JP5084488B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、偏向手段を用いて光ビームを被走査体に走査する光走査装置、及び光走査装置を用いた電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
例えば、電子写真方式のデジタル複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置においては静電潜像を形成するのに光走査装置が用いられている。この光走査装置は、画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束を、例えば回転多面鏡のような偏向手段によって周期的に偏向させ、fθ特性を有する結像光学素子によって、被走査体である感光体上にスポット状に集束させている。
フルカラー画像形成装置のように複数の被走査体(感光体)に形成された潜像をもとにトナー画像を重ね合わせて画像形成を行うものにおいては、複数の光走査装置によって走査される走査光の幾何特性によって色ずれという画像不良が発生する。
この走査光の幾何特性としては、図8(A)〜(E)の各パラメータが挙げられる。図8(副走査方向A)において、各パラメータのうち、上下マージンずれ(A)及び左右マージンずれ(B)は、レーザ書き込みタイミングを必要量だけ変化させて行うことが可能である。倍率ずれ(D)は、レーザダイオードの変調する変調周波数を所定量だけ変化して行うことができる。これらの3項目の調整は、前述のように電気的な同期タイミングや周波数を変化させることで比較的容易にできる。
しかし、残る走査線傾き(C)と走査線曲がり(E)に関しては、同様に画像信号に変えて調整するには大掛かりでコストの高い構成を必要とする。そこで、これらの残る調整項目は光学的な手法により行う必要がある。
そのため複数の走査光の幾何特性を一致させるために、調整手段を有する光走査装置、及び、斯かる光走査装置を備えた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本願添付の図9及び図10に、この種の光走査装置の要部概略図と走査光の幾何特性の調整手段を示す。
図9において、被走査体であるドラム状の感光体、即ち、感光ドラム2の面上を走査する光束が光源ユニット19を出射して副走査方向に所定の屈折力を有するシリンドリカルレンズ18を通過し、回転多面鏡11の偏向面に線状に集光される。光束は、回転多面鏡11により偏向反射されてトーリックレンズ12及び回折光学素子13を経て感光ドラム2面上に照射する。光軸Lは、走査中心軸及びトーリックレンズ12の光軸に相当している。
このような光走査装置においては、回折光学素子13の光軸をほぼ中心にして矢印G方向に回動することにより、感光ドラム2面上に走査される光束は点線Hで示すように傾いて走査される。
この回折光学素子13の回動量と走査線の傾き量とはほぼ比例した関係にあるため傾きずれを補正する必要分だけ回折光学素子13を回動させることにより、走査線の傾きを調整することができる。
同様に、走査線曲がり調整については、図10に示す回折光学素子13を光軸Lと直交する直線Mを中心として矢印R方向に回動することにより、感光ドラム2面上に走査される光束は、点線Jで示すように曲がって走査される。
この回折光学素子13の回動量と走査線の曲がり量とはほぼ比例した関係にあるため曲がりずれを補正する必要分だけ回折光学素子13を回動させることにより、走査線の曲がりを調整することができる。
このように、走査線の傾き調整は、光軸Lを中心として回折光学素子13をG方向に回動させて行っているため、主走査方向の光軸ずれや球面収差による光学性能を悪化することがほとんど無い。また、走査線曲がり調整においても、回折光学素子13を光軸Lと直交する直線Mを中心としてR方向に回動するため、副走査方向の照射位置変動が小さく、光学性能の悪化を低減できる。
ところが、特許文献1においては、回折光学素子13の具体的な支持方法の記載は無く、走査線の傾き調整を光軸L中心に回折光学素子13をG方向に回動させて行う構成の具体的な提案は、特許文献2に記載されている。
特許文献2においては、本願添付の図11(A)、(B)に示すように、光軸Lを中心とする円柱形状部13A、13Bを回折光学素子13が有し、回折光学素子13を保持するホルダ14に円柱形状部13A、13BAを嵌合保持させている。これにより、光軸L中心に回折光学素子13をG方向に回動させて走査線の傾き調整を行っている。
一方、走査線曲がり調整を、回折光学素子13の光軸Lと直交する直線Mを中心としてR方向に回動させて行う構成の具体的な提案は、特許文献3に記載されている。
特許文献3においては、本願添付の図12に示すように、光軸Lと直交する直線Mを中心とする円柱形状部13A〜13Dを回折光学素子13が有する。そして、回折光学素子13に設けた円柱形状部13A〜13Dと同じ半径の円柱形状部を光走査装置の筐体に設けて保持している。これにより、回折光学素子13の光軸Lと直交する直線Mを中心としてR方向に回動させて走査線曲がり調整を行っている。
また、特許文献4においては、本願添付の図13に示すように、特許文献2と同様に光軸Lを中心とする円柱形状部13Aを回折光学素子13が有する。そして、回折光学素子13に設けた円柱形状部13Aと同じ半径の円柱形状部14を光走査装置の筐体15に設けて保持している。これにより、光軸L中心に回折光学素子13をG方向に回動させて走査線の傾き調整を行い、回折光学素子13を副走査方向にたわませることで、走査線曲がり調整を行っている。
特開2002−148541号公報 特開2000−75232号公報 特開2003−114396号公報 特開2004−264396号公報
しかしながら、上述の技術においては以下のような問題点がある。
特許文献2においては、回折光学素子13を保持するホルダ14に円柱形状部13A、13Bを嵌合保持するため、嵌合ガタ分光軸Lからのずれが主・副走査方向に発生してしまい、高精度な画像位置ずれ調整が困難になる。さらには、ホルダの寸法公差分、光軸Lからのずれ量が多くなり、ずれ分をキャンセルして高精度な画像位置ずれ調整を行うためには、複雑な調整機構を追加する必要があり、装置が大型化してしまう。また、走査線曲がりの調整機構を別途設ける必要があるため、この場合も装置が大型化してしまう。
特許文献3においては、回折光学素子13に設けた円柱形状部13A〜13Dと同じ半径の円柱形状部を光走査装置の筐体に設けて保持するため、部品追加による寸法公差分の精度悪化は少ない。しかし、実際は、回折光学素子13に設けた円柱形状部13A〜13Dと、筐体に設けた円柱形状部が寸法公差分ずれ、同一の半径とならず、正確な位置が定まらず、ピント方向や副走査方向にズレを生じ、高精度な画像位置ずれ調整が困難になる。また、走査線傾きの調整機構を別途設ける必要があるため、この場合も装置が大型化してしまう。
特許文献4においては、回折光学素子13に設けた円柱形状部13Aと同じ半径の円柱形状部14を光走査装置の筐体15に設けて保持するため、部品追加による寸法公差分の精度悪化は少ない。しかし、実際は、回折光学素子13に設けた円柱形状部13Aと、筐体15に設けた円柱形状部14が寸法公差分ずれ、同一の半径とならず、正確な位置が定まらず、光軸Lからのずれが主・副走査方向に発生してしまい、高精度な画像位置ずれ調整が困難になる。また、走査線曲がりの調整時に、回折光学素子13を副走査方向に撓ませるため、回折光学素子13に応力が発生し、光学性能が悪化してしまう恐れがある。また、撓ませるための調整保持機構が必要なため、この場合も装置が大型化してしまう。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものである。
つまり、本発明の目的は、簡単な構成で走査線の傾きと曲りを一つの光学素子だけで、光学性能をほとんど悪化させることなく調整可能とすることで、ローコストでコンパクトに、高画質な光走査装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、上記光走査装置を備えることにより、ローコストでコンパクトに、色ズレが少ない高画質の画像を得ることのできる画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る光走査装置及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、第一の態様によれば、光源と、前記光源から出射した光束を、偏向走査する偏向手段と、副走査方向のパワーを有する光学素子と、前記偏向手段にて偏向走査された光束を被走査体に結像させる結像手段と、を有する光走査装置において、
前記副走査方向のパワーを有する光学素子は、光軸を中心とした球形状部を副走査方向の光線領域外に有し、
前記球形状部の中心を通り、且つ、光軸中心と主走査方向に直交する軸を中心とした円柱形状部を主走査方向の光線領域外に設け、
前記光走査装置の筐体が、前記光学素子の前記球形状部をV字形支持部で支持し、前記光学素子の前記円柱形状部を副走査方向の円柱形状支持部で支持する、
ことを特徴とする光走査装置が提供される。
本発明の第二の態様によれば、感光体に光走査装置により画像情報に応じた光を露光することにより潜像を形成し、該潜像を現像手段にてトナー像とする画像形成装置において、
前記光走査装置は、上記第一の態様による光走査装置であることを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明によれば、簡単な構成で走査線の傾きと曲りを一つの光学素子だけで、光学性能をほとんど悪化させることなく調整可能とすることで、ローコストでコンパクトに、高画質な光走査装置を提供することが可能である。また、本発明の画像形成装置によれば、斯かる光走査装置を備えることにより、ローコストでコンパクトに、色ズレが少ない高画質の画像を得ることができる。
以下、本発明に係る光走査装置及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
図1には、本発明に係る画像形成装置の一実施例である電子写真方式のデジタルフルカラー複写機の概略構成を示す。
先ず、本実施例の画像形成装置の全体構成について説明する。
(画像形成装置の全体構成)
本実施例にて、デジタルフルカラー複写機とされる画像形成装置100のコピー動作(複写動作)については、既知の画像形成プロセスにより行われる。つまり、原稿読み取り部8によって原稿上の画像情報を読み取ると、フルカラー画像形成部10により画像形成が行われ、転写材であるシート材Sに転写、定着を行う。
フルカラー画像形成部10には色光別に画像情報を形成する4つの画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdが配置される。各画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、像担持体としてドラム状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム2(2a,2b、2c、2d)を有する。感光ドラム2の周りには専用の帯電手段3(3a、3b、3c、3d)、及び、各色光別の画像情報に応じた光を被走査体である感光ドラムに露光するためのレーザ走査ユニットである光走査装置1(1a、1b、1c、1d)が配置されている。更に、感光ドラム2の周りには、現像手段5(5a、5b、5c、5d)、ドラムクリーニング手段4(4a、4b、4c、4d)、及び、転写手段6(6a、6b、6c、6d)がそれぞれ配置されている。
ここで、画像形成ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、それぞれ、シアン画像、マゼンタ画像、イエロー画像、ブラック画像を形成する。
一方、各画像形成ステーションPa〜Pdを通過する態様で感光ドラム2a、2b、2c、2dの下方に無端ベルト状の中間転写ベルト6が配置されている。中間転写ベルト6は、駆動ローラ62と従動ローラ63、65とに張架され、矢印B方向に周回駆動される。又、中間転写ベルト6の表面は、クリーニング手段64にて清掃される。
斯かる構成において、先ず、第1画像形成ステーションPaの帯電手段3a、レーザ走査ユニット1aによる露光、等の公知の電子写真プロセス手段により感光ドラム2a上に画像情報のシアン成分の潜像を形成する。その後、該潜像は現像手段5aでシアントナーを有する現像剤によりシアントナー像として可視像化され、転写手段6aでシアントナー像が中間転写ベルト6の表面に転写される。
一方、上記シアントナー像が中間転写ベルト6上に転写されている間に第2の画像形成ステーションPbではマゼンタ成分色の潜像が感光ドラム2b上に形成され、続いて現像手段5bでマゼンタトナーによるトナー像が得られる。そして、先の第1画像形成ステーションPaで転写が終了した中間転写ベルト6に転写手段6bにて精度よくマゼンタトナー像が重ねて転写される。
以下、イエロー像、ブラック像についても同様な方法で画像形成が行われ、中間転写ベルト6に4色のトナー像の重ね合わせが終了する。中間転写ベルト6上の4色トナー像は2次転写ローラ66にて、給紙装置70、78、79などから給紙ローラ71及び搬送ローラ72、レジストローラ73によりタイミングを合せて搬送されたシート材S上に再び転写(2次転写)される。そして、2次転写が終了したシート材Sは、定着ローラ対74でトナー像が加熱定着され、シート材Sにフルカラー画像が得られる。
(光走査装置)
次に、図2〜図4を参照して、本発明に係る光走査装置1の一実施例について説明する。
本実施例にて、レーザ走査ユニットである光走査装置1(1a、1b、1c、1d)はすべて同構成となっている。図2は、1つの光走査装置1を例にとったときの要部平面図、図3及び図4は、それぞれ、図2の矢印A方向とB方向から見たときの要部正面図である。
光走査装置1は、光源ユニット19を備えている。光源ユニット19は、レーザ発光ダイオード19−1及びその駆動電気基板19−2と、コリメータレンズ鏡筒19−3及び不図示の開口しぼりを有しており、平行なレーザ光を放射している。光走査装置1は、更に、紙面の上下方向に屈折力を有するシリンダーレンズ18と、レーザ光を偏向し走査する偏向手段11とを有している。偏向手段11は、ポリゴンミラー11aとそのモータ部11bとを有している(図3参照)。
更に、光走査装置1は、レーザ光を感光ドラム2上に所定のスポット径で結像するトーリックレンズ12及び副走査方向にパワーを有する光学素子、即ち、回折光学素子13を備えており、回折光学素子13は、走査光学系の一要素を構成している。また、反射ミラー17及び防塵ガラス20が、光走査装置1の一つの筐体である光学ハウジング90に対してスライド挿抜可能に保持されている(図4参照)。
また、図4に示すように、光走査装置1に配置された同期検出手段16が、感光ドラム上に1ライン毎のレーザ光書き込みタイミング(同期信号)をとっている。そのため、光走査装置1は、同期検出手段16に光束を反射させる為の反射ミラー14、及び、同期検出手段16に光束を集光する為の結像レンズ15を備えている。
また、本実施例にて、光走査装置1a〜1dは、各々画像形成装置本体100Aの水平面、若しくは、多少の傾斜をもったステー上に上方から取り付けられている。また、光源ユニット19からポリゴンミラー11を含み反射ミラー17までのレーザ光束路が水平、若しくは、多少の傾斜をもって配置される。
図5及び図6(A)、(B)は、本実施例における光走査装置1の回折光学素子13の支持部の概略構成を示している。図5は、光学素子13の要部平面図であり、図6(A)、(B)は、それぞれ、図5の矢印A方向とB方向から見たときの光学素子13の要部正面図である。図7(A)は、回折光学素子13の概略構成を示す平面図であり、図7(B)は、図7(A)の矢印A方向から見たときの要部正面図である。
図5〜図7を参照すると、回折光学素子13は、光軸Lを中心とする半径raの球形状部13a、13bを副走査方向の光線領域外に有している。更に、球形状部13a、13bの中心を通り、光軸Lと主走査方向に直交する直線Mを中心とする半径rcの円柱形状部13c、13dが主走査方向の光線領域外に設けられている。
回折光学素子13の支持は、図5に示すように、光学ハウジング90に設けられた、図5にてV字形となるV字形支持部90eに球形状部13aが光軸Lを中心として矢印G方向に回動することで、走査線の傾き調整が可能なように支持される。
ここで、球形状部13aとV字形支持部90eとの当接部間隔である距離Pより球形状部13aの半径raを小さくしている。このため、V字形支持部90eにより球形状部13aを安定して保持することが可能である。
一方、図6に示すように、副走査方向に配置され、当接面90fs、90gsが半径rfの湾曲形状である棒状(ロッド状)の円柱形状支持部90f、90gを光学ハウジング90に設ける。円柱形状支持部90f、90gに光学素子13の円柱形状部13c、13dが当接して支持される。これにより、円柱形状部13c、13dは、直線Mを中心として矢印R方向に回動することで、走査線の曲り調整が可能なように支持される。円柱形状支持部90f、90gは、図示するように、円柱形状部13c、13dとの当接面90fs、90gsが湾曲形状とされれば、横断面形状は、全体的に角柱とすることもでき、又、円柱とすることもできる。
このように、光学ハウジング90に設けられたV字形支持部90eに球形状部13aが直接支持されることで、部品公差の影響を小さくすることができる。そのため、光軸Lと球形状部13aの中心とのずれ量はわずかであり、傾き調整時に発生する光学性能の悪化の影響をほとんどなくすことができる。
また、V字形支持部90eにより主走査、副走査方向にはガタが発生することなく球形状部13aの中心を位置決めすることができる。また、走査線の曲り調整が行なわれても、球形状部13aの中心位置は変化しないため、副走査方向の走査線位置の変化は少なくすることができる。
一方、光学ハウジング90に設けられた円柱形状支持部90f、90gに円柱形状部13c、13dが直接支持されることで、部品公差の影響を小さくすることができる。従って、回折光学素子13のピント方向の位置を精度良く位置決めすることができる。
また、円柱形状部同士で当接するため、走査線の傾き調整や曲り調整が行なわれても、回折光学素子13のピント方向の位置は変化しない。このため、走査線の傾き調整や曲り調整を高精度に行うことができる。
なお、回折光学素子13は、単一のプラスチック製で、射出成形により製作されており、球形状部13a、13b及び円柱形状部13c、13dの作成が容易である。
(走査線の傾き調整と曲がり調整)
次に、光走査装置1の走査線の傾き調整と曲がり調整方法について説明する。
図3及び図4において、本実施例では、光走査装置1の被走査体(感光ドラム)13上の両端部及び光軸L上の中央に照射位置センサ201、202、203が設けられる。照射位置センサ201、202、203は、副走査方向にラインCCDを配置して構成され、各センサ位置での走査線の照射位置を測定可能な走査線調整治具上に設けられている。
光源ユニット19のレーザ発光ダイオード19−1を発光し、ポリゴンミラー11により偏向走査させることで、各照射位置センサ201、202、203上に走査された照射位置を測定する。
各照射位置センサ201、203の照射位置の差により、走査線傾きを求め、各照射位置センサ201、203の照射位置の平均値と、照射位置センサ202の照射位置の差により走査線曲りを求める。
走査線傾きと走査線曲りの値を走査線調整治具のモニタに表示しながら、回折光学素子13を光軸L中心に矢印G方向に回動することで傾き調整を行なう。この際、走査線調整治具に設けられた不図示の付勢手段により、回折光学素子13の球形状部13bをV字形支持部90e方向に付勢することで球形状部13aを確実にV字形支持部90eに当接することができる。
なお、球形状部13bをV字形支持部90e方向に付勢することで、傾き調整や曲がり調整で回折光学素子13の姿勢が変化しても、一定して付勢することが可能である。
次に、回折光学素子13を直線M中心に矢印R方向に回動することで、曲り調整を行う。この際、走査線調整治具に設けられた不図示の付勢手段により、回折光学素子13の円柱形状部13c、13dを円柱形状支持部90f、90g方向に付勢することで円柱形状部13c、13dを確実に円柱形状支持部90f、90gに当接することができる。
なお、円柱形状部13c、13dを円柱形状支持部90f、90g方向に付勢することで、傾き調整や曲がり調整で回折光学素子13の姿勢が変化しても、一定して付勢することが可能である。
こうして走査線の傾き調整と曲がり調整を行い、走査線の傾きと走査線曲がりの値が所定の値以下となり、回折光学素子13の位置が決定すると紫外線硬化型の接着剤を紫外線照射する。これにより、回折光学素子13の球形状部13aがV字形支持部90eに、回折光学素子13の円柱形状部13c、13dが円柱形状支持部90f、90gに接着固定される。
このように、回折光学素子13の略中央と両端部を接着固定するため、回折光学素子13は振動等の影響を受けにくい構成とすることができる。
なお、回折光学素子13の円柱形状部13c、13dの半径rcより円柱形状支持部90f、90gの半径rfの方が大きい。このため、接着に好適とされる20〜100μmの領域を広くとることが可能となり、接着強度が上がり、より振動等の影響を受けにくい構成とすることができる。
こうして、走査線の傾き調整と曲がり調整を行った光走査装置1を用いてデジタルフルカラー複写機に組み込むため、デジタルフルカラー複写機は、色ずれの少ない高画質のコピーを行うことができる。
勿論、上記実施例で説明した光走査装置1は、フルカラー複写機のみならず、白黒用の複写機、レーザービームプリンタなどにも同様に適用することができる。
以上説明したように、本発明の光走査装置は、一つの筐体90を備えている。筐体90内に、光源19と、光源19から出射した光束を、偏向走査する偏向手段11と、副走査方向のパワーを有する光学素子13を有し、偏向手段11にて偏向走査された光束を感光体2に結像させる結像手段12とを有する。そして、副走査方向のパワーを有する光学素子13は、光軸を中心とした球形状部13a、13bを副走査方向の光線領域外に有している。更に、球形状部13a、13bの中心を通り、且つ、光軸中心と主走査方向に直交する軸Mを中心とした円柱形状部13c、13dを主走査方向の光線領域外に設ける。筐体90は、副走査方向のパワーを有する光学素子13の球形状部13a、13bをV字形支持部90eで支持し、光軸中心と主走査方向に直交する軸中心の円柱形状部13c、13dを副走査方向の円柱形状支持部90f、90gで支持する。
従って、本発明の光走査装置1は、簡単な構成で走査線の傾きと曲りを一つの光学素子だけで、光学性能をほとんど悪化させることなく調整可能とすることで、ローコストでコンパクトに高画質な光走査装置を提供することが可能である。
更に、本発明の光走査装置は、更に、筐体90の円柱形状支持部90f、90gの半径rfが、光学素子13の円柱形状部13c、13dの半径rcより大きい。こうすることで、安定して光学素子13を支持することが可能となり、より高画質な光走査装置を提供することが可能である。
更に、本発明の光走査装置は、光学素子13の球形状部13a、13bの半径raが、筐体90のV字形支持部90eと光学素子13の球形状部13a、13bとの当接部間隔Pより小さい。こうすることで、より安定して光学素子を支持することが可能となり、より高画質な光走査装置を提供することが可能である。
更に又、本発明の画像形成装置は、上記構成の光走査装置1を有することで、ローコストでコンパクトに色ズレが少ない高画質の画像形成装置を提供することが可能である。
本発明に係る画像形成装置の一実施例であるデジタルフルカラー複写機の概略構成断面図である。 本発明に係る光走査装置の一実施例の要部概略構成を示す平面図である。 本発明の一実施例である光走査装置の図2の矢印A方向から見たときの要部正面図である。 本発明の一実施例である光走査装置の図2の矢印B方向から見たときの要部正面図である。 本発明の一実施例である光学素子の支持部の概略構成を示す平面図である。 本発明の一実施例である光学素子の支持部の概略構成を示し、図6(A)は、図5の矢印A方向から見たときの要部正面図であり、図6(B)は、図5の矢印B方向から見たときの要部正面図である。 本発明の一実施例である光学素子の概略構成を示し、図7(A)は、光学素子の平面図であり、図7(B)は、図7(B)の矢印A方向から見たときの正面図である。 色ずれの各パラメータを示す図である。 従来の光走査装置の走査線傾き調整を示す図である。 従来の光走査装置の走査線曲り調整を示す図である。 従来の光走査装置の走査線傾き調整を示す図である。 従来の光走査装置の走査線曲り調整を示す図である。 従来の光走査装置の走査線傾き調整を示す図である。
符号の説明
1 光走査装置
13 回折光学素子
13a、13b 球形状部
13c、13d 円柱形状部
90 光学ハウジング
90e V字形支持部
90f、90g 円柱形状支持部

Claims (4)

  1. 光源と、前記光源から出射した光束を、偏向走査する偏向手段と、副走査方向のパワーを有する光学素子と、前記偏向手段にて偏向走査された光束を被走査体に結像させる結像手段と、を有する光走査装置において、
    前記副走査方向のパワーを有する光学素子は、光軸を中心とした球形状部を副走査方向の光線領域外に有し、
    前記球形状部の中心を通り、且つ、光軸中心と主走査方向に直交する軸を中心とした円柱形状部を主走査方向の光線領域外に設け、
    前記光走査装置の筐体が、前記光学素子の前記球形状部をV字形支持部で支持し、前記光学素子の前記円柱形状部を副走査方向の円柱形状支持部で支持する、
    ことを特徴とする光走査装置。
  2. 前記光学素子の前記円柱形状部を支持する前記筐体の円柱形状支持部の、前記円柱形状部を支持する当接面の半径が、前記光学素子の前記円柱形状部の半径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 前記光学素子の前記球形状部の半径が、前記筐体の前記V字形支持部と前記光学素子の前記球形状部との当接部の間隔より小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光走査装置。
  4. 感光体に光走査装置により画像情報に応じた光を露光することにより潜像を形成し、該潜像を現像手段にてトナー像とする画像形成装置において、
    前記光走査装置は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の光走査装置であることを特徴とする画像形成装置。
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