JP2008233197A - 光学素子ユニット、光走査装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 中央部固定手段としての上面押圧バネ49及び規制部上面47aを備えることで、光学素子である被調節レンズ41の副走査方向に対応する方向について被調節レンズ41のレンズ中央部の保持部材であるレンズホルダ40に対する位置を固定し、且つ、湾曲調節手段としての2組の調節ネジ44及び下面押圧バネ45を備えることにより、被調節レンズ41のレンズ端部のレンズ中央部に対する上下方向についての位置を調節することにより被調節レンズ41の湾曲状態を調節する。
【選択図】 図1
Description
光走査装置の光学系に誤差があると、走査光が感光体表面上を走査する走査線が、直線状ではなく曲線状になる走査線曲がりの不具合が生じるため、光学系は高精度で製造されることが望ましい。しかし、光走査装置の光学系を構成する光学素子の製造精度誤差(走査レンズの母線曲がりや折り返しミラーの面精度の低下など)や、筺体に光学素子を組み付けたときに発生する組み付け誤差などにより、光走査装置を誤差なく製造することは困難である。このため、工場などの通常の製造工程では走査線曲がりの不具合をなくすことは困難である。
このような問題に対して、光学系を構成する光学素子のうちの長尺レンズを保持するレンズホルダが備える調節部材によって、長尺レンズの湾曲状態を調節することで誤差による走査線曲がりを補正できる光走査装置が従来から提案されている。
しかし、特許文献1に記載の光走査装置では長尺レンズの湾曲状態を直線状の状態から上に凸の形状へは調節することができるものの、長尺レンズが下に凸となるような湾曲状態とすることはできない。このため、特許文献1に記載の光走査装置では長尺レンズを下に凸の形状となるように調節することによって補正することができる走査線曲がりを補正することができない。
このように、特許文献2の図4に示された構成であれば、長尺レンズの湾曲状態を上に凸の状態にも、下に凸の状態にも調節することができる。このため、長尺レンズを上に凸とすることで補正できる走査線曲がりも、長尺レンズを下に凸とすることで補正できる走査線曲がりも、補正することができ、走査線曲がりを調節できる範囲が広くなる。
光走査装置は、一般的にレンズの副走査方向に対応する方向(特許文献2の図4の長尺レンズでは上下方向)の中心をレーザー光が通過するように設計が成されている。そして、レンズの特性によっては、レンズの副走査方向に対応する方向の中心の位置に対してレーザー光の通過する位置がずれると、感光体表面に照射される走査線が歪んでしまうという不具合が生じるおそれがあった。さらに、特許文献2の図4の構成のように、レンズ保持部材に対して位置決めが成された両端部に対して、その中央部が副走査方向に対応する方向の両方向に変位させることができる。特許文献2の構成は直線状から上及び下との何れにも凸の形状となるように調節可能であるので、レンズの中央部を副走査方向に変位させ、且つ、直線状から上または下の何れか一方のみに凸の形状となるように湾曲状態を調節できる構成のものと比べて、レンズの中央部の副走査方向に対応する方向の変位幅が大きくなる。これにより、長尺レンズの副走査方向に対応する方向の中心の位置に対してレーザー光の通過する位置がずれる幅も大きくなる。
また、請求項2の発明は、請求項1の光学素子ユニットにおいて、上記光学素子の走査方向中央部に対して走査方向の両側には副走査方向に対応する方向に力が加わる湾曲調節部があり、上記湾曲調節手段は、該光学素子の該湾曲調節部に対して副走査方向に対応する方向の一方から押圧し、その押圧量を調節可能な押圧部材と、該押圧部材と該光学素子を挟んで対向して該光学素子の該湾曲量調節部に対して該押圧部材側に向けて弾性力を作用させる弾性部材とを備え、該押圧部材の押圧量を調節することで該光学素子の走査方向中央部の位置に対する該湾曲調節部の副走査方向に対応する方向の位置を変位させて該光学素子の湾曲状態を調節することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の光学素子ユニットにおいて、上記押圧部材は調節ネジであり、該調節ネジを回転させることによってその先端部の上記保持部材に対する副走査方向に対応する方向の位置を変位させ、該調節ネジの先端部で上記光学素子の上記湾曲調節部を押圧することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2または3の光学素子ユニットにおいて、上記押圧部材と上記光学素子との間の摺動を促す摺動部材を、該押圧部材と該光学素子との間に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の光学素子ユニットにおいて、上記保持部材の走査方向中央部と上記光学素子の走査方向中央部との走査方向の位置決めを行う中央部位置決め手段を備えることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の光学素子ユニットにおいて、上記中央部固定手段は、上記光学素子の走査方向中央部に対して副走査方向に対応する方向の一方から突き当たる突き当て部材と、該突き当て部材と該光学素子を挟んで対向して該光学素子の中央部に対して該突き当て部材側に弾性力を作用させる中央部弾性部材とを備え、該突き当て部材及び該中央部弾性部材は上記保持部材に固定されていることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の光学素子ユニットにおいて、上記光学素子は入射する照射光の走査方向が長手方向となる長尺レンズであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、光源と、該光源からの照射光を偏向走査する光偏向手段と、該光偏向手段からの照射光を被走査面上に結像させる光学系とを有する光走査装置において、該光学系は請求項1、2、3、4、5、6または7の光学素子ユニットを含むことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の光走査装置において、上記光学素子ユニットは走査方向と副走査方向に対応する方向とに直交する方向が軸方向となるユニット回転軸を中心に該光走査装置の筺体に対して揺動可能であり、該ユニット回転軸を中心とした該筺体に対する該光学素子ユニットの傾きを調節可能であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項9の光走査装置において、上記ユニット回転軸は上記光学素子ユニットの上記保持部材に固定されていることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の光走査装置において、上記ユニット回転軸は、上記筺体に固定された回転軸支持部材に対して位置決めされていることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、潜像担持体の表面に光走査手段を用いて走査光を照射することにより該潜像担持体の表面に潜像を形成し、該潜像を現像することで得た画像を最終的に記録材上に転移させることで画像を形成する画像形成装置において、該光走査手段として、請求項8、9、10または11の光走査装置を用いることを特徴とするものである。
本実施形態のプリンタ100は、いわゆる中間転写方式のタンデム型画像形成装置を例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。
図2は、本実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。
プリンタ100は、装置本体1と、装置本体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。装置本体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
図2及び図3に示すように、作像ステーション3は、図中矢印S方向に回転する潜像担持体としてのドラム状の感光体10を備えている。感光体10はアルミニウム製の円筒状基体と、円筒状基体の表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。作像ステーション3は、感光体10の周囲に感光体10の表面を帯電させる帯電装置11、感光体10に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置12を備える。さらに、一次転写後の感光体10上の残留した残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13も備える。
中間転写ユニット5の中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22及び従動ローラ23に掛け回され、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。また、中間転写ユニット5は、各感光体10に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写ローラ24を備えている。中間転写ユニット5は、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を転写紙Pに転写する二次転写ローラ25、転写紙P上に転写されなかった中間転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26を備えている。
まず、各色の作像ステーション3において、感光体10が帯電装置11によって一様に帯電される。その後、光走査装置4により、画像情報に基づきレーザー光Lが走査露光されて各感光体10の表面に潜像が形成される。感光体10上の潜像は、現像装置12の図中矢印T方向に回転する現像ローラ15上に担持された各色のトナーによって現像されてトナー像として可視像化される。感光体10上のトナー像は、各一次転写ローラ24の作用によって反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト20上に順次重ねて転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。一次転写終了後の感光体10は、クリーニング装置13のクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。トナーボトル7Y,7C,7M,7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの現像装置12Y,12C,12M,12Kに所定量補給される。
図4は、本実施形態に適用可能な光走査装置4の斜視説明図である。図4では光走査装置4の下方に感光体10が配置された状態を示しているが、図4の光走査装置4と感光体10との上下を反転させることにより図2及び図3を用いて説明したプリンタ100に適用可能となる。
図4では、マゼンタのトナー像を形成する感光体10M上にLDユニット70Mからのレーザー光を結像させる光学素子群60Mと、シアンのトナー像を形成する感光体10C上にLDユニット70Cからのレーザー光を結像させる光学素子群60Cとを示す。そして、マゼンタのLDユニット70Mから感光体10Mに到るまでの光路と、シアンのLDユニット70Cから感光体10Cに到るまでの光路とで、光偏向手段であるポリゴンミラー80を共用している。図4では、図示を省略しているイエロー及びブラックの光路については、光変更手段としてポリゴンミラー80を共用しても良いし、別に設けたポリゴンミラーによって光源からのレーザー光を偏向走査しても良い。
光走査装置4は、第一光源71と第二光源72とを備えるLDユニット70が発したレーザー光は、像担持体である感光体10の表面に結像される。
LDユニット70から感光体10までの光路上には、光偏向手段であるポリゴンミラー80と、第一走査レンズ61、第二走査レンズ62、第三走査レンズである被調節レンズ41、第一折り返しミラー63、第二折り返しミラー64及び第三折り返しミラー65等から成る光学素子群60が設けられている。LDユニット70が備える第一光源71及び第二光源72には、単一ビームを発する半導体レーザー素子、あるいは複数ビームを発する半導体レーザアレイ素子を用いることができる。なお、第一走査レンズ61、第二走査レンズ62、及び第三走査レンズである被調節レンズ41は、ポリゴンミラー80によって走査されて入射するレーザー光Lの走査方向が長手方向となる長尺レンズである。
光走査装置4では、第三走査レンズである被調節レンズ41において各種調節を行うことにより走査線曲がりと走査線傾きとを補正する。
図5は、光学素子としての被調節レンズ41と、被調節レンズ41を保持する保持部材としてのレンズホルダ40とを有する光学素子ユニットとしてのレンズユニット200の斜視説明図である。
図6は、図5で示したレンズユニット200の斜視分解説明図である。
図5中の矢印A方向は、被調節レンズ41に入射するレーザー光Lがポリゴンミラー80によって走査される方向であり、本実施形態では「走査方向」と定義する。また、図5中の矢印C方向は被調節レンズ41を透過するレーザー光Lの光軸と略平行な方向であり、本実施形態では「光軸方向」と定義する。さらに、図5中の矢印B方向は、走査方向及び光軸方向に直交する方向で、且つ、感光体10上の副走査方向に対応する方向であり、本実施形態では「副走査方向」と定義する。
また、マゼンタの被調節レンズ41Mとシアンの被調節レンズ41Cとは実装の向きは互いに反対になるが、構成自体は同じであるため、被調節レンズ41についての説明についても対応する色を示すM及びCを省略して説明する。
被調節レンズ41の走査方向(矢印A方向)の中央部であるレンズ中央部には、レンズホルダ40に対する走査方向の位置合わせに用いるための突起部46が設けられている。また、被調節レンズ41の走査方向端部であるレンズ端部の両方には、レンズホルダ40に対する光軸方向(矢印C方向)の位置合わせに用いるための突出片50が設けられている。
また、被調節レンズ41のレンズ中央部は、規制部47の上面である突き当て部材としての規制部上面47aによって支持されている。
一方、天板42には、被調節レンズ41を介してホルダ本体43の規制部47と対向する位置に、被調節レンズ41の上面から下方に弾性力を作用させる中央部弾性部材としての板バネ状の上面押圧バネ49を固定している。上面押圧バネ49は上面押圧部49aで被調節レンズ41の上面に接触し、被調節レンズ41を下方に押圧する。
また、天板42の上面押圧バネ49の走査方向両側で、且つ、被調節レンズ41を挟んで2つの下面押圧バネ45の下面押圧部45aと対向する位置に詳細は後述する押圧部材としての調節ネジ44がそれぞれ設けられている。
図1は、図5及び図6を用いて説明した光学素子ユニットとしてのレンズユニット200を図5中の矢印D方向から見た模式図である。図1に示すように、被調節レンズ41は上面押圧バネ49、調節ネジ44、規制部上面47a及び下面押圧バネ45によってレンズホルダ40に保持されている。
このように、上面押圧バネ49及び規制部上面47aによって、被調節レンズ41のレンズ中央部のレンズホルダ40に対する副走査方向の位置を固定することができる。このため、被調節レンズ41の副走査方向の中心の位置に対してLDユニット70から照射されたレーザー光の通過する位置がずれることを抑制することができる。
2つの調節ネジ44は回転させることによりレンズホルダ40の天板42に対する先端部の副走査方向の位置を変位させることができる。調節ネジ44を回転させて調節ネジ44の先端部が下方に向かうように調節すると、湾曲調節部が調節ネジ44によって下方に押し下げられて下面押圧バネ45が縮み(下面押圧部45aが下降し)、湾曲調節部が下方に変位する。一方、調節ネジ44を回転させて調節ネジ44の先端部が上方に向かうように調節すると、下面押圧バネ45が湾曲調節部を押し上げて下面押圧バネ45が伸び(下面押圧部45aが上昇し)、湾曲調節部が上方に変位する。
すなわち、図1のように被調節レンズ41が直線状の状態から、2つの調節ネジ44の先端部が下方に変位するように調節し、湾曲調節部を下方に変位させることによってレンズ端部も下方に変位し、被調節レンズ41が上に凸の湾曲状態となる。同様に、被調節レンズ41が直線状の状態から、2つの調節ネジ44の先端部が上方に変位するように調節し、湾曲調節部を上方に変位させることによってレンズ端部も上方に変位し、被調節レンズ41が下に凸の湾曲状態となる。このようなレンズホルダ40では、2組の調節ネジ44及び下面押圧バネ45によって湾曲調節手段を構成する。なお、調節ネジ44及び下面押圧バネ45の配置は、図1に示す配置よりもレンズ中央部側でも良いし、レンズ端部側でもよい。
このように、2組の調節ネジ44及び下面押圧バネ45によって、レンズ端部の位置をレンズ中央部の位置に対して副走査方向の両方向、すなわち上下方向ともに変位可能である。このため、被調節レンズ41の湾曲状態をその上下どちらの方向にも凸とする調節を行うことができる。
ここで、マゼンタの画像に対応したレーザー光を透過させる被調節レンズ41Mについて、副走査方向において、感光体10Mの表面移動方向と被調節レンズ41Mの上方とが対応しているものとする。被調節レンズ41Mが直線状の状態で、感光体10M上に走査された走査線が表面移動方向に凸となるような走査線曲がりが発生している場合、2つの調節ネジ44Mを緩めて、被調節レンズ41Mの形状が下に凸となるように調節する。これにより、感光体10M上の走査線を直線に近づけることができ、調節ネジ44Mの調節具合によって走査線が直線状となるように調節して走査線曲がりを補正する。
このとき、シアンの画像に対応したレーザー光を透過させる被調節レンズ41Cは、副走査方向において、感光体10Cの表面移動方向と被調節レンズ41Cの下方とが対応する。これはマゼンタの被調節レンズ41Mとシアンの被調節レンズ41Cとは実装の向きは互いに反対になるためである。そして、被調節レンズ41Cが直線状の状態で、感光体10C上に走査された走査線が表面移動方向に凸となるような走査線曲がりが発生している場合、2つの調節ネジ44Cを締めて、被調節レンズ41Mの形状が上に凸となるように調節する。これにより、感光体10C上の走査線を直線に近づけることができ、調節ネジ44Cの調節具合によって走査線が直線状となるように調節して走査線曲がりを補正する。
光学系における被調節レンズ41の光軸方向を回転軸とした傾きを調節することにより、感光体10上の走査線の傾きを調節することができる。よって、光走査装置4の筺体に対するレンズユニット200の傾きを調節することにより、光学系における被調節レンズ41の傾きを調節することができ、感光体10上の走査線の傾きを調節することができる。
レンズホルダ40のホルダ本体43に形成された規制部47には、詳細は後述するレンズユニット200の揺動動作の支点をなすユニット回転軸48が設けられている。また、被調節レンズ41に設けられた突出片50は、光走査装置4の筺体に固定された2つの位置決めピン51の間に押し込まれることで、被調節レンズ41の光走査装置4の筺体に対する光軸方向の位置決めがなされる。一方、ユニット回転軸48は、光走査装置4の筺体に固定された回転軸支持部材としてのユニット支持部材53に設けられたV字溝53aに嵌め込まれることによって走査方向の位置決めがなされる。また、ユニット回転軸48をV字溝53aにはめ込んだ状態で、図7及び図8で示すように、回転軸位置決めバネ57を取付けて光走査装置4の筺体400に固定する。なお、回転軸位置決めバネ57はユニット回転軸48に対して下方に弾性力を作用させるものである。これにより、ユニット回転軸48の下側はV字溝53aによって位置決めがなされ、ユニット回転軸48の上側は回転軸位置決めバネ57によって位置決めがなされる。
レンズユニット200の走査方向の一端にはステッピングモータ54からの動力の伝達を受ける動力伝達片56を設けており、ステッピングモータ54からの動力が駆動ギヤ55を介して動力伝達片56に伝わる構成となっている。そして、ステッピングモータ54を駆動させることによって、ユニット回転軸48を支点としてレンズユニット200の揺動動作が行われ、光走査装置4に対するレンズユニット200の傾きが調節される。これにより、感光体10上の走査線の傾きを調節することができ、走査線傾きの補正を行うことができる。
なお、ステッピングモータ54の駆動は、感光体10上、または中間転写ベルト20上に形成されたトナーパッチから傾きを検出する不図示の傾き検知手段を設け、傾き検知手段が検出した走査線の位置ずれ量に対応する傾きに応じてステッピングモータ54を駆動させ、これにより走査線の傾き補正が実行される。
特開20004−287380号公報に記載の構成では、光学素子群に備えられた光学素子について、この光学素子の傾きを変化させることによる走査線の傾きを補正する機構と、同光学素子の湾曲を変化させることによる走査線の湾曲を補正する機構とを備え、走査線の曲がりや傾きを補正できるようにした光走査装置が示されている。しかし、この光走査装置では、走査線曲がり補正機構を構成する押圧機構を走査方向において3組(中央とその両脇)必要であり、構成の複雑化を招いていた。
また、図2に示すような4ドラムタンデム方式で各色の走査線の湾曲が異なっていても、各色の走査線曲がりを調節することにより、湾曲状態の方向を揃えて4色間の色ズレを小さく抑えることが可能である。
例えば、設置環境の温度が高くなり、金属製のレンズホルダ40が樹脂製の被調節レンズ41よりも変化量が大きくなった場合は、レンズホルダ40の中央部に対する調節ネジ44の取付け位置は走査方向の外側に移動する。これにより、被調節レンズ41における湾曲調節部も走査方向の外側に移動する。このとき押圧部材である調節ネジ44は被調節レンズ41を押圧した状態であるので、調節ネジ44の先端部と被調節レンズ41の上面との摩擦力が大きいと、調節ネジ44の先端部が湾曲調節部の移動時に被調節レンズ41上面を削り取ってしまい、被調節レンズ41を損傷させるおそれがある。また、摩擦力が大きすぎて被調節レンズ41の上面に対して調節ネジ44の先端が走査方向に移動できない状態であると、被調節レンズ41の湾曲状態が変化したり、レンズホルダ40が湾曲したりしてしまうおそれがある。
以下、摺動部材が摺動コロ44aである構成について図9を用いて説明する。図9に示すレンズユニット200では調節ネジ44の先端に摺動コロ44aが固定されており、摺動コロ44aは図中手前−奥方向である光軸方向と平行な回転軸を中心に回転可能となっている。
このような構成により、摺動部材がガラス板41bであるものと同様に、調節ネジ44の先端が被調節レンズ41に埋没して被調節レンズ41を傷つけることを防止することができる。また、調節ネジ44に対する被調節レンズ41上面の摺動を促すことができる。
また、被調節レンズ41のレンズ中央部に対して走査方向の両側に湾曲調節部があり、湾曲調節手段として押圧部材としての調節ネジ44と弾性部材としての下面押圧バネ45とを二組備え、調節ネジ44の押圧量を調節することにより、湾曲調節部の副走査方向に対応する方向の位置を変位させて被調節レンズ41の湾曲状態を調節することができる。
また、押圧部材として、回転させることによってその先端部のレンズホルダ40に対する副走査方向に対応する方向の位置を変位させることができ、その先端部で被調節レンズ41の湾曲調節部を押圧する調節ネジ44を用いることにより、簡素な構成で湾曲調節手段を実現することができる。
また、調節ネジ44の先端と光学素子であるレンズ本体41aとの間に、摺動部材であるガラス板41bを備えることにより、被調節レンズ41の損傷や被調節レンズ41の湾曲状態の変化、レンズホルダ40の湾曲などを防止することができる。
また、中央部位置決め手段として、被調節レンズ41の突起部46と、溝部47bを備えた規制部47とを備えることにより、レーザー光Lの光軸が被調節レンズ41の走査方向の中心を通過する構成を実現することができる。
また、中央部固定手段として突き当て部材である規制部47と中央部弾性部材である上面押圧バネ49とを備え、規制部47と上面押圧バネ49とがレンズホルダ40に固定されていることにより、被調節レンズ41のレンズ中央部のレンズホルダ40に対する副走査方向に対応する方向の位置を固定する構成を実現することができる。
また、透過するレーザー光の走査方向が長手方向となる長尺レンズである被調節レンズ41の湾曲状態を調節することにより、透過する照射光の感光体10表面上での走査線曲がりを補正することができる。
また、レンズユニット200を備える光走査装置4であれば、感光体10表面に照射される走査線が歪むことを防止し、且つ、感光体10の表面移動方向に凸となる走査線曲がりも逆方向に凸となる走査線曲がりも補正することができる光走査装置を実現することができる。
また、光走査装置4の筺体400に対するレンズユニット200の走査方向の傾きを調節可能であることにより、感光体10表面上の走査線傾きを補正することができる。
また、ユニット回転軸48がレンズホルダ40に固定されていることにより、ユニット回転軸48を筺体400に対して位置決めすることにより、レンズホルダ40を筺体400に対して位置決めすることができる。
また、ユニット回転軸48が筺体400に固定された回転軸支持部材であるユニット支持部材53に対して位置決めされていることにより、レンズホルダ40を筺体400に対して位置決めする構成を実現することができる。
また、光走査装置4を備える画像形成装置としてのプリンタ100であれば、感光体10上の走査線が歪むことを防止し、走査線曲がりを補正することができるので、良好な画像形成を行うことができる。さらに、図2に示すような4ドラムタンデム方式で各色の走査線の湾曲が異なっていても、各色の走査線曲がりを調節することにより、湾曲状態の方向を揃えて4色間の色ズレを小さく抑えることが可能である。
2 給紙カセット
3 作像ステーション
4 光走査装置
5 中間転写ユニット
6 定着ユニット
7 トナーボトル
8 排紙トレイ
10 感光体
11 帯電装置
12 現像装置
40 レンズホルダ
41 被調節レンズ
42 天板
42a 固定ネジ
42b 丸穴
42c 長穴
42d 開口部
43 ホルダ本体
44 調節ネジ
44a 摺動コロ
45 下面押圧バネ
45a 下面押圧部
46 突起部
47 規制部
47a 規制部上面
47b 溝部
48 ユニット回転軸
49 上面押圧バネ
49a 上面押圧部
49b 上面バネ固定ネジ
50 突出片
51 位置決めピン
53 ユニット支持部材
54 ステッピングモータ
55 駆動ギヤ
56 動力伝達片
57 回転軸位置決めバネ
80 ポリゴンミラー
100 プリンタ
200 レンズユニット
400 筺体
Claims (12)
- 偏向走査された照射光を被走査面上に結像させる光学素子と、
該光学素子を保持する保持部材と、
被走査面上の副走査方向に対応する方向についての該光学素子の湾曲状態を調節する光学素子湾曲調節手段とを有する光学素子ユニットにおいて、
該光学素子の走査方向中央部の該保持部材に対する副走査方向に対応する方向の位置を固定する中央部固定手段を備え、
該湾曲調節手段は、該光学素子の走査方向端部の位置を該光学素子の走査方向中央部の位置に対して副走査方向に対応する方向の両方向に変位させることによって該光学素子の湾曲状態を調節することを特徴とする光学素子ユニット。 - 請求項1の光学素子ユニットにおいて、
上記光学素子の走査方向中央部に対して走査方向の両側には副走査方向に対応する方向に力が加わる湾曲調節部があり、
上記湾曲調節手段は、該光学素子の該湾曲調節部に対して副走査方向に対応する方向の一方から押圧し、その押圧量を調節可能な押圧部材と、該押圧部材と該光学素子を挟んで対向して該光学素子の該湾曲量調節部に対して該押圧部材側に向けて弾性力を作用させる弾性部材とを備え、
該押圧部材の押圧量を調節することで該光学素子の走査方向中央部の位置に対する該湾曲調節部の副走査方向に対応する方向の位置を変位させて該光学素子の湾曲状態を調節することを特徴とする光学素子ユニット。 - 請求項2の光学素子ユニットにおいて、
上記押圧部材は調節ネジであり、該調節ネジを回転させることによってその先端部の上記保持部材に対する副走査方向に対応する方向の位置を変位させ、該調節ネジの先端部で上記光学素子の上記湾曲調節部を押圧することを特徴とする光学素子ユニット。 - 請求項2または3の光学素子ユニットにおいて、
上記押圧部材と上記光学素子との間の摺動を促す摺動部材を、該押圧部材と該光学素子との間に設けたことを特徴とする光学素子ユニット。 - 請求項1、2、3または4の光学素子ユニットにおいて、
上記保持部材の走査方向中央部と上記光学素子の走査方向中央部との走査方向の位置決めを行う中央部位置決め手段を備えることを特徴とする光学素子ユニット。 - 請求項1、2、3、4または5の光学素子ユニットにおいて、
上記中央部固定手段は、上記光学素子の走査方向中央部に対して副走査方向に対応する方向の一方から突き当たる突き当て部材と、該突き当て部材と該光学素子を挟んで対向して該光学素子の中央部に対して該突き当て部材側に弾性力を作用させる中央部弾性部材とを備え、該突き当て部材及び該中央部弾性部材は上記保持部材に固定されていることを特徴とする光学素子ユニット。 - 請求項1、2、3、4、5または6の光学素子ユニットにおいて、
上記光学素子は入射する照射光の走査方向が長手方向となる長尺レンズであることを特徴とする光学素子ユニット。 - 光源と、
該光源からの照射光を偏向走査する光偏向手段と、
該光偏向手段からの照射光を被走査面上に結像させる光学系とを有する光走査装置において、
該光学系は請求項1、2、3、4、5、6または7の光学素子ユニットを含むことを特徴とする光走査装置。 - 請求項8の光走査装置において、
上記光学素子ユニットは走査方向と副走査方向に対応する方向とに直交する方向が軸方向となるユニット回転軸を中心に該光走査装置の筺体に対して揺動可能であり、該ユニット回転軸を中心とした該筺体に対する該光学素子ユニットの傾きを調節可能であることを特徴とする光走査装置。 - 請求項9の光走査装置において、
上記ユニット回転軸は上記光学素子ユニットの上記保持部材に固定されていることを特徴とする光走査装置。 - 請求項10の光走査装置において、
上記ユニット回転軸は、上記筺体に固定された回転軸支持部材に対して位置決めされていることを特徴とする光走査装置。 - 潜像担持体の表面に光走査手段を用いて走査光を照射することにより該潜像担持体の表面に潜像を形成し、該潜像を現像することで得た画像を最終的に記録材上に転移させることで画像を形成する画像形成装置において、
該光走査手段として、請求項8、9、10または11の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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