JP2009002548A - 冷媒分流器 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷媒の循環量に関係なく、所定の三系統の分流比に冷媒を分流することができる冷媒分流器を提供する。
【解決手段】冷媒分流器10は、分岐空間12を有する本体11と、冷媒流入管13と、分岐空間12内に配置された三枚の板状の仕切り板14a、14b、14cと、三つの冷媒流出管15a、15b、15cとを備えており、冷媒は冷媒流入管13内を通り、分岐空間12に流入し、板状の仕切り板14a、14b、14cに向かって流入することで、冷媒は三系統に分岐される。このとき、仕切り板14a、14b、14cの配置や冷媒を分岐させる側の一辺の長さを変化させることで、冷媒の分岐比を調整する。そしてそれぞれの冷媒流出管15a、15b、15cより冷媒を流出させる構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機などの冷凍サイクルの冷媒分流器に関する。
従来、この種の分流器は、2つの分岐管部とその部分に連なる短管からなり、短管に彎曲部を有している。そして、その短管の彎曲部を含む平面と、分岐管部を含む平面とが0°を超え90°未満の角度で傾斜している。このとき、短管中を冷媒が流れる際に、遠心力により気液2相流の液成分が外周側に多く流れる。したがって、上記の傾斜角度を調整することにより分岐管部への冷媒の流入量を調節することができ、各分岐管部に所定比で冷媒を流すことができる。このように、所定の分流比となるよう冷媒を配分して流すことができるものもある(たとえば特許文献1参照)。
図4は、特許文献1に記載された従来の冷媒分流器の構成図を示すものである。図4に示すように、2つの分岐管部41a,41bと、その部分に連なる短管42と、彎曲部43とから構成されている。
特開2001−90893号公報
しかしながら、前記従来の構成では、流入管の流入角度を調節することで、分流比を調節する方式のため、蒸発器の入口で用いる場合のように、乾き度0.1程の冷媒状態であれば流入角度が0°〜90°の範囲で調整が容易である。しかし、蒸発器中間で用いる場合のように、乾き度0.3〜0.5辺りの冷媒状態では、管内部を流れる際の気液密度が大きく変わり、彎曲している管内において外周側への冷媒流入量が相対的に大きく増えてしまう。そのため、分流調整が困難になる。そのため、所定の分流を行なうための流入角度の調整範囲が狭く、例えば、特許文献1に開示された冷媒分流器では、流入角度が90°付近での微妙な調整が必要になる。したがって、冷媒分流器を作製する際の曲げ加工時の製造ばらつき等を踏まえると分流調整が困難である。
また、三系統以上に分流が必要となった際には、流入管の進入角度の調整により、様々な所望の分流比に対応することは、非常に困難であり、ほぼ不可能である。
また、上記従来の冷媒分流器では、冷媒の入口となる管が分岐部に対し下側から挿入されている。インバータ機種の空気調和機において、冷媒の循環量が変化する場合、特に低循環量になった場合、冷媒は重力の影響を受け、冷媒が管の外周側に沿って流れるという所望の流れが実現しにくい。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、冷媒の循環量に関係なく、所定の分流比に冷媒を三系統に分流することができる冷媒分流器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の冷媒分流器は、冷媒を分岐させる箇所である分岐空間がその内部に形成された本体と、一端が前記本体内に挿入され屈曲している冷媒流入管と、一端が前記本体内に挿入された三つの冷媒流出管と、前記冷媒流入管の中心線に略平行であり前記分岐空間内に配置された板状の仕切り板を三枚備え、前記冷媒流入管は冷媒を前記分岐空間へと導き、前記分岐空間に導かれた冷媒は前記仕切り板に向かって流れ込むことで冷媒は分岐され、前記三つの冷媒流出管は分岐された各冷媒をそれぞれ前記本体から流出させることを特徴としたものである。
本発明の冷媒分流器は、冷媒の循環量に関係なく、所定の分流比に冷媒を三系統に分流することができる。
第1の発明は、冷媒を分岐させる箇所である分岐空間がその内部に形成された本体と、一端が前記本体内に挿入され屈曲している冷媒流入管と、一端が前記本体内に挿入された三つの冷媒流出管と、前記冷媒流入管の中心線に略平行であり前記分岐空間内に配置された板状の仕切り板を三枚備え、前記冷媒流入管は冷媒を前記分岐空間へと導き、前記分岐空間に導かれた冷媒は前記仕切り板に向かって流れ込むことで冷媒は分岐され、前記三つの冷媒流出管は分岐された各冷媒を、それぞれ前記本体から流出させることにより、気液2相流の冷媒を所定の三系統の分流比に分流することが可能となる。また、仕切り板の位置調整により容易に所定の分流比を作り出すことが可能であるため、蒸発器入口だけでなく、蒸発器の中間にも用いることができ、幅広く使用できる。
第2の発明は、特に第1の発明の冷媒流入管を、本体に上方から挿入し、仕切り板の上方に配置し、冷媒流出管は本体に下方から挿入し、仕切り板より下方に配置する構成とすることで、重力により、冷媒流入管の屈曲部の内側に当たる箇所に冷媒を沿わして流すことができ、冷媒循環量の変化によらず管断面の冷媒分布が常に一定となることから、幅広い冷媒の循環量領域で、容易に所定の三系統の分流比に分流することが可能となる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明の分岐空間に挿入されている前記三つの冷媒流出管の先端を同一平面に配置し、前記三枚の仕切り板を、前記同一平面の前記冷媒流出管の間にそれぞれ配置し、それぞれの仕切り板は1辺で接し、それぞれの流出管との距離を調整し、前記平面を前記三枚の仕切り板にて三領域に区切る構成とすることで、更に所望の三系統の分流比に微調整し分流することが可能となる。
第4の発明は、特に第1から第3の発明の冷媒流入管の本体に挿入されている挿入部の内径を絞る構成とすることで、冷媒の流れが整流され、管断面の冷媒分布が安定するため、安定した所定の三系統の分流比に分流しやすい。
第5の発明は、特に第1から第4の発明の仕切り板の冷媒を分岐させる側一辺の角を、面取り加工を施す構成とすることで、冷媒が仕切り板に衝突する際の衝突音を緩和することが可能となる。
第6の発明は、特に第1から第5の発明の本体に挿入されている三つの冷媒流出管端部に、面取り加工を施す構成とすることで、冷媒が流出管の端部に衝突する際の衝突音を緩和することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態の冷媒分流器の構成を示す斜視図、図2は本発明の第1の実施の形態における冷媒分流器の分岐空間内部の斜視図を示すものである。
図1に示すように、冷媒分流器10は、その内部に分岐空間12を有する本体11と、中空筒状の冷媒流入管13と、分岐空間12内に配置された三枚の板状の仕切り板14a、14b、14cと、三つの冷媒流出管15a、15b、15cとを備えており、分岐空
間12は、冷媒流入管13から本体11内に流入した冷媒を所定の分岐比に分岐させる箇所である。
また、冷媒流入管13は、その一端が本体11内に上方から略鉛直に挿入されており、冷媒流入管13から本体11への挿入部16において、内径を絞っている。また冷媒流入管13は90°の屈曲角度で屈曲している。
また、三つの冷媒流出管15a、15b、15cは、その一端が本体11内に下方から、冷媒流入管13の中心線の延長線を中心としてほぼ互いに等間隔になるように挿入されており、三枚の板状の仕切り板14a、14b、14cの下方に配置されている。また三枚の仕切り板14a、14b、14cは板状であって、分岐空間12内に配置されており、三つの冷媒流出管15a、15b、15cの間にそれぞれ一枚ずつ配置されている。
以上のように構成された冷媒分流器について、以下その動作、作用を説明する。
冷媒は冷媒流入管13内を通って、冷媒が本体11内の分岐空間12に流入する。この際、冷媒流入管13は、本体11の上方より挿入されているので、冷媒流入管13内を流れる冷媒は、重力により、冷媒流入管13内の屈曲部の内側に当たる側に沿って流れている。そのため、循環量の変化や、乾き度の値によって、気液2相流の冷媒流入状態があまり変化することがないため、分岐空間12内に流出した冷媒を容易に分流することが可能となる。
また、冷媒流入管13の本体11への挿入部16は内径が絞られる構成となっている。このことにより、冷媒流入管13の内部の冷媒の流れが整流化され、冷媒を所定の分流比により安定して分流できる。なお、内径を絞る際は、可能な限り段差なく滑らかに絞ることで、より安定した冷媒の流れを作り出すことが可能なことは言うまでもない。
そして冷媒は分岐空間12に流入し、分岐空間12内にて分流される。ここで、図2に分岐空間12の内部を拡大した斜視図を示す。
分岐空間12に流入した冷媒は、板状の仕切り板14a、14b、14cに流入し、冷媒は三系統に分岐される。なお、冷媒は、板状の仕切り板14の主面に平行に流入するようにする。また、この仕切り板14の配置位置や冷媒を分岐させる側の一辺の長さを変化させることで、冷媒の分流比を調整することができる。
また、図2に示すように、仕切り板14a、14b、14cの冷媒を分岐させる側の一辺、つまり上方の辺14a1、14b1、14c1の角は面取り加工されている。それにより冷媒が板状の仕切り板14a、14b、14cに流れ込む際に発生する衝突音を緩和することが可能となる。
そして、仕切り板14a、14b、14cにより分岐された各冷媒は、分岐空間12に挿入された各冷媒流出管15a、15b、15c内を通って本体11から流出する。この際、分岐空間12から冷媒流出管15a、15b、15cへの流出口15a1、15b1、15c1は面取り加工が施されている。このことにより、冷媒がそれぞれの流出口15a1、15b1、15c1へ流れ込む際に滑らかに流れ込み、衝突音を緩和すると共に、安定した所定の分流比率を実現することが可能となる。
なお、冷媒流入管13の屈曲角度は略直角とするのが最も好ましいが、その他の角度、例えば、60°や120°という角度であっても十分効果は得られる。
以上のように、本実施の形態においては、例えば空気調和機に用いて、気液2相状態の冷媒を所望の分流比に安定して三系統に分流することが可能となる。
(実施の形態2)
図3は本発明の第2の実施の形態の分岐空間32の内部を拡大した斜視図を示す。
本実施の形態の分岐空間32内に配置された板状の仕切り板34a、34b、34cの形状および配置が実施の形態1とは異なる。それ以外は、実施の形態1の構成と同様であるので、同一部材については同一の符号を付し、同一の説明は省略する。
図3に示すように、板状の仕切り板34a、34b、34cが中心で完全に接しており、板状の仕切り板34a、34b、34cにより、分岐空間32内をそれぞれの領域に1つの冷媒流出管15a、15b、15cの流出口15a1、15b1、15c1を含むように三つに区切る構成となっている。実施の形態1に記載のように、冷媒流入管13の冷媒は気液2層状態で一定の分布で整流されており、冷媒流入管13から流出した冷媒は、冷媒流入管13の略直下を中心に分布する。つまり仕切り板34a、34b、34cの接点36の位置を調整することで、まずは所望の分流比に対して大きく分流比を調整することができる。そしてさらに、板状の仕切り板34a、34b、34cのそれぞれの配置角度を調整することにより、板状の仕切り板34a、34b、34cで区切られた領域の面積を調整し、それぞれの領域の冷媒流出管15に流れる冷媒量を微調整することが可能となり、詳細な所望の三系統の分流比に対しても対応でき、さまざまな所望の分流比を実現することが可能となる。
本発明の冷媒分流器は、冷媒の循環量に関係なく、所定の三系統の分流比に冷媒を分流することができ、空気調和機等に用いられる。
本発明の実施の形態1における冷媒分流器の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態1における冷媒分流器の分岐空間内部の斜視図 本発明の実施の形態2における冷媒分流器の分岐空間内部の斜視図 従来の冷媒分流器の構成図
符号の説明
10 冷媒分流器
11 冷媒分流器本体
12 分岐空間
13 冷媒流入管
14a、14b、14c、34a、34b、34c 仕切り板
14a1、14b1、14c1 仕切り板の上方の辺
15a、15b、15c 冷媒流出管
15a1、15b1、15c1 流出口
16 冷媒流入管の挿入部
36 仕切り板の接点

Claims (6)

  1. 冷媒を分岐させる箇所である分岐空間がその内部に形成された本体と、一端が前記本体内に挿入され屈曲している冷媒流入管と、一端が前記本体内に挿入された三つの冷媒流出管と、前記冷媒流入管の中心線に略平行であり前記分岐空間内に配置された板状の仕切り板を三枚備え、前記冷媒流入管は冷媒を前記分岐空間へと導き、前記分岐空間に導かれた冷媒は前記仕切り板に向かって流れ込むことで冷媒は分岐され、前記三つの冷媒流出管は分岐された各冷媒を、それぞれ前記本体から流出させることを特徴とする冷媒分流器。
  2. 前記冷媒流入管は前記本体に上方から挿入され、前記仕切り板の上方に配置され、前記冷媒流出管は、前記本体に下方から挿入され前記仕切り板より下方に配置されている、請求項1に記載の冷媒分流器。
  3. 前記分岐空間に挿入されている前記三つの冷媒流出管の先端は同一平面に配置し、前記三枚の仕切り板を、前記同一平面の前記冷媒流出管の間にそれぞれ配置し、それぞれの仕切り板は1辺で接し、それぞれの流出管との距離を調整し、前記平面を前記三枚の仕切り板にて三領域に区切ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷媒分流器。
  4. 前記冷媒流入管の前記本体に挿入されている挿入部は内径が絞られている、請求項1から請求項3に記載の冷媒分流器。
  5. 前記仕切り板の、冷媒を分岐させる側の一辺の角は、面取り加工がされている、請求項1から請求項4に記載の冷媒分流器。
  6. 前記本体に挿入されている前記三つの冷媒流出管端部に、面取り加工がされている、請求項1から請求項5に記載の冷媒分流器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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