JP5499258B1 - 走査光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】副走査方向の幅が十分に小さく、かつ、装置の副走査方向の幅を十分に小さくすることのできる走査レンズを提供する。
【解決手段】本発明による走査レンズは、走査光学系に使用される走査レンズであって、走査光学系に配置された状態の主走査断面の入射面の形状は、主走査方向の中心部で凸、主走査方向の端部で凹であり、主走査断面の出射面の形状は、主走査方向の中心部で凹、主走査方向の端部で凸であり、副走査断面の形状は、入射面が凹、出射面が凸のメニスカス形状である。副走査断面において、該走査光学系の回転多面鏡の反射点から回転軸に垂直な方向に延伸した軸を水平基準軸として、入射面の主光線通過位置における法線が該水平基準軸となす角度をθnsとして、θnsは、主走査方向の全領域において該法線が被走査面側において該水平基準軸と交差するように定められている。
【選択図】図12

Description

本発明は、走査光学系に関する。

プリンターなどの走査光学系においては、光源によって発生させた光束を回転多面鏡からなる光偏向器により偏向させ、このようにして偏向させた光束を結像光学系によって被走査面上に集光させ、被走査面上を走査させる。
このような走査光学系の中で、一つの光偏向器によって複数の光束を偏光させるタイプが使用されている(たとえば、特許文献1)。このタイプでは、いわゆる副走査方向に複数の光束を配置するので、装置をコンパクトにするために走査光学系の副走査方向の幅を小さくするのが好ましい。
しかし、副走査方向の幅が十分に小さく、かつ、装置の副走査方向の幅を十分に小さくすることのできる走査レンズ及び走査光学系は開発されていない。
また、走査レンズを射出成形によって製造する際に、金型のズレなどに起因して入射面と出射面との間に副走査方向の位置ズレが生じる場合がある。このような位置ズレは被走査面における意図しない走査線の曲りを生じ、色ズレの原因となることが知られている。
しかし、入射面と出射面との間に副走査方向の位置ズレを考慮し、位置ズレが生じた場合の走査線の曲りを小さくするように設計された走査レンズ及び走査光学系は開発されていない。
特許4944432号公報(特開2007−155838号公報)
したがって、副走査方向の幅が十分に小さく、かつ、装置の副走査方向の幅を十分に小さくすることのできる走査レンズ及び走査光学系に対するニーズがある。また、入射面と出射面との間に副走査方向の位置ズレを考慮し、位置ズレが生じた場合の走査線の曲りを小さくするように設計された走査レンズ及び走査光学系に対するニーズがある。
本発明の第1の態様による走査レンズは、走査光学系に使用される走査レンズであって、走査光学系に配置された状態の主走査断面の入射面の形状は、主走査方向の中心部で凸、主走査方向の端部で凹であり、主走査断面の出射面の形状は、主走査方向の中心部で凹、主走査方向の端部で凸であり、副走査断面の形状は、入射面が凹、出射面が凸のメニスカス形状であり、副走査断面において、該走査光学系の回転多面鏡の反射点から回転軸に垂直な方向に延伸した軸を水平基準軸として、入射面の主光線通過位置における法線が該水平基準軸となす角度をθnsとして、θnsは、主走査方向の全領域において該法線が被走査面側において該水平基準軸と交差するように定められている。
本態様によれば、副走査断面において、該走査光学系の回転多面鏡の反射点から回転軸に垂直な方向に延伸した軸を水平基準軸として、入射面の主光線通過位置における法線が該水平基準軸となす角度をθnsとして、θnsは、主走査方向の全領域において該法線が被走査面側において該水平基準軸と交差するように定められているので、像高端部へ向かう主光線を水平基準軸に近づけることができる。したがって、走査レンズの副走査方向のサイズを小さくすることができる。また、走査レンズを含むレーザスキャンユニットの副走査方向の幅を小さくすることができる。
本発明の第1の態様の第1の実施形態によれば、主走査方向の中心部におけるθnsの絶対値が、主走査方向の端部におけるθnsの絶対値よりも大きい。
本実施形態によれば、入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合のθnsの変化量が小さく、その結果走査線曲り量が小さく、上記の位置ずれによる影響を受けにくい。
本発明の第1の態様の第2の実施形態によれば、入射面において副走査方向の異なる位置に入射する2以上の走査光線を処理するように構成されている。
本実施形態によれば、レーザスキャンユニットの副走査方向の幅を小さくできるとともに、レーザスキャンユニットに必要とされるレンズ枚数を削減でき、組立工数も削減できる。
本発明の第2の態様による走査光学系は、本発明の第1の態様による走査レンズを含む走査光学系である。
本態様によれば、走査レンズのサイズは小さく、副走査方向倍率も小さい光学系とすることができる。また、レーザスキャンユニットの副走査方向の幅を小さくすることができる。
本発明の第2の態様の第1の実施形態によれば、主走査断面において、前記走査レンズに収束光束が入射するように構成されている。
このような構成により、走査レンズの主走査断面において、中心厚を小さくし、厚さのばらつきを小さくすることができる。
走査光学系の主走査断面を示す図である。 走査光学系の副走査断面を示す図である。 副斜入射のタンデム方式のカラー用走査光学系の副走査断面を示す図である。 副走査断面において、入射面の主光線通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsを説明するための図である。 像高中心へ向かう光線と像高端部へ向かう光線とを説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態の走査レンズの副走査断面において、入射面の像高中心へ向かう主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsC及び入射面の像高端部へ向かう主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsEを説明するための図である。 従来技術の走査レンズの副走査断面において、入射面の像高中心へ向かう主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsC’及び入射面の像高端部へ向かう主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsE’を説明するための図である。 本実施形態の走査レンズ及び従来技術の走査レンズの副走査断面において、像高端部へ向かう光線を示す図である。 副走査断面において、入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合に、入射面の主光線通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsの変化を説明するための図である。 走査レンズの副走査方向断面において、2つの隣接する走査レンズ間を接合し一体化した様子を示す。 図10に示した走査レンズについて、主走査方向の位置とθnsとの関係を示す図である。 実施例1A及び実施例1Bの走査光学系を示す図である。 実施例1Aと実施例1Bの像高と像面湾曲との関係を示す図である。 実施例1Aと実施例1Bの像高と像高ズレ量との関係を示す図である。 実施例1Aと実施例1Bの像高と副走査方向の結像位置(副走査結像位置)との関係を示す図である。 実施例1Aと実施例1Bの像高と副走査方向の倍率(副倍率)との関係を示す図である。 実施例1A及び実施例1Bの走査レンズにおいて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す図である。 実施例1A及び実施例1Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合のθnsの変化量を示す図である。 実施例1A及び実施例1Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合の副走査方向の結像位置(副走査結像位置)を示す図である。 実施例2A及び実施例2Bの走査光学系を示す図である。 実施例2Aと実施例2Bの像高と像面湾曲との関係を示す図である。 実施例2Aと実施例2Bの像高と像高ズレ量との関係を示す図である。 実施例2Aと実施例2Bの像高と副走査方向の結像位置(副走査結像位置)との関係を示す図である。 実施例2Aと実施例2Bの像高と副走査方向の倍率(副倍率)との関係を示す図である。 実施例2A及び実施例2Bの走査レンズにおいて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す図である。 実施例2A及び実施例2Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合のθnsの変化量を示す図である。 実施例2A及び実施例2Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合の副走査方向の結像位置(副走査結像位置)を示す図である。 実施例3A及び実施例3Bの走査光学系を示す図である。 実施例3Aと実施例3Bの像高と像面湾曲との関係を示す図である。 実施例3Aと実施例3Bの像高と像高ズレ量との関係を示す図である。 実施例3Aと実施例3Bの像高と副走査方向の結像位置(副走査結像位置)との関係を示す図である。 実施例3Aと実施例3Bの像高と副走査方向の倍率(副倍率)との関係を示す図である。 実施例3A及び実施例3Bの走査レンズにおいて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す図である。 実施例3A及び実施例3Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合のθnsの変化量を示す図である。 実施例3A及び実施例3Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合の副走査方向の結像位置(副走査結像位置)を示す図である。 従来技術の走査レンズについて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す図である。 入射面及び出射面の面定義中心を説明するための、副走査断面を示す図である。
本明細書及び特許請求の範囲において、主走査方向とは回転多面鏡(偏向手段)の回転軸及び結像光学系の光軸に垂直な方向(回転多面鏡で光束が偏向走査される方向)である。副走査方向とは回転多面鏡の回転軸に平行な方向である。また、主走査断面とは、回転多面鏡における光束の反射点を含み、回転軸に垂直な面である。また、副走査断面とは、主走査断面に垂直な面のうち、その面内において反射点から被走査面までの光束の経路が最小となる面である。換言すれば、副走査断面は、主走査断面に垂直な面のうち、入射面及び出射面の面定義中心を含む面である。面定義中心については後で説明する。
図1は、走査光学系の主走査断面を示す図である。半導体レーザ光源201から放出された光は、コリメートレンズ203によって収束光もしくは平行光に変換され、絞り205およびシリンドリカルレンズ207を通過し、回転多面鏡(ポリゴンミラー)209で反射された後、走査レンズ100を経て、被走査面213上に集光される。
図2は、走査光学系の副走査断面を示す図である。図2において、半導体レーザ光源201、コリメートレンズ203、シリンドリカルレンズ207は、入射光学系SAを形成する。また、走査レンズ100は結像光学系SBを形成する。
図2(a)は光束がポリゴンミラーに対して副走査方向(回転軸に平行な方向)に垂直に入射するタイプである(副垂直入射)。ポリゴンミラーでの反射時に走査線曲りは発生しない。図2(b)は光束がポリゴンミラーに対して副走査方向に所定の角度θで入射するタイプである(副斜入射)。
ここで、副走査断面において、ポリゴンミラー上で光線が反射する位置からポリゴンミラーの回転軸と垂直な方向に延伸する軸を水平基準軸と呼称する。
タンデム方式のカラー用走査光学系において副斜入射させることは一般的である。このような走査光学系においては、ポリゴンミラーでの反射時に走査線曲りが発生する。カラー光学系において、走査線曲りは色ズレの原因となる。そこで、このような走査光学系において走査レンズによる補正が必要となる。
図3は副斜入射のタンデム方式のカラー用走査光学系の副走査断面を示す図である。各光線が、走査レンズ100と折り返しミラー211を経て各々対応した感光体上(被走査面)213で結像する。走査レンズ及び折り返しミラー等の素子を含んだ走査光学系を納めたユニット300をレーザースキャナユニット(LSU)と呼称する。LSUをコンパクトにするためには、副走査方向の厚さが小さなレンズが好ましい。
ここで、本発明の一実施形態の走査レンズの形状について、該実施形態の主走査断面を示す図12(a1)及び副走査断面を示す図12(a2)を使用して説明する。
図12(a1)に示すように、走査レンズ1001Aの主走査断面の入射面の形状は、主走査方向の中心部で凸、主走査方向の端部で凹であり、主走査断面の出射面の形状は、主走査方向の中心部で凹、主走査方向の端部で凸である。上記の形状により、主走査断面において、中心厚が小さく、厚さのばらつきが小さな走査レンズが得られる。
図12(a2)に示すように、走査レンズ1001Aの副走査断面の形状は、入射面が凹、出射面が凸のメニスカス形状である。上記形状により、レンズ主点位置を被走査面213側に近づけることが可能になる。一般的に、レンズサイズを小さくするためレンズをポリゴンミラー209側へ近づけると、主点がポリゴンミラー209側へ近づき副走査方向倍率が増加する。上記形状で主点位置を被走査面に近づけると、レンズサイズは小さく、副走査方向倍率も小さい光学系とすることができる。
結像光学系の副走査方向の倍率をmとして、
1<|m|<2.5
である。
図4は、副走査断面において、入射面の主光線通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsを説明するための図である。図4において、入射面の主光線通過位置における法線をNで表し、水平基準軸をLで表す。
図5は、像高中心へ向かう光線と像高端部へ向かう光線とを説明するための斜視図である。図5において、像高中心(被走査面213における主走査方向の中心)へ向かう光線をAで表し、像高端部(被走査面213における主走査方向の端部)へ向かう光線をBで表す。図5において、X軸及びY軸を、それぞれ副走査方向及び主走査方向に定める。
図5において、主走査断面をHで示し、副走査断面をVで示す。
図6は、本発明の一実施形態の走査レンズの副走査断面において、入射面の像高中心へ向かう主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsC及び入射面の像高端部へ向かう主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsEを説明するための図である。図6において、実線で表した像高中心へ向かう主光線は、入射面101C及び出射面103Cを通過する。実線で表した像高中心へ向かう主光線は、副走査断面に含まれる。点線で表した像高端部へ向かう主光線は、入射面101E及び出射面103Eを通過する。点線で表した像高端部へ向かう主光線は、実際には副走査断面に含まれない。図6に示した入射面101E、出射面103E及び点線は、光線が通過する位置における入射面及び出射面の、副走査断面に平行な断面、及び像高端部へ向かう主光線を副走査断面に投影したものである。入射面の像高中心へ向かう主光線の通過位置における法線NC、及び入射面の像高端部へ向かう主光線の通過位置における法線NEを点線で表す。また、水平基準軸をLで表す。図6において、法線と水平基準軸がなす角度について、反時計回りを正とすると、本発明の一実施形態の走査レンズにおいて、角度θnsC及び角度θnsEはともに正であり、主走査方向の位置にかかわらず法線と水平基準軸がなす角度の符号は正であり変わらない。また、法線NC及びNEは、走査レンズの被走査面側で水平基準軸と交わる。
以下において、光線の経路が副走査断面に含まれない場合に、主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度は、光線及び法線をそれぞれ副走査断面に投影したものについてのものである。
図17は、本発明の一実施形態の走査レンズについて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す図である。図17によれば、主走査方向の位置にかかわらず法線と水平基準軸がなす角度θnsの符号は正であり変わらない。
図7は、従来技術の走査レンズの副走査断面において、入射面の像高中心へ向かう主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsC’及び入射面の像高端部へ向かう主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsE’を説明するための図である。図7において、実線で表した像高中心へ向かう主光線は、入射面101C’及び出射面103C’を通過する。実線で表した像高中心へ向かう主光線は、副走査断面に含まれる。点線で表した像高端部へ向かう主光線は、入射面101E’及び出射面103E’を通過する。点線で表した像高端部へ向かう主光線は、実際には副走査断面に含まれない。図7に示した入射面101E’、出射面103E’及び点線は、光線が通過する位置における入射面及び出射面の、副走査断面に平行な断面、及び像高端部へ向かう主光線を副走査断面に投影したものである。入射面の像高中心へ向かう主光線の通過位置における法線をNC’で表し、入射面の像高端部へ向かう主光線の通過位置における法線をNE’で表す。また、水平基準軸をLで表す。図7において、法線と水平基準軸がなす角度について、反時計回りを正とすると、従来技術の走査レンズにおいて、角度θnsC’は正であるが、角度θnsE’は負である。また、法線NC’ は、被走査面側で水平基準軸と交わるが、法線NE’は、被走査面側で水平基準軸と交わらない。
図36は、従来技術(特許文献1の実施例2)の走査レンズについて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す図である。図36によれば、主走査方向の中心部においてθnsは正であるが、主走査方向の端部においてθnsは負である。したがって、主走査方向の位置によってθnsの符号が変化する。
図8は、本実施形態の走査レンズ及び従来技術の走査レンズの副走査断面において、像高端部へ向かう光線を示す図である。図8(a)は、本実施形態の走査レンズの走査レンズの副走査断面において、像高端部へ向かう光線を示す図であり、図8(b)は、従来技術の走査レンズの副走査断面において、像高端部へ向かう光線を示す図である。像高端部へ向かう光線は、実際には副走査断面に含まれない。図8(a)及び図8(b)に示した入射面、出射面及び光線は、光線が通過する位置における入射面及び出射面の、副走査断面に平行な断面、及び像高端部へ向かう主光線を副走査断面に投影したものである。図6に示した本実施形態の形状は、図7に示した従来技術の形状と比較して、像高端部へ向かう主光線を水平基準軸に近づける。すなわち、本実施形態の走査レンズの出射面103Eにおける最外光線通過点の水平基準軸Lからの距離xaは、従来技術の走査レンズの出射面103E’における最外光線通過点の水平基準軸Lからの距離xbよりも小さい。したがって、本実施形態によれば走査レンズの副走査方向のサイズを小さくすることができる。また、走査レンズを含むLSUの副走査方向の幅を小さくすることができる。
図9は、副走査断面において、入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合に、入射面の主光線通過位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsの変化を説明するための図である。
走査レンズはプラスチック射出成形により製造される。成形用金型は入射面側の光学面と出射面側の光学面に対応する鏡面駒を有する。レンズ成形の際の金型開閉時やメンテナンスによる金型再組み立て時に鏡面駒の位置ズレが生じる場合がある。この鏡面駒の位置ズレは成形された走査レンズに影響し、入射面側光学面と出射面側光学面の軸が偏芯する原因となる。副走査方向の位置ズレ(以下において、面間偏芯とも呼称する)が発生すると、主光線通過位置における走査レンズのθnsは設計値から外れ、屈折方向が変わるため、被走査面上の副走査方向の結像位置にズレが生じる。このθnsの変化量は走査レンズの主走査方向の位置によって異なるため、走査線曲り発生の要因となる。
図9(a)は、位置ズレがない場合の主光線の経路を示す図である。図9(b)は、位置ズレが生じた場合の主光線の経路を示す図である。図9(b)において、主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度は、位置ズレがない場合のθnsからθns’へ変化している。この結果、主光線の経路は、点線で示した位置ズレがない場合の位置から、実線で示した位置へ変化している。
面間偏芯が生じた場合に被走査面上の副走査方向の結像位置のズレを小さくするには、面間偏芯が生じた場合の、主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度の変化が小さい走査レンズの形状が好ましい。
図10は、走査レンズの副走査方向断面において、2つの隣接する走査レンズ間を接合し一体化した様子を示す。2つの走査レンズを副走査方向に接合し一体化すれば、LSUの副走査方向の幅を小さくできるとともに、LSUに必要とされるレンズ枚数を4枚から2枚へ削減でき、組立工数も削減できる。2つの走査レンズの副走査断面における形状は水平基準軸に関して対称である。
図11は、図10に示した走査レンズについて、主走査方向の位置とθnsとの関係を示す図である。図11の横軸は主走査方向の位置を示し、図11の縦軸はθnsの大きさを示す。図11において、下側の走査レンズのθnsは、横軸の全領域にわたり正であり、上側の走査レンズのθnsは、横軸の全領域にわたり負である。また、2つの走査レンズの副走査断面における形状は水平基準軸に関して対称であるので、主走査方向の任意の位置における上側の走査レンズのθnsの絶対値と下側の走査レンズのθnsの絶対値とは等しい。図11において、Cは走査レンズの主走査方向の中心部を示し、E1及びE2は走査レンズの主走査方向の端部を示す。
以下において、本発明の走査レンズの実施例について説明する。走査レンズの面形状は、以下の式で表される。
Figure 0005499258
ここで
Figure 0005499258
y:主走査方向座標
x:副走査方向座標
z:サグ
r:半径
k:コーニック係数
R:曲率半径
Aij:係数
全ての実施例の走査レンズの材料は、ポリシクロオレフィン系樹脂であり、屈折率は1.504である。
実施例1A及び実施例1B
実施例1Aと実施例1Bとは、入射面の主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度は異なるが、光学配置及び他の光学性能はほぼ同等となるように設計した。
図12は、実施例1A及び実施例1Bの走査光学系を示す図である。図12(a−1)及び図12(b−1)は、実施例1A及び実施例1Bの走査光学系の主走査断面を示す図である。図12(a−2)及び図12(b−2)は、実施例1A及び実施例1Bの走査光学系の副走査断面を示す図である。
波長785nmの半導体レーザ光源から放射された光束は、コリメートレンズ、絞り、シリンドリカルレンズを通過した後、副走査断面において副走査方向に所定の角度(入射角)を持ってポリゴンミラー209へ入射し、偏向された光束は走査レンズ1001Aまたは1001Bを通過し、被走査面213に集光する。主走査断面において、走査レンズ1001Aまたは1001Bに収束光束が入射するように構成されている。このような構成により、走査レンズ1001Aまたは1001Bの主走査断面において、中心厚を小さくし、厚さのばらつきを小さくすることができる。
表1は、実施例1A及び実施例1Bの走査光学系の光学配置及び光学素子の諸元を示す表である。表1において、偏向基準点とはポリゴンミラーにおける光束の反射点である。
Figure 0005499258
表2は、実施例1Aの走査レンズの面形状を表す係数を示す表である。
Figure 0005499258
表3は、実施例1Bの走査レンズの面形状を表す係数を示す表である。
Figure 0005499258
実施例1Aと実施例1Bの走査レンズの入射面及び出射面の面定義中心は、水平基準軸から副走査方向に2.8mmの位置に存在する。ここで、面定義中心とは、式(1)の座標の原点である。
図37は入射面及び出射面の面定義中心を説明するための、副走査断面を示す図である。入射面の面定義中心は、I1及びI2で表され、出射面の面定義中心はE1及びE2で表される。4個の面定義中心は、水平基準軸から2.8ミリメータの距離に位置する。また、走査レンズの芯厚は、入射面の面定義中心と出射面の面定義中心との間の距離である。
図13は、実施例1Aと実施例1Bの像高と像面湾曲との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は像面湾曲を示す。図において「主」及び「副」はそれぞれ主走査方向及び副走査方向の像面湾曲を示す。
図14は、実施例1Aと実施例1Bの像高と像高ズレ量との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は像高ズレ量を示す。被走査面上の理論像高をY[mm]、偏向角をθ[deg]、焦点距離をf[mm]として、以下の式が成立する。
Y=fθ
像高ズレ量は、実際の像高の理論像高からの偏差である。
図15は、実施例1Aと実施例1Bの像高と副走査方向の結像位置(副走査結像位置)との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は副走査結像位置を示す。副走査結像位置は、副走査方向における水平基準軸からの結像位置までの距離である。副走査結像位置のP-V値(Peak to Valley)を走査線曲りとする。走査線曲りは約10umにまで抑えられており、色ズレの影響はない。
図16は、実施例1Aと実施例1Bの像高と副走査方向の倍率(副倍率)との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は副倍率を示す。副倍率は「1<|m|<2.5」の条件に収まっており、レンズサイズと偏芯、形状誤差、環境変動による影響とのバランスがとれている。
図13乃至図16から、実施例1Aの走査光学系と実施例1Bの走査光学系とは、ほぼ同等の光学性能を有しているということができる。
図17は、実施例1A及び実施例1Bの走査レンズにおいて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す図である。図17の横軸は、入射面の主光線の通過位置(主走査方向の位置)を示し、図17の縦軸は、その位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsを示す。図17によると、実施例1A及び実施例1Bについて、主走査方向の全領域にわたりθnsの符号は変わらない。
実施例1A及び実施例1Bにおいて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す曲線は、主走査方向の中心において、θnsの絶対値が大きな方向に凸であり、主走査方向の端部において、θnsの絶対値が大きな方向に凹である。
実施例1Aにおいて、主走査方向の端部におけるθnsの値は、主走査方向の中心部におけるθnsの値よりも小さい。他方、実施例1Bにおいて、主走査方向の端部におけるθnsの値は、主走査方向の中心部におけるθnsの値よりも大きい。
図18は、実施例1A及び実施例1Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合のθnsの変化量を示す図である。位置ズレの量は、30マイクロメータとした。図18の横軸は、入射面の主光線の通過位置(主走査方向の位置)を示し、図18の縦軸は、その位置におけるθnsの変化量を示す。図18によると、θnsの変化量のP-V値は、実施例1Aにおいて0.114[deg]であり、実施例1Bにおいて0.123[deg]であり、実施例1Bの方が大きい。
図19は、実施例1A及び実施例1Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合の副走査方向の結像位置(副走査結像位置)を示す図である。位置ズレの量は、30マイクロメータとした。図19の横軸は、像高を示し、図19の縦軸は、その像高における副走査方向の結像位置を示す。図19によると、実施例1Aの場合に走査線曲りは、89マイクロメータであり、実施例1Bの場合に走査線曲りは、104.7マイクロメータである。位置ズレがない場合を示す図15によると、実施例1Aの場合に像高に対する走査線曲りは、8.6マイクロメータであり、実施例1Bの場合に像高に対する副走査方向の結像位置の差は、8.7マイクロメータである。したがって、位置ズレによる走査線曲りの変化量は、実施例1Aの場合に89−8.6=80.4マイクロメータであり、実施例1Bの場合に104.7−8.7=96.0マイクロメータである。
したがって、実施例1Aの走査レンズは、実施例1Bの走査レンズよりも、入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合の走査線曲りの変化量が小さく、上記の位置ずれによる影響を受けにくい。
実施例2A及び実施例2B
実施例2Aと実施例2Bとは、入射面の主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度は異なるが、光学配置及び他の光学性能はほぼ同等となるように設計した。
図20は、実施例2A及び実施例2Bの走査光学系を示す図である。図20(a−1)及び図20(b−1)は、実施例2A及び実施例2Bの走査光学系の主走査断面を示す図である。図20(a−2)及び図20(b−2)は、実施例2A及び実施例2Bの走査光学系の副走査断面を示す図である。
波長785nmの半導体レーザ光源から放射された光束は、コリメートレンズ、絞り、シリンドリカルレンズを通過した後、副走査断面において副走査方向に所定の角度を持ってポリゴンミラー209へ入射し、偏向された光束は走査レンズ1002Aまたは1002Bを通過し、被走査面213に集光する。主走査断面において、走査レンズ1002Aまたは1002Bに収束光束が入射するように構成されている。このような構成により、走査レンズ1002Aまたは1002Bの主走査断面において、中心厚を小さくし、厚さのばらつきを小さくすることができる。
表4は、実施例2A及び実施例2Bの走査光学系の光学配置及び光学素子の諸元を示す表である。表4において、偏向基準点とはポリゴンミラーにおける光束の反射点である。
Figure 0005499258
表5は、実施例2Aの走査レンズの面形状を表す係数を示す表である。
Figure 0005499258
表6は、実施例2Bの走査レンズの面形状を表す係数を示す表である。
Figure 0005499258
実施例2Aと実施例2Bの走査レンズの入射面及び出射面の面定義中心は、水平基準軸から副走査方向に2.8mmの位置に存在する。ここで、面定義中心とは、式(1)の座標の原点である。
図21は、実施例2Aと実施例2Bの像高と像面湾曲との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は像面湾曲を示す。図において「主」及び「副」はそれぞれ主走査方向及び副走査方向の像面湾曲を示す。
図22は、実施例2Aと実施例2Bの像高と像高ズレ量との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は像高ズレ量を示す。被走査面上の理論像高をY[mm]、偏向角をθ[deg]、焦点距離をf[mm]として、以下の式が成立する。
Y=fθ
像高ズレ量は、実際の像高の理論像高からの偏差である。
図23は、実施例2Aと実施例2Bの像高と副走査方向の結像位置(副走査結像位置)との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は副走査結像位置を示す。副走査結像位置は、副走査方向における水平基準軸からの結像位置までの距離である。副走査結像位置のP-V値(Peak to Valley)を走査線曲りとする。走査線曲りは約10umにまで抑えられており、色ズレの影響はない。
図24は、実施例2Aと実施例2Bの像高と副走査方向の倍率(副倍率)との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は副倍率を示す。副倍率は「1<|m|<2.5」の条件に収まっており、レンズサイズと偏芯、形状誤差、環境変動による影響とのバランスがとれている。
図21乃至図24から、実施例2Aの走査光学系と実施例2Bの走査光学系とは、ほぼ同等の光学性能を有しているということができる。
図25は、実施例2A及び実施例2Bの走査レンズにおいて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す図である。図25の横軸は、入射面の主光線の通過位置(主走査方向の位置)を示し、図25の縦軸は、その位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsを示す。図25によると、実施例2A及び実施例2Bについて、主走査方向の全領域にわたりθnsの符号は変わらない。
実施例2A及び実施例2Bにおいて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す曲線は、主走査方向の中心において、θnsの絶対値が大きな方向に凸であり、主走査方向の端部において、θnsの絶対値が大きな方向に凹である。
実施例2Aにおいて、主走査方向の端部におけるθnsの値は、主走査方向の中心部におけるθnsの値よりも小さい。他方、実施例2Bにおいて、主走査方向の端部におけるθnsの値は、主走査方向の中心部におけるθnsの値よりも大きい。
図26は、実施例2A及び実施例2Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合のθnsの変化量を示す図である。位置ズレの量は、30マイクロメータとした。図26の横軸は、入射面の主光線の通過位置(主走査方向の位置)を示し、図26の縦軸は、その位置におけるθnsの変化量を示す。図26によると、θnsの変化量のP-V値は、実施例2Aにおいて0.084[deg]であり、実施例2Bにおいて0.114[deg]であり、実施例2Bの方が大きい。
図27は、実施例2A及び実施例2Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合の副走査方向の結像位置(副走査結像位置)を示す図である。位置ズレの量は、30マイクロメータとした。図27の横軸は、像高を示し、図27の縦軸は、その像高における副走査方向の結像位置を示す。図27によると、実施例2Aの場合に走査線曲りは、63.8マイクロメータであり、実施例2Bの場合に走査線曲りは、108.9マイクロメータである。位置ズレがない場合を示す図23によると、実施例2Aの場合に像高に対する走査線曲りは、11.1マイクロメータであり、実施例2Bの場合に像高に対する副走査方向の結像位置の差は、11.8マイクロメータである。したがって、位置ズレによる走査線曲りの変化量は、実施例2Aの場合に63.8−11.1=52.6マイクロメータであり、実施例2Bの場合に108.9−11.8=97.1マイクロメータである。
したがって、実施例2Aの走査レンズは、実施例2Bの走査レンズよりも、入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合の走査線曲りの変化量が小さく、上記の位置ずれによる影響を受けにくい。
実施例3A及び実施例3B
実施例3Aと実施例3Bとは、入射面の主光線の通過位置における法線と水平基準軸がなす角度は異なるが、光学配置及び他の光学性能はほぼ同等となるように設計した。
図28は、実施例3A及び実施例3Bの走査光学系を示す図である。図28(a−1)及び図28(b−1)は、実施例3A及び実施例3Bの走査光学系の主走査断面を示す図である。図28(a−2)及び図28(b−2)は、実施例3A及び実施例3Bの走査光学系の副走査断面を示す図である。
波長785nmの半導体レーザ光源から放射された光束は、コリメートレンズ、絞り、シリンドリカルレンズを通過した後、副走査断面において副走査方向に所定の角度を持ってポリゴンミラー209へ入射し、偏向された光束は走査レンズ1003Aまたは1003Bを通過し、被走査面203に集光する。主走査断面において、走査レンズ1003Aまたは1003Bに収束光束が入射するように構成されている。このような構成により、走査レンズ1003Aまたは1003Bの主走査断面において、中心厚を小さくし、厚さのばらつきを小さくすることができる。
表7は、実施例3A及び実施例3Bの走査光学系の光学配置及び光学素子の諸元を示す表である。表7において、偏向基準点とはポリゴンミラーにおける光束の反射点である。
Figure 0005499258
表8は、実施例3Aの走査レンズの面形状を表す係数を示す表である。
Figure 0005499258
表9は、実施例3Bの走査レンズの面形状を表す係数を示す表である。
Figure 0005499258
実施例3Aと実施例3Bの走査レンズの入射面及び出射面の面定義中心は、水平基準軸から副走査方向に2.8mmの位置に存在する。ここで、面定義中心とは、式(1)の座標の原点である。
図29は、実施例3Aと実施例3Bの像高と像面湾曲との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は像面湾曲を示す。図において「主」及び「副」はそれぞれ主走査方向及び副走査方向の像面湾曲を示す。
図30は、実施例3Aと実施例3Bの像高と像高ズレ量との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は像高ズレ量を示す。被走査面上の理論像高をY[mm]、偏向角をθ[deg]、焦点距離をf[mm]として、以下の式が成立する。
Y=fθ
像高ズレ量は、実際の像高の理論像高からの偏差である。
図31は、実施例3Aと実施例3Bの像高と副走査方向の結像位置(副走査結像位置)との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は副走査結像位置を示す。副走査結像位置は、副走査方向における水平基準軸からの結像位置までの距離である。副走査結像位置のP-V値(Peak to Valley)を走査線曲りとする。走査線曲りは約10umにまで抑えられており、色ズレの影響はない。
図32は、実施例3Aと実施例3Bの像高と副走査方向の倍率(副倍率)との関係を示す図である。横軸は被走査面での像高を示し、縦軸は副倍率を示す。副倍率は「1<|m|<2.5」の条件に収まっており、レンズサイズと偏芯、形状誤差、環境変動による影響とのバランスがとれている。
図29乃至図32から、実施例3Aの走査光学系と実施例3Bの走査光学系とは、ほぼ同等の光学性能を有しているということができる。
図33は、実施例3A及び実施例3Bの走査レンズにおいて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す図である。図33の横軸は、入射面の主光線の通過位置(主走査方向の位置)を示し、図33の縦軸は、その位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsを示す。図33によると、実施例3A及び実施例3Bについて、主走査方向の全領域にわたりθnsの符号は変わらない。
実施例3A及び実施例3Bにおいて、入射面の主光線の通過位置とその位置における法線と水平基準軸がなす角度θnsとの関係を示す曲線は、主走査方向の中心において、θnsの絶対値が大きな方向に凸であり、主走査方向の端部において、θnsの絶対値が大きな方向に凹である。
実施例3Aにおいて、主走査方向の端部におけるθnsの値は、主走査方向の中心部におけるθnsの値よりも小さい。他方、実施例3Bにおいて、主走査方向の端部におけるθnsの値は、主走査方向の中心部におけるθnsの値よりも大きい。
図34は、実施例3A及び実施例3Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合のθnsの変化量を示す図である。位置ズレの量は、30マイクロメータとした。図34の横軸は、入射面の主光線の通過位置(主走査方向の位置)を示し、図34の縦軸は、その位置におけるθnsの変化量を示す。図34によると、θnsの変化量のP-V値は、実施例3Aにおいて0.092[deg]であり、実施例3Bにおいて0.106[deg]であり、実施例3Bの方が大きい。
図35は、実施例3A及び実施例3Bの走査レンズの副走査断面において、図9に示すように入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合の副走査方向の結像位置(副走査結像位置)を示す図である。位置ズレの量は、30マイクロメータとした。図35の横軸は、像高を示し、図35の縦軸は、その像高における副走査方向の結像位置を示す。図35によると、実施例3Aの場合に走査線曲りは、65.8マイクロメータであり、実施例3Bの場合に走査線曲りは、80.1マイクロメータである。位置ズレがない場合を示す図31によると、実施例3Aの場合に像高に対する走査線曲りは、5.9マイクロメータであり、実施例3Bの場合に像高に対する副走査方向の結像位置の差は、6.2マイクロメータである。したがって、位置ズレによる走査線曲りの変化量は、実施例3Aの場合に65.8−5.9=59.9マイクロメータであり、実施例3Bの場合に80.1−6.2=73.9マイクロメータである。
したがって、実施例3Aの走査レンズは、実施例3Bの走査レンズよりも、入射面と出射面とが水平基準軸に垂直な方向に位置ズレを起こした場合の走査線曲りの変化量が小さく、上記の位置ずれによる影響を受けにくい。

Claims (4)

  1. 回転多面鏡と走査レンズとを含む走査光学系であって、
    該回転多面鏡における主光線の反射点を含み、回転軸に垂直な面を主走査断面とし、該主走査断面に垂直な面のうち、その面内において該反射点から被走査面までの光線の経路が最小となる面を副走査断面として、
    該走査レンズについて、
    射面の該主走査断面に平行な断面の形状は、主走査方向の中心部で凸、主走査方向の端部で凹であり、射面の該主走査断面に平行な断面の形状は、主走査方向の中心部で凹、主走査方向の端部で凸であり、
    副走査断面の形状は、入射面が凹、出射面が凸のメニスカス形状であり、
    副走査断面において、該走査光学系の回転多面鏡の反射点から回転軸に垂直な方向に延伸した軸を水平基準軸として、入射面の主光線通過位置における法線が該水平基準軸となす角度をθnsとして、θnsは、主走査方向の全領域において該法線が被走査面側において該水平基準軸と交差するように定められた走査光学系
  2. 主走査方向の中心部におけるθnsの絶対値が、主走査方向の端部におけるθnsの絶対値よりも大きい請求項1に記載の走査光学系
  3. 前記入射面において副走査方向の異なる位置に入射する2以上の走査光線を処理するように構成された請求項1または2に記載の走査光学系
  4. 前記主走査断面において、前記走査レンズに収束光束が入射するように構成された請求項1から3のいずれかに記載の走査光学系。
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