JP2009024937A - 冷媒分流室結合型膨張弁及びこれを用いた冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、膨張弁と冷媒分流器とを一体化した冷媒分流室結合型膨張弁を提供するとともに、異なるパス数への対応を容易化することを目的とする。また、このような冷媒分流室結合型膨張弁を用いた冷凍装置を提供することを目的とする。
【解決手段】弁本体1を弁室部3と分流室部5とから構成する。弁室部3は、筐体6の内部が弁室2とされ、弁室2と冷媒分流室4とを仕切る仕切壁7を底壁とする。この筐体6には、絞り部8が内部に収められ、液管12を接続する入口ポート13が形成されている。分流室部5は、上方が開放された筐体15を有し、この筐体15には、複数の分流管18を接続する接続ポート19が形成されている。そして、上記構成の弁室部3と分流室部5とは別体に製作される。別体に製作された分流室部5の上部が弁室部3の仕切壁7により閉塞されるように両者接合される。
【選択図】図1

Description

本発明は、膨張弁に冷媒分流室を結合した冷媒分流室結合型膨張弁及びこれを用いた冷凍装置に関する。
空気調和装置、冷蔵庫、製造工程用冷却装置などの冷凍装置において、蒸発器が複数のパス(熱交換器における冷媒流通路)で構成される場合がある。この場合の冷媒回路は、例えば、図9に示すように構成されている。圧縮機101によって加圧された冷媒は、凝縮器(この場合室外側熱交換器)102で凝縮され、受液器103を経て膨張弁104に送られる。膨張弁104で減圧された冷媒は、冷媒配管105を介して冷媒分流器106に送られ、冷媒分流器106で分流されて蒸発器(この場合室内側熱交換器)107の複数のパスに送られる。蒸発器107に送られた低圧冷媒は、蒸発器107で蒸発気化し、アキュムレータ108を介して圧縮機101に還流される。このように蒸発器107が複数のパスに構成される場合には、膨張弁104の下流側の冷媒配管105に、膨張弁104で減圧された冷媒を蒸発器107の複数のパスに均等に分流するための冷媒分流器106が取り付けられている。なお、冷媒分流器106は、例えば特許文献1に記載されているように、所定容積の冷媒分配空間(以下冷媒分流室という)を備えた筐体であって、この筐体に、この冷媒分流室と蒸発器107の各パスとを接続するための分流管取付孔が形成されたものである。したがって、冷媒分流器106に流入する冷媒は、所定の流通方向においては膨張弁104で減圧された冷媒であるため、低圧の気液二相流冷媒となっている。そして、この気液二相流冷媒は、膨張弁104と冷媒分流器106とを接続する冷媒配管105を流れる間に大きな気泡が存在するプラグ流やスラグ流になりやすい。また、冷媒分流器106に流入する冷媒がプラグ流やスラグ流になった場合は、重力の影響等により、各分流管に気泡が均等に流入しないことがあり、均等な分流が行われ難いという問題があった。
そこで、最近の冷媒分流器においては、例えば、特許文献1に記載のように、分流管取付穴の上流側に開度一定の絞り部(特許文献1では経路縮小部材)を配置し、この絞り部下流側の冷媒を噴霧状態とすることにより、重力に影響されない均等な分流を実現しようとする提案がなされている。
一方、上記の冷媒分流器の問題とは別に、膨張弁においては次のように不連続な冷媒流動音が問題となっている。
膨張弁は、一般に、流入する冷媒が高圧液冷媒であることを基本としている。ところが、冷凍装置の運転条件の変動などにより、膨張弁の上流側、すなわち受液器の出口(受液器がない場合は凝縮器の出口)側の冷媒に気泡が含まれる場合がある。そして、この気泡を含む高圧液冷媒は、膨張弁に至る冷媒配管を流通する間に配管外部から加熱されて気泡が増加したり、冷媒流中の気泡が合体したりすることがある。その結果、大きな気泡が断続的に存在するプラグ流やスラグ流に成長して膨張弁に流入することがある。また、プラグ流やスラグ流が膨張弁に送られてくると、絞り部に対し液冷媒とガス冷媒とが交互に流れる不連続状態となり、膨張弁における冷媒流に速度変動及び圧力変動が生ずる。このため、絞り部では気液が交互に流れることにより「チュルチュル」という音を発したり、絞り部から冷媒配管系へ流出する霧状冷媒の噴出速度及び圧力が変動して膨張弁出口側で「シャーシャー」という音を発したりし、不連続な冷媒流動音が発生するという問題があった。さらには、冷媒配管内の速度変動及び圧力変動により膨張弁や接続配管などの膨張弁周りの機器が振動して膨張弁周りに振動音を発生するという問題があった。なお、このような不連続な冷媒流動音及び振動音を総称して、以下の説明では膨張弁における不連続な冷媒流動音という。
膨張弁の上流側の冷媒流が冷凍装置の運転条件の変動などによりプラグ流やスラグ流に成長することは、冷媒回路を可逆に切り換えて冷暖房を行う装置の場合には、冷房運転、暖房運転何れにおいても可能性がある。また、プラグ流やスラグ流が膨張弁の入口に流れ込むことによる膨張弁における不連続な冷媒流動音は、冷暖房兼用の膨張弁については冷暖房何れの運転において、暖房運転時のみに使用される暖房用膨張弁については暖房運転時において、冷房運転時のみに使用される冷房用膨張弁については冷房運転時において、それぞれ発生する可能性がある。
例えば、セパレート型の冷暖房機の場合においては、室外ユニット内には暖房時の室外側熱交換器の入口側に暖房用膨張弁が設置され、室内ユニットには冷房時の室内側熱交換器用の入口側に冷房用膨張弁が設置されることが多くなっている。そして、この場合、室外ユニットに設置される暖房用膨張弁については暖房運転時に上記の問題点が生じ、さらに、室内ユニットに設置される冷房用膨張弁については冷房運転時に上記の問題点が生じることは言うまでもない。なお、室内ユニットに設置される冷房用膨張弁については、暖房運転時において、室内側熱交換器出口の過冷却度を調整するように使用される場合がある。この場合、冷房用膨張弁は、室内側熱交換器のすぐ近くに設置されている。したがって、暖房運転開始の過渡期を経過した後には、この冷房用膨張弁にプラグ流やスラグ流が流れ込むことが殆どない。しかし、暖房運転停止期間中に室内側熱交換器に気液二相の状態で冷媒が貯留されているので、運転開始直後の過渡期においては、前述の場合と同様に、プラグ流やスラグ流がこの冷房用膨張弁の入口に流れ込むことがあり、上記と同様、膨張弁における不連続な冷媒流動音を発生する可能性がある。
従来、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減する方法としては、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動を緩和する手段が膨張弁内に設けられていた。例えば、特許文献2においては、閉鎖可能な絞り部の上流側に冷媒流を減圧する他の絞り部が設けられていた。また、特許文献3においては、閉鎖可能な絞り部の上流側に冷媒流に乱れを生起する乱れ生起部が設けられていた。また、特許文献4においては、閉鎖可能な絞り部の下流側に冷媒流を減圧する他の絞り部が設けられていた。
特開2002−188869号公報 特開2005−69644号公報 特開2005−351605号公報 特開2005−226846号公報
また、従来の冷媒分流器では、分流を均等に行う手段として、前述のように分流管取付孔の上流側に絞り部が設けられていた。しかし、絞り部は、冷媒分流器の上流側に設置される膨張弁における基本的な構成要素であり、このように同一構成要素を隣接する機器それぞれに重複して配置することは非合理的であった。一方、従来の膨張弁のように、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減するために、膨張弁単独の構成要素として冷媒流の速度変動及び圧力変動を緩和する手段を設けることは、膨張弁が大型化しコストの上昇を招く要因になっていた。
本発明は、従来技術におけるこのような問題点を解決するものであって、膨張弁に冷媒分流室を一体化することにより、冷媒回路の簡素化、冷媒流動音の低減、及び冷媒分流効果の向上を行うととともに、冷凍装置における蒸発器のパス数に対応する数の分流管を備えた冷媒分流室結合型膨張弁を提供することを目的とする。また、このような冷媒分流室結合型膨張弁を用いた冷凍装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、弁本体は、内部が弁室とされる弁室部と、内部が冷媒分流室とされる分流室部とから構成され、弁室部は、分流室部側に冷媒分流室と弁室とを仕切る仕切壁を底壁とする筐体を有し、この筐体の内部に駆動装置により駆動される弁体、及び、この弁体と前記仕切壁に形成された弁孔とで構成される絞り部が設けられ、さらに、この筐体には液管を接続する入口ポートが形成され、一方、分流室部は、上方が開放された筐体を有し、この筐体に複数の分流管を接続する接続ポートが形成され、上記構成の弁室部と分流室部とは別体に製作され、その後に分流室部の上部が弁室部の仕切壁により閉塞されるように両者接合されることを特徴とする。
このように構成された冷媒分流室結合型膨張弁によれば、膨張弁に冷媒分流室を結合することにより、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分を簡素化して、その占有スペースを小さくするとともにコストを軽減することができる。
また、このように構成された冷媒分流室結合型膨張弁によれば、絞り部を備えた弁室部から分流管を備えた冷媒分流室への冷媒流れ(正方向冷媒流れ)において、絞り部通過後の噴霧状態の冷媒が冷媒配管を経ることなく直接冷媒分流室に導かれる。したがって、絞り部通過後に気液二相流がプラグ流やスラグ流に発展することがなくなり、分流特性が向上する。また、絞り部から流出する冷媒流の噴出エネルギは、冷媒分流室が拡大空間部として作用することにより噴霧エネルギが拡散されるので、絞り部上流側の冷媒流がプラグ流あるいはスラグ流となった場合に、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動を緩和することができる。この結果、正方向冷媒流れにおいて、膨張弁における不連続な冷媒流動音を軽減することができる。なお、本明細書においては、弁室から冷媒分流室への冷媒流れを「正方向冷媒流れ」と称し、冷媒分流室から弁室への冷媒流れを「逆方向冷媒流れ」と称するものとする。
また、このように構成された冷媒分流室結合型膨張弁によれば、逆方向冷媒流れにおいて、気液二相流冷媒が分流管から冷媒分流室に流入する場合、各分流管から流入する冷媒が合流することにより掻き乱される。これにより、気泡が細分化されるため冷媒流動音が低減される。
また、本発明に係る冷媒分流室結合型膨張弁によれば、弁室部と分流室部とが別体に形成され、その後に両者接合されて構成されているので、冷凍装置の蒸発器のパス数に対応する本数の分流管が取り付けられた分流室部を弁室部に対し結合することができる。このように共通の弁室部に対し分流管の本数が異なる分流室部を結合することができるので、弁室部の共用化によるコスト軽減を行うことができる。
また、このような構成の冷媒分流室結合型膨張弁において、前記弁室部と分流室部とは、分流室部の上方開口部と弁室部の仕切壁とがろう付されて両者接合されるように構成してもよい。このように構成すれば接合部からの冷媒漏れが少なくなる。また、分流室部として銅系金属板を絞り加工した冷媒分流室を形成した簡易な構造の分流室部を利用することもできる。
また、弁室部と分流室部がステンレスなどの材料の場合は、上記のろう付けに代えて溶接接合とすることもできる。
また、上記のろう付や溶接に代えて、前記弁室部と分流室部とは、分流室部の上方開口部と弁室部の仕切壁とがねじ結合されるとともに、両者の接合面がシール手段によりシールされるように構成されているものとしてもよい。このようにすれば、組み込む直前に冷凍装置における蒸発器のパス数に合わせた本数の分流管を備えた分流室部を弁室部に対し取り付けることができるので、現地工事的な冷凍装置の場合には都合がよい。また、弁室部と分流室部とは結合した後に結合解除することもできるので、絞り部がごみ詰まりしたおそれのある場合には、膨張弁の内部を点検することができる。
また、このように弁室部と分流室部とが別体に形成され、その後に両者接合されるように構成された冷媒分流室結合型膨張弁において、前記分流室部に取り付けられる分流管は、前記仕切壁に近い位置において開口するように構成されていることが好ましい。このように構成すれば、正方向冷媒流れにおいて、絞り部から噴出される冷媒流が、前記弁孔に対向する底壁(すなわち、分流室部を構成する筐体の底壁)に衝突して反転され、分流管の入口に到達するように形成される。これにより、直接分流管の入口に到達することが避けられる。絞り部から噴出される冷媒流が直接分流管に流入し難くなる。仮に、絞り部から噴出される冷媒流が直接分流管の入口に到達する場合には、分流管に流入する冷媒流は、乱れが大きくなり冷媒音が上昇する。また、冷媒が膨張弁に気液二相流となって流入してくる場合には、分流管へ流入する冷媒流は、間欠的な変動を受けやすくなり、惹いては、冷媒音の上昇及び分流特性の悪化を招く可能性がある。これに対し、本発明では、冷媒分流室内の冷媒流を一端衝突させる迂回した流れにすることにより、分流管に流入する冷媒流への影響を少なくしている。また、このように迂回することにより、分流管入口における速度が遅くなるので、分流特性が向上して、冷媒音が低下する。
さらに、前記分流室部に取り付けられる分流管は、前記仕切壁に近い位置において開口するように構成されている場合において、前記弁室部は、仕切壁における弁孔の周りの分流室側に円筒部が設けられることが好ましい。このように構成すれば、正方向冷媒流れにおいて、絞り部から噴出された冷媒流が前記弁孔に対向する冷媒分流室の底壁に流れ易くなる。これにより、絞り部からの冷媒流が分流管入口へ直接到達することをより一層防止される。また、逆方向冷媒流れにおいて、分流管から冷媒分流室に流入する高圧液冷媒がプラグ流あるいはスラグ流である場合には冷媒流動音が発生しやすい。しかし、本発明では、冷媒流が分流管から冷媒分流室に合流することにより冷媒が掻き乱されるが、このときに分流管から流入する冷媒が円筒部に衝突するため、より一層掻き乱される。この結果、冷媒流中の気泡がより一層細分化され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が効果的に低減される。なお、弁室部の筐体と分流室部の筐体とが一体的に形成されていると、上記のような円筒部を一体的に形成することが困難であるが、本願発明のように弁室部と分流室部とが分離して別体に形成される場合は、円筒部の製作が容易である。
また、前記分流室部は、前記弁孔に対向する底壁に絞り部から噴出された冷媒流を反転迂回させるガイド部を備えていることが好ましい。このように構成すると、正方向冷媒流れにおいて、絞り通路から噴出される冷媒流が前記弁孔に対向する底壁に衝突して方向転換する際の乱れを抑制するため、より一層冷媒分流特性が向上する。また、このようなガイド部は、例えば、弁孔に対向する冷媒分流室の底壁の形状を冷媒流の流れに一致させるような形状とするものであるが、本願発明のように弁室部と分流室部とが別体に形成されているものでは、分流室部の上方(弁室部側)が開放されているため、加工が可能である。
また、前記冷媒分流室は略円筒状に形成され、前記分流管は、逆方向冷媒流れにおいて分流室の内周面に対し接線方向に冷媒が導入されるように形成してもよい。このように構成すると、逆方向冷媒流れにおいて、分流管から冷媒分流室に流入する冷媒が旋回される。また、各分流管からの冷媒流が単に合流して掻き乱されるだけでなく旋回しながら合流されるので、気液二相流の冷媒中の気泡がより一層細分化される。また、各分流管からの冷媒流が円筒部の先端を迂回して絞り通路に流入するようになるため、各分流管にスラグ流やフラグ流が流通する場合における冷媒流の間欠的な変動が直接絞り通路に影響され難くなる。これにより冷媒分流室結合型膨張弁を通過する冷媒流動音が低減される。また、この発明の場合には、弁室部と分流室部とが別体に構成されており、分流室部の弁室部側が開放されているので、分流管を適切な位置に容易に取り付けることができる。
また、前記弁室部と分流室部とが接合される際に、分流室内における冷媒流路に多孔質透過材層が設置可能に構成してもよい。このように構成すれば、正方向冷媒流れにおいて、絞り通路を通過した冷媒流が多孔質透過材層を通過することにより気泡が細分化されるので、各分流管に対する気液二相流冷媒の流動状態が均一化され、冷媒分流室の分流特性が向上する。また、逆方向冷媒流れにおいて、多孔質透過材層は絞り通路に対するフィルター機能を発揮することができる。なお、弁室部と分流室部とが別体として形成され、その後に接合するように構成されているので、多孔質透過材層の取付が容易である。
また、本発明に係る冷凍装置は、上記冷媒分流室結合型膨張弁を用いたものである。
したがって、膨張弁における不連続な冷媒流動音を低減するとともに、分流特性の向上により能力を向上させることができ、さらに、簡素な冷凍装置を構成することができる。
本発明に係る冷媒分流室結合型膨張弁によれば、膨張弁に冷媒分流室を結合することにより、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分を簡素化して、その占有スペースを小さくするとともにコストを軽減することができる。また、正方向冷媒流れの場合に、分流特性が向上するとともに、不連続な冷媒流動音が軽減される。また、逆方向冷媒流れの場合に、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。また、弁室部と分流室部とが別体に形成され、その後に両者接合されて構成されているので、冷凍装置の蒸発器のパス数に対応する本数の分流管が取り付けられた分流室部を弁室部に結合することができる。したがって、分流管の本数が異なる分流室部に対する弁室部を共用化することができるのでコストを軽減することができる。
以下、本発明の各実施の形態に係る膨張弁について、図面に基づき説明する。なお、各実施の形態に共通する要素には同一の符号を付し、説明を簡略化する。また、以下の説明において上下左右方向をいうときは、各実施の形態の縦断面図における上下左右方向をいうものとする。また、各図における2点鎖線は正方向冷媒流れを示し、実線矢印は逆方向冷媒流れを示す。例えば、先の従来例に係る冷媒サイクル(図9参照)に本実施の形態の冷媒分流室結合型膨張弁が使用される場合は、正方向冷媒流れで使用される。また、このような冷媒回路において、圧縮機の出入口に四路切換弁を接続し、この冷媒回路が四路切換弁の切換により可逆サイクルに形成される場合は、前記膨張弁は冷房運転時が正方向冷媒流れであり、暖房運転時が逆方向冷媒流れとなる。ただし、逆方向冷媒流れにおいては、冷媒分流室は冷媒分流機能を発揮しない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係る冷媒分流室結合型膨張弁について、図1に基づき説明する。図1は実施の形態1に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は分解組立図である。同図(a)は、弁室の上部の弁駆動装置を省略して示している。実施の形態1に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、通常の冷媒回路において、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分に代わり使用されるものである。
この実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁の弁本体1は、図1に示すように、上下方向の中間位置で上下に二分されている。上方部は内部が弁室2とされる弁室部3で、下方部は、内部が冷媒分流室4とされる分流室部5である。
弁室部3は、鋳造品を切削して形成された略円筒状の筐体6を備え、筐体6の底壁が冷媒分流室4と弁室2とを仕切る仕切壁7により形成されている。仕切壁7の中心部には、絞り部8の構成要素としての弁孔9が形成されている。この筐体6の内部に弁駆動装置(図示せず)により駆動される弁棒10が収納され、この弁棒10の先端に弁体11(この場合ニードル弁)が一体的に形成されている。そして、弁体11は、不図示の弁駆動装置の駆動により弁棒10を介して弁孔9に対し進退自在に移動するように構成されおり、このように駆動される弁体11と弁孔9とにより、冷凍負荷に対応して開度可変、かつ全閉可能とした絞り部8が形成されている。また、この筐体6の側壁には液管12を接続する入口ポート13が形成されている。仕切壁7の中央部の下方は、中央部を凹ませた接合凹部7aが形成されている。この接合凹部7aに後述する分流室部5の上端部を嵌入させてろう付するように構成されている。
一方、分流室部5は、銅系金属板を深絞り加工して形成した筐体15を備えている。この筐体15は、上方開口部を小さくするように絞ったカップ形状に形成され、この小径に絞られた上方開口部が前述の仕切壁7における接合凹部7aに嵌入され、ろう付されている。また、この筐体15の底壁、すなわち、絞り部8に対向する底壁16に複数個の接続ポート19が均等に分散配置され、分流管18が接続されるように構成されている。分流管18は、不図示の蒸発器の各パスの入口と冷媒分流室4とを接続するものである。接続ポート19は、図示のものは4個であるが、この個数に限ったものでなく、2個以上の必要な個数にすることができる。
上記の弁室部3と分流室部5とは、別個に形成される。製品の流通形態としては、例えば、部品メーカでは弁室部3と分流室部5とを別個に形成し、これを冷凍装置メーカや空気調和機メーカに販売する。これを購入した冷凍装置メーカや空気調和機メーカは、生産する冷凍装置や空気調和機における蒸発器のパス数に対応した接続ポート19の分流室部5に対し分流管18を接続する。次いで、所定個数の分流管18を接続した分流室部5を所定の弁室部3に取り付ける。この取付は、ろう付により行われる。
実施の形態1の冷媒分流室結合型膨張弁は、上記のように構成されたものであって、正方向冷媒流れにおいて、次のように作用する。
この冷媒分流室結合型膨張弁に対して、不図示の凝縮器で凝縮した液冷媒が入口ポート13から流入する。入口ポート13から入ってきた冷媒は、絞り部8で減圧されて噴霧される。そして、噴霧状態のままで冷媒分流室4に流入する。このため、噴霧状態の冷媒が分流管18に流れるようになっている。これにより、冷媒分流室4においては、重力の影響を受けることなく各分流管18に均等に分流される。
また、この冷媒分流室結合型膨張弁は、入口ポート13から大きな気泡が存在するスラグ流あるいはプラグ流となった気液二相流冷媒が入ってきた場合、絞り部8に対する冷媒流は、液冷媒とガス冷媒(気泡)とが交互に流れる不連続状態となる。このため、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が生じやすくなっている。また、このような冷媒流の速度変動及び圧力変動により膨張弁における不連続な冷媒流動音が発生しやすくなっている。しかし、本実施の形態によれば、絞り部8の下流側に冷媒流路を拡大する冷媒分流室4が形成されているため、冷媒分流室4内において噴出エネルギが拡散される。この結果、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
次に、この冷媒分流室結合型膨張弁は、例えば、可逆に冷媒を循環させて冷暖房する冷媒回路に使用され、冷媒回路が冷房回路から暖房回路に切り換えられて、逆方向冷媒流れで使用される場合において、次のように作用する。スラグ流あるいはプラグ流となった気液二相流の冷媒が分流管18から流入してきた場合、この冷媒は複数の分流管18から冷媒分流室4に流入される。流入された冷媒は合流されて掻き乱される。この結果、気液二相流冷媒中の気泡が細分化されるので、本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、逆方向冷媒流れにおいても、膨張弁における不連続な冷媒流動音を効果的に低減することができる。
また、本発明に係る冷媒分流室結合型膨張弁によれば、弁室部3と分流室部5とが別体に形成され、その後に両者接合されて構成されているので、冷凍装置の蒸発器のパス数に対応する本数の分流管18が取り付けられた分流室部5を弁室部3に結合することができる。したがって、分流管18の本数が異なる分流室部5に対する弁室部3を共用化することができるのでコストを軽減することができる。
本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、以上のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
(1)膨張弁に冷媒分流室4が結合されているので、膨張弁から冷媒分流器に至る回路部分が簡素化され、占有スペースが省スペース化される。
(2)正方向冷媒流れに使用される場合において、冷媒分流室4には噴霧状態の冷媒が流れ込むので、重力の影響を受けることなく、各分流管18に均等に分流される。
(3)正方向冷媒流れにおいて、絞り部8の下流側に冷媒流路を拡大する冷媒分流室4が形成されているため、噴出エネルギが拡散される。これにより、冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
(4)正方向冷媒流れにおいて、冷媒分流室4の上流側に設置される絞り部8は、冷凍負荷に対応して開度可変に絞られるので、従来の冷媒分流器に取り付けられているような開度一定の絞り部と異なり、流量及び乾き度などの運転状況に応じて適切な絞り度に変化し、これにより冷媒分流特性をより一層向上させることができる。
(5)逆方向冷媒流れにおいて、分流管18から冷媒分流室4に流入する冷媒は、複数の分流管18から冷媒が合流することにより掻き乱され、これにより気液二相流冷媒中の気泡が細分化されるので、膨張弁における不連続な冷媒流動音が効果的に低減される。
(6)弁室部3と分流室部5とが別体に形成され、その後に両者接合されて構成されているので、冷凍装置の蒸発器のパス数に対応する本数の分流管18が取り付けられた分流室部5を弁室部3に結合することができる。したがって、分流管18の本数が異なる分流室部5に対する弁室部3を共用化することができる。これにより、コストを軽減することができる。
(7)分流室部5の接続ポート19が底壁16に形成されているため、接続ポート19を深絞り加工工程中に含めることができ、製作コストの上昇を抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について図2に基づき説明する。図2は実施の形態2に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は分解組立図である。実施の形態2に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、実施の形態1における分流室部5の材料及び一部構造が異なるものである。以下実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態2に係る冷媒分流室結合型膨張弁の弁本体1は、鍛造品を切削したものであって、略円筒状である。また、図2に示すように、実施の形態1と同様に上下方向の中間位置で上下に二分され、上方部は内部が弁室2とされる弁室部3で、下方部は内部が冷媒分流室4とされる分流室部5である。
本実施の形態における弁室部3は、実施の形態1のものと比較すると、仕切壁7における分流室部5との接合構造が異なるのみで、他は実施の形態1と同一である。すなわち、弁室部3の中央部の下方は、下方に突出する接合突部7bに形成されている。接合突部7bの外周径は、後述する分流室部5の上方部の内周径に略等しく形成されている。実施の形態1における弁室部3と略同一である。
一方、実施の形態2における分流室部5は、上方が開放された所定容積の略円筒状の筐体15を備え、筐体15の底部には弁孔9に対向する底壁16が形成されている。また、上方開口部は、前述の仕切壁7の接合突部7bに嵌合する内径に形成されている。そして、この筐体15の側壁17における上方位置、すなわち、仕切壁7に近い位置には、分流管18を接続する複数の接続ポート19が均等ピッチで形成されている。接続ポート19は、実施の形態1の場合と同様に4個であるが、この個数に限ったものでなく、2個以上の必要な個数にすることができる。
実施の形態2に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、このように構成されているので、実施の形態1の(1)〜(6)の作用効果に加えて次の作用効果を奏することができる。
この実施の形態においては、分流管18を接続する接続ポート19が分流室部5の側壁17の仕切壁7に近い上方高さ位置に形成されているので、絞り部8から噴出された冷媒流は、弁孔9に対向する底壁16に衝突し、冷媒流れを反転迂回させて分流管18の入口に導かれる。このため、入口ポート13から流入する冷媒流の速度変動や圧力変動は、分流管に流れる冷媒流に直接影響しないようになっている。仮に、絞り部8から噴出された冷媒流が、面積が微小な分流管18の入口部に直接衝突した場合、分流管18に流入できずに分流管18の周辺で衝突して跳ね返ってくる成分が発生したり、分流管18に流入したものでも流入直後に剥離流れが発生したりなどが入り乱れて、互いに影響し合い、大きな不安定現象が生じるおそれがある。しかしながら、本発明では、前述のように絞り部8から噴出される冷媒流を反転迂回させて分流管18の入口に到達するようにしているので、このような不安定現象が発生しない。また、絞り部8から噴出される冷媒流が間欠的に変動しても、分流管18に流入する冷媒流に与える影響が軽微となる。
このように、本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁によれば、正方向冷媒流れにおいて、絞り部8からの高速の噴霧流が分流管18の入口に直接吹き込まれることがないので、絞り部8から噴出される冷媒流の影響を受けて発生する不安定現象(冷媒流の分流管18の入口への衝突、跳ね返り、剥離流れなどの複合現象)を回避することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について図3に基づき説明する。図3は実施の形態3に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は分解組立図である。実施の形態3に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、実施の形態2における分流室部5の材料及び一部構造が異なるものである。以下実施の形態2との相違点を中心に説明する。
本実施の形態における弁室部3は実施の形態2における弁室部3と略同一である。
一方本実施の形態における分流室部5は、銅系金属板を深絞り加工して形成した筐体15を備えている。筐体15は、カップ状を成すとともに、実施の形態2のものと略同様、側壁の上方位置に接続ポート19が形成され、分流管18が取り付けられている。また、筐体15の底壁、すなわち弁孔9に対向する底壁16には、絞り部8から噴出された冷媒流を反転迂回させるガイド部が設けられている。ガイド部は、中心部に形成された、上方へ略円錐状に突出する突出部16aと、突出部16aと側壁17とを滑らかに接続する曲面部16bとから構成されている。
実施の形態3に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、このように構成されているので、実施の形態1の作用効果に加えて次のような作用効果を奏することができる。
本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、正方向冷媒流れにおいて、絞り部8から噴出される冷媒流が方向転換する際の乱れを抑制することができる。したがって、入口ポート13から気液二相流が入ってきた場合において、このガイド部が冷媒流れの方向変更作用を助長して冷媒流の噴出エネルギを低減するとともに、冷媒流中の気泡の細分化を行い、冷媒流動音を低減することができる。
また、実施の形態3に係る分流室部5は、銅系材料の板材を深絞り加工したものであるので、実施の形態2の場合に比しコストを軽減することができる。また、ろう付加工も容易である。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について図4及び図5に基づき説明する。図4は、実施の形態4に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成を示す縦断面図であり、図5は実施の形態4に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成を示す分解組立図である。この図に示すように、同冷媒分流室結合型膨張弁は、実施の形態2において冷媒分流室4における冷媒流路に円筒状の多孔質透過材層20を、冷媒分流室4内に同心に設置したものである。以下実施の形態2との相違点を中心に説明する。
この実施の形態における弁室部3は、仕切壁7の冷媒分流室4側において、弁孔9を取り囲むように仕切壁7から下方に突出する円筒部21が設けられている。この円筒部21は、絞り部8から噴出される冷媒流を弁孔9に対向する底壁16に直進的に吹き付けるためのものである。また、円筒部21は、円筒状の多孔質透過材層20の支持部材を兼ねる。弁室部3は、上記の点を除いては実施の形態1と同一である。
次に、分流室部5は、基本構造は実施の形態2と同一であるが、冷媒分流室4の底壁16に絞り部8から噴出された冷媒流を反転迂回させるガイド部が設けられている。ガイド部は、底壁16の中心部に形成された、略円錐状に突出する突出部16aと、突出部16aと側壁17とを滑らかに接続する曲面部16bとから構成されている。また、底壁16には、円筒状の多孔質透過材層20の下端部を挿入する環状の凹溝16cが形成されている。
多孔質透過材層20は、円筒状をなし、上部がラッパ状に開いている。この多孔質透過材層20は分流室部5と弁室部3とを接合する際に取り付けられる。多孔質透過材層20の下端部が環状の凹溝16cに挿入され、上部のラッパ状内に円筒部21の下端部を挿入しながら分流室部5の上方開口部に接合突部7bを嵌合して、分流室部5の上方開口部と仕切壁7とがろう付けされる。この多孔質透過材層20の素材としては、発泡金属、セラミック、発泡性樹脂、メッシュ状のもの、多孔板などが用いられる。
実施の形態4に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、以上のように構成されるので、実施の形態2と同様の作用効果を示すが、実施の形態2との相違点を説明する。
本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、正方向冷媒流れにおいて次のように作用する。絞り部8から噴出される冷媒流は、円筒部21に案内されて直進的に弁孔9に対向する底壁16に吹き付けられる。吹き付けられた冷媒流は、底壁16に形成されたガイド部のガイド作用により、実施の形態1の場合に比し、冷媒流れの方向変更作用が助長されて冷媒流の噴出エネルギが低減されるとともに、冷媒流中の気泡の細分化が行われる。また、反転迂回された冷媒流は、多孔質透過材層20を通過する際に噴出エネルギが消耗される。この結果、実施の形態2の場合に比し、この膨張弁における絞り部8通過後の冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。また、各接続ポート19に対する気液二相流冷媒の速度が遅くなるとともに均一化され、冷媒分流室4の分流特性が向上する。
また、本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、逆方向冷媒流れにおいて次のように作用する。分流管18から冷媒分流室4に流入する冷媒流は、多孔質透過材層20を通過することによりさらに気泡が細分化される。これにより、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。また、多孔質透過材層20は絞り部8に対するフィルターを兼用することができる。
また、本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、弁室部3及び分流室部5が鍛造品を切削して製作されるが、それぞれ別体として製作されるので、弁室部3における円筒部21や接合突部7bの加工が容易である、また、分流室部5においては、底壁16にはガイド部が形成されるが、分流室部5の上方部が開放されているのでその製作が容易である。また、多孔質透過材層20の取付は、下端を環状の凹溝16cに差し込み、上端部を円筒部21に差し込みながら組み立てればよいので、容易に分流室部5内へ設置することができる。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について図6及び図7に基づき説明する。図6は、実施の形態5に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図であり、図7は同実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成を示す分解組立図である。これら図に示すように、同冷媒分流室結合型膨張弁は、実施の形態2において冷媒分流室の構造を変更したものである。
この実施の形態において、弁室部3は、仕切壁7の冷媒分流室4側において、弁孔9を取り囲むように仕切壁7から下方に突出する円筒部21が設けられている。この円筒部21は、絞り部8から噴出される冷媒流を弁孔9に対向する底壁16に直進的に吹き付けるためのものであり、また、逆方向冷媒流れ時において冷媒旋回流の軸部を形成する。弁室部3は上記の点を除いては実施の形態1と同一である。なお、この円筒部21は、実施の形態4の場合の円筒部21と同一でもよいが、逆方向冷媒流れにおける冷媒の旋回流を維持するために軸方向に少し長く形成されている。
また、分流室部5において、分流管18が上方位置において冷媒分流室4の内周面に対し接線方向となるように接続ポート19が形成されている。また、分流管18の先端部は、略円筒状内周面に略沿うように、冷媒分流室4の内周面と略同一の円弧又は、この円弧からの飛び出し量が小さくなるように直線状に切断されている(図6(a)参照)。この実施の形態における分流管18は4本であるが、2本以上の適宜の数に設定することができる。また、冷媒分流室4の底壁(すなわち、弁孔9に対向する底壁16)には、実施の形態4と同様のガイド部が形成されている。すなわち、底壁16の中心部には上方へ略円錐状に突出する突出部16aが形成され、突出部16aと側壁17とのコーナ部には両者を滑らかな曲面で接続する曲面部16bが形成されている。
実施の形態5に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、以上のように構成されるので、実施の形態2と同様の作用効果を示すが、実施の形態2との相違点を中心に説明する。
本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、正方向冷媒流れにおいては、実施の形態4におけると同様に作用する。すなわち、絞り部8から噴出される冷媒流は、底壁16に形成されたガイド部のガイド作用により冷媒流れの方向変更が助長されて冷媒流の噴出エネルギが低減されるとともに、冷媒流中の気泡の細分化が行われる。また、反転迂回された冷媒流は、多孔質透過材層20を通過する際に噴出エネルギが消耗され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減されるとともに、冷媒分流室4の分流特性が向上する。
また、本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、逆方向冷媒流れにおいて次のように作用する。分流管18から冷媒分流室4に流入する冷媒流は、円筒部21の側方において冷媒分流室4の内周面に沿うように流入するので、旋回流を形成する(図6(a)参照)。これにより、冷媒分流室4に流入する冷媒流が掻き乱されて冷媒中の気泡が細分化される。また、膨張弁における冷媒流の速度変動及び圧力変動が緩和され、膨張弁における不連続な冷媒流動音が低減される。
また、本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、弁室部3及び分流室部5が鍛造品を切削して製作されるが、それぞれ別体として製作されるので、弁室部3における円筒部21や接合突部7bの加工が容易である、また、分流室部5においては、底壁16にガイド部が形成されるが、分流室部5の上方部が開放されているのでその製作が容易である。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6について図8に基づき説明する。図8は、実施の形態6に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は分解組立図である。実施の形態6に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、実施の形態2における分流室部5の取付構造を変更したものである。以下実施の形態1との相違点を中心に説明する。
本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、弁室部3と分流室部5とを螺合構造により結合するとともに、その接合部をOリング23によりシールしている。そのために、弁室部3の仕切壁7の中央部における接合突部7bの軸方向長さを大きくするととともに、外周に雄ねじ7cを切っている。また、仕切壁7の外周側を鍔部7dとし、その分流室部5側に面する端面にOリング溝24を形成している。
また、分流室部5の上方開口部の内周面に雄ねじ7cに螺合し得る雌ねじ5aが切られている。また、分流室部5の上方開口部の外周側をフランジ部5bとし、前述のOリング23の接合面として形成されている。
本実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁は、このように構成されているので、弁室部3と分流室部5との組みつけに際しては、Oリング溝24に対しOリング23を挿入し、雌ねじ5aに対し雄ねじ7cを締め付けて行くことにより、弁室部3と分流室部5とを接合することができる。その他は実施の形態1と同様である。したがって、現地工事的な冷凍装置の場合には都合がよい。また、弁室部3と分流室部5とは結合した後に結合解除することもできるので、絞り部8がごみ詰まりしたおそれのある場合には、膨張弁の内部を点検することができる。
(変形例)
(1)上記各実施の形態において、分流室部5は、図示された形状のように弁室部3と略同一径の円筒形状のものでなく、異なる径の円筒形状でもよく、あるいは円筒形状以外の形状としてもよい。
(2)分流管18は、各実施の形態において4本のものを示しているが、これに限られたものではなく2本以上としてもよい。
(3)弁室部3と分流室部5との接合は、実施の形態1等に記載したようなろう付、実施の形態6に記載したようなねじとOリング等のシール手段の併用以外の固定手段でもよい。例えば、溶接、圧入などでもよい。なお、実施の形態6においては、シール手段としてねじシール、ガスケット等の他のシール手段を用いてもよい。
実施の形態1に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は分解組立図である。 実施の形態2に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は分解組立図である。 実施の形態3に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は分解組立図である。 本発明の実施の形態4に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成を示す縦断面図である。 同実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成を示す分解組立図である。 本発明の実施の形態5に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は(a)におけるA−A断面図である。 同実施の形態に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成を示す分解組立図である。 本発明の実施の形態6に係る冷媒分流室結合型膨張弁の概略構成図で、(a)は縦断面図であり、(b)は分解組立図である。 従来の冷凍装置における一般的な冷媒回路図である。
符号の説明
1…弁本体、2…弁室、3…弁室部、4…冷媒分流室、5…分流室部、6,15…筐体、7…仕切壁、8…絞り部、9…弁孔、11…弁体、12…液管、13…入口ポート、16…底壁、18…分流管、19…接続ポート、20…多孔質透過材層、21…円筒部。

Claims (10)

  1. 弁本体は、内部が弁室とされる弁室部と、内部が冷媒分流室とされる分流室部とから構成され、
    弁室部は、分流室部側に冷媒分流室と弁室とを仕切る仕切壁を底壁とする筐体を有し、この筐体の内部に駆動装置により駆動される弁体、及び、この弁体と前記仕切壁に形成された弁孔とで構成される絞り部が設けられ、さらに、この筐体には液管を接続する入口ポートが形成され、
    一方、分流室部は、上方が開放された筐体を有し、この筐体に複数の分流管を接続する接続ポートが形成され、
    上記構成の弁室部と分流室部とは別体に製作され、その後に分流室部の上部が弁室部の仕切壁により閉塞されるように両者接合される
    ことを特徴とする冷媒分流室結合型膨張弁。
  2. 前記弁室部と分流室部とは、分流室部の上方開口部と弁室部の仕切壁とがろう付されて両者接合されることを特徴とする請求項1記載の冷媒分流室結合型膨張弁。
  3. 前記弁室部と分流室部とは、分流室部の上方開口部と弁室部の仕切壁とが溶接されて両者接合されることを特徴とする請求項1記載の冷媒分流室結合型膨張弁。
  4. 前記弁室部と分流室部とは、分流室部の上方開口部と弁室部の仕切壁とがねじ結合されるとともに、両者の接合面がシール手段によりシールされるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の冷媒分流室結合型膨張弁。
  5. 前記分流室部に取り付けられる分流管は、前記仕切壁に近い位置において開口するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の冷媒分流室結合型膨張弁。
  6. 前記弁室部は、仕切壁における弁孔の周りの分流室部側に円筒部が設けられていることを特徴とする請求項5記載の冷媒分流室結合型膨張弁。
  7. 前記分流室部は、前記弁孔に対向する底壁に絞り部から噴出された冷媒流を反転迂回させるガイド部を備えていることを特徴とする請求項5又は6記載の冷媒分流室結合型膨張弁。
  8. 前記冷媒分流室は略円筒状に形成され、前記分流管は、逆方向冷媒流れにおいて冷媒分流室の内周面に対し接線方向に冷媒が導入されるように形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の冷媒分流室結合型膨張弁。
  9. 前記弁室部と分流室部とが接合される際に、冷媒分流室内における冷媒流路に多孔質透過材層が設置可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の冷媒分流室結合型膨張弁。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載の冷媒分流室結合型膨張弁を用いたことを特徴とする冷凍装置。
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