JP2005351605A - 膨張弁及び冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 信頼性を損ねることなく、気液二相冷媒流入時に膨張弁出口側で発生する不連続な冷媒通過音を低減した膨張弁を提供すること。また、このような膨張弁を用いることにより膨張弁出口側の冷媒通過音を低減した冷凍装置を提供すること。
【解決手段】 弁本体1と、弁本体1内部に形成された冷媒流通路2と、弁本体1内に収納された弁体3と、冷媒流通路2に形成された主絞り部4と、冷媒流通路2における主絞り部4の下流側に形成された補助絞り部5とを有する構造とする。また、主絞り部4を全閉可能に形成し、補助絞り部5を、全閉不能であって、主絞り部4に比し冷媒流通抵抗が小さくなるように形成する。なお、補助絞り部5は、補助絞り部用弁孔9と弁体3との間に複数の略独立の通路16を形成し、これを絞り通路としたものが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、膨張弁及び冷凍装置に関し、より詳細には、空気調和装置等の冷凍装置に用いられる膨張弁の冷媒通過音を低下させる技術に関する。
図14は、従来の冷凍装置の基本的な冷媒回路として、冷房専用のセパレート型空気調和機の基本的な冷媒回路を示したものである。図14に示すように、従来の冷房専用セパレート型空気調和機の冷媒回路は、圧縮機101、室外コイル102、膨張弁103、室内コイル104が順次接続された循環回路に形成されている。また、圧縮機101及び室外コイル102は室外ユニット105に収納され、膨張弁103及び室内コイル104は室内ユニット106に収納されている。膨張弁103には、例えば図15に示すような電動膨張弁が用いられている。
この電動膨張弁は、弁本体111内に冷媒流通路112が形成され、この冷媒流通路112を流れ方向に仕切る仕切壁113を備えている。また、弁本体111内には弁体114が収納されるとともに、仕切壁113には弁孔115が形成されている。そして、この弁体114をパルスモータ(図示せず)により駆動して、弁体114の先端に形成された先細のテーパ部116を弁孔115に対し進退させることにより、弁本体111内に弁孔115の開度を調整する絞り部118が形成されている。
ここで、上記冷房専用セパレート型空気調和機における冷房運転サイクルを図14に従って説明する。なお、この図14における実線矢印は、冷房運転サイクル時の冷媒の流れ方向を示す。
圧縮機101で圧縮された高圧ガス冷媒は、室外コイル102に搬送され、外気と熱交換して凝縮液化する。この高圧液冷媒は、液管107を介して膨張弁103に搬送され、膨張弁103の入口ポート111aから弁本体111内に吸入される。弁本体111内に吸入された冷媒は、絞り部118で減圧され、低圧の霧状冷媒となって噴出され、出口ポート111bを介して室内コイル104に送られる。そして、室内コイル104に送られた霧状の冷媒が、室内空気と熱交換して蒸発気化し、低圧ガス冷媒となって圧縮機101に帰還する。
以上のように作用する冷房専用セパレート型空気調和機の冷房運転サイクルにおいては、一般的に、据付条件や運転条件の変化などにより、室外コイル102から膨張弁103までの液管107内で気泡が発生することがある。また、この気泡が大きく成長すると、冷媒流れの中に大きな気泡が断続的に存在するスラグ流やプラグ流となる。このようなスラグ流やプラグ流が発生すると、絞り部118を液冷媒とガス冷媒とが交互に通過することになる。このため、絞り部118を通過する冷媒量は、気泡が流れるときと液冷媒が流れるときで変動する。この結果、絞り部118から冷媒配管系へ流出する霧状冷媒の噴出速度が変動し、冷媒配管内に圧力変動が発生して、膨張弁103出口側で不連続な「シャー、シャー」という音が発生するという問題があった。
次に、図16は、従来のヒートポンプ式冷凍装置の基本的な冷媒回路として、ヒートポンプ式セパレート型空気調和機の基本的な冷媒回路を示したものである。
この図16に示すように、従来のヒートポンプ式セパレート型空気調和機は、圧縮機201の出入口に対し四路切換弁202が接続され、この四路切換弁202の切換ポート間に室外コイル203、膨張弁204、室内コイル205が順次接続されて循環回路に形成されている。また、圧縮機201、四路切換弁202及び室外コイル203は室外ユニット205に収納され、膨張弁204及び室内コイル205は室内ユニット207に収納されている。また、膨張弁204には、例えば上述のものと同様の電動膨張弁が用いられている。
ここで、上記ヒートポンプ式セパレート型空気調和機における冷房運転サイクルを説明する。なお、この図16における実線矢印は、冷房運転サイクル時の冷媒の流れ方向を示す。
冷房運転時は、四路切換弁202が冷房運転サイクル位置に切り換えられている。この場合において、圧縮機201で圧縮された高圧ガス冷媒は、四路切換弁202を介して室外コイル203に搬送され、室外コイル203で凝縮液化される。この高圧液冷媒は、冷房運転時の液管208を介して膨張弁204に搬送され、膨張弁204の入口ポート111aから弁本体111内に吸入される。弁本体111内に吸入された冷媒は、絞り部118で減圧されて低圧の霧状冷媒となって噴出され、出口ポート111bを介して室内コイル205に送られる。室内コイル205に送られた霧状の冷媒は、室内空気と熱交換して蒸発気化する。そして、蒸発気化した冷媒が圧縮機201に帰還するように構成されている。
以上のように作用するヒートポンプ式セパレート型空気調和機の冷房運転サイクルにおいては、前述の冷房専用セパレート型空気調和機における冷房運転サイクル時と同様に、室外コイル203から膨張弁204までの冷房運転時の液管208内で気泡が発生し、スラグ流やプラグ流が発生することがある。また、このようにしてスラグ流やプラグ流が発生すると、前述と同様の作用により膨張弁204出口側において、不連続な「シャー、シャー」音が発生するという問題があった。
次に、上記ヒートポンプ式セパレート型空気調和機における暖房運転サイクルを説明する。なお、この図16における破線矢印は、暖房運転サイクル時の冷媒の流れ方向を示す。
暖房運転時は、四路切換弁202が暖房運転サイクル位置に切り換えられている。この場合において、圧縮機201で圧縮された高圧ガス冷媒は、四路切換弁202を介して室内コイル205に搬送され、室内空気と熱交換して凝縮液化される。この高圧液冷媒は、暖房運転時の液管(冷房運転時の低圧ガス管)209を介して膨張弁204に搬送され、膨張弁204の入口ポート111b(冷房運転時の出口ポート111b)から弁本体111内に吸入される。弁本体111内に吸入された冷媒は、絞り部118で減圧されて低圧の霧状冷媒となって噴出され、出口ポート111a(冷房運転時の入口ポート111a)を介して室外コイル203に送られる。室外コイル203に送られた霧状の冷媒は、室外空気と熱交換して蒸発気化する。そして、蒸発気化した冷媒が四路切換弁202を介して圧縮機201に帰還するように構成されている。
以上のように作用するヒートポンプ式セパレート型空気調和機の冷房運転サイクルにおいては、前述の冷房専用セパレート型空気調和機における冷房運転サイクル時と同様に、室内コイル205から膨張弁204までの暖房運転時の液管209内で気泡が発生し、スラグ流やプラグ流が発生することがある。また、このようにしてスラグ流やプラグ流が発生すると、前述の作用により膨張弁出口側において、不連続な「シャー、シャー」音が発生するという問題があった。
以上の如く、空気調和機等の冷凍装置では、冷房専用機であれ、ヒートポンプ式の冷凍装置であれ、膨張弁出口側で不連続な[シャー、シャー」という冷媒通過音が発生するという問題があった。そこで、従来、このような問題点に対し、絞り部出口側に細い通路の集合体を設けて下流側での整流により冷媒流の脈動を低減しようとする方法(以下従来A方法という)が知られている。その具体例として、特許文献1の第1実施例のように絞り部出口側に多孔体を設けたもの、特許文献1の第2実施例のように絞り部出口側に多数の極細管を設けたもの、特許文献2の実施例5〜7のように絞り部出口側に細径管を束ねたハニカムパイプを設けたもの、特許文献2の実施例8〜10のように絞り部出口側にモレキュラシーブスを設けたものなどを掲げることができる。また、絞り部出口側の流路の形状を変化させることにより冷媒の流れを整流して冷媒流の脈動を低減しようとする方法(以下従来B方法という)が知られている。その具体例としては、特許文献1の第1〜第5実施例及び特許文献2の実施例1〜10のように弁孔を成すオリフィスの出口側内径を段階的にあるいはテーパ状に拡大させるもの、特許文献1の第4実施例のように弁孔を成すオリフィスの出口側内径をテーパ状に拡大させるとともにねじ切り溝を設けたものなどを掲げることができる。また、絞り部を2段階として2段階の絞り部間に中間圧力を発生させることにより、冷媒流動エネルギを分散させるという方法(以下従来C方法という)が知られている。その具体例としては特許文献3を掲げることができる。また、絞り部に複数の冷媒通路を設けることにより冷媒の脈動を連続化しようとした方法(以下従来D方法という)が知られている。その具体例としては特許文献4を掲げることができる。
特開平7−146032号公報 特開平11−325658号公報 特開平5−3223851号公報 特開平5−288286号公報
しかしながら、従来A方法は、冷媒の噴流を多数の細い通路を通過させることにより強制的に流速を低減するものであって、細い通路に不純物が堆積しやすく、ごみ詰まりが生じやすい。また、多孔質体や、ハニカムパイプや、極細管や、モレキュラシーブスは、機械強度が弱く変形しやすいという問題もある。このため、従来A方法は電動膨張弁の信頼性を維持することが困難であった。また、従来B方法は、絞り部出口側の流路形状を変化させるだけでは、絞り部からの霧状冷媒の噴出速度の変動を低減することが困難であり、「シャー、シャー」音の低減効果が少なかった。また、従来C方法は、2段階に形成された絞り部間の圧力を中間圧力としているため、後流側の絞り部による冷媒流通抵抗を大きく設定しなければならず、膨張弁出口側(この場合は後流側の絞り部出口側)の噴流速度が大きくなる。したがって、上流側の絞り部で気泡と液冷媒が交互に流れてきて圧力変動が生じた場合、膨張弁出口側の噴出速度が大きく変動するので、不連続な「シャー、シャー」音を顕著に低減することができなかった。また、この従来C方法では、全閉時に2段の各絞り部を同時に全閉状態とすることは製作技術上困難であるので、全閉近傍状態においては両絞り部間を中間圧力に維持することが困難であった。次に、従来D方法は、絞り部における全流路面積が大きくなり、冷媒流量制御における分解能が荒くなる。また、これを避けるために流路を微小にするとごみ詰まりあるいは噛み込みが生じるという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。本発明の目的は、信頼性を損ねることなく、気液二相冷媒流入時に膨張弁出口側で発生する不連続な冷媒通過音を低減した膨張弁を提供することにある。また、本発明は、このような膨張弁を用いることにより膨張弁からの冷媒通過音を低減した冷凍装置を提供することにある。
上記課題を解決する第1の課題解決手段に係る膨張弁は、弁本体と、弁本体内部に形成された冷媒流通路と、弁本体内に収納された弁体と、冷媒流通路に形成された主絞り部と、冷媒流通路における主絞り部の下流側に形成された補助絞り部とを有し、主絞り部は、全閉可能に形成され、補助絞り部は、全閉不能であって、主絞り部に比し冷媒流通抵抗が小さくなるように形成されていることを特徴とする。
また、上記第1の課題解決手段に係る膨張弁において、弁本体は、冷媒流通路における冷媒の流れを仕切る第1仕切壁と、冷媒流通路の第1仕切壁の下流側における冷媒の流れを仕切る第2仕切壁とを備え、さらに、第1仕切壁には主絞り部用弁孔が形成され、第2仕切壁には補助絞り部用弁孔が形成され、弁体は、円柱部と、この円柱部の一部に形成されたテーパ部とからなり、主絞り部は、主絞り部用弁孔に対し弁体のテーパ部を進退させることにより、主絞り部用弁孔とテーパ部との間に形成される全閉可能かつ開度可変の通路からなり、前記補助絞り部は、補助絞り部用弁孔と弁体の円柱部との間に形成された通路からなるように構成してもよい。
また、このような第1の課題解決手段に係る膨張弁において、主絞り部と補助絞り部とは、冷媒流通抵抗が同時に増減するように、それぞれ冷媒流通抵抗可変に構成されているものとしてもよい。
また、前述の補助絞り部を形成する通路は、複数の略独立の通路が略等間隔に形成されてなるものとしてもよい。
また、この場合において、この複数の略独立の通路は、補助絞り部用弁孔の内周面又は弁体の円柱面の外周面に複数の溝部を略等間隔に設けることにより形成されていることが好ましい。
また、前記複数の略独立の通路は、弁体の進退により長さが変化するように形成されていることが好ましい。
また、前記補助絞り部を形成する通路は、弁体の進退により冷媒通過面積が変化するように形成されているものとしてもよい。
また、上記課題を解決する第2の課題解決手段は、弁本体と、弁本体内部に形成された冷媒流通路と、弁本体内に収納された弁体と、冷媒流通路に形成された主絞り部と、冷媒流通路における主絞り部の上流側に形成された第1補助絞り部と、冷媒流通路における主絞り部の下流側に形成された第2補助絞り部とを有し、主絞り部は、全閉可能に形成され、第1及び第2補助絞り部は、全閉不能であって、主絞り部に比し冷媒流通抵抗が小さくなるように形成されていることを特徴とする。
また、この第2の課題解決手段において、弁本体は、冷媒流通路における冷媒の流れを仕切る第1仕切壁と、冷媒流通路の第1仕切壁の上流側における冷媒の流れを仕切る第2仕切壁と、冷媒流通路の第1仕切壁の下流側における冷媒の流れを仕切る第3仕切壁とを備え、さらに、第1仕切壁には主絞り部用弁孔が形成され、第2仕切壁には第1補助絞り部用弁孔が形成され、第3仕切壁には第2補助絞り部用弁孔が形成され、弁体は、大径円柱部と小径円柱部とこの大小円柱部間に形成されたテーパ部とを有し、これらが一体的に形成されてなり、主絞り部は、主絞り部用弁孔に対しテーパ部を進退させることにより、主絞り部用弁孔とテーパ部との間に形成される全閉可能かつ開度可変の通路からなり、第1及び第2補助絞り部は、第1及び第2補助絞り部用弁孔と弁体の円柱部との間に形成される通路からなる構成としてもよい。
また、上記第2の課題解決手段において、主絞り部と第1及び第2補助絞り部とは、冷媒流通抵抗が同時に増減するように、それぞれ冷媒流通抵抗可変に構成されていることが好ましい。
また、前述の第1又は第2補助絞り部を形成する通路は、複数の略独立の通路が略等間隔に形成されてなるようにしてもよい。
また、第1又は第2補助絞り部の複数の略独立の通路は、第1又は第2補助絞り部用弁孔の内周面又は弁体の円柱部の外周面に複数の溝部を略等間隔に設けることにより形成されてなるようにしてもよい。
また、前記第1又は第2補助絞り部の複数の略独立の通路は、弁体の進退により長さが変化するように形成してもよい。
また、前記第1又は第2補助絞り部を形成する通路は、弁体の進退により冷媒通過面積が変化するように形成されているものとしてもよい。
また、上記第2の課題解決手段において冷媒を可逆に流通させることが可能であって、一方の冷媒流通方向に対して冷房サイクルに適した特性に形成され、他方の冷媒流通方向に対して暖房サイクルに適した特性に形成されるように構成してもよい。
また、本発明の課題を解決する冷凍装置は、上記第1又は第2の課題解決手段に係る膨張弁を使用してなることを特徴とする。
第1の課題解決手段に係る本発明の膨張弁によれば、スラグ流あるいはプラグ流が流れてくる場合、主絞り部の下流側に補助絞り部を設けているので、主絞り部から噴出する冷媒流の運動エネルギが消耗され、この冷媒流の圧力変動が低減される。また、補助絞り部における冷媒流通抵抗が小さく設定されているので、補助絞り部から配管系へ流出する冷媒の噴出速度が小さくなる。この結果、膨張弁出口側の冷媒噴流の有する運動エネルギ及び圧力変動が小さくなり、膨張弁出口側における冷媒通過音が低減される。また、従来A方法のように主絞り部から噴出する冷媒流の速度を低下させて細い通路に流すようなことがないので、ごみ詰まりの問題が発生しない。また、補助絞り部の冷媒流通抵抗を小さくしているので、主絞り部による冷媒量制御幅への影響を少なくすることができる。また、主絞り部を全閉可能としているので、全閉に至るまで必要な絞り量を確保することができる。
また、第1の課題解決手段に係る本発明の膨張弁において、弁本体内の冷媒流通路を第1及び第2仕切壁で仕切り、第1及び第2仕切壁に設けた主絞り部用弁孔及び補助絞り部用弁孔に対し一つの弁体を駆動させることにより、主絞り部用弁孔とテーパ部との間に全閉かつ開度可変の主絞り部を形成するとともに、補助絞り部用弁孔と弁体の円柱部との間に補助絞り部を形成すると、簡素化された構成で2段階の絞り部を備えた膨張弁を形成することができる。
また、主絞り部と補助絞り部とは、冷媒流通抵抗が同時に増減するように、それぞれ冷媒流通抵抗可変に構成した場合は、膨張弁の負荷の変動に対応して主絞り部と補助絞り部との冷媒流通抵抗の比を適正範囲に保持することができるので、幅広い運転条件の下で、安定的に膨張弁出口側の冷媒通過音を低減することができる。
また、補助絞り部を形成する通路を、略等間隔に形成された複数の略独立の通路に形成すれば、主絞り部からの冷媒噴流が分散されることにより補助絞り部を通過する冷媒流の運動エネルギの分散が行われ、冷媒通過音をさらに低減することができる。
また、この略独立の通路を、補助絞り部用弁孔の内周面又は弁体の外周面に複数の溝部を略等間隔に設けることにより形成すると、製作が容易になる。
また、この複数の略独立の通路は、弁体の進退により長さが変化するように形成すると、主絞り部の冷媒流通抵抗の増減に対応して補助絞り部の冷媒流通抵抗を容易に増減することができる。
また、前記補助絞り部を形成する通路は、弁体の進退により冷媒通過面積が変化するように形成することもできる。この場合は、補助絞り部を形成する通路の冷媒通過面積を、複数の略独立の通路全体又はそれぞれの断面積を変化させることにより、弁体の進退に対応する主絞り部の冷媒流通抵抗の変化に対し補助絞り部の冷媒流通抵抗を自由に設定することができる。
また、第2の課題解決手段に係る本発明の膨張弁によれば、主絞り部の下流側に第1補助絞り部を設けているので、主絞り部から噴出する冷媒流の運動エネルギが消耗され、主絞り部に対し気泡と液が交互に流れてくることによる圧力変動が低減される。また、第1補助絞り部における冷媒流通抵抗が小さく設定されているので、第1補助絞り部から配管系へ流出する冷媒の噴出速度が小さくなる。したがって、膨張弁出口側の冷媒噴流の有する運動エネルギ及び圧力変動が小さくなり、膨張弁出口側における冷媒通過音が低減される。また、従来A方法のように絞り部から噴出する冷媒流の速度を低下させて細い通路に流すようなことがないので、ごみ詰まりの問題が発生しない。
さらに、主絞り部の上流側に冷媒流通抵抗の小さい第2補助絞り部を設けているので、気泡が主絞り部に入る前に第2補助絞り部を通過することにより細分化され、主絞り部における圧力変動を低減することができる。したがって、主絞り部の上流側に補助絞り部を設けていないものに比し、膨張弁出口側における冷媒流の速度変動及び圧力変動を低減することができる。
すなわち、この第2の課題解決手段に係る膨張弁は、第1の課題解決手段による膨張弁に比し、ごみ詰まりの問題を回避しながら、より一層不連続の「シャー、シャー」音を低減することができる。また、この第2の課題解決手段に係る膨張弁は、第1補助絞り部及び第2補助絞り部の冷媒流通抵抗を小さくしているので、第1の課題解決手段に係る膨張弁と同様に、主絞り部による冷媒量制御幅への影響を少なくすることができる。さらに、主絞り部を全閉可能としているので、全閉に至るまで必要な絞り量を確保することができる。
また、この第2の課題解決手段に係る膨張弁において、弁本体内の冷媒流通路を第1、第2及び第3仕切壁で仕切り、これら仕切壁に設けた主絞り部用弁孔、第1補助絞り部用弁孔及び第2補助絞り部用弁孔に対し一つの弁体を駆動させることにより、主絞り部用弁孔とテーパ部との間に全閉かつ開度可変の主絞り部を形成するとともに、補助絞り部用弁孔と弁体の円柱部との間に第1及び第2補助絞り部とを形成すると、簡素化された構成で主絞り部の上流側及び下流側に補助絞り部を備えた膨張弁を形成することができる。
また、主絞り部と第1及び第2補助絞り部とを、冷媒流通抵抗が同時に増減するように、それぞれ冷媒流通抵抗可変に構成した場合は、膨張弁の負荷の変動に対応して主絞り部と第1及び第2補助絞り部との冷媒流通抵抗の比を適正範囲に保持することができるので、幅広い運転条件の下で、安定的に膨張弁出口側の冷媒通過音を低減することができる。
また、第1及び第2補助絞り部を形成する通路を、略等間隔に形成された複数の略独立の通路により形成すれば、主絞り部からの冷媒噴流が分散されることによりエネルギの分散が行われ、膨張弁出口側の冷媒通過音をさらに低減することができる。
また、第1又は第2補助絞り部の複数の略独立の通路を、第1又は第2補助絞り部用弁孔の内周面又は弁体の円柱部の外周面に複数の溝部を略等間隔に設けることにより形成すると、複数の略独立の通路を容易に形成することができる。
また、第1又は第2補助絞り部における複数の略独立の通路は、弁体の進退により長さが変化するように形成すると、主絞り部の冷媒流通抵抗の増減に対応して第1又は第2補助絞り部の冷媒流通抵抗を容易に増減することができる。
また、第1又は第2補助絞り部を形成する通路は、弁体の進退により冷媒通過面積が変化するように形成することもできる。この場合は、補助絞り部を形成する通路の冷媒通過面積を、複数の絞り用通路全体又はそれぞれを変化させることにより変化させると、弁体の進退に対応する主絞り部の冷媒流通抵抗の変化に対し補助絞り部の冷媒流通抵抗を自由に設定することができる。
また、上記第2の課題解決手段において、冷媒を可逆に流通させることが可能であって、一方の冷媒流通方向に対して冷房サイクルに適した特性に形成され、他方の冷媒流通方向に対して暖房サイクルに適した特性であるように構成すれば、ヒートポンプ式冷凍サイクルに容易に適用することができる。
また、上記各第1又は第2の課題解決手段に係る膨張弁を冷凍装置に適用した場合には、膨張弁で出口側の冷媒通過音の静かな冷凍装置を提供することができる。
(実施の形態1)
以下に、この発明を具体化した実施の形態1に係る膨張弁を図1〜図3に基づいて説明する。なお、図1は実施の形態1に係る膨張弁の縦断面図であり、図2は同図におけるA−A矢視断面図であり、図3は、補助絞り部の拡大図である。また、以下の説明において上下左右方向をいうときは、図1における上下左右方向をいうものとする。また、図1において、矢印は冷媒の流れ方向を示している。
実施の形態1に係る膨張弁は、例えば前述の図14に示したような冷房専用冷媒回路に使用するものである。
図1に示すように、この膨張弁は、弁本体1と、弁本体1内に形成された冷媒流通路2と、弁本体1内に収納された弁体3とを備え、さらに、弁本体1の内部に主絞り部4と補助絞り部5とを形成するために、冷媒流通路2の中間部で冷媒流れを仕切るように水平方向に形成された壁高さの大きい第1仕切壁6と、冷媒流通路2の出口付近で冷媒流れを仕切るように水平方向に形成された壁高さの小さい第2仕切壁7とが形成されている。また、第1仕切壁6には孔径の大きい主絞り部用弁孔8が形成され、第2仕切壁7には孔径の小さい補助絞り部用弁孔9が形成されている。
弁本体1は、軸心を上下方向とした略円筒状に形成され、内部には上下方向の冷媒流通路2が形成されている。また、弁本体1、冷媒流通路2に繋がる出入口として入口ポート1aと出口ポート1bの二つのポートを備えている。入口ポート1aは弁本体1の側壁に設けられ、出口ポート1bは弁本体1の下部に設けられている。したがって、冷媒は、弁本体1内において上方から下方に流れるように構成されている。なお、入口ポート1aには室外コイルと膨張弁とを接続する液管10が接続され、出口ポート1bには膨張弁と室内コイルとを連絡する配管11が接続されている。
弁体3は、冷媒流通路2と同心に配した略円柱体である。より詳しくは、弁体3は、上部に大径円柱部12を有し、下部に小径円柱部13を有し、大径円柱部12と小径円柱部13との間をテーパ部14により接続している。また、この弁体3は図示しないパルスモータを駆動源として上下に駆動制御されるように構成されている。
主絞り部4は、主絞り部用弁孔8に対し弁体3のテーパ部14を上下方向に進退させることにより、テーパ部14の表面と弁座(主絞り部用弁孔8の上端角部)との間に開度可変、かつ全閉可能な絞り通路を形成したものである。
また、補助絞り部5は、補助絞り部用弁孔9と小径円柱部13の表面との間に絞り用の通路を形成したものであって、主絞り部4の下流側に形成されている。また、補助絞り部5は、その冷媒流通抵抗を主絞り部4の冷媒流通抵抗より小さくなるように形成されている。また、補助絞り部用弁孔9には図2からよく分かるように、補助絞り部用弁孔9の表面部に複数(この場合4個)の一定幅、一定深さ、かつ所定長さの溝部15が略等間隔に形成されている。これにより、補助絞り部用弁孔9と小径円柱部13との間には複数(この場合4個)の通路が形成される。また、補助絞り部用弁孔9の孔径を、弁体3の小径円柱部13が摺動できる程度とする。これにより、補助絞り部5を形成する通路は、断面積が一定の複数の略独立の通路16から形成されたものとなる。なお、この実施の形態においては、小径円柱部13の先端が常に補助絞り部用弁孔9の下端から突出する状態となっているので、補助絞り部5の減圧特性は一定状態に保持されている。
実施の形態1の膨張弁は、以上の如く形成されているので、入口ポート1aから流入した液冷媒は、主絞り部4において大きく減圧される。主絞り部4で減圧された冷媒は、補助絞り部5において複数の略独立の通路16を通過することにより、さらに少し減圧される。
また、入口ポート1aからスラグ流あるいはプラグ流が流入してきた場合、主絞り部4下流側に補助絞り部5を設けているので、この補助絞り部5の存在により主絞り部4から噴出する冷媒流の運動エネルギが消耗され、この冷媒流の圧力変動が低減される。さらに、補助絞り部5における冷媒流通抵抗が小さく設定されているので、補助絞り部5から配管系へ流出する冷媒の噴出速度が小さくなる。この結果、膨張弁出口側(出口ポート11側)の冷媒噴流の有する運動エネルギ及び圧力変動が小さくなり、膨張弁出口側における冷媒通過音が低減される。また、従来A方法のように主絞り部4から噴出する冷媒流の速度を低下させて細い通路に流すようなことがないので、ごみ詰まりの問題が発生しない。また、補助絞り部5の冷媒流通抵抗を小さくしているので、主絞り部4による冷媒量制御幅への影響を少なくすることができる。また、主絞り部4を全閉可能としているので、全閉に至るまで必要な絞り量を確保することができる。
また、弁本体1内の冷媒流通路2を第1及び第2仕切壁6、7で仕切り、第1及び第2仕切壁6、7に設けた主絞り部用弁孔8及び補助絞り部用弁孔9に対し一つの弁体3を駆動して、主絞り部用弁孔8とテーパ部14との間に全閉かつ開度可変の主絞り部4を形成するとともに、補助絞り部用弁孔9と弁体3の小径円柱部13との間に複数の絞り通路を備えた補助絞り部5を形成しているので、簡素化された構成で2段階の絞り部を備えた膨張弁を形成することができる。
また、補助絞り部5を形成する通路を、略等間隔に形成された複数の略独立の通路16により形成しているので、主絞り部4からの冷媒噴流が分散される。この結果、補助絞り部5を通過する冷媒流の運動エネルギが分散され、膨張弁出口側における冷媒通過音をより一層低減することができる。
また、この複数の略独立の通路16を、補助絞り部用弁孔9の内周面に複数の溝部15を略等間隔に設けた構造としているので、製作が容易である。
(実施の形態2)
次に、この発明を具体化した実施の形態2に係る膨張弁を図4及び図5に基づいて説明する。図4は実施の形態2に係る膨張弁の縦断面図であり、図5は同図におけるB−B矢視断面図である。また、以下の説明において上下左右方向をいうときは、図4における上下左右方向をいうものとする。また、図4における矢印は冷媒の流れ方向を示している。
実施の形態2に係る膨張弁は、例えば前述の図14に示したような冷房専用冷媒回路に使用するものであって、実施の形態1の場合と異なり、補助絞り部の冷媒流通抵抗を主絞り部の冷媒流通抵抗とともに増減できるようにしたものである。
図4に示すように、この膨張弁は、弁本体21と、弁本体21内に形成された冷媒流通路22と、弁本体21内に収納された弁体23とを備えている。さらに、この膨張弁では、弁本体21の内部に主絞り部24と補助絞り部25とを形成するために、冷媒流通路22の入口側部で冷媒流れを仕切るように水平方向に形成された第1仕切壁26と、冷媒流通路22の中間部で冷媒流れを仕切るように水平方向に形成された壁高さの大きい第2仕切壁27とが形成されている。また、第1仕切壁26には主絞り部用弁孔28が形成され、第2仕切壁27には補助絞り部用弁孔29が形成されている。
また、弁本体21は、軸心を上下方向とした略円筒状に形成され、内部には上下方向の冷媒流通路22が形成されている。また、弁本体21、冷媒流通路22に繋がる出入口として入口ポート21aと出口ポート21bの二つのポートを備えている。入口ポート21aは弁本体の下部に設けられ、出口ポート21bは弁本体1の側部に設けられている。したがって、冷媒は、実施の形態1の場合と異なり弁本体21内において下方から上方に流れるように構成されている。なお、入口ポート21aには室外コイルと膨張弁とを接続する液管30が接続され、出口ポート21bには膨張弁と室内コイルとを連絡する配管31が接続されている。
弁体23は、冷媒流通路22と同心に配した略円柱体である。より詳しくは、弁体23は、円柱部32を有し、その下部にテーパ部33が一体的に形成されている。また、この弁体23は図示しないパルスモータを駆動源として上下に駆動制御されるように構成されている。
主絞り部24は、主絞り部用弁孔28に対し弁体23のテーパ部33を上下方向に進退させることにより、テーパ部33の表面と弁座(主絞り部用弁孔28の上端角部)との間に開度可変、かつ全閉可能な絞り通路を形成したものである。
また、補助絞り部25は、補助絞り部用弁孔29と円柱部32との間に絞り用の通路を形成したものであって、冷媒流通抵抗が主絞り部24における冷媒流通抵抗より小さくなるように設定され、主絞り部24の下流側に形成されている。また、補助絞り部25は、その冷媒流通抵抗を、主絞り部24の冷媒流通抵抗の増減と同時に増減するように形成されている。また、補助絞り部用弁孔29には図5からよく分かるように、補助絞り部用弁孔29の表面部に一定幅、一定深さ、かつ所定長さの複数(この場合4個)の溝部35が略等間隔に形成されている。これにより、補助絞り部用弁孔29と円柱部32との間には複数(この場合4個)の通路が形成される。また、補助絞り部用弁孔29の孔径を、弁体23の円柱部32が摺動できる程度とする。これにより補助絞り部25を形成する通路は断面積が一定の複数の略独立の通路36から形成されたものとなる。また、この実施の形態においては、弁体23を軸方向に移動制御することにより、溝部35と円柱部32との重なり長さ(すなわち通路36の長さ)が、主絞り部24の弁開度とともに変化するように溝部35の長さを設定している。したがって、この実施の形態においては、主絞り部24と補助絞り部25とは、冷媒流通抵抗が同時に増減するようにそれぞれ冷媒流通抵抗可変に構成されている。
実施の形態2の膨張弁は、以上のごとく形成されているので、入口ポート21aから流入してきた液冷媒は、主絞り部24において大きく減圧される。主絞り部24で減圧された冷媒は、補助絞り部25において複数の略独立の通路36を通過することにより、さらに少し減圧される。
また、入口ポート21aからスラグ流あるいはプラグ流が流入してきた場合、主絞り部24下流側に補助絞り部25を設けているので、この補助絞り部25の存在により主絞り部24から噴出する冷媒流の運動エネルギが消耗され、この冷媒流の圧力変動が低減される。さらに、補助絞り部25における冷媒流通抵抗が小さく設定されているので、補助絞り部25から配管系へ流出する冷媒の噴出速度が小さくなる。この結果、膨張弁出口側(出口ポート21b側)の冷媒噴流の有する運動エネルギ及び圧力変動が小さくなり、膨張弁出口側における冷媒通過音が低減される。また、従来A方法のように主絞り部24から噴出する冷媒流の速度を低下させて細い通路に流すようなことがないので、ごみ詰まりの問題が発生しない。また、補助絞り部5の冷媒流通抵抗を小さくしているので、主絞り部24による冷媒量制御幅への影響を少なくすることができる。また、主絞り部24を全閉可能としているので、全閉に至るまで必要な絞り量を確保することができる。
また、弁本体21内の冷媒流通路22を第1及び第2仕切壁26、27で仕切り、第1及び第2仕切壁26、27に設けた主絞り部用弁孔28及び補助絞り部用弁孔29に対し一つの弁体23を駆動して、主絞り部用弁孔28とテーパ部33との間に全閉かつ開度可変の主絞り部24を形成するとともに、補助絞り部用弁孔29と弁体23の円柱部32との間に通路を備えた補助絞り部25を形成しているので、簡素化された構成で2段階の絞り部を備えた膨張弁を形成することができる。
また、補助絞り部25を形成する通路を、略等間隔に形成された複数の略独立の通路36に形成しているので、主絞り部24からの冷媒噴流が分散される。この結果、補助絞り部25を通過する冷媒流の運動エネルギが分散され、膨張弁出口側における冷媒通過音をより一層低減することができる。
また、この複数の略独立の通路36は、補助絞り部用弁孔29の内周面に複数の溝部35を略等間隔に設けて製作しているので、製作が容易である。
また、この実施の形態においては、弁体23の軸方向に移動制御することにより、主絞り部24と補助絞り部25とは、冷媒流通抵抗が同時に増減するように、それぞれ冷媒流通抵抗可変に構成されているので、広範囲の運転条件において所定の冷媒通過音低減効果を得ることができる。
(実施の形態3)
次に、この発明を具体化した実施の形態3に係る膨張弁を図6〜図8に基づいて説明する。図6は実施の形態3に係る膨張弁の縦断面図であり、図7は同図におけるC−C断面図であり、図8は同図におけるD−D断面図である。また、以下の説明において上下左右方向をいうときは、図6における上下左右方向をいうものとする。なお、図6における実線及び破線矢印は冷媒の流れ方向を示し、冷媒を可逆に流して使用できるように構成している。
この実施の形態3は、主絞り部の前後に補助絞り部を設けたものである。また、このように構成したことにより、前述の図16のようなヒートポンプ式冷媒回路における膨張弁としても使用可能としている、例えば、冷房運転時にあっては図6における実線矢印のように冷媒を流し、暖房運転にあっては図6における破線矢印のように冷媒を流す。
この膨張弁は、図6に示すように、弁本体41と、弁本体41内に形成された冷媒流通路42と、弁本体41内に収納された弁体43とを備え、さらに、弁本体41の内部に主絞り部44と第1補助絞り部45と第2補助絞り部46とを形成している。また、これら絞り部44、45、46を形成するために、冷媒流通路42の中間部において冷媒流れを仕切るように水平方向に第1仕切壁47が形成され、この第1仕切壁47の下流側及び上流側において冷媒流れを仕切るように水平方向に第2仕切壁48及び第3仕切壁49が形成されている。また、第1仕切壁47には主絞り部用弁孔50が形成され、第2仕切壁48には第1補助絞り部用弁孔51が形成され、第3仕切壁49には第2補助絞り部用弁孔52が形成されている。
弁本体41は、軸心を上下方向とした略円筒状に形成され、内部には上下方向の冷媒流通路42が形成されている。また、弁本体41、冷媒流通路42に繋がる出入口として二つのポートを備えている。第1ポート41aは弁本体41の側壁に設けられ、第2ポート41bは弁本体41の下部に設けられている。この膨張弁においては、冷媒は弁本体41内において上方から下方、又は下方から上方何れの方向にも流せるように構成されている。なお、第1ポート41aには室外コイルと膨張弁とを接続する液管53が接続され、第2ポート41bには膨張弁と室内コイルとを連絡する配管54が接続されている。
弁体43は、冷媒流通路22と同心に配した略円柱体である。より詳しくは、弁体43は、上部に大径円柱部55を有し、下部に小径円柱部56を有し、大径円柱部55と小径円柱部56との間をテーパ部57により接続して一体に形成されている。また、この弁体43は図示しないパルスモータを駆動源として上下に駆動制御されるように構成されている。
主絞り部44は、主絞り部用弁孔50に対し弁体43のテーパ部57を上下方向に進退させて、テーパ部57の表面と弁座(主絞り部用弁孔50の上端角部)との間に開度可変、かつ全閉可能な絞り通路を形成したものである。
また、第1補助絞り部45は、第1補助絞り部用弁孔51と小径円柱部56の表面との間に絞り用の通路を形成したものであって、冷房運転時における主絞り部44の下流側(換言すると暖房運転時における主絞り部44の上流側)に形成されている。また、第2補助絞り部46は、第2補助絞り部用弁孔52と大径円柱部55の表面との間に絞り用の通路を形成したものであって、冷房運転時における主絞り部44の上流側(換言すると暖房運転時における主絞り部44の下流側)に形成されている。
また、第1及び第2補助絞り部45、46は、それぞれの冷媒流通抵抗が主絞り部44の冷媒流通抵抗より小さく設定されている。また、第1及び第2補助絞り部45、46は、主絞り部44の冷媒流通抵抗を増減するとそれにつれてこの第1及び第2補助絞り部45、46の冷媒流通抵抗も増減するように構成されている。また、第1及び第2補助絞り部用弁孔51、52には図7及び図8からよく分かるように、第1及び第2補助絞り部用弁孔51、52の表面部に複数(この場合4個)の独立した溝部58、60が略等間隔に形成されている。これにより、第1及び第2補助絞り部用弁孔51、52と円柱部56、55との間には複数(この場合4個)の通路が形成される。また、第1及び第2補助絞り部用弁孔51、52の孔径を、弁体43の小径円柱部56又は大径円柱部55が摺動できる程度とする。これにより第1及び第2補助絞り部45、46を形成する通路が複数の略独立の通路59、61から形成されたものとなる。また、この実施の形態においては溝部58、60の長さを長くしてあり、さらに、溝部58、60と小径又は大径円柱部56、55との重なり長さ(すなわち通路59、61の長さ)が弁体43を軸方向に移動制御したときに主絞り部44の弁開度とともに変化するように構成されている。したがって、この実施の形態においては、主絞り部44と第1及び第2補助絞り部45、46とは、冷媒流通抵抗が同時に増減するようにそれぞれ冷媒流通抵抗可変に構成されている。
実施の形態3の膨張弁は、以上の如く形成されているので、冷房運転時(実線矢印方向に冷媒を流す場合)、第1ポート41aから流入した液冷媒は、第2補助絞り部46において複数の略独立の通路61を通過することにより少し減圧される。次いで主絞り部44で大きく減圧され、さらに、第1補助絞り部45において複数の略独立の通路59を通過することにより少し減圧され、第2ポート41bから冷媒配管系に流出する。この冷房運転時における実施の形態3を実施の形態1と比較すると、次の点で相当又は相違する。すなわち、実施の形態3は、主絞り部44及び第1補助絞り部45が実施の形態1の主絞り部4及び補助絞り部5に対応し、第2補助絞り部46が実施の形態1の主絞り部4の上流側に追加された点、及び、実施の形態1における冷媒流通抵抗固定の補助絞り部5が冷媒流通抵抗可変の第1補助絞り部45に置き換わっている点で相違する。
また、暖房運転時(破線矢印方向に冷媒を流す場合)、第2ポート41bから流入した液冷媒は、第1補助絞り部45において複数の略独立の通路59を通過することにより少し減圧される。次いで主絞り部44で大きく減圧され、さらに、第2補助絞り部46において複数の略独立の通路61を通過することにより少し減圧され、第1ポート41aから冷媒配管系に流れて行く。この暖房運転時における実施の形態3を実施の形態2と比較すると、主絞り部44及び第2補助絞り部46が実施の形態2の主絞り部24及び補助絞り部25に対応し、第1補助絞り部45が実施の形態2の主絞り部24の上流側に追加された点で相違する。
このように、実施の形態3は、基本的には実施の形態1及び実施の形態2の技術的思想を採用したものであり、主絞り部44の上流側又は下流側に第1又は第2補助絞り部45、46を設けた点に特徴があり、可逆流の冷媒流れに対して使用可能とした点にも特徴を備えている。
したがって、本実施の形態では、主絞り部44の下流側に冷媒流通抵抗の小さい第1又は第2補助絞り部45又は46を設けているので、実施の形態1及び実施の形態2と同様に膨張弁出口側の冷媒通過音を低減することができる。また、この実施の形態3では、主絞り部44の上流側に冷媒流通抵抗の小さい第1又は第2補助絞り部45又は46を設けているので、気泡が主絞り部44に入る前に第1又は第2補助絞り部45又は46を通過することにより細分化される。したがって、実施の形態3の膨張弁は、主絞り部44における圧力変動を低減することができ、実施の形態1及び2の場合に比し膨張弁出口側の冷媒通過音をより一層低減することができる。
また、本実施の形態では、主絞り部44、第1補助絞り部45及び第2補助絞り部46は、それぞれ、仕切壁47、48、49に形成された弁孔50、51、52に対し一個の弁体43を進退させる構成となっているので、簡素化された構成で主絞り部44の上流側及び下流側に補助絞り部45、46を備えた膨張弁を形成することができる。
また、主絞り部44と第1及び第2補助絞り部45、46とを、冷媒流通抵抗が同時に増減するように、それぞれ冷媒流通抵抗可変に構成しているので、膨張弁の負荷の変動に対応して主絞り部44と第1及び第2補助絞り部45、46との冷媒流通抵抗の比を適正範囲に保持することができる。したがって、幅広い運転条件の下で、安定的に膨張弁出口側の冷媒通過音を低減することができる。
また、第1及び第2補助絞り部45、46を形成する通路を、略等間隔に形成された複数の略独立の通路59、61に形成しているので、主絞り部44からの冷媒噴流が分散される。この結果、第1又は第2補助絞り部45、46を通過する冷媒流の運動エネルギが分散され、膨張弁出口側の冷媒通過音をさらに低減することができる。
また、第1又は第2補助絞り部45、46の複数の略独立の通路59、61を、第1又は第2補助絞り部用弁孔51、52の内周面に複数の溝部58、60を略等間隔に設けて形成しているので、製作が容易になる。
また、第1又は第2補助絞り部における複数の略独立の通路59、61は、弁体43の進退により長さが変化するように形成されているので、主絞り部44の冷媒流通抵抗の増減に対応して、第1又は第2補助絞り部45、46の冷媒流通抵抗を容易に増減することができる。
また、図16のようなヒートポンプ式空気調和機に使用する場合は、実線矢印の冷媒流れである冷房運転及び破線矢印の冷媒流れである暖房運転それぞれに最適化するように、主絞り部44、第1補助絞り部45及び第2補助絞り部46の冷媒流通抵抗を設定しておけば、効率の良い冷房又は暖房運転を行うことができる。
(実施の形態4)
次に実施の形態4について、図9及び図10に基づき説明する。なお、図9は実施の形態4における膨張弁の要部縦断面図であり、図10は図9におけるE−E断面図である。なお、本実施の形態は実施の形態2の一部を変更したものであるので、図9及び図10において実施の形態2と同一の部分には同一の符号を付しその説明を省略する。
実施の形態4は、実施の形態2において、複数の略独立の通路36を形成するために溝部35を補助絞り部用弁孔29の内周面に設けていた構成に代え、絞り用の複数の通路を構成するための溝部を弁体の円柱部の外周面に設けたものである。
この実施の形態4では、図9及び図10に示すように、補助絞り部用弁孔29の内周面には溝部が形成されていない。これに代わって、弁体23の円柱部32の外周面に溝部71が設けられている。溝部71は、円柱部32の外周面に略等間隔に複数(この場合4個)設けられている。また、溝部71は、一定幅、一定深さ、かつ所定長さにわたって形成されている。そして、弁体23の円柱部32が補助絞り部用弁孔29内に進入するにつれ、溝部71の開放部が補助絞り部用弁孔29の内周面により覆われることにより、断面積が一定の複数の略独立の通路72が形成される。
このように、実施の形態4における複数の略独立の通路72は、実施の形態2の場合と同様に、弁体23の進退に対応して長さが変化し、冷媒流通抵抗が変化するように構成される。したがって、実施の形態4の膨張弁は、実施の形態2のものと同様の効果を奏することができる。
(実施の形態5)
次に実施の形態5について、図11に基づき説明する。図11は実施の形態4における膨張弁の要部縦断面図である。なお、本実施の形態は実施の形態2の一部を変更したものであるので、図11において実施の形態2と同一の部分には同一の符号を付しその説明を省略する。
実施の形態2では、複数の略独立の通路36が弁体23の進退に対して一定の断面積であるように形成されていたが、実施の形態5では、弁体23の進退に対し複数の略独立の通路81は、弁体23の進退に対応してその断面積を変化するように形成されている。
実施の形態5において、補助絞り部用弁孔29には複数の溝部81が補助絞り部用弁孔29の内周面に形成されている。しかし、溝部81は、実施の形態2の場合と異なり、溝幅は一定でありながら、溝深さが入口側(下方)に向けて漸次浅くなるように、溝部81の底部がテーパ状に形成されている。したがって、この複数の溝部81を弁体23の円柱部32が覆うことにより形成される複数の略独立の通路82は、円柱部32が弁孔29内に侵入するにつれ、その長さが長くなるとともに断面積が小さくなるように形成される。
実施の形態5における複数の略独立の通路82は、上記のように構成されているため、弁体23の進退に対応して長さとともに断面積が変化し、冷媒流通抵抗が変化するように、すなわち弁体23が弁孔29に進入するにつれその断面積が小さくなるように、形成されている。したがって、実施の形態4の膨張弁は実施の形態2のものと同様の効果を奏することができる。また、弁体23の短いストロークで冷媒流通抵抗を変化させることもがきる。
(実施の形態6)
次に実施の形態6について、図12及び図13に基づき説明する。図12は実施の形態6における膨張弁の要部縦断面図であり、図13は図12におけるE−E断面図である。なお、実施の形態6は、実施の形態3における第2補助絞り部の変形例を示すものであり、図12及び図13において実施の形態3と同一の部分には同一の符号を付しその説明を省略する。
前記実施の形態1から5では、補助絞り部を形成する通路が弁体の円柱部と補助絞り部用弁孔との間に形成された複数の略独立の通路から構成されていたが、この実施の形態6では、補助絞り部を形成する通路を螺旋通路としたものを例示する。なお、具体例は、実施の形態3において第1ポートの取付位置を変更するとともに、第2補助絞り部の構成を変更したものである。
図12に示すように、弁本体41の側部に設けられた第1ポート91は、軸心に対しずらせてあり、第1ポート91に接続される配管92が冷媒流通路42の円筒状内壁面に対し接線方向に接続されるように接続されている。
第2補助絞り部93は、第2補助絞り部用弁孔94に上下方向の複数の溝部が形成されたものではなく、弁体95の大径円柱部96の下方の外周面に螺旋溝部97が形成されている。第2補助絞り部用弁孔94と弁体95の大径円柱部96との間に形成される通路は、この螺旋溝部97から形成されている。螺旋溝部97の旋回方向は、第1ポート91から流入する冷媒の旋回方向と同一となるように形成されている。また、この螺旋溝部97の断面積は、冷暖房運転或いは暖房運転いずれの場合においても第2補助絞り部の冷媒流通抵抗が主絞り部の冷媒流通抵抗より小さくなるように形成されている。
このように形成された第6実施の形態によれば、実線矢印の冷房運転時において、気液二相流の冷媒流が流入してきた場合、配管92が冷媒流通路42の円筒内面に沿って流れるため、旋回流が生じる。この旋回流は、引き続き第2補助絞り部93の螺旋溝部97からなる螺旋通路に沿って流れることにより、主絞り部44に流入する前に十分に整流され、主絞り部44における冷媒の圧力変動が低減され、さらに、第1補助絞り部45にて減圧されて、配管系に流出される。なお、主絞り部44及び第1補助絞り部45における作用は、前述の実施の形態3における場合と同じである。
上記のように主絞り部44の圧力変動が低減される結果、膨張弁入口側の冷媒通過音が低減されるとともに、第1補助絞り部45から噴出される冷媒の噴流速度の変動が低減され、膨張弁出口側における冷媒通過音が低減される。
また、破線矢印の暖房運転時において、第2ポート41bから気液二相流の冷媒流が流入してきた場合、第1補助絞り部45において減圧され、気泡が細分化されるため、主絞り部44における冷媒流の圧力変動が低減される結果、膨張弁入り口側の冷媒通過音が低減される。また、主絞り部44から流出される冷媒は第2補助絞り部93における螺旋通路を通過する際に旋回されて整流されるとともに、第2補助絞り部93出口側において旋回しながら配管92からが配管系へ流出するように形成されている。このため、膨張弁出口側における冷媒通過音が低減される。
(変形例)
なお、この発明は、次のように変更して具体化することもできる。
(1)上記各実施の形態においては、図14或いは図16に示したような1台の室外ユニット101、201に対し1台の室内ユニット106、207を用いる冷媒回路に用いる例を取り上げて説明したが、本膨張弁は、1台の室外ユニットに対し複数台の室内ユニットを接続する所謂マルチ型エアコンに使用できることは勿論である。また、マルチ型エアコンでは、膨張弁入り口側の運転条件の変化が大きく、大きな気泡の混入する機会が多くなり、膨張弁出口側の冷媒通過音の発生機会が多くなる。したがって、本発明の膨張弁は、マルチ型エアコンに用いられると、より顕著にその効果を発揮することができる。
(2)また、実施の形態3はヒートポンプ式冷媒回路に使用することを前提として説明したが、冷房専用機にも使用することもできる。
(3)実施の形態3においては、第1補助絞り部45と第2補助絞り部46とをともに冷媒流通抵抗可変の構造としているが、特にそれに拘るものではなく、何れか一方又は双方を固定のものとしてもよい。
(4)実施の形態1において、補助絞り部5を、冷媒流通抵抗可変にした構造に、具体的には第3実施の形態における第1補助絞り部45に、変更することもできる。
(5)実施の形態1〜5における補助絞り部5、25、45、46における溝部15、35、58、60の形状は、図5、7、8、10では断面が略3角形状に形成しているが、これに拘るものではなく、断面が円形、長円形など適宜の形状であってもよい。
(6)実施の形態5は、補助絞り部25を形成する通路の冷媒通過面積を弁体23の進退に対応して変化させるものであって、弁体23が補助絞り部用弁孔29に進入するにつれ複数の略独立の通路82の断面積を小さくする例を示しているが、逆に、複数の略独立の通路82の断面積を大きくすることも可能である。このようにするには、例えば、実施の形態2において、溝部35の下方に向かって溝幅を大きくしたり、溝深さを深くしたりすることなどによって実現することができる。
また、実施の形態2において、複数の略独立の通路36の断面積を変化させるには、階段状に断面積を変化させることにより、段階的に断面積を変化させることもできる。
また、複数の略独立の通路36それぞれの断面積を変えずに、溝部35の数を変化させることにより、補助絞り部25を形成する通路の冷媒通過面積(すなわち、補助絞り部25における複数の略独立の通路36全体の通路断面積)を変化させるようにしてよい。例えば、実施の形態2において、補助絞り部用弁孔29の出口側の通路36の数を多くし、入口側の通路36の数を少なくすると、弁体23の進退に対して第2補助絞り部46における冷媒流通抵抗の変化を少なくすることができる。
このように、補助絞り部を形成する通路の冷媒通過面積を変化させることにより、弁体の進退に対応する主絞り部の冷媒流通抵抗の変化に対し補助絞り部の冷媒流通抵抗を自由に設定することができる。
また、補助絞り部を形成する通路の冷媒通過面積をさせるには、上記の他、弁孔内へ進入する弁体の円柱部の形状をテーパ状に形成してもよい。例えば、実施の形態1において、小径円柱部の直径を先端に行くに従い小径となるようにしておくと、補助絞り部5を形成する通路の冷媒通過面積は、弁体3が下方に移動するに従い小さくなる。
実施の形態1〜実施の形態5における補助絞り部を形成する通路の冷媒通過面積は、以上の例に限らずいろいろの形態により、弁体の進退に対応して変化させることができる。
(7)実施の形態6において、螺旋溝部97を弁体95の大径円柱部96の外周面に設けたが、これに代わり、第2補助絞り部用弁孔94の内周面に形成してもよい。この場合も実施の形態6と同様の効果を奏することができる。
本発明の実施の形態1に係る膨張弁の要部縦断面図である。 図1におけるA−A矢視断面図である。 同上膨張弁における補助絞り部周りの拡大図である。 本発明の実施の形態2に係る膨張弁の要部縦断面図である。 図4におけるB−B矢視断面図である。 本発明の実施の形態3に係る膨張弁の要部縦断面図である。 図6におけるC−C矢視断面図である。 図6におけるD−D矢視断面図である。 本発明の実施の形態4に係る膨張弁の要部縦断面図である。 図9におけるE−E矢視断面図である。 本発明の実施の形態5に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態6に係る膨張弁の要部縦断面図である。 図12におけるF−F矢視断面図である。 従来の冷凍装置の基本的冷媒回路図であって、冷房専用のセパレート型空気調和機の基本的な冷媒回路を示す。 同冷媒回路に使用される膨張弁の基本構造図を示す。 従来の冷凍装置の基本的冷媒回路図であって、ヒートポンプ式セパレート型空気調和機の基本的な冷媒回路を示す。
符号の説明
1 弁本体
2 冷媒流通路
3 弁体
4 主絞り部
5 補助絞り部
6 第1仕切壁
7 第2仕切壁
8 主絞り部用弁孔
9 補助絞り部用弁孔
12 円柱部
13 小径円柱部
14 テーパ部
15 溝部
16 通路
21 弁本体
22 冷媒流通路
23 弁体
24 主絞り部
25 補助絞り部
26 第1仕切壁
27 第2仕切壁
28 主絞り部用弁孔
29 補助絞り部用弁孔
32 円柱部
33 テーパ部
35 溝部
36 通路
41 弁本体
42 冷媒流通路
43 弁体
44 主絞り部
45 第1補助絞り部
47 第1仕切壁
48 第2仕切壁
49 第3仕切壁
50 主絞り部用弁孔
51 第1補助絞り部用弁孔
52 第2補助絞り部用弁孔
55 大径円柱部
56 小径円柱部
57 テーパ部
58 溝部
59 通路
60 溝部
61 通路
71 溝部
72 通路
81 溝部
82 通路
92 配管
93 第2補助絞り部
94 第2補助絞り部用弁孔
95 弁体
96 大径円柱部
97 螺旋溝部

Claims (16)

  1. 弁本体と、弁本体内部に形成された冷媒流通路と、弁本体内に収納された弁体と、冷媒流通路に形成された主絞り部と、冷媒流通路における主絞り部の下流側に形成された補助絞り部とを有し、
    主絞り部は、全閉可能に形成され、
    補助絞り部は、全閉不能であって、主絞り部に比し冷媒流通抵抗が小さくなるように形成されていることを特徴とする膨張弁。
  2. 弁本体は、冷媒流通路における冷媒の流れを仕切る第1仕切壁と、冷媒流通路の第1仕切壁の下流側における冷媒の流れを仕切る第2仕切壁とを備え、さらに、第1仕切壁には主絞り部用弁孔が形成され、第2仕切壁には補助絞り部用弁孔が形成され、
    弁体は、円柱部と、この円柱部の一部に形成されたテーパ部とからなり、
    主絞り部は、主絞り部用弁孔に対し弁体のテーパ部を進退させることにより、主絞り部用弁孔とテーパ部との間に形成される全閉可能かつ開度可変の通路からなり、
    前記補助絞り部は、補助絞り部用弁孔と弁体の円柱部との間に形成された通路からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の膨張弁。
  3. 主絞り部と補助絞り部とは、冷媒流通抵抗が同時に増減するように、それぞれ冷媒流通抵抗可変に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の膨張弁。
  4. 前記補助絞り部を形成する通路は、複数の略独立の通路が略等間隔に形成されてなることを特徴とする請求項2記載の膨張弁。
  5. 前記複数の略独立の通路は、補助絞り部用弁孔の内周面又は弁体の円柱部の外周面に複数の溝部を略等間隔に設けることにより形成されていることを特徴とする請求項4記載の膨張弁。
  6. 前記複数の略独立の通路は、弁体の進退により長さが変化するように形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の膨張弁。
  7. 前記補助絞り部を形成する通路は、弁体の進退により冷媒通過面積が変化するように形成されていることを特徴とする請求項4又は5記載の膨張弁。
  8. 弁本体と、弁本体内部に形成された冷媒流通路と、弁本体内に収納された弁体と、冷媒流通路に形成された主絞り部と、冷媒流通路における主絞り部の上流側に形成された第1補助絞り部と、冷媒流通路における主絞り部の下流側に形成された第2補助絞り部とを有し、
    主絞り部は、全閉可能に形成され、
    第1及び第2補助絞り部は、全閉不能であって、主絞り部に比し冷媒流通抵抗が小さくなるように形成されていることを特徴とする膨張弁。
  9. 弁本体は、冷媒流通路における冷媒の流れを仕切る第1仕切壁と、冷媒流通路の第1仕切壁の上流側における冷媒の流れを仕切る第2仕切壁と、冷媒流通路の第1仕切壁の下流側における冷媒の流れを仕切る第3仕切壁とを備え、さらに、第1仕切壁には主絞り部用弁孔が形成され、第2仕切壁には第1補助絞り部用弁孔が形成され、第3仕切壁には第2補助絞り部用弁孔が形成され、
    弁体は、大径円柱部と小径円柱部とこの大小円柱部間に形成されたテーパ部とを有し、これらが一体的に形成されてなり、
    主絞り部は、主絞り部用弁孔に対しテーパ部を進退させることにより、主絞り部用弁孔とテーパ部との間に形成される全閉可能かつ開度可変の通路からなり、
    第1及び第2補助絞り部は、第1及び第2補助絞り部用弁孔と弁体の円柱部との間に形成された通路からなる
    ことを特徴とする請求項8記載の膨張弁。
  10. 主絞り部と第1及び第2補助絞り部とは、冷媒流通抵抗が同時に増減するように、それぞれ冷媒流通抵抗可変に構成されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の膨張弁。
  11. 前記第1又は第2補助絞り部を形成する通路は、複数の略独立の通路が略等間隔に形成されてなることを特徴とする請求項9記載の膨張弁。
  12. 前記第1又は第2補助絞り部の複数の略独立の通路は、第1又は第2補助絞り部用弁孔の内周面又は弁体の円柱部の外周面に複数の溝部を略等間隔に設けることにより形成されてなることを特徴とする請求項11記載の膨張弁。
  13. 前記第1又は第2補助絞り部の複数の略独立の通路は、弁体の進退により長さが変化するように形成されていることを特徴とする請求項11又は12記載の膨張弁。
  14. 前記第1又は第2補助絞り部を形成する通路は、弁体の進退により冷媒通過面積が変化するように形成されていることを特徴とする請求項8〜13の何れか1項に記載の膨張弁。
  15. 冷媒を可逆に流通させることが可能であって、一方の冷媒流通方向に対して冷房サイクルに適した特性に形成され、他方の冷媒流通方向に対して暖房サイクルに適した特性に形成されてなることを特徴とする請求項8〜14の何れか1項に記載の膨張弁。
  16. 請求項1〜15の何れか1項に記載の膨張弁を使用してなる冷凍装置。
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