[実施例]
(1)画像形成部
図1は本発明に従う走査式光学装置を搭載した画像形成装置例の概略構成図である。図2は図1の部分的拡大図であり、複数の感光体と、前記感光体に対する露光手段と、を有し、画像形成を実行する画像形成装置において、ri,る。
本例の画像形成装置100は、転写式電子写真プロセスを用いた、タンデム型のカラー画像形成装置(カラープリンタ)であり、複数の感光体と、前記感光体に対する露光手段と、を有し、画像形成を実行する画像形成装置である。制御回路部200と通信可能に接続した外部ホスト装置300から入力する電気的な画像情報に応じて作像動作して記録材上にフルカラー画像を形成して出力することができる。外部ホスト装置300は、パーソナルコンピュータ、イメージリーダ、相手方ファクシミリ等である。制御回路部200は外部ホスト装置300と各種信号の授受をする。また、各種作像機器と信号の授受をして作像シーケンス制御をする。
このプリンタ100には、ブラックトナー画像、シアントナー画像、マゼンタトナー画像、イエロートナー画像をそれぞれ形成する4つの画像形成部(画像形成ユニット)81Bk・81C・81M・81Yが一定の間隔で一列に配置されている。
各画像形成部81(Bk・C・M・Y)はそれぞれ同様の構成の電子写真作像機構であり、ドラム型の感光体(以下、ドラムと記す)82a・82b・82c・82dが設置されている。各ドラム82(a〜d)の周囲には、一次帯電器83a・83b・83c・83d、現像装置84a・84b・84c・84d、一次転写ローラ85a・85b・85c・85d、ドラムクリーナ装置86a・86b・86c・86dが配置されている。
本例において、各ドラム82(a〜d)は、負帯電のOPC感光体であり、アルミニウム製のドラム基体上に光導電層を有しており、駆動装置(不図示)によって矢印の時計方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。そして、各ドラム82(a〜d)は、各一次帯電器83(a〜d)に所定の帯電バイアスが印加されることにより、負極性の所定電位に均一に帯電される。
各現像装置84a・84b・84c・84dには、それぞれ、ブラックトナー、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーが収納されている。
各画像形成部81(Bk・C・M・Y)の下方には、各ドラム82(a〜d)に対する走査式光学装置50が設置されている。この走査式光学装置50はレーザスキャナであり、与えられる画像情報に対応して変調した発光を行う光源としての半導体レーザ、コリメータレンズ、シリンドリカルレンズ、ポリゴンミラー、fθレンズ、折り返しミラー等で構成されている。この走査式光学装置50については次ぎの(2)項で詳述する。
画像形成部81Bkにおいては、一次帯電された回転ドラム82aに対して、走査式光学装置50からフルカラー画像のブラック成分像の画像情報に対応して変調されたレーザ光束が走査光E1として露光されることで静電潜像が形成される。その潜像が現像装置84aによりブラックトナー画像として現像される。
画像形成部81Cにおいては、一次帯電された回転ドラム82bに対して、走査式光学装置50からフルカラー画像のシアン成分像の画像情報に対応して変調されたレーザ光束が走査光E2として露光されることで静電潜像が形成される。その潜像が現像装置84bによりシアントナー画像として現像される。
画像形成部81Mにおいては、一次帯電された回転ドラム82cに対して、走査式光学装置50からフルカラー画像のマゼンタ成分像の画像情報に対応して変調されたレーザ光束が走査光E3として露光されて静電潜像が形成される。その潜像が現像装置84cによりマゼンタトナー画像として現像される。
画像形成部81Yにおいては、一次帯電された回転ドラム82dに対して、この走査式光学装置50からフルカラー画像のイエロー成分像の画像情報に対応して変調されたレーザ光束が走査光E4として露光されて静電潜像が形成される。その潜像が現像装置84dによりイエロートナー画像として現像される。
各画像形成部81(Bk・C・M・Y)の上方には、エンドレスの中間転写ベルト(以下、ベルトと記す)87が配設されている。ベルト87は一対のベルト搬送ローラ88・89間に張架されており、駆動装置(不図示)によって矢印の反時計方向に所定のプロセススピードで回転駆動される。ベルト87は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリフッ化ビニリデン樹脂フィルム等のような誘電体樹脂によって構成されている。
このベルト87の下行側ベルト部分の下面に対して各画像形成部81(Bk・C・M・Y)の各ドラム82(a〜d)の上面部を対面させてある。各一次転写ローラ85(a〜d)はベルト87の内側に配置してあり、下行側ベルト部分を挟んで、それぞれ対応する各ドラム82(a〜d)の上面部に当接させてある。各ドラム82(a〜d)とベルト87との接触部がそれぞれ一次転写ニップ部T1a・T1b・T1c・T1dである。
ベルト搬送ローラ88にはベルト87を挟んで、二次転写ローラ90を当接させてある。ベルト87と二次転写ローラ90との接触部が二次転写ニップ部T2である。
制御回路200はプリントスタートの信号が入力されると、外部ホスト装置300から入力されたカラー画像の色分解画像情報に基いて、各画像形成部81(Bk・C・M・Y)を作像動作させる。これにより、各画像形成部においてそれぞれ回転する各ドラム82(a〜d)上に所定の制御タイミングにて、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの色トナー画像が形成される。なお、各ドラム82(a〜d)にトナー画像が形成される電子写真作像原理・プロセスは公知に属するからその説明は省略する。
各画像形成部81(Bk・C・M・Y)の各ドラム82(a〜d)の面に形成される上記のトナー画像はそれぞれ一次転写ニップ部T1(a〜d)にて、回転するベルト87の外面に対して順次に重畳転写される。この一次転写時には各一次転写ローラ85(a〜d)に対して所定の転写バイアスが印加される。これにより、ベルト87の面に上記の4つの色トナー画像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
各ドラムクリーナ装置86(a〜d)は、一次転写後に各ドラム82(a〜d)上に残留した残留トナーをドラム面から除去するためのクリーニングブレード等で構成されている。
一方、所定の給紙タイミングにて、シート状の記録媒体である記録材(転写用紙)を積載収容させた給紙カセット92の給紙ローラ93が駆動される。これにより、給紙カセット92に積載収納されている記録材が1枚分離給紙されて縦搬送パスを通ってレジストローラ対94に搬送される。
レジストローラ対94はその時点では回転を停止しており、ニップ部に記録材の先端を受け止めて記録材の斜行矯正をする。そして、レジストローラ対94は、回転するベルト87上に合成形成された上記のフルカラートナー画像の先端が二次転写ニップ部T2に到達するタイミングに合わせて記録材の先端部が該ニップ部T2に到達するように、記録材をタイミング搬送する。これにより、二次転写ニップ部T2において、ベルト87上のフルカラーのトナー画像が一括して記録材の面に順次に二次転写されていく。この二次転写時には二次転写ローラ90に対して所定の転写バイアスが印加される。
二次転写ニップ部T2を出た記録材は、ベルト87の面から分離され、縦ガイドに案内されて、定着器95に導入される。この定着器95により、上記の複数色のトナー画像が熱と圧力により溶融混色されて記録材表面に固着像として定着される。定着装置95を出た記録材はフルカラー画像形成物として搬送ローラ対96、排紙ローラ対97を通って排紙トレイ98上に搬送、排紙される。
二次転写後にベルト87上に残った転写残トナーは、ベルト87の外側でベルト搬送ローラ89の部分に配設したベルトクリーニング装置91により除去される。
71は色ズレ量検知手段であるレジスト検知センサ(以下、レジセンサという)で、ベルト87上に形成される各色のレジスト補正用パターンを検出して色ズレ量を検知し、制御回路部200にフィードバックする。レジセンサ71により色ズレ量を検知することで、トップマージンとサイドマージンによる色ずれは、画像データの書き出しタイミングを電気的に補正し、倍率要因による色ずれについても、画像クロック周波数を微小に変化させることで、倍率を一致させている。
(2)走査式光学装置50
図3は走査式光学装置内部の要部の構成を示す平面図である。図4の(a)は第1の入射光学系の図、(b)は第2の入射光学系の図である。図5はコリメータレンズの調整に関する説明図である。図6はレーザホルダ部の取り付けに関する部分斜視図である。図7はレーザホルダ部の正面図、図8はマルチビームのピッチ間調整の説明図である。図9は第1の開口絞り部の斜視図、図10は第2の開口絞り部の斜視図である。
ここで、以下の説明において、主走査方向とは、慣例的に、走査式光学装置50の走査光学系がドラム82(a〜d)を光走査する方向であるドラム長手方向(ドラム軸線方向、ドラム母線方向)、もしくはこの方向に対応する方向である。副走査方向とは、ドラム回転方向、もしくはこの方向に対応する方向である。
この走査式光学装置50は、複数の光源としての第1と第2の半導体レーザ2・3から出射した光束をポリゴンミラー10に入射させる第1の入射光学系5〜8を有する。
また、複数の光源としての第3と第4の半導体レーザ12・13から出射した光束をポリゴンミラー10に入射させる第2の入射光学系15〜18を有する。
(2−1)第1の入射光学系5〜8
第1と第2の半導体レーザ2・3は、それぞれ、1つの筐体(パッケージ)に2つの発光点をそれぞれ有する半導体レーザ(マルチビームレーザ)である。本実施例において、第1の半導体レーザ2は画像形成部Bkのドラム82aを走査露光する光源であり、第2の半導体レーザ3は画像形成部Cのドラム82bを走査露光する光源である。
この2つの半導体レーザ2・3は、図4の(a)のように、第1のレーザホルダ(筺体)1に具備させた2つの鏡筒保持部1aと1bにそれぞれ圧入して保持(パッケージ化)させてある。
4はレーザホルダ1に装着した電気回路基板であり、第1と第2の半導体レーザ2・3に電気的に接続されており、レーザ駆動回路が設けられている。
各半導体レーザ2・3は、ドラム82a・82bを走査する際のレーザ光の間隔がほぼ所定値となるように、図8のように、2つの発光点2a・2bと3a・3bをそれぞれ所定角度α°だけ同一方向に傾けて鏡筒保持部1aと1bに圧入されている。
また、鏡筒保持部1a・1bは、図4の(a)ように、半導体レーザ2・3の光路を互いに副走査方向に所定角度θを持って交差するように光軸を傾斜させて設けられており、鏡筒の外形の一部が一体化されている。このため、第1と第2の半導体レーザ2・3の間隔を近接して保持することが可能である。
鏡筒保持部1a・1bの先端には、第1と第2の半導体レーザ2・3から射出された各光束を略平行光束に変換する第1光学系としてのコリメータレンズ5・6の接着部1e・1fが主走査方向に各2箇所設けられている。
コリメータレンズ5・6は照射位置やピントを調整するため、図5の(a)のように、調整用チャッキング部51a・51b・51cの3箇所でコリメータレンズ5を確実に保持した状態でレーザ光の光学特性を検出しながらX・Y・Zの3軸方向に調整を行う。位置が決定すると、紫外線硬化形の接着剤を紫外線照射することで接着部1eに接着固定される。また、コリメータレンズ6の調整も、(b)に示すように、レーザホルダ1を180度回転させて、(a)のコリメータレンズ5の場合と同様に行い、位置が決定すると、接着部1fに接着固定される。
このように、コリメータレンズ5・6の接着部1e・1fを主走査方向に設けているので、コリメータレンズ5・6を近接させて一体化された鏡筒を有するレーザホルダ1に対して3軸方向の調整および接着が可能となる。
40は走査式光学装置50の各光学部品を格納する光学ケースであり、光学ケース40の側壁には、図6で示すように、レーザホルダ1を位置決めするための円形の嵌合穴部40aが設けられている。この嵌合穴部40aに、レーザホルダ1の鏡筒保持部1a・1bの中央部に設けられた円形の嵌合部1mを嵌合させてレーザホルダ1を光学ケース40の側壁に取り付けられるようにしている。
この円形嵌合穴部40aと円形嵌合部1mの嵌合により、嵌合部1mを中心に調整溝1nを偏心カム等で押してレーザホルダ1を回転させることができる。このレーザホルダ1の回転操作で、半導体レーザ2・3の移動量が微小な状態で、第1と第2の半導体レーザ2・3がそれぞれ有する2つの発光点2a・2bと3a・3bのピッチ間(副走査方向における間隔)Pが変化する(図8)。
前記のように、ドラム82a・82bを走査する際のレーザ光の間隔がほぼ所定値となるように、第1と第2の半導体レーザ2・3は2つの発光点2a・2bと3a・3bを所定角度αだけ傾けてレーザホルダ1の鏡筒保持部1aと1bに圧入されている。しかし、実際には、圧入時の誤差等によりある相対角度を有している。また、レーザホルダ1の取り付け誤差や光学パスごとの光学部品の傾き等によるレーザ光の間隔のズレが発生する。そのため、レーザホルダ1を微小角度回転させて、第1の半導体レーザ2の発光点2a・2bのピッチ間Pと、第2の半導体レーザ3の発光点3a・3bのピッチ間Pを調整する必要がある。
ただし、1つのレーザホルダ1でそれぞれマルチビームレーザである第1と第2の複数の半導体レーザ2・3を保持している。そのため、第1と第2の半導体レーザ2・3の各光束が、それぞれのドラム82a・82bを走査する際のレーザ光の間隔を所定値に調整することはできない場合もある。
そのような場合は、数μm以下で定める走査線ピッチの規格に入るように、第1と第2の半導体レーザ2・3のそれぞれにおけるレーザ光の間隔を所定値とのズレ量がほぼ同一の誤差量となるように調整する。前述のように、第1と第2の半導体レーザ2・3は、それぞれ、2つの発光点2a・2bと3a・3bを同じ方向に所定角度αだけ傾けてレーザホルダ1の鏡筒保持部1aと1bに圧入されている。これにより、レーザホルダ1を、図7・図8においてB方向に回転させると、図8の(a)→(b)のように、第1の半導体レーザ2の発光点2a・2bのピッチ間P2がP2a、第2の半導体レーザ3の発光点3a・3bのピッチ間P3がP3aとなる。すなわち、第1と第2の半導体レーザ2と3は共に発光点のピッチ間が小さくなる。また、逆に、レーザホルダ1をC方向に回転させると、図8の(a)→(c)のように、第1の半導体レーザ2の発光点2a・2bのピッチ間P2がP2b、第2の半導体レーザ3の発光点3a・3bのピッチ間P3がP3bとなる。すなわち、第1と第2の半導体レーザ2と3は共に発光点のピッチ間が大きくなる。
ピッチ間調整時は、走査されるドラム面相当位置にCCDカメラ等を置く。そして、第1の半導体レーザ2の2つの発光点2a・2bによる各レーザ光のスポット間隔と、第2の半導体レーザ3の2つの発光点3a・3bによる各レーザ光のスポット間隔とを同時に測定して行う。
このスポット間隔が第1と第2の半導体レーザ2・3で共に所定値より大きい時は、上記のB方向にレーザホルダ1を回転させる。その後、スポット間隔が第1と第2の半導体レーザ2・3で一方が所定値より大きく、他方が所定値より小さくなった時は、第1と第2の半導体レーザ2・3のそれぞれのスポット間隔Pが、概略同等の所定値とのズレ量となる位置で調整を終了する。
逆に、スポット間隔Pが第1と第2の半導体レーザ2・3で共に所定値より小さい時は、上記のC方向にレーザホルダ1を回転させる。その後、スポット間隔が第1と第2の半導体レーザ2・3で一方が所定値より大きく、他方が所定値より小さくなった時は、第1と第2の半導体レーザ2・3のそれぞれのスポット間隔Pが、概略同等の所定値とのズレ量となる位置で調整を終了する。
また、最初から第1と第2の半導体レーザ2・3のそれぞれのスポット間隔が、走査線ピッチの規格内である所定値とのズレ量なら調整を省略することもできる。
こうして、第1と第2の半導体レーザ2・3がそれぞれ有する2つの発光点2a・2bと3a・3bのピッチ間Pの微調整を同時に行うことができる。
これにより、第1と第2の半導体レーザ2・3について個別に調整するよりも、調整に要する時間を短縮することができ、作業効率を向上することが可能となる。
また、レーザホルダ1を調整後、光学ケース40にレーザホルダ1を取り付けているので、光学ケース40に格納された各光学部品との位置関係を精度良く保証することができる。
7は、副走査方向のみに所定の屈折力を有している第2光学系としてのシリンドリカルレンズである。このレンズ7は、第1と第2の半導体レーザ2・3から出射した光束をポリゴンミラー10の偏向面に、ほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像するように、該両半導体レーザの出射光束に対応するレンズ部7a・7bが一体成形されている。
8は第1の開口絞り部材であり、第2光学系であるシリンドリカルレンズ7とポリゴンミラー10との間に配設されている。この開口絞り部材8は、図9のように、第1と第2の半導体レーザ2・3に対応する絞り部(ポリゴンミラー10によって走査された光束の走査ライン上の一部にかかるように配され、ポリゴンミラー10に入射する光束を規制する開口絞り)8a・8bが設けられ、半導体レーザ2・3から出射された光束を所望の最適なビーム形状に成形している。
また、この開口絞り部材8のポリゴンミラー10側の面には反射鏡面8cが設けられており、図3のように、ポリゴンミラー10の走査光を反射する。そして、その反射光束(BD光束)LBDを検知し、光束の主走査方向の同期信号を出力する同期検知手段(BDセンサ)28・29を有する。すなわち、開口絞り部材8の反射鏡面8cは、ポリゴンミラー10の走査光を反射してBDセンサ28・29に向けてBD光束LBDとして折り返す。このBD光束LBDは、ポリゴンミラー10と、後述する第1の結像手段側の第1の結像レンズ21の間で走査光E1・E2の光路と交差して、BDレンズ9を通りBDセンサ28・29に受光される。
開口絞り部材8はアルミ材質の板にて形成されており、反射鏡面8cはアルミ材質の板に蒸着されている。
BDセンサ28・29は、第1と第2の半導体レーザ2・3に対応する同期検知手段であり、ポリゴンミラー10に反射された光束を検知して主走査方向の同期信号を出力することで、画像端部の走査開始位置のタイミングを調整している。BDレンズ9は、前述のBDセンサ28・29の受光面にポリゴンミラー10に反射された光束を結像している。
開口絞り部材8の反射鏡面8cで、ポリゴンミラー10の走査光をBDセンサ28・29に向けて折り返しているため、BDセンサに向かうBD光束を開口絞り部材8に蹴られることなく、十分な光量をBDセンサ28・29に入射することができる。このため、開口絞り部材8は、ポリゴンミラー10の近傍に配置することが可能となる。
すなわち、開口絞り部材8をポリゴンミラー10の近傍に配置してもBDセンサ28・29に向かう光束を開口絞り部材8に蹴られることなく、十分な光量をBDセンサ28・29に入射することができる。このため、ジッターを低減して高密度、高精度化ができる。
また、半導体レーザが複数の発光点を有し、ポリゴンミラー10により同時に複数の発光点から出射した光束を同一のドラムに偏向走査させることで、開口絞り部材8をポリゴンミラー10の近傍に配置できる。そのため、主走査方向における結像スポット間隔を均一にして、高品質の画像が得られる。
さらには、開口絞り部材8の反射鏡面8cでポリゴンミラー10の走査光をBD光束として反射して、ポリゴンミラー10と第1の結像レンズ21の間で走査光E1・E2の光路と交差するようにBDセンサ28・29に向けて折り返している。これにより、BDレンズ9およびBDセンサ28・29の配置自由度が広がり、BD光束の光路長を十分確保しながら、BDレンズ9およびBDセンサ28・29をコンパクトに配置することが可能となる。すなわち、開口絞り部材8をポリゴンミラー10に一層近づけて配置することが可能となり、主走査方向における結像スポット間隔を均一にして、高品質の画像が得られる。
また、第1と第2の各半導体レーザ2・3に対応する絞り部8a・8bを同一部材の開口絞り部材8に設けているため、絞り部8a・8bの穴間距離を近づけることが可能であり、開口絞り部材8をポリゴンミラー10に近づけて配置することが可能となる。すなわち、複数の開口絞りの穴間距離を近づけることが可能なため、開口絞り部材8をポリゴンミラー10に一層近づけて配置することが可能となり、主走査方向における結像スポット間隔を均一にして、高品質の画像が得られる走査式光学装置を提供可能である。
なお、絞り部を第1と第2の半導体レーザ2・3に対応する共通の開口部とした場合、複数の半導体レーザ2・3から出射されたレーザ光が前記共通の開口部において副走査方向で交差する。そのため、副走査方向の入射角度θ(図4)が大きいと、ポリゴンミラー10の偏向面の副走査間隔が広がり、ポリゴンミラー10の厚みが必要になる。また、副走査方向の入射角度θが小さいと、第1と第2の半導体レーザ2・3の副走査方向の間隔を広げるため、入射光路長が長くなってしまう。このため、ポリゴンミラー10の厚みを薄くしてコンパクトな走査式光学装置を提供するためには、各半導体レーザ2・3に対応する絞り部8a・8bを同一部材の開口絞り部材8に設けることが重要になる。
(2−2)第2の入射光学系15〜18
第3と第4の半導体レーザ12・13も、第1と第2の半導体レーザ12・13と同様に、それぞれ、1つの筐体(パッケージ)に2つの発光点をそれぞれ有する半導体レーザ(マルチビームレーザ)である。本実施例において、第3の半導体レーザ12は画像形成部Mのドラム82cを走査露光する光源であり、第4の半導体レーザ13は画像形成部Yのドラム82dを走査露光する光源である。
この2つの半導体レーザ12・13は、図4の(b)のように、第2のレーザホルダ11に具備させた2つの鏡筒保持部11aと11bにそれぞれ圧入して保持させてある。第2のレーザホルダ11は第1のレーザホルダ1と同一部品である。
14はレーザホルダ11に装着した電気回路基板であり、第3と第4の半導体レーザ12・13に電気的に接続されており、レーザ駆動回路が設けられている。
鏡筒保持部11a・11bは第3と第4の半導体レーザ12・13の光路を互いに副走査方向に所定角度θを持って交差するように光軸を傾斜させて設けられており、鏡筒の外形の一部が一体化されている。
鏡筒保持部11a・11bの先端には、第3と第4の半導体レーザ12・13から射出された各光束を略平行光束に変換する第1光学系としてのコリメータレンズ15・16の接着部11e・11fが主走査方向に各2箇所設けられている。コリメータレンズ15・16は、前述した第1の入射光学系側のコリメータレンズ5・6と同様の要領(図5)にて、照射位置やピントの調整を行い、接着部11e・11fに接着固定される。
この第2のレーザホルダ11の光学ケース40に対する位置決めおよび調整も、前述した第1のレーザホルダ1と同様になされている(図8)。
このため、第3と第4の半導体レーザ12・13がそれぞれ有する2つの発光点12a・12bと13a・13bのピッチ間Pの微調整を同時に行うことができる。これにより、半導体レーザ12・13と光学ケース40に格納された各光学部品との位置関係を精度良く保証することができる。
17は、副走査方向のみに所定の屈折力を有している第2光学系としてのシリンドリカルレンズである。このレンズ17は、第3と第4の半導体レーザ12・13から出射した光束をポリゴンミラー10の偏向面に、ほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像するように、該両半導体レーザの出射光束に対応するレンズ部17a・17bが一体成形されている。
18は第2の開口絞り部材であり、第2光学系であるシリンドリカルレンズ17とポリゴンミラー10との間に配設されている。この開口絞り部材18は、図10のように、第3と第4の半導体レーザ12・13に対応する絞り部18a・18bが設けられ、各半導体レーザ12・13から出射された光束を所望の最適なビーム形状に成形している。
図3において、38・39は半導体レーザ12・13に対応する同期検知手段であるBDセンサであり、ポリゴンミラー10に反射された光束を検知して主走査方向の同期信号を出力することで、画像端部の走査開始位置のタイミングを調整している。19はBDレンズであり、前述のBDセンサ38・39の受光面にポリゴンミラー10に反射された光束を結像している。
BDセンサ38・39をポリゴンミラー10に対して入射光学系と反対側に設けているため、BDセンサ38・39に向かうBD光束LBDを開口絞り部材18に蹴られることなく、十分な光量をBDセンサ38・39に入射することができる。このため、開口絞り部材18はポリゴンミラー10の近傍に配置することが可能となる。
(2−3)ポリゴンミラー10と、第1と第2の結像手段
回転多面鏡であるポリゴンミラー10は不図示のモータを一定速度で回転される。そして、第1と第2の半導体レーザ2・3から第1の入射光学系5〜8を介して入射する光束と、第3と第4の半導体レーザ12・13から第2の入射光学系15〜18を介して入射する光束を、ポリゴンミラー10の回転軸10aを挟んだ双方向に偏向走査する。
ポリゴンミラー10を中にして一方側とその180°反対側には、第1の入射光学系5〜8に対応する第1の結像手段21〜26と、第2の入射光学系15〜18に対応する第2の結像手段31〜36と、を配設してある。この第1の結像手段21〜26と第2の結像手段31〜36がポリゴンミラー10にて偏向走査された光束を別々の感光体に結像させる結像手段である。
そして、第1の半導体レーザ2から射出され、ポリゴンミラー10にて偏向走査された光束は、図2のように、結像手段21・22・24により、画像形成部Bkのドラム82aに走査光E1として結像される。
第2の半導体レーザ3から射出され、ポリゴンミラー10にて偏向走査された光束は、結像手段21・25・23・26により、画像形成部Cのドラム82bに走査光E2として結像される。
第3の半導体レーザ12から射出され、ポリゴンミラー10にて偏向走査された光束は、結像手段31・35・33・36により、画像形成部Mのドラム82cに走査光E3として結像される。
第4の半導体レーザ13から射出され、ポリゴンミラー10にて偏向走査された光束は、結像手段31・32・34により、画像形成部Yのドラム82dに走査光E4として結像される。
第1の結像手段21〜26において、21は第1の結像レンズであり、第2の結像レンズ22・23と共にレーザ光を等速走査およびドラム上でスポット結像させるfθレンズである。第1の結像レンズ21は、第1と第2の半導体レーザ2・3から射出された光束が互いに異なる角度で入射するためシリンダーレンズで構成している。このレンジ21は、副走査方向には、第1の半導体レーザ2の光束に対して配置した第2の結像レンズ22および半導体レーザ3の光束に対して配置した第2の結像レンズ23で結像させる。24〜26は光束を所定の方向へ反射する折り返しミラーであり、24は第1の半導体レーザ2の光束に対して配置された最終折り返しミラーである。25は第2の半導体レーザ3の光束に対して配置された分離用折り返しミラーである。26は第2の半導体レーザ3の光束に対して配置された最終折り返しミラーである。このように、分離用折り返しミラー25と最終折り返しミラー26により、第2の半導体レーザ3の光束を複数回反射させることで、少ないスペースを有効活用して第1の半導体レーザ2の光束と同一の光路長にできる。
また、第2の結像手段31〜36も第1の結像手段21〜26と同様であり、第3と第4の半導体レーザ12・13に対応した第1の結像レンズ31、第2の結像レンズ32・33を有する。また、第4の半導体レーザ13の光束に対して配置された最終折り返しミラー34、第3の半導体レーザ12の光束に対して配置された分離用折り返しミラー35、第3の半導体レーザ12の光束に対して配置された最終折り返しミラー36が配置されている。このように、分離用折り返しミラー35と最終折り返しミラー36により、第3の半導体レーザ12の光束を複数回反射させることで、少ないスペースを有効活用して第4の半導体レーザ13の光束と同一の光路長にできる。このため、走査式光学装置50をコンパクト化することが可能である。
41(図2)は上フタで、光学ケース40に取り付けることで、走査式光学装置50を密封し、走査式光学装置50内に埃やトナー等の進入を防止している。上フタ41には、各ドラム82a・82b・82c・82dに対応した位置にスリット状の開口部が設けられており、透明部材である防塵ガラス43a・43b・43c・43dが取り付けられている。このため、防塵ガラス43a・43b・43c・43dを通して各ドラム82a・82b・82c・82dに走査光E1・E2・E3・E4を露光することが可能であるとともに、走査式光学装置50内に埃やトナー等の進入を防止することができる。
(2−4)各ドラムに対する走査露光
次に、第1〜第4の4つの半導体レーザ2・3・12・13から射出された各光束が対応するドラム82a・82b・82c・82dに走査光E1・E2・E3・E4として露光されるまでの流れを説明する。
第1と第2の半導体レーザ2・3から出射された光束は、コリメータレンズ6・7により略平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ8のレンズ部8a・8bに入射する。シリンドリカルレンズ8に入射した光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で透過され、副走査断面内においては収束してポリゴンミラー10の同一面にほぼ線像として結像する。この際、副走査方向に角度θ(図4)を持って斜入射される。そして、開口絞り部材8の絞り部8a・8bにより、第1と第2の半導体レーザ2・3から出射された光束の光束断面の大きさが制限されて所望の最適なビーム形状が形成されている。
第1と第2の半導体レーザ2・3から出射された光束は、ポリゴンミラー10が回転することで偏向走査しながら、副走査方向に角度θを持って反射される。ポリゴンミラー10から反射された光束は、開口絞り部材8の反射鏡面8cにより反射され、ポリゴンミラー10と第1の結像レンズ21の間で走査光E1・E2の光路と交差してBDレンズ9を通りBDセンサ28・29に受光される。
BDセンサ28が、第1の半導体レーザ2からそれぞれ出射したマルチビームの全ての光束を検知して同期信号を出力し、第1の半導体レーザ2によるマルチビームの各発光点2a・2bの画像端部での走査開始位置のタイミングを調整する。
BDセンサ29が、第2の半導体レーザ3からそれぞれ出射したマルチビームの全ての光束を検知して同期信号を出力し、第2の半導体レーザ3によるマルチビームの各発光点3a・3bの画像端部での走査開始位置のタイミングを調整する。
タイミング調整されて第1と第2の半導体レーザ2・3から射出された光束は、ポリゴンミラー10により偏向走査しながら、第1の結像レンズ21を透過する。
その後、第1の半導体レーザ2から射出した光束は第2の結像レンズ22を透過して最終折り返しミラー24によって反射され、防塵ガラス43aを透過して、画像形成部Bkのドラム82aにマルチビームの走査光E1として露光される。
一方、第2の半導体レーザ3から射出した光束は分離用折り返しミラー25により下側に反射された後、第2の結像レンズ23を透過して最終折り返しミラー26によって反射される。そして、防塵ガラス43bを透過して画像形成部Cのドラム82bにマルチビームの走査光E2として露光される。
ここで、マルチビームの走査光E1・E2は第1と第2の半導体レーザ2・3によるマルチビームの各発光点2a・2bと3a・3bのピッチ間調整を、第1のレーザホルダ1を回転させることで可能してある。これにより、ドラム82a・82bを各2本のレーザ光が副走査方向にほぼ所定の間隔を有して走査することができる。また、開口絞り部材8をポリゴンミラー10の近傍に配置しているため、第1と第2の半導体レーザ2・3によるマルチビームの各発光点2a・2bと3a・3bの主走査方向における結像スポット間隔を均一にすることができる。
また、第3と第4の半導体レーザ12・13から出射された光束は、コリメータレンズ15・16により略平行光束に変換され、シリンドリカルレンズ17のレンズ部17a・17bに入射する。シリンドリカルレンズ17に入射した光束のうち主走査断面内においてはそのままの状態で透過され、副走査断面内においては収束してポリゴンミラー10の同一面にほぼ線像として結像する。この際、副走査方向に角度θ(図4)を持って斜入射される。そして、開口絞り部材18の絞り部18a・18bにより、第3と第4の半導体レーザ12・13から出射された光束の光束断面の大きさが制限され所望の最適なビーム形状が形成されている。
第3と第4の半導体レーザ12・13から出射された光束は、そして、ポリゴンミラー10が回転することで偏向走査しながら、副走査方向に角度θを持って反射される。ポリゴンミラー10から反射された光束は、BDレンズ19を通りBDセンサ38・39に受光される。
BDセンサ38が、第3の半導体レーザ12からそれぞれ出射したマルチビームの全ての光束を検知して同期信号を出力し、第3の半導体レーザ12によるマルチビームの各発光点12a・12bの画像端部での走査開始位置のタイミングを調整する。
BDセンサ39が、第4の半導体レーザ13からそれぞれ出射したマルチビームの全ての光束を検知して同期信号を出力し、第4の半導体レーザ13によるマルチビームの各発光点13a・13bの画像端部での走査開始位置のタイミングを調整する。
タイミング調整されて第3と第4の半導体レーザ12・13から射出された光束は、ポリゴンミラー10により偏向走査しながら、第1の結像レンズ31を透過する。
その後、第3の半導体レーザ12から射出した光束は分離用折り返しミラー35により下側に反射された後、第2の結像レンズ33を透過して最終折り返しミラー36によって反射される。そして、防塵ガラス43cを透過して画像形成部Mのドラム82cにマルチビームの走査光E3として露光される。
一方、第4の半導体レーザ13から射出した光束は第2の結像レンズ32を透過して最終折り返しミラー34によって反射され、防塵ガラス43dを透過して画像形成部Yのドラム82dにマルチビームの走査光E4として露光される。
マルチビームの走査光E3・E4は第3と第4の半導体レーザ12・13によるマルチビームの各発光点12a・12bと13a・13bのピッチ間調整を、第2のレーザホルダ11を回転させることで可能にしてある。これにより、ドラム82c・82dを各2本のレーザ光が副走査方向にほぼ所定の間隔を有して走査することができる。また、開口絞り部材18をポリゴンミラー10の近傍に配置しているため、第3と第4の半導体レーザ12・13によるマルチビームの各発光点12a・12bと13a・13bの主走査方向における結像スポット間隔を均一にすることができる。
走査光E1・E2・E3・E4は、ドラム82a・82b・82c・82dを各2本のレーザ光が副走査方向にほぼ所定の間隔を有して走査し、主走査方向における結像スポット間隔を均一にしており、色ずれは、電気的に補正ししている。そのため、排紙された記録材上ではピッチムラや色ズレ量の少ない高品質の画像が得られる。
以上、説明したように、1つのポリゴンミラー10で、複数の半導体レーザ2・3・12・13から出射されたレーザ光を同時に偏向走査して、複数のドラム82a・82b・82c・82dに照射して露光を行う。そのため、部品点数が削減して、走査式光学装置50を低コスト化、小型化することが可能となる。
しかも、開口絞り部材8の反射鏡面8cで、ポリゴンミラー10の走査光をBDセンサ28・29に向けて折り返しているため、BDセンサに向かうBD光束を開口絞り部材に蹴られることなく、十分な光量をBDセンサ28・29に入射することができる。このため、開口絞り部材8はポリゴンミラー10の近傍に配置することが可能となる。この際、開口絞り部材8の反射鏡面8cで折り返したBD光束が、ポリゴンミラー10と第1の結像レンズ21の間で走査光E1・E2の光路と交差するようにしている。これにより、BDレンズ9およびBDセンサ28・29の配置自由度が広がり、BD光束の光路長を十分確保しながら、BDレンズ9およびBDセンサ28・29をコンパクトに配置することが可能となる。開口絞り部材8はポリゴンミラー10に一層近づけて配置することが可能となる。このため、主走査方向における結像スポット間隔を均一にして、高品質の画像が得られる走査式光学装置を提供可能である。
以上のことから、カラープリンタ100も低コスト化、小型化することが可能であり、高画質化することも可能である。
ここで、図11のように、複数の半導体レーザ2・3から出射されたレーザ光をポリゴンミラー10の偏向点において、Xだけ離し、偏向走査後に副走査方向で交差させるようにする。これにより、開口絞り部材8の各半導体レーザ2・3に対応する絞り部8a・8bの穴間距離を離すことができる。
絞り部8a・8bを一体部品に形成する場合、加工上の制約により、絞り部8a・8bの穴間距離を1.5mm程度以上離すことが望まれる。そのため、図4のように、複数の半導体レーザ2・3から出射されたレーザ光をポリゴンミラー10の偏向点において副走査方向で交差させる場合より、開口絞り部材8をポリゴンミラー10に近接配置できる。これにより、主走査方向における結像スポット間隔をより均一にすることができる。図11は第1の入射光学系5〜8であるが、第2の入射光学系15〜18についても同様である。
上記実施例のように、ポリゴンミラー10の左右で光束を走査する走査式光学装置において、開口絞り部材8に鏡面8cを設け、BD光束を鏡面8cで反射させる。これによりBD光束との分離を行い、BD光束が蹴られることなく、開口絞り部材8をポリゴンミラー10に近づけることができる。このため、ジッターを低減して高密度、高精度化ができる。開口絞り部材8の鏡面8cに反射したBD光束が、ポリゴンミラー10とこれに最も近い結像レンズ21の間で走査光路と交差することで、BDセンサ28・29の配置の自由度が増す。これにより、BD光束の光路長を十分確保して、コンパクトに配置することができ、開口絞り部材8を一層ポリゴンミラー10に近づけることができる。このため、コンパクト化および一層の高密度、高精度化ができる。
なお、開口絞り部材18にも反射鏡面を設けた場合、BDセンサ28・29は走査光E3,E4の走査後の光束を検知することになる。走査後の光束を検知して書出し位置を決定できないため、実際はBD検知後、次のポリゴン面で走査する書出し位置を決定することになり、ポリゴンミラーの各反射面における反射率や角度誤差、あるいはポリゴンミラーを駆動するモータの回転周期の変動分の位置ずれが発生し、書出し位置制度が悪化してしまう。このため第2の入射光学系15〜18は走査前(書出し側)でBD検知を行う構成にしている。
本実施例においては、走査式光学装置50として、1枚のポリゴンミラー10に対して両側に異なる筐体の複数の半導体レーザ2・3,12・13から出射されたレーザ光が入射し、4つのドラム82(a〜d)を露光する方式について説明した。その他、1枚のポリゴンミラーの両側に1つの筐体の半導体レーザから出射されたレーザ光束を入射し、2つのドラムを露光する方式などでも良く、実施例は本発明を限定するものではない。
さらに、異なる筐体の複数の半導体レーザから出射されたレーザ光を副走査方向で交差させるように配置しているが、副走査方向で交差させず、平行に複数のレーザ光束がポリゴンミラー10に入射する構成でも良い。
また、全てのドラムを2本のレーザ光が副走査方向に所定の間隔を有して走査するマルチビームとするため、1つの筐体に複数の発光点を有する半導体レーザをレーザホルダの光源保持部に用いている。しかし、使用頻度の高い例えば黒用等の単色については、1つの筐体に複数の発光点を有する半導体レーザを用いて、単色で使用するときにはマルチビームで高速に書き込みをする。そして、残りの色用には1つの筐体に1つの発光点を有する半導体レーザを用いて、カラーモード時には通常速度で書き込みする構成としても良い。