JP2008233203A - 光走査装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持弾性部材である支持バネ35が保持部材であるレンズホルダ40の回動中心となるユニット回転軸48に対して、光走査装置の筺体であるハウジングに固定された支持台66側に付勢するように弾性力を作用させ、制御手段である制御部300によって駆動手段である駆動モータ56を制御し、駆動モータ56の駆動力をレンズホルダ40に作用させてユニット回転軸48周りでレンズホルダ40を回動させる。
【選択図】 図1
Description
しかし、光走査装置の光学系を構成する光学素子の製造精度誤差(走査レンズの母線曲がりや折り返しミラーの面精度の低下など)や、筺体に光学素子を組み付けたときに発生する組み付け誤差などにより、光走査装置を誤差なく製造することは困難である。このため、工場などの通常の製造工程では、走査線傾きの不具合をなくすことは困難である。
このような問題に対して、光学系を構成する光学素子のうちの長尺レンズを保持するレンズ保持部材の光走査装置の筺体に対する姿勢を調節することで製造時の誤差による走査線傾きを補正できる光走査装置が従来から提案されている。
図11では、長尺レンズ51の下方が光走査装置のハウジングに固定された支持台66に支持され、長尺レンズ51を保持するブラケット52が支持台66を回動中心として回動可能に構成されている。ブラケット52の長手方向の両端部にはブラケット52を支持台66側に付勢するように弾性力を作用させてハウジングに対してブラケット52を安定して支持するためのユニット支持用板バネ61、62が当接している。さらに、ブラケット52の一端部のネジ受部58には駆動モータ56からの駆動力が作用して、駆動モータ56が駆動することによって、支持台66を中心にブラケット52と長尺レンズ51とが回動する。
そして、不図示の制御手段が駆動モータ56を制御することにより、ブラケット52と長尺レンズ51とを回動させる量を調節し、ブラケット52及び長尺レンズ51のハウジングに対する姿勢を調節することができる。長尺レンズ51のハウジングに対する姿勢を調節することにより、不図示の感光体上の走査線の傾きを調節することができるので、走査線の傾きに応じて長尺レンズ51の姿勢を調節することにより走査線傾きを補正することができる。
しかしながら、特許文献1のように、ブラケット52の両端をユニット支持用板バネ61,62によって支持台66側に付勢することで、ハウジングに対してブラケット52を支持する構成では次のような課題があった。
すなわち、ハウジングに対するブラケット52の支持の安定性を高めることと走査線傾きの補正精度を高めることとの両立が困難であった。
一方、弾性力の小さい板バネを用いると、駆動モータ56によってブラケット52の姿勢の調節を行って、長尺レンズ51の姿勢の調節を行うときのトルク負荷も小さくなり、ブラケット52の姿勢を調節の精度を高めることができ、走査線傾きの補正精度も向上する。しかし、弾性力の小さい板バネによってハウジングに対するブラケット52の支持を行うと、画像形成時に画像形成装置内で発生する振動から影響をうけて長尺レンズ51が振動し画像劣化を引き起こす問題が生じる。さらに、輸送時の振動に伴い長尺レンズ51の初期組み付けからのズレや、組み付け位置からの脱落が発生するおそれがある。このように、ユニット支持用板バネ61,62として弾性力の小さい板バネを用いると、ハウジングに対するブラケット52の支持の安定性が低下する。
また、請求項2の発明は、請求項1の光走査装置において、上記保持部材は、上記光学素子の姿勢を調節するときに回動中心となる回動中心軸を備え、上記支持弾性部材は、該回動中心軸を上記支持台に付勢するようにその弾性力を作用させることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の光走査装置において、上記被走査面上の副走査方向に対応する方向についての上記光学素子の湾曲状態を調節する湾曲調節手段を上記保持部材が有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の光走査装置において、上記湾曲調節手段は、上記光学素子に入射する照射光の走査方向についての該光学素子のある位置を上記被走査面上の副走査方向に対応する方向について固定する固定手段と、該光学素子の走査方向についての他の位置を該被走査面上の副走査方向に対応する方向について変位させ、その変位量を調節する変位量調節手段とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の光走査装置において、上記変位量調節手段は、上記光学素子に対して上記被走査面上の副走査方向に対応する方向の一方から押圧し、その押圧量を調節可能な押圧部材と、該押圧部材と該光学素子を挟んで対向して該光学素子に対して該押圧部材側に向けて弾性力を作用させる弾性部材とを備えることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の光走査装置において、上記変位量調節手段を上記光学素子の走査方向の複数箇所に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の光走査装置において、上記光学素子は入射する照射光の走査方向が長手方向となる長尺レンズであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、潜像担持体の表面に光走査手段を用いて走査光を照射することにより該潜像担持体の表面に潜像を形成し、該潜像を現像することで得た画像を最終的に記録材上に転移させることで画像を形成する画像形成装置において、該光走査手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7の光走査装置を用いることを特徴とするものである。
本実施形態のプリンタ100は、いわゆる中間転写方式のタンデム型画像形成装置を例に挙げて説明するが、これに限られるものではない。
図2は、本実施形態に係るプリンタ100を示す概略構成図である。
プリンタ100は、装置本体1と、装置本体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。装置本体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
図2及び図3に示すように、作像ステーション3は、図中矢印S方向に回転する潜像担持体としてのドラム状の感光体10を備えている。感光体10はアルミニウム製の円筒状基体と、円筒状基体の表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。作像ステーション3は、感光体10の周囲に感光体10の表面を帯電させる帯電装置11、感光体10に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置12を備える。さらに、一次転写後の感光体10上の残留した残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13も備える。
中間転写ユニット5の中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22及び従動ローラ23に掛け回され、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。また、中間転写ユニット5は、各感光体10に形成されたトナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写ローラ24を備えている。中間転写ユニット5は、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を転写紙Pに転写する二次転写ローラ25、転写紙P上に転写されなかった中間転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26を備えている。
まず、各色の作像ステーション3において、感光体10が帯電装置11によって一様に帯電される。その後、光走査装置4により、画像情報に基づきレーザー光Lが走査露光されて各感光体10の表面に潜像が形成される。感光体10上の潜像は、現像装置12の図中矢印T方向に回転する現像ローラ15上に担持された各色のトナーによって現像されてトナー像として可視像化される。感光体10上のトナー像は、各一次転写ローラ24の作用によって反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト20上に順次重ねて転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。一次転写終了後の感光体10は、クリーニング装置13のクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。トナーボトル7Y,7C,7M,7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの現像装置12Y,12C,12M,12Kに所定量補給される。
図4は、本実施形態に適用可能な光走査装置4の斜視説明図である。図4では光走査装置4の下方に感光体10が配置された状態を示しているが、図4の光走査装置4と感光体10との上下を反転させることにより図2及び図3を用いて説明したプリンタ100に適用可能となる。
図4では、マゼンタのトナー像を形成する感光体10M上にLDユニット70Mからのレーザー光を結像させる光学素子群90Mと、シアンのトナー像を形成する感光体10C上にLDユニット70Cからのレーザー光を結像させる光学素子群90Cとを示す。そして、マゼンタのLDユニット70Mから感光体10Mに到るまでの光路と、シアンのLDユニット70Cから感光体10Cに到るまでの光路とで、光偏向手段であるポリゴンミラー80を共用している。図4では、図示を省略しているイエロー及びブラックの光路については、光変更手段としてポリゴンミラー80を共用しても良いし、別に設けたポリゴンミラーによって光源からのレーザー光を偏向走査しても良い。
光走査装置4は、第一光源71と第二光源72とを備えるLDユニット70が発したレーザー光は、像担持体である感光体10の表面に結像される。
LDユニット70から感光体10までの光路上には、光偏向手段であるポリゴンミラー80と、第一走査レンズ91、第二走査レンズ92、第三走査レンズである長尺レンズ51、第一折り返しミラー93、第二折り返しミラー94及び第三折り返しミラー95等から成る光学素子群90が設けられている。LDユニット70が備える第一光源71及び第二光源72には、単一ビームを発する半導体レーザー素子、あるいは複数ビームを発する半導体レーザアレイ素子を用いることができる。なお、第一走査レンズ91、第二走査レンズ92、及び第三走査レンズである長尺レンズ51は、ポリゴンミラー80によって走査されて入射するレーザー光Lの走査方向が長手方向となる長尺レンズである。
光走査装置4では、第三走査レンズである長尺レンズ51において各種調節を行うことにより走査線曲がりと走査線傾きとを補正する。
図6は、図5で示したレンズユニット200の斜視分解説明図である。
図5中の矢印A方向は、長尺レンズ51に入射するレーザー光Lがポリゴンミラー80によって走査される方向であり、本実施形態では「走査方向」と定義する。また、図5中の矢印B方向は長尺レンズ51を透過するレーザー光Lの光軸と略平行な方向であり、本実施形態では「光軸方向」と定義する。さらに、図5中の矢印C方向は、走査方向及び光軸方向に直交する方向で、且つ、感光体10上の副走査方向に対応する方向であり、本実施形態では「副走査方向」と定義する。
また、マゼンタの長尺レンズ51Mとシアンの長尺レンズ51Cとは実装の向きは互いに反対になるが、構成自体は同じであるため、長尺レンズ51についての説明についても対応する色を示すM及びCを省略して説明する。
長尺レンズ51の走査方向(矢印A方向)の中央部であるレンズ中央部には、レンズホルダ40に対する走査方向の位置合わせに用いるための突起部46が設けられている。また、長尺レンズ51の走査方向の端部であるレンズ端部の両方には、レンズホルダ40に対する光軸方向(矢印B方向)の位置合わせに用いるための突出片41が設けられている。
また、長尺レンズ51のレンズ中央部は、規制部47の上面である突き当て部材としての規制部上面47aによって支持されている。規制部上面47aは、長尺レンズ51のした面に当接してレンズホルダ40内における長尺レンズ51の位置基準を形成する基準面である。
一方、天板42には、長尺レンズ51を介してホルダ本体43の規制部47と対向する位置に、長尺レンズ51の上面から下方に弾性力を作用させる中央部弾性部材としての板バネ状の上面押圧バネ49を固定している。上面押圧バネ49は上面押圧部49aで長尺レンズ51の上面に接触し、長尺レンズ51を下方に押圧する。
また、天板42の上面押圧バネ49の走査方向両側で、且つ、長尺レンズ51を挟んで2つの下面押圧バネ45の下面押圧部45aと対向する位置に詳細は後述する押圧部材としての調節ネジ44がそれぞれ設けられている。
このように、上面押圧バネ49及び規制部上面47aによって、長尺レンズ51のレンズ中央部のレンズホルダ40に対する副走査方向の位置を固定することができる。このため、長尺レンズ51の副走査方向の中心の位置に対してLDユニット70から照射されたレーザー光の通過する位置がずれることを抑制することができる。
2つの調節ネジ44は回転させることによりレンズホルダ40の天板42に対する先端部の副走査方向の位置を変位させることができる。調節ネジ44を回転させて調節ネジ44の先端部が下方に向かうように調節すると、湾曲調節部が調節ネジ44によって下方に押し下げられて下面押圧バネ45が縮み(下面押圧部45aが下降し)、湾曲調節部が下方に変位する。一方、調節ネジ44を回転させて調節ネジ44の先端部が上方に向かうように調節すると、下面押圧バネ45が湾曲調節部を押し上げて下面押圧バネ45が伸び(下面押圧部45aが上昇し)、湾曲調節部が上方に変位する。
すなわち、図7のように長尺レンズ51が直線状の状態から、2つの調節ネジ44の先端部が下方に変位するように調節し、湾曲調節部を下方に変位させることによってレンズ端部も下方に変位し、長尺レンズ51が上に凸の湾曲状態となる。同様に、長尺レンズ51が直線状の状態から、2つの調節ネジ44の先端部が上方に変位するように調節し、湾曲調節部を上方に変位させることによってレンズ端部も上方に変位し、長尺レンズ51が下に凸の湾曲状態となる。このようなレンズホルダ40では、固定手段である上面押圧バネ49及び規制部上面47aと、2組の変位量調節手段である調節ネジ44及び下面押圧バネ45とによって湾曲調節手段を構成する。なお、調節ネジ44及び下面押圧バネ45の配置は、図7に示す配置よりもレンズ中央部側でも良いし、レンズ端部側でもよい。
このように、2組の調節ネジ44及び下面押圧バネ45によって、レンズ端部の位置をレンズ中央部の位置に対して副走査方向の両方向、すなわち上下方向ともに変位可能である。このため、長尺レンズ51の湾曲状態をその上下どちらの方向にも凸とする調節を行うことができる。
ここで、マゼンタの画像に対応したレーザー光を透過させる長尺レンズ51Mについて、副走査方向において、感光体10Mの表面移動方向と長尺レンズ51Mの上方とが対応しているものとする。長尺レンズ51Mが直線状の状態で、感光体10M上に走査された走査線が表面移動方向に凸となるような走査線曲がりが発生している場合、2つの調節ネジ44Mを緩めて、長尺レンズ51Mの形状が下に凸となるように調節する。これにより、感光体10M上の走査線を直線に近づけることができ、調節ネジ44Mの調節具合によって走査線が直線状となるように調節して走査線曲がりを補正する。
このとき、シアンの画像に対応したレーザー光を透過させる長尺レンズ51Cは、副走査方向において、感光体10Cの表面移動方向と長尺レンズ51Cの下方とが対応する。これはマゼンタの長尺レンズ51Mとシアンの長尺レンズ51Cとは実装の向きは互いに反対になるためである。そして、長尺レンズ51Cが直線状の状態で、感光体10C上に走査された走査線が表面移動方向に凸となるような走査線曲がりが発生している場合、2つの調節ネジ44Cを締めて、長尺レンズ51Mの形状が上に凸となるように調節する。これにより、感光体10C上の走査線を直線に近づけることができ、調節ネジ44Cの調節具合によって走査線が直線状となるように調節して走査線曲がりを補正する。
一方、本実施形態のプリンタ100のレンズユニット200では、4ドラムタンデム方式で各色の走査線の湾曲が異なっていても、各色の走査線曲がりを調節することにより、湾曲状態の方向を揃えて4色間の色ズレを小さく抑えることが可能である。
図1は、図7に示したレンズユニット200を光走査装置4の筺体であるハウジング400に載置した状態を示す説明図である。図1(a)は、ハウジング400に載置したレンズユニット200全体の説明図であり、図1(b)は、図1(a)のレンズユニットの回動中心軸であるユニット回転軸48近傍の拡大説明図である。
図1(a)に示すように、保持部材であるレンズホルダ40のホルダ本体43には、レンズホルダ40を回動させて光走査装置4の筺体であるハウジング400に対するレンズホルダ40の姿勢を調節するときの、回動中心となるユニット回転軸48が固定されている。ハウジング400にはユニット回転軸48を支持する支持台66が一体的に形成され、ユニット回転軸48は支持台66に設けられたV字溝66aに嵌め込まれることによって走査方向の位置決めがなされる。また、ユニット回転軸48をV字溝66aにはめ込んだ状態で、図1(b)で示すように、支持弾性部材である支持バネ35をハウジング400に支持バネ固定ネジ35aによって固定する。これにより、支持バネ35がレンズホルダ40に固定されたユニット回転軸48を支持台66側に付勢する。すなわち、支持バネ35はユニット回転軸48に対して下方に弾性力を作用させるものである。これにより、ユニット回転軸48の下側はV字溝66aによって位置決めがなされ、ユニット回転軸48の上側は支持バネ35によって位置決めがなされることによってレンズホルダ40が支持台66に対して安定して支持される。
光走査装置4は、ハウジング400に対してユニット回転軸48を中心に回動させる駆動手段としての駆動モータ56を備えている。駆動モータ56はステッピングモータである。レンズユニット200の走査方向の一端には駆動モータ56からの動力の伝達を受ける動力伝達片59を設けており、駆動モータ56からの動力が駆動ギヤ55を介して動力伝達片59に伝わる構成となっている。駆動モータ56を駆動させることによって、ユニット回転軸48を回動中心としてレンズユニット200を回動させて光走査装置4に対するレンズユニット200の姿勢が変化する。そして、制御手段としての制御部300が駆動モータ56の駆動を制御することにより、感光体10上の走査線の傾きを調節することができ、走査線傾きの補正を行うことができる。
このように、本実施形態の光走査装置4は、走査線傾き補正手段として、支持台66、支持バネ35、制御部300を備える。
光学系における長尺レンズ51の光軸方向に略平行な軸方向のユニット回転軸48を回動中心としてレンズユニット200を回動させて、ハウジング400に対する長尺レンズ51の姿勢を調節することにより、感光体10上の走査線の傾きを調節することができる。
レンズホルダ40のホルダ本体43に形成された規制部47には、レンズユニット200の回動動作の回動中心となるユニット回転軸48が設けられている。また、長尺レンズ51に設けられた突出片41は、ハウジング400に固定された2つの位置決めピン50の間に押し込まれることで、長尺レンズ51の光走査装置4のハウジング400に対する光軸方向の位置決めがなされる。
例えば、設置環境の温度が高くなり、金属製のレンズホルダ40が樹脂製の長尺レンズ51よりも変化量が大きくなった場合は、レンズホルダ40の中央部に対する調節ネジ44の取付け位置は走査方向の外側に移動する。これにより、長尺レンズ51における湾曲調節部も走査方向の外側に移動する。このとき押圧部材である調節ネジ44は長尺レンズ51を押圧した状態であるので、調節ネジ44の先端部と長尺レンズ51の上面との摩擦力が大きいと、調節ネジ44の先端部が湾曲調節部の移動時に長尺レンズ51上面を削り取ってしまい、長尺レンズ51を損傷させるおそれがある。また、摩擦力が大きすぎて長尺レンズ51の上面に対して調節ネジ44の先端が走査方向に移動できない状態であると、長尺レンズ51の湾曲状態が変化したり、レンズホルダ40が湾曲したりしてしまうおそれがある。
実施形態の光走査装置4では、支持弾性部材である支持バネ35の弾性力をユニット回転軸48に作用させる構成について説明した。支持バネ35の弾性力を作用させる位置としてはユニット回転軸48に限らず、レンズホルダ40のユニット回転軸48近傍であればよい。
ここで変形例として、支持バネ35の押圧力をレンズホルダ40の上面に作用させる構成について説明する。
なお、変形例では支持バネ35の押圧力を作用させる位置が実施形態と異なるのみで、他の構成は実施形態と共通するため、相違点についてのみ説明する。
図9及び図10に示すように、変形例のレンズユニット200は天板42の下面に上面押圧バネ49を固定しており、上述した実施形態のレンズユニット200のように天板42に開口部42dを設けていない。そして、変形例では図9に示すように、レンズホルダ40の天板42の上面の中央部、すなわち、ユニット回転軸48の鉛直上方のレンズホルダ40に支持バネ35の弾性力を鉛直下方に作用させている。
このように、レンズホルダ40の上面の中央部に支持バネ35の弾性力を作用させる構成であっても上述した実施形態と同様に支持バネ35として弾性力の大きな弾性体を用いても、駆動モータ56によって傾き調節を行うときの駆動トルク負荷はほとんど増大しない。このため、ハウジング400に対するレンズホルダ40の傾きを精度良く調節することができる。これにより、光走査装置4のハウジング400に対するレンズホルダ40の支持の安定性を高めることと走査線傾きの補正精度を高めることとを両立することができる。
なお、図9に示す変形例では、支持バネ35としてコイルスプリングを示しているが板バネでもよい。また、バネに限らずレンズホルダ40を支持台66側に押し付ける弾性部材であれば良い。
また、支持バネ35が回動中心軸であるユニット回転軸48を支持台66に付勢するように弾性力を作用させることにより、レンズホルダ40の中心近傍に弾性力を作用させる構成を簡易な構成で実現することができる。
また、感光体10上の副走査方向に対応する方向についての光学素子である長尺レンズ51の湾曲状態を調節する湾曲調節手段をレンズホルダ40が備えることにより、感光体10上の走査線曲がりの補正を行うことができる。
また、固定手段である上面押圧バネ49と規制部上面47aとによって、長尺レンズ51の中央部のレンズホルダ40に対する副走査方向についての位置が固定され、変位量調節手段である調節ネジ44と下面押圧バネ45とによって長尺レンズ51の湾曲調節部の副走査方向の位置を変位させることにより、長尺レンズ51の湾曲状態を調節することができる。
また、調節ネジ44と下面押圧バネ45とを長尺レンズ51のレンズ中央部に対しての走査方向の両側に配置することにより、長尺レンズ51を上に凸及び下に凸の湾曲状態に調節することができる。
また、透過するレーザー光の走査方向が長手方向となる長尺レンズ51の湾曲状態を調節することにより、透過する照射光の感光体10表面上での走査線曲がりを補正することができる。
また、光走査装置4を備える画像形成装置としてのプリンタ100であれば光走査装置4のハウジング400に対するレンズユニット200の位置ズレに起因する画像劣化を防止しつつ、精度良く走査線傾きを補正することができるため、良好な画像形成を行うことができる。
3 作像ステーション
4 光走査装置
10 感光体
35 支持バネ
35a 支持バネ固定ネジ
40 レンズホルダ
41 突出片
42 天板
43 ホルダ本体
44 調節ネジ
45 下面押圧バネ
46 突起部
47 規制部
47a 規制部上面
47b 溝部
48 ユニット回転軸
49 上面押圧バネ
49a 上面押圧部
50 位置決めピン
51 長尺レンズ
55 駆動ギヤ
56 駆動モータ
59 動力伝達片
66 支持台
66a V字溝
100 プリンタ
200 レンズユニット
300 制御部
400 ハウジング
Claims (8)
- 光源と、
該光源からの照射光を偏向走査する光偏向手段と、
該光偏向手段からの照射光を被走査面上に結像させる光学素子と、
該光学素子を保持する保持部材と、
該保持部材を回動させることによって装置本体の筺体に対する該光学素子の姿勢を調節して該被走査媒体上の走査線の傾きを補正する走査線傾き補正手段とを有する光走査装置において、
該走査線傾き補正手段が、該光学素子の姿勢を調節するときの該保持部材の回動中心で該保持部材を支持する、該筺体に固定された支持台と、
該保持部材を該支持台側に付勢するように弾性力を作用させて該筺体に対する該保持部材を安定して支持するための支持弾性部材と、
該保持部材に駆動力を作用させて、回動中心周りで該保持部材を回動させる駆動手段と、該駆動手段を制御する制御手段とを備え、
該支持弾性部材が該保持部材の回動中心近傍に弾性力を作用させることをことを特徴とする光走査装置。 - 請求項1の光走査装置において、
上記保持部材は、上記光学素子の姿勢を調節するときに回動中心となる回動中心軸を備え、
上記支持弾性部材は、該回動中心軸を上記支持台に付勢するようにその弾性力を作用させることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1または2の光走査装置において、
上記被走査面上の副走査方向に対応する方向についての上記光学素子の湾曲状態を調節する湾曲調節手段を上記保持部材が有することを特徴とする光走査装置。 - 請求項3の光走査装置において、
上記湾曲調節手段は、上記光学素子に入射する照射光の走査方向についての該光学素子のある位置を上記被走査面上の副走査方向に対応する方向について固定する固定手段と、該光学素子の走査方向についての他の位置を該被走査面上の副走査方向に対応する方向について変位させ、その変位量を調節する変位量調節手段とを備えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項4の光走査装置において、
上記変位量調節手段は、上記光学素子に対して上記被走査面上の副走査方向に対応する方向の一方から押圧し、その押圧量を調節可能な押圧部材と、該押圧部材と該光学素子を挟んで対向して該光学素子に対して該押圧部材側に向けて弾性力を作用させる弾性部材とを備えることを特徴とする光走査装置。 - 請求項4または5の光走査装置において、
上記変位量調節手段を上記光学素子の走査方向の複数箇所に配置したことを特徴とする光走査装置。 - 請求項1、2、3、4、5または6の光走査装置において、
上記光学素子は入射する照射光の走査方向が長手方向となる長尺レンズであることを特徴とする光走査装置。 - 潜像担持体の表面に光走査手段を用いて走査光を照射することにより該潜像担持体の表面に潜像を形成し、該潜像を現像することで得た画像を最終的に記録材上に転移させることで画像を形成する画像形成装置において、
該光走査手段として、請求項1、2、3、4、5、6または7の光走査装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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