JP3824019B1 - 膨張弁及び冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性を損ねることなく、気液2相冷媒流が絞り部を通過することに伴う不連続な冷媒流動音と気液2相冷媒流が絞り部を通過することに伴う圧力変動に起因する振動音とを低減した膨張弁、及びこのような膨張弁を用いることにより膨張弁入り口側の冷媒通過音を低減した冷凍装置を提供すること。
【解決手段】弁本体1内に第1絞り部4と、第1絞り部4の上流側に形成された第2絞り部5とを有する構造とする。また、第2絞り部5を形成する通路は、第2弁孔9と弁体3との間に螺旋状の通路16を形成したものとする。螺旋状の通路16は、対向する第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面の何れか一方に螺旋溝が形成されることにより、この螺旋溝と第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面との間に形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、膨張弁及び冷凍装置に関し、より詳細には、空気調和装置等の冷凍装置に用いられる膨張弁における冷媒通過音を低下させる技術に関する。
図14は、従来の冷凍装置の基本的な冷媒回路として、セパレート型空気調和機の基本的な冷媒回路を示したものである。この図14に示すように、従来の冷房専用セパレート型空気調和機の冷媒回路は、圧縮機101、室外コイル102、膨張弁103、室内コイル104が順次接続された循環回路に形成されている。また、圧縮機101及び室外コイル102は室外ユニット105に収納され、膨張弁103及び室内コイル104は室内ユニット106に収納されている。膨張弁103には、例えば図15に示すような電動膨張弁が用いられている。
この電動膨張弁は、弁本体111内に冷媒流通路112が形成され、この冷媒流通路112を流れ方向に仕切る仕切壁113を備えている。また、弁本体111内には弁体114が収納されるとともに、仕切壁113には弁孔115が形成されている。そして、この弁体114をパルスモータ等の駆動部(図示せず)により駆動して、弁体114の先端に形成された先細のテーパ部116を弁孔115に対し進退させることにより、弁本体111内に弁孔115の開度を調整する絞り部118が形成されている。
ここで、上記冷房専用セパレート型空気調和機における冷房運転サイクルを図14に従って説明する。なお、この図14における実線矢印は、冷房運転サイクル時の冷媒の流れ方向を示す。
圧縮機101で圧縮された高圧ガス冷媒は、室外コイル102に搬送され、外気と熱交換して凝縮液化する。この高圧液冷媒は、液管107を介して膨張弁103に搬送され、膨張弁103の入口ポート111aから弁本体111内に吸入される。弁本体111内に吸入された冷媒は、絞り部118で減圧され、出口ポート111bを介して室内コイル104に送られる。そして、室内コイル104に送られた冷媒が、室内空気と熱交換して蒸発気化し、低圧ガス冷媒となって圧縮機101に帰還する。
以上のように動作する冷房専用セパレート型空気調和機の冷房運転サイクルにおいては、一般的に、据付条件や運転条件の変化などにより、室外コイル102から膨張弁103までの液管107内で気泡が発生することがある。また、この気泡が大きく成長すると、冷媒流れの中に大きな気泡が断続的に存在するスラグ流やプラグ流となる。このようなスラグ流やプラグ流が発生すると、絞り部を通過する際に液冷媒とガス冷媒とが交互に流れる不連続状態となって圧力変動を発生する。その結果、液冷媒とガス冷媒が交互に絞り部を通過することに伴う不連続な冷媒流動音、いわゆる「チュルチュル」音と、気液2相冷媒流が絞り部を通過することに伴う冷媒流の圧力変動に起因する振動音とを発生していた。
このような問題点に対し、絞り部入口側に細い通路の集合体を設けて気泡を細分化して気液が混合した状態とすることにより、絞り部における冷媒流れを連続化する方法(以下従来A方法という)が知られている。その具体例として、特許文献1の第1実施例のように絞り部入口側に多孔体を設けたもの、特許文献1の第2実施例のように絞り部入口側に多数の極細管を設けたものを掲げることができる。さらに、特許文献2の実施例5〜7のように絞り部入口側に細径管を束ねたハニカムパイプを設けたもの、特許文献2の実施例8〜10のように絞り部入口側にモレキュラシーブスを設けたものなどを掲げることができる。また、絞り部に至るまでの冷媒流れをスムーズにするように入口側の流路の形状を変化させ、絞り部で急激な圧力変化を受けないようにした方法(以下従来B方法という)が知られている。その具体例としては、特許文献1の第1〜第5実施例及び特許文献2の実施例1〜10のように弁孔を成すオリフィスの入口側内径を段階的にあるいはテーパ状に縮小させるもの、特許文献1の第4実施例のように弁孔を成すオリフィスの入口側内径をテーパ状に縮小させるとともにネジ切り溝を設けたものなどを掲げることができる。また、絞り部を2段階として2段階の絞り部間に中間圧力を発生させることにより、冷媒流動エネルギを分散させる方法(以下従来C方法という)が知られている。その具体例としては特許文献3を掲げることができる。また、絞り部に複数の冷媒通路を設けることにより冷媒の脈動を連続化しようとした方法(以下従来D方法という)が知られている。その具体例としては特許文献4を掲げることができる。
特開平7−146032号公報 特開平11−325658号公報 特開平5−322381号公報 特開平5−288286号公報
しかしながら、従来A方法は、大きな気泡を含んだ気液2相流の冷媒流を多数の細い通路を通過させることにより、気泡を細分化するものであって、細い通路に不純物が堆積しやすく、ごみ詰まりが生じやすい。また、多孔質体や、ハニカムパイプや、極細管や、モレキュラシーブスは、機械強度が弱く変形しやすいという問題もある。このため、従来A方法は電動膨張弁の信頼性を維持することが困難であった。
また、従来B方法は、絞り部入口側の流路形状を変化させるだけでは、冷媒中に含まれた気泡を細分化して液冷媒に均一に混在することができず、絞り部における圧力変動を十分に低減することができなかった。
また、従来C方法は、2段階に形成された絞り部間の圧力を中間圧力としているだけでは、減圧時に発生する運動エネルギを低減することはできるが、上流側の絞り部の流路が短いため、気液が交互に流入することに起因する流量変動を抑制する効果が小さい。このため、低騒音化しているものの「チュルチュル」音を回避することが困難であった。また、この従来C方法では、全閉時に2段の各絞り部を同時に全閉状態とすることが製作技術上困難であるので、全閉近傍状態においては両絞り部間を中間圧力に維持することが困難であった。
また、従来D方法は、絞り部における全流路面積が大きくなり、冷媒流量制御における分解能が粗くなる。また、これを避けるために流路を微小にするとごみ詰まりあるいは噛み込みが生じるという問題があった。
本発明は、上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであって、信頼性を損ねることなく、気液2相冷媒流が絞り部を通過することに伴う不連続な冷媒流動音と気液2相冷媒流が絞り部を通過することに伴う圧力変動に起因する振動音とを低減した膨張弁を提供することを目的とする。また、本発明は、この膨張弁を用いることにより膨張弁における冷媒通過音を低減した冷凍装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の課題解決手段に係る膨張弁は、次のように構成されている。すなわち、本発明に係る膨張弁は、弁本体と、弁本体内部に形成された冷媒流通路と、弁本体内に収納された棒状部材からなる弁体と、冷媒流通路に形成された第1絞り部と、冷媒流通路における第1絞り部の上流側に形成された第2絞り部とを有している。前記弁本体は、冷媒流通路における冷媒の流れを仕切る第1仕切壁と、冷媒流通路の第1仕切壁の上流側における冷媒の流れを仕切る第2仕切壁とを備え、さらに、第1仕切壁には第1弁孔が形成され、第2仕切壁には第2弁孔が形成されている。また、前記弁体は、外周面がテーパ状に形成され、かつ、このテーパ状の外周面が第1弁孔の弁座に当接し得る第1弁体部と、外周面が第2弁孔の内周面に対向する第2弁体部とを備えている。また、第1絞り部は、第1弁孔に対し第1弁体部を進退させることにより、第1弁孔と第1弁体部との間に、全閉可能かつ開度可変に形成されている。また、第2絞り部は、対向する第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面の何れか一方に螺旋溝が形成されることにより、この螺旋溝と第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面との間に形成される螺旋状の通路から形成されている。さらに、第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面のうちの少なくとも何れか一方は、弁体の先端部に向かって先細のテーパ状に形成されている。第1の課題解決手段に係る膨張弁は、以上の構成を特徴とする。ここで、第2弁体部の外周面及び第2弁孔の内周面は、螺旋溝が形成されている場合は、螺旋溝のねじ山の頂部を連ねた面をいうものとする。
上記第1の課題解決手段に係る膨張弁によれば、膨張弁入口側においてスラグ流あるいはプラグ流が発生した場合、第2絞り部を通過することにより気泡の細分化が行われ、第1絞り部への冷媒流れが連続化される。特に、第2絞り部を、第2弁体部の外周面と第2弁孔の内周面との間に形成された螺旋状の通路により形成しているので、第2絞り部の通路を長くすることができる。このように第2絞り部の通路が長くなると、気液2相流による圧力変動が抑制される。また、第2絞り部の通路が長くなると、冷媒流中の気泡は、長い螺旋状の通路を旋回しながら流れる間に細分化される。なお、このような細分化作用は冷凍負荷が少なく冷媒の流速が遅くなる場合にも十分に行われる。すなわち、冷凍負荷が少ない場合は、冷凍負荷の大きい場合に比し、第2絞り部が閉じられ、螺旋溝のネジ山とこのネジ山に対向する他方の面(第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面)との間隙、つまり螺旋溝の外側に形成される間隙が小さくなる。このため、この間隙を通過する冷媒の割合が減少し、螺旋状の通路内を流れる冷媒の割合が増加する。また、冷媒流速は遅くなるが螺旋状の通路が長いので、螺旋状の通路内における旋回流により気泡が十分に細分化される。一方、冷凍負荷が大きい場合は、第2絞り部が開かれ、螺旋溝のネジ山とこのネジ山に対向する他方の面との間隙、つまり螺旋溝の外側に形成される間隙が大きくなる。このため、この間隙を通過する冷媒の割合が増加し、螺旋状の通路内を流れる冷媒の割合が減少する。しかし、前記間隙を流れる冷媒の流速が大きくなるので、冷媒流の乱れが十分に大きくなり気泡細分化機能も十分に行われる。このようにして第2絞り部の気泡細分化機能及び圧力変動抑制効果により、第1絞り部への冷媒流れが連続化される。また、第2絞り部から第1絞り部へ直列的に冷媒を流通させることにより、第1絞り部における絞り量を少なくし、第1絞り部を通過する冷媒の運動エネルギを少なくしているので、第1絞り部における圧力変動を低減することができる。
このように作用する結果、液冷媒とガス冷媒が交互に第1絞り部を通過することに伴う不連続な冷媒流動音、いわゆる「チュルチュル」音、及び冷媒流の圧力変動に起因する振動音の低減が行われる。
また、第1の課題解決手段に係る膨張弁においては、第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面のうちの少なくとも何れか一方をテーパ面にしている。このため、螺旋溝のネジ山と第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面との間隙は、第1絞り部が最小開度の状態のときに第2絞り部が最大絞り状となってこの間隙が最も小さくなる。また、第1絞り部が開いて第2絞り部が全開に向かうとその間隙が大きくなる。したがって、第1絞り部が最小開度の状態のときに螺旋溝のネジ山と前記他方の面との間隙に噛み込んだゴミも、第1絞り部が開いて第2絞り部の開度が大きくなったときに、冷媒流により洗い流される。なお、仮に、第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面の双方が弁体の中心線に平行な面の場合には、次のような問題がある。すなわち、螺旋溝のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面との間隙は、第2絞り部を最小開度とする場合に必要とされる間隙に設定され、かつ、弁開度の大小に関係なく不変となる。したがって、螺旋溝のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面との間隙に噛み込んだゴミは除去されることなくそのまま堆積してしまう。また、この間隙にゴミが堆積し始めると、その付近の螺旋溝にもゴミが堆積され始め螺旋溝も塞がれてしまう。このため、弁体の動作不良や、第2絞り部のゴミ詰まりの問題が発生する。しかしながら、本発明の場合は、前述のようにゴミの堆積を回避することができるので、弁体の動作不良や、第2絞り部のゴミ詰まりなどの問題を発生しない。
また、第1の課題解決手段に係る膨張弁においては、第1絞り部を全閉可能としているので、第1絞り部を全閉するまで必要な絞り量を確保することができる。また、本発明では、従来A方法のように第1絞り部の上流側で冷媒流の速度を低下させて細い通路に流すようなことがないので、ごみ詰まりの問題が発生しない。
次に、本発明の第2の課題解決手段に係る膨張弁は、第1の課題解決手段の膨張弁と比較して、第1弁体部を第1弁孔に対向させて開度可変とした点、すなわち、第1絞り部を全閉可能としていない点でのみ、本発明の第1の課題解決手段に係る膨張弁と相違する。したがって、第1の課題解決手段と同様に、第2絞り部の気泡細分化機能及び圧力変動抑制効果により、第1絞り部への冷媒流れが連続化される。また、第2絞り部から第1絞り部へ直列的に冷媒を流通させることにより、第1絞り部における絞り量を少なくし、第1絞り部を通過する冷媒の運動エネルギを少なくしているので、第1絞り部における圧力変動を低減することができる。また、第2弁孔の内周面及び第2弁体部の外周面の少なくとも何れか一方をテーパ面に形成しているので、螺旋溝のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面との間隙にゴミが噛み込みによる弁体の動作不良や第2絞り部のゴミ詰まりの問題を回避することができる。
また、このような第1及び第2の課題解決手段に係る膨張弁において、前記第2弁体部の外周面及び第2弁孔の内周面の双方を、弁体の先端部に向かって先細のテーパ状に形成してもよい。一方だけをテーパ状にした場合は、第2絞り部の開度を大きくすると、螺旋溝のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面との間隙が大きくなるが、その変化量が大きくなる傾向にある。このため、螺旋状の通路の形状維持が困難となって気泡細分化効果を発揮できなくなる場合が生じ易い。これに対し上記のように構成すると、第2絞り部の開度を大きくしたときの螺旋溝のネジ山と前記他方の面との間隙の変化量を少なくすることができ螺旋状の通路の形状維持が容易となる。したがって、第2絞り部の開度を大きくしたときに螺旋状の通路が維持され、螺旋状の通路による気泡細分化効果を十分に発揮させることができる。
また、この場合において、第2弁体部の外周面及び第2弁孔の内周面は、同一テーパ角度のテーパ状に形成することが好ましい。このように構成すると、螺旋状の通路が弁開度により大きく変化することがなくなり、気泡細分化作用を安定的に行うことができる。
また、前記螺旋溝を第2弁体部の外周面に形成してもよい。このようにすると螺旋溝の加工が容易なる。
また、前記弁体は、棒状部材の先端部に第1弁体部を形成するとともに、棒状部材の中間部に第2弁体部を形成するようにしてもよい。このように構成すると、第2弁体部の外径を大きくすることができるので、螺旋状の通路を長くすることができ、第2絞り部における気泡細分化効果を向上させることができる。
また、前記第2絞り部から第1弁孔に至る冷媒通路における第1弁孔の入口側に拡大空間部を形成してもよい。このようにすると、第2絞り部通過後の冷媒流が拡大空間部においてさらに乱されるので、第1弁孔に流入する冷媒中の気泡をさらに細分化することができ、冷媒通過音及び振動音をさらに低減することができる。
また、前記第1及び第2の課題会解決手段に係る膨張弁において、弁体を構成する棒状部材の先端部に第1弁体部を形成し、その中間部に第2弁体部を形成するとともに、第2弁体部の外周面及び第2弁孔の内周面を弁体の先端部に向かって先細のテーパ面にする。そして、このように構成した膨張弁において、第2弁体部の上流側端部を、第2絞り部の最小から最大の何れの開度においても、第2弁孔内に位置するように構成することが好ましい。第2弁体部が第2弁孔の上流側に突出していると、第2絞り部における螺旋状の通路で気泡が細分化される前に、第2弁孔の上流側に突出している第2弁体部で冷媒流が乱される。しかし、この乱れは気泡の細分化には寄与せずに冷媒流れを乱すため、新たな騒音発生の要因を形成することになる。したがって、第2弁体部が第2弁孔の上流側に突出しないように形成することにより、より一層冷媒通過音を軽減することができる。
また、前記第1及び第2の課題会解決手段に係る膨張弁において、弁体を構成する棒状部材の先端部に第1弁体部を形成し、その中間部に第2弁体部を形成するとともに、第2弁体部の外周面及び第2弁孔の内周面を弁体の先端部に向かって先細のテーパ面にする。また、前記第2絞り部から第1弁孔に至る冷媒通路における第1弁孔の入口側部に拡大空間部を形成する。そして、このように構成した膨張弁において、第2弁体部の下流側端部を、第2絞り部の最小から最大の何れの開度においても、前記拡大空間部内に位置するように構成するのが好ましい。前述のように、第2絞り部から第1弁孔に至る冷媒通路における第1弁孔の入口側部に拡大空間部を形成した場合には、第2絞り部通過後の冷媒流が拡大部で乱されて、気泡の細分化がさらに進められる。ところが、螺旋溝下流側端部が第2弁孔内に位置するように形成されている場合は、第2弁孔から拡大空間部に流出する際の流れが急激に変動するため抵抗が大きくなり、新たな騒音発生要因を発生することになる。そこで、上記のように、螺旋溝の下流側端部を拡大空間部内に位置するように構成すると、螺旋状の通路で旋回流となっていた冷媒を拡大空間部内にスムーズに流入させることができるとともに、拡大空間内で2相流を掻き乱すことにより気泡を細分化することができる。この結果、冷媒通過音をより一層軽減することができる。
また、このように前記第2弁体部の上流側端部あるいは下流側端部を形成する場合において、螺旋溝は、第2弁体部の外周面に形成してもよい。この場合は、螺旋溝の加工が容易となる。
また、このように前記第2弁体部の上流側端部あるいは下流側端部を形成する場合において、前記第2弁体部のテーパ面及び前記第2弁孔のテーパ面を同一テーパ角度に形成することが好ましい。このように構成すると、螺旋状の通路が弁開度により大きく変化することがなくなり、気泡細分化作用を安定的に行うことができる。
また、このように前記第2弁体部の上流側端部あるいは下流側端部を形成する場合において、第1弁体部のテーパ面のテーパ角度を、第2弁孔のテーパ面のテーパ角度より大きくすることが好ましい。このようにすれば、弁体の進退に伴う第1絞り部の絞り効果の変化が第2絞り部のそれより大きくなる。
また、この場合における第2弁孔の内周面を成すテーパ面のテーパ角度は、略5度〜略60度とすることが好ましい。下限を略5度としたのは、第2絞り部が全開に向かうときに、螺旋溝のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁孔の内周面との間隙に噛み込んだゴミを除去可能とする下限の値である。また、上限を略60度としたのは、螺旋溝部分の必要長さから割り出された十分条件値である。
また、第1絞り部入口側における第1弁体部と第1弁孔との間隙を、第1絞り部及び第2絞り部の何れの開度においても、前記第2絞り部における第2弁体部と第2弁孔との最小間隙より小さくすることが好ましい。ここで、第1絞り部入口側における第1弁体部と第1弁孔との間隙とは、第1弁体部のテーパ面に垂直な方向で測ったこのテーパ面から第1弁孔の入口側角部までの距離をいう。また、第2絞り部における第2弁体部と第2弁孔との最小間隙とは、第2弁体部のテーパ面に垂直な方向で測ったこのテーパ面から第2弁孔のテーパ面までの距離のうちの最小距離をいう。この最小距離となる位置は、第2弁体部のテーパ面のテーパ角度と第2弁孔のテーパ面のテーパ角度と比較してどちらが大きいかにより異なってくる。すなわち、第2弁体部のテーパ面のテーパ角度が第2弁孔のテーパ面のテーパ角度より大きい場合は、第2弁体部のテーパ面の上流側端部の位置であり、小さい場合は第2弁孔の下流側端部の位置であり、同一の場合はいずれの位置でも同一となる。このようにすれば、第1絞り部の絞り効果を第2絞り部の絞り効果より大きくし、第1絞り部を主絞り部として作用させることができるとともに、第2絞り部を設けることに起因するゴミ詰まりの確率が高くなることもない。
また、前記弁体における前記第2弁体部の上流側に連結される連結部の直径は、前記第2弁体部における最大外周部の直径より小さくすることが好ましい。このように構成すれば、弁本体内部に流入する冷媒流がこの連結棒により阻害されて、第2絞り部に流入する前に乱されることが軽減されるので、冷媒通過音を大きくする要因を排除することができる。
また、この連結部と前記第2弁体部との間に、前記第2弁体部における最大外周部から前記連結部の外周部に向かってテーパ状に縮径する第2異径接合部が形成されていることが好ましい。このようにすると、弁本体内部に流入した冷媒流が第2絞り部に流入するまでの乱れがより少なくなる。したがって、冷媒通過音を大きくする要因をさらに排除することができる。
また、前記第2弁体部の下流側端部と前記第1弁体部の上流側端部との間に、前記第2弁体部から前記第1弁体部に向かってテーパ状に縮径する第1異径接合部が形成する。また、この第1異径接合部のテーパ角度を前記第1弁体部のテーパ状外周面のテーパ角度より大きくすることが好ましい。このような異径接合部を形成することにより、弁体の長さを長くすることなく、第1弁孔の大きさ及び第2弁孔の大きさをそれぞれに適した直径に形成することができる。
また、上記各膨張弁において、螺旋溝は、弁体の中心軸に平行に形成された面上にネジ切りして形成され、かつ、そのネジ山の頂部がカットされたものであって、カットされた頂部を連ねた面が略テーパ面を成すように形成する。そして、このテーパ面を第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面としてもよい。このように螺旋溝及びテーパ面を形成すると、第2絞り部の開度を小さくするにつれ、螺旋状の通路の断面積を小さくすることができる。したがって、第2絞り部の開度調整を螺旋溝の長さと螺旋溝の断面積の双方により制御することができ、弁体の進退に対する絞り効果を大きくすることができる。
また、上記の各膨張弁において、螺旋溝は、弁体の先端部に向かって先細のテーパ状に形成されたテーパ面上に形成してもよい。このようにすれば、テーパ面上に螺旋溝を形成することになるので、螺旋溝のネジ山の頂部を連ねた面を容易にテーパ面にすることができる。
また、前記第1弁孔を、弁座が第1弁孔周辺の第1仕切壁における上流側の壁面部から盛り上がる形状に形成してもよい。このように構成すると、第2絞り部から第1弁孔に流れる冷媒流が第1弁孔周辺に形成される旋回用空間部で第1弁孔に流入する冷媒流を上下方向に旋回させるので、この旋回流により第1弁孔に流入する冷媒中の気泡をさらに細分化することができ、冷媒通過音及び振動音を低減することができる。
また、上記の各膨張弁において、前記螺旋溝を、複数条の螺旋溝に形成してもよい。このようにすると、複数の螺旋状の通路から冷媒が噴出されるので、冷媒流が掻き乱されて気泡が細分化されやすくなりより一層冷媒流動音を低減することができる。また、複数条の螺旋溝とすると一部の螺旋溝にゴミ詰まりを生じても他の螺旋溝を通じて冷媒を流通させることができるので、螺旋溝のゴミ詰まりに対する信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る冷凍装置は、上記膨張弁を用いたことを特徴とする。この冷凍装置では膨張弁における冷媒通過音を低減し静粛な運転を行うことができる。
本発明によれば、螺旋状の通路からなる第2絞り部により第1絞り部入口側の気液2相冷媒流中の気泡を細分化するとともに気液2相冷媒流の圧力変動を抑制する。このため、液冷媒とガス冷媒が交互に第1絞り部を通過することに伴う不連続な冷媒流動音、いわゆる「チュルチュル」音を低減することができる。また、液冷媒とガス冷媒とが交互に第1絞り部を通過することに伴う冷媒流の圧力変動を低減し、この圧力変動に起因する振動音を低減することができる。また、第2絞り部を螺旋状の通路により形成しているので、冷媒流量の少ないときでも不連続な冷媒流動音及び振動音を低減することができる。また、第2絞り部は、第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面の何れか一方をテーパ面にしているので、第2絞り部のゴミ詰まりを回避することができる。また、第1絞り部を全閉可能としているので、全閉に至るまで必要な絞り量を確保することができる。また、このような膨張弁を利用した冷凍装置では膨張弁における冷媒通過音を低減し静粛な運転を行うことができる。
以下に、この発明を具体化した角実施の形態に係る膨張弁を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において上下左右方向をいうときは、各図における上下左右方向をいうものとする。また、各実施の形態に係る膨張弁は、例えば前述の図14に示したような冷媒回路に使用するものであって、各図においては白抜き矢印により冷媒の流れ方向を示している。また、各実施の形態の説明においては、パルスモータなどの弁体駆動部については、図示及びその説明を省略する。
(実施の形態1)
この発明を具体化した実施の形態1に係る膨張弁を図1及び図2に基づいて説明する。
図1に示すように、この膨張弁は、弁本体1と、弁本体1内に形成された冷媒流通路2と、弁本体1内に収納された弁体3とを備えている。弁本体1は、中心軸を上下方向とする略円筒状に形成され、内部には上下方向の冷媒流通路2が形成されている。また、弁本体1、冷媒流通路2に繋がる出入口として入口ポート1aと出口ポート1bの二つのポートを備えている。入口ポート1aは弁本体1の側壁に設けられ、出口ポート1bは弁本体1の下部に設けられている。したがって、冷媒は、弁本体1内において上方から下方に流れるように構成されている。なお、入口ポート1aには、室外コイルと膨張弁とを接続する液管10が接続され、出口ポート1bには、膨張弁と室内コイルとを連絡する配管11が接続されている。
また、弁本体1の内部に第1絞り部4と第2絞り部5とを形成するために、冷媒流通路2の出口側で冷媒流れを仕切るように形成された冷媒流れ方向の壁高さの小さい第1仕切壁6と、冷媒流通路2の中間部で冷媒流れを仕切るように形成された冷媒流れ方向の壁高さの大きい第2仕切壁7とが形成されている。また、第2仕切壁7には孔径の小さい第1弁孔8が形成され、第1仕切壁6には孔径の大きい第2弁孔9が形成されている。また、第2弁孔9の内周面は第1弁孔8に向かって(すなわち冷媒流れ方向に向かって)孔径が小さくなるテーパ面に形成されている。
弁体3は、弁本体1と同心に配した棒状部材である。より詳しくは、弁体3は、上部には断面円形の連結部12を有し、連結部12の下方に第2絞り部5を構成する第2弁体部14が形成され、その下方に第1絞り部4を構成する第1弁体部13が形成されている。連結部12は、図示していないパルスモータ等の駆動部の動作を、第1弁体部13及び第2弁体部14に伝達して、これら第1弁体部13及び第2弁体部14を進退させるものである。
第1弁体部13は、弁体3の先端部に形成されており、外周をテーパ面とする円錐体状に形成されている。第2弁体部14は、外周面に第2絞り部5を構成する螺旋溝15が形成されている。この螺旋溝15は、第2弁体部14をテーパ状の外周面を有する円錐体状に形成した後、このテーパ状の外周面上に螺旋溝15がネジ切りされて形成されたものである。このように形成することにより螺旋溝15のネジ山の頂部を連ねる面、すなわち、第2弁体部14の外周面がテーパ面に形成されている。また、このテーパ面の弁体3の中心軸に対する角度は、第1弁体部13の外周面に形成されるテーパ面の弁体3の中心軸に対する角度より小さく形成されている。
第1絞り部4は、第1弁孔8の弁座(上端角部)に対し第1弁体部13を上下方向に進退させることにより、第1弁体部13の表面と上記弁座との間に開度可変、かつ全閉可能な絞り通路を形成したものである。
また、第2絞り部5は、第2弁体部14の外周面と、第2弁孔9の内周面と、これらの面間に形成された螺旋状の通路16とからなる。螺旋状の通路16は、第2弁体部14の外周面に形成された螺旋溝15が第2弁孔9のテーパ状の内周面で覆われることにより形成される。なお、第2弁体部の外周面のテーパ角度は、第2弁孔9の内周面を形成するテーパ面のテーパ角度と等しく形成されている。
実施の形態1の膨張弁において、入口ポート1aから流入した液冷媒は、第2絞り部5において減圧され、第1絞り部4においてさらに減圧される。第1絞り部4で減圧された冷媒は出口ポート1bから配管系に流出する。
実施の形態1の膨張弁は以上のごとく形成されているので次のような作用効果を奏する。
(1)入口ポート1aからスラグ流あるいはプラグ流が流入してきた場合、第2絞り部5を通過することにより気泡の細分化が行われ、第1絞り部4への冷媒流れが連続化される。特に、第2絞り部5を、第2弁体部14の外周面と第2弁孔9の内周面との間に形成された螺旋状の通路16により形成しているので、第2絞り部5の通路を長くすることができる。このように第2絞り部5の通路が長くなると、気液2相流による圧力変動が抑制される。また、第2絞り部5の通路が長くなることにより、冷媒流中の気泡が、長い螺旋状の通路16を旋回しながら流れる間に細分化される。なお、このような細分化作用は冷凍負荷が少なく冷媒の流速が遅くなる場合にも十分に行われる。すなわち、冷凍負荷が少ない場合は、冷凍負荷の大きい場合に比し、第2絞り部が開度を小さくするように閉じられ、螺旋溝15のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁孔9の内周面との間隙、つまり螺旋溝15の外側の間隙が小さくなる。このため、この間隙を通過する冷媒の割合が減少し、螺旋状の通路16に流れる冷媒の割合が増加する。また、冷媒流速は遅くなるが、螺旋状の通路が長いので螺旋状の通路16内における旋回流により気泡が十分に細分化される。一方、冷凍負荷が大きい場合は、第2絞り部5が開かれ、螺旋溝15のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁孔9の内周面との間隙、つまり螺旋溝15の外側の間隙が大きくなる。このためこの間隙を通過する冷媒の割合が増加し、螺旋状の通路16に流れる冷媒の割合が減少する。しかし前記間隙を流れる冷媒の流速が大きいので、冷媒流の乱れが十分に大きくなり気泡細分化機能も十分に行われる。このようにして第2絞り部5の気泡細分化機能及び圧力変動抑制効果により、第1絞り部4への冷媒流れが連続化される。
(2)また、第2絞り部5から第1絞り部4へ直列的に冷媒を流通させることにより、第1絞り部4における絞り量を少なくし、第1絞り部4を通過する冷媒の運動エネルギを少なくしているので、第1絞り部4における圧力変動を低減することができる。
(3)また、第1絞り部を全閉可能としているので、第1絞り部を全閉するまで必要な絞り量を確保することができる。また、従来A方法のように第1絞り部4の上流側で冷媒流の速度を低下させて細い通路に流すようなことがないので、ごみ詰まりの問題が発生しない。
(4)また、第2弁体部14の外周面と第2弁孔9の内周面の双方ともを、弁体3の先端部に向かって先細のテーパ状に形成しているので、次のような利点がある。すなわち、一方だけをテーパ状にした場合は、第2絞り部5の開度を大きくすると、螺旋溝15のネジ山と第2弁孔9の内周面との間隙が大きくなり、その変化量が大きくなる傾向にある。このため、螺旋状の通路16の螺旋形状の維持も困難となって、気泡細分化効果を発揮できなくなる場合が生じ易い。これに対し本実施の形態の場合には、第2絞り部5の開度を大きくしたときの螺旋溝15のネジ山と第2弁孔9の内周面との間隙の変化量を少なくすることができ、螺旋状の通路16の形状維持が容易となる。したがって、第2絞り部5の開度を大きくしたときに螺旋状の通路16が維持され、螺旋状の通路16による気泡細分化効果を十分に発揮させることができる。
(5)また、第2弁体部14の外周面及び第2弁孔9の内周面は、同一テーパ角度のテーパ状に形成されているので、螺旋状の通路が弁開度により大きく変化することがなくなり、気泡細分化作用を安定的に行うことができる。
(6)また、螺旋溝15を弁体3の第2弁体部14の外周面に形成しているので、螺旋溝15の加工が容易である。
(7)また、弁体3は、棒状部材の先端部に第1弁体部13を形成するとともに、棒状部材の中間部に第2弁体部14を形成し、螺旋溝15をこの第2弁体部14の外周面に形成しているので、第2弁体部14の外径を大きくすることができる。したがって、螺旋状の通路16を長くすることができ、第2絞り部5における気泡細分化効果を向上させることができる。
(実施の形態2)
次に、この発明を具体化した実施の形態2に係る膨張弁を図2に基づいて説明する。なお、図2は実施の形態2に係る膨張弁の要部縦断面図である。
実施の形態2に係る膨張弁は、例えば前述の図14に示したような冷媒回路に使用するものであるが、実施の形態1の場合と異なり、弁本体21内における冷媒の流れを逆方向として構成したものである。
すなわち、図2に示すように、この膨張弁は、弁本体21と、弁本体21内に形成された冷媒流通路22と、弁本体21内に収納された弁体23とを備えている。弁本体21は、中心軸を上下方向とする略円筒状に形成され、内部には上下方向の冷媒流通路22が形成されている。また、弁本体1、冷媒流通路22に繋がる出入口として入口ポート21aと出口ポート21bの二つのポートを備えている。入口ポート21aは弁本体21の下部に設けられ、出口ポート21bは弁本体21の側壁部に設けられている。したがって、冷媒は、弁本体21内において下方から上方に向けて流れるように構成されている。なお、入口ポート21aには、室外コイルと膨張弁とを接続する液管30が接続され、出口ポート21bには、膨張弁と室内コイルとを連絡する配管31が接続されている。
また、弁本体21は、内部に第1仕切壁26と第2仕切壁27とを有する。第1仕切壁26は、第1絞り部24と第2絞り部25とを形成するために冷媒流通路22の中間部で冷媒流れを仕切るように形成されたものであって、冷媒流れ方向に壁高さを有する。第2仕切壁27は、冷媒流通路22の下部(この場合入口ポート21a側)に冷媒流れを仕切るように形成されたものであって、冷媒流れ方向に壁高さを有する。また、第1仕切壁26には孔径の大きい第1弁孔28が形成され、第2仕切壁27には孔径の小さい第2弁孔29が形成されている。また、第2弁孔29の内周面は冷媒通路の入口側に向かって(すなわち冷媒流れ方向と逆方向に向かって)孔径が小さくなるテーパ面に形成されている。
弁体23は、弁本体21と同心に配した略円柱体状の棒状部材である。より詳しくは、弁体23は、上部には断面円形の弁体部32を有し、弁体部32の下方には外周をテーパ面とする円錐体状の第1弁体部33を有している。第1弁体部33に連続してその下方に第2絞り部25を構成する第2弁体部34を有している。第2弁体部34の外周面には、第2絞り部5を構成する螺旋溝35が形成されている。この螺旋溝35は、第2弁体部34をテーパ状の外周面を有する円錐体状に形成した後、このテーパ状の外周面上に螺旋溝35がネジ切りされて形成されたものである。このように形成することにより螺旋溝35のネジ山の頂部を連ねる面、すなわち、第2弁体部34の外周面がテーパ面に形成されている。また、このテーパ面のテーパ角度は、第1弁体部33の外周面に形成されるテーパ面のテーパ角度より小さく形成されている。また、この弁体23は図示しないパルスモータを駆動源として上下に駆動制御されるように構成されている。
第1絞り部24は、第1弁孔28の弁座(上端角部)に対し第1弁体部33を上下方向に進退させることにより、第1弁体部33の表面と上記弁座との間に開度可変、かつ全閉可能な絞り通路を形成したものである。
また、第2絞り部25は、第2弁体部34の外周面と、第2弁孔29の内周面と、これらの面間に形成された螺旋状の通路36とからなる。螺旋状の通路36は、第2弁体部34の外周面に形成された螺旋溝35が第2弁孔29のテーパ状の内周面で覆われることにより形成される。なお、螺旋溝35のネジ山の頂部を連ねるテーパ面のテーパ角度は、第2弁孔29の内周面を形成するテーパ面のテーパ角度と等しく形成されている。
実施の形態2の膨張弁において、入口ポート21aから流入した液冷媒は、第2絞り部25において減圧され、第1絞り部24においてさらに減圧される。第1絞り部24で減圧された冷媒は出口ポート21bから配管系に流出する。なお、第2絞り部25の減圧量は第1絞り部24における減圧量より小さくなるように螺旋状の通路36の断面積及び長さが設定されている。
実施の形態2の膨張弁は以上のごとく形成されているので、実施の形態1の場合と同様
に次のような作用効果を奏する。
(1)入口ポート21aからスラグ流あるいはプラグ流が流入してきた場合、第2絞り部25を通過することにより気泡の細分化が行われ、第1絞り部24への冷媒流れが連続化される。この場合、第2絞り部25を、第2弁体部34の外周面と第2弁孔29の内周面との間に形成された螺旋状の通路36により形成しているので、第2絞り部25の通路が実施の形態1の場合より短くなるが、従来のもの比して長くすることができる。このように第2絞り部25の通路が長くなると、気液2相流による圧力変動が抑制される。また、第2絞り部5の通路が長くなることにより、冷媒流中の気泡は、螺旋状の通路36を旋回しながら流れる間に細分化される。なお、このような細分化作用は冷凍負荷が少なく冷媒の流速が遅くなる場合にも十分に行われる。すなわち、冷凍負荷が少ない場合は、冷凍負荷の大きい場合に比し、第2絞り部25が開度を小さくするように閉じられ、螺旋溝35のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁孔29の内周面との間隙、つまり螺旋溝15の外側の間隙が小さくなる。このため、この間隙を通過する冷媒の割合が減少し、螺旋状の通路36に流れる冷媒の割合が増加する。また、冷媒流速は遅くなるが螺旋状の通路36が長いので、螺旋状の通路36内における旋回流により気泡が十分に細分化される。一方、冷凍負荷が大きい場合は、第2絞り部25が開かれ、螺旋溝35のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁孔29の内周面との間隙、つまり螺旋溝15の外側の間隙が大きくなる。このため、この間隙を通過する冷媒の割合が増加し、螺旋状の通路36に流れる冷媒の割合が減少する。しかし、前記間隙を流れる冷媒の流速が大きいので、冷媒流の乱れが十分に大きくなり気泡細分化機能も十分に行われる。このようにして第2絞り部の気泡細分化機能により、第1絞り部24への冷媒流れが連続化される。
(2)また、第2絞り部25から第1絞り部24へ直列的に冷媒を流通させることにより、第1絞り部24における絞り量を少なくし、第1絞り部24を通過する冷媒の運動エネルギを少なくしているので、第1絞り部24における圧力変動を低減することができる。
(3)また、第1絞り部を全閉可能としているので、第1絞り部を全閉するまで必要な絞り量を確保することができる。また、従来A方法のように第1絞り部24の上流側で冷媒流の速度を低下させて細い通路に流すようなことがないので、ごみ詰まりの問題が発生しない。
(4)また、第2弁体部14の外周面と第2弁孔29の内周面の双方を、弁体3の先端部に向かって先細のテーパ状に形成しているので、次のような利点がある。すなわち、一方だけをテーパ状にした場合は、第2絞り部25の開度を大きくすると、螺旋溝35のネジ山と第2弁孔29の内周面との間隙が大きくなるが、その変化量が大きくなる可能性がある。このため、螺旋状の通路36の螺旋形状維持が困難となって気泡細分化効果を発揮できなくなる場合が生じ易い。これに対し本実施の形態の場合には、第2絞り部25の開度を大きくしたときの螺旋溝35のネジ山と第2弁孔29の内周面との間隙の変化量を少なくすることができ螺旋状の通路36の形状維持が容易となる。したがって、第2絞り部25の開度を大きくしたときに螺旋状の通路36が維持され、螺旋状の通路36による気泡細分化効果を十分に発揮させることができる。
(5)また、螺旋溝35を弁体23の第2弁体部34の外周面に形成しているので、螺旋溝の加工が容易である。
(実施の形態3)
次に、この発明を具体化した実施の形態3に係る膨張弁を図3に基づいて説明する。なお、図3は実施の形態3に係る膨張弁の要部縦断面図である。また、実施の形態1における構成要素と同一又はこれに相当する要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態3は、実施の形態1の膨張弁において、第2絞り部5から第1弁孔8に至る冷媒通路における第1弁孔8の入口側部に拡大空間部41を形成したものである。なお、他の構成は実施の形態1と同一である。
実施の形態3は以上のように構成されているので、実施の形態1の作用効果に加えて次の作用効果を奏する。すなわち、実施の形態3の膨張弁によれば、第2絞り部5通過後の冷媒流が拡大空間部41においてさらに乱されるので、第1弁孔8に流入する冷媒中の気泡をさらに細分化することができ、冷媒通過音及び振動音をさらに低減することができる。
(実施の形態4)
次に、この発明を具体化した実施の形態4に係る膨張弁を図4に基づいて説明する。なお、図4は実施の形態4に係る膨張弁の要部縦断面図である。また、実施の形態1における構成要素と同一又はこれに相当する要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態4は、実施の形態1の膨張弁において、第1弁孔8を、弁座(第1弁孔の上端角部)44が第1弁孔8周辺の第1仕切壁6の水平の壁面部から盛り上がる形状に形成され、冷媒流れを下方から上方に旋回させる旋回用空間部45を形成したものである。なお、他の構成は実施の形態1と同一である。
実施の形態4は以上のように構成されているので、実施の形態1の作用効果に加えて次の作用効果を奏する。すなわち、実施の形態4の膨張弁によれば、第2絞り部5から第1弁孔8に流れる冷媒流が第1弁孔8周辺に形成された旋回用空間部45において上下方向に旋回流を発生させるので、この旋回流の発生により第1弁孔8に流入する冷媒中の気泡をさらに細分化することができ、さらに、冷媒通過音及び振動音を低減することができる。
(実施の形態5)
次に、この発明を具体化した実施の形態5に係る膨張弁を図5に基づいて説明する。なお、図5は実施の形態5に係る膨張弁の要部縦断面図である。また、実施の形態1における構成要素と同一又はこれに相当する要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態5は、実施の形態1の膨張弁においては、第2弁体部14に螺旋溝15を形成し、第2弁孔9の外周面を滑らかなテーパ面としていたものを逆の構成となるように変更したものである。すなわち、実施の形態5においては、第2弁体部54の外周面を滑らかなテーパ面とし、第2弁孔53の内周面に螺旋溝55を形成したものである。したがって、この場合は、螺旋溝55の開口部を第2弁体部54の外周テーパ面が覆うことにより螺旋状の通路56が形成されている。このように形成されたものは、実施の形態1の場合と同様の作用効果を奏することができる。なお、上記以外の構成は実施の形態1と同一である。
(実施の形態6)
次に、この発明を具体化した実施の形態6に係る膨張弁を図6に基づいて説明する。なお、図6は実施の形態6に係る膨張弁の要部縦断面図である。また、実施の形態2における構成要素と同一又はこれに相当する要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態6は、実施の形態2の膨張弁においては、第2弁体部34に螺旋溝15を形成し第2弁孔29の外周面を滑らかなテーパ面としていたものを逆の構成となるように変更したものである。すなわち、実施の形態6においては、第2弁体部64の外周面を滑らかなテーパ面とし、第2弁孔63の内周面に螺旋溝65を形成したものである。したがって、この場合は、螺旋溝65の開口部を第2弁体部64の外周テーパ面が覆うことにより螺旋状の通路66が形成されている。このように形成されたものは、実施の形態2の場合と同様の作用効果を奏することができる。なお、上記以外の構成は実施の形態1と同一である。
(実施の形態7)
次に、この発明を具体化した実施の形態7に係る膨張弁を図7に基づいて説明する。なお、図7は実施の形態7に係る膨張弁の要部縦断面図である。また、実施の形態1における構成要素と同一又はこれに相当する要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態7は、実施の形態1の膨張弁においては、第2弁体部14に形成する螺旋溝15の構成を変更したものである。すなわち、実施の形態7においては、螺旋溝72を形成する第2弁体部71の螺旋溝72加工前の外周面を弁体3の中心線と平行に形成し、螺旋溝72をこの面上に形成した後ネジ山の頂部をカットすることにより螺旋溝72のネジ山の頂部を連ねた面すなわち、第2弁体部75の外周面を、略テーパ面にしたものである。したがって、この実施の形態においては、螺旋溝72と第2弁孔9の内周面とで構成される螺旋状の通路73は弁体3の先端部にいくに従い浅く、小さくなっている。なお、他の構成は実施の形態1と同一である。
実施の形態7は以上のように構成されているので、実施の形態1の作用効果に加えて次の作用効果を奏する。すなわち、実施の形態7の膨張弁によれば、第2絞り部5の開度が小さくなるにつれ螺旋状の通路73の断面積が小さくなる。したがって、第2絞り部5の開度調整を螺旋溝72の長さと螺旋溝72の断面積の双方により制御することができ、弁体3の進退に対する絞り効果を大きくすることができる。なお、このように形成されたものは、実施の形態1の場合と同様の作用効果を奏することができる。
(実施の形態8)
次に、この発明を具体化した実施の形態8に係る膨張弁を図8に基づいて説明する。なお、図8は実施の形態8に係る膨張弁の要部縦断面図である。また、この図面には実施の形態2における構成要素と同一又はこれに相当する要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態8は、実施の形態2の膨張弁においては、第2弁体部34に形成する螺旋溝35の構成を変更したものである。すなわち、実施の形態8においては、螺旋溝76を形成する第2弁体部75の螺旋溝76加工前の外周面を弁体23の中心線と平行に形成し、螺旋溝76をこの面上に形成した後ネジ山の頂部をカットすることにより螺旋溝76のネジ山の頂部を連ねた面、すなわち、第2弁体部34の外周面を、略テーパ面にしたものである。したがって、この実施の形態においては、螺旋溝76と第2弁孔29の内周面とで構成される螺旋状の通路77は弁体23の先端部にいくに従い浅く、小さくなっている。なお、他の構成は実施の形態2と同一である。
実施の形態8は以上のように構成されているので、実施の形態2の作用効果に加えて次の作用効果を奏する。すなわち、実施の形態8の膨張弁によれば、第2絞り部25の開度が小さくなるにつれ螺旋状の通路77の断面積が小さくなる。したがって、第2絞り部25の開度調整を螺旋溝76の長さと螺旋溝76の断面積の双方により制御することができ、弁体23の進退に対する絞り効果を大きくすることができる。なお、このように形成されたものは、実施の形態2の場合と同様の作用効果を奏することができる。
(実施の形態9)
次に、この発明を具体化した実施の形態9に係る膨張弁を図9に基づいて説明する。なお、図9は実施の形態9に係る膨張弁の要部縦断面図である。また、この図面には実施の形態1における構成要素と同一又はこれに相当する要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態9は、実施の形態1の膨張弁においては、第2弁体部14の外周面とこの螺旋溝15に対向する第2弁孔9の内周面とをテーパ面にしていた。これに対し、実施の形態9ではこのうちの第2弁孔81の内周面を弁体3の中心線と平行な面に形成し、螺旋溝15と第2弁孔81の内周面との間に螺旋状の通路82を形成したものである。なお、他の構成は実施の形態1と同一である。
実施の形態9はこのように構成されているので、螺旋溝15のネジ山と第2弁孔81の内周面との間隙、つまり螺旋溝15の外側の間隙は、第1絞り部4が最小開度の状態のときに第2絞り部5の開度が最も小さく、第1絞り部4が開いて第2絞り部5が全開に向かうにつれ大きくなる。したがって、この場合も、実施の形態1の場合と同様に、第1絞り部が最小開度の状態のときに第2絞り部が最大絞り状態となって螺旋溝15のネジ山と第2弁孔81の内周面との間隙に噛み込んだゴミも、第1絞り部4が開いて第2絞り部5の開度が大きくなったときに、冷媒流により洗い流される。なお、実施の形態1の場合と比較すると、第2絞り部5の開度を大きくしたときに、螺旋溝15のネジ山と第2弁孔81の内周面との間隙が大きくなるが、その変化量が大きくなりすぎる可能性があり、螺旋状の通路82の形状維持が困難となって気泡細分化効果を発揮できなくなる場合が生じ易いという点で劣る。
(実施の形態10)
次に、この発明を具体化した実施の形態10に係る膨張弁を図10に基づいて説明する。なお、図10は実施の形態10に係る膨張弁の要部縦断面図である。また、この図面には実施の形態1における構成要素と同一又はこれに相当する要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態10は、実施の形態1の膨張弁においては、第2弁体部14の外周面とこの螺旋溝15に対向する第2弁孔9の内周面とをテーパ面にしていたが、実施の形態10ではこのうちの第2弁体部14の外周面を弁体3の中心線と平行な面に形成したものである。すなわち、図10において、螺旋溝86は、第2弁体部85の外周面を弁体3の中心線に平行なストレートの面にして、通常の加工方法によりこの面上に螺旋溝86を形成したものである。なお、他の構成は実施の形態2と同一である。
実施の形態10はこのように構成されているので、螺旋溝86のネジ山と第2弁孔83の内周面との間隙は、第2絞り部5が最小開度の状態のときに最も小さく、第2絞り部5が全開に向かうにつれ大きくなる。したがって、この場合も実施の形態9の場合と同様に、第2絞り部5が最小開度の状態のときに螺旋溝86のネジ山と第2弁孔83の内周面との間隙に噛み込んだゴミが、第2絞り部5の開度が大きくなったときに冷媒流により洗い流される。また、この実施の形態10の場合も、実施の形態1の場合と比較すると、第2絞り部5の開度を大きくしたときに、螺旋溝86のネジ山と第2弁孔83の内周面との間隙、つまり螺旋溝15の外側の間隙が大きくなるが、その変化量が大きくなる可能性がある。このため、螺旋状の通路87の形状維持が困難となって気泡細分化効果を発揮できなくなる場合が生じ易いという点で劣る。
(実施の形態11)
次に、この発明を具体化した実施の形態11に係る膨張弁を図11〜図13に基づいて説明する。なお、図11は実施の形態11に係る膨張弁の要部縦断面図であって、最小開度の状態を示す。図12は、同膨張弁の要部縦断面図であって、最大開度の状態を示す。図13は、同膨張弁の要部拡大縦断面図である。また、この図面には実施の形態3における構成要素と同一又はこれに相当する要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態11は、上記実施の形態3をさらに改善したものである。この実施の形態の膨張弁においては、実施の形態3の場合と同様に、第2絞り部5から第1弁孔8に至る冷媒通路における第1弁孔8の入口側部に拡大空間部41を形成している。しかし、第1絞り部4、第2絞り部5及び連結部12などの詳細において、実施の形態3とは異なる。以下これを具体的に説明する。
この実施の形態11においては、図13に示すように、第2弁体部14の外周面に形成するテーパ面のテーパ角度α1と、第2弁孔9を形成するテーパ面のテーパ角度α2とが同一角度に形成されている。なお、第2弁孔9を形成するテーパ面のテーパ角度α2は、略5度〜略60度に形成されている。テーパ角度α2の下限を5度とするのは、第2絞り部5が全開に向かうときに、螺旋溝15のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁孔9の内周面との間隙に噛み込んだゴミを除去可能とする下限の値である。また、上限を略60度としたのは、螺旋溝15部分の必要長さから割り出された十分条件値である。なお、この実施の形態では、テーパ角度α1及びテーパ角度α2は約25度である。
また、螺旋溝15が形成された第2弁体部14の上流側端部は、第2絞り部5の最小開度(図11の状態)から最大開度(図12の状態)の何れにおいても、第2弁孔9内に位置するように構成されている。すなわち、第2弁体部14の上流側端部の位置X1は、第2絞り部5の最小から最大の何れの開度においても、第2弁孔9の上流側端部の位置Y1の位置より下方となるように形成されている(図11〜13参照)。
また、第2弁体部14の上流側端部は、第2異径接合部91を介して連結部12に連結されている。連結部12の直径d2は、第2弁体部14における最大外周部の直径d1より小さく形成されている。また、第2異径接合部91は、第2弁体部14における最大外周部を連結部12へテーパ状に滑らかに接続するものであって、第2弁体部14における最大外周部から連結部12の外周面に向かってテーパ状に縮径する形状に形成されている。
また、第2弁体部14の下流側端部は、第2絞り部5の最小開度(図11の状態)から最大開度(図12の状態)の何れにおいても拡大空間部41内に位置するように構成されている。すなわち、第2弁体部14の下流側端部の位置X2は、第2絞り部5の最小から最大の何れの開度においても、第2弁孔9の下流側端部の位置Y2の位置より下方となるように形成されている(図11〜13参照)。
また、第1弁体部13は、実施の形態3の場合と同様に、外表面が下流側に向かって縮径するテーパ面に形成されている。また、このテーパ面のテーパ角度β1は、前述の第2弁孔9の内周面を成すテーパ面のテーパ角度α2より大きく形成されている。また、螺旋溝15を形成する第2弁体部14の下流側端部と第1弁体部13のテーパ状外周面の上部との間に、第2弁体部14から第1弁体部13のテーパ状の外周面に向かってテーパ状に縮径する第1異径接合部92が形成されている。また、この第1異径接合部92のテーパ角度β2は、第1弁体部13のテーパ面のテーパ角度β1より大きく形成されている(図13参照)。
また、第1絞り部4入口側における第1弁体部13と第1弁孔8との間隙S1を、第2絞り部5における第2弁体部14と第2弁孔9との最小間隙S2より小さくしている。第1絞り部4入口側における第1弁体部13と第1弁孔8との間隙S1とは、図13に図示するように、第1弁体部13のテーパ面に垂直な方向で測った、このテーパ面から第1弁孔8の入口側角部までの距離をいう。また、第2絞り部5における第2弁体部14と第2弁孔9との最小間隙S2とは、図13に図示するように、第2弁体部14のテーパ面に垂直な方向で測った、このテーパ面から第2弁孔9のテーパ面までの距離のうちの最小距離をいう。この最小距離となる位置は、第2弁体部14のテーパ面のテーパ角度α1と第2弁孔9のテーパ面のテーパ角度α2と比較してどちらが大きいかにより異なってくる。なお、この実施の形態では両者同一角であるので、図9に図示するように、第2弁体部14の上流側端部の位置X1から第2弁孔9の下流側端部の位置X2の何れの位置で測っても同一となる。
実施の形態11に係る膨張弁は以上のように構成されているので、実施の形態3の効果に加えて、次のような効果を奏することができる。
(1)螺旋溝15が形成された第2弁体部14の上流側端部が第2弁孔9の上流側に突出していると、第2絞り部5における螺旋溝15により形成される螺旋状の通路16で気泡が細分化される前に、第2弁孔9の上流側に突出している第2弁体部14で冷媒流が乱される。これは、気泡細分化前に新たな冷媒通過音を発生する要因になる。しかし、この実施の形態に係る膨張弁では、第2弁体部14の上流側端部が、第2絞り部5の最小から最大の何れの開度においても第2弁孔9内に位置しているので、このような乱れを解消することができる。
(2)螺旋溝15が形成された第2弁体部14の下流側端部が第2弁孔9内に位置するように形成されている場合は、第2弁孔9から拡大空間部41に流出する際の流れが急激に変動するため抵抗が大きくなり、新たな騒音発生要因を発生することになる。しかし、この実施の形態に係る膨張弁では、第2弁体部14の下流側端部を、第2絞り部5の最小から最大の何れの開度においても前記拡大空間部41内に位置するように構成しているので、螺旋状の通路16で旋回流となっていた冷媒を拡大空間部41内にスムーズに流入させることができる。この結果、拡大空間部41内で2相流を掻き乱すことにより気泡を細分化することができ、冷媒通過音をより一層軽減することができる。
(3)この実施の形態に係る膨張弁では、第2弁体部14の外周面のテーパ面及び前記第2弁孔9内周面のテーパ面を、弁体3の進退方向の下流側に向かって縮径する同一テーパ角度としている。したがって、螺旋状の通路16が弁開度により大きく変化することがなく、気泡細分化作用を安定的に行うことができる。
(4)第1弁体部13における外周面を構成するテーパ面のテーパ角度β1を第2弁孔9の内周面を成すテーパ面のテーパ角度α2より大きくしているので、弁体3の進退に伴う第1絞り部4の絞り効果の変化が第2絞り部5のそれより大きくすることができる。
(5)この実施の形態に係る膨張弁では、第2弁孔9の内周面を成すテーパ面のテーパ角度α2は、略5度〜略60度としている。螺旋溝15のネジ山とこのネジ山に対向する第2弁孔9の内周面との間隙に噛み込んだゴミを除去することが可能である。また、螺旋溝15部分の長さを十分に取ることができる。
(6)また、第1絞り部4の入口側における第1弁体部13と第1弁孔8との間隙S1を、第1絞り部4及び第2絞り部5の何れの開度においても、第2絞り部5における第2弁体部14と第2弁孔9との最小間隙S2より小さくしているので、第1絞り部4の絞り効果を第2絞り部5の絞り効果より大きくすることができる。したがって、第1絞り部4を主絞り部とし、第2絞り部5を気泡細分化効果に最適なものとして設計することができるとともに、第2絞り部5を設けることに起因するゴミ詰まりの確率が高くなることもない。
(7)弁体3における第2弁体部14の上流側に連結される連結部12の直径d2を、前記第2弁体部14における最大外周部の直径d1より小さくしているので、弁本体1の内部に流入する冷媒流がこの連結部12により阻害されて、第2絞り部5に流入する前に乱されることが軽減される。したがって、冷媒通過音を大きくする要因を排除することができる。
(8)連結部12と第2弁体部14との間には、第2弁体部14における最大外周部から連結部12の外周部に向かってテーパ状に縮径する第2異径接合部91を形成しているので、弁本体1内部に流入した冷媒流が第2絞り部5に流入するまでの乱れがより少なくなる。したがって、冷媒通過音を大きくする要因をさらに排除することができる。
(9)第2弁体部14の下流側端部と第1弁体部13のテーパ状外周面の上部との間に、第2弁体部14から第1弁体部13のテーパ状外周面に向かってテーパ状に縮径する第1異径接合部92を形成している。また、第1異径接合部92のテーパ角度β2を、第1弁体部13のテーパ状外周面のテーパ角度β1より大きくしている。このように構成することにより、第1弁孔8の大きさ及び第2弁孔9大きさをそれぞれに適した大きさに容易に設計することができる。
(変形例)
この発明は、次のように変更して具体化することもできる。
(1)上記各実施の形態においては、図14に示したような1台の室外ユニット105に対し1台の室内ユニット106を用いる冷媒回路に用いる例を取り上げて説明したが、本膨張弁は、1台の室外ユニットに対し複数台の室内ユニットを接続する所謂マルチ型エアコンに使用できることは勿論である。また、マルチ型エアコンでは、膨張弁入り口側の運転条件の変化が大きく、大きな気泡の混入する機会が多くなる。したがって、本発明の膨張弁は、マルチ型エアコンに用いられると、より顕著にその効果を発揮することができる。
(2)各実施の形態においては、第1絞り部4は、全閉可能なものについてのみ説明しているが、この第1絞り部4は、全閉しない範囲で使用するものでもよい。また、機構的に全閉しないように構成されているものとしてもよい。
(3)実施の形態2、実施の形態5〜10において、実施の形態3に記載のような拡大空間部41を形成するようにしてもよい。このように構成すると、第2絞り部5、25通過後の冷媒流が拡大空間部41において乱されるので、第1弁孔8、28に流入する冷媒中の気泡をさらに細分化することができ、冷媒通過音及び振動音をさらに低減することができる。
(4)実施の形態5、実施の形態7、実施の形態9、実施の形態10及び実施の形態11において、実施の形態4のように、弁座44が第1弁孔8周辺の第1仕切壁6の水平の壁面部から上流側に盛り上がる形状に形成して、冷媒流れを下方から上方に旋回させる旋回用空間部45を形成してもよい。このように構成すれば、旋回用空間部45で第1弁孔8に流入する冷媒流を上下方向に旋回流を発生させるので、この旋回流の発生により第1弁孔8に流入する冷媒中の気泡をさらに細分化し、冷媒通過音及び振動音を低減することができる。
(5)実施の形態2において、実施の形態9にならって、第2弁孔29を弁体の中心線に平行な内周面をもったものにしてもよい。しかし、実施の形態2の場合と比較すると、次の点で劣る。すなわち、第2絞り部5の開度を大きくしたときに、螺旋溝35のネジ山と第2弁孔29との間隙が大きくなって、その変化量が大きくなりすぎる可能性があり、螺旋状の通路36の形状維持が困難となって気泡細分化効果を発揮できなくなる場合がある。
(6)実施の形態2において、実施の形態10の場合と同様に、第2弁体部14の外周面を弁体23の中心線と平行に形成してもよい。この場合も、実施の形態1の場合と比較すると、次の点で劣る。すなわち、第2絞り部25の開度を大きくしたときに、螺旋溝35の第2弁孔29の内周面との間隙が大きくなって、その変化量が大きくなりすぎる可能性があり、螺旋状の通路36の形状維持が困難となって気泡細分化効果を発揮できなくなる場合が生じ易いという点で劣る。
(7)実施の形態5及び6において、螺旋溝55、65を形成する第2弁孔53、63の内周面を弁体23の中心線に平行な面に形成し、螺旋溝55、65をこの面上に形成した後、ネジ山の頂部をカットすることにより螺旋溝55、65のネジ山の頂部を連ねた面を略テーパ面にしてもよい。このようにすると、第2絞り部5、25の開度が小さくなるにつれ螺旋状の通路56、66の断面積が小さくなる。したがって、第2絞り部5、25の開度調整を螺旋溝55、65の長さと螺旋溝55、65の断面積の双方により制御することができ、弁体3の進退に対する絞り効果を大きくすることができる。
(8)実施の形態1〜10において、第2絞り部5、25の冷媒流通抵抗は、第1絞り部4、24が最小開度の状態においては第1絞り部4、24の冷媒流通抵抗に比し小さくする必要があるが、第1絞り部4、24の開度が大きいときには、第1絞り部4、24の冷媒流通抵抗より大きくなってもよい。
(9)実施の形態1〜11において、第2絞り部5、25の螺旋溝15、35、55、65、72、76、86は複数条の溝が並列に形成されているものでもよい。このようにすると、複数の螺旋状の通路16、36、56、66、73、77、82、87から冷媒が噴出されるので、冷媒流が掻き乱されて気泡が細分化されやすくなりより一層冷媒流動音を低減することができる。また、一部の螺旋溝15、35、55、65、72、76、86にゴミ詰まりを生じても、他の螺旋溝15、35、55、65、72、76、86を通じて冷媒を流通させることができる。したがって、螺旋溝15、35、55、65、72、76、86のゴミ詰まりに対する信頼性を向上させることができる。
(10)実施の形態11において、螺旋溝15を第2弁孔9の内周面を構成するテーパ面に加工するようにしてもよい。このようにしても、実施の形態11の場合と同様に膨張弁における冷媒通過音を低減することができる。
(11)実施の形態11において、第2弁体部14のテーパ面のテーパ角度α1と第2弁孔9のテーパ面のテーパ角度α2とを異ならせるようにしてもよい。なお、第2弁体部14のテーパ面のテーパ角度α1を第2弁孔9のテーパ面のテーパ角度α2より大きくした場合は、前記最小間隙S2は第2弁体部14のテーパ面の上流側端部の位置X1において測定することができる。逆に、第2弁体部14のテーパ面のテーパ角度α1を第2弁孔9のテーパ面のテーパ角度α2より小さくした場合は、前記最小間隙S2は第2弁孔9の下流側端部の位置Y2において測定することができる。
本発明の膨張弁は、空気調和装置、冷蔵庫、そのようとの冷凍装置における冷媒回路に使用される。空気調和装置は一体型、分離型、マルチ型など他用途に使用できる。
本発明の実施の形態1に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態2に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態4に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態5に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態6に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態7に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態8に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態9に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態10に係る膨張弁の要部縦断面図である。 本発明の実施の形態11に係る膨張弁の要部縦断面図であって、最小開度の状態を示す。 同膨張弁の要部縦断面図であって、最大開度の状態を示す。 同膨張弁の要部拡大縦断面図である。 従来の冷凍装置の基本的冷媒回路図であって、セパレート型空気調和機の基本的な冷媒回路を示す。 同冷媒回路に使用される膨張弁の基本構造図である。
符号の説明
α1、α2、β1、β2 テーパ角度
d1、d2 直径
S1 間隙
S2 最小間隙
X1、X2、Y1、Y2 位置
1、21 弁本体
2、22 冷媒流通路
3、23 弁体
4、24 第1絞り部
5、25 第2絞り部
6、26 第1仕切壁
7、27 第2仕切壁
8、28 第1弁孔
9、29、53、63、81、83 第2弁孔
12 連結部
13、33 第1弁体部
14、34、54、64、71、75、85 第2弁体部
15、35、55、65、72、76、86 螺旋溝
16、36、56、66、73、77、82、87 通路
41 拡大空間部
44 弁座
91 第2異径接合部
92 第1異径接合部

Claims (22)

  1. 弁本体と、弁本体内部に形成された冷媒流通路と、弁本体内に収納された棒状部材からなる弁体と、冷媒流通路に形成された第1絞り部と、冷媒流通路における第1絞り部の上流側に形成された第2絞り部とを有し、
    弁本体は、冷媒流通路における冷媒の流れを仕切る第1仕切壁と、冷媒流通路の第1仕切壁の上流側における冷媒の流れを仕切る第2仕切壁とを備え、さらに、第1仕切壁には第1弁孔が形成され、第2仕切壁には第2弁孔が形成され、
    弁体は、外周面がテーパ状に形成され、かつ、このテーパ状の外周面が第1弁孔の弁座に当接し得る第1弁体部と、外周面が第2弁孔の内周面に対向する第2弁体部とを備え、
    第1絞り部は、第1弁孔に対し第1弁体部を進退させることにより、第1弁孔と第1弁体部との間に、全閉可能かつ開度可変に形成され、
    第2絞り部は、対向する第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面の何れか一方に螺旋溝が形成されることにより、この螺旋溝と第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面との間に形成される螺旋状の通路からなり、
    さらに、第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面のうちの少なくとも何れか一方が弁体の先端部に向かって先細のテーパ状に形成されている
    ことを特徴とする膨張弁。
  2. 弁本体と、弁本体内部に形成された冷媒流通路と、弁本体内に収納された棒状部材からなる弁体と、冷媒流通路に形成された第1絞り部と、冷媒流通路における第1絞り部の上流側に形成された第2絞り部とを有し、
    弁本体は、冷媒流通路における冷媒の流れを仕切る第1仕切壁と、冷媒流通路の第1仕切壁の上流側における冷媒の流れを仕切る第2仕切壁とを備え、さらに、第1仕切壁には第1弁孔が形成され、第2仕切壁には第2弁孔が形成され、
    弁体は、外周面がテーパ状に形成され、かつ、このテーパ状の外周面が第1弁孔の弁座に対向する第1弁体部と、外周面が第2弁孔の内周面に対向する第2弁体部とを備え、
    第1絞り部は、第1弁孔に対し第1弁体部を進退させることにより、第1弁孔と第1弁体部との間に、開度可変に形成され、
    第2絞り部は、対向する第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面の何れか一方に螺旋溝が形成されることにより、この螺旋溝と第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面との間に形成される螺旋状の通路からなり、
    さらに、第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面のうちの少なくとも何れか一方が弁体の先端部に向かって先細のテーパ状に形成されている
    ことを特徴とする膨張弁。
  3. 前記第2弁体部の外周面及び第2弁孔の内周面は、双方とも弁体の先端部に向かって先細のテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の膨張弁。
  4. 前記第2弁体部の外周面及び第2弁孔の内周面は、同一テーパ角度のテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の膨張弁。
  5. 前記螺旋溝は、第2弁体部の外周面に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の膨張弁。
  6. 前記弁体は、棒状部材の先端部に第1弁体部が形成されるとともに、棒状部材の中間部に第2弁体部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の膨張弁。
  7. 前記第2絞り部から第1弁孔に至る冷媒通路における第1弁孔の入口側部に拡大空間部が形成されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の膨張弁。
  8. 前記弁体は、前記棒状部材の先端部に第1弁体部が形成され、前記棒状部材の中間部に第2弁体部が形成され、
    前記第2弁体部の外周面及び第2弁孔の内周面は弁体の先端部に向かって先細のテーパ面に形成され、
    前記第2弁体部の上流側端部は、第2絞り部の最小から最大の何れの開度においても第2弁孔内に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の膨張弁。
  9. 前記弁体は、前記棒状部材の先端部に第1弁体部が形成され、前記棒状部材の中間部に第2弁体部が形成され、
    前記第2弁体部の外周面及び第2弁孔の内周面は弁体の先端部に向かって先細のテーパ面に形成され、
    前記第2絞り部から第1弁孔に至る冷媒通路における第1弁孔の入口側部に拡大空間部が形成され、
    さらに、前記第2弁体部の下流側端部は、第2絞り部の最小から最大の何れの開度においても拡大空間部内に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1、2又は8記載の膨張弁。
  10. 前記螺旋溝は、第2弁体部の外周面に形成されていることを特徴とする請求項8又は9記載の膨張弁。
  11. 前記第2弁体部のテーパ面及び前記第2弁孔のテーパ面は同一テーパ角度に形成されていることを特徴とする請求項8〜10の何れか1項に記載の膨張弁。
  12. 前記第1弁体部のテーパ面のテーパ角度は、前記第2弁孔のテーパ面のテーパ角度より大きいことを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の膨張弁。
  13. 前記第2弁孔のテーパ面のテーパ角度は、略5度〜略60度であることを特徴とする請求項12記載の膨張弁。
  14. 前記第1絞り部入口側における第1弁体部と第1弁孔との間隙は、第1絞り部及び第2絞り部の何れの開度においても、前記第2絞り部における第2弁体部と第2弁孔との最小間隙より小さいことを特徴とする請求項8〜13の何れか1項に記載の膨張弁。
  15. 前記弁体における前記第2弁体部の上流側に連結される連結部の直径は、前記第2弁体部における最大外周部の直径より小さいことを特徴とする請求項8〜14の何れか1項に記載の膨張弁。
  16. 前記連結部と前記第2弁体部との間に、前記第2弁体部における最大外周部から前記連結部の外周部に向かってテーパ状に縮径する第2異径接合部が形成されていることを特徴とする請求項15記載の膨張弁。
  17. 前記第2弁体部の下流側端部と前記第1弁体部の上流側端部との間に、前記第2弁体部から前記第1弁体部に向かってテーパ状に縮径する第1異径接合部が形成され、第1異径接合部のテーパ角度が第1弁体部のテーパ状外周面のテーパ角度より大きいことを特徴とする請求項8〜16の何れか1項に記載の膨張弁。
  18. 前記螺旋溝は、弁体の中心軸に平行に形成された面上にネジ切りして形成され、かつ、そのネジ山の頂部がカットされたものであって、カットされた頂部を連ねた面が略テーパ面を成すように形成され、このテーパ面が第2弁体部の外周面又は第2弁孔の内周面を成すことを特徴とする請求項1〜17の何れか1項に記載の膨張弁。
  19. 前記螺旋溝は、弁体の先端部に向かって先細のテーパ状に形成された面上にネジ切りして形成されてなることを特徴とする請求項1〜17の何れか1項に記載の膨張弁。
  20. 前記第1弁孔は、弁座が第1弁孔周辺の第1仕切壁における上流側の壁面部から盛り上がる形状に形成されていることを特徴とする請求項1〜19の何れか1項記載の膨張弁。
  21. 前記螺旋溝は、複数条の螺旋溝に形成されてなることを特徴とする請求項1〜20の何れか1項に記載の膨張弁。
  22. 請求項1〜21の何れか1項に記載の膨張弁を使用してなる冷凍装置。
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