JP4659066B2 - 流路装置 - Google Patents

流路装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4659066B2
JP4659066B2 JP2008136862A JP2008136862A JP4659066B2 JP 4659066 B2 JP4659066 B2 JP 4659066B2 JP 2008136862 A JP2008136862 A JP 2008136862A JP 2008136862 A JP2008136862 A JP 2008136862A JP 4659066 B2 JP4659066 B2 JP 4659066B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow
fluid
pressure pulsation
pressure
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2008136862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008196848A (ja
Inventor
浩司 山下
達哉 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Japan Aerospace Exploration Agency JAXA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp, Japan Aerospace Exploration Agency JAXA filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2008136862A priority Critical patent/JP4659066B2/ja
Publication of JP2008196848A publication Critical patent/JP2008196848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4659066B2 publication Critical patent/JP4659066B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pipe Accessories (AREA)

Description

この発明は、例えば空調機や冷凍機を構成する冷凍サイクルの内部を流れる冷媒などの流体の圧力脈動を低減する技術に関するものである。
従来の圧力脈動を低減する装置としては、流体が流れる配管などの途中で流路面積を拡大した膨張部での乱反射によりエネルギーを損失させる膨張型マフラーが知られている。膨張型マフラーでの圧力脈動を低減する効果は比較的広帯域に及ぶ。
また、従来の圧力脈動を低減する装置においては、入口管と出口管の間に断面積の広い部分を持ち、そこに多数の貫通孔を設けた板を周囲と隙間のないように配置した構造になっており、流入する流体が流路を広げられることにより流速が落ちる効果、および多数の貫通孔を流体が通ることにより圧力脈動を低減していた。(特許文献1参照)
また、従来の圧力脈動を低減する装置においては、流体が通る弁ボディと摺動部とのクリアランスを小さくするなどして摺動部の摺動抵抗を大きくすることにより、圧力脈動を低減させていた。(特許文献2参照)
特開平6−101794号公報(第1図〜第3図) 特開平11−270429号公報(第1図〜第6図)
従来の膨張部での乱反射によりエネルギーを損失させる膨張型マフラー型の圧力脈動低減装置は、圧力脈動低減量を増加させるためには膨張部前後での径の比を大きくする必要があり、圧力脈動低減量を増やすためには大きなスペースを必要とすると言う問題があった。
また、流路が急拡大または急縮小するため、圧力脈動のみならず流体の圧力自身の損失が多大に発生し、入口流体の圧力に対し出口流体の圧力が低下してしまうという問題があった。
また、流体が流れる流路隙間を小さくすると言う技術では、流体の圧力損失が大きく、入口流体の圧力に対し出口流体の圧力が低下してしまうという問題があった。
またこれらの従来の技術を、冷凍サイクル装置に適用した場合は、圧力損失のため、冷凍サイクル装置の効率が悪くなってしまうという問題点があった。
また、流路内に縮流部設ける構造ではこの縮流部が周囲と隙間のないように配置されているため、流体は縮流部を通らざるを得ず、異物や油などにより縮流部が詰ってしまった場合は、流体が流れなくなってしまうという問題点があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたのもので、本発明の目的は、大きなスペースを必要としない流体圧力脈動を低減する装置及び方法を得ることである。
またこの発明は、内部を流れる流体の圧力をあまり低下させないで圧力脈動だけを低減させる装置及び方法を得ることを目的としている。
またこの発明は、効率を悪化させることなく、圧力脈動を低減した冷凍サイクル装置を得ることを目的としている。
またこの発明は、圧力脈動のある装置に対しても能力が高く長期運転に対し信頼性の高い技術を得ることを目的としている。
本発明の流路装置は、流体が流れる流路の内部に配置された内管であって、流体を流路内にてこの内管の外部と内部に分流させる内管と、内管の内部と外部を連通させる内管に分布して設けられた複数の小孔と、内管の外部もしくは内部に設けられ外部と内部の流体の流速に差を発生させる流路抵抗体と、を備え、内管の内部と外部との圧力差により内部と外部の一方から他方へ小孔を通して噴流を吹き出させ流路を伝播する圧力脈動を低減させるものである。
この発明の圧力脈動低減方法は、流体が流れる外管の内部に配置され外管内部を区分けする流路区分け手段を設け、流体を外管内にて複数の流路に分流させるステップと、複数の流路の少なくとも一つの流路の流速を遅くして、流路区分け手段の両側に流速の遅い流路と流速の速い流路を設けるステップと、この二つの流路間を連通する分布して設けられた複数の小孔を通して区分けされた流路の流速の差による圧力差により流速の遅いほうから流速の速いほうに噴流を吹き出させるステップと、吹出す噴流により流速の速い流体が伝播する圧力脈動を低減させるステップと、を備えたものである
この発明は、小さなスペースで大きな圧力脈動低減効果を得ることができる。また本発明は流体の圧力をあまり低下させないで圧力脈動だけを低減させる効果がある。例えば、本発明を冷凍サイクル装置に適用した場合は、冷凍サイクル装置の圧損にならないため、機器の効率を低下させずに、圧力脈動だけを低減させることができ、効率のよい装置を得ることができるという効果がある。また本発明は異物や油などが詰ってしまった場合でも流体が流れなくなることを防ぐ信頼性の高い装置が得られる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示す流体の圧力脈動低減装置の構成図、図2は圧力脈動低減装置30を設置した冷凍サイクル装置の構成図である。図において、圧縮機20で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器21にて凝縮して液冷媒になり、絞り手段23にて減圧後、蒸発器24にて蒸発し、低温低圧のガス冷媒になり、圧縮機20へ吸い込まれる。凝縮器21には凝縮器用送風機22が設けられており凝縮器の熱を空気と熱交換している。蒸発器24には蒸発器用送風機25が設けられ蒸発器の熱をやはり同様空気と熱交換している。
圧縮機20は、内部に電気駆動式のモータを持ち、モータの回転によりロータが回転することで、圧縮室内のすきま容積が可変され、圧縮室に吸い込まれた流体が圧縮されて、規定圧力もしくは規定回転角度になった後、流体が圧縮機から一気に吐出される構造となっている。従って、圧縮機20から吐出される流体の圧力は圧縮機の回転数に圧縮室の数を乗じた値を基本周波数とし高調波成分も含んだ脈動成分を持ったものとなる。また、当然、圧縮機の吸入側の圧力も圧縮機の回転数に圧縮室の数を乗じた値を基本周波数とし高調波成分も含んだ脈動成分を持ったものとなる。圧縮機20としては、ロータリ型、スクロール型、レシプロ型、スクリュー型などがあり、どの型においても、圧力脈動が発生する。
この圧力脈動が伝播すると、凝縮器21もしくは膨張手段23もしくは蒸発器24もしくはこれらを接続し流体が流れる配管を振動させ、周囲への騒音発生の原因になるため、圧縮機20の近辺の流路に圧力脈動低減手段30を設置し、流体の圧力脈動を減らす必要がある。また、圧縮機の吐出側あるいは吸入側に圧力スイッチをつけ、運転圧力範囲に制限をつけている場合などは、この圧力スイッチが高圧側を拾う場合は脈動する平均値より高い圧力を、低圧側を拾う場合には脈動する平均値より低い圧力を検出して安全対策を行っており、機器の実際の運転範囲を広げるため、圧力脈動低減手段により圧力スイッチ設置部の流体の圧力脈動を減らす必要がある。また、機器の耐圧設計は平均値より高い脈動部分を考慮して材料、寸法、形状を決めており、考慮する圧力脈動を低減することにより、機器の実際の設計耐圧を小さくできコストを下げられる。
図1と図2に示す流体の圧力脈動低減手段30の構造では、流路である外管10の内部に内管11を流入流体1から流出流体2のような流体の流れに沿って配置する。このとき流体は内管11の内部と、外管10の内側であって内管11の外部に主流3として分流して流れることになる。内管11はその内部と外部を連通する多くの小孔12が設けられるとともに、流出側では閉鎖板で閉鎖される構造か、あるいは、ほんの少ししか流れないようなスリットだけのほとんど閉鎖された構造、あるいは小さな開口を設けるなどの構造であるこの流路抵抗体により流れが抑えられている。このため内管の内部の流体は小孔12から縮流部4に流れ込むことになる。結局外管10の中を流れる流体は流入流体1が内管11を配置したところでは内管内部の流れが流路抵抗体により制限されているため内管外部の縮流部4にて流速を上げて流れ、流出流体と成る。このように配管などの内部の構造で圧力脈動が低減できるので大きな特別なスペースが不要となる。膨張型マフラーにおいては、前後の配管外径の2倍程度以上の外径にする場合が多いが、この構造であれば、圧力損失を小さく抑えながら、前後の配管と同程度の外径あるいは前後の配管よりも小さい外径の圧力脈動低減手段を実現できる。なお、設置スペースからは前後の配管の外径と同程度以下の外径であることが望ましいが、前後の配管に対し、1.2倍程度以下の外径、あるいはこれを若干超えたとしてもこの圧力脈動低減装置30を形成する流路抵抗体を収納する配管のために特別なスペースを必要としない範囲に十分に収めることができる。冷凍サイクルに適用する場合、流体を高圧に上昇させて吐出する圧縮機の吐出口から吸入する圧縮機の吸入口までこの圧力脈動低減装置30を設けても、本来の流体を循環させる配管径とほぼ同じ程度の径の配管をつなぐだけで良い。ガス側と液側等で配管径を変えるような場合は、この圧力脈動低減装置30の前後の配管径に比べ2倍以上のごとくマフラー効果をもたせるためなどなんら特別に大きくする必要性は無い。これにより圧力脈動低減装置30を設置しても配管を収納する容器や室外機などのスペースを小さく抑えることができる。
この発明では内管11の外部と内部の流れの速度を変えることにより内管の内部と外部に圧力差を発生させている。そのためには図1のように内管の流出側に流体の流れを遅くする抵抗体を設ければ良く、流出端部を閉鎖してもよいし、閉鎖せずに穴あけをしたり、スリット状の開口や整流板を設けて流れをスムーズにしながら遅くする流体抵抗体でも良い。また図1、2では内管の内部流速を遅らせて内管の外部に縮流部を設けた構造で説明したが、内管内部を縮流部として内管の外部の流出端側に流れを閉鎖する流体抵抗体を設けても良い。また図1、2では2つの流路を設け流速の違いを利用したが、本発明は高圧の流体が圧力脈動を持って流れる流路内で、流体の有するエネルギーをその前後の配管径とほぼ同じ程度の配管サイズの中で流路を変更して消費させて圧力脈動を低減させようと言うものである。したがって配管の中に複数の流路、例えば複数の前述の説明の構造を有する内管でもよいし、1つの流路でも流路抵抗体を設けるだけで本発明の効果が得られる。すなわち内部流速を遅らせて内管の外部に縮流部を設けた構造で説明したが、内管内部を縮流部として内管の外部の流出端側に流れを閉鎖する流体抵抗体を設けても良い。あるいは内管等存在させずに流路の流れあるいは流路そのものを変更する例えば流れの入口は板状とし出口は寸法を小さくしていくブロック状の流体に対する抵抗体を設ければよい。このように本発明は配管径を大幅な拡大が不要でほとんど変えずに流路の流れを変更する流体抵抗体を設けて動圧を変化させる構造であり、配管を太くして流体全体を拡大しなくとも圧力低下を抑えて圧力脈動を低減できる。更にこの発明は共鳴の構造体を設けることにより特定の波長のエネルギーを減らすものでもなく、主流路の流れに噴流を吹出させ、噴流のエネルギーで主流路の流れに存在する脈動エネルギーを低減させるため、どのような脈動波長にも対応できるものでこの脈動低減効果は広帯域に及ぶものである。
なお、流体に圧力脈動がある場合、流体の圧力は定常圧力に対してプラス側及びマイナス側に周期的に変動している。このような流体の流れに対し、小孔からある程度の流速を持った流体を吹き出す如く流れを変えると、その噴流が圧力脈動を低減させる効果を持つことが最近の研究によって明らかになってきた。その圧力脈動低減メカニズムには諸説があり、完全には解明されていないが、1979年に発行されたJournal of Fluid Mechanicsの209頁から229頁にM.S.HOWEが記載した「Attenuation of sound in a low Mach number nozzle flow」には、噴流のエネルギーの一部が渦の生成エネルギーに使われることについて記されている。次に、この現象を基に、渦による圧力脈動低減のメカニズムについて図3〜図5によって説明する。
孔空板の両側に図のようにP1とP2の圧力差をつけると、圧力差に応じて孔内部を通る噴流が形成される(図3)。この時、HOWEによれば、噴流の下流側では周囲流体とのせん断作用によって噴流の持つエネルギーの一部が渦のエネルギーに変換され、渦が生成される。このせん断作用は噴流の速度と周囲流体の速度との差が大きいほど大きくなる。生成された渦は、噴流によって押し流されて孔空部から離れてゆき、その移動過程において、周囲流体とのせん断や摩擦により、熱エネルギー、すなわち周囲流体の温度上昇、と圧力のエネルギー、すなわち周囲流体への脈動成分の放出、に変換されて最後は散逸する。すなわち、噴流近傍においては、この渦の生成と散逸が連続的に繰り返されており、孔空部周囲は噴流と渦を含む脈動する空間となっている。孔空部での噴流によって形成される渦の寸法は孔直径dに依存し、渦によって発生する圧力脈動の周波数fは、噴流の速度をUと置くとこれらの関係は次の式で示される。
Figure 0004659066
此処で、渦が生成される周期は1/f、波長は音速/fとなる。更に噴流近傍に波長λが孔の直径よりも十分大きい(λ>>d)圧力脈動が入射することを考える。先に述べた通り、圧力脈動は定常圧力に対してプラス側及びマイナス側に周期的に変動している。そこで、噴流近傍にこの圧力脈動の高圧成分或いは低圧成分が入射したとすると、図4に示すように渦が生成される瞬間に孔の上流側及び下流側の定常圧力は上昇あるいは下降する。
圧力脈動の高圧成分が入射し定常圧力が上昇する場合(図4(1))、孔空部の両側の圧力変化量は同じであり孔空部前後の圧力差は不変であるが、圧力が上昇した分定常密度ρが上昇する。噴流の定常速度Uは、孔空部の両側の圧力をP、Pとすると、ベルヌーイの定理より次の式で示される。
Figure 0004659066
このように定常密度ρが上昇すると噴流の定常速度Uは低下する。従って、定常圧力が上昇すなわち圧力変動ΔP>0の時、定常速度が低下すなわち速度変動ΔU<0となる。
反対に、圧力脈動の低圧成分が入射し定常圧力が下降する場合(図4(2))、同様に、圧力差が不変で定常密度が低下するため、噴流の速度が増す。従って、定常圧力が下降すなわち圧力変動ΔP<0の時、定常速度が増加すなわち速度変動ΔU>0となる。孔空部近傍の空間内力学的エネルギーEは、ニュートンの第二法則より、圧力変動ΔPと速度変動ΔUの積を一周期積分したもの、すなわち、次式のものとなる。
Figure 0004659066
従って、先に述べた通り、ΔP>0の時ΔU<0、ΔP<0の時ΔU>0であり、力学的エネルギーEは常に負となる(図5)。力学的エネルギーが負になるということは、圧力脈動のエネルギーが散逸し、脈動エネルギーが減少すなわち圧力脈動が低減することを意味する。そして、主流の圧力脈動の波長が二次流れにより生成される渦の波長よりも十分に大きい時に圧力脈動が渦と干渉してエネルギーを失うため、圧力脈動低減効果が発揮される。従って、低周波数域においては確実に圧力脈動低減効果が得られる。
また、主流の流れに直交した方向の小孔の間隔は、主流の圧力脈動の波長に対し、十分に小さい必要がある。小孔の間隔が圧力脈動の波長よりも大きいと、圧力脈動が小孔で発生する渦の間をすり抜けてしまうためである。しかし、一方、主流の流れ方向の小孔の間隔は圧力脈動の波長よりも長くても構わないが、小孔で発生する渦の数が少なくなり、その分圧力脈動低減効果が少なくなる。このような小孔を内管壁面全体に分布させて設けるので異物混入などによる詰まりに対し強い装置となり、長期間運転に対し信頼性の高い装置が得られる。
図6は、本発明による圧力脈動低減装置の効果を確認した実験結果であり、圧力脈動の伝播する流路10に孔空管11を設置し、孔空管の小孔12である孔空部を通して流路内に噴流を導入させ、噴流がない場合に対する圧力脈動低減量を測定したものである。図において、横軸は圧力脈動の周波数、縦軸は圧力脈動低減量を示している。(1)の実験1と(2)の実験2とは、異なる実験に対する測定結果であり、実験1は流体が空気でありかつ外管の断面積が約200cmである場合に対する測定結果であり、実験では噴流の速度を変化させており、図中に示している噴流の流速は、流速1<流速2<流速3<流速4、という関係になっている。また、実験2は流体が冷媒(R407C、過熱ガス)でありかつ外管の断面積が約21mmである場合で、圧力脈動をスクリュー型圧縮機により発生させた実験に対する測定結果である。このいずれの場合も、噴流が存在する場合には圧力脈動が低減していることを示しこの噴流による効果があることが分かる。特に低周波数域においては圧力脈動低減効果が大きく得られており、かつ噴流の流速が大きい方が圧力脈動低減効果が大きいことが分かる。すなわち低周波の圧力脈動に対し、小孔の両側の圧力差を大きくすると効果が大きいことが分かる。
また、流体が、空気であってもフロン系のガス冷媒であっても、圧力脈動低減効果が得られている。理論より、噴流によって渦が起きる流体であれば、どんな流体でも同様の効果が得られるのは明らかである。また、流路断面積が大きくても、小さくても、圧力脈動低減効果が得られており、流路の大きさによらず圧力脈動低減効果があることが分かる。なお、図6において、実験2の圧力脈動低減効果が実験1よりも小さいのは流路断面積の大小によるものではなく、小孔部の面積の違いによるものである。また、小孔の孔径はより小さい方が望ましいことも、別の実験より明らかになっている。
さて、先に示した図2において、冷凍サイクル中の圧縮機20の吐出側に、以上のメカニズムを応用した圧力脈動低減装置30が設置されている。圧力脈動低減手段30内には内管11が設置されており、内管11は、一端が開放され、他端が閉鎖されている。そして、内管11に周囲壁面に多数の小孔12が設けられている。なお、ここでは内管11の開放端は上流側、閉鎖端は下流側を向くように設置されている。ここで、装置の運転動作を開始し、圧力脈動低減手段30に流入した流体1は、内管10が、一端が閉鎖され周囲は複数の小孔が開いた構造になっているため、流動抵抗の少ない外管10と内管11の間の流路、すなわち縮流部4を流れる。従って、内管11の内部の流体はほとんど静止状態で、内管11の外部は流速の速い流体が流れている状態になる。流体力学のベルヌーイの定理より、流れの各部において流体の静圧と動圧の和は等しく、動圧は流速の2乗に比例する。すなわち、内管内部の静圧をP、内管外部の静圧をP、縮流部の流速をv、流体の密度をρ、流体の体積流量をQ、縮流部の断面積をAとおくと、次式が成り立つ。
Figure 0004659066
従って、縮流部4においては流速に応じた動圧が発生するが、内管11の内部には動圧が発生せず、内管内部の静圧Pは縮流部の静圧Pよりも大きくなる。従って、内管11の周囲壁面に設けられた小孔12の両端で差圧(=P−P)が生じるため、小孔12を通して、二次流れが生じる。このとき、二次流れの流速vは次式で示される。内管の内部に流速が存在する場合でも外部と内部とでは流速が異なるため動圧が異なり、上記説明のとおり動圧と静圧からなる全圧が同一であるため外部と内部では静圧の差が発生し、この差に基づき噴流が起こることになる。
Figure 0004659066
なお、式中のξは流体の流動損失係数で、開孔率が大きい時は1であるが、開孔率が小さくなると、流体が流れ難くなるため、値が大きくなる。開孔率が小さくかつ主流の速度があまり速くない時は損失係数は3程度であるが、主流が速くなると二次流れが起き難くなり、より大きな値として扱う必要がある。
そして、小孔12を通って縮流部に吹き出された流体は、縮流部を通る主流3と合流して、圧力脈動低減手段30から流出する。小孔12を通る流れが形成されると、先に説明したメカニズムにより、圧力脈動低減効果が生じる。従って、圧力脈動低減手段30に流入した冷媒の圧力脈動は小孔12の設置部において脈動が低減される。冷媒の圧力脈動が低減すると、配管振動に起因する騒音の発生が防止できる。
なお、図1および図2において、原理上内管は流れ中に固定されずに保持されていてもよいが、実際上はある位置に固定する必要があるため、内管は何かしらの固体で外管に固定されている。ただし、この固定具が主流の流れを妨害してはいけないため、図7に示すように、開孔率の大きなパンチングメタルや、隙間の大きい固定具を内管の支え15として用いるのが望ましい。
また、内管は、主流が内管の外部を通るようになってさえいればよく、内管の閉鎖端(底部)は完全に閉鎖されている必要はない。例えば、図8に示すように、内管の閉鎖端にも小孔を設けるようにしてもよい。このようにすると、圧力脈動低減量がより大きくなる効果がある。また、流体が潤滑油を含んでいる場合など、内管の内部に潤滑油が溜まるのを防止できる効果がある。なお、この時、内管の周囲の小孔と底部の小孔は同じ開孔率である必要はなく、異なった径にしてもよい。
図9は、圧力脈動低減装置を曲がった管路へ取り付ける場合の適用例である。曲がった管路への取り付けにおいては、図に示すように外管10自身に内管11をネジ止めすることができ、設置が容易になる。その他の流れ状況および効果は先の説明と同様である。なお、管路(外管)は直管、曲管どちらの場合も円筒形である必要はなく、図9に示すように、直方体やあるいはより変形した流路であっても構わない。また、内管も円筒形である必要はなく、直方体やあるいはより変形した形状であっても構わない。いずれの場合にも、圧力脈動低減効果が発生するのは、原理から明らかである。
また、図1あるいは図9のような構造の圧力脈動低減装置においては、内管11は一端開、他端閉の状態になっているため、内部で共鳴が起きる可能性がある。共鳴が起きると、共鳴周波数に応じた圧力脈動が余計に付与されることになり、好ましくない。以下に、共鳴対策を施した圧力脈動低減装置の構造について説明する。まずは、図10に示すように、内管11の開放端に半径方向に対して角度をつける方法が考えられる。共鳴周波数は、管の長さによって異なった値をとる。そこで、開放端に角度をつけることで、共鳴が起きる周波数を位置によって異なった値にすることができる。共鳴エネルギーそのものは変わらないが、共鳴帯域を広げることができるため、結果としてある特定の周波数の共鳴エネルギーを小さくすることができ、余計な圧力脈動が付与することを防止できる。すなわち内管の流体が流れる軸方向長さが外周側の位置の違いにより異なるものであればこの共鳴を減少させる対策になるということである。図11は、開放端に切り欠きをつけたものであるが、これも図10と同様、共鳴帯域を広げることができ、ある特定の周波数の共鳴エネルギーを小さくすることができ、余計な圧力脈動が付与することを防止できる。
図12は、内管11の内部に挿入管13を挿入し、一端に蓋14を、挿入管13の一端だけが開放するように、取り付けたものである。このようにすることで、内管内部で生じた共鳴が外部に放出される面積を小さくすることができ、また挿入管の内径を小さく取れば挿入管内部での摩擦により共鳴エネルギーを減衰させることができ、共鳴の影響が外部へ及ぶのを防ぐことができる。なお、挿入管13の先端は直角にしてもよいが、図12に示すように半径方向に対して角度を付けた構造にすると挿入管13内部での共鳴が起きるのを防ぐことができ、より効果が大きくなる。
図13は、挿入管13の内部にネジを切ったもので、挿入管13の内部での共鳴エネルギーの減衰をより多く起こさせ、共鳴の影響が外部へ及ぶのを防ぐことができる構造である。また、挿入管13の内部を粗い面にするだけでも、ネジを切った場合と同様の効果があるのは明らかである。
図14は、流体流入側の蓋14に孔をあけた構造である。蓋14の位置は内管内部の共鳴にとっては速度の節(圧力の腹)の位置に当たり、ここに孔をあけることで境界条件を変えることができ、共鳴が起こり難くする効果がある。また、図12から図14において、挿入管13の外周にネジを切るあるいは挿入管13の外周を粗い面にする方法も考えられる(図示せず)。この場合は内管11内部での共鳴が減衰する効果がある。また、すべての構造において、内管11の内面にネジを切るあるいは内管11の外周を粗い面にする方法も考えられ、内管11内部での共鳴が減衰する効果がある(図示せず)。
また、図12から図14において、内管11の内部に金属たわしなどの詰め物をしてもよく、この場合も、内管11内部での共鳴を減衰させる効果がある。図2では、圧力脈動低減装置30を冷凍サイクル装置の圧縮機の吐出側に取り付けることを例に説明を行ったが、圧縮機の脈動は吸入側にも伝播するため、図15に示すように冷凍サイクル装置の圧縮機の吸入側に取り付けてもよく、蒸発器側へ伝播する圧力脈動を低減させることができる。また、図16に示すように冷凍サイクル装置の圧縮機の吐出側と吸入側の両方に取り付けてもよく、圧縮機の両側に伝播する圧力脈動を低減させることができる。
また、図17に示すように、圧力脈動低減装置30は流路を利用するため小型化可能で設置に自由度があり、例えば脈動圧力発生源の圧縮機の内部に組み込んで圧縮機から出る騒音を低減することができる。図17はスクリュー型圧縮機の例で、モーター41で駆動される圧縮機の圧縮室42の吐出口と油分離器43との間に取り付けており、油分離器へ流入する冷媒の主流3の圧力脈動を小孔12からの二次流れ5により低減させることができる。また、図17では油分離器43への流入口に圧力脈動低減装置30を設置しているが、図9から図14に示したような構造の圧力脈動低減装置30を圧縮機内部の流路に適用してもよく、同様の効果を奏する。
なお、以上述べた圧力脈動低減装置において、小孔の開孔率(一定流路面積に対する小孔の総開口面積で定義)はいくつでも圧力脈動低減効果を発揮するが、理論的には、小孔の開孔率が大きくなると、同一圧力脈動低減低減効果を得るためには、孔を通過させる流速を大きくしなければならず、実機として実現可能な圧力差から考えると、小孔の開孔率は1%、2%といった小さい開孔率が最も望ましいが、実用的には、小孔の開孔率は10%以下程度までは許容できると考えられる。更に別の見方をすると本発明では圧力脈動の低減に必要な静圧の差があれば良いので、一例では縮流部断面積/全流路断面積は半分程度で圧力脈動を抑える効果が得られた。
また、この圧力脈動低減装置において、小孔の径はいくつでもよい。しかし、同一の圧力脈動低減効果を得るためには小孔の開口面積を同一に保つ必要があり、小孔の径が大きい場合、小孔の開孔率を同一にするためには、小孔の数を少なくしなければならない。渦は小孔のエッジで発生し、また噴流が噴出した後の広がり角度は一定であるため、小孔の径が大きいと、結果として噴流の影響の及ぶ範囲が小さくなり、圧力脈動低減効果が小さくなってしまう。従って、小孔の径は1mm、2mmといった小さい径が最も望ましいが、実用的には、小孔の径は10mm以下程度までは許容できると考えられる。
また、流路を流れる流体はどんなものでも良く、例えば、空気、R22等の単一成分の冷媒、R407Cのように3成分系からなる混合冷媒、R410Aのように2成分系からなる混合冷媒、プロパン等のHC冷媒やCO等の自然冷媒、水蒸気、天然ガス、都市ガス、等が使用できる。特に家庭用電気機器のように小型で騒音や振動の発生を抑え、高い効率が要求される場合に有効である。また、チラー等の大型空調機や大型冷凍機においては、設置スペースの問題から大型の圧力脈動低減装置を設置することができないため、非常に有効である。更に自動車のエンジン内や排気部に設けることにより配置の自由度が有効に生かせることになる。
また、図18のように、内管11の下流側に一定角度以下、例えば10度、の傾きを持った圧力回復部16を設けてもよい。このようにすると、内管11の周囲を通った流体の流路面積が徐々に変化するため、エネルギーの損失が少なく、圧力回復部16の出口側の圧力を内管11の入口側の圧力とほぼ同じ圧力にまで回復させることができ、圧力損失を少なくすることができる。このことは、流体の流量を測るための一般周知の構造であるベンチュリー管から明らかである。
また、図19のように、内管11の上流側に一定角度以下、例えば10度、の傾きを持った流路ガイド17を設けてもよい。このようにすると、内管11へ流入する流体の流路面積が徐々に変化するため、圧力損失を更に小さくすることができる。なお、流路ガイド17は、ベルマウスの様に曲面で構成してもよい。
また、図20、図21および図22は、内管11と外管10の間に流路抵抗体を設置し、内管11の内部を大部分の流体が通るように圧力脈動低減手段を構成し、冷凍サイクル装置に適用した図で、図20は圧縮機の吐出側、図21は圧縮機の吸入側、図22は圧縮機の吸入側および吐出側へ圧力脈動低減手段を設置した図である。このように構成しても、内管外部に設置した流路抵抗体の影響で、内管の内部に流れる流体の流速が、外部よりも速くなるため、その差に応じた静圧の差が生じ、内管の外部から内部へ向かう二次流れが生じ、内管内部を流れる流体の圧力脈動が低減される。
図23は圧力脈動低減手段30をモジュール化したものである。圧力脈動低減手段は前後に配管を接続できるようになっており、例えば拡管などの接続部19c持った配管を入口側および出口側に接続することができる。このように構成することで、圧力脈動低減手段30を一般的な部品として扱うことができ、冷凍サイクル装置や自動車の排気口やその他の流体が流れるどんな流路にも簡単に接続し、流体の圧力脈動を低減させることができる。なお、自動車の排気口のように内部を流れる流体が大気に開放される場合は、圧力脈動が音になって伝播するため、流路に圧力脈動低減手段30を設置することで、周囲の騒音低減効果がある。片側もしくは前後の配管に接続できる圧力脈動低減手段30を各種準備すれば音や振動の発生具合に応じて、すなわち脈動の周波数や大きさに応じて後から最適な小孔の径や分布範囲などを有するものを取り付けることができる。
また、図24は内管11の開放部が流路の下流側に位置するよう配置した図である。このように構成しても、内管外部における流体の流速に応じ、内管内部の方が内管外部よりも静圧が高くなるため、内管内部から内管外部へ小孔を通した二次流れが形成され、圧力脈動効果が得られる。なお、内管開放部から内管内部へ流体が供給されることにより、二次流れを継続して発生させることができる。この構成においては、内管の出口側では、断面積が大きくなり流体の流速が遅くなっており、内管内部の流体の圧力と内管開放部の外の流体との圧力差があまりなくなるため、内管内部から内管外部へ小孔を通して流れた二次流れの量に相当する流体が、内管の下流側の開放部から内管内部へ供給される。従って、このように内管の開放部が流路の下流側に位置するように構成しても、内管の開放部が上流側に位置するように構成した場合と同様、圧力脈動低減効果を持続させることができる。このように構成すると、流体が潤滑油を含んでいる場合、あるいは流体中に固体の粉体が混ざっている場合など、内管内部に潤滑油や粉体などが溜まり込むのを防ぐことができ、すなわち長期間使用しているうちに小孔が塞がり圧力脈動低減効果が経年的に低下するのを防ぐ効果がある。ただし、このように構成した場合、内管の開放部が上流側に位置している場合に比べ、内管内部に流体が流入し難くなるため、小孔の開孔率を内管の開放部が上流側に位置している場合に対して小さめに設定する必要がある。
また、図25のように、内管を流れに対し、角度を持った位置に設置してもよく、この場合も、内管外部における流体の流速に応じ、内管内部の方が内管外部よりも静圧が高くなるため、内管内部から内管外部へ小孔を通した二次流れが形成され、圧力脈動低減効果を得ることができる。また、内管内部から内管外部へ向かって生じた二次流れの量に相当する流体が、内管の開放部から内管内部へ供給されるため、圧力脈動低減効果を長期間持続させることができる。なお、この場合、流入流体1の影響で、上流側は下流側よりも小孔を通した二次流れが生じ難くなり、上流側の小孔を通した二次流れの流速が低下することが予測される。そこで、上流側の小孔の開孔率を下流側のそれに対し小さくすることで、圧力脈動低減効果を確実に得ることができる。このように、一端が開放された内管を外管の内部に挿入しさえすれば、内管の位置がどんな風になっていても、圧力脈動低減効果が得られる。
なお、小孔での圧力脈動低減効果は次式で見積もることができる。小孔の吸音率をα、流路の断面積をS、小孔が設置してある部分の面積をA、小孔が設置してる部分の流路方向長さをLとすると、圧力脈動低減量[dB]は次式で表される。
Figure 0004659066
なお、この式は、吸音材をダクトの内側に貼り付けて内部に空気を流した場合の騒音低減量を見積もる経験式であるが、この場合も同様の式が使用できることを見つけている。従って、圧力脈動低減量は、小孔設置部の面積および長さに比例し、なるべく多くの小孔を設置すると圧力脈動低減量が増加することが分かる。
なお、今までの説明で、開孔率という言葉を度々使ってきたが、ここで開孔率の算出の仕方を説明しておく。図26は小孔の配置図であり、小孔が等間隔ピッチで並んでいる。図26において、(1)は流れに対して小孔の並びが直行している場合で小孔のピッチをaおよびb、(2)は流れに対して小孔の並びが傾いている場合で小孔のピッチをcおよびd、(3)は流れに対して小孔の並びが千鳥配列になっているる場合で小孔のピッチをeおよびfとし、小孔の径をいずれの場合もφDとする。このとき、開孔率Rは小孔の中心間を結んでできた長方形もしくはひし形内に存在する小孔の開孔面積の比で定義され、次式で表される。
Figure 0004659066
なお、ここでは、小孔が等間隔ピッチで並んでいる場合を例に説明を行ったが、小孔は必ずしも等間隔ピッチで並んでいる必要はない。小孔のピッチが長い場合は小孔を通した二次流れの流速をより遅く、小孔のピッチが短い場合は二次流れの流速をより速くした方が、圧力脈動低減量が増加することが経験的に分かっており、内管の内外での静圧分布にムラがある場合などは、圧力差が大きい部分で小孔のピッチを小さくし、圧力差の小さいところで小孔のピッチを大きくするとより、圧力脈動低減効果が大きくなる。
また、小孔の径についても、同じである場合を例に説明を行ったが、必ずしも同じ径である必要はなく、部位によって異なった径にしてもよい。また、小孔は円形である場合を例に説明を行ったが、これに限るものではなく、長方形やひし形や三角形や星型やその他噴流を発生させられる形状であればどんな形状でもよい。
また、外管内に配置されている内管は1つである場合を例に説明を行ったが、これに限るものではなく、図27のように、外管内に内管を複数設置してもよい。図27は、内管支えを兼ねる流路抵抗体15を内管外部に設置し、主流3が複数の内管11の内部を流れるようにしたもので、内管内部の流速が速いため、内管外部から内管内部へ向かう二次流れが生じる。なお、内管支え15の構造として複数の内管11を外管10に固定できるものにしている。また、ここでは主流が内管の内部を流れる場合について説明したが、主流が内管の外部を流れる場合においても同様に外管内に複数の内管を設置することができる。先に説明した通り、圧力脈動低減量は、小孔を設置してある壁面の面積に比例し流路断面積に半比例する。従って、このように外管内に複数の内管を設置すると、同一の流路断面積に対して小孔部の面積を大きくすることができ、より大きな圧力脈動低減効果が期待できる。特に、流路断面積が大きい場合に有効な方法である。
本発明の圧力脈動低減手段の説明として流路内にて流れを変える内管とその壁面に設けた小孔、及び、流体の圧力脈動エネルギーを解消する圧力差を得る装置である流路抵抗体を、一つにまとめて取り上げて説明したが、配管で形成される流路内に1つまたは複数の流路抵抗体のみを設け、これにより流体の流れを変え、且つ、圧力脈動エネルギーを解消する圧力差を得る装置とすることでも良いことは当然である。例えば流路の中に流れを部分的にさえぎる衝突体や絞り形状の仕切りを設けこの変えた流れの噴流を利用しても良い。但しこの圧力脈動低減手段では、流体の圧力脈動は効果的に低減するが圧力損失が大きくなる。したがって、流路抵抗体のみによる圧力脈動低減装置では、配管外径をほとんど変えずに、すなわち前後の配管径と同じ程度の配管径として径の変わることによるスペースや圧力損失などの問題点を解消することが出来、より大きな特別なスペースを必要としない圧力脈動低減が可能な装置を得ることができるが、図1や図20のような主流と2次流れのように流れを変えることと閉鎖された内管などにより圧力差を得ることの2つの役割を別の構成として分離するほうが圧力損失を減らすために更に良いといえる。このように圧力脈動が伝搬する流路と、流路内に配置され流路の内部を流れる流体流れを変えて、噴流を生じさせることにより流体の圧力脈動エネルギーを低減する流路抵抗体と、を備え、この流路抵抗体を配置する配管部分はその前後の配管径と同程度として、すなわち、圧力脈動をもたらす発生源からの配管径とほぼ同程度の寸法とする圧力低減装置が得られることに成る。
本発明の圧力脈動が伝搬する流路と、流路内に配置され流路の内部を流れる流体流れを変えて、噴流を生じさせることにより流体の圧力脈動エネルギーを低減する流路抵抗体と、を備え、この流路抵抗体を配置する配管部分はその前後の配管径と同程度として、すなわち、圧力脈動をもたらす発生源からの配管径とほぼ同程度の寸法とする圧力低減装置を使用する場合、冷凍サイクルに用いた際は圧縮機の近傍などに設けても圧縮機と一緒にこの配管を収納する室外機などの容器は従来と同じものを使用して圧力脈動を抑えることができ振動や騒音の低減が可能になり、且つ、効率の良い装置が得られる。自動車の排気ガスマフラーに取り付けた場合、配管径が抑えられるので狭いスペースに取り付けられた給油タンクなど大幅に大きく活用することができ使用しやすい自動車が得られるだけでなく設計の自由度が大きくなりスタイル性能など商品価値の高い製品が得られる。本発明のマフラー取り付け部の配管径は冷凍サイクルの圧縮機や自動車用エンジンと接続されている部分の径と同じ程度にできるのでスペースの活用が非常に効果的である。
本発明の圧力脈動低減装置は、圧力脈動が伝搬する流路と、図1のように流路内に配置され流路の内部を流れる流体の大半が周囲を流れるように構成された内管と、内管に設けられ内管の内部と外部との圧力差により流路に噴流を吹き出す複数の小孔と、を備え外周側に縮流部を設けたり、図20のように内周側に縮流部を設けたものである。このように例えば内管から外周に設けた縮流部へ小孔から噴流を吹出させ縮流部の圧力脈動を低減しようとするが、内管の内部を縮流としても良い。但し、内管の外周側の外部に噴流を吹出させるほうが配管外周部を主流とするので流体に含まれ一緒に流れている異物や油などはとおりやすく詰まることが少ない。また逆に中央部を主流とする構造では流路ガイドを設けやすく圧力損失を抑えやすいので、装置の効率低下が最小限に抑えられる。
本発明の圧力脈動低減装置は、流路の内管外部の流れを妨げないよう構成された前記内管を流路に固定する内管支えを備えたものである。これにより内管外部に流体を流すことが簡単になる。また本発明の圧力脈動低減装置は、内管を流路壁に直接取りつける構造としたものである。
本発明の圧力脈動低減装置は、内管の開放端を半径方向に対して一定以上の角度を持った形に整形するようにしたものである。あるいは本発明の圧力脈動低減装置は、内管の開放端に切り欠きを設けるようにしたものである。これにより変化する流速の流体を流す流路の中に内管のような流れに対し妨害や受け皿的になる圧力脈動低減装置を設けたとしても共鳴などの不具合の発生が防止できる。
本発明の圧力脈動低減装置は、圧力脈動が伝搬する流路と、流路内に配置され流路の内部を流れる流体の大半が周囲を流れるように構成された第一の内管と、第一の内管に設けられ内管の内部と外部との圧力差により流路に噴流を吹き出す複数の小孔と、第一の内管の内部に挿入された挿入管である第二の内管と、第二の内管の一端を第一の内管の開放端に固定するようにしたもで、速い流速等にも対応できる。また本発明の圧力脈動低減装置は、この第二の内管の固定部が一定以上の開孔率になるように孔を開けたものである。本発明の圧力脈動低減装置は、挿入管の先端を半径方向に対して一定以上の角度を持った形に整形するようにしたものである。本発明の圧力脈動低減装置は、挿入管の内部を粗い面にするようにしたものである。本発明の圧力脈動低減装置は、挿入管の外部を粗い面にするようにしたものである。
本発明の圧力脈動低減装置は、内管の内面を粗い面にするようにしたものである。本発明の圧力脈動低減装置は、小孔の直径を10mm以下としたものである。本発明の圧力脈動低減装置は、流路の断面積に対する小孔の合計断面積の比である開孔率を10%以下としたものである。
以上説明してきた本発明の流路装置である圧力脈動低減装置は、流路である外管の内部に管を配置して圧力脈動を低減させようとしているが、外管と内管で形成される構成に限るものではない。すなわち流路の中に2つ以上の流路を設け、流速の遅い流路から流速の速い流路に小孔を通して噴流を吹き出させて圧力脈動を低減するものであれば外管に仕切り板を挿入して流路を区分けしても良い。すなわち流体が流れる外管の内部に配置され、流体を外管内にて複数の流れに分流させる様に外管内部を区分けして外管に固定支持される流路区分け手段を設け、流路区分け手段にて区分けされた複数の流路の少なくとも一つの流路の流速を流路抵抗体により遅くして、流路抵抗体を有する流路と流速の速い流路の間の流路区分け手段に設けられこの二つの流路間を連通する分布して設けられた複数の小孔を備え、流路区分け手段で区分けされた流路の流速の差による圧力差により流路区分け手段の流速の遅いほうから流速の速いほうに小孔を通して噴流を吹き出させ流体が伝播する圧力脈動を低減させる構造とすれば良い。すなわち金属製配管にとらわれることなく、プラスチックのように形状や寸法に制限されない構成が簡単に製造できる。更に流路抵抗体のみで本発明を構成しようとするとより形状が簡単になり金属製配管内部に同様に金属製の絞り部や突起などを取り付けるだけで良い。
このように流体が流れる外管の内部に配置され外管内部を区分けする流路区分け手段を設け、流体を外管内にて複数の流路に分流させ、複数の流路の少なくとも一つの流路の流速を遅くして、流路区分け手段の両側に流速の遅い流路と流速の速い流路を設け、この二つの流路間を連通する分布して設けられた複数の小孔を通して区分けされた流路の流速の差による圧力差により流速の遅いほうから流速の速いほうに噴流を吹き出させると、吹出す噴流により流速の速い流体が伝播する圧力脈動を低減させることが出来、どのような構成、形状の流路でも簡単に圧力脈動を低減することができる。また本発明では、特別な形状や特定の構造を必要とせずとも広帯域の圧力脈動を低減できるもので、すなわち流体を主として流す主流路へ噴流を吹出させる補助的な流路を設けると言う簡単な構成で、広帯域に及ぶ波長の圧力脈動を低減することが出来、稼動部が無く、メンテナンスが楽で、壊れにくい信頼性の高いものが得られる。
本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置を設置した冷凍サイクル装置の構成図である。 本発明の実施の形態1の小孔による圧力脈動低減の原理を説明する図である。 本発明の実施の形態1の小孔による圧力脈動低減の原理を説明する別の図である。 本発明の実施の形態1の小孔による圧力脈動低減の原理を説明する別の図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置による圧力脈動低減効果を示す実験結果を説明する図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置を設置した別の冷凍サイクル装置の構成図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置を設置した別の冷凍サイクル装置の構成図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置を設置した圧縮機の構成図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置を設置した別の冷凍サイクル装置の構成図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置を設置した別の冷凍サイクル装置の構成図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置を設置した別の冷凍サイクル装置の構成図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置を設置した別の冷凍サイクル装置の構成図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の小孔の配置図である。 本発明の実施の形態1の圧力脈動低減装置の別の構造図である。
符号の説明
1 流入流体、2 流出流体、3 主流、4 縮流部、5 二次流れ、10 外管、11 内管、12 小孔、13 挿入管、14 蓋、15 内管支え、16 圧力回復部、17 流路ガイド、18 流路絞り、20 圧縮機、21 凝縮器、22凝縮器用送風機、23 絞り手段、24 蒸発器、25蒸発器用送風機、30 脈動低減手段、40 ポンプ、41 モータ、42 圧縮室、43 油分離器。

Claims (4)

  1. 流体が流れる流路の内部に配置された内管であって、
    前記流体を前記流路内にてこの内管の外部と内部に分流させる内管と、前記内管の内部と外部を連通させる前記流体の流れ方向と前記流体の流れと直交した方向に設けられた小孔であって、前記内管と外管との間に前記流体の流れと直交した方向の前記小孔の間隔を前記流体の圧力脈動の波長より短くするとともに分布して設けられた複数の小孔と、前記内管に設けられ前記内管と前記外管との間の縮流部に流れる流体の流速と前記内管の流入側から導かれる流体の流速に差を発生させるように前記内管の流出側を閉鎖する流路抵抗体と、を備え、前記内管の内部と外部の流れの速度をかえることにより発生する圧力差により、前記内部から外部へ前記小孔を通して噴流を吹き出させ発生する渦によって前記流路を伝播する圧力脈動を低減させることを特徴とする流路装置。
  2. 前記外管の前記流路壁面に前記内管を取り付ける前記内管外部の流れを妨げない様に設けられた内管支えと、を備えたことを特徴とする請求項1記載の流路装置。
  3. 前記内管に流体が流れ込む入口側端部を、一定以上の角度を持った斜め形状にて開放、もしくは切り欠きを設けて開放したことを特徴とする請求項1または2記載の流路装置。
  4. 前記内管の流体が流れる軸方向長さが外周側の位置の違いにより異なることを特徴とする請求項1または2記載の流路装置。
JP2008136862A 2008-05-26 2008-05-26 流路装置 Expired - Lifetime JP4659066B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008136862A JP4659066B2 (ja) 2008-05-26 2008-05-26 流路装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008136862A JP4659066B2 (ja) 2008-05-26 2008-05-26 流路装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004099971A Division JP4153457B2 (ja) 2004-03-30 2004-03-30 流路装置、冷凍サイクル装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008196848A JP2008196848A (ja) 2008-08-28
JP4659066B2 true JP4659066B2 (ja) 2011-03-30

Family

ID=39755949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008136862A Expired - Lifetime JP4659066B2 (ja) 2008-05-26 2008-05-26 流路装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4659066B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160129259A (ko) * 2015-04-30 2016-11-09 (주)다해에너지세이빙 냉매 승압기가 구비된 냉방장치

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103775782B (zh) * 2012-10-25 2016-08-03 中国石油化工股份有限公司 一种冷凝管道减振器及减振方法
KR101450648B1 (ko) 2013-08-08 2014-10-15 주식회사 모레코 냉방기의 응축촉진장치
JP6737196B2 (ja) * 2017-02-07 2020-08-05 株式会社デンソー 冷媒配管および冷凍サイクル装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003015656A (ja) * 2001-07-04 2003-01-17 National Aerospace Laboratory Of Japan 微細噴流制御式吸音システム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52134801U (ja) * 1976-04-09 1977-10-13
JPH06249545A (ja) * 1993-02-24 1994-09-06 Matsushita Refrig Co Ltd 冷却システム

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003015656A (ja) * 2001-07-04 2003-01-17 National Aerospace Laboratory Of Japan 微細噴流制御式吸音システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160129259A (ko) * 2015-04-30 2016-11-09 (주)다해에너지세이빙 냉매 승압기가 구비된 냉방장치
KR101898994B1 (ko) 2015-04-30 2018-09-14 (주)다해에너지세이빙 냉매 승압기가 구비된 냉방장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008196848A (ja) 2008-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4153457B2 (ja) 流路装置、冷凍サイクル装置
US7856837B2 (en) Air conditioning equipment, fan equipment, method of reducing noise of equipment, pressure pulsation reducer for refrigeration cycle equipment, pressure pulsation reducer for pump equipment and method of reducing pressure pulsation of equipment
JP5395358B2 (ja) 気液分離装置および気液分離装置を備えた冷凍装置。
EP2618066B1 (en) Blower for outdoor unit, outdoor unit, and refrigeration cycle device
EP2017826A2 (en) An acoustic panel
US20060096650A1 (en) Non-linear noise suppressor for perforated plate flow conditioner
JP6173820B2 (ja) ガス圧縮機用の熱交換器
JP4659066B2 (ja) 流路装置
EP3850281B1 (en) Oil separator with integrated muffler
CN108138775A (zh) 螺杆压缩机谐振器阵列
JP5634549B2 (ja) 気液分離装置および気液分離装置を備えた冷凍装置。
KR102620362B1 (ko) 공기조화기
JP7014584B2 (ja) 冷凍サイクルシステム用の吸音要素、それを備えた減圧部、および冷凍サイクルシステム
JP2010078248A (ja) 気液分離器及びこの気液分離器を備えた冷凍サイクル装置
CN105485984B (zh) 空调的气液分离器及制冷时对室内机降噪的方法
JP6578225B2 (ja) 吸音スプリッタ、サイレンサ、ガスタービン用煙突、および、ガスタービン
CN218495189U (zh) 消音器和空调
CN218495352U (zh) 消音器和空调
JP2020106131A (ja) 脈動減衰装置およびこれを備えた空気調和装置
JP2011132831A (ja) スクリュー圧縮機
JP2022126944A (ja) ターボ送風機
CN117249066A (zh) 吸气消音器、压缩机和制冷系统
KR20100078069A (ko) 다중 소음 차단기 및 이를 포함하는 냉동공조제품

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100317

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100330

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101224

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140107

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4659066

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term