JP2006235213A - 光走査装置、およびカラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光偏向器への光ビームの入出射面に平行平板の透過部材を配置する。透過部材の平面は光偏向器の回転軸に平行で、その法線が走査光学系の光軸と非平行となるように配置する。上記回転軸に直交する仮想面に関して互いに異なる方向から斜入射する光ビームの偏向反射光は、走査光学系の一部に設けられた特殊チルト偏芯面により、走査線曲がりが改善され、色ずれのない高品質のカラー画像が得られる。
【選択図】 図1
Description
また、フルカラー画像形成装置の一例として、4つの感光体を記録紙の搬送方向に配列し、これらの各感光体に対応した複数の光源装置から放射された光ビームの光束を1つの光偏向器により偏向走査し、各感光体に対応する複数の走査光学系により各感光体に同時に露光して潜像を作り、これらの潜像をイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどの各々異なる色の現像剤を使用する現像器で可視像化した後、これらの可視像を同一の記録紙に順次重ね合わせて転写し定着することで、カラー画像を得られるように構成されるものがある。このように、光走査装置と感光体の組み合わせを2組以上用いて、2色画像や多色画像、カラー画像等を得るようにした画像形成装置は「タンデム式画像形成装置」として知られている。このようなタンデム式画像形成装置として、複数の感光媒体が単一の光偏向器を共用する方式のものが開示されている。
更に、近年、カラー画像形成装置の光走査装置において、単一の光偏向器として低コスト化を図る手段として、光偏向器の偏向反射面に副走査方向に角度を持って光ビームを入射させる斜入射光学系が提案されている(例えば、特許文献4 参照。)。該斜入射光学系は、複数の光ビームがそれぞれ偏向反射面で反射された後に、各々対応する被走査面(感光体)に、折返しミラーなどで分離され導かれる。このとき、各光ビームの副走査方向における角度(光偏向器に斜入射する角度)は、前記折返しミラーで各光ビームが分離可能な角度に設定されている。
しかし、この平行平板の透過部材は、光ビームの一部を反射させるため、その反射光が被走査面上に入射することがあり、それが好ましくない画像(ゴースト画像)として露光されてしまう問題があった。
このゴースト画像を防止するために、特許文献4で提案されている斜入射光学系において、光偏向器の回転軸と走査光学系の光軸で作られる平面(副走査断面)内において、光偏向器の偏向反射面に対して平行平板の透過部材が非平行となるように配置し、ゴースト画像を作る反射光を被走査面上に届かないように工夫したものがある(例えば、特許文献5 参照。)。
更に、斜入射光学系の重要な課題である「走査線曲がり」も、副走査断面内において光偏向器の偏向反射面に対して平行平板の透過部材が非平行となるように配置すると、一方の側の光ビームによる走査線は曲がりが低減されるものの、もう一方の側の光ビームによる走査線は曲がりが増長されてしまう。
いずれにしても、特許文献5にあるような方式では、高品質の画質を維持しつつゴースト画像を防止することは困難であった。
本発明は、上記問題点を解決するもので、斜入射光学系を用いた光走査装置において、ゴースト像の発生を抑えた光走査装置を提供することを目的とする。
(L+δy)/δx≦tan(θ−2α)
を満足するように、該透過部材が配備されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記走査光学系は複数の光学素子からなり、前記複数の光ビームのうち前記光偏向器の同一偏向反射面で反射された光ビームは、前記走査光学系を構成する光学素子のうち前記光偏向器に最も近い光学素子を共有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の光走査装置において、前記同一偏向反射面で反射される複数の光ビームは、前記光偏向器の回転軸に垂直な面に対して平行に入射する光ビームを含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の光走査装置において、前記特殊チルト偏芯面の少なくとも1面は、光軸から主走査方向に離れるに従い、偏心量が増加することを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項6または7に記載の光走査装置において、前記特殊チルト偏芯面は、光軸上の偏心量がゼロであることを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記走査光学系は、前記回転軸を含み前記光軸に直交する面に関してほぼ対称に光学素子が配置されている対向走査方式であることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項1ないし10のいずれか1つに記載の光走査装置を搭載したカラー画像形成装置を特徴とする。
光ビームをポリゴンの回転軸に直交する面に対して角度をもって入射させても、走査光学系に特殊チルト偏芯面を含ませることで、色ずれを防止し、安価に高品質のカラー画像を形成することができる。
図1、2は本発明を適用した走査光学系の実施例を示す図である。図1は主走査断面内(副走査断面に直交する面)における配置、図2は副走査断面における配置をそれぞれ示す。
両図において符号1は半導体レーザ、2はコリメータレンズ、3はアパーチャ、4はシリンドリカルレンズ、5はポリゴンミラー、6は走査光学系をなす第1レンズ、7は同第2レンズ、8は被走査面、12は回転軸、13は密封ハウジング、14は透過部材、LBは光束、Axは走査光学系の光軸、Nは透過部材の任意の位置における法線をそれぞれ示す。
光偏向器としてのポリゴンミラー5は、周面に複数の反射面を有し、回転軸12を中心に回転駆動される。ポリゴンミラー5は、密封ハウジング13に封入されており、密封ハウジング13は平行平板の透過部材14を有しており、透過部材14を介して光ビームは入射および射出される。透過部材14の法線Nは、主走査断面内においては、走査光学系の光軸Axに対しαだけ傾いており、透過部材の面は、副走査断面内においては、光偏向器の回転軸12に対して平行に配置されている。言い換えれば、法線Nは、少なくとも光軸Axに対して平行にならないように設定されている。
ポリゴンミラー5に入射する光ビームは、図2から分るように、少なくとも主走査断面に対して上から斜めに(角度+β)入射するLB1と、下から斜めに(角度−β)入射するLB2を含んでいる。
更にLB3とLB4はポリゴンミラー5の回転軸12に対して垂直に入射する。このようにすると、LB1とLB2の斜入射角を最も小さくすることが可能となり、被走査面上に発生する走査線曲がりの発生量を最小に抑えることができる。
なお、LB1〜LB4は、光軸Axに対して、主走査断面内で角度θを有している。本実施例では、LB1〜LB4は全て同じ角度θを有しているとしているが、勿論これらの角度がθ1≠θ2≠θ3≠θ4のようにすべて互いに異ならせても構わない。
同図において符号Gはゴースト光、Pは透過部材に対する光束の入射点をそれぞれ示す。
副走査方向の入射角βについて、図3により説明する。ポリゴンミラー5のそれぞれの偏向反射面の光束入射点Pにおいて光軸に直交する平面31を考えると、この平面31に対して一定の角度−βをなして光ビームLB1、+βをなしてLB2が偏向反射面に入射する。光ビームLB1、LB2は図1の半導体レーザ1a、1bから放射され各々の光ビームを平行光束とするコリメータレンズ2a、2b、アパーチャ3a、3b、および副走査方向にのみパワーを有するシリンドリカルレンズ4a、4bを介してポリゴンミラー5に入射される。
ポリゴンミラー5を反射された光ビームは、走査光学系をなす第1レンズ6、および第2レンズ7を介して被走査面8に光スポットを形成する。
図3(a)で明らかなように、非平行とした場合には、光ビームLB1の透過部材14における反射光は被走査面に向かうことがないが、LB2の透過部材14における反射光は被走査面に向かいゴースト画像を形成してしまう。透過部材14の傾きの方向を変えれば、その事情はLB1とLB2で交代するにすぎない。
また、このような配置にすると、走査線曲がりが片方で必ず増長されることになり、どちらかの光ビームで形成された画像は不可避的に劣化する。
したがって、LB1とLB2の走査線曲がりを防止するには、副走査断面内において、ポリゴンミラー5の回転軸12に対して、透過部材14は平行であることが好ましいことが理解できる。
しかし、図3(b)に示すように、平行とした場合には、LB1もLB2もゴースト画像を形成する反射光が発生することになる。
同図において符号θは走査光学系に対する光束の入射角度、αは透過部材の法線Nと光軸Axとのなす角、δxは透過部材に対する光束入射点から走査光学系の第1レンズまでの距離、δyは光軸Axから透過部材に対する光束入射点P迄の距離、Lは第1レンズの主走査断面における中心から片側の有効長さをそれぞれ示す。
上記したような反射光を被走査面に到達させないために、透過部材の法線が主走査断面内において、光軸Axに対しαだけ傾くように配置する。より具体的には、ポリゴンミラー5に最も近い第1レンズ6の外形中心(有効範囲の中心)位置に対して、ポリゴンミラー5に入射する光ビームが透過部材14を通過する位置をδx、δyとし、第1レンズ6の外形中心から有効端部までの距離をLとしたとき、
(L+δy)/δx≦tan(θ−2α)・・・・(1)
を満足するように、透過部材14を配備する。このとき、光ビームLB1、LB2の透過部材14における反射光は、第1レンズ6を通過することがないので、これら反射光が被走査面に到達しゴースト画像を形成することが防止できる。
本発明の光走査装置は斜入射光学系を採用している。従来の水平入射に対し副走査方向に斜入射させる方式では、被走査面に形成された走査線の曲がりが大きくなるという問題がある。この走査線曲がり発生量は、各光ビームの副走査方向の斜入射角により異なり、各々の光ビームで形成された潜像を各色のトナーにより重ね合わせ可視化した際に、色ずれとなって現れてしまう。また、斜入射することにより、光束が走査レンズにねじれて入射することで、波面収差も増大し、特に周辺の像高で光学性能が著しく劣化し、ビームスポット径が太ってしまい、高画質化を妨げる要因となる。
本発明においては、特殊チルト偏芯面を採用し、波面収差及び走査線曲がりを補正している。走査線曲がりや波面収差の補正は、レンズ面を副走査方向にチルト偏芯させることで補正可能である。像高間での副走査方向の走査位置、および劣化した波面収差量のバランスを取ることにより、各像高での走査位置や波面収差を補正し、被走査面上での走査線曲がりや波面収差の劣化によるビームスポット径の太りを良好に補正している。
特殊チルト偏芯面とは、レンズ長手方向(主走査方向)のレンズ高さに応じてレンズ短手方向(副走査方向)の偏芯角度(チルト量)が異なる特殊面である。
特殊チルト偏芯面のチルト量(偏芯角度)とは、レンズの光軸に直交する面に対する短手方向の傾き角を言う。チルト量が0であるときには光軸に対し直交する面となる。
特殊チルト偏芯面は、被走査面上における「走査線曲がりと波面収差」を補正するように形成される。
レンズ面の面形状は、以下の形状式による。ただし、この発明の内容は以下の形状式に限定されるものではなく、同一の面形状を別の形状式を用いて特定することも可能である。
Cm=1/RY、Cs(Y)=1/RZ
光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径をRY、光軸から主走査方向の距離をY、高次係数をA、B、C、D、…とし、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRZとする。
(F0+F1・Y+F2・Y2+F3・Y3+F4・Y4+・・・・)・Z
は、チルト量を表す部分であり、チルト量を持たないとき、F0、F1、F2、…は全て0である。
F1、F2、…が0で無いとき、チルト量は主走査方向に変化することになる。
後で説明する複数の光源からの光ビームで共用される走査レンズにおいては、ポリゴンミラーの偏向反射面の法線に対して副走査方向に角度を持つ光ビームの通過位置は、レンズの短手方向(副走査方向)中心より副走査方向に距離を隔てた位置を通過する。このときの面形状は、像高0に向かう光ビームが特殊チルト偏芯面を通過する位置を含み、偏向反射面の法線に平行な線を、前記式の説明で用いた光軸とする。
同図においてY方向は主走査方向、Z方向は副走査方向を示している。特殊チルト面の形状をわかりやすくするため、主走査方向の中心線の形状は直線とし、チルト量も実際より誇張している。主走査方向の位置により、副走査方向の面の傾きが変化している。
また、特殊チルト偏芯面の副走査方向の面形状は、曲率を持たない平面形状(直線の集合体)とすることで、色ずれを低減することができる。
主走査方向に異なる副走査方向の曲率を持つトーリック面の場合に前記母線を湾曲させると、副走査方向の高さ毎に主走査方向の形状が大きく変化し、温度変動、光学素子の組み付け誤差により副走査方向に光ビームの入射位置がずれると倍率誤差変動が大きく発生し、カラー機においては、各色間でのビームスポット位置がずれ、色ずれが発生してしまう。
しかし、本発明の如く特殊チルト偏芯面の副走査方向の面形状は、曲率を持たない平面形状とすることで、副走査方向の高さ毎に主走査方向の形状誤差を小さくでき、副走査方向に光ビームの入射位置がずれた場合の倍率誤差変動を小さくすることができ、色ずれの発生を抑えることができる。
更に、副走査方向の像面湾曲を良好に補正するために、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面を、走査光学系に少なくとも1面含むことが望ましい。
前記、特殊チルト偏芯面は曲率を持たない面であり、副走査方向に集光する作用を持たない。そこで、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面(以下特殊トロイダル面という)を用いることで、特殊チルト偏芯面を、波面収差補正、走査線曲がり補正のために複数面用いた場合においても、レンズ枚数を増加させることなく、効率的に各像高における像面湾曲を補正可能となる。
Cm=1/RY、
Cs(Y)=1/RZ+a・Y+b・Y2+c・Y3+d・Y4+e・Y5+f・Y6+・・・・
光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径をRY、光軸から主走査方向の距離をY、高次係数をA、B、C、D…とし、主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径をRZとする。
走査レンズ入射面の主走査方向の形状が、ポリゴンミラーにおける光ビームの反射点を中心とする円弧形状でない限り、像高によりポリゴンミラーの偏向反射面から走査レンズ入射面までの距離は異なる。通常、走査レンズを円弧形状にすることは、光学性能を維持する上で困難である。つまり、通常の光ビームは、ポリゴンミラーにより偏向走査され、各像高にて主走査断面において、レンズ面に対し垂直入射することはなく、主走査方向にある入射角を持って入射する。
同図において横軸は主走査方向の位置、縦軸はスポット径をそれぞれ示す。
ポリゴンミラーにより偏向反射された光ビームは、主走査方向にある幅を持っており、光ビームの主走査方向の両端では、ポリゴンミラーの偏向反射面から走査レンズ入射面までの距離が異なり、副走査方向に角度を持っている(斜入射されているため)ことにより、走査レンズにねじれた状態で入射することになる。この結果、波面収差が著しく劣化し、ビームスポット径が太る。図5で示したように、主走査方向の入射角は、周辺像高に行くほどきつくなり、光束のねじれは大きくなり、図6に示すように、周辺に行くほど波面収差の劣化によるビームスポット径の太りは大きくなる。
そこで、本発明の特殊チルト偏芯面において、光軸から主走査方向に離れるに従い、偏心量が増加する面形状とすることが望ましい。光軸近傍、つまり中央像高付近における光ビームは、レンズ面にほぼ垂直に入射するため、光ビームが副走査方向に角度を持つことによる波面収差の劣化は小さい。このことは同図の波面収差補正前のビームスポット径においても明らかである。光軸から主走査方向に離れるに従い偏心量を増加させ、光ビームのねじれによる波面収差劣化を補正させることで、良好な光学性能、ビームスポット径を得ることができる。
また、波面収差の劣化は、特に副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへの入射時に、光束がねじれることにより大きく発生する。
同図において符号L1は第1レンズ、L2は第2レンズをそれぞれ示す。
同図に示す光線は、カップリングレンズ通過後に配置されているアパーチャの副走査方向中心、主走査方向両端の2本の光線である。また、副走査方向に強い屈折力を持つレンズは、図中L2であり、L1は、副走査方向にほぼ屈折力を持たない。
同図において「仮想面」として示したのは、本来は斜めに抜けていく光線であるところを、走査レンズL2における光線座標を評価しやすいように、便宜的に挿入しているものであり、実際の実施形態では存在しないものである。
同図から明らかなように、ポリゴンミラーで反射された各光ビームは、走査レンズに副走査方向の高さを異ならせて入射する。中心像高においては、走査レンズにほぼ垂直に入射するため、各光ビームは副走査方向に高さを異ならせることなく走査レンズに入射している。このため、波面は劣化せず良好なビームスポット径を保つことができる。一方、周辺像高(ここでは、被走査面上の+150mmの位置に到達する光束)では、ポリゴンミラーから走査レンズまでの光路長の違いにより、副走査方向に入射高さが異なっている。
このため、被走査面上では各光ビームは一点に集まらず、つまり波面収差が劣化している状態になり、ビームスポット径が劣化している。
また、被走査面上で像高0に向かう光束と、像高+150mmに向かう光束が副走査方向で一致していない。これは、走査線曲がりを意味し、副走査方向に強い屈折力を持つL2までの光路長の差により、周辺像高に向かう光束が中心像高に向かう光束に対し、副走査方向に強い屈折力を持つL2の光軸上より副走査方向に高さを持って入射していることにより発生している。また、ポリゴンミラーのサグにより、反射点が副走査方向にずれていることも影響している。
波面収差の補正のためには、前記副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへの入射高さを補正し、被走査面上で一点に集光するようにする必要がある。このため、波面収差の補正を行うために用いる特殊チルト偏芯面は、副走査方向に最も強い屈折力を持つ走査レンズより、ポリゴンミラー側のレンズに設けることが望ましい。
L1の第2面に特殊チルト偏芯面を採用し波面収差の補正を行っている。L2への入射高さを高くし、光束内の主走査方向両端の光ビームについても、周辺に行くほど副走査方向に強い屈折力を持つL2への副走査方向の入射高さを高くしている。
通常、走査レンズはポリゴンミラーの偏向反射点を中心として主走査方向で同心円上になるようにレンズ面を形成することは、所望の光学性能を確保するためには難しい。
このため、ポリゴンミラーにて偏向反射された光ビームは、周辺に行くほどポリゴンミラーの偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持つ方向に高く、走査レンズに入射する。つまり、図7の光路図で示したように、偏向反射面にて光ビームが跳ね上げられた場合、走査レンズの入射面では、周辺像高に行くほど走査レンズの上部(L2で像高0の光ビーム通過位置を光軸としたとき、+150mm像高では副走査方向の高さでプラス側)を光ビームが通過する。
特殊チルト偏芯面で波面収差を補正する場合、L2への入射高さを高くし、光束内の主走査方向両端の光ビームについても、周辺に行くほど副走査方向に強い屈折力を持つL2への副走査方向の入射高さを高くすることで補正可能となる。つまり、最も副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズよりポリゴンミラー側の走査レンズに、ポリゴンミラーの偏向反射面の法線に対し副走査方向に角度を持つ光ビームに対し、周辺に向かい、より前記法線に対する角度を大きくするように特殊チルト面を形成し、副走査方向に強い屈折力を持つ走査レンズへの副走査方向の入射位置を調整することで、波面収差の劣化を補正可能となる。
同図において符号15は給紙カセット、16は搬送ベルト、17は帯電チャージャ、18は走査光学系、19は現像装置、20は転写チャージャ、21はクリーニング装置、22はレジストローラ、23はベルト帯電チャージャ、24はベルト分離チャージャ、25は除電チャージャ、26はクリーニング装置、27は定着装置、28は排紙トレイ、29は排紙ローラをそれぞれ示している。
最後に、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、タンデム型フルカラーレーザプリンタへの適用例である
装置内の下部側には水平方向に配設されて給紙カセット15から給紙される転写紙(図示せず)を搬送する搬送ベルト16が設けられている。この搬送ベルト16上にはブラックK用の感光体8Bk、シアンC用の感光体8C、マゼンタM用の感光体8M、およびイエローY用の感光体8Yが上流側から順に等間隔で配設されている。なお、以下の符号は、各色に対応させて添字Bk、C、M、Yを適宜付けて区別するものとする。
これらの感光体8Bk、8C、8M、8Yは全て同一径に形成されたもので、その周囲には、電子写真プロセスに従いプロセス部材が順に配設されている。感光体8Yを例に採れば、帯電チャージャ17Y、走査光学系18からのビームLY、現像装置19Y、転写チャージャ20Y、クリーニング装置21Y等が順に配設されている。他の感光体8M、8C、8Kに対しても同様である。
このような概略構成において、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、各感光体8Bk、8C、8M、8Yに対してBk、C、M、Y用の各色の画像信号に基づき各々の走査光学系18による光ビームの光走査で静電潜像が形成される。これらの静電潜像は各々の対応する色トナーで現像されてトナー像となり、搬送ベルト16上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に順次転写されることにより重ね合わせられ、フルカラー画像として定着された後、排紙される。
前記画像形成装置の走査光学系18を配備した光走査装置を、本発明の光走査装置とすることで、ゴースト像のない高品位な画像再現性が確保できる画像形成装置を実現することができる。
5 ポリゴンミラー
6 第1レンズ
7 第2レンズ
8 被走査面
14 透過部材
Claims (11)
- 複数の光ビームを偏向する光偏向器と、該光偏向器によって偏向された光ビームが走査される被走査面と、該被走査面と前記光偏向器の間に設けられ前記被走査面上に光ビームを結像させる走査光学系と、該走査光学系と前記光偏向器の間に前記光ビームが透過する平行平板の透過部材とを有し、前記複数の光ビームは前記光偏向器の回転軸に垂直な面に対して相異なる方向から所定の角度を以て前記光偏向器に入射する光ビームを含む光走査装置において、前記透過部材の面における法線は、前記走査光学系の光軸と非平行となるよう配置されていることを特徴とする光走査装置。
- 複数の光ビームを偏向する光偏向器と、該光偏向器によって偏向された光ビームが走査される被走査面と、該被走査面と前記光偏向器の間に設けられ前記被走査面上に光ビームを結像させる走査光学系と、該走査光学系と前記光偏向器の間に前記光ビームが透過する平行平板の透過部材とを有し、前記複数の光ビームは前記光偏向器の回転軸に垂直な面に対して相異なる方向から所定の角度を以て前記光偏向器に入射する光ビームを含む光走査装置において、前記透過部材の面における法線の前記回転軸に垂直な面に対する射影が前記走査光学系の光軸となす角度をα、前記光偏向器に入射する光ビームの前記回転軸に垂直な面に対する射影が前記光軸となす角度をθ、前記光ビームが前記透過部材に到達する位置を点Pとし、前記走査光学系を構成する光学素子の内、前記光偏向器に最も近い光学素子の外形中心位置を点Oとするとき、点Pから点Oまでの光軸方向の距離をδx、光軸と直交する方向の距離をδy、点Oから前記光学素子の有効外形端部までの距離をLとして、
(L+δy)/δx≦tan(θ−2α)
を満足するように、該透過部材が配備されていることを特徴とする光走査装置。 - 請求項1または2に記載の光走査装置において、前記透過部材の面は、前記光偏向器の回転軸に平行となるよう配置されていることを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記走査光学系は複数の光学素子からなり、前記複数の光ビームのうち前記光偏向器の同一偏向反射面で反射された光ビームは、前記走査光学系を構成する光学素子のうち前記光偏向器に最も近い光学素子を共有することを特徴とする光走査装置。
- 請求項4に記載の光走査装置において、前記同一偏向反射面で反射される複数の光ビームは、前記光偏向器の回転軸に垂直な面に対して平行に入射する光ビームを含むことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記走査光学系は、副走査方向に曲率を持たず、且つ像高に応じて副走査方向のチルト偏芯角度が異なる特殊チルト偏芯面を、少なくとも1面含むことを特徴とする光走査装置。
- 請求項6に記載の光走査装置において、前記特殊チルト偏芯面の少なくとも1面は、光軸から主走査方向に離れるに従い、偏心量が増加することを特徴とする光走査装置。
- 請求項6または7に記載の光走査装置において、前記特殊チルト偏芯面は、光軸上の偏心量がゼロであることを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし8のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記走査光学系は、像高に応じて副走査方向の曲率が変化する面を少なくとも1面含むことを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の光走査装置において、前記走査光学系は、前記回転軸を含み前記光軸に直交する面に関してほぼ対称に光学素子が配置されている対向走査方式であることを特徴とする光走査装置。
- 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の光走査装置を搭載したことを特徴とするカラー画像形成装置。
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