JP5535098B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Description
このような渦が発生すると、渦からニードルが力を受け自励振動が発生し、膨張弁から冷媒配管や筐体に振動が伝わって騒音が発生する、という問題点があった。
[構成]
図1は本発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の構成を示す図である。
図1に示すように、冷凍サイクル装置は、圧縮機1、凝縮器3、膨張弁4、および蒸発器5を備えている。
圧縮機1は冷媒を圧縮する。
凝縮器3は、圧縮機1と冷媒配管2aにより接続され、圧縮機1によって圧縮された冷媒を凝縮する。
膨張弁4は、凝縮器3と冷媒配管2bにより接続され、凝縮器3によって凝縮された冷媒を膨張する。
蒸発器5は、膨張弁4と冷媒配管2cにより接続され、膨張弁4によって膨張された冷媒を蒸発する。
この冷凍サイクル装置を空気調和機に適用することで、凝縮器3での発熱を利用して暖房を行う。また、蒸発器5の吸熱を利用して冷房を行う。
なお、四方弁を設けて冷媒の循環方向を変えることにより、冷房・暖房運転の切り替えを行うようにしても良い。
図3は本発明の実施の形態1による乱れ発生部材の斜視図である。
図に示すように、膨張弁4は、弁室16と、弁室16に設けた弁孔8と、弁孔8に対して進退自在に設けられ、弁孔8の絞り量を調節するニードル6と、ニードル6の側面側の弁室16に形成された接続口10とを備えている。そして、接続口10には冷媒配管2bが接続され、弁孔8には冷媒配管2cが接続される。
このモータ7が回転することによりニードル6が上下し(上下機構は図示せず)、膨張弁4の弁孔8の開度を制御する。
これにより冷媒の流量を調節すると共に、弁孔8を冷媒が通過する際に膨張して、減圧する作用がある。
この乱れ発生部材9は、筒状の部材に切り欠き11を形成し、切り欠き11を中心側(冷媒の主流側)に折り曲げて構成している。
この乱れ発生部材9は、例えば、切断した冷媒配管2bの間に挟んでろう付けし冷媒が漏れないように固定する。
なお、乱れ発生部材9の取り付け方法はこれに限るものではない。例えば、乱れ発生部材9を冷媒配管2bに挿入して固定しても良い。また、接続口10と冷媒配管2bとの接合部に乱れ発生部材9を配置しても良い。
ここで、本実施の形態における作用を説明する前に、乱れ発生部材9がない従来の冷凍サイクル装置での問題点について説明する。
図11は従来の冷凍サイクル装置の要部を示す断面図である。
なお、図11において、本実施の形態と同様の構成には同一の符号を付する。
図11に示すように、従来の冷凍サイクル装置は、乱れ発生部材9を設けていない冷媒配管2bから膨張弁4へ冷媒が流入し、膨張弁4により減圧された後、冷媒配管2cに流出する。
このような従来の冷凍サイクル装置において、凝縮器3では冷媒が凝縮することにより気相冷媒に液相冷媒が混じった気液二相状態に変化するが、運転条件によりほとんどが液相になることがある。
さらに、この液相冷媒が冷媒循環量の少ない状態で膨張弁4に流入すると、膨張弁4のニードル6の後流101で周期性を持ったきれいな渦100が発生する。
この渦100からニードル6が力を受け自励振動が発生し、膨張弁4から冷媒配管2や筐体(図示せず)に伝わって振動や騒音が発生する、という問題点があった。
再び図2において、本実施の形態の冷凍サイクル装置は、凝縮器3からの冷媒が乱れ発生部材9を設けた冷媒配管2bから膨張弁4へ流入し、膨張弁4により減圧された後、冷媒配管2cに流出する。
このような構成によれば、液相状態の冷媒が冷媒循環量の少ない状態で流入しても、乱れ発生部材9で乱れが発生し、乱流状態となる。
この乱流状態の冷媒が膨張弁4に流入すると、ニードル6の後流101でも非定常な流れとなり、周期性を持った渦の発生を抑制できる。これにより、ニードル6が自励振動することを抑制することができ、振動や大きな騒音の発生を低減することが可能となる。
本実施の形態においては、乱れ発生部材9の切り欠き11を、中心側(冷媒の主流側)に折り曲げる角度を調整することで、乱れ発生部材9を挿入したことによる圧力損失も調整が可能となる。
許容できる振動、騒音まで切り欠き11の曲げ角度を調整し、圧力損失の増大を最小限にできる。
図4は本発明の実施の形態1による冷凍サイクル装置の騒音と、乱れ発生部材がない冷凍サイクル装置の騒音とを比較したグラフである。
図4のグラフは、乱れ発生部材9の設置有無の状態で比較した膨張弁4から300mm離れた位置での騒音の周波数特性である。なお、乱れ発生部材9は、切り欠き11を冷媒の主流側に折り曲げた形状(図3)であり、膨張弁4の接続口10から冷媒配管2bの直径の約7倍の長さの上流位置に配置した。
また、図4においては、横軸が騒音の周波数(Hz)、縦軸が騒音レベル(dBA)を表しており、太線で表したデータは乱れ発生部材9がある場合で、細線で表したデータは乱れ発生部材9がない場合である。
このため、液相冷媒が冷媒循環量の少ない状態でも、流れに乱れが発生し、膨張弁4の内部で振動の原因となる周期性を持った渦100の発生を抑制することができる。
よって、振動、騒音を低減することができる。
このため、液相冷媒が冷媒循環量の少ない状態でも、流れに乱れが発生し、膨張弁4の内部のニードル6の後流で、振動の原因となる周期性を持った渦100の発生を抑制することができる。
よって、渦100からニードル6が力を受け自励振動が発生することを抑制することができ、膨張弁4から冷媒配管2や筐体に振動が伝わって騒音が発生することを低減することができる。
このため、液相状態の冷媒が冷媒循環量の少ない状態で流入しても、乱れ発生部材9で乱れが発生し、乱流状態とすることができる。
よって、膨張弁4の内部で振動の原因となる周期性を持った渦100の発生を抑制することができる。したがって、振動、騒音を低減することができる。
例えば、図5に示すように、筒状の部材に切り込み17を形成し、この切り込み17を中心側(冷媒の主流側)に折り曲げて、乱れ発生部材9を構成しても良い。
このような構成においても同様の効果を得ることができる。
例えば、板状の部材に切り欠き11を形成し、この切り欠き11を折り曲げて、乱れ発生部材9を構成しても良い。また、板状の部材に切り込み17を形成し、この切り込み17を折り曲げて、乱れ発生部材9を構成しても良い。
このような構成においても同様の効果を得ることができる。
このような構成においても同様の効果を得ることができる。
図6は本発明の実施の形態2による冷凍サイクル装置の要部を示す断面図である。
図7は本発明の実施の形態2による乱れ発生部材の斜視図である。
図8は本発明の実施の形態2による乱れ発生部材を軸中心線上から見た正面図である。
なお、図6〜図8において、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付する。
この乱れ発生部材9は、上記実施の形態1と同様に、膨張弁4の接続口10の上流側の冷媒配管2内に設置している。
なお、乱れ発生部材9の取り付け方法はこれに限るものではない。例えば、乱れ発生部材9を冷媒配管2bに挿入して固定しても良い。また、接続口10と冷媒配管2との接合部に乱れ発生部材9を配置しても良い。
この乱流状態の冷媒が膨張弁4に流入すると、ニードル6の後流101でも非定常な流れとなり、周期性を持った渦の発生を抑制できる。これにより、ニードル6が自励振動することを抑制することができ、振動や大きな騒音の発生を低減することが可能となる。
本実施の形態においては、乱れ発生部材9の凸部12の形状、高さ、数量を調整することで、乱れ発生部材9を挿入したことによる圧力損失も調整が可能となる。
許容できる振動、騒音まで、凸部12の形状、高さ、数量を調整し、圧力損失の増大を最小限にできる。
このため、液相状態の冷媒が冷媒循環量の少ない状態で流入しても、乱れ発生部材9で乱れが発生し、乱流状態とすることができる。
よって、膨張弁4の内部で振動の原因となる周期性を持った渦100の発生を抑制することができる。したがって、振動、騒音を低減することができる。
このような構成においても同様の効果を得ることができる。
例えば、筒状または板状の部材に、凹部および凸部の少なくとも一方を形成して、乱れ発生部材9を構成しても良い。
また例えば、図9に示すように、筒状の部材に1または複数の穴13を形成して、乱れ発生部材9を構成してもよい。
このような構成によっても、液相状態の冷媒を乱流状態とすることができ、同様の効果を得ることができる。
例えば、板状の部材に凸部12や凹部を形成して、乱れ発生部材9を構成しても良い。また、板状の部材に穴13を形成して、乱れ発生部材9を構成しても良い。
このような構成においても同様の効果を得ることができる。
このような構成においても同様の効果を得ることができる。また、部品点数が削減でき、施工が容易となる。
図10は本発明の実施の形態3による冷凍サイクル装置の要部を示す断面図である。
なお、図10において、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付する。
図10に示すように、本実施の形態における乱れ発生部材9は、膨張弁4の上流側の冷媒配管2bに形成した穴15に一端を接続し、他端を閉じた枝配管14により構成している。また、枝配管14の先端14aは、先細形状に形成している。
すなわち、冷媒配管2bは、穴15により枝配管14で分岐されており、この枝配管14の先端14aが平面とならない様に閉じている。
この乱れが発生した冷媒が膨張弁4に流入すると、ニードル6の後流101でも非定常な流れとなり、周期性を持った渦の発生を抑制できる。これにより、ニードル6が自励振動することを抑制することができ、振動や大きな騒音の発生を低減することが可能となる。
また、先端14aを先細形状とし、平面とならない様に閉じた枝配管14としたことで、枝配管14内で定在波が立ちにくくなり、枝配管14での共鳴による新たな音源の発生を抑制できる。
このため、液相状態の冷媒が冷媒循環量の少ない状態で流入しても、乱れ発生部材9で乱れが発生し、乱流状態とすることができる。
よって、膨張弁4の内部で振動の原因となる周期性を持った渦100の発生を抑制することができる。したがって、振動、騒音を低減することができる。
例えば任意の流体の流量を調整する膨張弁4においても、膨張弁4の内部で振動の原因となる周期性を持った渦100の発生を抑制することができ、振動、騒音を低減することができる。
Claims (3)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、
前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器によって凝縮された冷媒を膨張する膨張弁と、
前記膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発する蒸発器と、
前記凝縮器と前記膨張弁とを連結する冷媒配管内に設けられ、前記膨張弁に流入する冷媒の流れに乱れを発生させる乱れ発生部材と
を備え、
前記乱れ発生部材は、
前記冷媒配管に形成した穴に一端を接続し、他端を閉じた枝配管により構成した
ことを特徴とする冷凍サイクル装置。 - 前記枝配管の他端側を先細形状に形成した
ことを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。 - 前記乱れ発生部材を前記冷媒配管に一体形成した
ことを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
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