JP2008032380A - 冷媒分流器一体化構造の膨張弁及びこれを用いた冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膨張弁から冷媒分流器に至る冷媒回路部分の構成を簡素化するとともに、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減し、さらに、冷媒分流器における冷媒の分流特性を向上させた冷媒分流器一体化構造の膨張弁及びこれを用いた冷凍装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁においては、冷媒の絞り作用を行う第1絞り部10の下流側に、冷媒分流器における冷媒分流室6を形成し、分流管12を冷媒分流室6に接続する。このように構成すると、冷媒分流室6に第1絞り部10通過後の噴霧状態の冷媒が導入されるので、分流特性が向上する。また、冷媒分流室6における流路拡大により第1絞り部10から噴出される冷媒流の噴出エネルギが拡散され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷媒分流器と膨張弁とを一体化した冷媒分流器一体化構造の膨張弁及びこれを用いた冷凍装置に関する。
空気調和装置、冷蔵庫、製造工程用冷却装置などの冷凍装置において、蒸発器が複数のパス(熱交換器における冷媒流通路)で構成される場合がある。この場合の冷媒回路は、例えば、図43に示すように構成されている。圧縮機201によって加圧された冷媒は、凝縮器202で凝縮され、受液器203を経て膨張弁204に送られる。膨張弁204で減圧された冷媒は、冷媒配管205を介して冷媒分流器206に送られ、冷媒分流器206で分流されて蒸発器207の複数のパスに送られる。蒸発器207に送られた低圧冷媒は、蒸発器207で蒸発気化し、アキュムレータ208を介して圧縮機201に還流される。このように蒸発器207が複数のパスに構成される場合には、膨張弁204の下流側の冷媒配管205に、膨張弁204で減圧された冷媒を蒸発器207の複数のパスに均等に分流するための冷媒分流器206が取り付けられている。なお、冷媒分流器206は、例えば特許文献1に記載されているように、所定容積の冷媒分配空間(以下冷媒分流室という)を備えた容器であって、この容器に、この冷媒分流室と蒸発器207の各パスとを接続するための分流管取付孔が形成されたものである。したがって、冷媒分流器206に流入する冷媒は、所定の流通方向においては膨張弁204で減圧された冷媒であるため、低圧の気液二相流冷媒となっている。そして、この気液二相流冷媒は、膨張弁204と冷媒分流器206とを接続する冷媒配管205を流れる間に大きな気泡が存在するプラグ流やスラグ流になりやすい。また、この気液二相流冷媒がプラグ流やスラグ流になった場合は、重力の影響等により、各分流管に気泡が均等に流入しないことがあり、均等な分流が行われ難いという問題があった。
そこで、最近の冷媒分流器においては、例えば、特許文献1に記載のように、分流管取付穴の上流側に開度一定の絞り部(特許文献1では経路縮小部材)を配置し、この絞り部下流側の冷媒を噴霧状態とすることにより、均等な分流を実現しようとする提案がなされている。
一方、上記の冷媒分流器の問題とは別に、膨張弁においては次のように冷媒流動音が問題となっている。
膨張弁は、一般に、流入する冷媒が高圧液冷媒であることを基本としている。ところが、冷凍装置の運転条件の変動などにより、膨張弁の上流側、すなわち受液器の出口(受液器がない場合は凝縮器の出口)側の冷媒に気泡が含まれる場合がある。そして、この気泡を含む高圧液冷媒は、膨張弁に至る冷媒配管を流通する間に配管外部から加熱されて気泡が増加したり、冷媒流中の気泡が合体したりすることがある。その結果、大きな気泡が断続的に存在するプラグ流やスラグ流に成長して膨張弁に流入することがある。また、プラグ流やスラグ流が膨張弁に送られてくると、絞り部に対し液冷媒とガス冷媒とが交互に流れる不連続状態となり、膨張弁の冷媒流に速度変動及び圧力変動が生ずる。このため、絞り部では気液が交互に流れることにより「チュルチュル」という音を発したり、絞り部から冷媒配管系へ流出する霧状冷媒の噴出速度及び圧力が変動して膨張弁出口側で「シャーシャー」という音を発したりというように不連続な冷媒流動音が発生するという問題があった。さらには、冷媒配管内の速度変動及び圧力変動により膨張弁や接続配管などの膨張弁周りの機器が振動して膨張弁周りに振動音を発生するという問題があった。なお、このような冷媒流動音及び振動音を総称して、以下の説明では膨張弁における不連続な冷媒流動音という。
このために、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減する方法として、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動を緩和する手段が設けられていた。例えば、特許文献2においては、閉鎖可能な絞り部の上流側に冷媒流を減圧する絞り部が設けられている。また、特許文献3においては、閉鎖可能な絞り部の上流側に冷媒流に乱れを生起する乱れ生起部が設けられている。また、特許文献4においては、閉鎖可能な絞り部の下流側に冷媒流を減圧する絞り部が設けられている。
特開2002−188869号公報 特開2005−69644号公報 特開2005−351605号公報 特開2005−226846号公報
上述のように、従来の冷媒分流器では、分流を均等に行う手段として分流管取付孔の上流側に絞り部が設けられていたが、絞り部は冷媒分流器の上流側に設けられる膨張弁においても基本的な構成要素となっており、同一構成要素を重複して配置するという無駄があった。一方、従来の膨張弁では、上記のように膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減するために、冷媒流の速度変動及び圧力変動を緩和する手段が設けられていた。しかし、このような手段を膨張弁単独の構成要素として設けることは、膨張弁が大型化しコストの上昇を招くという問題があった。
本発明は、上記従来技術における問題点を解決するものであって、膨張弁から冷媒分流器に至る冷媒回路部分の構成を簡素化するとともに、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減し、さらに、冷媒分流器における冷媒の分流特性(分流を均等化する機能)を向上させた冷媒分流器一体化構造の膨張弁を提供することを目的とする。また、本発明はこの冷媒分流器一体化構造の膨張弁を用いた冷凍装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、第1弁体と第1弁孔との間に形成された、絞り作用を行う第1絞り部と、第1絞り部通過後の冷媒を分流管に分流するための冷媒分流室と、冷媒分流室に分流管を接続するための分流管取付孔とを備えていることを特徴とする。なお、上記冷媒分流室には、後述の具体例において例示する、弁体を収納する弁室と冷媒を分流管に分流する冷媒分流室とを兼用する弁室兼冷媒分流室を包含するものとする。
このように構成された冷媒分流器一体化構造の膨張弁によれば、第1絞り部通過後の気泡が細分化された噴霧状態の冷媒を直接冷媒分流室に導くことができるので、分流特性を向上させることができる。また、第1絞り部から流出する冷媒流の噴出エネルギは、冷媒分流室が拡大空間部として作用することにより拡散されるので、第1絞り部上流側の冷媒流がプラグ流あるいはスラグ流となった場合に、膨張弁における冷媒流の圧力変動を緩和することができる。この結果、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減することができる。また、膨張弁と冷媒分流器とを一体化することにより、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分を簡素化して、その占有スペースを小さくするとともにコストを軽減することができる。
また、前記第1絞り部は、冷凍負荷に対応して流量可変に構成されたものが好ましい。このように構成すれば、従来の冷媒分流器に付加される開度一定の絞り部と異なり、流量及び乾き度などの運転状況に応じて適切な絞り度に変化するので、冷媒分流特性をより一層向上させることができる。
また、この場合において、第1弁体を収納する弁室を有するとともに、この弁室が前記第1絞り部の上流側に形成され、さらに、冷媒分流室が第1絞り部の下流側に形成されたものとしてもよい。このように構成すれば、従来の弁室の構成のままで冷媒分流室等を設計することができるので、冷媒分流室の設計に対する制約が少なくなる。
また、これとは逆に、弁室に冷媒分流室を含むようにすることもできる。この場合は、従来の弁室の構成と大幅に変更されることになるが、これを実現することにより、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分をより一層簡素化することができる。
また、第1絞り部の上流側に冷媒中の気泡を細分化する気泡細分化手段を設けるようにしてもよい。このように構成すると、膨張弁上流側にスラグ流あるいはプラグ流が発生した場合に、気泡細分化手段により第1絞り部の上流側の冷媒流中の気泡が細分化されて、第1絞り部への冷媒の流れが連続化され、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和される。したがって、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。また、第1絞り部下流側の噴霧状態が安定化され、冷媒分流室における冷媒の分流が安定化される。
また、前記気泡細分化手段を、第1絞り部上流側の冷媒を減圧する第2絞り部からなるものとしてもよい。このように構成すると、膨張弁上流側の冷媒流がプラグ流あるいはスラグ流となった場合に、第2絞り部において気泡が細分化されて、第1絞り部への冷媒の流れが連続化され、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和される。また、第2絞り部と第1絞り部との多段絞りの構成となり、絞り部における噴出エネルギが分散される。この結果、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動がより緩和され、第1絞り部下流側の噴霧状態がより安定化され、冷媒分流室における冷媒の分流がより安定化される。
また、前記気泡細分化手段として、前述のように第1絞り部上流側の冷媒を減圧する第2絞り部を設けるとともに第2絞り部と第1絞り部との間に拡大空間部を形成したものとしてもよい。このように構成すると、第2絞り部で気泡が細分化された冷媒は、拡大空間部において噴出エネルギが分散されるとともに、第1絞り部に流入する冷媒中の気泡がさらに細分化される。
また、前記第2絞り部を、複数の絞り通路からなるものとしてもよい。絞り部が一つの通路で構成されている場合は、この絞り部に流れる冷媒流の気液の流動状況により、絞り部下流側の冷媒流の速度及び圧力が直接的に影響を受けて大きく変動しやすくなる。しかし、絞り部が複数の通路で構成されている場合は、各通路毎に異なる気液の流動状態が形成されるので、各通路の流れが集合される絞り部下流側の冷媒流の速度及び圧力は、絞り部が一つの通路の場合に比し変動され難くなる。また、絞り部を構成する複数の通路から冷媒が噴出されるため、第2絞り部から噴出される冷媒流が掻き乱され、第2絞り部下流側の冷媒中の気泡がより細分化される。
また、前記気泡細分化手段を、第1絞り部上流側の冷媒流に乱れを生起する乱れ生起部からなるものとしてもよい。なお、乱れ生起部としては、冷媒通路の冷媒流に旋回流を与えるような螺旋溝を形成したもの、拡大空間部のみを設けたもの、冷媒流路に折り返し部を形成したものなどを考えることができる。このように乱れ生起部を設けることにより、第1絞り部上流側の冷媒流に乱れを生起させ、冷媒流中の気泡を細分化することができる。
また、前記乱れ生起部を、第1絞り部上流側の冷媒流を旋回させる螺旋溝が形成された部材からなるものとしてもよい。このように構成すれば、第1絞り部へ流れる冷媒流が旋回され、この旋回により冷媒流が乱されて冷媒中の気泡が細分化される。
また、前記気泡細分化手段を、第1絞り部の上流側に形成された多孔質透過材層からなるものとしてもよい。このように構成すれば、第1絞り部へ流れる冷媒流中の気泡が多孔質透過材層において細分化される。また、多孔質透過材層を設けることにより、第1絞り部のごみ詰まりを低減することができる。
また、前記第1絞り部の下流側に第1絞り部通過後の冷媒を減圧する第3絞り部を設けるようにしてもよい。このように第1絞り部の下流側に第3絞り部を設けると、第1絞り部通過後の冷媒の噴出エネルギは第3絞り部で減圧されることにより消耗される。また、第1絞り部と第3絞り部とが直列に配置された2段絞り部が構成されるので、それぞれの絞り部を通過する冷媒の噴出エネルギを少なくすることができる。これにより、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減することができる。また、冷媒分流室に流入する冷媒中の気泡が第3絞り部により一層細分化され、冷媒分流室における冷媒の分流をより一層均等化することができる。
また、このように第1絞り部の下流側に第3絞り部を設けたものにおいて、第3絞り部と第1絞り部との間に拡大空間部を設けたものとしてもよい。このように構成すると、拡大空間部において第1絞り部通過後の冷媒流の噴出エネルギが拡散される。したがって、第3絞り部を経由して冷媒分流室へ噴出される冷媒の噴出エネルギが低減され、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動をより緩和することができる。
また、上記第3絞り部を、複数の絞り通路からなるものとしてもよい。このように第3絞り部を複数の絞り通路により形成すると、各通路毎に異なる気液の流動状態が形成されるので、各通路の流れが集合される第3絞り部下流側の冷媒流の速度変動及び圧力変動が、一つの通路の場合に比しより緩和される。
また、第3絞り部を、螺旋状通路からなるものとしてもよい。このようにすると、絞り通路が長くなるので、第3絞り部から噴出される冷媒流の方向性が一定化され、冷媒分流室に流入する冷媒の速度変動及び圧力変動をより緩和することができる。また、冷媒分流室に流入する冷媒中の気泡をより細分化することができる。
また、前記冷媒分流室内に、第1弁孔と同心に、外表面に螺旋溝を形成した棒状部材を設けるようにしてもよい。このようにすると、第1絞り部通過後の冷媒流が、外表面に螺旋溝を形成した棒状部材の周囲を通過する際に乱される。この結果、各分流管取付孔に流入する気液二相流の状態が均一化され、冷媒分流特性が向上する。
また、前記冷媒分流室内に、第1絞り部からこの第1絞り部に対向する壁面に向けて冷媒を案内する円筒部を設けるとともに、冷媒分流室の側壁における第1絞り部よりに前記分流管取付孔を設けるようにしてもよい。このようにすると、第1絞り部通過後の冷媒流は、円筒部内に案内されて冷媒分流室の第1絞り部に対向する壁面に吹き付けられ、反転して分流管取付孔の方へ流れる。これにより、噴出エネルギが低減されるとともに気泡が細分化されるので、各分流管取付孔に流入する気液二相流の状態が均一化され、冷媒分流特性が向上する。
また、この円筒部の外表面に螺旋溝を設けるようにしてもよい。このようにすれば、冷媒分流室の第1絞り部に対向する壁面に吹き付けられた冷媒流は、壁体との衝突により流れ方向を転換し、円筒部の外表面と冷媒分流室の内周面との間の空間を流れる。そして、この空間を流れる際に螺旋溝の作用により旋回される。一層噴出エネルギが低減される。これにより、各分流管取付孔に流入する気液二相流の噴出エネルギがより一層低減されるとともに気泡の細分化が行われ、冷媒分流特性が向上する。
また、この円筒部の内表面に螺旋溝を設けるようにしてもよい。このようにすると、第1絞り部通過後の冷媒流は、円筒部内において旋回流となって冷媒分流室の壁面(第1絞り部に対向する壁面)に吹き付けられる。この旋回流となることにより噴流エネルギが消耗される。これにより、各分流管取付孔に流入する気液二相流の噴出エネルギがより一層低減されるとともに気泡の細分化が行われ、冷媒分流特性が向上する。
また、このように第1絞り部出口側に冷媒を案内する円筒部を設ける場合において、冷媒分流室の第1絞り部に対向する壁体における前記円筒部に対向する内表面に、前記円筒部から吹き付けられる噴流を反転させて方向変更させるガイド部を設けるようにしてもよい。このように構成すれば、円筒部から冷媒分流器の壁面に吹き付けられる噴流の方向転換が円滑に進められることにより、冷媒流の噴出エネルギがより一層低減されるとともに気泡の細分化が行われ、冷媒分流特性が向上する。
また、前記冷媒分流室内における第1絞り部と分流管取付孔との間に多孔質透過材層を形成してもよい。このようにすると、多孔質透過材層により各分流管取付孔に流入する気液二相流の状態が均一化され、冷媒分流特性が向上する。また、多孔質透過材層を設けることにより、逆方向の流れの場合の第1絞り部のごみ詰まりを低減することができる。
また、前述の第1弁体を収納する弁室を有するとともに、この弁室が前記第1絞り部の上流側に形成され、さらに、冷媒分流室が第1絞り部の下流側に形成された冷媒分流器一体化構造の膨張弁において、前記分流管取付孔は、第1絞り部に対向する壁体に対し、第1絞り部の軸心を中心とする等円周上に、略等間隔に形成されるとともに、この分流管取付孔に取り付けられる分流管は、この壁体の壁面に対し略直角に取り付けられているようにしてもよい。このようにすれば、分流管を膨張弁の中心軸方向に揃えて配置することができる。
また、前述のように、第1絞り部と、冷媒分流室と、分流管取付孔とを備えている冷媒分流器一体化構造の膨張弁において、前記分流管取付孔は、冷媒分流室の側壁における第1絞り部よりに形成され、さらに、前記第1絞り部から噴出された冷媒流は、第1絞り部に対向する壁体に衝突して反転されて分流管取付孔から分流管に流入するように形成されるようにしてもよい。このように構成すれば、第1絞り部から噴出される冷媒流が直接的に分流管に流入し難くなる。仮に、第1絞り部からの噴流が直接分流管の入口に到達する場合には、分流管に流入する冷媒流は、乱れが大きくなり冷媒音が上昇する。また、膨張弁に気液二相流が流入している場合には、分流管へ流入する冷媒流は、間欠的な変動を受けやすくなり、惹いては、冷媒音の上昇及び分流特性の悪化を招く可能性がある。これに対し、本発明では、冷媒分流室内の冷媒流を迂回した流れにすることにより、分流管に流入する冷媒流は、膨張弁に流入してくる気液二相流の変動の影響を受けにくくなるとともに、分流管入口においては速度が遅くなっているので、分流特性が向上して、冷媒音が低下する。
また、前述のように、第1絞り部と、冷媒分流室と、分流管取付孔とを備えている冷媒分流器一体化構造の膨張弁において、前記第1弁体を収納する弁室を有するとともに、この弁室が第1絞り部の下流側に形成され、さらに、この弁室における第1絞り部よりの側壁に分流管取付孔が形成され、この分流管取付孔を介して分流管が開口されて、弁室が冷媒分流室に兼用されるようにしてもよい。このように構成すれば、弁室を冷媒分流室に兼用できるのでコンパクトな冷媒分流器一体化構造の膨張弁とすることができるとともに、第1絞り部からの噴流を迂回させて直接的に分流管に流入しないようにすることができる。これにより、前述の迂回効果を発揮して冷媒分流特性を向上するとともに、冷媒音を低減することができる。
また、前述のように、第1絞り部と、冷媒分流室と、分流管取付孔とを備えている冷媒分流器一体化構造の膨張弁において、前記冷媒分流室は、第1絞り部の軸心を中心とした径方向の寸法が第1絞り部の軸心方向の寸法より大きくなる形状に形成され、前記分流管取付孔に取り付けられる分流管は、この冷媒分流室の径方向周縁に略等間隔に開口するように形成されているようにしてもよい。このように構成することによっても、第1絞り部から噴出される冷媒流が直接的に分流管に流入し難くなり、前述同様の迂回効果を奏することができる。
また、この場合において、前記分流管取付孔は、冷媒分流室の第1絞り部側の壁体に設けられ、分流管がこの分流管取付孔を介して冷媒分流室に開口されるようにしてもよい。このようにすれば、前述の迂回効果をより効果的に発揮することができる。
また、前記分流管取付孔は、第1絞り部に対向する壁体に設けられ、この分流管取付孔に取り付けられる分流管は、この分流管取付孔を貫通して固定されるとともに、前記冷媒分流室内における冷媒分流室の第1絞り部側の壁体に近い位置において開放するように構成されるようにしてもよい。このようにすれば、前述の迂回効果を発揮することができるとともに、分流管を膨張弁の軸心方向に揃えて配置することができる。
また、この場合において、前記冷媒分流室は、第1絞り部の軸心に垂直な平面形状が、第1絞り部を軸とする扇形を形成しているものとすることもできる。このような構成としても前述の効果を発揮することができる。
また、弁室が第1絞り部の上流側に形成され、冷媒分流室が第1絞り部の下流側に形成されるとともに、前記第1絞り部からの噴流を第1絞り部に対向する壁体に衝突させるようにした冷媒分流器一体化構造の膨張弁においては、前記第1絞り部に対向する壁体は、内壁面が衝突流を円滑に周辺に広げて反転させるように作用するガイド部に構成されていることが好ましい。このように構成すれば、第1絞り部からの噴流が方向転換する際の乱れを抑制することができる。
次に、前述のように、第1絞り部と、冷媒分流室と、分流管取付孔とを備えている冷媒分流器一体化構造の膨張弁において、第1弁体を収納する弁室を有するとともに、この弁室が第1絞り部の下流側に形成され、さらに、この弁室内における第1絞り部から離れた部分が冷媒分流室に兼用され、この冷媒分流室と第1絞り部との間に冷媒を蛇行状に流通させる蛇行流生成部が形成されているように構成することもできる。このように構成すれば、弁室を冷媒分流室に兼用できるのでコンパクトな冷媒分流器一体化構造の膨張弁とすることができるとともに、分流管の開口位置を第1絞り部から離すとともに、第1絞り部からの噴流を蛇行させて直接的に分流管に流入しないようにしている。これにより、冷媒分流特性を向上するとともに、冷媒音を低減することができる。
また、本発明に係る冷凍装置は、上記冷媒分流器一体化構造の膨張弁を用いたものである。したがって、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減するとともに、分流特性の向上により能力を向上させることができ、さらに、簡素な冷凍装置を構成することができる。
本発明に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁によれば、第1絞り部通過後の噴霧状態の冷媒が冷媒分流室に導かれるので、冷媒の分流を均等に行うことができる。また、第1絞り部から流出する冷媒流の噴出エネルギが冷媒分流室で拡散されるので、第1絞り部上流側の冷媒流がスラグ流あるいはプラグ流となった場合に、冷媒分流室に流入する冷媒の噴出エネルギが低減され、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和される。この結果、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減することができる。また、膨張弁と冷媒分流器とを接続する冷媒配管が不要になるので、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分を簡素化することができる。
以下、本発明の各実施の形態に係る膨張弁について、図面に基づき説明する。なお、各実施の形態に共通する要素には同一の符号を付し、説明を簡略化する。また、以下の説明において上下左右方向をいうときは、各図における上下左右方向をいうものとする。また、各図における実線矢印は、所定運転時の冷媒の流れ方向(正方向の冷媒の流れ方向)を示すものとする。ただし、膨張弁としては逆方向で冷媒を流して使用することは可能であるので、以下に説明する冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、例えば空気調和機の冷房運転を正方向流れとした場合の逆方向流れ、すなわち暖房運転などに用いることは可能である。ただし、以下の記載においては、特に断りのない限りは正方向に冷媒を流通させるときについてのみ説明するものとし、その説明を簡略化する。
(実施の形態1)
以下、この発明の実施の形態1に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁について、図1に基づき説明する。図1は実施の形態1に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図であって、弁室の上部及びその上方の弁駆動装置を省略して示している。実施の形態1に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、通常の冷媒回路において膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分に代わり使用されるものであって、本発明における基本形態の一つをなす。
この冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、中心軸を上下方向とする略円筒状に形成された弁本体1を有し、その側面には入口ポート2が形成されている。この入口ポート2には液管3が接続されている。また、弁本体1は、内部が第1仕切壁4により上下に仕切られ、上部(上流側)に弁室5が形成され、下部(下流側)に冷媒分流室6が形成されている。前述の入口ポート2は弁室5の側面に形成されている。
第1仕切壁4は、弁座を成し、その中心部には、弁室5と冷媒分流室6との間に絞り部を形成する第1弁孔7が形成されている。弁室5内には弁棒8が収納されている。弁棒8は、上方の弁駆動装置(図示省略)から下方に延びるものであって、弁本体1及び弁室5と同心に配置されている。また、弁棒8の先端には、第1弁体(この場合ニードル弁)9が形成されている。そして、第1弁体9は、弁駆動装置の駆動により弁棒8を介して第1弁孔7に対し進退自在に移動するように構成されている。このようにして、第1弁体9と第1弁孔7とにより、冷凍負荷に対応して開度可変、かつ全閉可能とした第1絞り部10が形成されている。
冷媒分流室6は、所定の容積に形成され、外周壁の下方部には、均等ピッチで、かつ、蒸発器のパス数に見合う複数個の分流管取付孔11が形成されている。そして、この分流管取付孔11には、冷媒分流室6と蒸発器の各パスの入口とを接続する分流管12が接続されている。
実施の形態1の冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、上記のように構成されたものであって、入口ポート2から単相の液冷媒が入ってきた場合、液冷媒は第1絞り部10において減圧される。そして、第1絞り部10で減圧された冷媒は、低圧の気液二相流であって、噴霧状態で第1絞り部10から冷媒分流室6内に噴出される。このため、冷媒分流室6においては重力の影響を受けることなく、各分流管12に均等に分流される。
また、入口ポート2から大きな気泡が存在するスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部10に対する冷媒流は、液冷媒とガス冷媒(気泡)とが交互に流れる不連続状態となる。このため、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が生じやすくなっている。また、このような冷媒流の速度変動及び圧力変動により膨張弁における不連続な冷媒流動音が発生しやすくなっている。しかし、本実施の形態によれば、第1絞り部10の下流側に冷媒流路を拡大する冷媒分流室6が形成されているため、冷媒分流室6内において噴出エネルギが拡散される。この結果、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。なお、冷媒分流室6に対しては、第1絞り部10からの噴霧状態の冷媒が流入するため、この場合も重力の影響を受けることなく各分流管12に均等に分流される。
また、冷媒分流室6の上流側に設置される第1絞り部10は、冷凍負荷に対応して開度可変に絞られるので、従来の冷媒分流器に取り付けられているような開度一定の絞り部と異なり、流量及び乾き度などの運転状況に応じて適切な絞り度に変化し、これにより冷媒分流特性をより一層向上させることができる。
また、実施の形態1に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、膨張弁と冷媒分流器とが一体化されているので、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分が簡素化され、占有スペースが省スペース化される。
また、この実施の形態1に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、第1絞り部10の上流側に弁室5が形成され、下流側に冷媒分流室6が形成されている。したがって、従来の弁室の構成のままで冷媒分流室6等を設計することができるので、冷媒分流室6の設計に自由度が与えられる。
なお、このような冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、可逆に冷媒を流通させるヒートポンプ式冷媒回路において、冷媒を可逆に流通させる冷暖房兼用の膨張弁として使用することが可能である。この場合においては、冷媒が逆方向に流されるときは、複数の分流管12から高圧液冷媒が冷媒分流室6に流されることになる。また、冷房運転時に蒸発器として作用していた熱交換器が暖房運転時に凝縮器として作用することになる。この結果、暖房運転時、冷媒分流器の上流側には凝縮器が接続される。一方、膨張弁は、通常、凝縮器として作用する熱交換器から流出される高圧液冷媒の過冷却度を制御する目的で絞り作用するように駆動される。さらに、この熱交換器には、運転停止中、冷媒が気液二相になって貯留されている。このため、暖房運転開始時には、数分程度の間、この膨張弁に気液二相流の冷媒が流入してくる。このため、暖房運転開始時に、冷媒分流室6に流入する高圧液冷媒がプラグ流あるいはスラグ流となることがある。しかし、このようにして冷媒分流室6に流入する高圧液冷媒がプラグ流あるいはスラグ流であった場合には、冷媒流動音が発生しやすいが、冷媒が分流管12から冷媒分流室6に合流するときに掻き乱され、冷媒流中の気泡が細分化される。したがって、本発明に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、逆方向に冷媒が流通するように使用される場合においても、膨張弁における不連続な冷媒流動音を効果的に低減することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について図2に基づいて説明する。図2は、実施の形態2に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図であって、弁室の上部及びその上方の弁駆動装置を省略して示している。実施の形態2に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁も、実施の形態1のものと同様に、通常の冷媒回路において、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分に代わり使用される。また、実施の形態2に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、本発明におけるもう一つの基本形態をなす。
この冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、中心軸を上下方向とする略円筒状に形成された弁本体21を有し、その下壁22には入口ポート23が形成されている。この入口ポート23には液管24が接続されている。また、弁本体21の内部は、弁体を収納する弁室と冷媒を分流する冷媒分流室とを兼用する弁室兼冷媒分流室25として形成されている。
下壁22は、弁座を成し、その中心部には、前述のように入口ポート23が形成されるとともに、弁室兼冷媒分流室25との間に絞り部を形成する第1弁孔26が形成されている。弁室兼冷媒分流室25内には、弁棒27が収納されている。弁棒27は、上方の弁駆動装置(図示省略)から下方に延びるものであって、弁本体21及び弁室兼冷媒分流室25と同心に配置されている。また、弁棒27の先端には、第1弁体(この場合ニードル弁)28が形成されている。そして、第1弁体28は、弁駆動装置の駆動により弁棒27を介して第1弁孔26に対し進退自在に移動するように構成されている。このようにして、第1弁体28と第1弁孔26とにより冷凍負荷に対応して開度可変、かつ全閉可能とした第1絞り部30が形成されている。
弁室兼冷媒分流室25は、所定の容積に形成され、外周壁の上方部には、均等ピッチで、かつ、蒸発器のパス数に見合う複数個の分流管取付孔31が形成されている。そして、この分流管取付孔31には、弁室兼冷媒分流室25と蒸発器の各パスの入口とを接続する分流管32が接続される。
実施の形態2の冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、上記のように構成されたものであって、入口ポート23から単相の液冷媒が入ってきた場合、液冷媒は第1絞り部30において減圧される。そして、第1絞り部30で減圧された冷媒は、低圧の気液二相流であって、噴霧状態で第1絞り部30から弁室兼冷媒分流室25内に噴出される。このため、弁室兼冷媒分流室25においては重力の影響を受けることなく、各分流管32に均等に分流される。
また、入口ポート23から大きな気泡が存在するスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部30に対する冷媒流は、液冷媒とガス冷媒(気泡)とが交互に流れる不連続状態となる。このため、膨張弁における冷媒流に速度変動及び圧力変動が生じやすくなっている。したがって、冷媒流の速度変動及び圧力変動により、この膨張弁における不連続な冷媒流動音が発生しやすくなっている。しかし、本実施の形態によれば、第1絞り部30の下流側に冷媒流路を拡大する弁室兼冷媒分流室25が形成されているため、弁室兼冷媒分流室25内において第1絞り部30通過後の冷媒流の噴出エネルギが拡散される。この結果、弁室兼冷媒分流室25から分流管32へ流出する冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。なお、弁室兼冷媒分流室25に対しては、第1絞り部30からの噴霧状態の冷媒が流入するため、この場合も重力の影響を受けることなく各分流管32に均等に分流される。
また、弁室兼冷媒分流室25の上流側に設置される第1絞り部30は、冷凍負荷に対応して開度可変に絞られるので、従来の冷媒分流器に取り付けられているような開度一定の絞り部と異なり、流量及び乾き度などの運転状況に応じて適切な絞り度に変化するので、冷媒分流特性をより一層向上させることができる。
また、実施の形態2に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、膨張弁と冷媒分流器とが一体化されているので、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分が簡素化され、占有スペースが省スペース化される。また、この実施の形態に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、弁室に冷媒分流室が含まれている(具体的には、この実施の形態では弁室と冷媒分流室とが兼用されている)ため、実施の形態1の場合に比しさらに簡素化することができる。
なお、このような冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、可逆に冷媒を流通させるヒートポンプ式冷媒回路において、冷媒を可逆に流通させる冷暖兼用の膨張弁として使用することが可能である。この場合においては、冷媒が逆方向に流されるときは、複数の分流管32から高圧液冷媒が弁室兼冷媒分流室25に流されることになる。したがって、前述のように運転開始時等において高圧液冷媒がプラグ流あるいはスラグ流であった場合には、冷媒が分流管32から弁室兼冷媒分流室25に合流するときにかき乱され、冷媒流中の気泡が細分化される。このように、本発明に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、逆方向に冷媒が流通するように使用される場合においても、膨張弁における不連続な冷媒流動音を効果的に低減することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について図3に基づき説明する。図3は、実施の形態3に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、膨張弁に流入する冷媒がプラグ流又はスラグ流の場合に気泡を細分化できるように、実施の形態1における弁室5内に気泡細分化手段として、第2絞り部35を設けるとともに、この第2絞り部35と第1絞り部10との間に拡大空間部36を設けたものである。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態3に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図3に示すように、弁室5の中央部に高さ寸法の大きい第2仕切壁37を設け、第2仕切壁37の下方、すなわち、第2仕切壁37と第1絞り部10との間に拡大空間部36が形成されている。そして、この第2仕切壁37の中央部に下方に向かって孔径が小さくなるテーパ孔が形成されている。このテーパ孔が第2弁孔38を成す。また、弁棒8は、実施の形態1の場合と同様に弁本体1と同心に配置されており、第1弁体9の上方に、つまり弁棒8の中間部に拡径部を形成し、これを第2弁体39としている。第2弁体39は、外周面を下方に向かって外径が小さくなるテーパ面として形成されるとともに、このテーパ面に螺旋溝が形成されている。これにより、第2弁孔38と第2弁体39との間に略螺旋状の螺旋状通路が形成される。この螺旋状通路が第2絞り部35を形成する。第2絞り部35は、弁棒8が上下方向に駆動されることにより螺旋状通路の断面積および長さが変化する。例えば、冷凍負荷の小さいときは弁棒8が下方に移動して、螺旋状通路の断面積を小さくするとともに、螺旋状通路の長さを長くして冷媒流通抵抗が大きくなるように(開度が小さくなるように)している。第2絞り部35は、このように開度可変に形成されている。なお、第1絞り部10は、前述のように第1弁孔7と第1弁体9との間に形成されるものであって、弁棒8の上下方向の駆動により、開度可変、かつ全閉可能に形成されている。
実施の形態3に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように実施の形態1の場合と同様に第1仕切壁4の下部(下流側)に冷媒分流室6が形成されているので、実施の形態1のものと同様の作用効果を奏することができる。また、これに加え、上述のように第1仕切壁4の上部(上流側)の弁室5内に、第2絞り部35及び拡大空間部36が形成されているので、次のような作用効果を奏することができる。
前述の実施の形態1の場合には、入口ポート2からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、このスラグ流あるいはプラグ流が第1絞り部10を通過する前に冷媒流中の気泡が細分化されていなかった。しかし、この実施の形態においては、入口ポート2から入ってくるスラグ流あるいはプラグ流などの気液二相流冷媒は、第2絞り部35を通過することにより気泡が細分化される。これにより、第1絞り部10への冷媒流れが連続化され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が顕著に低減されるようになる。特に、第2絞り部35は、螺旋状通路により構成されているので、絞り通路を長くすることができ、気泡細分化効果を向上させることができる。
また、この実施の形態の場合は、第2絞り部35と第1絞り部10とにより2段絞り部が形成されるので、それぞれの絞り部における噴出エネルギ自体が小さくなる。したがって、この観点からも膨張弁を通過する冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和される。さらに、この実施の形態においては、第2絞り部35以外に拡大空間部36が設けられており、第2絞り部35通過後の冷媒流が、拡大空間部36において流路拡大により噴出エネルギが拡散され、冷媒中の気泡がこの拡大空間部36においてさらに細分化される。したがって、第2絞り部35のみの場合に比し、気泡細分化効果がさらに向上し、膨張弁を流通する冷媒流の速度変動及び圧力変動をさらに緩和することができる。この結果、前記実施の形態1の場合に比し、膨張弁における不連続な冷媒流動音をさらに低減することができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について図4に基づき説明する。図4は、実施の形態4に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態1における弁室5内に、冷媒流内の気泡を細分化する気泡細分化手段として、冷媒流に乱れを生起する乱れ生起部を備えたものである。なお、弁室5内に気泡細分化手段を設ける点については実施の形態3と同一であり、気泡細分化手段の構成の点において実施の形態3と相違する。以下、実施の形態1及び実施の形態3を比較しながら具体的に説明する。
実施の形態4に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図4に示すように、弁室5の下方部を、外形寸法を小さくした小径部41としている。そして、この小径部41に位置する弁棒8の部分に、乱れ生起部として第1絞り部10に流入する冷媒流を旋回させる部材が形成されている。すなわち、第1絞り部10に流入する冷媒流を旋回させる部材は、弁棒8の中間位置に拡径部42を形成し、この拡径部42に螺旋溝42aを形成したものである。ただし、この実施の形態4においては、小径部41の内面をテーパ面にしていないものであり、拡径部42と小径部41の内面との間隙は絞り作用を起こさせる程度まで小さくは形成されていない。したがって、拡径部42の周囲を通過する冷媒は、螺旋溝42aで旋回されて乱されるが、絞り作用を受けない。
実施の形態4に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、入口ポート2からスラグ流あるいはプラグ流が入ってきた場合、拡径部42の周囲を通過することにより冷媒流が旋回され、この旋回により冷媒流が乱されて冷媒流中の気泡が細分化される。したがって、実施の形態3に比し気泡細分化効果は劣るが、実施の形態3の場合と同様に膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減することができる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について図5に基づき説明する。図5は、実施の形態5に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態1における弁室5内に、冷媒流内の気泡を細分化する気泡細分化手段として多孔質透過材層43を備えたものである。このように実施の形態5は、実施の形態3及び実施の形態4と比較して気泡細分化手段を多孔質透過材層43とした点において相違する。
実施の形態5に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図5に示すように、弁室5内に多孔質透過材層43が設けられている。多孔質透過材層43は、第1仕切壁4の上面から入口ポート2の上部にかけて、弁棒8を取り囲む円筒状に形成されたものであって、上下部には弁室5の内面に支持される支持板43a,43bが形成されている。多孔質透過材層43の素材としては、発泡金属、セラミック、発泡性樹脂、メッシュ状のもの、多孔板などが用いられている。
実施の形態5に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、入口ポート2から冷媒流がスラグ流あるいはプラグ流となって入ってきた場合、この冷媒流が多孔質透過材層43を通過することにより、第1絞り部10へ流れる冷媒流中の気泡が多孔質透過材層43において細分化される。したがって、実施の形態3及び実施の形態4の場合と同様に、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減することができる。また、多孔質透過材層43は、通過する冷媒中のごみを除去することができるので、フィルターを兼用することができる。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について図6に基づき説明する。図6は、実施の形態6に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態5における気泡細分化手段として多孔質透過材層の形状を変更した点において実施の形態5と相違する。
実施の形態6に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図6に示すように、弁室5内に多孔質透過材層44が設けられている。多孔質透過材層44は、第1仕切壁4の上方であって入口ポート2の下方部の位置に、弁棒8と弁室5の内面との間隙を埋めるように平板ドーナツ型に形成されている。なお、多孔質透過材層43の素材は、実施の形態5の場合と同様のものでよい。
実施の形態6に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、入口ポート2から冷媒流がスラグ流あるいはプラグ流となって入ってきた場合、この冷媒流が多孔質透過材層44を通過することにより、第1絞り部10へ流れる冷媒流中の気泡が多孔質透過材層44において細分化される。したがって、実施の形態5の場合と同様に、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減することができる。また、多孔質透過材層43は、通過する冷媒中のごみを除去することができるので、フィルターを兼用することができる。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7について図7に基づき説明する。図7は、実施の形態7に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態1における第1絞り部10の下流側に、第1絞り部10通過後の冷媒を減圧する第3絞り部45を形成するとともに、この第3絞り部45と第1絞り部10との間に拡大空間部46を設けたものである。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態7に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図7に示すように、第1絞り部10の下流側に第3仕切壁47を形成するとともに、第3仕切壁47の上方、すなわち、第3仕切壁47と第1絞り部10との間に拡大空間部46を形成し、第3仕切壁47の下流側を所定容積の空間部からなる冷媒分流室6としている。また、この第3仕切壁47の中心部には、第3弁体48を貫通させるための貫通孔が形成されている。この貫通孔は、弁棒8の中心線に平行な内周面を備えたストレートな貫通孔であって、第3弁孔49を成す。第3弁体48は、冷媒分流室6の下面から上方に向けて垂設された棒状部材の上方部に形成されているものであって、この棒状部材における第3弁孔49を貫通する部分に形成されている。第3弁体48は、円柱状を成し、その外周面に螺旋溝が形成されている。また、第3弁体48と第3弁孔49との間には、所定の間隙が形成されて、第3弁体48と第3弁孔49との間に略螺旋状の螺旋状通路が形成されている。この螺旋状通路は第3絞り部45を形成している。第3絞り部45は、このように形成されているので、開度一定の絞り部である。
実施の形態7に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、入口ポート2から液単相の高圧液冷媒が流入した場合、この高圧液冷媒は、第1絞り部10及び第3絞り部45で減圧され、噴霧状態となって冷媒分流室6に噴出される。したがって、冷媒分流室6においては重力の影響を受けることなく、各分流管12に均等に分流される。
また、入口ポート2からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部10に対する冷媒流は、液冷媒とガス冷媒(気泡)とが交互に流れる不連続状態となる。このため、第1絞り部10における冷媒流に速度変動及び圧力変動が生じやすくなっており、膨張弁における不連続な冷媒流動音が発生しやすくなっている。しかし、この実施の形態においては、第1絞り部10の下流側に拡大空間部46が形成されているので、第1絞り部10通過後の冷媒流は拡大空間部46において噴出エネルギが拡散され、第1絞り部10通過後の冷媒流の噴出エネルギが低減される。また、第1絞り部10と第3絞り部45とが直列に配置された2段絞り部を構成するため、それぞれの絞り部から噴出される冷媒の噴出エネルギが低減される。また、第3絞り部45は螺旋状通路からなるので、絞り通路が長くなり、この絞り通路を通過する間に冷媒が一定の方向に整流される。さらに、第3絞り部45を通過した冷媒は、冷媒分流室6が拡大空間部として作用するので、この冷媒分流室6において噴出エネルギが拡散される。このように、本実施の形態によれば、拡大空間部46及び冷媒分流室6における流路拡大作用、第3絞り部における整流作用、並びに、第1絞り部10と第3絞り部45とによる2段絞りの構成により、冷媒分流室6に噴出される冷媒流の噴出エネルギが低減され、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和される。したがって、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
また、第1絞り部10から噴出された冷媒流中の気泡は、拡大空間部46及び螺旋状通路からなる第3絞り部45で細分化されるので、冷媒分流室における分流特性は実施の形態1の場合よりさらに向上する。
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について図8に基づき説明する。図8は、実施の形態8に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態1における冷媒分流室6内に、すなわち、第1絞り部10の下流側に冷媒流を旋回させるものとして、外周面に螺旋溝51aを形成した棒状部材51を備えたものである。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態8に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図8に示すように、実施の形態1の場合と同様に第1絞り部10の下流側に冷媒分流室6が形成されている。また、第1絞り部10の下流側に冷媒流を旋回させる棒状部材51が、第1弁孔7と同心に冷媒分流室6の下面から上方に向けて垂設されている。また、この棒状部材51の上端部は円錐状に形成され、その下方の円柱状部分の略全体の外周面に螺旋溝51aが形成されている。さらに、分流管取付孔11が冷媒分流室6の下方部に形成されている。
実施の形態8に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、入口ポート2から液単相の高圧液冷媒が流入してくる場合は、基本的に実施の形態1の場合と同様である。また、入口ポート2からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部10通過後の冷媒流は、冷媒分流室6において流路が拡大されるため噴出エネルギが拡散される。また、第1絞り部10通過後の冷媒流は、棒状部材51の表面に形成された螺旋溝51aにより旋回作用を受け、噴出エネルギが低減される。したがって、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
また、第1絞り部10から冷媒分流室6に噴出された冷媒中の気泡は、冷媒分流室6における流路拡大による噴出エネルギの拡散及び棒状部材51の周囲を通過することによる旋回作用により、冷媒流中の気泡が細分化されるので、冷媒分流室6における分流特性は実施の形態1の場合よりさらに向上する。
(実施の形態9)
次に、実施の形態9について図9に基づき説明する。図9は、実施の形態9に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態8における棒状部材51を、冷媒流に乱れを与える円筒部55に変更したものである。
実施の形態9に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図9に示すように、実施の形態1の場合と同様に第1絞り部10の下流側に冷媒分流室6が形成されている。また、第1絞り部10の下流側に冷媒流に乱れを与える円筒部55が、第1仕切壁4の下面から第1弁孔7と同心に下方に垂下されている。この円筒部55は、第1弁孔7の孔径より少し大きい内径を有し、その外周面に螺旋溝55aが形成され、さらに、下端が冷媒分流室6の第1絞り部10に対向する壁体の内表面である下面近くまで延設されている。また、この円筒部55の取り付けに関連して、冷媒分流室6に設ける分流管取付孔11を冷媒分流室6の第1弁孔7よりの側壁、すなわち、冷媒分流室6の上方の側壁に設けている。
実施の形態9に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、入口ポート2から液単相の高圧液冷媒が流入してくる場合は、基本的に実施の形態1の場合と同様である。また、入口ポート2からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部10から噴出される冷媒は、直ちに円筒部55内に噴出され、この円筒部55内で冷媒分流室6の下面に向けて噴き出される。そして、円筒部55から噴出された冷媒流は、冷媒分流室6の下面に衝突して流れ方向を下方から上方に転向し、さらに、円筒部55の外周面と冷媒分流室6の内周面との間に形成される空間を通り、円筒部55の外周面に形成された螺旋溝55aの作用により旋回しながら分流管12に分流される。この場合において、円筒部55から冷媒分流室6に流れる冷媒は、冷媒分流室6による流路拡大作用、円筒部55の下端における流れ方向変更作用、及び、円筒部55の外周面に形成された螺旋溝55aによる旋回作用を受けて噴出エネルギが低減されるとともに冷媒流中の気泡が細分化される。したがって、実施の形態8の場合と同様に、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減されるとともに、冷媒分流室6における分流特性が実施の形態1の場合よりさらに向上する。
(実施の形態10)
次に、実施の形態10について図10に基づき説明する。図10は、実施の形態10に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態9における円筒部の構造を変更するとともに、冷媒分流室の壁体にこの円筒部から吹き付けられる噴流を反転させて方向変更させるガイド部を設けたものである。なお、その他の構成は実施の形態9と同様であり、その作用効果は実施の形態9と基本的に同一である。以下、実施の形態9との相違点を中心に説明する。
実施の形態10における円筒部61は、実施の形態9の場合と同様に、第1仕切壁4の下面から第1弁孔7と同心に下方に垂下されている。この円筒部61は、螺旋溝61aを内周面に形成した点で実施の形態9の円筒部と異なる。また、この実施の形態における冷媒分流室6の第1絞り部10に対向する壁体の内周面側に、円筒部61から吹き付けられる噴流を反転させて方向変更させるガイド部62が設けられている。ガイド部62は、円筒部61と同心に形成された円錐状の突出部である。
したがって、この実施の形態において入口ポート2からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部10から噴出される冷媒は、直ちに円筒部61内に噴出され、この円筒部61内で螺旋溝61aの作用により旋回流とされながら冷媒分流室6の下面に向けて噴き出される。そして、円筒部61から噴出された冷媒流は、冷媒分流室6の下面に衝突して流れ方向を下方から上方に転向する。この際、ガイド部62の作用により、方向転換が円滑に行われる。方向転換された冷媒流は、円筒部61の外周面と冷媒分流室6の内周面との間に形成される空間を通って、分流管12に分流される。この場合において、円筒部61から冷媒分流室6に流れる冷媒は、円筒部61の内周面に形成された螺旋溝61aによる旋回作用、冷媒分流室6による流路拡大作用、及び、円筒部61の下方における、ガイド部62にガイドされた流れ方向変更作用を受けて噴出エネルギが低減されるとともに冷媒流中の気泡が細分化される。したがって、実施の形態9の場合に比し、より一層膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減されるとともに、冷媒分流室6における分流特性が向上する。
(実施の形態11)
次に、実施の形態11について図11に基づき説明する。図11は、実施の形態11に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態1における冷媒分流室6内に、すなわち、第1絞り部10の下流側に多孔質透過材層59を形成したものである。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態11に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図11に示すように、実施の形態1の場合と同様に第1絞り部10の下流側に冷媒分流室6が形成されている。また、第1絞り部10の下流側の冷媒分流室6内の中間高さ位置に円盤状の多孔質透過材層59が形成されている。多孔質透過材層59の素材としては、発泡金属、セラミック、発泡性樹脂、メッシュ状のもの、多孔板などが用いられている。
実施の形態11に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、第1絞り部10通過後の冷媒流は、冷媒分流室6において流路が拡大されるため噴出エネルギが拡散される。また、第1絞り部10通過後の冷媒流は、多孔質透過材層59を通過する際に噴出エネルギが消耗されるとともに、気泡が細分化されて液冷媒と気泡とが混ざり合わされる。したがって、入口ポート2からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合に、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。また、各分流管取付孔11に対する気液二相流冷媒の流動状態が均一化され、冷媒分流室6の分流特性が向上する。また、多孔質透過材層59を設けることにより、逆方向の流れの場合の第1絞り部10のごみ詰まりを低減することができる。
(実施の形態12)
次に、実施の形態12について図12に基づき説明する。図12は、実施の形態12に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、第1絞り部10の上流側を実施の形態3と同一とし、第1絞り部10の下流側を実施の形態7と同一としたものである。以下、実施の形態3及び実施の形態7との重複説明を避けながら、実施の形態1との相違を中心に説明する。なお、図12において図3及び図7と同一の個所には同一の符号を付している。
実施の形態12に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図12に示すように、第1仕切壁4の上部は図3と同一であって、弁室5の中央部に高さ寸法の大きい第2仕切壁37を設け、第2仕切壁37と第1絞り部10との間に拡大空間部36を形成している。そして、この第2仕切壁37の中央部にテーパ状の第2弁孔38を形成するとともに、弁棒8の中間部にテーパ状の第2弁体39を形成し、第2弁孔38と第2弁体39との間に螺旋状通路を形成することにより第2絞り部35を構成している。
また、第1仕切壁4の下部は図7と同一であって、第1絞り部10の下流側に第3仕切壁47を形成するとともに、第3仕切壁47と第1絞り部10との間に拡大空間部46を形成している。また、第3仕切壁47の中心部に弁棒8の中心線の方向にストレートな貫通孔からなる第3弁孔49を形成するとともに、冷媒分流室6の下面から上方に向けて垂設された棒状部材の上方部に第3弁体48が形成されている。第3弁体48は、円柱状を成し、その外周面に螺旋溝が形成されている。そして、第3弁体48と第3弁孔49との間に略螺旋状の螺旋状通路を形成し、この螺旋状通路により第3絞り部45が形成されている。
実施の形態12に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、入口ポート2から液単相の高圧液冷媒が流入してくる場合、この高圧液冷媒は、第2絞り部35、第1絞り部10及び第3絞り部45で減圧され、噴霧状態となって冷媒分流室6に噴出される。したがって、冷媒分流室6においては重力の影響を受けることなく、各分流管12に均等に分流される。
また、入口ポート2からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、この気液二相流冷媒は、第2絞り部35における絞り作用及び拡大空間部36における流路拡大作用を受けて気泡が細分化される。これにより、第1絞り部10に対し気液が交互に流れることによる不連続な冷媒流れが緩和される。また、第1絞り部10から噴出された冷媒は、拡大空間部46において流路拡大により噴出エネルギが分散される。また、第2絞り部35、第1絞り部10及び第3絞り部45が直列に配置された3段絞り部を構成するため、それぞれの絞り部を通過する冷媒の噴出エネルギが低減される。また、第3絞り部45が螺旋状通路に形成されているため、冷媒の流れ方向が一定となるように整流される。この結果、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
また、第3絞り部45から冷媒分流室6に流入する冷媒は、上述のように流路拡大による噴出エネルギの拡散や3段の絞り作用などにより冷媒流中の気泡がより一層細分化された状態となっているので、冷媒分流室6における分流特性は実施の形態1の場合よりさらに向上する。
(実施の形態13)
次に、実施の形態13について図13に基づき説明する。図13は、実施の形態13に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、この膨張弁は、第1絞り部10の上流側を実施の形態3と同一とし、第1絞り部10の下流側を実施の形態8と同一としたものである。以下、実施の形態3及び実施の形態8との重複説明を避けながら、実施の形態1との相違を中心に説明する。なお、図13において図3及び図8と同一の個所には同一の符号を付している。
実施の形態13に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図13に示すように、第1仕切壁4の上部は図3と同一であって、弁室5の中央部に高さ寸法の大きい第2仕切壁37を設け、第2仕切壁37と第1絞り部10との間に拡大空間部36を形成している。そして、この第2仕切壁37の中央部にテーパ状の第2弁孔38を形成するとともに、弁棒8の中間部にテーパ状の第2弁体39を形成し、第2弁孔38と第2弁体39との間に螺旋状通路を形成することにより第2絞り部35を構成している。
また、第1仕切壁4の下部は図8と同一であって、冷媒分流室6が形成されるとともに、表面に螺旋溝51aを備えた棒状部材51が第1弁孔7と同心に冷媒分流室6の下面から上方に向けて垂設されている。また、分流管取付孔11が冷媒分流室6の下方部に形成されている。
実施の形態13に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、入口ポート2から液単相の高圧液冷媒が流入してくる場合、この高圧液冷媒は、第2絞り部35、第1絞り部10で減圧され、噴霧状態となって冷媒分流室6に噴出される。したがって、冷媒分流室6においては重力の影響を受けることなく、各分流管12に均等に分流される。
また、入口ポート2からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、この気液二相流冷媒は、第2絞り部35における絞り作用及び拡大空間部36における流路拡大作用を受けて気泡が細分化される。これにより、第1絞り部10に対し気液が交互に流れることによる不連続な冷媒流れが緩和される。また、第1絞り部10で減圧され、噴霧状態となって冷媒分流室6に噴出された冷媒は、冷媒分流室6において流路拡大により噴出エネルギが拡散され、さらに、棒状部材51の表面に形成された螺旋溝51aにより旋回されて噴出エネルギが低減される。このように、第1絞り部10から噴出された冷媒の噴出エネルギが低減される結果、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
また、第1絞り部10から冷媒分流室6に噴出された冷媒中の気泡は、冷媒分流室6における流路拡大によるエネルギの拡散及び棒状部材51の螺旋溝51aによる旋回作用によりさらに細分化されるので、冷媒分流室6における分流特性が実施の形態1の場合よりさらに向上する。
(実施の形態14)
次に、実施の形態14について図14に基づき説明する。図14は、実施の形態14に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、この膨張弁の基本的構造は、弁本体21の内部を弁室兼冷媒分流室25とした実施の形態2と同一構造である。そして、この膨張弁においては、実施の形態2における第1絞り部30の上部(下流側)に第1絞り部30通過後の冷媒を減圧する第3絞り部65が設けられている。さらに、この第3絞り部65と第1絞り部30との間に拡大空間部66が設けられている。以下、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
実施の形態14に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図14に示すように、第1絞り部30の下流側、すなわち弁室兼冷媒分流室25内に第3仕切壁67を形成するとともに、第3仕切壁67の下流側を分流室部25aとしている。そして、この分流室部25aの側壁に分流管取付孔31が形成され、この分流管取付孔31に分流管32が接続されている。
また、第3仕切壁67の下方、すなわち、第3仕切壁67と第1絞り部30との間に拡大空間部66が形成されている。
そして、第3仕切壁67の中心部には第3弁体68を貫通させるためのテーパ状の貫通孔が形成されており、この貫通孔が第3弁孔69を成す。そして、第3弁孔69と協働して第3絞り部65を形成する第3弁体68が、弁棒27の中間部に形成され、第3弁孔69の内部を上下動するように形成されている。この第3弁体68は、第3弁孔69に対応するテーパ状の外周面に形成され、さらに、その外周面に螺旋溝が形成されている。このようにして、第3弁体68と第3弁孔69との間に略螺旋状の螺旋状通路が形成され、この螺旋状通路が第3絞り部65を形成する。第3絞り部65は、弁棒27が上下方向に駆動されることにより螺旋状通路の断面積及び長さを変化する。例えば、冷凍負荷の小さいときは弁棒27が下方に移動して、螺旋状通路の断面積を小さくするとともに、螺旋状通路の長さを長くして冷媒流通抵抗が大きくなるように(開度が小さくなるように)している。第3絞り部65は、このように開度可変に形成されている。なお、第1絞り部30は前述の実施の形態2におけるものと同一である。すなわち、第1絞り部30は、下壁22の中心部に形成された第1弁孔26に対し、弁棒27の先端に形成された第1弁体28が進退するように形成されたものであって、弁棒27の上下方向の駆動により、開度可変、かつ全閉可能に形成されている。
実施の形態14の冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、上記のように構成されたものであって、入口ポート23から単相の液冷媒が入ってきた場合、液冷媒は第1絞り部30において減圧される。そして、第1絞り部30で減圧された冷媒は、拡大空間部66を介し第3絞り部65でさらに減圧されて、噴霧状態で第3絞り部65から分流室部25a内に噴出される。このため、分流室部25aにおいては重力の影響を受けることなく、各分流管32に均等に分流される。
また、入口ポート23からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部30に対する冷媒流は、液冷媒とガス冷媒とが交互に流れる不連続状態となり、膨張弁における冷媒流に速度変動及び圧力変動が生じやすくなっている。しかし、第1絞り部30の下流側に冷媒流路を拡大する拡大空間部66が形成されているため、拡大空間部66内において噴出エネルギが拡散され、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和される。また、第1絞り部30と第3絞り部65とが直列に配置された2段絞り部を構成するため、それぞれの絞り部を通過する冷媒の噴出エネルギが低減され、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動がさらに緩和される。また、第3絞り部65を通過する冷媒は、螺旋状通路により冷媒流の方向を一定化するように整流される。また、第3絞り部65を通過した冷媒は、分流室部25aが拡大空間部として作用するので、この分流室部25aにおいて冷媒流の噴出エネルギが拡散される。このようにして、膨張弁における速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
また、第1絞り部30から噴出された冷媒流は、拡大空間部66で流路拡大作用を受けるとともに第3絞り部65で絞り作用を受けることにより、さらに気泡が細分化された状態となるので、分流室部25aにおける分流特性が実施の形態2の場合よりさらに向上する。
(実施の形態15)
次に、実施の形態15について図15に基づき説明する。図15は、実施の形態15に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、この膨張弁の基本的構造は、弁本体21の内部を弁室兼冷媒分流室25とした実施の形態2と同一である。そして、この膨張弁においては、実施の形態2における第1絞り部30の下流側に、第1弁孔26と同心に螺旋溝72aを形成した棒状部材が設けられている。
実施の形態15に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図15に示すように、実施の形態2の場合と同様に、第1絞り部30の下流側に弁室兼冷媒分流室25が形成されるとともに、この弁室兼冷媒分流室25の下方部を、外形寸法を小さくした小径部71としている。そして、この分流室部25aの上方側壁に分流管取付孔31が形成され、この分流管取付孔31に分流管32が接続されている。
また、小径部71に位置する弁棒27の部分は、本発明における棒状部材72を成すものであって、その外周面に螺旋溝72aが形成されている。棒状部材72は、第1弁体28の上部(下流側)に形成されたものであって、前述の実施の形態11における第3弁体68と同様に、弁棒27の中間位置を拡径したものである。ただし、この実施の形態15においては、螺旋溝72aと小径部71の内面との間隙は絞り作用を起こさせる程度まで小さくは形成されていない。したがって、棒状部材72の螺旋溝72aの周囲を通過する冷媒は、螺旋溝72aで旋回力を受けるが、絞り作用を受けない。
実施の形態15の冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、上記のように構成されたものであって、入口ポート23から単相の液冷媒が入ってきた場合は、実施の形態2の場合と同様に、噴霧状態となって弁室兼冷媒分流室25に噴出され、棒状部材72の螺旋溝72aの周囲を通過するので均等に分流管32に分流される。
また、入口ポート23からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部30に対する冷媒流は、液冷媒とガス冷媒(気泡)とが交互に流れる不連続状態となり、第1絞り部30を流通する冷媒流に速度変動及び圧力変動が生じやすくなっている。しかし、弁室兼冷媒分流室25に噴出された冷媒は、弁室兼冷媒分流室25において流路が拡大されるため、噴出エネルギが拡散される。さらに、冷媒流は、棒状部材72の螺旋溝72aにより旋回作用を受け噴出エネルギが低減される。このようにして、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
また、第1絞り部30から噴出された冷媒流は、棒状部材72の螺旋溝72aにより旋回されて気泡がさらに細分化されるので、分流室部25aにおける分流特性は実施の形態2の場合よりさらに向上する。
(実施の形態16)
次に、実施の形態16について図16及び図17に基づき説明する。図16は、実施の形態16に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図であり、図17は図16におけるA−A断面図である。これら図に示すように、本膨張弁の基本的構造は、弁本体21の内部を弁室兼冷媒分流室25とした実施の形態2と同一である。そして、本膨張弁においては、第1絞り部30の上部(下流側)に、第1絞り部30通過後の冷媒を減圧する第3絞り部75が設けられており、この第3絞り部75は複数の絞り用通路により形成されている。以下、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
実施の形態16に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図16に示すように、弁室兼冷媒分流室25の下壁22の厚さが大きく形成されている。そして、下壁22の中心部には、上方から順に、下方向に先細となるテーパ状の孔部からなる第3弁孔76、第3弁孔76の孔径より小さな径の第1弁孔26、第1弁孔26の孔径より大きな径の入口ポート23が形成されている。したがって、実施の形態2の下壁22と比較すると、厚みが大きくなっている。
一方、弁棒27における第3弁孔76を貫通する部分は、第3弁体77を構成するものであって、外周面が下方向に先細のテーパ状に形成されている。また、このテーパ状の外周面には、図17に示すように、一定の深さの断面三角形状の凹溝78が形成されている。凹溝78は、複数条あり、外周面に所定の一定位相差で形成されている。このように形成された第3弁体77は、第3弁孔76との間に所定の間隔をおいて上下動するように形成されており、第3弁孔76と協働して第3絞り部75を構成している。この実施の形態における第3絞り部75は、上述のように構成されているので、第3弁孔76と第3弁体77との間には、完全に分離されていないが、凹溝78を利用した上下方向の複数条の絞り通路が形成されている。
実施の形態16の冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、上記のように構成されたものであって、入口ポート23から単相の液冷媒が入ってきた場合、液冷媒は第1絞り部30において減圧される。そして、第1絞り部30で減圧された冷媒は、第3絞り部75でさらに減圧されて、噴霧状態で第3絞り部75から弁室兼冷媒分流室25内に噴出される。このため、弁室兼冷媒分流室25においては重力の影響を受けることなく、各分流管32に均等に分流される。
また、入口ポート23からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部30に対する冷媒流は、液冷媒とガス冷媒(気泡)とが交互に流れる不連続状態となり、膨張弁における冷媒流に速度変動及び圧力変動が生じやすくなっている。しかし、第1絞り部30と第3絞り部75とが直列に配置された2段絞り部を構成するため、それぞれの絞り部を通過する冷媒の噴出エネルギが低減される。また、第3絞り部75は、複数の絞り通路により形成されているので、膨張弁における冷媒流の噴出エネルギが分散される。したがって、2段絞りによる噴出エネルギの低減、及び、複数の絞り通路による噴出エネルギの分散により、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動がさらに緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
また、第1絞り部30から噴出された冷媒流は、第3絞り部75による絞り作用及び複数の絞り通路の入口及び出口における冷媒流の分散及び集合により気泡が細分化された状態となるので、弁室兼冷媒分流室25における分流特性は実施の形態2の場合よりさらに向上する。
(実施の形態17)
次に、実施の形態17について図18に基づき説明する。図18は、実施の形態17に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁の基本的構造は、弁本体21の内部を弁室兼冷媒分流室25とした実施の形態2と同一である。そして、この膨張弁においては、第1絞り部30の上流側に、冷媒流内の気泡を細分化する気泡細分化手段として、拡大空間部81と第2絞り部82とが設けられている。以下、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
実施の形態17に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図18に示すように、弁本体21の内部を上下に仕切る第1仕切壁83が設けられ、この中心部に第1弁孔26が形成されている。また、第1仕切壁83の下部(第1絞り部30の上流側)には、膨張弁に流入する冷媒の気泡細分化手段として拡大空間部81と第2絞り部82とが設けられている。第2絞り部82は、拡大空間部81の下壁84の中心部に設けられた、弁棒27の中心線の方向にストレートな貫通孔から成る第2弁孔85と、第2弁体86とから構成されている。第2弁体86は、弁本体21の下壁22から上方に向けて垂設された棒状部材の上方部に形成されている。この第2弁体86は、第2弁孔85内を所定の隙間を置いて貫通する外径寸法に形成された円柱状のものであって、外周面に螺旋溝が形成されている。したがって、第2弁体86と第2弁孔85との間には略螺旋状の螺旋状通路が形成され、この螺旋状通路が第2絞り部82を形成している。第2絞り部82は、このように形成されているので、開度一定の絞り部である。
実施の形態17の冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、上記のように構成されたものであって、入口ポート23から単相の液冷媒が入ってきた場合、液冷媒は第2絞り部82及び第1絞り部30において減圧される。そして、第1絞り部30で減圧された冷媒は、噴霧状態で第1絞り部30から弁室兼冷媒分流室25内に噴出される。このため、弁室兼冷媒分流室25においては重力の影響を受けることなく、各分流管32に均等に分流される。
また、入口ポート23からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、この気液二相流冷媒は、第2絞り部82を通過することにより気泡が細分化される。また、第2絞り部82を通過した冷媒は、拡大空間部81における通路拡大により噴出エネルギが分散され、さらに気泡が細分化される。このようにして、第1絞り部30へ流通する冷媒流の気泡が細分化されるので、膨張弁における冷媒流が連続化され、膨張における不連続な冷媒流動音が低減される。特に、第2絞り部82は、螺旋状通路により構成されているので、絞り通路を長くすることができ、冷媒の流れ方向が一定化されるため気泡細分化効果を向上させることができる。
また、このように第1絞り部30を流通する冷媒流が連続化されると、第1絞り部30を通過する冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和される。さらに、第2絞り部82と第1絞り部30とにより2段絞りが形成されるので、それぞれの絞り部における噴出エネルギが低減され、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動がより緩和される。また、第2絞り部82通過後の冷媒流は、拡大空間部81において流路拡大により噴出エネルギが拡散される。このようにして、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、前記実施の形態2の場合に比し、膨張弁における不連続な冷媒流動音がより低減される。
(実施の形態18)
次に、実施の形態18について図19に基づき説明する。図19は、実施の形態18に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁の基本的構造は、弁本体21の内部を弁室兼冷媒分流室25とした実施の形態2と同一である。そして、同膨張弁においては、第1絞り部30の上流側に、冷媒流内の気泡を細分化する気泡細分化手段として乱れ生起部が設けられている。なお、実施の形態18に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、実施の形態17と比較すると、気泡細分化手段が異なるが他は同一である。したがって、実施の形態2及び実施の形態17と同一の個所には同一の符号を付す。以下、実施の形態2及び実施の形態17との相違点を中心に説明する。
実施の形態18に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図19に示すように、弁本体21の内部を上下に仕切る第1仕切壁83が設けられている。そして、第1仕切壁83の下部(第1絞り部30の上流側)に空間部91を形成し、この空間部91に乱れ生起部として、第1絞り部30に流入する冷媒流を旋回させる部材が形成されている。すなわち、第1絞り部30に流入する冷媒流を旋回させる部材は、弁本体21の下壁22から上方に向けて棒状部材92を垂設し、棒状部材92の表面に螺旋溝92aを設けたものである。なお、棒状部材92の上端部は円錐状に形成されている。
実施の形態18の冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、上記のように構成されたものであって、入口ポート23から単相の液冷媒が入ってきた場合、棒状部材92の周囲を通過し、第1絞り部30において減圧され、噴霧状態となって第1絞り部30から弁室兼冷媒分流室25内に噴出される。このため、弁室兼冷媒分流室25においては重力の影響を受けることなく、各分流管32に均等に分流される。
また、入口ポート23からスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、この気液二相流冷媒は、棒状部材92の周囲を通過することにより冷媒流が旋回され、この旋回により冷媒流が乱されて冷媒流中の気泡が細分化される。これにより、第1絞り部30を流通する冷媒流が連続化されるとともに、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和される。したがって、実施の形態17に比し気泡細分化効果は劣るが、実施の形態17の場合と同様に、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
(実施の形態19)
次に、実施の形態19について図20に基づき説明する。図20は、実施の形態19に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態1における冷媒分流室6の分流管取付孔11の位置を変更したものである。分流管取付孔11は、第1絞り部10に対向する壁体に対し、第1絞り部10の軸心を中心とする等円周上に、略等間隔に複数個(この実施の形態では4個)形成されている。そして、この分流管取付孔11に取り付けられる分流管12がこの壁体の壁面に対し略直角に取り付けられている。
実施の形態19の冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、上記のように構成されているので、冷媒分流特性は、実施の形態1の場合と同様の効果を奏することができる。すなわち、冷媒分流室6に対しては、第1絞り部10からの噴霧状態の冷媒が流入するため、この場合も重力の影響を受けることなく各分流管12に均等に分流される。また、第1絞り部10が冷媒分流器における絞り部としても可変に作用するため、冷凍負荷の増減に応じて適切な絞り度が付与されるため、冷媒分流特性をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、冷媒流動音に関しても、実施の形態1の場合と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、入口ポート2から大きな気泡が存在するスラグ流あるいはプラグ流となって気液二相流冷媒が入ってきた場合、第1絞り部10の下流側の冷媒分流室6における噴出エネルギが拡散作用により、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。また、冷媒が逆方向に流される場合において、すなわち、ヒートポンプ式冷媒回路に使用された場合であって、暖房運転開始時の場合において、複数の分流管12から気液二相流冷媒が入ってくることがあるが、この場合の冷媒流動音の低減効果についても実施の形態1と同一である。
また、本実施の形態に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、実施の形態1の場合と同様に、従来の弁室の構成のままで冷媒分流室6等を設計することができるので、冷媒分流室6の設計に対する制約が少ない。また、本実施の形態においては、分流管取付孔11に取り付けられる分流管12をこの膨張弁の中心軸方向に細長く束ねるように形成することができる。
(実施の形態20)
次に、実施の形態20について図21に基づき説明する。図21は、実施の形態20に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態19における冷媒分流室6の分流管取付孔11の位置を変更したものである。この実施の形態においては、分流管取付孔11を冷媒分流室6の側壁における第1絞り部10よりに形成し、この分流管取付孔11により分流管12を冷媒分流室6に開口するようにしている。このようにして、第1絞り部10から噴出された冷媒流を、破線で示すように、第1絞り部10に対向する壁体に衝突させ、反転させて分流管取付孔11から分流管12に流入するように構成している。
実施の形態20は以上のように構成されているので、第1絞り部10から噴出される冷媒流が直接的に分流管12に流入しないで、反転迂回して分流管12に流入する。これにより、膨張弁に流入してくる気液二相流の変動の影響が受けにくくなるとともに、分流管12の入口における冷媒流の速度が遅くなっている。このような流れ方向変更作用を伴う迂回効果により、冷媒分流室6における分流特性が良好となる。
(実施の形態21)
次に、実施の形態21について図22に基づき説明する。図22は、実施の形態21に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態20の冷媒分流室6における第1絞り部10に対向する壁体を変更したものである。この実施の形態における第1絞り部10に対向する壁体は、内壁面が第1絞り部10からの噴出された衝突流を円滑に周辺に広げて反転させるように作用するガイド部に構成されている。具体的には、ガイド部として、第1絞り部10に対向する部分に円錐状の突出部95を形成するとともに、この壁面と側壁とのコーナ部を円弧面96に形成している。
実施の形態21は、このように構成されているので、第1絞り部10からの噴流が方向転換する際の乱れを抑制することができる。したがって、入口ポート2から気液二相流が入ってきた場合において、このガイド部が冷媒流の流れ方向変更作用を助長して冷媒流の噴出エネルギを低減するとともに、冷媒流中の気泡の細分化を行い、冷媒流動音を低減することができる。
(実施の形態22)
次に、実施の形態22について図23に基づき説明する。図23は、実施の形態22に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態2における冷媒分流室6の形状及び分流管取付孔11の取付位置を変更したものである。すなわち、この実施の形態においては、冷媒分流室6は、第1絞り部10の軸心を中心として径方向(図面における横方向)の寸法が第1絞り部10の軸心方向(図面における縦方向)の寸法より大きくなる形状に形成され、つまり、図面で見るように膨張弁の中心軸に対し薄く横に広がった形状に形成されている。また、分流管取付孔11が、冷媒分流室6の第1絞り部10側の壁体における周辺部に形成されており、この分流管取付孔11を介して分流管12が冷媒分流室6に開口している。
実施の形態22は、以上のように構成されているので、第1絞り部10から噴出される冷媒流が直接的に分流管12に流入し難くなり、前述の実施の形態20の場合と同様の迂回効果を奏することができ、冷媒分流室6における分流特性が良好となる。
(実施の形態23)
次に、実施の形態23について図24に基づき説明する。図24は、実施の形態23に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態23における分流管取付孔11及び分流管12の取付を変更したものである。すなわち、この実施の形態においては、分流管取付孔11は、第1絞り部10に対向する壁体に設けられ、この分流管取付孔11に取り付けられる分流管12は、この分流管取付孔11を貫通して固定されるとともに、冷媒分流室6の第1絞り部10側の壁体に近い位置において開放するように構成されている。
実施の形態23は、以上のように構成されているので、第1絞り部10から噴出された冷媒流は、図示破線のように、反転迂回して、上方の分流管12の入口に流入する。したがって、実施の形態22の場合と同様の迂回効果を発揮することができるとともに、分流管12を膨張弁の軸心方向に揃えて配置することができる。
(実施の形態24)
次に、実施の形態24について図25に基づき説明する。図25は、実施の形態24に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態22の冷媒分流室6における第1絞り部10に対向する壁体を変更したものである。この実施の形態における第1絞り部10に対向する壁体は、内壁面が第1絞り部10から噴出された衝突流を円滑に周辺に広げて反転させるように作用するガイド部に構成されている。具体的には、ガイド部として、第1絞り部10に対向する部分に円錐状の突出部101を形成するとともに、この突出部101の周辺から側壁にかけての壁面を滑らかな曲面部102に形成している。
実施の形態24は、このように構成されているので、第1絞り部10からの噴流が方向転換する際の乱れを抑制することができる。したがって、入口ポート2から気液二相流が入ってきた場合において、このガイド部が冷媒流の流れ方向変更作用を助長して冷媒流の噴出エネルギを低減するとともに、冷媒流中の気泡の細分化を行い、冷媒流動音を低減することができる。
(実施の形態25)
次に、実施の形態25について図26に基づき説明する。図26は、実施の形態25に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態2において、弁室兼冷媒分流室25内に流入した冷媒流を迂回反転させるように変更したものである。すなわち、この実施の形態においては、分流管取付孔31を弁室兼冷媒分流室25の側壁における第1絞り部30よりに(図面における弁室兼冷媒分流室25の下方に)形成し、この分流管取付孔31により分流管32を弁室兼冷媒分流室25に開口するようにしている。このようにして、第1絞り部30から噴出された冷媒流は、破線で示すように、弁棒27と弁室兼冷媒分流室25の外周壁との間に噴出し、駆動部103と弁室兼冷媒分流室25とを仕切る隔壁104に衝突して反転し、分流管取付孔31から分流管32に流入するように構成されている。
実施の形態25は、このように構成されているので、実施の形態2の場合と同様に、弁室を冷媒分流室に兼用できるのでコンパクトな冷媒分流器一体化構造の膨張弁とすることができるとともに、実施の形態2の場合と同様の効果を奏することができる。また、この実施の形態の場合は、分流管取付孔31を弁室兼冷媒分流室25の側壁における第1絞り部30よりに配置することにより、第1絞り部30からの噴流を直接的に分流管32に流入させずに、冷媒流を反転迂回させて分流管32に流入するようにしている。これにより、前述の迂回効果を発揮して冷媒分流特性を向上するとともに、冷媒音をさらに低減することができる。
(実施の形態26)
次に、実施の形態26について図27に基づき説明する。図27は、実施の形態26に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態25において、弁室兼冷媒分流室25の形状を変更したものである。すなわち、この実施の形態においては、弁室兼冷媒分流室25は、第1絞り部30の軸心を中心として径方向(図面における横方向)の寸法が第1絞り部30の軸心方向(図面における縦方向)の寸法より大きくなる形状に形成され、つまり、図面で見るように膨張弁の中心軸に対し横に広がった形状に形成されている。
実施の形態26は、以上のように構成されているので、第1絞り部30から噴出される冷媒流が直接的に分流管32に流入し難くなり、前述の実施の形態25の場合と同様の迂回効果を奏することができ、弁室兼冷媒分流室25における分流特性が良好となる。
(実施の形態27)
次に、実施の形態27について図28に基づき説明する。図28は、実施の形態27に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態26における分流管取付孔31及び分流管32の取付を変更したものである。すなわち、この実施の形態においては、分流管取付孔31は、第1絞り部30に対向する壁体である弁室兼冷媒分流室25の上壁に設けられ、この分流管取付孔31に取り付けられる分流管32は、この分流管取付孔31を貫通して固定されるとともに、弁室兼冷媒分流室25の第1絞り部30側の壁体に近い位置において開放するように構成されている。
実施の形態27は、以上のように構成されているので、第1絞り部30から噴出された冷媒流は、図示破線のように、反転迂回して、上方の分流管32の入口に流入する。したがって、実施の形態26の場合と同様の迂回効果を発揮することができるとともに、分流管32を膨張弁の軸心方向に揃えて配置することができる。
(実施の形態28)
次に、実施の形態28について図29に基づき説明する。図29は、実施の形態28に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態26の弁室兼冷媒分流室25における第1絞り部30に対向する壁体を変更したものである。この実施の形態における第1絞り部30に対向する壁体は、中央部が駆動部103と弁室兼冷媒分流室25とを仕切る隔壁104により形成され、その周辺部は弁室兼冷媒分流室25の上壁で形成されている。そこで、この実施の形態においては、これら壁体の内壁面が第1絞り部30から噴出された衝突流を円滑に周辺に広げて反転させるように作用するガイド部に構成されている。具体的には、ガイド部として、隔壁104に円錐状の突出部105を形成するとともに、この突出部105の周辺から側壁にかけての壁面を滑らかな曲面部106に形成している。
実施の形態28は、このように構成されているので、第1絞り部30からの噴流が方向転換する際の乱れを抑制することができる。したがって、液管24から気液二相流が入ってきた場合において、このガイド部が冷媒流の流れ方向変更作用を助長して冷媒流の噴出エネルギを低減するとともに、冷媒流中の気泡の細分化を行い、冷媒流動音を低減することができる。
(実施の形態29)
次に、実施の形態29について図30に基づき説明する。図30は、実施の形態29に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態2において、第1絞り部30と分流管取付孔31との間に、冷媒を蛇行状に流通させる蛇行流生成部107を形成したものである。蛇行流生成部107は、弁棒27に大径部108を形成することにより、第1絞り部30と分流管取付孔31との間の冷媒通路を蛇行状に形成したものである。
実施の形態29は、このように構成されているので、実施の形態2の場合と同様に、弁室を冷媒分流室に兼用できるのでコンパクトな冷媒分流器一体化構造の膨張弁とすることができるとともに、実施の形態2の場合と同様の効果を奏することができる。また、この実施の形態の場合は、蛇行流生成部107により第1絞り部30からの噴流を蛇行させて直接的に分流管32に流入しないようにしているので、冷媒分流特性を向上させるとともに、冷媒音を低減することができる。
(実施の形態30)
次に、実施の形態30について図31に基づき説明する。図31は、実施の形態30に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)はB−B断面図であり、(c)及び(d)はその変形例に係るB−B断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態29における蛇行流生成部107を改良したものである。すなわち、この実施の形態に係る膨張弁では、蛇行流生成部107は、弁棒27に大径部108を形成するとともに、大径部108の弁棒27の分流管取付孔31側の弁室兼冷媒分流室25の外周壁から内周向きの鍔109が形成されたものである。この鍔の内周縁は、通常は滑らかな内周縁を描くものとしているが、(c)、(d)にその変形例を示すように、凹凸に形成するなどして冷媒流に乱れを与えるようにしてもよい。因みに、(c)は鋸歯状に形成したものであり、(d)は凹凸段差状に形成したものである。
このように鍔を形成することにより、大径部108の横から分流管取付孔31に通り抜けようとする冷媒流をもう一度内向きに偏向させるようにしたものである。これにより、実施の形態29の場合よりも蛇行により冷媒流のエネルギを消費させて、分流効果の向上と冷媒音低減の効果を発揮させることができる。また、この鍔の内周縁を、(c)や(d)などに示すように凹凸に形成すると、大径部108の横から分流管取付孔31に通り抜けようとする冷媒流をより一層乱れさせて、気泡をより細かく砕くことにより、分流効果と冷媒音低減効果とをより一層発揮させることができる。なお、鍔109の内周端の形状は、(c)や(d)に図示のようなものではなく、他の構成としてもよい。
(実施の形態31)
次に、実施の形態31について図32に基づき説明する。図32は、実施の形態31に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は底面図である。これら図に示すように、同膨張弁は、実施の形態1における冷媒分流室6の形状及び分流管取付孔11の取付位置を変更したものである。すなわち、この実施の形態においては、冷媒分流室6は、第1絞り部10の軸心を中心とした径方向の寸法が第1絞り部10の軸心方向の寸法より大きく、かつ、扇形の形状に形成されている。そして、分流管取付孔11が第1絞り部10に対向する壁体における扇形の円弧状の周縁に略等間隔に設けられ、分流管12がこの分流管取付孔11を介して冷媒分流室6に開口している。
実施の形態31は、このように構成されているので、第1絞り部10から噴出される冷媒流が直接的に分流管12に流入し難くなり、前述同様の迂回効果を奏することができる。
(実施の形態32)
次に、実施の形態32について図33に基づき説明する。図33は、実施の形態32に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は、冷媒分流室の水平断面、すなわち(a)におけるC−C断面図である。これら図に示すように、同膨張弁は、実施の形態31において、分流管取付孔11の位置を変更したものである。すなわち、本実施の形態においては、分流管取付孔11は冷媒分流室6の側壁に設けられている。したがって、分流管12が冷媒分流室6の側壁に対し径方向に接続され、この分流管取付孔11を介して、側壁から冷媒分流室6内に開口するように構成されている。このように構成された実施の形態32は、実施の形態31と略同様の作用効果を生じる。
(実施の形態33)
次に、実施の形態33について図34に基づき説明する。図34は、実施の形態33に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態31における冷媒分流室6の第1絞り部10に対向する壁体を変更したものである。すなわち、この実施の形態において、第1絞り部10に対向する壁体は、第1絞り部10から噴出された冷媒流を、この冷媒分流室6の側壁の近くに形成されている分流管取付孔11の方向にガイドするガイド部に形成されている。ガイド部の具体的な構成は、第1絞り部10に対向する壁体の壁面形状を冷媒流が描く流線に沿うような形状にしたことである。
実施の形態33は、このように構成されているので、第1絞り部10からの噴流が方向転換する際の乱れを抑制する。したがって、入口ポート2から気液二相流が入ってきた場合において、このガイド部が冷媒流の流れ方向変更作用を助長して冷媒流の噴出エネルギを低減するとともに、冷媒流中の気泡の細分化を行い、冷媒流動音を低減することができる。
(実施の形態34)
次に、実施の形態34について図35に基づき説明する。図35は、実施の形態34に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は底面図である。これら図に示すように、同膨張弁は、実施の形態26における弁室兼冷媒分流室25の形状及び分流管取付孔11の取付位置を変更したものである。すなわち、この実施の形態においては、弁室兼冷媒分流室25は、第1絞り部30の軸心を中心とした径方向の寸法が第1絞り部30の軸心方向の寸法より大きく、かつ、扇形の形状に形成されている。そして、分流管取付孔31が第1絞り部30に対向する壁体における扇形の円弧状の周縁に略等間隔に設けられ、分流管32がこの分流管取付孔31を介して弁室兼冷媒分流室25に開口している。
実施の形態34は、このように構成されているので、第1絞り部30から噴出される冷媒流が直接的に分流管32に流入し難くなり、前述同様の迂回効果を奏することができる。
(実施の形態35)
次に、実施の形態35について図36に基づき説明する。図36は、実施の形態35に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態11における円盤状の多孔質透過材層59を円筒状の多孔質透過材層63に変更したものである。また、この多孔質透過材層63の素材は、先の実施の形態11と同一のものであって、発泡金属、セラミック、発泡性樹脂、メッシュ状のもの、多孔板などが用いられている。したがって、この実施の形態に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、基本的には実施の形態11と同一に作用し、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減するとともに、冷媒分流室6の分流特性を向上することができる。また、多孔質透過材層63を設けることにより、逆方向の流れの場合の第1絞り部10のごみ詰まりを低減することができる。
(実施の形態36)
次に、実施の形態36について図37に基づき説明する。図37は、実施の形態36に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態35における円盤状の多孔質透過材層63をカップ状のメッシュ系材料からなる透過材層64に変更したものである。この実施の形態も基本的には実施の形態11や実施の形態35と同一に作用し、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減するとともに、冷媒分流室6の分流特性を向上することができる。また、メッシュ系材料からなる透過材層64を設けることにより、逆方向の流れの場合の第1絞り部10のごみ詰まりを低減することができる。
(実施の形態37)
次に、実施の形態37について図38に基づき説明する。図38は、実施の形態37に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態26における弁室兼冷媒分流室25内に、すなわち、第1絞り部30の下流側に多孔質透過材層97を形成したものである。以下実施の形態26との相違点について説明する。
実施の形態37に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図38に示すように、実施の形態2の場合と同様に第1絞り部30の下流側に弁室兼冷媒分流室25が形成されたものであって、弁室兼冷媒分流室25内に弁棒27と同心に円筒状の多孔質透過材層97が形成されている。この多孔質透過材層97の素材は、先の実施の形態11と同一のものであって、発泡金属、セラミック、発泡性樹脂、メッシュ状のもの、多孔板などが用いられている。
実施の形態37に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されているので、第1絞り部30から噴出される冷媒流は、第1絞り部30に対向する壁体に衝突して方向を反転させながら分流管32に向かう途中において、多孔質透過材層97を通過する。これにより、第1絞り部30通過後の冷媒流は、多孔質透過材層97を通過する際に噴出エネルギが消耗されるとともに、気泡が細分化されて液冷媒と気泡とが混ざり合わされる。したがって、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。また、各分流管取付孔31に対する冷媒の流動状態が均一化され、弁室兼冷媒分流室25の分流特性が向上する。また、多孔質透過材層97を設けることにより、逆方向の流れの場合の第1絞り部30のごみ詰まりを低減することができる。
(実施の形態38)
次に、実施の形態38について図39に基づき説明する。図39は、実施の形態38に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この図に示すように、同膨張弁は、実施の形態18と同様に、弁本体21の内部を第1仕切壁83により上下に仕切り、上室(第1絞り部の下流側)を弁室兼冷媒分流室25とし、下室(第1絞り部の上流側)を空間部91としている。そして、この空間部に、つまり、第1絞り部の上流側に、実施の形態18では気泡細分化手段として冷媒流を旋回させる棒状部材92が設けられていたが、この実施の形態においては気泡細分化手段として円筒状の多孔質透過材層98が設けられている。この多孔質透過材層98の素材は、先の実施の形態11と同一のものであって、発泡金属、セラミック、発泡性樹脂、メッシュ状のもの、多孔板などが用いられている。
実施の形態38の冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、上記のように構成されているので、入口ポート23から冷媒流がスラグ流あるいはプラグ流となって入ってきた場合、この冷媒流が多孔質透過材層98を通過することにより、第1絞り部30へ流れる冷媒流中の気泡が多孔質透過材層98において細分化される。したがって、実施の形態18の場合と同様に、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減することができる。また、多孔質透過材層98は、通過する冷媒中のごみを除去することができるので、フィルターを兼用することができる。
(実施の形態39)
次に、実施の形態39について図40に基づき説明する。図40は、実施の形態39に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は(a)におけるD−D断面図である。この実施の形態に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、これまでに記載のように弁体を弁口に対して進退させることにより絞り量を変化させるようにしたものではない。また、この実施の形態は、全く異なる基本構成を備えた膨張弁においても、他の実施の形態に示した膨張弁の場合と同様に冷媒分流性能を向上できることを示したものである。
すなわち、この実施の形態に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、ロータリ型膨張弁を基本形態とする。図40において、中心軸を縦方向にした円筒状ケーシング111はロータリ型弁体112を収納する弁室113を形成する。弁室113に収納されるロータリ型弁体112は、円筒状ケーシング111と同心に配置され、円筒状ケーシング111の上部に配置される不図示の駆動装置により、円筒状ケーシング111の内周面に密接しながら回転する。図示円弧状矢印は回転方向を示す。また、このロータリ型弁体112の表面には、所定の回転角部分を軸方向に縦断する溝状弁通路114が形成されている。また、円筒状ケーシング111には、液管115を接続する連通孔116と、管状の冷媒分流室117を接続する連通孔118とが、同一角度位置に形成されている。この連通孔116,118は、これまでに説明してきた膨張弁における弁孔に対応する。また、連通孔116,118と溝状弁通路114との重なり角度Θを変化させることにより冷媒の絞り度合いを調節する。したがって、この連通孔116及び118と溝状弁通路114との重なり機構が、この発明における第2絞り部及び第1絞り部に該当する。
冷媒分流室117は、円筒状ケーシング111の下方部から水平に、つまり、円筒状ケーシング111の中心軸と直行する方向に接続された管状物であり、所定の長さを備えている。そして、その先端部における外周壁に複数(この場合は4個)の分流管取付孔119が等間隔に取り付けられ、この分流管取付孔119に分流管120が接続されている。
実施の形態39に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されている。このように構成された膨張弁において、液管115から入ってくる液冷媒は、連通孔116と溝状弁通路114との重なり角度Θ、及び連通孔118と溝状弁通路114との重なり角度Θが調整され減圧される。そして、これら絞り部で減圧された冷媒は、低圧の気液二相流であって、噴霧状態で連通孔118から冷媒分流室117内に噴出される。また、分流管取付孔119が連通孔118から所定距離離れた位置に配置されているため、連通孔118から噴出された冷媒流が直接的に分流管120の入り口に到達しないように配慮されている。このため、冷媒分流室117においては、重力の影響を受けることなく、また、直接噴霧の影響を受けることなく、各分流管120に均等に分流される。
また、液管115から入ってくる液冷媒が、大きな気泡が存在するスラグ流あるいはプラグ流となり、気液二相流冷媒となって入ってくる場合には、液冷媒とガス冷媒(気泡)とが交互に流れる不連続状態となり、膨張弁における冷媒流に速度変動及び圧力変動が生じやすく、不連続な冷媒流動音が発生しやすい状況である。しかしながら、本実施の形態の場合は、連通孔116及び118と溝状弁通路114との重なり機構により構成される絞り部の下流側に冷媒流路を拡大する冷媒分流室117が形成されているため、冷媒分流室117内において絞り部通過後の冷媒流の噴出エネルギが拡散される。この結果、冷媒分流室117から分流管120へ流出する冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が抑制される。
(実施の形態40)
次に、実施の形態40について図41に基づき説明する。図41は、実施の形態40に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は(a)におけるE−E断面図である。これら図に示すように、同膨張弁は、実施の形態39における冷媒分流室117の形状及び分流管取付孔119の取付位置を変更したものである。すなわち、この実施の形態においては、冷媒分流室117は、連通孔118を中心として水平方向に扇型に拡がる形をなすように形成されたものである。そして、分流管取付孔119が扇形の円弧状の周縁における下方の壁体における周辺部に略等間隔に設けられ、分流管120がこの分流管取付孔119を介して冷媒分流室117に開口している。
実施の形態40は、このように構成されているので、実施の形態39と同様の効果を奏することができる。また、分流管120を同一方向に引き出すように接続することができる。
(実施の形態41)
次に、実施の形態41について図42に基づき説明する。図42は、実施の形態41に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。この実施の形態に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、基本的には実施の形態1のものと同一であるが、冷媒分流室を大きくし、冷媒分流室内に弁室を形成するようにしたものである。
すなわち、この実施の形態に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、図42に示すように、弁室121を形成する円筒状の第1容器122と冷媒分流室123を形成する円筒状の第2容器124とが二重ケーシングに構成されている。そして、第1容器122は、実施の形態1における弁室の構成と略同一であって、第1容器122の側面には入口ポート125が形成され、この入口ポート125に液管が126接続されている。液管126は、第2容器124の外周壁を貫通して接続されている。また、弁室121内には、先端に第1弁体(ニードル弁)127が形成された弁棒128が収納され、第1容器122の底壁には、第1弁孔129が形成され、上方の駆動部122aに収納されている不図示の駆動装置により、第1弁体127が第1弁孔129に対し進退自在に移動するように構成されている。この第1弁体127と第1弁孔129とは、本発明における第1絞り部130を構成する。
冷媒分流室123は、第1容器122全体を収納するものであり、第1弁孔129を介して弁室121に連通されている。そして、第1絞り部130から噴出された冷媒流は冷媒分流室123の底壁に吹き付けられて、流通方向を上方に転換して分流管132に入るように、分流管取付孔131が冷媒分流室123の上方に形成され、この分流管取付孔131に分流管132が取り付けられている。
実施の形態42に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁は、以上のように構成されている。このように構成された膨張弁において、液管126から入ってくる液冷媒は、第1絞り部130で減圧される。そして、第1絞り部130で減圧された冷媒は、低圧の気液二相流であって、噴霧状態で第1絞り部130から冷媒分流室123内に噴出される。また、第1絞り部130からから噴出された冷媒流が直接的に分流管132の入り口に到達しないように、分流管取付孔131が上方に配置されているため、冷媒分流室123においては、重力の影響を受けることなく、また、直接噴霧の影響を受けることなく、各分流管132に均等に分流される。
また、液管126から入ってくる液冷媒が、大きな気泡が存在するスラグ流あるいはプラグ流となり、気液二相流冷媒となって入ってくる場合には、液冷媒とガス冷媒(気泡)とが交互に流れる不連続状態となり、膨張弁における冷媒流に速度変動及び圧力変動が生じやすく、不連続な冷媒流動音が発生しやすい状況である。しかしながら、本実施の形態の場合は、第1絞り部130の下流側に冷媒流路を拡大する冷媒分流室123が形成されているため、冷媒分流室123内において絞り部通過後の冷媒流の噴出エネルギが拡散される。この結果、冷媒分流室123から分流管132へ流出する冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が抑制される。
(変形例)
(1)実施の形態3の第2絞り部35において、第2弁体39及び第2弁孔38をテーパ状にしているが、これを弁棒8の中心線に平行な外周面を備えた弁体、あるいは弁棒8の中心線に平行な内周面を備えた弁孔にしてもよい。また、この第2弁体39に設けられている螺旋溝を複数条の螺旋溝で形成し、複数の絞り通路となるようにしてもよい。また、螺旋溝に代えて実施の形態16に示したような上下方向に直線状に延びる複数条の凹溝で形成してもよい。また、このような溝を第2弁体39の外周面ではなく第2弁孔38の内周面に形成してもよい。また、これらの溝を第2弁体39あるいは第2弁孔38の何れにも形成しない絞り部としてもよい。さらには、これら溝の段面形状を半円形、3角形、4角形など種々の形状にすることも可能である。
(2)上記の(1)では、実施の形態3における第2絞り部35につて述べたが、実施の形態7における第3絞り部45において、(1)と同様に変更することが可能である。同様に、実施の形態12における第2絞り部35及び第3絞り部45、実施の形態13における第2絞り部35、実施の形態14における第3絞り部65、実施の形態16における第3絞り部75、並びに、実施の形態17における第2絞り部82においても、(1)と同様に変更することが可能である。
(3)実施の形態4において、冷媒流を旋回させる部材を構成する拡径部42及び螺旋溝42aを、図4のような構造物に限らず他の形状、表面構造などを持ったものに変更してもよい。例えば、テーパ状でなく円柱状にしてもよく、螺旋溝42aの段面形状も半円形、3角形、4角形など種々の形状にすることが可能である。
(4)上記(3)では実施の形態4に係る冷媒流を旋回させる部材について述べたが、冷媒流に旋回力を付与する点において同一である実施の形態8における棒状部材51についても上記(3)と同様に変更することが可能である。同様に、実施の形態9における円筒部55、実施の形態10における円筒部61、実施の形態13における棒状部材51、実施の形態15における螺旋溝72aを形成した棒状部材72、及び実施の形態18における棒状部材92についても、上記(3)と同様に変更することが可能である。
(5)実施の形態3において、第1絞り部10と第2絞り部35とによる2段絞り部を形成しているが、この場合において、各絞り部間の冷媒流通抵抗比については格別の制約はない。この点については、実施の形態7、実施の形態12(この場合は3段)、実施の形態13、実施の形態14、実施の形態16及び実施の形態17における多段の絞りについても同様である。
(6)実施の形態3、実施の形態7、実施の形態12、実施の形態13、実施の形態14及び実施の形態17において、第1絞り部10の上流側又は下流側に設けられている拡大空間部36,46,66,81を省略してもよい。
(7)実施の形態9において、冷媒分流室6における第1絞り部10に対向する壁体に、実施の形態10のガイド部62と同様のものを設けてもよい。このようにすれば、冷媒流の冷媒分流室下面における方向転換が助長され、不連続な冷媒流動音が低減されるとともに、冷媒分流室6における分流特性が向上する。
(8)実施の形態19〜24、35及び36において、実施の形態3のように、気泡細分化手段として第2絞り部35と拡大空間部36とを設け、気泡細分化効果を向上させることにより第1絞り部10への冷媒流れを連続化し、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減するようにしてもよい。また、この場合において、前記変形例(1)に記載したのと同様に、テーパ状に形成されている第2弁体39及び第2弁孔38をテーパ状でない中心線に平行な面からなる弁体及び弁孔に変更することもできる。また、第2弁体39に設けられている螺旋溝を複数条の螺旋溝にすることもできる。さらには、螺旋溝に代えて実施の形態13に示したような上下方向に直線状に延びる複数条の凹溝にすることもできる。
(9)また、実施の形態19〜24、35及び36において、実施の形態4の場合と同様に、気泡細分化手段として乱れ生起部を設けるようにしてもよい。より具体的には、弁棒8の中間位置に拡径部42を形成し、この拡径部42に螺旋溝42aを形成し、これにより拡径部42の周囲を通過する冷媒流を旋回させるものである。これにより、冷媒中の気泡を細分化して不連続な冷媒流動音を連続化するものである。
(10)また、実施の形態19〜24、35及び36において、実施の形態5又は6と同様に、弁室5内に気泡細分化手段としての円筒状の多孔質透過材層43又はドーナツ型の多孔質透過材層44を設け、第1絞り部10に流通する冷媒中の気泡を細分化するともに、塵埃を除去するようにしてもよい。
本発明の実施の形態1に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態2に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態6に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態7に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態8に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態9に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態10に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態11に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態12に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態13に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態14に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態15に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態16に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 図16におけるA−A断面図である。 本発明の実施の形態17に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態18に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態19に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態20に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態21に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態22に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態23に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態24に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態25に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態26に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態27に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態28に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態29に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態30に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は(a)のB−B断面図であり、(c)及び(d)は(b)に代わる他のB−B断面図の例である。 本発明の実施の形態31に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は底面図である。 本発明の実施の形態32に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は(a)におけるC−C断面図である。 本発明の実施の形態30に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態34に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は底面図である。 本発明の実施の形態35に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態36に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態37に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態38に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態39に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は(a)におけるD−D断面図である。 本発明の実施の形態40に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁に関し、(a)は要部縦断面図であり、(b)は(a)におけるE−E断面図である。 本発明の実施の形態41に係る冷媒分流器一体化構造の膨張弁の要部縦断面図である。 従来の冷凍装置における一般的な冷媒回路図である。
符号の説明
5,113,121…弁室、6、117,123…冷媒分流室、7,26,129…第1弁孔、9,28,127…第1弁体、10,30,130…第1絞り部、11,31,119,131…分流管取付孔、12,32,120,132…分流管、35,82…第2絞り部、36,46,66,81…拡大空間部、42a,51a,55a,61a,72a,92a…螺旋溝、43,44,59,63,97.98…多孔質透過材層、45,65,75…第3絞り部、51,72,92…棒状部材、55,61…円筒部、62…ガイド部、107…蛇行流生成部。

Claims (31)

  1. 第1弁体と第1弁孔との間に形成された、絞り作用を行う第1絞り部と、第1絞り部通過後の冷媒を分流管に分流するための冷媒分流室と、冷媒分流室に形成された分流管を接続するための分流管取付孔とを備えていることを特徴とする冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  2. 前記第1絞り部は、冷凍負荷に対応して開度可変に構成されていることを特徴とする請求項1記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  3. 第1弁体を収納する弁室を有するとともに、この弁室が前記第1絞り部の上流側に形成され、さらに、冷媒分流室が第1絞り部の下流側に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  4. 第1弁体を収納する弁室を有し、該弁室は前記冷媒分流室を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  5. 前記第1絞り部の上流側に冷媒中の気泡を細分化する気泡細分化手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  6. 前記気泡細分化手段は、第1絞り部上流側の冷媒を減圧する第2絞り部からなることを特徴とする請求項5記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  7. 前記気泡細分化手段は、第1絞り部上流側の冷媒を減圧する第2絞り部と、この第2絞り部と第1絞り部との間に形成された拡大空間部とからなることを特徴とする請求項5記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  8. 前記第2絞り部は、複数の絞り通路からなることを特徴とする請求項6又は7記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  9. 前記気泡細分化手段は、第1絞り部上流側の冷媒流に乱れを生起する乱れ生起部からなることを特徴とする請求項5記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  10. 前記乱れ生起部は、第1絞り部上流側の冷媒流を旋回させる螺旋溝が形成された部材からなることを特徴とする請求項9記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  11. 前記気泡細分化手段は、第1絞り部の上流側に形成された多孔質透過材層からなることを特徴とする請求項5記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  12. 前記第1絞り部の下流側に第1絞り部通過後の冷媒を減圧する第3絞り部を備え、この第3絞り部の下流側に前記冷媒分流室が形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  13. 前記第1絞り部と前記第3絞り部と間に拡大空間部を備えていることを特徴とする請求項12記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  14. 前記第3絞り部は、複数の絞り通路からなることを特徴とする請求項12又は13記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  15. 前記第3絞り部は、螺旋状通路からなることを特徴とする請求項12又は13記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  16. 前記冷媒分流室内に、第1弁孔と同心に、外表面に螺旋溝を形成した棒状部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  17. 前記冷媒分流室内に、第1絞り部からこの第1絞り部に対向する壁面に向けて冷媒を案内する円筒部が設けられるとともに、該冷媒分流室の側壁における第1絞り部よりに前記分流管取付孔が設けられていることを特徴とする請求項3記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  18. 前記円筒部の外表面に螺旋溝が形成されていることを特徴とする請求項17記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  19. 前記円筒部の内表面に螺旋溝が形成されていることを特徴とする請求項17記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  20. 前記冷媒分流室の第1絞り部に対向する壁体における前記円筒部に対向する内表面に、前記円筒部から吹き付けられる噴流を反転させて方向変更させるガイド部が形成されていることを特徴とする請求項18又は19記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  21. 前記冷媒分流室内における第1弁孔と分流管取付孔との間に、多孔質透過材層が形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  22. 前記分流管取付孔は、第1絞り部に対向する壁体に対し、第1絞り部の軸心を中心とする等円周上に、略等間隔に形成されるとともに、この分流管取付孔に取り付けられる分流管は、この壁体の壁面に対し略直角に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  23. 前記分流管取付孔は、冷媒分流室の側壁における第1絞り部よりに形成され、
    さらに、前記第1絞り部から噴出された冷媒流は、第1絞り部に対向する壁体に衝突して反転されて分流管取付孔から分流管に流入するように形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  24. 前記第1弁体を収納する弁室を有するとともに、この弁室が第1絞り部の下流側に形成され、さらに、この弁室内における第1絞り部よりの側壁に分流管取付孔が形成され、この分流管取付孔を介して分流管が開口されて、弁室が冷媒分流室に兼用されていることを特徴とする請求項1又は2記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  25. 前記冷媒分流室は、第1絞り部の軸心を中心とした径方向の寸法が第1絞り部の軸心方向の寸法より大きくなる形状に形成され、
    前記分流管取付孔に取り付けられる分流管は、この冷媒分流室の径方向周縁に略等間隔に開口するように形成されている
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4,23又は24記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  26. 前記分流管取付孔は、冷媒分流室の第1絞り部側の壁体に設けられ、分流管がこの分流管取付孔を介して冷媒分流室に開口されていることを特徴とする請求項25記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  27. 前記分流管取付孔は、第1絞り部に対向する壁体に設けられ、この分流管取付孔に取り付けられる分流管は、この分流管取付孔を貫通して固定されるとともに、前記冷媒分流室内における冷媒分流室の第1絞り部側の壁体に近い位置において開口するように構成されていることを特徴とする請求項26記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  28. 前記冷媒分流室は、第1絞り部の軸心に垂直な平面形状が、第1絞り部を軸とする扇形を形成していることを特徴とする請求項26又は27に記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  29. 前記第1絞り部に対向する壁体は、内壁面が衝突流を円滑に周辺に広げて反転させるように作用するガイド部に構成されていることを特徴とする請求項23〜28の何れか1項に記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  30. 第1弁体を収納する弁室を有するとともに、この弁室が第1絞り部の下流側に形成され、さらに、この弁室内における第1絞り部から離れた部分が冷媒分流室に兼用され、
    この冷媒分流室と第1絞り部との間に冷媒を蛇行状に流通させる蛇行流生成部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁。
  31. 請求項1〜30の何れか1項に記載の冷媒分流器一体化構造の膨張弁を用いたことを特徴とする冷凍装置。
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