JP2007010868A - 光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】斜め入射方式の光走査装置における走査線曲がりと波面収差の劣化を補正する。
【解決手段】本発明では、光源装置1からの光ビームを偏向走査する光偏向器5を備え、該光偏向器5によって偏向された光ビームを光走査光学系6により被走査面7に集光させる光走査装置において、光偏向器5による走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、光ビームは光偏向器5の偏向反射面5aの法線に対し副走査方向に角度をもって入射するとともに、光走査光学系6は、少なくとも一つの走査結像レンズL1、L2を有し、走査結像レンズの少なくとも一つのレンズ面が、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面であり、かつレンズの基準軸上における副走査方向の曲率がゼロか略ゼロの面であることを特徴とするので、斜め入射方式とした場合にも、走査線曲がりと波面収差の劣化を走査結像レンズで有効に補正することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光走査装置及び、その光走査装置を備えたデジタル複写機、レーザプリンタ、レーザプロッタ、レーザファクシミリ、あるいはこれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置に関する。
デジタル複写機やレーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に関連して広く知られている光走査装置は、一般に、光源装置から出射された光ビームを光偏向器により偏向させ、fθレンズ等の走査結像レンズを用いた光走査光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットで被走査面を光走査(主走査)するように構成されている。被走査面の実体をなすものは光導電性の感光体等である感光媒体の感光面である。
近年、レーザプリンタやデジタル複写機のカラー化が急速に進んでいる。このため、これらの機器に用いられる光走査装置にも複数の感光体に対して一度に複数の走査線を形成できるものが求められてきている。
このような要求を満足する方式としては幾つかの方法が考えられるが、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)に対応した四つの感光体を並べるタンデム方式などがある。
このタンデム方式のカラー画像形成装置では、4つの感光体を記録紙(あるいは中間転写体)の搬送方向に配列し、これらの各感光体に対応した複数の光源装置から放射された光ビームの光束を1つの偏向手段(光偏向器)により偏向走査し、各感光体に対応する複数の光走査光学系により各感光体に同時に露光して潜像を作り、これらの潜像をシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)などの各々異なる色の現像剤を使用する現像器で可視像化した後、これらの可視像を同一の記録紙(あるいは中間転写体)に順次重ね合わせて転写し、カラー画像を得られるように構成されている。
このようなタンデム方式のカラー画像形成装置に適した、低コストな光走査装置の光走査光学系として、光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度をもって入射する斜め入射光学系がある。
例えば特許文献1(特開2003−5114号公報)には、光偏向器の偏向反射面に副走査方向に角度を持って光ビームを入射させる斜め入射光学系が開示されており、この斜め入射光学系を用いた光走査装置では、光偏向器の偏向反射面に斜め入射された複数の光ビームが、それぞれ偏向反射面で偏向反射された後に、各々対応する被走査面(感光体)に、折返しミラーなどで分離され導かれる。この時、それぞれの光ビームの副走査方向の角度(光偏向器に斜め入射する角度)は、前記ミラーで各光束が分離可能な角度に設定されている。
この斜め入射光学系を用いることで、前記ミラーで各光束が分離可能な副走査方向の隣接する光ビームの間隔を、光偏向器の大型化(例えば副走査方向へのポリゴンミラーの多段化、厚肉化)無しに実現可能となる。
しかし、斜め入射光学系には、「走査線曲がり」が大きいという問題がある。この走査線曲がり発生量は、前記各光ビームの副走査方向の斜め入射角により異なり、各々の光ビームで描かれた潜像を各色のトナーにより重ね合わせ可視化した際に、色ずれとなって現れてしまう。また、斜め入射することにより、光束が走査結像レンズにねじれて入射することで、波面収差も増大し、特に周辺の像高で光学性能が著しく劣化し、ビームスポット径が太ってしまい、高画質化を妨げる要因となる。
また、斜め入射光学系では、光源側からの光束をポリゴンミラーの回転軸に向けて入射させるために、主走査方向で走査結像レンズの光軸と重なる位置に光源を配置した場合、走査結像レンズとの干渉を避けるために斜め入射角は増大してしまう。
斜め入射方式に固有の「大きな走査線曲がり」を補正する方法として、走査結像光学系に「副走査断面内におけるレンズ面の固有傾きを、走査線曲がりを補正するように主走査方向へ変化させたレンズ面を有するレンズ」を含める方法(例えば特許文献2(特開平11−14932号公報)参照)や、走査結像光学系に「副走査断面内における反射面の固有傾きを、走査線曲がりを補正するように主走査方向へ変化させた反射面を有する補正反射面」を含める方法(例えば特許文献3(特開平11−38348号公報)参照)等が提案されている。
また、特許文献4(特開2004−70109号公報)においては、斜め入射される光束を走査結像レンズの軸外を通し、走査結像レンズの子線の非球面量を主走査方向に沿って変化させる面を用いて走査線の位置を揃える方法が提案されている。本公報においては、1枚の走査結像レンズにて補正を行う例を挙げており、前記走査線曲がりの補正は可能であるが、以下に説明する波面収差増大によるビームスポット径の劣化については記述されていない。
斜め入射方式における今1つの問題は、光線スキューにより周辺像高(走査線の両端部近傍)で波面収差の大きな劣化が発生し易いことである。このような波面収差が生じると、周辺像高で光スポットのスポット径が大径化してしまう。この問題を解決できないと、近来強く要請されている「高密度の光走査」を実現できない。上記公報記載の光走査装置では、斜め入射方式に特有の大きな走査線曲がりが極めて良好に補正されているが、上記波面収差の補正は十分といえない。
斜め入射方式の問題点といえる上記「走査線曲がりと波面収差の劣化」を良好に補正できる光走査装置として、走査結像光学系に複数の回転非対称レンズを含め、これら回転非対称レンズのレンズ面の子線頂点を結ぶ母線形状を副走査方向に湾曲させたものが提案されている(特許文献5(特開平10−73778号公報)参照)。
しかし、上記「子線頂点を結ぶ母線形状を副走査方向に湾曲させたレンズ面」を有するレンズは母線を湾曲させることで諸問題を解決しており、入射光束に対応した個別の走査結像レンズが必要となるため、タンデム型の走査光学系に適用する場合、走査結像レンズの枚数が増大してしまう。
同一のレンズに異なる被走査面に向かう複数の光束を入射させた場合、母線形状を湾曲させることにより一方の光束に対しては諸問題の解決がなされるが、他方の光束については走査線曲がりや波面収差を低減させることは難しい。
また、副走査方向に曲率を持つため、組み付け誤差、加工誤差、環境変動等の影響により、同レンズに入射する光束が副走査方向にシフトした場合、副走査方向のレンズの屈折力の影響を受け、走査線曲がりの形状が変化し、カラー画像における初期の(または設計時の)色ずれ抑制の効果は得られず、色ずれが発生してしまう課題がある。
さらに、波面収差補正においても、曲率を持つ面においては入射光束のぶれにより光束のスキュー状態の変化が大きく、良好なビームスポット径を安定して得ることは難しい。
なお、先に例を上げた斜め入射方式である特許文献1に記載の従来技術においても、特許文献5に記載の従来技術と同様の面を用いて走査線曲がりの補正を実施している。しかし、この場合にも前記の説明の如く、良好なビームスポット径を安定して得ることは難しい。
特開2003−5114号公報 特開平11−14932号公報 特開平11−38348号公報 特開2004−70109号公報 特開平10−73778号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、低コスト、低消費電力、小型化に適した、斜め入射方式の光走査装置における走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正できる新規な構成の光走査装置を実現することを課題とする。また、本発明は、斜め入射方式の光走査装置における走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、高速、高密度化や、温度変動時においても色ずれ発生が小さい新規な構成の画像形成装置を実現することを課題とする。
より詳しく述べると、本発明は、光源装置から射出された光ビームをカップリングするカップリング光学系と、カップリング光学系からの光ビームを主走査方向に長く略線状に集光する第1光学系と、第1光学系からの光ビームを偏向走査する偏向手段としての光偏向器(例えば回転多面鏡等)と、光源からの光ビームを、被走査面に集光する光走査光学系とを有する光走査装置において、光源装置からの光ビームを光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持つ斜め入射方式とした場合にも、その斜め入射方式の光走査装置における走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正することを目的とする。
さらに本発明では、高速、高密度に対応し、フルカラー機における色ずれを低減する光走査装置の実現と、その光走査装置を用いて高速、高密度化や、温度変動時においても色ずれ発生が小さい画像形成装置の実現を目的とする。
さらにまた本発明では、光偏向器の小型化や、光源装置のマルチビーム化による光偏向器の回転数低下により消費電力の低下を図るなど、環境を考慮した光走査装置の実現と、その光走査装置を用いて低コスト、低消費電力、小型化を達成することができる画像形成装置の実現を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では以下のような技術的手段を採っている。
本発明の第1の手段は、光源装置からの光ビームを偏向走査する光偏向器を備え、該光偏向器によって偏向された光ビームを光走査光学系により被走査面に集光させる光走査装置において、前記光偏向器による走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、前記光ビームは前記光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度をもって入射するとともに、前記光走査光学系は、少なくとも一つの走査結像レンズを有し、前記走査結像レンズの少なくとも一つのレンズ面が、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面であり、かつ前記レンズの基準軸上における副走査方向の曲率がゼロか略ゼロの面であることを特徴とする(請求項1)。ここで、「レンズの基準軸」とは、レンズ形状を表現する式の原点を結んだ線のことを指している。
本発明の第2の手段は、第1の手段の光走査装置において、前記レンズ面を有する走査結像レンズは、副走査方向に最も屈折力の大きい走査結像レンズより光偏向器側に配設されていることを特徴とする(請求項2)。
また、本発明の第3の手段は、第1または第2の手段の光走査装置において、複数の光源装置からの光ビームを共通の光偏向器によって偏向するとともに、最も偏向器に近い走査結像レンズを、少なくとも二つの光ビームが通過することを特徴とする(請求項3)。
さらに本発明の第4の手段は、第1〜第3のいずれか一つの手段の光走査装置において、複数の光源装置からの光ビームを共通の光偏向器によって偏向するとともに、最も光偏向器に近い走査結像レンズを、前記光偏向器で偏向される全ての光ビームが通過することを特徴とする(請求項4)。
本発明の第5の手段は、第1〜第4のいずれか一つの手段の光走査装置において、少なくとも一つの走査結像レンズは、副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ像高に応じて副走査方向のチルト偏心角度が変化する特殊チルト偏心面を少なくとも一面有することを特徴とする(請求項5)。
また、本発明の第6の手段は、第5の手段の光走査装置において、副走査方向にチルト偏心している面は前記基準軸上における偏心量が略ゼロであることを特徴とする(請求項6)。
本発明の第7の手段は、第5または第6の手段の光走査装置において、副走査方向にチルト偏心している面は主走査方向において前記基準軸から離れるに従い偏心量が増加することを特徴とする(請求項7)。
また、本発明の第8の手段は、第5〜第7のいずれか一つの手段の光走査装置において、副走査方向にチルト偏心している面を被走査面に最も近い走査結像レンズに有することを特徴とする(請求項8)。
本発明の第9の手段は、第1〜第8のいずれか一つの手段の光走査装置において、最も被走査面に近い走査結像レンズに、像高に応じて副走査方向の曲率が異なる面を少なくとも一面有することを特徴とする(請求項9)。
また、本発明の第10の手段は、第9の手段の光走査装置において、副走査方向の曲率が、主走査方向の基準軸を中心として非対称に変化する面を少なくとも一面有することを特徴とする(請求項10)。
本発明の第11の手段は、第1〜第10のいずれか一つの手段の光走査装置において、前記光偏向器での反射点と、最も光偏向器に近い走査結像レンズへの入射点とが、前記レンズの基準軸を含み光偏向器の回転軸に直交する平面に対して互いに反対側に存在することを特徴とする(請求項11)。
また、本発明の第12の手段は、第11の手段の光走査装置において、最も光偏向器に近い走査結像レンズの基準軸を含み光偏向器の回転軸に直交する平面からの、最も光偏向器に近い走査結像レンズへの入射点への距離をZl、前記光偏向器での反射点への距離をZrとしたとき、次の条件式:
−25.0<Zl/Zr<−7.0
を満足することを特徴とする(請求項12)。
本発明の第13の手段は、光源装置からの光ビームを偏向走査する光偏向器を備え、該光偏向器によって偏向された光ビームを光走査光学系により被走査面に集光させる光走査装置において、前記光偏向器による走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、前記光ビームは前記光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度をもって入射するとともに、前記光走査光学系の最も光偏向器に近い走査結像レンズは、像高が高くなるに従い、光線を含み副走査方向に平行な平面内における副走査方向の負のパワーが大きくなるよう像高に応じて副走査方向の曲率が変化することを特徴とする(請求項13)。ここで、「光線を含み副走査方向に平行な平面」とは、図18(a)に示すような平面Sを指しており、像高0では、図18(b)に示すように、平面SはXZ平面と一致する。
本発明の第14の手段は、光源装置からの光ビームを偏向走査する光偏向器を備え、該光偏向器によって偏向された光ビームを光走査光学系により被走査面に集光させる光走査装置において、前記光偏向器による走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、前記光ビームは前記光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射するとともに、前記光走査光学系の最も光偏向器に近い走査結像レンズは、像高が高くなるに従い、出射光が副走査方向について基準軸から離れていくよう、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面であることを特徴とする(請求項14)。
本発明の第15の手段は、第13または第14の手段の光走査装置において、最も光偏向器に近い走査結像レンズの少なくとも一つのレンズ面が、前記レンズの基準軸上における副走査方向の曲率がゼロか略ゼロの面であり、像高が高くなるに従い、光線を含み副走査方向に平行な平面内における副走査方向の負のパワーが大きくなるよう像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面であることを特徴とする(請求項15)。
ここで、「レンズの基準軸」とは、レンズ形状を表現する式の原点を結んだ線のことを指している。
本発明の第16の手段は、光源装置からの光ビームを偏向走査する光偏向器を備え、該光偏向器によって偏向された光ビームを光走査光学系により被走査面に集光させる光走査装置において、前記光偏向器による走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、前記光ビームは前記光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度をもって入射するとともに、前記光偏向器での反射点と、前記光走査光学系の最も光偏向器に近い走査結像レンズへの入射点とが、前記レンズの基準軸を含み光偏向器の回転軸に直交する平面に対して互いに反対側に存在することを特徴とする(請求項16)。ここで、「レンズの基準軸」とは、レンズ形状を表現する式の原点を結んだ線のことを指している。
本発明の第17の手段は、第16の手段の光走査装置において、最も光偏向器に近い走査結像レンズの基準軸を含み光偏向器の回転軸に直交する平面からの、最も偏向器に近い走査結像レンズへの入射点への距離をZl、前記光偏向器での反射点への距離をZrとしたとき、次の条件式:
−25.0<Zl/Zr<−7.0
を満足することを特徴とする(請求項17)。
本発明の第18の手段は、複数の光ビームを射出するマルチビーム光源装置と、該マルチビーム光源装置からの光ビームを被走査面に集光して走査する光ビーム走査手段を備えたマルチビーム光走査装置において、前記光ビーム走査手段として、第1〜第17のいずれか一つの手段の光走査装置を用いることを特徴とする(請求項18)。
本発明の第19の手段は、被走査面である感光体に対して光ビームを露光して潜像を書き込む書込手段を備えた画像形成装置において、前記書込手段として、第1〜第17のいずれか一つの手段の光走査装置あるいは第18の手段のマルチビーム光走査装置を具備したことを特徴とする(請求項19)。
本発明の光走査装置では、複数の光源装置からの全ての光ビームは、光偏向器の反射面の法線に対し副走査方向に角度を有する斜め入射方式としているので、光偏向器の偏向反射面を形成する多面体を一段で、かつ、副走査方向の厚みを低減でき、光走査装置を構成する部品でコスト比率の高い光偏向器のコストを下げるとともに、消費電力や騒音を低減可能な、環境を考慮した光走査装置が実現可能となる。そして本発明では、光走査装置の構成を、前記第1〜第17のいずれか一つの手段の構成とすることにより、複数の光源装置からの光ビームが光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持つ斜め入射方式とした場合にも、その斜め入射方式の光走査装置における走査線曲がりと波面収差の劣化を光走査光学系の走査結像レンズで有効に補正することが可能となる。従って本発明によれば、高速、高密度に対応し、フルカラー機における色ずれを低減することができる光走査装置の実現と、その光走査装置を用いて高速、高密度化を図ることができ、温度変動時においても色ずれ発生が小さい画像形成装置の実現が可能となる。
以下、本発明の構成、動作及び作用効果を、図示の実施形態に基いて詳細に説明する。
[実施形態1]
図1は、本発明に係る光走査装置の実施の1形態を説明するための図であり、同図(a)は光走査装置の光学系を主走査断面(光軸を含み、光偏向器による偏向走査方向(主走査方向)に平行な平断面)に展開して示す光学系配置であり、同図(b)は副走査断面(光軸を含み、主走査断面に直交する断面)上の光学系配置を示している。
先ず、図1を参照すると、光源装置としての半導体レーザ1から放射された発散性の光束はカップリングレンズ2により以後の光学系に適した光束形態に変換される。カップリングレンズ2により変換された光束形態は、平行光束であることも、弱い発散性あるいは弱い集束性の光束であることもできる。
カップリングレンズ2からの光束はシリンドリカルレンズ等の第1光学系3により副走査方向に集光され、折返しミラー4で光路を折り返されて光偏向器(例えばモータにより等速回転されるポリゴンミラー(回転多面鏡))5の偏向反射面5aに入射する。なお、図1(b)に示すように、光源側からの光束は、光偏向器5の偏向反射面5aの回転軸に直交する主走査平面に対して傾いて入射する。すなわち、光源装置1からの光ビームは、光偏向器5の偏向反射面5aの法線に対し副走査方向に角度を有して入射する。従って図1(b)に示すように、偏向反射面5aにより反射された光束も、主走査平面に対して傾いている。光偏向器5の回転軸に直交する主走査平面に対し角度を有する光ビームは、所望の角度に光源装置1、カップリングレンズ2、第1光学系3を傾けて配置しても良いし、折返しミラー4を用いて角度をつけても良い。また、第1光学系3の光軸を副走査方向にシフトすることで、偏向反射面5aに向かう光ビームに角度をつけても構わない。
偏向反射面5aにより反射された光束は、光偏向器5の等速回転とともに等角速度的に偏向し、光走査光学系6の第1走査結像レンズL1と第2走査結像レンズL2を透過して、被走査面7上に集光する。これにより、偏向光束は被走査面7上に光スポットを形成して主走査方向に偏向走査され、被走査面7の光走査を行う。
次に斜め入射光学系の特徴について、タンデム型のカラー画像形成装置の光走査装置を例に挙げ説明する。
図2は対向走査方式の光走査装置の構成例を示す図であり、図3はタンデム型のカラー画像形成装置に適用した対向走査方式の光走査装置の一例を示す図である。図中の符号1は光源装置、2はカップリングレンズ、3はシリンドリカルレンズ、4は折り返しミラー、5は光偏向器(ポリゴンミラー)、5bは防音ガラス、L1は第1走査結像レンズ、L2は第2走査結像レンズ、M1〜M3は折り返しミラー、7は被走査面である感光体である。
図2や図3に示すような対向走査方式の光走査装置においては、4つの光源1からの光束を1つの光偏向器5で2光束づつ2方向に振り分けて偏向走査するが、従来は光偏向器5の偏向反射面5aに直交する方向から光束を入射するため、図4(a)に示すが如く、各々対応する被走査面に向かう光束を分離するために必要な間隔Zを得るために、光偏向器5として副走査方向に2段化されたポリゴンミラーを使用している。また、光偏向器5を2段化することなく一段のポリゴンミラーで使用しても良いが、その場合にはポリゴンミラー部の副走査方向の厚さが厚くなり、高速化、低コスト化に不向きとなる。
一方、本発明の形態である斜め入射光学系を用いた場合には、光偏向器5の偏向反射面において、複数の光ビームを副走査方向に所定の間隔を持たせる必要がない。つまり、図4(b)に示すが如く、光偏向器5の偏向反射面の法線に対し副走査方向に異なる角度を持つ複数の光源装置からの光ビームの対を、図中左右より同一の光偏向器5の左右の反射面に斜め入射させることで、光偏向器5の偏向反射面を形成する多面体を一段で、かつ副走査方向の厚みを低減でき、回転体としてのイナーシャを小さくでき、起動時間を短くできる。また、図2や図3に示すような対向走査方式における光偏向器(2段化されたポリゴンミラー)5に対し、本発明では光偏向器5を一段のポリゴンミラーで構成でき、かつ、副走査方向の厚みを低減できるので、コストダウンが可能である。
対向走査方式等の片側で2つの異なる被走査面7に対応する光学系においては、全ての光ビーム、即ち2つの異なる被走査面7に向かう全ての光ビームを、光偏向器(ポリゴンミラー)5の反射面の法線に対し角度を持つ、すなわち副走査方向に角度を持つ光ビームとすることで、光走査装置を構成する部品でコスト比率の高い光偏向器のコストを下げ、消費電力や騒音を低減可能な、環境を考慮した光走査装置が提供可能となる。
従来の、水平入射に対し副走査方向に斜め入射させる方式では、走査結像レンズに副走査方向に角度を持って入射することにより、諸収差量が増大し光学性能が劣化することは公知である。本発明では、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面(以下、特殊トロイダル面)を用い、前記光学性能の劣化を補正しているが、ポリゴンミラー5の偏向反射面の法線に対する角度(副走査方向に斜め入射する角度)を小さくすることで、光学性能の劣化を小さく抑えることが可能となり、良好な光学性能を実現することができる。この結果、安定したビームスポット径を得ることが可能となり、ビームスポット径の小径化による画質向上にも有利となる。
次にタンデム型のカラー画像形成装置の光走査装置の別の形態として、図9に示すような構成の片側走査方式を例に挙げて説明する。この片側走査方式の光走査装置においては、図示しない4つの光源からの光ビームを1つの光偏向器(ポリゴンミラー)5で略同方向に振り分けて、共通の第1走査結像レンズL1と、各光ビームに対応する第2走査結像レンズL2を介して、4つの被走査面7を同時に偏向走査するものである。
片側走査方式の場合、図5(b)に示すような、全ての光ビームがポリゴンミラー5の偏向反射面の法線に対し水平であった従来の光走査装置においては、良好な光学性能が得られる反面、各光源装置からの光ビーム、つまり互いに異なる被走査面に導かれる光ビーム間の間隔は、光ビームごとに分離するのに必要な間隔(図中△d)、通常3mmから5mmの間隔を持つことが必要である。そのため、偏向手段(ポリゴンミラー)5の高さ(副走査方向の高さ)hが高くなり、空気との接触面積が増大して、風損の影響による消費電力アップ、騒音の増大、コストアップなどの問題が生じていた。特に、光走査装置の構成部品で偏向手段の占めるコスト比率は高く、コスト面での課題が大きかった。
その点、前述の本発明にかかる光走査装置の実施形態によれば、偏向手段としてのポリゴンミラー5の偏向反射面で反射される、複数の光源装置からの光ビームは、ポリゴンミラー5の偏向反射面の法線に対し、角度を持つ(副走査方向に角度を持つ)光ビームとして第1走査結像レンズに入射させることで、図5(a)に示すように、ポリゴンミラー5の高さhを大幅に低減することが可能となり、対向走査方式の説明と同様に、ポリゴンミラー5の偏向反射面を形成する多面体を一段で、かつ、副走査方向の厚みを低減でき、回転体としてのイナーシャを小さくでき起動時間を短くできる。また、従来の対向走査方式における2段化されたポリゴンミラーに対し、1段で済むのでコストダウン可能である。
なお、片側走査方式で最も斜め入射角を小さく設定するためには、水平入射と斜め入射の組合せが考えられるが、ポリゴンミラー5の小型化に対しては、従来の水平入射に比べて改善される図5(a)の形態が最も小型化で諸課題の解決が可能となる。
また、前記説明と同様に、従来の水平入射に対して副走査方向に斜め入射させる方式では、走査結像レンズに副走査方向に角度を持って入射することにより、諸収差量が増大し光学性能が劣化することは公知である。そこで本発明では、後述する特殊トロイダル面を用い前記の光学性能の劣化を補正しているが、ポリゴンミラー5の偏向反射面の法線に対する角度(副走査方向に斜め入射する角度)を小さくすることで、光学性能の劣化を小さく抑えることが可能となり、良好な光学性能を実現することができる。この結果、安定したビームスポット径を得ることが可能となり、ビームスポット径の小径化による画質向上にも有利となる。
ところで、従来の水平入射に対し副走査方向に斜め入射させる本方式では、「走査線曲がり」が大きいという問題がある。この走査線曲がり発生量は、前記各光ビームの副走査方向の斜め入射角により異なり、各々の光ビームで描かれた潜像を各色のトナーにより現像して可視化し、記録媒体に重ね合わせて転写した際に、色ずれとなって現れてしまう。また、斜め入射することにより、光束が走査結像レンズにねじれて入射することで、波面収差も増大し、特に周辺の像高で光学性能が著しく劣化し、ビームスポット径が太ってしまい、高画質化を妨げる要因となる。
次に斜め入射光学系における波面収差の発生と走査線曲がりの発生について説明する。まず走査線曲がりの発生について説明する。例えば走査光学系を構成する走査結像レンズ、特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査結像レンズ(図1では第2走査結像レンズL2)の入射面の主走査方向の形状が、偏向反射面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、主走査方向のレンズ高さにより光偏向器の偏向反射面から走査結像レンズ入射面までの距離は異なる。通常、走査結像レンズを前記形状にすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、図1の如く、通常の光ビームは、光偏向器5により偏向走査され、各像高にて主走査断面において、レンズ面に対し垂直入射することはなく、主走査方向にある入射角を持って入射する。
このように副走査方向に角度を持っている(斜め入射されているため)ことにより、光偏向器により偏向反射された光ビームは、像高により光偏向器の偏向反射面から走査結像レンズ入射面までの距離は異なり、走査結像レンズへの副走査方向の入射高さが周辺に行くほど中心より高い位置、もしくは低い位置(光ビームの副走査方向にもつ角度の方向により異なる)に入射される。この結果、副走査方向に屈折力を持つ面を通過する際に、副走査方向に受ける屈折力が異なり走査線曲がりが発生してしまう。通常の水平入射であれば、偏向反射面から走査結像レンズ入射面までの距離が異なっても、光ビームは走査結像レンズに対し水平に進行するため、走査結像レンズ上での副走査方向の入射位置が異なることはなく、走査線曲がりの発生が生じない。
次に斜め入射による波面収差劣化について説明する。先の説明の如く、走査光学系を構成する走査結像レンズの入射面の主走査方向の形状が、偏向反射面の光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、像高により光偏向器の偏向反射面から走査結像レンズ入射面までの距離は異なる。通常、走査結像レンズを前記形状にすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、通常の光ビームは、光偏向器により偏向走査され、各像高にて主走査断面において、レンズ面に対し垂直入射することはなく、主走査方向にある入射角を持って入射する。
光偏向器により偏向反射された光ビームの光束は、主走査方向にある幅を持っており、光束内で主走査方向の両端の光ビームは、光偏向器の偏向反射面から走査結像レンズ入射面までの距離が異なり、また、斜め入射されているため副走査方向に角度を持っていることにより、走査結像レンズにねじれた状態で入射することになる(図6)。この結果、波面収差が著しく劣化し、ビームスポット径が太る。主走査方向の入射角は、周辺像高に行くほどきつくなり、光束のねじれは大きくなり、周辺に行くほど波面収差の劣化によるビームスポット径の太りは大きくなる。
本発明においては、特殊トロイダル面を採用し、波面収差及び走査線曲がりを補正している。また、走査線曲がりの補正は、レンズ面を副走査方向にチルト偏心させることでも補正可能である。像高間での副走査方向の走査位置、及び、劣化した波面収差量のバランスを取ることにより、各像高での走査位置や波面収差を補正し、被走査面上での走査線曲がりや波面収差の劣化によるビームスポット径の太りを補正している。
しかし、レンズ面に入射する光束のねじれ(スキュー)による波面収差の劣化量や、回転多面鏡に斜め入射することによる像高間での物点の副走査方向の変化量、偏向反射面からレンズ面までの距離は、像高間で異なるため、波面収差の補正や走査線曲がりの補正を完全に行うことはできない。
そこで本発明においては、走査結像レンズの少なくとも一つのレンズ面を、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する特殊トロイダル面とし、さらにレンズの基準軸上における副走査方向の曲率をゼロかゼロに近い面とすることで、波面収差の補正を実施している(第1の手段)。
基準軸上における副走査方向の曲率をゼロとしているのは、レンズの基準軸近傍ではレンズ面に入射する光束のねじれ(スキュー)による波面収差の劣化が少ないためである。ここで、レンズの基準軸とは、レンズ形状を表現する式(後述する)の原点を結んだ線のことを指す。また、このような平面的な構成とすることで、組み付け時等で偏心しても性能の変動が少ない光学系となっている。
なお、上記の説明で、「像高に応じて副走査方向の曲率が変化する」面とは、例えばWT面であり、さらに「レンズの基準軸上における副走査方向の曲率をゼロかゼロに近い面」とは、副走査方向の形状がレンズ中心では平面形状である特殊なWT面である。このレンズ面は基準軸に対して傾きを持たず、レンズ周辺では副走査方向に曲率を有している。
一方、特殊チルト偏心面では、どのレンズ高さでも曲率を有さず、基準軸に対する傾きのみ有するという相違点がある。
ここで、図17に示すグラフは本発明の特殊トロイダル面(WT面)に対して、横軸にレンズ高さを、縦軸に副走査方向の曲率を取ったグラフである。このように中心では曲率は0、周辺に行くに従い大きな曲率を持つようになっている。なお、レンズ高さは主走査方向における基準軸からの距離である。
次に本発明では、前記走査結像レンズのレンズ面を、副走査方向に最も屈折力の大きな走査結像レンズ(例えば第2走査結像レンズL2)よりも光偏向器側に近い走査結像レンズ(例えば第1走査結像レンズL1)に配設するのがよい(第2の手段)。
波面収差の劣化は、特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査結像レンズへの入射時に、光束がねじれることにより大きく発生するため、波面収差の補正のためには、前記副走査方向に強い屈折力を持つ走査結像レンズへの入射高さを補正し、被走査面上で一点に集光するようにする必要がある。
ここで、図1に示すような光走査光学系では、特殊トロイダル面で波面収差を補正する場合、第2走査結像レンズL2への入射高さを高くし、光束内の主走査方向両端の光ビームについても、周辺に行くほど副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査結像レンズL2への副走査方向の入射高さを高くすることで補正可能となる。つまり、最も副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査結像レンズL2よりも光偏向器5側の第1走査結像レンズL1に、光偏向器5の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持つ光ビームに対し、周辺に向かいより負のパワーが大きくなるように特殊トロイダル面(WT面)を形成し、副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査結像レンズL2への副走査方向の入射位置を調整することで、波面収差の劣化を補正可能となる。このため、波面収差の補正を行うために用いる特殊面は、副走査方向に最も強い屈折力を持つ第2走査結像レンズL2より、光偏向器側の第1走査結像レンズL1に設けることが望ましい。
光偏向器5に近い第1走査結像レンズL1(少なくとも副走査方向に強い屈折力を持つ走査結像レンズより光偏向器側の走査結像レンズ)の特殊トロイダル面で波面収差補正を行い、被走査面7に近い第2走査結像レンズL2(副走査方向に強い屈折力を持つ走査結像レンズ)の特殊面で走査線曲がり補正を行うように、それぞれの補正機能を分離することで、ビームスポット径の更なる小径化と走査線曲がりの低減を達成可能となる。もちろん、完全に機能分離させなけばならないわけではなく、それぞれの特殊面で、波面収差補正の一部、走査線曲がり補正の一部を受け持っても良いことは言うまでもない。
さらに望ましくは、副走査方向の形状を曲率を持たない平面形状とし、かつ、レンズ長手方向(主走査方向)のレンズ高さに応じてレンズ短手方向(副走査方向)の偏心角度(チルト量)が異なる特殊面とすることで、波面収差や走査線曲がりの補正を実施するとよい(第5の手段)。前記特殊面のチルト量(偏心角度)とは、光学素子の光学面における短手方向の傾き角を言う。チルト量が0であるときには傾きがない状態、つまり通常のレンズと同じ状態となる。
次に走査結像レンズの特殊面について説明を加える。
走査結像レンズの特殊面の面形状は、光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径をRY、光軸から主走査方向の距離をY、高次係数をA4,A6,A8,A10・・・とし、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRZとすると、以下の形状式によって表せる。但し、この発明の内容は以下の形状式に限定されるものではなく、同一の面形状を別の形状式を用いて特定することも可能である。
X(Y,Z)=Y・Cm/{1+√[1-(1+K)・(Y・Cm)]}
+A4・Y+A6・Y+A8・Y+A10・Y10+・・・
+(Cs(Y)・Z)/{1+√[1-(Cs(Y)・Z)]}
+(F0+F1・Y+F2・Y+F3・Y+F4・Y+・・)Z
但し、
Cm=1/RY
Cs(Y)=1/RZ
とする。
なお、(F0+F1・Y+F2・Y+F3・Y+F4・Y+・・)Zは、チルト量を表す部分であり、チルト量を持たないときは、F0,F1,F2,・・・は全て0である。また、F1,F2,・・・が0で無いとき、チルト量は、主走査方向に変化することになる。
次に走査結像レンズの特殊面の副走査方向の形状を曲率を持たない平面形状としている理由について説明する。
副走査方向に曲率を付けた場合、副走査方向の高さ毎に主走査方向の形状が大きく変化し、温度変動、光学素子の組み付け誤差により副走査方向に光ビームの入射位置がずれた場合に倍率誤差変動が大きく発生し、カラー機においては、各色間でのビームスポット位置がずれ、色ずれが発生してしまう。そこで、本発明の如く走査結像レンズの特殊面の副走査方向の面形状は、曲率を持たない平面形状とすることで、副走査方向の高さ毎に主走査方向の形状誤差を小さくでき、副走査方向に光ビームの入射位置がずれた場合の倍率誤差変動を小さくすることができ、色ずれの発生を抑えることができる。
実際には、特殊面を用いることで主走査形状は副走査方向の高さにより変化するが、その量は僅かであり、副走査方向に曲率を付けた場合に比べ主走査形状の変化を小さくできる。この結果、温度分布発生による光ビーム間での倍率誤差変動の差は小さくでき、同期を取ることで書き出し位置と書き終わり位置を各光ビームで一致させたときの中間像高での色ずれを低減できる。
また、図7(b)に示すように、走査結像レンズへの入射光線が副走査方向にシフトした場合、特殊面は屈折力を持たないため光線の進行方向もシフトするのみで、その方向の変化は小さい。しかし、副走査方向に曲率を持つ、つまり屈折力を持つ面では、図7(a)に示すように、入射光線が副走査方向にシフトした場合、屈折力が変わることにより光線の進行方向が変わる。各像高でこの進行方向の変化量が異なると、走査線曲がりが大きく発生してしまう。また、光束のスキューが発生し波面収差の劣化、ビームスポット径の劣化が生じる。以上の理由から、走査結像レンズの特殊面における副走査方向の形状は、曲率を持たない平面形状とする必要がある。
本発明によれば、前記特殊面の採用により光束内の光束のねじれを、走査結像レンズの主走査方向に異なるチルト量を最適に与えることで補正可能となる。走査線曲がりについても同様に、特殊面により各像高に向かう光ビームの副走査方向の方向を、走査結像レンズの主走査方向に異なるチルト量を最適に与えることで補正可能となる。
また、この時、副走査方向に角度を持って入射させることによる波面収差の劣化は、光軸近傍では走査結像レンズに対し光束のスキューがほとんど発生しないため非常に小さい。このため、本発明における走査結像レンズの特殊面において、光軸上における偏心量はゼロとすることができる。
従来、走査結像レンズもしくはレンズ面をチルト偏心、もしくはシフト偏心させ、波面収差の補正や走査線曲がりを補正する場合、中央像高近傍においては、その性能を劣化させ、周辺像高とのバランスを取っていたが、本発明では走査結像レンズもしくはレンズ面を偏心させる必要が無く、良好な光学性能の補正が可能となる。
以上に説明した走査結像レンズの特殊面を、異なる被走査面に向かう光ビームごと、つまり光偏向器5の偏向反射面の法線に対する副走査方向の角度(斜め入射角度)毎に最適に設定することで、全ての光ビームにおいて良好な波面収差補正、及び、走査線曲がり補正が可能となる。この場合、斜め入射角度が異なっても、本特殊面を用い形状式の係数を変えて最適に設計することで対応可能となる。
さらに、図1に示すが如く、光偏向器5の偏向反射面5aに入射する光ビームを第1走査結像レンズL1に干渉させないように主走査方向に角度を持って入射させることで、副走査方向の入射角度を小さく設定できる。副走査方向の斜め入射させる角度が大きいと、前記光学性能の劣化が大きくなるため、良好な補正は困難になってしまう。このため、光偏向器5の偏向反射面5aに入射する光ビームを主走査方向に角度を持って入射させることが望ましい。
また、本発明の光走査装置をさらに低コストなものとするためには、少なくとも最も光偏向器に近い走査結像レンズ(第1走査結像レンズL1)は、複数の光源装置1からの光ビームで共有されることが望ましい(第3の手段)。共有されたレンズを一体的に成形することで部品点数を減らすことができ、部品間のばらつきを小さく抑えることが可能となる。
例えば図9に示すように、片側走査方式においてはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する被走査面7としての感光体に向かう光ビームの全てを単一の第1走査結像レンズL1で共有することで、走査結像レンズの数を大幅に減らすことが可能となる(第4の手段)。また、図2,3に示すように、対向走査方式においては、第1走査結像レンズL1を2色分の光ビームで共有することで、走査結像レンズの数を減らすことができる。
本発明の光走査装置をさらに高速なものとするためには、最も被走査面に近い走査結像レンズに像高に応じて副走査方向の曲率が異なる面を少なくとも一面用いると良い(第9の手段)。
このような構成にすることで、本実施例のような副走査倍率が−0.5程度の光走査光学系において、像高間の倍率偏差を低減することができる。また、副走査方向の像面湾曲をより良好に補正する効果も期待できる。
さらに好ましくは、前記副走査方向の曲率が、レンズの基準軸を中心として主走査方向に非対称に変化させると良い(第10の手段)。本発明の光走査装置においては、光ビームを主走査方向に角度を持って光偏向器(ポリゴンミラー)5に入射させている。この結果、前記光偏向器5による「光学的サグ」の発生は、走査結像レンズの基準軸に対して主走査方向に対称に発生しない。つまり、諸収差が発生する原因となる光路長差が中心に対し左右対称とならないため諸収差の発生も左右非対称に発生するため、このような構成とすることで効果的な収差補正が可能となる。
本発明の光走査装置をさらに小型で低コストなものとするためには、光偏向器(ポリゴンミラー)5での反射点と、最も光偏向器に近い走査結像レンズL1への入射点とが、前記光偏向器5の回転軸と直交し前記走査結像レンズL1の基準面を含む平面に対して互いに反対側に配置させるとよい(第11、第16の手段)。図8(a)に従来の斜め入射光学系の副走査方向の軌跡(破線)と本発明による副走査方向の軌跡(実線)を図示した。従来の斜め入射光学系では光偏向器5での反射点と基準平面を一致させている。本発明では副走査方向に対し、Zrだけ第1走査結像レンズL1の入射点と反対側にシフトさせているため、第1走査結像レンズL1の副走査方向の高さを少なくでき、ひいては光走査装置全体の高さを低減することが可能になる。光偏向器5の副走査方向の高さも若干増加してしまうが、第1走査結像レンズL1の高さの低減量が更に大きいために問題となり得ない。
さらに小型化を推し進めるためには、図8(b)に示すように、複数光束を同一反射点にそれぞれ異なる斜め入射角で入射させるとよい。さらに図8(c)に示すように、前記基準平面に対して鏡面対称となるように複数光源を配置し、第1走査結像レンズL1を共用することが望ましい。なお、ここでいう鏡面対称とは、光偏向器(ポリゴンミラー)5にて偏向反射された以降の折返しミラーを全て省略した状態で、ポリゴンミラーの反射面の法線に水平で、ポリゴンミラーにより反射偏向された複数の光ビームの副走査方向中心を含む面に対するものである。
さらに望ましくは、最も光偏向器5に近い走査結像レンズ(第1走査結像レンズL1)の基準軸を含み光偏向器5の回転軸に直交する平面からの、最も光偏向器5に近い走査結像レンズ(第1走査結像レンズL1)への入射点への距離をZl、光偏向器5での反射点への距離をZrとしたとき(図8(a)参照)、以下の条件式:
−25.0<Zl/Zr<−7.0
を満足させるとよい(第12、第17の手段)。
ここでZl/Zrは斜め入射光学系における小型化の目安であり、Zl/Zrが−25.0より小さくなると、第1走査結像レンズL1が副走査方向に大きくなりすぎてしまい小型化の妨げとなるし、Zl/Zrが−7.0より大きくなると、そのような光学系は光偏向器5が副走査方向に大きくなりすぎてしまうか、他の光ビームと近づきすぎてしまって光ビーム同士の光束分離に光路長が必要となり、ともに小型化できなくなってしまう。
したがって、より望ましくは以下の条件式を満足させるとよい。
−22.0<Zl/Zr<−8.0
本発明による光走査装置において、さらに低コスト化を推し進めるためには、走査結像レンズをプラスチックレンズとするのがよい。走査結像レンズをプラスチックとすることで、面形状の自由度が増し、より良好な光学性能を達成できるという効果も期待できる。
さらに本発明の光走査装置において、より良好な波面収差補正を行うためには、副走査の負のパワーが像高が高くなるに従い大きくなるよう像高に応じて副走査方向の曲率を変化させるとよい。より具体的には、光走査光学系6の最も光偏向器5に近い走査結像レンズL1は、像高が高くなるに従い、光線を含み副走査方向に平行な平面内における副走査方向の負のパワーが大きくなるよう像高に応じて副走査方向の曲率が変化するような面形状とする(第13の手段)。ここで、「光線を含み副走査方向に平行な平面」とは、図18(a)に示すような平面Sを指しており、像高0では、図18(b)に示すように、平面SはXZ平面と一致する。
また、本発明の光走査装置においては、光ビームは光偏向器5の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射するとともに、光走査光学系6の最も光偏向器5に近い走査結像レンズL1のレンズ面は、像高が高くなるに従い、出射光が副走査方向について基準軸から離れていくよう、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面である(第14の手段)。
先の説明の通り、走査結像レンズへの主走査方向の入射角は、周辺像高に行くほどきつくなり、光束のねじれは大きくなり、周辺像高に行くほど波面収差の劣化によるビームスポット径の太りは大きくなる。
波面収差の劣化は、特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査結像レンズ(例えば第2走査結像レンズL2)への入射時に、光束がねじれることにより大きく発生するため、波面収差の補正のためには、前記副走査方向に強い屈折力を持つ走査結像レンズへの入射高さを補正し、被走査面上で一点に集光するようにする必要がある。特殊トロイダル面で波面収差を補正する場合、第2走査結像レンズL2への入射高さを高くし、光束内の主走査方向両端の光ビームについても、周辺に行くほど副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査結像レンズL2への副走査方向の入射高さを高くすることで補正可能となる。つまり、最も副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査結像レンズL2よりも光偏向器側の第1走査結像レンズL1に、光偏向器5の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持つ光ビームに対し、周辺に向かいより負のパワーが大きくなるように特殊トロイダル面を形成し、副走査方向に強い屈折力を持つ第2走査結像レンズL2への副走査方向の入射位置を調整することで、波面収差の劣化を補正可能となる。
このため、波面収差の補正を行うために用いる特殊面は、副走査方向に最も強い屈折力を持つ第2走査結像レンズL2より、光偏向器側の第1走査結像レンズL1に設けることが望ましい。
さらに望ましくは、最も光偏向器5に近い第1走査結像レンズL1の少なくとも一つのレンズ面が、基準軸上における副走査方向の曲率がゼロか略ゼロの面で像高が高くなるに従い、光線を含み副走査方向に平行な平面内における副走査の負のパワーが大きくなるよう像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面であるのがよい(図18参照)(理由は既に述べたのでここでは割愛する)(第15の手段)。
なお、図9は前記説明の走査結像レンズを片側走査方式の光走査装置に展開した図であるが、図示していない入射光線については前述の第11の手段に記載のように、光偏向器5での反射点と、最も光偏向器5に近い第1走査結像レンズL1への入射点とが、前記レンズの基準軸を含み光偏向器5の回転軸に直交する平面に対して互いに反対側に存在するようにするとよい。
[実施形態2]
本発明に係る光走査装置においては、光源装置1を、例えば複数の発光点を有する半導体レーザアレイや、単数の発光点もしくは複数の発光点を有する光源を複数用いたマルチビーム光源装置とし、複数の光ビームを感光体表面に同時に走査するような構成とするとよい(第18の手段)。こうすることにより、高速化、高密度化を図った光走査装置および画像形成装置を構成することができる。また、このように光走査装置および画像形成装置を構成した場合にも、実施形態1で説明してきた光走査光学系6(走査結像レンズL1,L2)を用いることにより、同様の効果を得ることができる。
ここで、図10にマルチビーム光源装置を構成する光源ユニットの例を示す。
図10(a)は光源ユニットの第1の実施形態を示す分解斜視図である。図10(a)において、光源である2つの半導体レーザ403,404は、各々ベース部材405に形成された嵌合孔405−1,405−2にベース部材の裏側から個別に嵌合されている。上記嵌合孔405−1,405−2は主走査方向に所定角度、本実施形態では約1.5°微小に傾斜していて、この嵌合孔に嵌合された半導体レーザ403,404も主走査方向に約1.5°傾斜している。半導体レーザ403,404は、その円筒状ヒートシンク部403−1,404−1に切り欠きが形成されていて、押え部材406、407の中心丸孔に形成された突起406−1,407−1を上記ヒートシンク部403−1,404−1の切り欠き部に合わせることによって発光源の配列方向が合わせられている。押え部材406,407はベース部材405にその背面側からネジ412で固定されることにより、半導体レーザ403,404がベース部材405に固定されている。また、コリメートレンズ408,409は各々その外周をベース部材405の半円状の取り付けガイド面405−4,405−5に沿わせて光軸方向の調整を行い、発光点から射出した発散ビームが平行光束となるよう位置決めされ接着されている。
なお、図10(a)に示す例では、各々の半導体レーザからの光線が主走査面内で交差するように設定するため、光線方向に沿って嵌合孔405−1,405−2および半円状の取り付けガイド面405−4,405−5を傾けて形成している。
また、ベース部材405の円筒状係合部405−3をホルダ部材410に係合し、ネジ413を貫通孔410−2に通してベース部材405のネジ孔405−6,405−7に螺合することによって、ベース部材405がホルダ部材410に固定され、光源ユニットを構成している。
上記光源ユニットのホルダ部材410は、その円筒部410−1が光学ハウジングの取り付け壁411に設けた基準孔411−1に嵌合され、取り付け壁411の表側よりスプリング611を挿入してストッパ部材612を円筒部突起410−3に係合することで、取り付け壁411の裏側に密着して保持され、これによって上記光源ユニットが光学ハウジングに保持されている。スプリング611の一端を取り付け壁411の突起411−2に引っ掛け、スプリング611の他端を光源ユニットに引っ掛けることで、光源ユニットに円筒部中心を回転軸とした回転力を発生している。この光源ユニットの回転力を係止するように設けた調節ネジ613を具備していて、この調節ネジ613により、光軸の周りであるθ方向にユニット全体を回転してビームピッチを調節することができるように構成されている。光源ユニットの前方にはアパーチャ415が配置され、アパーチャ415には半導体レーザ毎に対応したスリットが設けられ、光学ハウジングに取り付けられて光ビームの射出径を規定するように構成されている。
次に図10(b)は、光源ユニットの第2の実施形態を示す分解斜視図である。図10(b)においては、光源は内部に複数(例えば4個)の発光源を持つマルチビーム半導体レーザ703であり、マルチビーム半導体レーザ703からの各光ビームは、ビーム合成手段を用いて合成するように構成されている。また、図10(b)において符号706は押え部材、705はベース部材、708はコリメートレンズ、710はホルダ部材、711は光学ハウジングの取り付け壁をそれぞれ示している。この実施形態では光源としてのマルチビーム半導体レーザ703は1個であり、これに応じて押え部材706が1個である点が図10(a)に示す実施の形態とは異なっているが、その他の構成は基本的に同じである。
図10(c)は、図10(b)に示す例に準じる構成のものであって、マルチビーム光源として4個の発光源を持つ半導体レーザアレイ801を用い、半導体レーザアレイ801からの光ビームをビーム合成手段802を用いて合成する例を示している。この半導体レーザアレイ801を図10(b)の光源703として用いれば、基本的な構成要素は図10(a),(b)と同様であるので、ここでは説明を省略する。
[実施形態3]
次に、本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一実施形態を図11を参照しながら説明する(第19の手段)。本実施形態は、本発明に係る光走査装置をタンデム型フルカラーレーザプリンタに適用した例である。図11において、装置内の下部側には水平方向に配設された給紙カセット13から給紙される記録材(例えば転写紙)Sを搬送する搬送ベルト17が設けられている。この搬送ベルト17上にはイエロー(Y)用の感光体7Y,マゼンタ(M)用の感光体7M,シアン(C)用の感光体7C及びブラック(K)用の感光体7Kが、転写紙Sの搬送方向上流側から下流側に向けて順に等間隔で配設されている。なお、以下、符号に対する添字Y,M,C,Kを適宜付けて区別するものとする。これらの感光体7Y,7M,7C,7Kは全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスにしたがって各プロセスを実行するプロセス部材が順に配設されている。感光体7Yを例に採れば、帯電チャージャ8Y、光走査装置9の光走査光学系6Y、現像装置10Y、転写チャージャ11Y、クリーニング装置12Y等が順に配設されている。なお、他の感光体7M,7C,7Kに対しても同様である。
本実施形態では、感光体7Y,7M,7C,7Kの表面を各色毎に設定された被走査面(または被照射面)とするものであり、各々の感光体7Y,7M,7C,7Kに対して光走査装置9の光走査光学系6Y,6M,6C,6Kが1対1の対応関係で設けられている。但し、図9と同様に、光偏向器5と、該光偏向器5に近い側の走査結像レンズL1は、4つの光走査光学系6Y,6M,6C,6Kで共通使用しており、感光体(被走査面)7Y,7M,7C,7Kに近い側の走査結像レンズL2は各光学系にそれぞれ設けられている。なお、複数の光源装置やカップリングレンズ、アパーチャ、シリンドリカルレンズ等の図示は省略している。
搬送ベルト17は駆動ローラ18と従動ローラ19に支持されて図中の矢印の方向に回転され、その周囲には、感光体7Yよりも上流側に位置させてレジストローラ16と、ベルト帯電チャージャ20が設けられ、感光体7Kよりもベルト17の回転方向下流側に位置させてベルト分離チャージャ21、ベルト除電チャージャ22、ベルトクリーニング装置23等が順に設けられている。また、ベルト分離チャージャ21よりも転写紙搬送方向下流側には加熱ローラ24aと加圧ローラ24bからなる定着装置24が設けられ、排紙トレイ26に向けて排紙ローラ25で結ばれている。
このような概略構成のレーザプリンタにおいて、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、各感光体7Y,7M,7C,7Kを帯電チャージャ8Y,8M,8C,8Kで帯電した後、各感光体7Y,7M,7C,7Kに対してY,M,C,K用の各色の画像信号に基づき光走査装置9の各々の光走査光学系6Y,6M,6C,6Kによる光ビームの光走査で、各感光体表面に、各色信号に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像は各々の対応する現像装置10Y,10M,10C,10KでY,M,C,Kの各色のトナーにより現像されてトナー像となる。この画像形成プロセスにタイミングを合わせて給紙カセット13内の転写紙Sが給紙ローラ14と搬送ローラ15により給紙され、レジストローラ16により搬送ベルト17に送り出される。搬送ベルト17に給紙された転写紙Sは、ベルト帯電チャージャ20の作用により搬送ベルト17に静電的に吸着されて感光体7Y,7M,7C,7Kに向けて搬送され、各感光体7Y,7M,7C,7K上の画像が転写紙S上に順次転写されることにより重ね合わせられ、転写紙S上にフルカラー画像が形成される。このフルカラー画像が転写された転写紙Sはベルト分離チャージャ21により搬送ベルト17から分離されて定着装置24に搬送され、定着装置34でフルカラー画像が転写紙Sに定着された後、排紙ローラ25により排紙トレイ26に排紙される。
本実施形態では、上記のような構成の画像形成装置の光走査装置9(光走査光学系6Y,6M,6C,6K)を、前述の図9と同様の光走査装置の光走査光学系の構成とすることで、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、色ずれが無く、高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。
なお、ここでは図9と同様の構成の片側走査方式の光走査装置9を例に上げて説明したが、この他、図2や図3に示したような対向走査方式の光走査装置の構成としても良く、その場合には、光偏向器5を中央に配置し、その光偏向器5を挟んで一方の側にY用とM用の光走査光学系を配置し、他方の側にC用とK用の光走査光学系を配置すれば、同様に一つの光偏向器5で4つの光ビームを同時に偏向走査することができる。また、この場合にも、各色の光走査光学系を前述の実施形態1、2で説明した光走査装置の構成とすることで、走査線曲がりと波面収差の劣化を有効に補正し、色ずれが無く、高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。
次に本発明の光走査装置に関する具体的な数値実施例1,2を以下に示す。
本実施例は、図9に示すような構成の片側走査方式の光走査装置に図1の斜め入射光学系を適用したものを例に挙げ、光偏向器5である一段構成のポリゴンミラーの偏向反射面に、主走査断面を挟んで副走査方向に対称な角度で二光束づつ斜め入射させる(図8の(b)と(c)を合わせた形態)、斜め入射光学系とした場合の数値実施例である。
光源として用いられる半導体レーザ1は発光波長:780nmのもので、放射される発散性の光束はカップリングレンズ2により「実質的な平行光束」に変換され、アパーチャで光束径を絞られた後、シリンドリカルレンズ3の作用により、ポリゴンミラー5の偏向反射面の位置に「主走査方向に長い線像」として結像する。ポリゴンミラー5は、偏向反射面数:6で内接円半径:13mmのものである。また、ポリゴンミラー5の回転軸と偏向反射面5aは平行に形成されており、ポリゴンミラー5の偏向反射面5aに対して光ビームが図8(b)のように斜め入射されている。そしてポリゴンミラー5の偏向反射面5aに対して、内側光束が入射角1.46°で入射され、外側光束が入射角3.30°で入射されている。また、主走査方向においては像高0に向かう光束に対し約60°で入射されている。また、被走査面上での走査幅は220mmである。
なお、本実施例の光学系においては、厚さ1.9mmの防音ガラス(屈折率1.5143)を挿入し、防音ガラスは10degだけ偏向面内で傾けて配置している。
また、以下の数値実施例は、片側走査方式の光走査装置で、光偏向器(ポリゴンミラー)の偏向反射面に内側光束が1.46°及び外側光束が3.30°で斜め入射される場合の走査結像レンズについてのレンズデータであるが、主走査断面を挟んで反対側の−1.46°及び−3.30°で斜め入射される場合の走査結像レンズについてのレンズデータについては、主走査形状は同一で特殊面の係数の符号を反転した形状、つまり本数値実施例に対し副走査方向に鏡面対称な形状となる。
下記の数値実施例1,2の表(表1、表2、表5、表6)において、面番号1、2で示される第1走査結像レンズL1は共用レンズであり、面番号3、4で示される第2走査レンズL2は各光束に対応して設けられている。また、面番号5は被走査面7である。
表中で「*」を付けた面番号1,2,3の面(第1走査結像レンズL1の入射側の面と射出側の面、及び第2走査結像レンズL2の入射側の面)は、主走査方向の形状が非円弧形状であり、副走査方向の曲率半径は、レンズ高さにより連続的に変化する特殊トロイダル面である。各面形状は、前述の形状式にて与えられる。但し、主走査形状X(Y)及び、副走査曲率Cs(Y)は、下記の式による。
X(Y)=CY/{1+√[1-(1+K)・C]}
+A4・Y+A6・Y+A8・Y+A10・Y10・・・
Cs(Y)=1/RZ+B1・Y+B2・Y+B3・Y+B4・Y+B5・Y+B6・Y
+B7・Y+B8・Y+B9・Y+B10・Y10・・・
また、「**」を付けた面番号4の面(第2走査結像レンズL2の出射側の面)は、特殊チルト偏心面であり、レンズ面形状は、次の式で与えられる。
X(Y,Z)=Y・Cm/{1+√[1-(1+K)・(Y・Cm)]}
+A4・Y+A6・Y+A8・Y+A10・Y10+・・・
+(Cs(Y)・Z)/{1+√[1-(Cs(Y)・Z)]}
+(F0+F1・Y+F2・Y+F3・Y+F4・Y+・・)Z
但し、
Cm=1/RY
Cs(Y)=1/RZ
とする。
[数値実施例1]
数値実施例1の光走査光学系の具体的なデータを下記の表1〜4に示す。
Figure 2007010868
Figure 2007010868
Figure 2007010868
Figure 2007010868
条件式の数値
−0.129<Zr<−0.095
0.843<Zl<2.220
−21.382<Zl/Zr<−8.027
[数値実施例2]
数値実施例2の光走査光学系の具体的なデータを下記の表5〜8に示す。
Figure 2007010868
Figure 2007010868
Figure 2007010868
Figure 2007010868
条件式の数値
−0.129<Zr<−0.097
0.843<Zl<2.034
−21.382<Zl/Zr<−8.027
以上、本発明にかかる光走査装置の具体的な数値実施例1,2を示したが、図12〜図15は上記数値実施例1,2における光学特性を示すものであり、図12は数値実施例1の内側光束の収差曲線図、図13は数値実施例1の外側光束の収差曲線図、図14は数値実施例2の内側光束の収差曲線図、図15は数値実施例2の外側光束の収差曲線図をそれぞれ示しており、各図の(a)は主走査方向と副走査方向の像面湾曲、(b)は走査線曲がり、(c)はfθ特性及びリニアリティを示している。これらの図から明らかなように、本実施例の光走査装置では、光学性能は良好に補正されている。
また、図16は走査結像レンズの特殊チルト偏心面の概念図を示しており、図において横軸は像高を、縦軸はチルト偏心量を表している。
本発明に係る光走査装置の実施の1形態を説明するための説明図である。 対向走査方式の光走査装置の一例を示す概略斜視図である。 タンデム型のカラー画像形成装置に適用した対向走査方式の光走査装置の一例を示す概略斜視図である。 対向走査方式の光走査装置において、光偏向器の左右から偏向反射面に2光束づつ入射させる場合の説明図であり、(a)は偏向反射面の法線に平行な光束を入射させた場合の例、(b)は偏向反射面の法線に対して角度をつけて斜め入射させた場合の例を示す図である。 水平対向走査方式と斜入射対向走査方式における光偏向器と出射光線の関係を示す図である。 斜入射光学系における波面収差発生機構の説明のための概念図である。 走査レンズへの入射光線が副走査方向にシフトした場合に、走査レンズが副走査方向に屈折力を持つ場合と持たない場合の走査線曲がりとビーム径劣化の説明図である。 本発明の第11の手段(請求項11)の説明のための概念図である。 本発明に係る斜入射片側走査方式の光走査装置の概略構成図である。 マルチビーム光源装置を構成する光源ユニットの例を示す図である。 本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の一実施形態を示す図であって、タンデム型カラーレーザプリンタの概略構成図である。 数値実施例1の内側光束の収差曲線図であり、(a)は主走査方向と副走査方向の像面湾曲、(b)は走査線曲がり、(c)はfθ特性及びリニアリティを示す図である。 数値実施例1の外側光束の収差曲線図であり、(a)は主走査方向と副走査方向の像面湾曲、(b)は走査線曲がり、(c)はfθ特性及びリニアリティを示す図である。 数値実施例2の内側光束の収差曲線図であり、(a)は主走査方向と副走査方向の像面湾曲、(b)は走査線曲がり、(c)はfθ特性及びリニアリティを示す図である。 数値実施例2の外側光束の収差曲線図であり、(a)は主走査方向と副走査方向の像面湾曲、(b)は走査線曲がり、(c)はfθ特性及びリニアリティを示す図である。 走査結像レンズの特殊チルト偏心面の概念図である。 本発明の特殊トロイダル面(WT面)におけるレンズ高さと副走査方向の曲率の関係を示すグラフである。 走査結像レンズに対して、光線を含み副走査方向に平行な平面を説明するための図である。
符号の説明
1:光源装置
2:カップリングレンズ
3:シリンドリカルレンズ(第1光学系)
4:折り返しミラー
5:光偏向器(ポリゴンミラー)
5a:偏向反射面
6:光走査光学系
7:被走査面(感光体)
7Y,7M,7C,7K:感光体
8Y,8M,8C,8K:帯電チャージャ
9:光走査装置
9Y,9M,9C,9K:光走査光学系
10Y,10M,10C,10K:現像装置
11Y,11M,11C,11K:転写チャージャ
12Y,12M,12C,12K:クリーニング装置
13:給紙カセット
14:給紙ローラ
15:搬送ローラ
16:レジストローラ
17:搬送ベルト
18:駆動ローラ
19:従動ローラ
20:ベルト帯電チャージャ
21:ベルト分離チャージャ
22:除電チャージャ
23:ベルトクリーニング装置
24:定着装置
25:排紙ローラ
26:排紙トレイ

Claims (19)

  1. 光源装置からの光ビームを偏向走査する光偏向器を備え、該光偏向器によって偏向された光ビームを光走査光学系により被走査面に集光させる光走査装置において、
    前記光偏向器による走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、前記光ビームは前記光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度をもって入射するとともに、
    前記光走査光学系は、少なくとも一つの走査結像レンズを有し、前記走査結像レンズの少なくとも一つのレンズ面が、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面であり、かつ前記レンズの基準軸上における副走査方向の曲率がゼロか略ゼロの面であることを特徴とする光走査装置。
  2. 請求項1記載の光走査装置において、
    前記レンズ面を有する走査結像レンズは、副走査方向に最も屈折力の大きい走査結像レンズより光偏向器側に配設されていることを特徴とする光走査装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の光走査装置において、
    複数の光源装置からの光ビームを共通の光偏向器によって偏向するとともに、最も偏向器に近い走査結像レンズを、少なくとも二つの光ビームが通過することを特徴とする光走査装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の光走査装置において、
    複数の光源装置からの光ビームを共通の光偏向器によって偏向するとともに、最も光偏向器に近い走査結像レンズを、前記光偏向器で偏向される全ての光ビームが通過することを特徴とする光走査装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の光走査装置において、
    少なくとも一つの走査結像レンズは、副走査方向に曲率を持たない面で構成され、かつ像高に応じて副走査方向のチルト偏心角度が変化する特殊チルト偏心面を少なくとも一面有することを特徴とする光走査装置。
  6. 請求項5記載の光走査装置において、
    副走査方向にチルト偏心している面は前記基準軸上における偏心量が略ゼロであることを特徴とする光走査装置。
  7. 請求項5または請求項6記載の光走査装置において、
    副走査方向にチルト偏心している面は主走査方向において前記基準軸から離れるに従い偏心量が増加することを特徴とする光走査装置。
  8. 請求項5〜請求項7のいずれか一つに記載の光走査装置において、
    副走査方向にチルト偏心している面を被走査面に最も近い走査結像レンズに有することを特徴とする光走査装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一つに記載の光走査装置において、
    最も被走査面に近い走査結像レンズに、像高に応じて副走査方向の曲率が異なる面を少なくとも一面有することを特徴とする光走査装置。
  10. 請求項9記載の光走査装置において、
    副走査方向の曲率が、主走査方向の基準軸を中心として非対称に変化する面を少なくとも一面有することを特徴とする光走査装置。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか一つに記載の光走査装置において、
    前記光偏向器での反射点と、最も光偏向器に近い走査結像レンズへの入射点とが、前記レンズの基準軸を含み光偏向器の回転軸に直交する平面に対して互いに反対側に存在することを特徴とする光走査装置。
  12. 請求項11記載の光走査装置において、
    最も光偏向器に近い走査結像レンズの基準軸を含み光偏向器の回転軸に直交する平面からの、最も光偏向器に近い走査結像レンズへの入射点への距離をZl、前記光偏向器での反射点への距離をZrとしたとき、次の条件式:
    −25.0<Zl/Zr<−7.0
    を満足することを特徴とする光走査装置。
  13. 光源装置からの光ビームを偏向走査する光偏向器を備え、該光偏向器によって偏向された光ビームを光走査光学系により被走査面に集光させる光走査装置において、
    前記光偏向器による走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、前記光ビームは前記光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度をもって入射するとともに、
    前記光走査光学系の最も光偏向器に近い走査結像レンズは、像高が高くなるに従い、光線を含み副走査方向に平行な平面内における副走査方向の負のパワーが大きくなるよう像高に応じて副走査方向の曲率が変化することを特徴とする光走査装置。
  14. 光源装置からの光ビームを偏向走査する光偏向器を備え、該光偏向器によって偏向された光ビームを光走査光学系により被走査面に集光させる光走査装置において、
    前記光偏向器による走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、
    前記光ビームは前記光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持って入射するとともに、
    前記光走査光学系の最も光偏向器に近い走査結像レンズは、像高が高くなるに従い、出射光が副走査方向について基準軸から離れていくよう、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面であることを特徴とする光走査装置。
  15. 請求項13または請求項14記載の光走査装置において、
    最も光偏向器に近い走査結像レンズの少なくとも一つのレンズ面が、前記レンズの基準軸上における副走査方向の曲率がゼロか略ゼロの面であり、像高が高くなるに従い、光線を含み副走査方向に平行な平面内における副走査方向の負のパワーが大きくなるよう像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面であることを特徴とする光走査装置。
  16. 光源装置からの光ビームを偏向走査する光偏向器を備え、該光偏向器によって偏向された光ビームを光走査光学系により被走査面に集光させる光走査装置において、
    前記光偏向器による走査方向を主走査方向とし、該主走査方向に直交する方向を副走査方向としたとき、前記光ビームは前記光偏向器の偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度をもって入射するとともに、
    前記光偏向器での反射点と、前記光走査光学系の最も光偏向器に近い走査結像レンズへの入射点とが、前記レンズの基準軸を含み光偏向器の回転軸に直交する平面に対して互いに反対側に存在することを特徴とする光走査装置。
  17. 請求項16記載の光走査装置において、
    最も光偏向器に近い走査結像レンズの基準軸を含み光偏向器の回転軸に直交する平面からの、最も偏向器に近い走査結像レンズへの入射点への距離をZl、前記光偏向器での反射点への距離をZrとしたとき、次の条件式:
    −25.0<Zl/Zr<−7.0
    を満足することを特徴とする光走査装置。
  18. 複数の光ビームを射出するマルチビーム光源装置と、該マルチビーム光源装置からの光ビームを被走査面に集光して走査する光ビーム走査手段を備えたマルチビーム光走査装置において、
    前記光ビーム走査手段として、請求項1〜請求項17のいずれか一つに記載の光走査装置を用いることを特徴とするマルチビーム光走査装置。
  19. 被走査面である感光体に対して光ビームを露光して潜像を書き込む書込手段を備えた画像形成装置において、
    前記書込手段として、請求項1〜請求項17のいずれか一つに記載の光走査装置あるいは請求項18記載のマルチビーム光走査装置を具備したことを特徴とする画像形成装置。
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