JP2007187733A - 光走査装置及びこれを備える画像形成装置並びにレンズ位置調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源70からの光をレンズ61を介して回転偏向器41a,41bに入射させ、その回転偏向器により偏向走査された走査光を感光体に向けて鉛直方向上方又は下方へ光路変更することにより走査光を感光体へ照射する光走査装置において、上記レンズを保持するレンズ保持部材62と、下面側でレンズ保持部材を移動可能なように支持するベース基板100aと、作業者が操作する操作部63aを備え、操作部に加わった力を動力にしてレンズ保持部材をベース基板に支持された状態で移動させる調整部材63とを備えており、操作部を支持部材の上面側に設けた。
【選択図】図1
Description
また、上記特許文献5には、作業者の手の力によりシリンドリカルレンズを光軸方向へ移動させる別の構成として、偏心カムを用いた例も開示されている。この例では、光軸方向に対して直交する方向に長尺な貫通孔がレンズ保持部材に設けられている。偏心カムは、円板状の基部と、その回転中心軸に沿って一方の基部面から外方へ延びる中心軸部材と、他方の基部面上における回転中心軸からズレた位置から外方へ延びる偏心軸部材とから構成されている。この偏心カムは、その中心軸部材がハウジングの軸受孔に軸受けされ、かつ、その偏心軸部材がレンズ保持部材の貫通孔に挿入されるように取り付けられる。この光書込装置によれば、軸受孔を通じてハウジング外面から突出した中心軸部材(操作部)を、作業者の手の力で回転させることにより、レンズ保持部材の突起がハウジングのガイド孔にガイドされた状態でレンズ保持部材を光軸方向へ移動させることができる。よって、作業者の手の力によりシリンドリカルレンズの光軸方向位置を調整することができる。
上記特許文献5に開示されているこれらの光書込装置は、上記特許文献4のものと同様に、シリンドリカルレンズの光軸方向位置を調整するにあたって駆動源及び駆動伝達機構並びにその駆動制御系を必要としないので、上述したような不具合は生じない。
シリンドリカルレンズの光軸方向位置を調整する際、一般には、その光書込装置を、画像形成装置に搭載されるときの姿勢とほぼ同じ姿勢で調整装置の載置台上に載せる。そして、その光書込装置が画像形成装置に搭載されるときに光照射対象となる感光体表面がその光書込装置に対して位置決めされる予定の位置に対応する箇所に、CCD等の受光器を配置する。この受光器は、感光体軸方向に対応する方向の任意の地点に1個又は2個以上配置する。その後、光書込装置を駆動し、感光体軸方向に対応する方向に沿って走査される走査光を受光器で検出し、その検出結果に基づいてディスプレイ等に表示されるレンズ位置調整用情報を見ながら、作業者はシリンドリカルレンズの光軸方向位置を適切な位置に調整する。
しかし、上記特許文献5に記載の光書込装置は、画像形成装置に搭載されたときに感光体に対して鉛直方向下方へ配置される。よって、この光書込装置は、鉛直方向上方へ向けて走査光を照射する画像形成装置搭載時とほぼ同じ姿勢で、調整装置の載置台上に載せる。このとき、作業者が自分の手の力で動かす凸部や中心軸部材が突出したハウジング外面は、鉛直方向下方に向くことになる。そのため、シリンドリカルレンズの光軸方向位置を調整する際、作業者は、光書込装置を載置台上に載せた調整装置に対し、その載置台の下側から手を入れてその凸部や中心軸部材を動かすという作業を強いられることになる。このような作業は、光書込装置を載置台上に載せた調整装置に対し、その載置台の上側から作業する場合に比べてはるかに煩雑である。特に、シリンドリカルレンズの光軸方向位置は高精度に位置決めすることが要求されることから、作業者が自分の手の力で凸部や中心軸部材を細かく動せるようにすることが望まれ、その作業をなるべく容易に行えるようにすることは非常に重要である。
また、請求項2の発明は、請求項1の光走査装置において、上記支持部材は、上記支持面に沿って上記レンズ保持部材を光軸方向へ移動可能に支持することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の光走査装置において、上記レンズは、上記回転偏向器に入射する光のスポット特性を調整するためのシリンドリカルレンズであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2又は3の光走査装置において、上記支持面に対して平行な仮想面内における上記移動機構の占有領域が該仮想面内における上記レンズ保持部材の占有領域内に含まれるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の光走査装置において、上記移動機構は、上記操作部に加わる力を動力にして回転可能な基部と、その回転中心軸上を該基部から外方へ延びる中心軸部材と、該基部上における該回転中心軸からズレた位置から該回転中心軸に対して平行な方向に外方へ延びる偏心軸部材とを有する回転部材と、上記レンズ保持部材に設けられ、該レンズ保持部材の移動方向に対して直交する方向に長尺であって、かつ、挿入される該偏心軸部材の寸法に対応した幅をもつ長孔と、上記支持部材に設けられ、該中心軸部材を軸受する軸受孔とから構成されており、該回転部材における該支持部材の上記反対面に露出する部分を設けてその部分を該操作部としたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の光走査装置において、上記回転部材を、ポリアセタール材で形成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の光走査装置において、上記移動機構は、上記レンズ保持部材に保持されたレンズを上記支持部材の支持面上に設けられた支持部に対して摺動させながら該レンズ保持部材を該支持面に沿って移動させるものであり、該レンズは、該支持面を摺擦する摺擦面における該レンズ保持部材の移動方向に交差するエッジ部分を面取りしたものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7の光走査装置において、上記移動機構は、上記レンズ保持部材に保持されたレンズを上記支持部材の支持面上に設けられた支持部に対して摺動させながら該レンズ保持部材を該支持面に沿って移動させるものであり、該レンズ保持部材は、該レンズを該支持部に向けて付勢する付勢部材と、該付勢部材の付勢方向に対して直交する方向から該レンズを挟持する挟持部材とを有し、該付勢部材の付勢力に基づいて該レンズに作用する該支持部に向かう力が該挟持部材と該レンズとの間に働く静止摩擦力の合計よりも大きくなるように構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の光走査装置において、上記レンズを、上記光源からの光の入射方向に対してその入射面の法線方向が傾斜するように配置したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の光走査装置において、上記レンズ保持部材の線膨張係数は1×10-5[1/℃]以下であることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の光走査装置において、上記レンズと上記回転偏向器との間を遮蔽する光透過部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、潜像担持体の表面に光走査装置を用いて走査光を照射することにより該潜像担持体の表面に潜像を形成し、該潜像を現像することで得た画像を最終的に記録材上に転移させることで画像を形成する画像形成装置において、上記光走査装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の光走査装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、光源からの光をレンズを介して回転偏向器に入射させ、該回転偏向器により偏向走査された走査光を光照射対象に向けて鉛直方向上方又は下方へ光路変更することにより該走査光を該光照射対象へ照射する光走査装置であって、該レンズを保持するレンズ保持部材と、該レンズを通過する光に平行であって鉛直方向下方に向く支持面を有し、該レンズ保持部材を移動可能なように該支持面側で支持する支持部材と、作業者が操作する操作部を備え、該操作部に加わった力を動力にして該レンズ保持部材を該支持部材に支持された状態で移動させる移動機構とを備えており、該操作部が該支持部材における該支持面の反対面側に設けられている光走査装置における該レンズの位置を調整するレンズ位置調整方法であって、上記光走査装置の使用時における姿勢と略同一姿勢となるように該光走査装置を載置台上に載せて保持した後、該光走査装置を駆動して照射させた走査光の一部を、該光走査装置の使用時に上記光照射対象が該光走査装置に対して位置決めされる位置に対応した箇所に配置された光検出器により検出し、その検出結果に基づくレンズ位置調整用情報に応じて該光走査装置の上記操作部を操作することにより、上記レンズの位置を調整することを特徴とするものである。
更に、本発明において、光走査装置の使用時には、その光走査装置に対して光照射対象が鉛直方向上方に配置される場合であっても鉛直方向下方に配置される場合であっても、レンズ保持部材が支持される支持部材の支持面は鉛直方向下方に向く。よって、操作部が設けられる支持部材の反対面は、いずれの場合であっても鉛直方向上方を向くことになる。この光走査装置のレンズ位置を調整装置を用いて調整する場合、その光走査装置は、その使用時における姿勢と略同一姿勢となるように調整装置の載置台上に載せた状態で、そのレンズ保持部材を移動させて調整作業を行う。したがって、本発明によれば、この調整作業時において、その載置台上に載せられる光走査装置のレンズ保持部材移動用の操作部は、鉛直方向上方を向くことになる。その結果、レンズ位置を調整すべく操作部を操作してレンズ保持部材を移動させる際、作業者は、光走査装置を載置台上に載せた調整装置に対し、その載置台の上側から操作部を操作することができる。
図2は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。
このプリンタは、装置本体1と、この装置本体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。装置本体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナー像を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
図2及び図3に示すように、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、図3中矢印A方向に回転する光照射対象である潜像担持体としてのドラム状の感光体10Y,10C,10M,10Kを備えている。感光体10Y,10C,10M,10Kは、直径40mmのアルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、それぞれ、感光体10Y,10C,10M,10Kの周囲に、感光体を帯電する帯電装置11Y,11C,11M,11K、感光体に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置12Y,12C,12M,12K、感光体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13Y,13C,13M,13Kを備える。各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの下方には、感光体10Y,10C,10M,10Kの表面に走査光である書込光Lを照射する光走査装置である光書込装置としての光書込ユニット4を備えている。各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの上方には、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kにより形成されたトナー画像が転写される中間転写体である中間転写ベルト20を備えた中間転写ユニット5を備えている。また、中間転写ベルト20に転写されたトナー画像を記録材である転写紙Pに定着する定着ユニット6も備えている。また、装置本体1の上部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル7Y,7C,7M,7Kが装填されている。このトナーボトル7Y,7C,7M,7Kは、装置本体1の上部に形成される排紙トレイ8を開くことにより、装置本体1から脱着可能に構成されている。
上記中間転写ユニット5の中間転写ベルト20は、図2に示すように、駆動ローラ21、テンションローラ22及び従動ローラ23に掛け渡され、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。また、中間転写ユニット5は、感光体10Y,10C,10M,10Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kを備えている。また、中間転写ユニット5は、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を転写紙Pに転写する二次転写ローラ25、転写紙P上に転写されなかった中間転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26も備えている。
まず、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kにおいて、感光体10Y,10C,10M,10Kが帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様に帯電される。その後、光書込ユニット4により画像情報に基づく書込光Lが照射されることで、各感光体10Y,10C,10M,10Kの表面それぞれに各色に対応した潜像が形成される。各感光体10Y,10C,10M,10K上の潜像は、現像装置12Y,12C,12M,12Kの現像ローラ15Y,15C,15M,15K上に担持された各色のトナーによってそれぞれ現像されてトナー像化される。感光体10Y,10C,10M,10K上の各色トナー像は、各一次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kの作用によって図中反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト20上に順次重ねて転写される。このときの各色の作像動作は、各色トナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。一次転写終了後の感光体10Y,10C,10M,10Kは、クリーニング装置13Y,13C,13M,13Kのクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。トナーボトル7Y,7C,7M,7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しないトナー搬送経路を通じて各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの現像装置12Y,12C,12M,12Kに所定量補給される。
図4は、感光体軸方向から見たときの光書込ユニット4の構成を示す説明図である。
図5は、光書込ユニット4の構成を図4中の符号Bで示す方向から見た下面図である。
図6は、光書込ユニット4を図4中の符号Cで示す方向から見た上面図である。
具体的に説明すると、光源ユニット70K,70M,70C,70Yは、図5に示すように、ハウジング100のベース基板100aの下面に取り付けられている。また、ベース基板100aの下面には、シリンドリカルレンズを備えるレンズユニット60Y,60C,60M,60K、fθレンズ43a,43b、及び、第1ミラー44a,44b,44c,44dも、取り付けられている。さらに、ベース基板100aの下面には、Y色用の長尺レンズ50aおよびK色用の長尺レンズ50dも取り付けられている。一方、M色用の長尺レンズ50cおよびC色用の長尺レンズ50bは、ベース基板100aの上面に取り付けられる。なお、K色用以外の長尺レンズ50a,50b,50cは、ホルダ部材に揺動自在に支持され、ホルダ部材を介してハウジングに取り付けられており、長尺レンズ50の出射面から出射するレーザ光の出射角を調整可能にしている。一方、K色用の長尺レンズ50aは、そのまま直接ベース基板100aの上面に固定されている。これは、本実施形態においては、K色の走査線を基準にして、長尺レンズ50の出射面から出射する走査光(書込光)の出射角を調整するようにしているからである。
また、ベース基板100aは、その略中央部が鉛直方向下方に凹んだ形状となっており、この凹部が回転偏向器を収容する収容部110となる。レンズユニット60Y,60C,60M,60Kからの光路上に位置する収容部110の側壁部分には、断熱ガラス42が設けられている。この収容部110の底部には、回転偏向器がネジ止めされる。
図7は、図示しない調整装置の載置台200上に載せて保持された状態の光書込ユニット4を感光体軸方向から見たときの構成を示す説明図である。
本実施形態では、光書込ユニット4を調整装置の載置台上に載せるとき、その光書込ユニット4が本プリンタの装置本体1に搭載されるときの姿勢(図4参照)とほぼ同じ姿勢となるにする。このような姿勢で光書込ユニット4を調整装置の載置台上に載せた後、その光書込ユニット4の使用時すなわちその光書込ユニット4を本プリンタの装置本体1に搭載した時に、各感光体10Y,10C,10M,10Kが光書込ユニット4に対して位置決めされる位置に対応した箇所にCCD等から構成される光検出器201Y,201C,201M,201Kをそれぞれ配置する。光検出器201Y,201C,201M,201Kは、各色ごとに、それぞれ感光体軸方向に対応する方向(図中紙面法線方向)に沿って、感光体表面上における感光体軸方向中央部に対応する箇所と感光体軸方向両端部に対応する箇所の3箇所にそれぞれ1つずつ配置される。なお、各色ごとに配置する光検出器の数や配置箇所はこれに限られない。
図8は、その光書込ユニット4の当該各種構成部品を斜め下方から見たときの説明図である。
なお、これらの図において、ハウジング100のベース基板100aは説明のため一部破断して示してある。また、各レンズユニット60Y,60C,60M,60Kは互いに同様の構成であるため、以下、1つのレンズユニットについて色分け符号を省略して説明する。
図9は、光軸に対して直交する方向であって水平方向からレンズユニット60を見たときの説明図である。
本実施形態において、シリンドリカルレンズ61は、常にハウジング100のベース基板の下面上におけるレンズ座面100bに当接した状態で、レンズ保持部材62により保持されている。このレンズ座面100bは、光軸方向に対して直交する方向に2つ形成されており、各レンズ座面100bでシリンドリカルレンズ61の当接面両端領域に当接する。これらのレンズ座面100bの間におけるベース基板100a上には、シリンドリカルレンズ61を保持するレンズ保持部材62が光軸方向に沿って移動可能に取り付けられる。
本実施形態では、操作部63aを回すことで、シリンドリカルレンズ61がレンズ座面100bに対して摺擦しながら図10中矢印Dで示す光軸方向に沿って移動する。本実施形態では コストダウンの目的でハウジング100として樹脂成型品を採用しているため、その移動の際に、シリンドリカルレンズ61の移動方向Dに対して直交する方向に延びるエッジ部分が樹脂製のレンズ座面100bをわずかながら削り取ってしまう。このような削れが生じると、シリンドリカルレンズ61の移動を繰り返すことにより、レンズ座面100bによるシリンドリカルレンズ61の位置決め精度が悪化するという不具合を引き起こすおそれがある。
そこで、本実施形態では、図10に示すように、シリンドリカルレンズ61の当接面エッジ部分がC面あるいはR面となるように面取り加工を施している。これにより、このような面取り加工を施さない場合に比べて、レンズ座面100bの削れが抑制され、シリンドリカルレンズ61の移動によるシリンドリカルレンズ61の位置決め精度が悪化する事態を抑制できる。
図12(a)は、レンズ保持部材62を調整作業時に鉛直方向上方に位置する側から見たときの斜視図であり、図12(b)は、そのレンズ保持部材62を調整作業時に鉛直方向下方に位置する側から見たときの斜視図である。
なお、本実施形態の調整部材63はポリアセタール材で形成されたものであるが、これに限られない。ただし、ポリアセタール材で形成することにより、調整作業時に調整部材63が受ける摩擦による磨耗が少なく、経時的に高精度な調整が可能になる。
続いて、調整部材63の操作部63aがベース基板100aの上側に位置するように、調整部材63の中心軸部材63cを、ベース基板100aに設けられた図示しない軸受孔に対してベース基板100aの上側(図11(a)の矢印Eで示す方向)から嵌め込む。このとき、ベース基板100aの軸受孔を通じてベース基板100aの下面側に突出する調整部材63の偏心軸部材63dを、ベース基板100aの下面に取り付けられているレンズ保持部材62の長孔62dに図12(a)の矢印Eで示す方向から挿入させ、スナップフィットさせる。
なお、本実施形態では、操作部63aの形状がマイナスドライバー160により操作されるものを例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば操作部63aの形状を六角穴とし、六角レンチにより操作されるものであってもよい。
図13は、シリンドリカルレンズ61をレンズ保持部材62に保持する保持機構を示す説明図である。
図14(a)及び(b)は、その保持機構を構成する固定部材64の2つの例を示す斜視図である。
本実施形態では、図示のように、レンズ保持部材62のレンズ当接面62cにシリンドリカルレンズ61の出射面を当接させ、そのレンズ当接面62cに対向するシリンドリカルレンズ61の入射面側を板バネからなる固定部材64の付勢力Fxにより付勢する。これにより、シリンドリカルレンズ61の出射面をレンズ当接面62cに押し当てた状態で光軸方向におけるシリンドリカルレンズ61の位置決めがなされる。また、シリンドリカルレンズ61は、固定部材64の付勢力Fzによりベース基板100aの下面に設けられたレンズ座面100bに押しつけられる。これにより、ベース基板100aの法線方向におけるシリンドリカルレンズ61の位置決めがなされる。
なお、本実施形態では、レンズ保持部材62と固定部材64とを別部品で構成したが、レンズ保持部材62自体に固定部材64と同様の機能を持たせた構成であってもよい。
また、本実施形態において、ベース基板100aは、その下面に沿ってレンズ保持部材62を光軸方向へ移動可能に支持する。これにより、シリンドリカルレンズ61のような光軸方向への位置調整が必要なレンズについて、その位置調整作業の容易化を図ることができ、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、従来煩雑な作業であった回転偏向器に入射する光のスポット特性を調整するためのシリンドリカルレンズ61の光軸方向位置の調整作業を容易化できるので、生産性を効率よく向上させることができる。
また、本実施形態では、図1等に示すように、レンズ保持部材62を移動させる移動機構を構成する調整部材63が占める、ベース基板100aの下面に対して平行な仮想面内における占有領域が、その仮想面内におけるレンズ保持部材62の占有領域内に含まれるように構成されている。これにより、ベース基板100aの下面の面方向に対し、移動機構がレンズ保持部材62から外側へはみ出して配置されることがない。このような構成とすることで、移動機構を設けることによるベース基板100aの下面の面方向への大型化を最小限に抑えることができ、省スペース化を図ることができる。ここで、このような構成とすると、従来のようにシリンドリカルレンズの入射光又は出射光が通る側から操作部を操作するよう構成では、その操作の際に入射光や出射光を遮ってしまっていたが、本実施形態によれば、入射光や出射光を遮ってしまってしまうことがない。
また、本実施形態において、上記移動機構は、操作部63aに加わる力を動力にして回転可能な基部63bと、その回転中心軸上を基部63bから外方へ延びる中心軸部材63cと、基部63b上における回転中心軸からズレた位置から回転中心軸に対して平行な方向に外方へ延びる偏心軸部材63dとを有する回転部材としての調整部材63と、レンズ保持部材62に設けられ、レンズ保持部材62の移動方向に対して直交する方向に長尺であって、かつ、挿入される偏心軸部材63dの寸法に対応した幅をもつ長孔62dと、ベース基板100aに設けられ、中心軸部材63cを軸受する軸受孔とから構成されている。そして、調整部材63におけるベース基板100aの上面に露出する部分を設けて、その部分を操作部63aとしている。このような構成により、操作部63aを作業者の手やドライバーなどの操作道具を用いて回すという簡単な作業で、レンズ保持部材62を移動させることができ、その作業性を向上させることができる。
また、本実施形態では、調整部材63をポリアセタール材で形成しているので、その調整作業の際に生じる摩擦による摩耗が抑制され、経時的に高精度な調整が可能になる。
また、本実施形態において、上記移動機構は、レンズ保持部材62に保持されたシリンドリカルレンズ61をベース基板100aの下面上に設けられた支持部であるレンズ座面100bに対して摺動させながら、レンズ保持部材62をベース基板100aの下面に沿って移動させるものである。そして、そのシリンドリカルレンズ61は、図10(a)及び(b)に示したように、レンズ座面100bを摺擦する摺擦面(当接面)におけるレンズ保持部材62の移動方向に交差するエッジ部分を面取りしたものである。このような構成により、このような面取りを行わない場合に比べて、レンズ座面100bの削れが抑制され、シリンドリカルレンズ61の移動によるシリンドリカルレンズ61の位置決め精度が悪化する事態を抑制できる。
また、本実施形態において、レンズ保持部材62は、シリンドリカルレンズ61をベース基板100aに向けて付勢する付勢部材としての固定部材64と、その固定部材64の付勢方向に対して直交する方向からシリンドリカルレンズ61を挟持する挟持部材である固定部材64及びレンズ受部62bとを有し、その固定部材64の付勢力Fzに基づいてシリンドリカルレンズ61に作用するレンズ座面100bに向かう力が、シリンドリカルレンズ61とこれを挟持する固定部材64及びレンズ受部62bとの間に働く静止摩擦力の合計よりも大きくなるように構成されている。これにより、上述したように、シリンドリカルレンズ61がレンズ座面100bから浮くような衝撃が加わっても、シリンドリカルレンズ61をレンズ座面100bに押し当てた状態に維持でき、ベース基板100aの法線方向におけるシリンドリカルレンズ61の正確な位置決めが維持される。
また、本実施形態では、図15に示すように、シリンドリカルレンズ61が、光源ユニット70K,70M,70C,70Yからの光の入射方向に対してその入射面の法線方向が傾斜するように配置されている。本実施形態の光源ユニット70K,70M,70C,70Yは、レーザダイオードを流れる電流を検出し、その検出結果をフィードバックしてレーザダイオードからの一定の発光出力を得るように制御している。ここで、光源ユニット70K,70M,70C,70Yからの光の入射方向とシリンドリカルレンズ61の入射面の法線方向とが一致していると、その入射面からの戻り光LRが光源ユニット70K,70M,70C,70Yに入射されてしまう。この場合、光源ユニット70K,70M,70C,70Yで行っているフィードバック制御が正常に機能せず、光源ユニット70K,70M,70C,70Yの出力が不安定になるおそれがある。本実施形態のように、光源ユニット70K,70M,70C,70Yからの光の入射方向に対してその入射面の法線方向が傾斜するように配置することで、戻り光LRが光源ユニット70K,70M,70C,70Yに入射するのを防ぐことができ、上述のようなフィードバック制御を行う光源ユニット70K,70M,70C,70Yの出力を安定させることができる。
また、本実施形態では、レンズ保持部材62の線膨張係数が1×10-5[1/℃]以下である。これにより、上述したように、回転偏向器からの熱によりシリンドリカルレンズ61の位置決めがズレるのを実用的な範囲内で十分に抑制できる。
また、本実施形態では、シリンドリカルレンズ61と回転偏向器との間を遮蔽する光透過部材としての断熱ガラス42が設けられている。これにより、回転偏向器からの熱がシリンドリカルレンズ61に伝搬するのを抑制でき、回転偏向器からの熱によりシリンドリカルレンズ61の位置決めがズレるのを実用的な範囲内で十分に抑制できる。
4 光書込ユニット
10Y,10C,10M,10K 感光体
20 中間転写ベルト
41a,41b ポリゴンミラー
42 断熱ガラス
60Y,60C,60M,60K レンズユニット
61 シリンドリカルレンズ
62 レンズ保持部材
62a 本体
62b レンズ受部
62c レンズ当接面
62d 長孔
62e ガイド部
63 調整部材
63a 操作部
63b 基部
63c 中心軸部材
63d 偏心軸部材
64 固定部材
70K,70M,70C,70Y 光源ユニット
100 ハウジング
100a ベース基板
100b レンズ座面
160 ドライバー
200 載置台
201Y,201C,201M,201K 光検出器
202 制御部
203 表示部
Claims (13)
- 光源からの光をレンズを介して回転偏向器に入射させ、該回転偏向器により偏向走査された走査光を光照射対象に向けて鉛直方向上方又は下方へ光路変更することにより該走査光を該光照射対象へ照射する光走査装置において、
上記レンズを保持するレンズ保持部材と、
該レンズを通過する光に平行であって鉛直方向下方に向く支持面を有し、該レンズ保持部材を移動可能なように該支持面側で支持する支持部材と、
作業者が操作する操作部を備え、該操作部に加わった力を動力にして該レンズ保持部材を該支持部材に支持された状態で移動させる移動機構とを備えており、
該操作部を、該支持部材における該支持面の反対面側に設けたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項1の光走査装置において、
上記支持部材は、上記支持面に沿って上記レンズ保持部材を光軸方向へ移動可能に支持することを特徴とする光走査装置。 - 請求項2の光走査装置において、
上記レンズは、上記回転偏向器に入射する光のスポット特性を調整するためのシリンドリカルレンズであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1、2又は3の光走査装置において、
上記支持面に対して平行な仮想面内における上記移動機構の占有領域が該仮想面内における上記レンズ保持部材の占有領域内に含まれるように構成したことを特徴とする光走査装置。 - 請求項1、2、3又は4の光走査装置において、
上記移動機構は、上記操作部に加わる力を動力にして回転可能な基部と、その回転中心軸上を該基部から外方へ延びる中心軸部材と、該基部上における該回転中心軸からズレた位置から該回転中心軸に対して平行な方向に外方へ延びる偏心軸部材とを有する回転部材と、上記レンズ保持部材に設けられ、該レンズ保持部材の移動方向に対して直交する方向に長尺であって、かつ、挿入される該偏心軸部材の寸法に対応した幅をもつ長孔と、上記支持部材に設けられ、該中心軸部材を軸受する軸受孔とから構成されており、該回転部材における該支持部材の上記反対面に露出する部分を設けてその部分を該操作部としたことを特徴とする光走査装置。 - 請求項5の光走査装置において、
上記回転部材を、ポリアセタール材で形成したことを特徴とする光走査装置。 - 請求項1、2、3、4、5又は6の光走査装置において、
上記移動機構は、上記レンズ保持部材に保持されたレンズを上記支持部材の支持面上に設けられた支持部に対して摺動させながら該レンズ保持部材を該支持面に沿って移動させるものであり、
該レンズは、該支持面を摺擦する摺擦面における該レンズ保持部材の移動方向に交差するエッジ部分を面取りしたものであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6又は7の光走査装置において、
上記移動機構は、上記レンズ保持部材に保持されたレンズを上記支持部材の支持面上に設けられた支持部に対して摺動させながら該レンズ保持部材を該支持面に沿って移動させるものであり、
該レンズ保持部材は、該レンズを該支持部に向けて付勢する付勢部材と、該付勢部材の付勢方向に対して直交する方向から該レンズを挟持する挟持部材とを有し、該付勢部材の付勢力に基づいて該レンズに作用する該支持部に向かう力が該挟持部材と該レンズとの間に働く静止摩擦力の合計よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の光走査装置において、
上記レンズを、上記光源からの光の入射方向に対してその入射面の法線方向が傾斜するように配置したことを特徴とする光走査装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9の光走査装置において、
上記レンズ保持部材の線膨張係数は1×10-5[1/℃]以下であることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の光走査装置において、
上記レンズと上記回転偏向器との間を遮蔽する光透過部材を設けたことを特徴とする光走査装置。 - 潜像担持体の表面に光走査装置を用いて走査光を照射することにより該潜像担持体の表面に潜像を形成し、該潜像を現像することで得た画像を最終的に記録材上に転移させることで画像を形成する画像形成装置において、
上記光走査装置として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 光源からの光をレンズを介して回転偏向器に入射させ、該回転偏向器により偏向走査された走査光を光照射対象に向けて鉛直方向上方又は下方へ光路変更することにより該走査光を該光照射対象へ照射する光走査装置であって、該レンズを保持するレンズ保持部材と、該レンズを通過する光に平行であって鉛直方向下方に向く支持面を有し、該レンズ保持部材を移動可能なように該支持面側で支持する支持部材と、作業者が操作する操作部を備え、該操作部に加わった力を動力にして該レンズ保持部材を該支持部材に支持された状態で移動させる移動機構とを備えており、該操作部が該支持部材における該支持面の反対面側に設けられている光走査装置における該レンズの位置を調整するレンズ位置調整方法であって、
上記光走査装置の使用時における姿勢と略同一姿勢となるように該光走査装置を載置台上に載せて保持した後、該光走査装置を駆動して照射させた走査光の一部を、該光走査装置の使用時に上記光照射対象が該光走査装置に対して位置決めされる位置に対応した箇所に配置された光検出器により検出し、その検出結果に基づくレンズ位置調整用情報に応じて該光走査装置の上記操作部を操作することにより、上記レンズの位置を調整することを特徴とするレンズ位置調整方法。
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