルコールを主成分とする溶媒は、
メチルアルコール,エチルアルコール,n−プロピルアルコール,イソプロピルアルコ
ールのうちの一種類以上を50wt%以上100wt%未満含有し、
かつ、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトンのうちの一種類以上を0wt%よりも多く50wt%以下含有する
請求項1に記載の処理液。 - 前記X線回折で検出されるピークは複数存在し、
かつ各ピークが、面間隔1.0オングストローム以上4.5オングストローム以下の範囲に対応する回折角度に検出される
請求項1に記載の処理液。 - 前記希土類又はアルカリ土類金属のフッ化物は、前記溶媒中にゾル状で分散した
請求項1に記載の処理液。 - 前記X線回折で検出されるピークは複数存在し、
夫々のピークが1度よりも大きい半値幅を有する
請求項1に記載の処理液。 - 前記X線回折で検出されるピーク構造は、
REnFmで示されるフッ素化合物(REは希土類又はアルカリ土類元素、Fはフッ素
、m及びnは正数を表す)又は該フッ素化合物に酸素を含有した酸フッ素化合物と異なる
ピーク構造である
請求項1に記載の処理液。 - アルコールを主成分とする溶媒と、
前記溶媒中に分散した希土類又はアルカリ土類金属のフッ化物と、で構成され、
X線回折で検出されるピークの少なくとも1つは、1度よりも大きい半値幅を有し、
磁粉表面への絶縁膜形成に用いる
処理液。 - 前記希土類又はアルカリ土類金属のフッ化物は、前記溶媒中にゾル状又はゲル状で分散
した
請求項11に記載の処理液。 - 前記溶媒中における前記希土類又はアルカリ土類金属のフッ化物の濃度は、0.1g/
dm3以上100g/dm3以下である
請求項11に記載の処理液。 - 絶縁処理対象物に処理液を塗布し絶縁膜を形成する方法であり、
前記処理液は、
アルコールを主成分とする溶媒と、
前記溶媒中に分散した希土類又はアルカリ土類金属のフッ化物と、で構成され、
かつX線回折で検出されるピークの少なくとも1つは、1度よりも大きい半値幅を有す
るものである
絶縁膜の形成方法。 - 前記絶縁処理対象物は、
磁性粉体,磁性体金属板、又は磁性体金属板ブロックのいずれかである
請求項14に記載の絶縁膜の形成方法。 - 前記アルコールは、
メチルアルコール,エチルアルコール,n−プロピルアルコール,イソプロピルアルコ
ールのうちの一種類以上で構成される
請求項14に記載の絶縁膜の形成方法。 - 前記アルコールを主成分とする溶媒は、
メチルアルコール,エチルアルコール,n−プロピルアルコール,イソプロピルアルコ
ールのうちの一種類以上を50wt%以上100wt%未満含有し、
かつ、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトンのうちの一種類以上を
0wt%よりも多く50wt%以下含有する
請求項14に記載の絶縁膜の形成方法。 - 前記絶縁処理対象物は平均粒径が0.1μm以上500μm以下の磁粉であり、
該磁粉1kgに対し前記処理液を10ml以上300ml以下塗布する
請求項14に記載の絶縁膜の形成方法。 - 前記絶縁処理対象物は磁性体金属板又は磁性体金属板ブロックであり、
平均膜厚が0.001μm以上10μm以下の絶縁膜を形成する
請求項14に記載の絶縁膜の形成方法。
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