JP4815373B2 - 光走査装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に搭載される光走査装置、並びにこの光走査装置を備えた画像形成装置に関するものである。
従来、光源から出射された照射光を、結像レンズを用いて偏向器に導き、偏向器により走査された照射光を、走査結像素子を用いて被走査面に集光するようにした光走査装置がプリンタなどの画像形成装置に用いられている。画像形成装置が備える光走査装置は照射光を被走査面としての感光体表面上に集光し、感光体表面上に潜像を形成する画像書込装置として用いられている。
光走査装置の光学系に誤差があると、照射光が感光体表面上を走査する走査線が、感光体の表面移動方向に対して直角な線ではなく傾斜した線となる走査線傾きの不具合が生じるため、光学系は高精度で製造されることが望ましい。
しかし、光走査装置の光学系を構成する光学素子の製造精度誤差(走査レンズの母線曲がりや折り返しミラーの面精度の低下など)や、筺体に光学素子を組み付けたときに発生する組み付け誤差などにより、光走査装置を誤差なく製造することは困難である。このため、工場などの通常の製造工程では、走査線傾きの不具合をなくすことは困難である。
このような問題に対して、光学系を構成する光学素子のうちの長尺レンズを保持するレンズ保持部材の光走査装置の筺体に対する姿勢を調節することで製造時の誤差による走査線傾きを補正できる光走査装置が従来から提案されている。
特許文献1には、レンズ保持部材であるブラケットを光走査装置の筺体であるハウジングに対して回動可能に構成し、ハウジングに対するブラケットの姿勢を調節することで長尺レンズのハウジングに対する姿勢を調節し、走査線傾きを補正できる光走査装置が記載されている。
図11を用いて特許文献1の光走査装置での走査線傾きの補正について説明する。図11は、特許文献1の図1の走査線の傾き調整の手法の説明図である。
図11では、長尺レンズ51の下方が光走査装置のハウジングに固定された支持台66に支持され、長尺レンズ51を保持するブラケット52が支持台66を回動中心として回動可能に構成されている。ブラケット52の長手方向の両端部にはブラケット52を支持台66側に付勢するように弾性力を作用させてハウジングに対してブラケット52を安定して支持するためのユニット支持用板バネ61、62が当接している。さらに、ブラケット52の一端部のネジ受部58には駆動モータ56からの駆動力が作用して、駆動モータ56が駆動することによって、支持台66を中心にブラケット52と長尺レンズ51とが回動する。
そして、不図示の制御手段が駆動モータ56を制御することにより、ブラケット52と長尺レンズ51とを回動させる量を調節し、ブラケット52及び長尺レンズ51のハウジングに対する姿勢を調節することができる。長尺レンズ51のハウジングに対する姿勢を調節することにより、不図示の感光体上の走査線の傾きを調節することができるので、走査線の傾きに応じて長尺レンズ51の姿勢を調節することにより走査線傾きを補正することができる。
特開2007−025014号公報
図11のような長尺レンズ51とブラケット52とを支持台66に載せることでハウジングに対して支持する構成では、長尺レンズ51とブラケット52とを支持台66側に押さえつける力が大きいほど、ハウジングに対する支持の安定性を高めることができるため好ましい。
しかしながら、特許文献1のように、ブラケット52の両端をユニット支持用板バネ61,62によって支持台66側に付勢することで、ハウジングに対してブラケット52を支持する構成では次のような課題があった。
すなわち、ハウジングに対するブラケット52の支持の安定性を高めることと走査線傾きの補正精度を高めることとの両立が困難であった。
詳しくは、ハウジングに対するブラケット52の支持の安定性を高めるには、ユニット支持用板バネ61,62として、弾性力の大きい板バネを用いることが有効である。しかし、弾性力の大きい板バネを用いると、駆動モータ56によってブラケット52の姿勢の調節を行って、長尺レンズ51の姿勢の調節を行うときのトルク負荷も大きくなることでモータ脱調の原因となる。モータ脱調が発生するとブラケット52を所望の姿勢に調節することができなくなり、長尺レンズ51のハウジングに対する姿勢の調節の精度が低下し、走査線傾きの補正精度も低下する。
一方、弾性力の小さい板バネを用いると、駆動モータ56によってブラケット52の姿勢の調節を行って、長尺レンズ51の姿勢の調節を行うときのトルク負荷も小さくなり、ブラケット52の姿勢を調節の精度を高めることができ、走査線傾きの補正精度も向上する。しかし、弾性力の小さい板バネによってハウジングに対するブラケット52の支持を行うと、画像形成時に画像形成装置内で発生する振動から影響をうけて長尺レンズ51が振動し画像劣化を引き起こす問題が生じる。さらに、輸送時の振動に伴い長尺レンズ51の初期組み付けからのズレや、組み付け位置からの脱落が発生するおそれがある。このように、ユニット支持用板バネ61,62として弾性力の小さい板バネを用いると、ハウジングに対するブラケット52の支持の安定性が低下する。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、光走査装置の筺体に対する保持部材の支持の安定性を高めることと走査線傾きの補正精度を高めることとを両立することができる光走査装置、及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光源と、該光源からの照射光を偏向走査する光偏向手段と、該光偏向手段からの照射光を被走査面上に結像させる光学素子と、該光学素子を保持する保持部材と、該保持部材を回動させることによって装置本体の筺体に対する該光学素子の姿勢を調節して該被走査媒体上の走査線の傾きを補正する走査線傾き補正手段とを有する光走査装置において、該走査線傾き補正手段が、該光学素子の姿勢を調節するときの該保持部材の回動中心で該保持部材を支持する、該筺体に固定された支持台と、該保持部材を該支持台側に付勢するように弾性力を作用させて該筺体に対する該保持部材を安定して支持するための支持弾性部材と、該保持部材に駆動力を作用させて、回動中心周りで該保持部材を回動させる駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段とを備え、該支持弾性部材が該保持部材に弾性力を作用させる作用点の該保持部材における走査方向の位置が、該回動中心と同じ位置であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の光走査装置において、上記保持部材は、上記光学素子の姿勢を調節するときに回動中心となる回動中心軸が固定されており、上記支持弾性部材は、該回動中心軸を上記支持台に付勢するようにその弾性力を作用させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の光走査装置において、上記被走査面上の副走査方向に対応する方向についての上記光学素子の湾曲状態を調節する湾曲調節手段を上記保持部材が有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の光走査装置において、上記湾曲調節手段は、上記光学素子に入射する照射光の走査方向についての該光学素子のある位置を上記被走査面上の副走査方向に対応する方向について固定する固定手段と、該光学素子の走査方向についての他の位置を該被走査面上の副走査方向に対応する方向について変位させ、その変位量を調節する変位量調節手段とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の光走査装置において、上記変位量調節手段は、上記光学素子に対して上記被走査面上の副走査方向に対応する方向の一方から押圧し、その押圧量を調節可能な押圧部材と、該押圧部材と該光学素子を挟んで対向して該光学素子に対して該押圧部材側に向けて弾性力を作用させる弾性部材とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の光走査装置において、上記変位量調節手段を上記光学素子の走査方向の複数箇所に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の光走査装置において、上記光学素子は入射する照射光の走査方向が長手方向となる長尺レンズであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、潜像担持体の表面に光走査手段を用いて走査光を照射することにより該潜像担持体の表面に潜像を形成し、該潜像を現像することで得た画像を最終的に記録材上に転移させることで画像を形成する画像形成装置において、該光走査手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7の光走査装置を用いることを特徴とするものである。
保持部材に対して支持弾性部材の弾性力の作用する位置が回動中心から離れているほど、支持弾性部材の弾性力による回動中心周りのモーメントは大きくなる。すなわち、弾性力の作用する位置が回動中心から離れているほど、保持部材の傾き調節を行うときの支持弾性部材の弾性力の影響が大きくなる。
上記請求項1乃至8の発明においては、支持弾性部材が保持部材に弾性力を作用させる作用点の保持部材における走査方向の位置が、回動中心と同じ位置であるため、支持弾性部材として弾性力の大きな物に変更しても、弾性力による回動中心周りのモーメントはあまり変化せず、保持部材の姿勢の調節を行うときの支持弾性部材の弾性力の影響を低減することができる。このため、支持弾性部材として弾性力の大きな弾性体を用いても、駆動手段から駆動を伝達することによって姿勢の調節を行うときの駆動トルク負荷はほとんど増大せず、筺体に対する保持部材の姿勢を精度良く調節することができる。
請求項1乃至8の発明によれば、弾性力の大きな支持弾性部材を用いても、筺体に対する保持部材の姿勢を精度良く調節することができるため、光走査装置の筺体に対する保持部材の支持の安定性を高めることと走査線傾きの補正精度を高めることとを両立することができるという優れた効果がある。
以下、本発明を、画像形成装置としてのプリンタ100に適用した一実施形態について説明する。
本実施形態のプリンタ100は、いわゆる中間転写方式のタンデム型画像形成装置を例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。
図2は、本実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。
プリンタ100は、装置本体1と、装置本体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。装置本体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
図3は、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの一つの概略構成を示す構成図である。各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、使用するトナーの色が異なり基本的な構成は共通するので、図3では色を示す添え字Y、C、M、Kを省略して説明する。
図2及び図3に示すように、作像ステーション3は、図中矢印S方向に回転する潜像担持体としてのドラム状の感光体10を備えている。感光体10はアルミニウム製の円筒状基体と、円筒状基体の表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。作像ステーション3は、感光体10の周囲に感光体10の表面を帯電させる帯電装置11、感光体10に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置12を備える。さらに、一次転写後の感光体10上の残留した残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13も備える。
図2に示すように作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの下方には、感光体10Y,10C,10M,10Kに書込光Lを照射可能な光走査装置4を備えている。また、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの上方には、各感光体10Y,10C,10M,10K上に形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト20を備えた中間転写ユニット5を備えている。また、中間転写ベルト20に転写されたトナー画像を記録材である転写紙Pに定着する定着ユニット6を備えている。また、装置本体1の上部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル7Y,7C,7M,7Kが装填されている。このトナーボトル7Y,7C,7M,7Kは、装置本体1の上部に形成される排紙トレイ8を開くことにより、装置本体1から脱着可能に構成されている。
光走査装置4は、光源であるレーザダイオードから発射させる書込光(レーザー光)Lをポリゴンミラー等によって偏向し、感光体10Y,10C,10M,10Kの表面上に走査しながら照射する。光走査装置4の詳しい説明は後述する。
中間転写ユニット5の中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22及び従動ローラ23に掛け回され、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。また、中間転写ユニット5は、各感光体10に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写ローラ24を備えている。中間転写ユニット5は、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を転写紙Pに転写する二次転写ローラ25、転写紙P上に転写されなかった中間転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26を備えている。
次に、プリンタ100において、カラー画像を得る工程について説明する。
まず、各色の作像ステーション3において、感光体10が帯電装置11によって一様に帯電される。その後、光走査装置4により、画像情報に基づきレーザー光Lが走査露光されて各感光体10の表面に潜像が形成される。感光体10上の潜像は、現像装置12の図中矢印T方向に回転する現像ローラ15上に担持された各色のトナーによって現像されてトナー像として可視像化される。感光体10上のトナー像は、各一次転写ローラ24の作用によって反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト20上に順次重ねて転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。一次転写終了後の感光体10は、クリーニング装置13のクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。トナーボトル7Y,7C,7M,7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの現像装置12Y,12C,12M,12Kに所定量補給される。
一方、給紙カセット2内の転写紙Pは、給紙カセット2の近傍に配設された給紙ローラ27によって、装置本体1内に搬送され、レジストローラ対28に到る。そして、レジストローラ対28によって所定のタイミングで二次転写ローラ25が中間転写ベルト20を挟んでテンションローラ22と対向する二次転写部に搬送される。そして、二次転写部において、中間転写ベルト20上に形成されたトナー画像が転写紙Pに転写される。トナー画像が転写された転写紙Pは、定着ユニット6を通過することで画像定着が行われ、排出ローラ29によって排紙トレイ8に排出される。感光体10と同様に中間転写ベルト20上に残った転写残のトナーは中間転写ベルト20に接触するベルトクリーニング装置26によってクリーニングされる。
次に、上記光走査装置4の構成について説明する。
図4は、本実施形態に適用可能な光走査装置4の斜視説明図である。図4では光走査装置4の下方に感光体10が配置された状態を示しているが、図4の光走査装置4と感光体10との上下を反転させることにより図2及び図3を用いて説明したプリンタ100に適用可能となる。
図4では、マゼンタのトナー像を形成する感光体10M上にLDユニット70Mからのレーザー光を結像させる光学素子群90Mと、シアンのトナー像を形成する感光体10C上にLDユニット70Cからのレーザー光を結像させる光学素子群90Cとを示す。そして、マゼンタのLDユニット70Mから感光体10Mに到るまでの光路と、シアンのLDユニット70Cから感光体10Cに到るまでの光路とで、光偏向手段であるポリゴンミラー80を共用している。図4では、図示を省略しているイエロー及びブラックの光路については、光変更手段としてポリゴンミラー80を共用しても良いし、別に設けたポリゴンミラーによって光源からのレーザー光を偏向走査しても良い。
図4において、LDユニット70Mから感光体10Mまで到るマゼンタのトナー像を形成するためのレーザー光の光路と、LDユニット70Cから感光体10Cまで到るシアンのトナー像を形成するためのレーザー光の光路は構成が共通するため、ここでは対応する色を示すM及びCは省略して説明する。
光走査装置4は、第一光源71と第二光源72とを備えるLDユニット70が発したレーザー光は、像担持体である感光体10の表面に結像される。
LDユニット70から感光体10までの光路上には、光偏向手段であるポリゴンミラー80と、第一走査レンズ91、第二走査レンズ92、第三走査レンズである長尺レンズ51、第一折り返しミラー93、第二折り返しミラー94及び第三折り返しミラー95等から成る光学素子群90が設けられている。LDユニット70が備える第一光源71及び第二光源72には、単一ビームを発する半導体レーザー素子、あるいは複数ビームを発する半導体レーザアレイ素子を用いることができる。なお、第一走査レンズ91、第二走査レンズ92、及び第三走査レンズである長尺レンズ51は、ポリゴンミラー80によって走査されて入射するレーザー光Lの走査方向が長手方向となる長尺レンズである。
図4に示すように、光走査装置4の光学系は複数の光学素子によって構成され、これらの光学素子すべてを誤差なく製造し、光走査装置4の筺体に誤差なく組み付けて、製造誤差なく光走査装置4を製造することは困難である。そして、光学素子の製造誤差や組み付け誤差の積み重ねにより、レーザー光Lが感光体10の表面上を走査する走査線が直線状ではなく曲線状になる走査線曲がりが発生することがある。また、誤差の積み重ねでは、感光体10表面上の走査線が感光体10の回転軸と平行ではなく傾いた状態になる、走査線傾きが発生することがある。
光走査装置4では、第三走査レンズである長尺レンズ51において各種調節を行うことにより走査線曲がりと走査線傾きとを補正する。
図5は、光学素子としての長尺レンズ51と、長尺レンズ51を保持する保持部材としてのレンズホルダ40とを有する光学素子ユニットとしてのレンズユニット200の斜視説明図である。
図6は、図5で示したレンズユニット200の斜視分解説明図である。
図5中の矢印A方向は、長尺レンズ51に入射するレーザー光Lがポリゴンミラー80によって走査される方向であり、本実施形態では「走査方向」と定義する。また、図5中の矢印B方向は長尺レンズ51を透過するレーザー光Lの光軸と略平行な方向であり、本実施形態では「光軸方向」と定義する。さらに、図5中の矢印C方向は、走査方向及び光軸方向に直交する方向で、且つ、感光体10上の副走査方向に対応する方向であり、本実施形態では「副走査方向」と定義する。
また、マゼンタの長尺レンズ51Mとシアンの長尺レンズ51Cとは実装の向きは互いに反対になるが、構成自体は同じであるため、長尺レンズ51についての説明についても対応する色を示すM及びCを省略して説明する。
図5及び図6に示すように、長尺レンズ51はレンズホルダ40に保持されている。詳しくは、レンズホルダ40は長尺レンズ51が載せられて長尺レンズ51を下方から支持して、主走査方向が長手方向となるホルダ本体43と、ホルダ本体43に載せた長尺レンズ51を上方から挟み込む天板42とからなる。
長尺レンズ51の走査方向(矢印A方向)の中央部であるレンズ中央部には、レンズホルダ40に対する走査方向の位置合わせに用いるための突起部46が設けられている。また、長尺レンズ51の走査方向の端部であるレンズ端部の両方には、レンズホルダ40に対する光軸方向(矢印B方向)の位置合わせに用いるための突出片41が設けられている。
ホルダ本体43の中央部であるホルダ本体中央部には長尺レンズ51の突起部46に係合する溝部47bを備えた規制部47が設けられている。レンズホルダ40に対する長尺レンズ51の走査方向の位置は突起部46と規制部47の溝部47bとの係合によって規制されるため、両者の基準面は予め高い精度で加工されている。このような構成によって、ホルダ本体中央部とレンズ中央部との走査方向の位置決めが行われており、長尺レンズ51の突起部46と規制部47の溝部47bとによって中央部位置決め手段を構成している。
また、長尺レンズ51のレンズ中央部は、規制部47の上面である突き当て部材としての規制部上面47aによって支持されている。規制部上面47aは、長尺レンズ51のした面に当接してレンズホルダ40内における長尺レンズ51の位置基準を形成する基準面である。
また、ホルダ本体43の規制部47の走査方向両側には、長尺レンズ51の下面から上方に弾性力を作用させる弾性部材としての板バネ状の下面押圧バネ45をそれぞれ固定している。下面押圧バネ45は下面押圧部45aで長尺レンズ51の下面に接触し、長尺レンズ51を上方に押圧する。
一方、天板42には、長尺レンズ51を介してホルダ本体43の規制部47と対向する位置に、長尺レンズ51の上面から下方に弾性力を作用させる中央部弾性部材としての板バネ状の上面押圧バネ49を固定している。上面押圧バネ49は上面押圧部49aで長尺レンズ51の上面に接触し、長尺レンズ51を下方に押圧する。
また、天板42の上面押圧バネ49の走査方向両側で、且つ、長尺レンズ51を挟んで2つの下面押圧バネ45の下面押圧部45aと対向する位置に詳細は後述する押圧部材としての調節ネジ44がそれぞれ設けられている。
なお、長尺レンズ51として樹脂製の部材を用いる場合に金属製の調節ネジ44で直接押圧すると、調節ネジ44の先端部が長尺レンズ51の上面に埋没してしまい、長尺レンズ51を傷つけるおそれがある。これに対して、本実施形態で用いる長尺レンズ51は、樹脂製のレンズ本体51aよりも高硬度なガラス板51bを摺動部材としてレンズ本体51aの上面に設けて、調節ネジ44の先端部がガラス板51bの上面を押圧する構造としている。これにより、調節ネジの先端部が長尺レンズ51に埋没することを防止することができる。
図7は、図5及び図6を用いて説明した光学素子ユニットとしてのレンズユニット200を図5中の矢印D方向から見た模式図である。図7に示すように、長尺レンズ51は上面押圧バネ49、調節ネジ44、規制部上面47a及び下面押圧バネ45によってレンズホルダ40に保持されている。
レンズホルダ40では、規制部47は突き当て部材として副走査方向の一方である下方からその規制部上面47aがレンズ中央部に対して突き当たる。一方、上面押圧バネ49が中央部弾性部材として、レンズ中央部の規制部上面47aと長尺レンズ51を挟んで対向する位置に対して、規制部上面47a側に向けて、すなわち、下方に向けて弾性力を作用させて、長尺レンズ51を押圧する。また、上面押圧バネ49は天板42に固定されており、規制部47はホルダ本体43の一部であるので、上面押圧バネ49及び規制部47はレンズホルダ40に固定された構成である。長尺レンズ51のレンズ中央部は、上面押圧バネ49によって下方に押圧されて規制部47の規制部上面47aに突き当たることにより、レンズホルダ40に対する副走査方向についての位置が固定される。このようなレンズホルダ40では、上面押圧バネ49及び規制部上面47aによって光学素子中央部固定手段を構成する。
このように、上面押圧バネ49及び規制部上面47aによって、長尺レンズ51のレンズ中央部のレンズホルダ40に対する副走査方向の位置を固定することができる。このため、長尺レンズ51の副走査方向の中心の位置に対してLDユニット70から照射されたレーザー光の通過する位置がずれることを抑制することができる。
長尺レンズ51のレンズ中央部に対して走査方向の両側には、調節ネジ44及び下面押圧バネ45によって副走査方向に力が加わる湾曲調節部がある。すなわち、長尺レンズ51の調節ネジ44と下面押圧バネ45とで挟まれる箇所が湾曲調節部となる。レンズホルダ40では、天板42に設けられた調節ネジ44が押圧部材として副走査方向の一方である上方からその先端部で長尺レンズ51の湾曲調節部に対して押圧する。一方、下面押圧バネ45が弾性部材として、湾曲調節部の調節ネジ44と長尺レンズ51を挟んで対向する位置に対して、調節ネジ44側に向けて、すなわち、上方に向けて弾性力を作用させて、長尺レンズ51を押圧する。
2つの調節ネジ44は回転させることによりレンズホルダ40の天板42に対する先端部の副走査方向の位置を変位させることができる。調節ネジ44を回転させて調節ネジ44の先端部が下方に向かうように調節すると、湾曲調節部が調節ネジ44によって下方に押し下げられて下面押圧バネ45が縮み(下面押圧部45aが下降し)、湾曲調節部が下方に変位する。一方、調節ネジ44を回転させて調節ネジ44の先端部が上方に向かうように調節すると、下面押圧バネ45が湾曲調節部を押し上げて下面押圧バネ45が伸び(下面押圧部45aが上昇し)、湾曲調節部が上方に変位する。
図7に示すように、長尺レンズ51の中央部は固定されており、長尺レンズ51の走査方向について2つの湾曲調節部よりも外側は自由端となっている。このため、湾曲調整部がレンズ中央部よりも下方に位置すると長尺レンズ51の走査方向の端部である光学素子端部であるレンズ端部もレンズ中央部よりも下方に位置する状態となる。同様に、湾曲調整部がレンズ中央部よりも上方に位置するとレンズ端部もレンズ中央部よりも上方に位置する状態となる。
すなわち、図7のように長尺レンズ51が直線状の状態から、2つの調節ネジ44の先端部が下方に変位するように調節し、湾曲調節部を下方に変位させることによってレンズ端部も下方に変位し、長尺レンズ51が上に凸の湾曲状態となる。同様に、長尺レンズ51が直線状の状態から、2つの調節ネジ44の先端部が上方に変位するように調節し、湾曲調節部を上方に変位させることによってレンズ端部も上方に変位し、長尺レンズ51が下に凸の湾曲状態となる。このようなレンズホルダ40では、固定手段である上面押圧バネ49及び規制部上面47aと、2組の変位量調節手段である調節ネジ44及び下面押圧バネ45とによって湾曲調節手段を構成する。なお、調節ネジ44及び下面押圧バネ45の配置は、図7に示す配置よりもレンズ中央部側でも良いし、レンズ端部側でもよい。
このように、2組の調節ネジ44及び下面押圧バネ45によって、レンズ端部の位置をレンズ中央部の位置に対して副走査方向の両方向、すなわち上下方向ともに変位可能である。このため、長尺レンズ51の湾曲状態をその上下どちらの方向にも凸とする調節を行うことができる。
図7を用いて説明したように、レンズユニット200では、長尺レンズ51の湾曲状態をその上下どちらの方向にも凸とする調節を行うことができ、且つ、長尺レンズ51の上下方向の中心の位置に対してLDユニット70から照射されたレーザー光の通過する位置がずれることを抑制することができる。
次に、レンズユニット200での走査線曲がりの補正について説明する。
ここで、マゼンタの画像に対応したレーザー光を透過させる長尺レンズ51Mについて、副走査方向において、感光体10Mの表面移動方向と長尺レンズ51Mの上方とが対応しているものとする。長尺レンズ51Mが直線状の状態で、感光体10M上に走査された走査線が表面移動方向に凸となるような走査線曲がりが発生している場合、2つの調節ネジ44Mを緩めて、長尺レンズ51Mの形状が下に凸となるように調節する。これにより、感光体10M上の走査線を直線に近づけることができ、調節ネジ44Mの調節具合によって走査線が直線状となるように調節して走査線曲がりを補正する。
このとき、シアンの画像に対応したレーザー光を透過させる長尺レンズ51Cは、副走査方向において、感光体10Cの表面移動方向と長尺レンズ51Cの下方とが対応する。これはマゼンタの長尺レンズ51Mとシアンの長尺レンズ51Cとは実装の向きは互いに反対になるためである。そして、長尺レンズ51Cが直線状の状態で、感光体10C上に走査された走査線が表面移動方向に凸となるような走査線曲がりが発生している場合、2つの調節ネジ44Cを締めて、長尺レンズ51Mの形状が上に凸となるように調節する。これにより、感光体10C上の走査線を直線に近づけることができ、調節ネジ44Cの調節具合によって走査線が直線状となるように調節して走査線曲がりを補正する。
また、レンズユニット200は、長尺レンズ51に対する2つの調節ネジ44の押圧量をそれぞれ調節可能である。すなわち図7中の長尺レンズ51の右側の端部だけ、または、左側の端部だけを上下に変位させる調節も可能である。感光体10上の走査線曲がりは感光体10の表面移動方向について凸または逆方向に凸という曲がりだけではなく、走査線方向の一端側が表面移動方向について下がった状態となる走査線曲がりも生じ得る。このような走査線曲がりに対しては走査線が下がった状態になった端部に対応する側のみの長尺レンズ51のレンズ端部を上または下に変位させることで走査線曲がりを補正することができる。
図2に示すプリンタ100のように、4つの感光体10を転写紙Pの搬送方向に配列して、各感光体10に対応した複数の走査光学系で同時に露光して潜像をつくり、これらの潜像を各々異なる色の現像剤を使用する現像装置12で可視像化した後、これらの可視像を同一の転写紙Pに順次重ね合わせて転写し、カラー画像を得るレーザーレーザープリンタ等の画像形成装置では、従来は次のような問題があった。すなわち、図2に示すような4ドラムタンデム方式では、転写紙P上に順次重ね転写して多色画像を形成するようになっていることから、各色に対応する走査光学系にそれぞれ誤差があって走査線の湾曲が異なる場合に4色間で色ズレが生じる。
一方、本実施形態のプリンタ100のレンズユニット200では、4ドラムタンデム方式で各色の走査線の湾曲が異なっていても、各色の走査線曲がりを調節することにより、湾曲状態の方向を揃えて4色間の色ズレを小さく抑えることが可能である。
次に本実施形態の特徴部について説明する。
図1は、図7に示したレンズユニット200を光走査装置4の筺体であるハウジング400に載置した状態を示す説明図である。図1(a)は、ハウジング400に載置したレンズユニット200全体の説明図であり、図1(b)は、図1(a)のレンズユニットの回動中心軸であるユニット回転軸48近傍の拡大説明図である。
図1(a)に示すように、保持部材であるレンズホルダ40のホルダ本体43には、レンズホルダ40を回動させて光走査装置4の筺体であるハウジング400に対するレンズホルダ40の姿勢を調節するときの、回動中心となるユニット回転軸48が固定されている。ハウジング400にはユニット回転軸48を支持する支持台66が一体的に形成され、ユニット回転軸48は支持台66に設けられたV字溝66aに嵌め込まれることによって走査方向の位置決めがなされる。また、ユニット回転軸48をV字溝66aにはめ込んだ状態で、図1(b)で示すように、支持弾性部材である支持バネ35をハウジング400に支持バネ固定ネジ35aによって固定する。これにより、支持バネ35がレンズホルダ40に固定されたユニット回転軸48を支持台66側に付勢する。すなわち、支持バネ35はユニット回転軸48に対して下方に弾性力を作用させるものである。これにより、ユニット回転軸48の下側はV字溝66aによって位置決めがなされ、ユニット回転軸48の上側は支持バネ35によって位置決めがなされることによってレンズホルダ40が支持台66に対して安定して支持される。
光走査装置4は、ハウジング400に対してユニット回転軸48を中心に回動させる駆動手段としての駆動モータ56を備えている。駆動モータ56はステッピングモータである。レンズユニット200の走査方向の一端には駆動モータ56からの動力の伝達を受ける動力伝達片59を設けており、駆動モータ56からの動力が駆動ギヤ55を介して動力伝達片59に伝わる構成となっている。駆動モータ56を駆動させることによって、ユニット回転軸48を回動中心としてレンズユニット200を回動させて光走査装置4に対するレンズユニット200の姿勢が変化する。そして、制御手段としての制御部300が駆動モータ56の駆動を制御することにより、感光体10上の走査線の傾きを調節することができ、走査線傾きの補正を行うことができる。
このように、本実施形態の光走査装置4は、走査線傾き補正手段として、支持台66、支持バネ35、制御部300を備える。
光走査装置4は、図1に示すように、支持バネ35がレンズホルダ40の回動中心となるユニット回転軸48に対して弾性力を作用させている。このため、支持バネ35として弾性力の大きな物を使用しても弾性力によるユニット回転軸48周りのモーメントはあまり大きくならない。よって、レンズホルダ40のハウジング400に対する姿勢を調節するときに、支持バネ35の影響を低減することができる。このため、支持バネ35として弾性力の大きな弾性体を用いても、駆動モータ56によって姿勢の調節を行うときの駆動トルク負荷はほとんど増大せず、ハウジング400に対するレンズホルダ40の姿勢を精度良く調節することができる。これにより、光走査装置4のハウジング400に対するレンズホルダ40の支持の安定性を高めることと走査線傾きの補正精度を高めることとを両立することができる。
なお、ハウジング400に対するレンズホルダ40の位置決めとして、ユニット回転軸48に軸受を設けてこの軸受をハウジング400に組み付けることが考えられる。しかし、組み付けによる位置決めは組み付け部材間の誤差によりガタツキが発生するおそれがあり、組み付けでガタツキをなくそうとすると、組み付けに係わる部材すべてを非常に高い精度で作成する必要がある。このため、ハウジング400に対してレンズホルダ40組み付ける構成ではガタツキをなくすことは困難である。一方、光走査装置4のように、弾性体である支持バネ35によってハウジング400に固定された支持台66に対してユニット回転軸48を付勢することにより、ハウジング400に対するレンズホルダ40の位置決めでガタツキが発生することを抑えることができる。
次に、レンズユニット200における走査線傾きの補正について説明する。
光学系における長尺レンズ51の光軸方向に略平行な軸方向のユニット回転軸48を回動中心としてレンズユニット200を回動させて、ハウジング400に対する長尺レンズ51の姿勢を調節することにより、感光体10上の走査線の傾きを調節することができる。
レンズホルダ40のホルダ本体43に形成された規制部47には、レンズユニット200の回動動作の回動中心となるユニット回転軸48が設けられている。また、長尺レンズ51に設けられた突出片41は、ハウジング400に固定された2つの位置決めピン50の間に押し込まれることで、長尺レンズ51の光走査装置4のハウジング400に対する光軸方向の位置決めがなされる。
V字溝66aとユニット回転軸48とによってハウジング400とレンズホルダ40との走査方向の位置決めがなされ、突起部46と溝部47bとによって長尺レンズ51とレンズホルダ40との走査方向の位置決めがなされるため、ハウジング400と長尺レンズ51との走査方向の位置決めがなされている。これにより、レーザー光Lの光軸が長尺レンズ51の走査方向の中心を通過する構成を実現することができる。
なお、駆動モータ56の駆動は、感光体10上、または中間転写ベルト20上に形成されたトナーパッチから傾きを検出する不図示の傾き検知手段を設け、傾き検知手段が検出した走査線の位置ずれ量に対応する傾きに応じて駆動モータ56を駆動させ、これにより走査線の傾き補正が実行される。
レンズユニット200のように、長尺レンズ51とレンズホルダ40とが、レーザー光の走査方向が長手方向となる長尺な部材であると、長尺レンズ51とレンズホルダ40と熱膨張による走査方向の変化量が異なる場合がある。走査方向の変化量が異なると、長尺レンズ51における湾曲調節部の位置が変化する。
例えば、設置環境の温度が高くなり、金属製のレンズホルダ40が樹脂製の長尺レンズ51よりも変化量が大きくなった場合は、レンズホルダ40の中央部に対する調節ネジ44の取付け位置は走査方向の外側に移動する。これにより、長尺レンズ51における湾曲調節部も走査方向の外側に移動する。このとき押圧部材である調節ネジ44は長尺レンズ51を押圧した状態であるので、調節ネジ44の先端部と長尺レンズ51の上面との摩擦力が大きいと、調節ネジ44の先端部が湾曲調節部の移動時に長尺レンズ51上面を削り取ってしまい、長尺レンズ51を損傷させるおそれがある。また、摩擦力が大きすぎて長尺レンズ51の上面に対して調節ネジ44の先端が走査方向に移動できない状態であると、長尺レンズ51の湾曲状態が変化したり、レンズホルダ40が湾曲したりしてしまうおそれがある。
このような不具合に対して、プリンタ100の光走査装置4が備えるレンズユニット200の長尺レンズ51は、樹脂製のレンズ本体51aの上面に調節ネジ44の摺動を促す摺動部材としてのガラス板51bを備える。摺動を促すガラス板51bをレンズ本体51aの上面に設けることにより、調節ネジ44の先端部が長尺レンズ51に対して走査方向への移動が容易になり。これにより、調節ネジ44の先端と長尺レンズ51との摩擦力が大きいことに起因する長尺レンズ51の損傷や長尺レンズ51の湾曲状態の変化、レンズホルダ40の湾曲などを防止することができる。また、金属製の調節ネジ44の先端部が長尺レンズ51に埋没していると、長尺レンズ51に対する調節ネジ44の先端部の位置を変位させることができなり、調節ネジ44の先端と長尺レンズ51との摩擦力が大きすぎる場合と同様の不具合が生じ得る。レンズユニット200の長尺レンズ51は樹脂製のレンズ本体51aよりも高硬度なガラス板51bをレンズ本体51aの上面に設けている。これにより、調節ネジ44の先端部が長尺レンズ51に埋没することを防止し、調節ネジ44の先端部が長尺レンズ51に埋没することに起因する長尺レンズ51の損傷や長尺レンズ51の湾曲状態の変化、レンズホルダ40の湾曲などを防止することができる。
また、熱膨張による走査方向の変化量の違いは、レンズホルダ40と長尺レンズ51との間だけでなく、レンズホルダ40を構成するホルダ本体43と天板42との間にも起こり得る。走査方向の両端部で互いの両端部を固定するホルダ本体43と天板42との間で熱膨張による走査方向の変化量が異なると、ホルダ本体43と天板42とのうち変化量が大きい方が湾曲した状態となるおそれがある。これは、ホルダ本体43の走査方向の端部間の距離と天板42の走査方向の端部間の距離とが異なることによって生じる。このような不具合に対してレンズユニット200のレンズホルダ40は、ホルダ本体43と天板42との両端部を固定する固定ネジ42aが天板42を貫通する貫通孔が、図6中手前側は丸穴42bであるのに対して、図6中奥側は走査方向が長手方向となる長穴42cとなっている。これにより、天板42の丸穴42b側の端部はホルダ本体43の端部の固定部43bに対して長手方向について固定であるが、天板42の長穴42c側の端部はホルダ本体43の端部の固定部43cに対して長手方向について、長穴の長手方向の範囲内でずれることができる。このように、天板42とホルダ本体43との固定部の一方が長手方向にずれることができることにより、ホルダ本体43と天板42とのうち熱膨張による変化量が大きい方が湾曲することを防止することができる。
〔変形例〕
実施形態の光走査装置4では、支持弾性部材である支持バネ35の弾性力をユニット回転軸48に作用させる構成について説明した。支持バネ35の弾性力を作用させる位置としてはユニット回転軸48に限らず、レンズホルダ40のユニット回転軸48近傍であればよい。
ここで変形例として、支持バネ35の押圧力をレンズホルダ40の上面に作用させる構成について説明する。
なお、変形例では支持バネ35の押圧力を作用させる位置が実施形態と異なるのみで、他の構成は実施形態と共通するため、相違点についてのみ説明する。
図9は変形例のレンズユニット200を光走査装置4のハウジング400に載置した状態の模式図であり、図10は、変形例のレンズユニット200の斜視分解説明図である。
図9及び図10に示すように、変形例のレンズユニット200は天板42の下面に上面押圧バネ49を固定しており、上述した実施形態のレンズユニット200のように天板42に開口部42dを設けていない。そして、変形例では図9に示すように、レンズホルダ40の天板42の上面の中央部、すなわち、ユニット回転軸48の鉛直上方のレンズホルダ40に支持バネ35の弾性力を鉛直下方に作用させている。
このように、レンズホルダ40の上面の中央部に支持バネ35の弾性力を作用させる構成であっても上述した実施形態と同様に支持バネ35として弾性力の大きな弾性体を用いても、駆動モータ56によって傾き調節を行うときの駆動トルク負荷はほとんど増大しない。このため、ハウジング400に対するレンズホルダ40の傾きを精度良く調節することができる。これにより、光走査装置4のハウジング400に対するレンズホルダ40の支持の安定性を高めることと走査線傾きの補正精度を高めることとを両立することができる。
なお、図9に示す変形例では、支持バネ35としてコイルスプリングを示しているが板バネでもよい。また、バネに限らずレンズホルダ40を支持台66側に押し付ける弾性部材であれば良い。
以上、本実施形態によれば、支持弾性部材である支持バネ35が保持部材であるレンズホルダ40の回動中心となるユニット回転軸48に対して、光走査装置4の筺体であるハウジングに固定された支持台66側に付勢するように弾性力を作用させ、制御手段である制御部300によって駆動手段である駆動モータ56を制御し、駆動モータ56の駆動力をレンズホルダ40に作用させてユニット回転軸48周りでレンズホルダ40を回動させる。回動中心近傍に弾性力を作用させているため、支持バネ35として弾性力の大きな物を使用しても弾性力によるユニット回転軸48周りのモーメントはあまり大きくならない。よって、ハウジング400に対するレンズホルダ40の傾きを調節するときに、支持バネ35の影響を低減することができる。このため、支持バネ35として弾性力の大きな弾性体を用いても、駆動モータ56によって傾き調節を行うときの駆動トルク負荷はほとんど増大せず、ハウジング400に対するレンズホルダ40の傾きを精度良く調節することができる。これにより、光走査装置4のハウジング400に対するレンズホルダ40の支持の安定性を高めることと走査線傾きの補正精度を高めることとを両立することができる。
また、支持バネ35が回動中心軸であるユニット回転軸48を支持台66に付勢するように弾性力を作用させることにより、レンズホルダ40の中心近傍に弾性力を作用させる構成を簡易な構成で実現することができる。
また、感光体10上の副走査方向に対応する方向についての光学素子である長尺レンズ51の湾曲状態を調節する湾曲調節手段をレンズホルダ40が備えることにより、感光体10上の走査線曲がりの補正を行うことができる。
また、固定手段である上面押圧バネ49と規制部上面47aとによって、長尺レンズ51の中央部のレンズホルダ40に対する副走査方向についての位置が固定され、変位量調節手段である調節ネジ44と下面押圧バネ45とによって長尺レンズ51の湾曲調節部の副走査方向の位置を変位させることにより、長尺レンズ51の湾曲状態を調節することができる。
また、調節ネジ44と下面押圧バネ45とを長尺レンズ51のレンズ中央部に対しての走査方向の両側に配置することにより、長尺レンズ51を上に凸及び下に凸の湾曲状態に調節することができる。
また、透過するレーザー光の走査方向が長手方向となる長尺レンズ51の湾曲状態を調節することにより、透過する照射光の感光体10表面上での走査線曲がりを補正することができる。
また、光走査装置4を備える画像形成装置としてのプリンタ100であれば光走査装置4のハウジング400に対するレンズユニット200の位置ズレに起因する画像劣化を防止しつつ、精度良く走査線傾きを補正することができるため、良好な画像形成を行うことができる。
本実施形態の支持バネを取付けたレンズユニットの説明図、(a)はレンズユニット全体の正面模式図、(b)はユニット回転軸近傍の拡大説明図。 本実施形態のプリンタの概略構成図。 作像ステーションの概略構成図。 光走査装置の斜視説明図。 レンズユニットの斜視説明図。 レンズユニットの斜視分解説明図。 レンズユニットの正面模式図。 回転軸支持バネを取付けたレンズユニットの斜視説明図。 変形例のレンズユニットをハウジングに支持した状態の模式図。 変形例のレンズユニットの斜視分解説明図。 特許文献1の走査線の傾き調整の手法の説明図。
符号の説明
1 装置本体
3 作像ステーション
4 光走査装置
10 感光体
35 支持バネ
35a 支持バネ固定ネジ
40 レンズホルダ
41 突出片
42 天板
43 ホルダ本体
44 調節ネジ
45 下面押圧バネ
46 突起部
47 規制部
47a 規制部上面
47b 溝部
48 ユニット回転軸
49 上面押圧バネ
49a 上面押圧部
50 位置決めピン
51 長尺レンズ
55 駆動ギヤ
56 駆動モータ
59 動力伝達片
66 支持台
66a V字溝
100 プリンタ
200 レンズユニット
300 制御部
400 ハウジング

Claims (8)

  1. 光源と、
    該光源からの照射光を偏向走査する光偏向手段と、
    該光偏向手段からの照射光を被走査面上に結像させる光学素子と、
    該光学素子を保持する保持部材と、
    該保持部材を回動させることによって装置本体の筺体に対する該光学素子の姿勢を調節して該被走査媒体上の走査線の傾きを補正する走査線傾き補正手段とを有する光走査装置において、
    該走査線傾き補正手段が、該光学素子の姿勢を調節するときの該保持部材の回動中心で該保持部材を支持する、該筺体に固定された支持台と、
    該保持部材を該支持台側に付勢するように弾性力を作用させて該筺体に対する該保持部材を安定して支持するための支持弾性部材と、
    該保持部材に駆動力を作用させて、回動中心周りで該保持部材を回動させる駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段とを備え、
    該支持弾性部材が該保持部材に弾性力を作用させる作用点の該保持部材における走査方向の位置が、該回動中心と同じ位置であることを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1の光走査装置において、
    上記保持部材は、上記光学素子の姿勢を調節するときに回動中心となる回動中心軸が固定されており
    上記支持弾性部材は、該回動中心軸を上記支持台に付勢するようにその弾性力を作用させることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1または2の光走査装置において、
    上記被走査面上の副走査方向に対応する方向についての上記光学素子の湾曲状態を調節する湾曲調節手段を上記保持部材が有することを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項3の光走査装置において、
    上記湾曲調節手段は、上記光学素子に入射する照射光の走査方向についての該光学素子のある位置を上記被走査面上の副走査方向に対応する方向について固定する固定手段と、該光学素子の走査方向についての他の位置を該被走査面上の副走査方向に対応する方向について変位させ、その変位量を調節する変位量調節手段とを備えることを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項4の光走査装置において、
    上記変位量調節手段は、上記光学素子に対して上記被走査面上の副走査方向に対応する方向の一方から押圧し、その押圧量を調節可能な押圧部材と、該押圧部材と該光学素子を挟んで対向して該光学素子に対して該押圧部材側に向けて弾性力を作用させる弾性部材とを備えることを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項4または5の光走査装置において、
    上記変位量調節手段を上記光学素子の走査方向の複数箇所に配置したことを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6の光走査装置において、
    上記光学素子は入射する照射光の走査方向が長手方向となる長尺レンズであることを特徴とする光走査装置。
  8. 潜像担持体の表面に光走査手段を用いて走査光を照射することにより該潜像担持体の表面に潜像を形成し、該潜像を現像することで得た画像を最終的に記録材上に転移させることで画像を形成する画像形成装置において、
    該光走査手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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