JP5817855B2 - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
光走査装置の小型化では、光路長の短縮による走査光学系の広画角化が要求される。しかしながら、光走査に関して不可欠な同期光学系も小型化された光走査装置内に収めなければならない。
しかしながら、本発明が対象とするような広画角な光走査装置においては、同期光束通過部に対して非常に大きな入射角で同期光束が入射することになるため、特許文献1記載の発明では以下の問題が生じる。
(1)同期光束の収差が大きくなり同期検知機能に支障をきたす
(2)同期光束通過部が主走査方向に大きくなりすぎ、走査レンズが大きくなることで入射光学系と干渉する
特許文献3には、複数の光走査構成において1つの同期検知部を共用する構成が記載されている。低価格化と小型化が期待できるが、同期検知部の配置位置に関し、後述する本発明の課題に対する示唆はない。
同期光束が走査レンズを通過する方式を採ると、走査レンズが大型化することを避けられない。また広画角による急入射角によって同期光学系の収差が大きくなる。
広画角化により、一方の走査光学系の反射光が対向する走査光学系に入ってゴースト光となる「対向フレア」が起こり易いレイアウトになってしまう。
請求項3記載の発明では、請求項1又は2記載の光走査装置において、前記同期検知素子と、前記光偏向器の反射面は副走査断面内において共役であることを特徴とする。
まず、図1に基づいて第1の実施形態を説明する。図1は本発明を実施した対向走査方式の光走査装置の要部を示している。図1の紙面(平面)が主走査断面に相当する。
半導体レーザである光源1(第1の光源)から放射された複数の光束はカップリングレンズ2により以後の光学系にカップリングされる。光源1は発光点を複数有する半導体レーザアレイやVCSELであってもよい。
カップリングレンズ2を透過した光束は、アパーチャ3の開口部を通過する際、光束周辺部を遮断されて整形され、シリンドリカルレンズ4に入射する。シリンドリカルレンズ4は、入射してくる光束を副走査方向に集束させ、光偏向器であるポリゴンミラー5の偏向反射面近傍に主走査方向に長い線像として集光させる。
シリンドリカルレンズ4には走査光学系の温度による変動を補正するパワーを持たせた回折面を設けても良い。
光源1b(第2の光源)、カップリングレンズ2b、アパーチャ3b及びシリンドリカルレンズ4bは、第2の入射光学系を構成する光学素子である。
したがって、本実施形態では複数(ここでは2つ)の入射光学系を有している。
これらの入射光学系は、ポリゴンミラー5の回転軸を含み主走査方向に平行な平面(副走査断面)に対して略対称となるように配置されている。換言すれば、2つの入射光学系は、主走査断面において、ポリゴンミラー5の回転軸を通る線Mに対して線対称に配置されている。線Mを図1の紙面の厚み方向に連続させたものが副走査断面となる。
線Mは、主走査方向(後述する被走査面8の延びる方向)に平行となっている。
各入射光学系を構成する上記複数の光学素子は、主走査断面において、上記副走査断面に対して角度を有した直線状に配置されている。
入射光学系は、レイアウトの要請からミラーなどにより副走査方向に屈曲させられていても良い。
なお、1つの走査光学系に対して入射光学系が複数存在していても良い。
折り曲げミラー7により光路を折曲げられた光束は、被走査面の実体をなす光導電性の感光体8上にビームスポットとして集光し、被走査面を光走査する。ここでは走査レンズ系6は1枚構成としている。
符号6bは、第2の走査光学系をなす走査レンズ系を示す。
ポリゴンミラー5の反射点から第1の被走査面8の中心を結んだ光学的距離Lよりも被走査面8上の主走査方向の書込範囲Sの方が長く、広画角化構成となっている。
偏向された光束は感光体8の光走査に先立って、同期レンズ10により同期検知部11に主走査方向に集光される。同期検知部11の出力に基づき、光走査の書込開始タイミングが決定される。
本実施形態においては、同期光学系をなす同期レンズ10と同期検知素子としての同期検知部11は、光源1〜ポリゴンミラー5の入射光学系と、光源1b〜ポリゴンミラー5のもう1つの入射光学系bとの間に設けられている。
同期光学系が複数あると、本来コンパクト化の為に設計された光走査装置の中でのレイアウトが困難になる上に部品点数も多くなってしまうという課題があるが、単一であれば光走査装置のコンパクト化を阻害しない同期検知機構が構築できる。
本実施形態の同期光学系は、複数の入射光学系に挟まれた領域に同期光学系を収めこむため、同期ミラー等導光素子が必要ない。
また、入射光学系により既に光偏向器反射面上で副走査方向に集光させられているため、同期レンズにより同期検知素子に集光する光学系とすることで、自ずと光偏向器反射面と同期検知素子は副走査断面内で共役となる。
同期検知の課題の一つに、同期光束集光位置が同期検知素子に対して副走査方向にずれ、正常な同期検知ができなくなるというものがあるが、本発明によれば、光偏向器の製造誤差による同期光束副走査位置ズレが光学的に補正される。
遮光部材12は図1において入射光学系b(光源1b〜ポリゴンミラー5)と同期光学系の間に設けられているが、同期光束が同期検知部11に達し対向フレア13、13bを遮光できる場所であれば、図1の2つの入射光学系に挟まれた領域内のどこに配置されていても良い。
走査光学系が光偏向器を挟んで対向している対向走査方式である場合、光束の走査レンズ表面反射成分が対向する走査光学系に入り込み、そのまま被走査面を露光してしまうことがある(本明細書では「対向フレア」と呼ぶ)。
この課題は広画角走査光学系であるほど発生する可能性が高くなるので、対向フレアを遮光する部材が必要になる。この観点から遮光部材12が設けられている。
遮光部材12は、同期光学系を配置する「複数の入射光学系の間」の領域に設置するのが好適である。
本実施形態によれば、コンパクト化に伴う広画角な走査光学系を有する光走査装置において、そのコンパクト性を損なうことなく同期検知を行うことができる。
このようにすれば、3つ以上の被走査面に書込を行うことができる。また、同期光学系を単一とする構成のように他の走査光学系の書込タイミングを信号の演算で予測する場合も適している。
光偏向器は、ポリゴンミラー、マイクロミラー、ガルバノミラー等様々なものがあるが、対向する複数の走査光学系に対して光偏向を行うにはポリゴンミラーが適している。
特に上記のように、光走査構成が光偏向器の回転軸方向に複数重なっている構成に関して、ポリゴンミラーは回転軸方向に重なった形態(多段ポリゴンミラー)や、回転軸方向に厚肉な形態として加工することが可能であるため好適である。
図2に示すように、本実施形態では、複数(ここでは2つ)の同期光学系が設けられており、対向する2つの光走査装置(光走査構成)のそれぞれ走査開始端、走査終了端で同期検知を行う様態を示している。
各同期光学系は各光走査構成に対応した2つの同期レンズ10と1つの同期検知部11とから構成され、同期検知部11は2つの同期光学系で共有されている。場合によってはそれぞれの同期光学系に関して同期検知部11が設けられていてもよい。
実際の同期検知信号は、走査レンズやその他光走査装置の製造誤差や経時変動の影響を受ける。従って同期検知素子を走査の開始端のみで行うと、部品点数は低減できる反面上記のような誤差が発生した場合補正できない。
ここでは対向する2つの走査光学系において、一方は走査開始端、他方は走査終了端で同期検知を行うことができ、同期検知精度を向上させることができる。
遮光部材12は2つの同期光学系の間に配置されている。
同期検知精度向上には上記のように同期光学系を増加させるのが効果的であるが、低価格化と小型化に関して阻害要因となる。本実施形態では、複数の同期光学系の光学素子を共有させることで、部品点数を増やすことなく同期検知精度向上を実現するものである。同時にレイアウトの簡便性も向上し、小型化も阻害されない。
本実施形態では遮光部材12は各同期光学系の同期光束の光路間に配置されている。
図2及び図3で示した例では2つの同期光学系に挟まれた領域に対向フレアを防止する遮光部材12が設けられているが、2つの入射光学系に挟まれた領域であれば、図4に示すように、1つの同期光学系とこれに近い方の1つの入射光学系に挟まれた領域に設けられていてもよい(第4の実施形態)。
いずれにせよ対向する広画角走査光学系においては走査光学系と入射光学系に挟まれた領域が極めて狭いため、本発明の課題は達成される。
画像形成装置としてのレーザプリンタ1000は、感光性の像担持体1110として「円筒状に形成された光導電性の感光体」を有している。像担持体1110の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ1121、現像手段としての現像装置1131、転写ローラ1141、クリーニング装置1115が配備されている。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いることもできる。
レーザ光束LBにより光走査を行う光走査装置1171が設けられ、帯電ローラ1121と現像装置1131との間で「光書込による露光」を行うようになっている。
図5において、符号1161は定着装置、符号1181は給紙カセット、符号1191はレジストローラ対、符号1201は給紙コロ、符号1211は搬送路、符号1221は排紙ローラ対、符号1231は排紙トレイ、符号Pはシート状記録媒体としての転写紙を示している。
この静電潜像は現像装置1131により反転現像され、像担持体1110上にトナー画像が形成される。転写紙Pを収納した給紙カセット1181は、画像形成装置1000本体に脱着可能であり、図のごとく装着された状態において、収納された転写紙Pの最上位の1枚が給紙コロ1201により給紙され、給紙された転写紙Pは、その先端部をレジストローラ対1191に銜えられる。レジストローラ対1191は、像担持体1110上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを合わせて、転写紙Pを転写部へ送り込む。
トナー画像が転写された後の像担持体1110の表面は、クリーニング装置1115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
光走査装置1171として上述した本発明のごとき光走査装置を用いることにより、良好な画像形成が可能となる。
本実施形態では感光体は1つであるが、光走査装置1171において入射光学系を複数設け、マルチビーム方式とすることにより本発明の利点を活かすことができる。
感光性の像担持体としてはまた光走査の際にビームスポットの熱エネルギにより発色する発色媒体(ポジの印画紙)を用いることもでき、この場合には、光走査により直接に可視画像を形成できる。
感光性の像担持体としてはまた光導電性の感光体を用いることができる。光導電性の感光体としては、酸化亜鉛紙のようにシート状のものを用いることもできるし、セレン感光体や有機光半導体等ドラム状あるいはベルト状で繰り返し使用されるものを用いることができる。
光導電性の感光体からシート状記録媒体へのトナー画像の転写は、感光体からシート状記録媒体へ直接的に転写(直接転写方式)しても良いし、感光体から一旦中間転写ベルト等の中間転写媒体に転写した後、この中間転写媒体からシート状記録媒体へ転写(中間転写方式)するようにしてもよい。
このような画像形成装置は、光プリンタや光プロッタ、デジタル複写装置等として実施できる。
また、この発明の画像形成装置は、以下に例示するように、上記感光体を複数個、シート状記録媒体の搬送路に沿って配置し、複数の光走査装置を用いて感光体ごとに静電潜像を形成し、これらを可視化して得られるトナー画像を同一のシート状記録媒体に転写・定着して合成的にカラー画像や多色画像を得るタンデム式の画像形成装置として実施することができる。
図6において、像担持体としての感光体1Y,1M,1C,1Kは矢印の方向に回転し、それらの周囲には回転方向順に帯電器2Y,2M,2C,2K、現像装置4Y,4M,4C,4K、転写用帯電手段6Y,6M,6C,6K、クリーニング手段5Y,5M,5C,5Kが配備されている。Yはイエロー、Mはマゼンタ、Cはシアン、Kはブラックを示している。
帯電器2Y,2M,2C,2Kは、感光体表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する帯電部材である。この帯電部材と現像装置4Y,4M,4C,4Kの間の感光体表面に書き込みユニット(光走査装置)によりビームが照射され、感光体に静電潜像が形成されるようになっている。そして、静電潜像に基づき、現像装置により感光体面上にトナー像が形成される。さらに、転写用帯電手段6Y,6M,6C,6Kにより、転写搬送装置80の搬送ベルト上を搬送される図示しない記録紙に順次各色の転写トナー像が転写され、最終的に定着手段30により記録試に画像が定着される。
本実施形態においても光走査装置20として上述した本発明のごとき光走査装置を用いることにより、良好な画像形成が可能となる。
1Y、1M、1C、1K 像担持体
5 光偏向器としてのポリゴンミラー
8 被走査面
10 同期レンズ
11 同期光束検知素子
20、1171 光走査装置
Claims (4)
- 第1の光源及び第2の光源から放射される第1の光束及び第2の光束を光偏向器に導く第1の入射光学系及び第2の入射光学系と、
前記第1の光束及び前記第2の光束が入射する単一の光偏向器と、
前記光偏向器により偏向された前記第1の光束を第1の被走査面へ導く第1の走査光学系と、
前記光偏向器により偏向された前記第2の光束を第2の被走査面へ導く第2の走査光学系と、
同期検知を行う同期検知素子と、遮光部材と、を有する光走査装置において、
前記走査光学系は、前記光偏向器の反射点から前記被走査面の中心を結んだ光学的距離よりも該被走査面上の主走査方向の書込範囲の方が長く、
前記第1の走査光学系と前記第2の走査光学系は、前記光偏向器を挟んで対称に配置され、
前記第1の入射光学系及び前記第2の入射光学系は、前記第1の光束と前記第2の光束とが、角度を有して前記光偏向器へ入射するように、前記光偏向器の回転軸を含む平面に対し対称に配置され、
前記同期検知素子と前記遮光部材とは、前記第1の走査光学系の入射面を延長した線分と前記第2の走査光学系の入射面を延長した線分との間であって、前記第1の光源から前記光偏向器までの光路と前記第2の光源から前記光偏向器までの光路とで挟まれる領域に位置し、
前記同期検知素子は、前記光偏向器により偏向された前記第1の光束を走査開始端検知用の光束として受光するとともに、前記光偏向器により偏向された前記第2の光束を走査終了端検知用の光束として受光する単一の同期検知素子であることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1記載の光走査装置において、
前記光偏向器はポリゴンミラーであることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1又は2記載の光走査装置において、
前記同期検知素子と、前記光偏向器の反射面は副走査断面内において共役であることを特徴とする光走査装置。 - 複数の感光性の像担持体に対して光走査装置による光走査を行って各色に対応する潜像を形成し、該潜像を現像手段で可視化してカラー画像を得る画像形成装置において、
前記光走査装置として請求項1〜3のいずれか1つに記載の光走査装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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