JP2005524026A - バルブ - Google Patents

Abstract

【解決手段】 滅菌流体の輸送や隔離装置で使用するためのバルブ装置（１００）であって、開かれた入口（１０）及び出口（１１）側と、入口（１０）及び出口（１１）側の間の流体のための通路（９）とを有している。入口側（１０）は、容器や管（４）の開口（４ｃ）に結合可能になっていて、出口側（１１）は、管や容器又は配管などの手段によって下流処理に結合可能になっている。入口側（１０）は、開いた入口側（１０）を閉鎖する、破断可能なシール（２ａ）を含んでいる。バルブ（１００）は、ピストン（１）に取り付けられた作動装置（５）を含んでいて、バルブ（１００）内にて動き、ピストンはシールに結合されて、ピストンが動くとき、シールがその入口側から破断されて解放され、流体はバルブ（１００）への入口を得て、開かれた入口（１０）及び出口（１１）側の間の通路（９）に沿って、下流処理へ通り抜ける。

Description

本発明は、バルブ装置に関し、特に、流体を滅菌輸送する装置のために有効なバルブ装置に関する。

確認及び説明責任は、多くの科学産業において、特に製薬産業及びバイオテクノロジー産業において、極めて重要である。これらの産業における主要な難問は、プラント中の生産ライン全体にわたって、滅菌性が確立されて維持されていることを、正確に、再現性をもって示す必要である。これは、例えば米国ＦＤＡなどの規制機関の、厳重な要求条件を満たすやり方で行なう必要がある。ひとつの滅菌された場所から別の滅菌された場所へ物質を輸送する場合には、受認できる規準を満たすことは困難になる。

現在の慣例は、結合バルブによって物質が輸送される保持容器を提供することを含んでいる。保持容器は、第２の滅菌された場所へ輸送されて、次に、物質は、１又は複数の結合バルブを介して、保持容器から第２の滅菌された場所へ輸送される。結合バルブと保持容器とは、在来の技術、例えばガス、放射線、蒸気滅菌などを使用して、滅菌される。しかしながら、結合バルブを第１の滅菌された場所に結合する間に、結合バルブの外部結合面は、大気に曝されて、バルブの滅菌性は汚染される。

物質を輸送する他の代替的な方法も、同様な問題を欠点としている。
例えば、オートクレーブポートを用いる場合には、滅菌されていない雄型のポートを空の滅菌されていないバルク容器に取り付けた後に滅菌し、組み立てられた装置の全体をオートクレーブによって滅菌する。しかしながら、この技術の主要な不都合は、滅菌前の容器が空でなければならないことである。

代替案として、照射ポートを用いる場合には、滅菌されていない雄型のポートを空の滅菌されていない使い捨てバッグに取り付けた後に、全体を照射によって滅菌する。この場合にも、この装置についての主要な不都合は、滅菌前のバッグが空でなければならないことである。

物質を輸送する別の方法は、無菌状態の下で、輸送ポートを容器に結合することである。この方法では、容器が空であるか充填されているかは、無関係である。しかしながら、これらの作業は‘グレードＡ’とされる領域において行なう必要があるにもかかわらず、様々な結合を取り付け、取り外すことに起因して、汚染のリスクは増加する。これらの作業を完了させるために‘グレードＡ’領域を必要とするという単なる事実が、この技術を採用しようとする企業に、著しい財政投資を要求する。

別の技術は、管ヒューズの使用を取り入れる。滅菌されたバルク容器は、管ヒューズを介して、滅菌ポートから発せられた管に取り付けられる。この技術は、管の選択を制約されることを含む、多数の理由のために不都合である。このことは、管を通して輸送できる物質のタイプを制限する。湿った管を使用することも不都合である。さらに、交差汚染及び再汚染の潜在的なリスクもある。

物質輸送の滅菌された方法を見い出そうと多数の試みが行なわれたにもかかわらず、完全に成功したものは存在しない。すべての前述の技術において、ひとつの容器から別の容器へ物質を輸送するために使用されるポート又はバルブの滅菌性は、結合工程において危険にさらされ、又は汚染の影響を受け易い。このことは、製品を確認するとき、不都合で、問題につながる。

上述した用途のための、ピストン操作されるバルブが知られている。これらは、ピストンを上下に動かしたり、開口を備えたハウジング内にて前後に摺動させたりして、ハウジングの流体連通開口を覆ったり開けたりすることによって動作する。バルブが開いた状態と閉じた状態との間でシールするために、Ｏリングシールが設けられる。従って、そうしたバルブは、Ｏリングを受け入れるための溝を有していて、この溝及びまわりの空間が汚染されていないことを保証するのが難しく、それらを滅菌輸送装置において使用することには疑問がある。

本発明の目的は、前述した問題点に対する解決策を求めることである。

従って、本発明によって提供されるバルブは、第１及び第２の開端部と、端部間の流体のための通路とを有する本体を備え、第１の端部は、本体を外部装置の開口のまわりにてシールして結合するための結合手段と、使用時に外部装置の開口に整列されて配置可能であるような、第１の端部における開口領域を閉鎖するシールとを含み、バルブはさらに、端部間の通路に沿って流体が通り抜けることを許容するシールを遮断すべく、本体の内部において可動になっているシール変位手段を含み、結合手段とシールとは、外部装置の開口のまわりの合致面にシールして合致するための外部滅菌可能合致面を呈していることを特徴としている。理想的には、変位手段は、シールを破断させて、本体の内部と外部装置との間の流体の連通を許容するための手段を備えている。

好ましい装置においては、シールは、滅菌可能な外面にて、結合手段と一体に形成されている。理想的には、結合手段とシールとの間に結合部が設けられ、少なくともひとつの脆弱化された破断線を備えていて、破断手段が本体内へ移動すると、破断手段は少なくともひとつの破断線の少なくとも一部分に沿ってシールを破壊する。好ましくは、結合線ないし破断線は、合致面の厚みを減少させた領域から構成されている。理想的には、破断線は、無端状であって、シールを取り囲んでいて、結合手段から打ち抜かれ、ないし孔を開けられて、破断されて解放される。特に好ましい装置においては、破断線は円形の形状であり、シールは円板の形状であって、破断手段が動いたとき、破断手段によって、円板形状のシールは、第１の端部の開口を閉鎖している位置から変位する。

破断手段は、シールを穿刺し又はシールを外方へ打ち抜くことによって、または、シールを把持してシール又はシールの一部分を合致面から引っ込めることによって、シールを破壊するように配置される。この目的のために、シール及び破断手段には、互いに係合可能な把持手段が理想的に提供される。好ましい装置においては、破断手段は、バルブの本体内において第１の端部から第２の端部へ向かう方向へ移動可能になっていて、破断手段を移動させると、把持されたシールは、結合手段から解放されて破壊され、本体内に引っ込められる。

理想的には、把持手段は、シールの内面からバルブ内へ突出してなる、少なくともひとつの指要素と、指要素を受け入れて保持すべく破断手段に設けられた、受け要素とを含んでいる。ひとつの適当な装置は、複数の指部を備えていて、これらは破断手段の保持部分にスナップ嵌合すべく形成されている。

破断手段は、ピストンを備えると都合良い。ピストンが中空で、バルブの本体の第２の開端部を構成する開端部を有していることが最も都合良い。

理想的には、結合手段は直立円筒部分を含んでいて、ピストンはその中を動く。ピストンを、円筒部分の中に配置して、１又は複数のシール手段を、ピストンの外面と円筒部分の内面との間に配置することが都合良い。これにより、ピストンと円筒部分との間には効果的なシールが得られて、流体がピストン及び円筒部分の中間にある領域を出入りすることが阻止される。理想的には、ピストンシール手段はＯリング又は合致シール縁部から構成される。当業者に知られている、任意の別のシール機構を使用することもできる。

ピストンの壁には、シールに隣接して、１又は複数の開口が提供されていて、流体はそれぞれの開口を介して、ピストンの内部と第１の端部との間を通り抜ける。

有利な装置においては、シールに近い、ピストンの基部は、吊下リング部分を含んでいて、シールの上方へ突出した指部は、その先端に、シールとピストンとを互いにしっかり結合させて保持し、リングにスナップ嵌合するような突起部を有している。これらの指部は、好ましくは弾性的であって、係合状態へ向けて付勢されている。さらにしっかり固定する手段として、指部の間に受け入れられるようなプラグを設けて、指部がピストンに係合した状態になるようにロックしても良い。理想的には、リング部分は、ピストンの基部の外径に比べて、小さいような外径を有していて、シールを取り除いた後に、ピストンの内部への流体の通路が容易に得られる。

シールが無傷で、バルブが閉じられている準備状態と、シールが破壊され、バルブを開くべく、ピストンによって合致面から離された展開状態との間において、ピストンを動かすための作動手段を提供することが有利である。

本体における第２の端部は、流体が輸送されて入れられる又は出される、管、管ループ、複数の管の結合部、又は容器に取付可能であることが有利である。

シールは、バルブ本体の入口側（第１の端部）にて結合手段に連続した面として、又は入口側に取付可能な取付具として、提供することが有利である。シールが取付具として提供されているならば、シールは、ハウジングの入口側に合致する形状を有し、それにより、流体がバルブへ流入することを防止するしっかりした結合を提供することが理想的である。ひとつの都合良い装置では、取付具は円板の形状になっている。バルブと容器とが互いに固定されたときに、バルブと結合される容器との間の密封ワッシャとして働く、二次的な機能を提供するように構成及び形成される。シールは、ポリプロピレンなどの適当なプラスチック材料から形成し、テフロン（登録商標）などの非粘着性の材料で被覆するのが有利である。シールの材料は、プラスチック材料に限定されるものではなく、当業者に知られているあらゆる好適な材料を使用することができる。選択される材料は、製薬産業又はバイオテクノロジー産業において使用するものとして、適切な規制機関からの承認を受けていることが理想的である。プラスチック、ゴム、金属、箔、及びその他のシールは、可撓性及び／又は伸張性であるか否かにかかわりなく、すべて、本発明の範囲において有用であると考えられる。

有利には、作動手段は、ユーザが操作できるハンドルと、結合手段の円筒部分に結合され、円筒部分とピストンとの間に相対的な動きを生じさせるようにピストンに結合された、カラー部分とを含んでいる。理想的には、作動装置がピストンを準備状態（バルブ閉）から展開状態（バルブ開）へ動かすと、ピストンと把持されたシールとは、結合手段における円筒部分の中へ引き込まれる。作動手段には、そうした相対的な動きが不用意に生じることを防止するための、安全ロック手段を含むことが好ましい。理想的には、安全ロック手段は、ピストンが準備状態から展開状態へ動くことを防止すべく、ピストンに係脱可能に係合可能であるような舌片を備えている。安全ロック手段は、作動手段の動きを防止するが、いったん解放されると、作動手段は自由になって、ピストンを動作させてシールを破断する。作動手段及び安全ロック装置は、上述したものに限定されるわけではなく、変形例としての適当な作動手段及び／又は安全ロック装置を選択することができる。

ハンドルを回転させると、作動装置のカラーによってピストンが駆動されて、ハウジングの第１の端部（ないし入口側）にあるシール箇所から離れる方向へ動き、シールを破断させて、流体はバルブ内へ入ることができる。ピストンがこの方向へ動くと、ピストンは取り付けられたシールを引っ張って、シールは破断線に沿って破れて、シールは円筒部分の中へ運ばれる。そして、バルブの第１及び第２の端部（ないし入口及び出口の端部）の間において、ピストン壁に設けられた開口を介して、流体が流れることができる。

ストッパ手段は、作動装置が逆方向へ動いて、それによりバルブが展開（開いた）状態から準備（閉じた）状態へ戻ることを防止するために提供される。これは、いったん開かれたバルブが、不注意で又は誤動作で、閉じた状態に戻ることがなく、従って、ユーザはバルブがいつ閉じられたのかを知ることができ、バルブが未知の開口によって汚されていることがないという利点を有する。

準備状態と展開状態との間におけるバルブの状態をユーザに指示するための、視覚的な又は触覚的な指示手段を、バルブに備えることが有用である。さらに、バルブを準備状態と展開状態との間の中間状態に動かすための手段が提供される。中間状態において、シールは無傷で、バルブは閉じたままであるが、バルブを閉じて保持するロックは解放されている。この中間状態にバルブを保持する手段が提供されて、指示手段は、この中間状態になっていることをユーザに警告するために有効である。

バルブは１回の使用の使い捨てバルブとして、又は複数回使用できるバルブとして提供することが有利である。

好都合なことに、１回使用の使い捨てバルブは、適当なプラスチック材料から製造することができ、任意的な事項として、テフロン（登録商標）などの非粘着コーティングで被覆することができる。

複数回使用のバルブにあっては、ステンレス鋼その他など、適当な高い耐久性の材料から作られた構成要素や部品を有することが有利である。この場合には、シールは、交換可能な部品として提供され、シリコンや、テフロン（登録商標）や金属、箔、ゴム、その他の膜など、他の非粘着性材料で任意に被覆した適当なプラスチック材料から形成される。シールは、その性質に応じて、バルブを開き、シールの完全性が損なわれていないならば、１回又は複数回使用することができる。毎回の使用後に、シールを取り外して洗浄又は交換し、バルブを洗浄し、新たな又は洗浄された壊れていないシールを適当な位置に挿入する。同じシールを何回か使用するのであれば、装置の完全性を維持するために、約５回の使用毎に廃棄して、新たなシールに交換することが望ましい。ピストンがシールを穿刺するタイプであるならば、毎回の使用毎に交換しなければならないことは明らかである。

バルブの材料は、使用前に、ガンマ線や、酸化エチレンガス、蒸気滅菌など、適当な技術を使用してバルブを滅菌できるように選択される。

バルブは滅菌され包装されて供給される。この包装は、滅菌輸送処理に使用される他の部品が含まれる。使用のために、包装を開いて、バルブを取り出すと、第１の（入口側の）端部にある合致面は汚染されることになる。この外面は、結合手段によって、外部ライン又は容器に結合されて、バルブの第１の端部の開口とライン又は容器の内部への開口とは、それらの間の空間をシールで閉じて、整列される。シールにおける汚染された外面は、ライン又は容器の内部と共に、蒸気滅菌される。その後に、バルブは開かれる。

いったん、汚染されたシールの外面が再滅菌されたならば、作動装置のロック手段を解放し、作動手段を操作して、ピストンによってシールを破り、流体が容器とバルブとの間を流れられるようにする。明らかなことだが、他方の、第２のバルブの開端部も、バルブを開く前には、容器又はパイプその他に結合される。

安全ロックは、作動手段が不用意に動くことを防止することは理解できるだろう。従って、このロックはユーザへの警告指標として機能する。バルブが容器及び／又は管の開口に取り付けられる間に、ロック装置が係合して、バルブのシールされた入口側が再滅菌されている間に、ロックされたままであるならば、ユーザは、絶対にシールが無傷であって、バルブの滅菌性は汚染されていないことを知る。しかしながら、同じ期間中に安全ロックが解放されているならば、ユーザは、シールが破れてバルブの滅菌性が汚染されたことを直ちに知る。これによって、ユーザは、ひとつの滅菌場所から別の滅菌場所へ安全に滅菌輸送ができるか否かを、視覚的に点検することができる。

バルブの個別の部品の製造に適した材料には、プラスチック材料（例えば、ポリプロピレンその他の滅菌可能なプラスチック）、金属、セラミック等が含まれる。複数回使用のバルブにおいては、耐久性のある、金属（例えばステンレス鋼）などの、再滅菌可能な材料が実際には適している。
以下、本発明に従ったいくつかの実施形態によるバルブを示している添付図面を参照して、本発明について、例示的に説明する。

まず、図１ａ〜図１ｋ、及び図９を参照すると、第１の実施形態による使い捨てバルブ１００について、その閉じた状態を示している。バルブ１００は、中空のピストン１を受け入れるボアためのを有するハウジング２を備えている。バルブ１００は、符号１０にて示される入口側と、符号１１にて示される出口側とを有している。入口側において、ハウジング２は、容器４に結合可能になっていて、容器４の開口４ｃの流体経路と、バルブ１００の流体経路９とが整列されている。ハウジング２と容器４とのそれぞれは、対応する合致面１２，１３を有していて、これらは後述する使用時には互いに結合される。この目的のために、ハウジング２には、在来式に、スリーブ領域２ｉが形成されていて、一端が外方へ延びるフランジ２ｌを有し、フランジ２ｌの基部は合致面１２を構成している。他端においては、スリーブ領域２ｉは、カラー２ｐを備えていて、その端面２ｑは切欠２ｆ，２ｈ，２ｄを含んでいる。カラー２ｐと切欠２ｆ，２ｈ，２ｄとの目的については後述する。出口側１１においては、バルブ１００からピストン１が延びていて、その外面は下流処理の管、配管、容器その他に結合可能になっている。

ピストン１とハウジング２とは、ロック機構を備えた作動装置５によって相互に結合される。作動装置５は、ハンドル５ｂを備えていて、このハンドルによって、バルブ１００は開いた状態と閉じた状態との間において動かされる。ハンドル５ｂからは、カム機構５ｃが吊下されていて、ハウジング２及び作動装置５に対してピストンを長手方向に変位できるようになっている。バルブ１００の入口側は、滅菌可能なシール２ａによってカバーされている。本発明の本実施形態では、シール２ａはハウジング２に対して一体的に、連続して形成されている。

作動装置５のカム機構５ｃのまわりには、カバー部材６が設けられている。シール２ａは、入口側１０にてバルブ１００の開口をカバーし、フランジ２ｌに対して連続的に形成されている。シール２ａは、以下に述べるやり方で、ピストン１に結合される。フランジ２ｌとシール２ａとの間の接合部２ｂは、シール２ａの内面に形成されていて、シール２ａの内面はピストン１に対面している。接合部２ｂは、脆弱化された箇所ないし破断線を備えていて、これは例えば、ハウジング２における領域２ｃの厚みを小さくすることで提供されている。バルブ１００を作動させると、シール２ａとフランジ部分２ｌとは接合部２ｂにて分離して、バルブを通る流体の通路が得られる。

バルブの個別の構成要素を互いに分解した状態にて、図１ｄ〜図１ｋに示す。
バルブ１００は、ロック機構５ａを解放し、ハンドル５ｂを時計まわり方向に回転させることによって開かれる。ロック機構５ａは、ハンドル５ｂに対して一体に形成され、舌片５ｊを含む、解放クリップ機構を備えている。ピストン１は、凹部１ｄを備えて、放射方向に突出したフランジ１ｃを有している。バルブが閉じられるとき、舌片５ｊが凹部１ｄに係合することで、時計まわり及び反時計まわりのいずれについても、ハンドル５ｂが回転することを阻止する。ロック機構５ａを解放するには、例えば親指で舌片５ｊに力を加えるなどの外的力によって、舌片５ｊを押し下げて、舌片５ｊを凹部１ｄから係脱させる。すると、作動装置５は自由に回転できるようになる。

作動装置５を回転させると、ピストン１は図１ａにおける矢印の方向へ動き、これにより、シール２ａは破断線２ｂにて破断するが、というのは、ピストン１とシール２ａとは、後述するように、相互に連結されているためである。これは、ピストン１とシール２ａとをスリーブ領域２ｉの中へ有効に引き込んで、フランジ２ｌから引き離し、従って、シール２ａはバルブの開口１０を閉鎖している位置から取り除かれて、この結果、図３ｄに示す如く、流体はバルブ１００へ入れるようになる。

バルブ１００が開かれると、図３ｄに明瞭に示されているように、流体は、入口側開口１０を通ってチャンバ７へ入り、カラー２ｉを通り抜けて、ピストン１の流体経路９である中空中心部へと流入する。

ピストン１の外面において、ピストン１とハウジング２のカラー領域２ｉとの間には、一対のＯリング８が配置されている。Ｏリング８は、溝１ｊ（図１ｈ及び図１ｉ参照）に収容されていて、ピストン１とハウジング２との間に、あらゆる流体の通過を防止する、効果的なシールを提供する。Ｏリング８はまた、ピストン１が動くときにこれに抵抗力を与えて、ピストン１がいずれかの方向に過度に速く動いたり、動き過ぎたりすることを防止する。

図１ｂは、別の容器ないし管４の開口４ｃに結合された、バルブ１００の側断面図を示している。バルブ１００と開口４ｃとの双方は、合致する溝２ｊ（図１ｈ及び図１ｉ参照）と４ａとをそれぞれ有していて、これらの溝は双方の結合面１２及び１３の外周を取り囲みバルブ１００の結合面１２は、シール２ａの滅菌可能な外面を含んでいる。バルブ１００と開口４ｃとの結合面１２と１３との間には、ワッシャ３が配置されて、両者を互いに密封している。ワッシャ３は、その平坦な両面上に円形の形成部分３ａを有している。形成部分３ａは、それぞれ溝２ｊと４ａとに収容されて、ワッシャ３を固定する。バルブ１００とワッシャ３と容器４とは、三つ葉クローバ型のクランプ機構（図示せず）などの適当な固定手段を使用して、互いに固定される。

次に、図１ａ，１ｃ，１ｅ，１ｉ，１ｊ，３ａ，３ｄ，及び９を特に参照して、ピストン１とシール２ａとの相互連結の手段について説明する。シール２ａにおけるほぼ平坦である内面から上方へ向けて、４本セットの間隔を隔てた指部２ｇが突出している。指部２ｇの自由端は、ハウジング２のカラー領域２ｉへ向けた放射方向外向きに面して、突起部２ｍを有している。ピストン１の基部部分１ｂから、円形のスカート１ｆが吊下されていて、このスカートは、一対のスペーサ１ｇによって基部部分１ｂから隔てられていることで、一対の流体の流れの開口１ｉを提供して、ピストン１の内部流路９への流体の流路を構成している。

バルブ１００の組み立てに際しては、指部２ｇをスカート１ｆの中へ突き出るように配置して、突起部２ｍを、基部１ｂに近接させスペーサ１ｇの内面に対面させて、スカートの縁部に嵌着させる。指部２ｇは、弾性的に外方に付勢されているので、突起部２ｍはピストン１に係合して保持される。シール２ａとピストン１との間の結合を保持する追加的な手段として、指部２ｍの基部間に受け入れられるプラグ２ｅを設けて、さらに指部を放射方向外方の状態へ付勢し、シール２ａをピストン１に対して互いにロックさせても良い。従って、シール２ａは、シールが結合されているピストン１が変位した場合にだけ動くことができる。

互いに合致する、ハウジング２におけるカラー部分２ｉの内面と、スペーサ１ｇにおける外面とはそれぞれ、相補的なリブ２ｋと１ｅとを有していて、ピストン１を指部２ｇに対して正しく案内して位置決めする。

以上の説明から分かるように、ピストン１が図１ａにおける矢印の方向へ変位すると、ピストン１にロックされているシール２ａは、脆弱化された接合部２ｂに沿って裂けて、ついにはフランジ２ｌから分かれて、ピストンによってバルブ１００の本体の中へ引き込まれる。スカート１ｃの外径は、ピストン１における基部１ｂの外径に比べて小さくなっているので、流体は、スカート１ｆの外面に沿って流れ、開口１ｉを通ってバルブ１００の内部へ入り、そこからバルブ１００の出口側１１を介して下流処理へと流れる。

図２ａ及び図２ｃは、作動装置５とロック機構５ａとのそれぞれ作動前後の様子を拡大して示す断面図である。作動装置５は、スナップロック機構５ｇによってハウジング２に結合されていて、このスナップロック機構は、弾性的に内方へ付勢された一対のコネクタ５ｋを備え、これらがハウジング２のカラー２ｐに嵌着している。作動装置５とピストン１とは、カム機構５ｃによって結合されていて、このカム機構は、反対側に外方へ突出した一対のピン１ａをピストン１上に備え、これが作動装置５に設けられた一対の形成溝５ｄの中を移動する。それぞれの形成溝５ｄは、ピストンの長手軸線に対してほぼ平行であるような第１の部分５ｅと、屈曲したカム部分５ｆとを有し、このカム部分はピストンの長手軸線に対してほぼ垂直である第１の領域と、ハウジング内においてピストンを上昇させるための、ハンドル５ｂへ向けてより鋭利に屈曲した第２の領域とを備えている。形成溝５ｄは、互いに直径上の反対側になるように配置される。

組み立てに際しては、図１ａ，１ｂ，１ｅ，１ｉ，１ｊ，１ｋ，及び９に良く示されているように、作動装置５の上部開口５１にピストン１を挿入し、ピストンの基部１ｂにあるスカート１ｋを先行させて、開口の凹部５ｍにピン１ａを嵌着させる。ピン１ａは、凹部５ｍを通過して、形成溝５ｄにおける第１の部分５ｅに係合する。ピストン１が作動装置５の中へ挿入される距離は、第１の部分５ｅの長さによって定められる。いったんピン１ａが第１の部分５ｅの底部に係合したならば、ピストン１の放射方向に突出しているフランジ１ｃは、作動装置５のハンドル５ｂの下側に当接する。次に、ピストン１と作動装置５とを相対的に回転させて、ロック機構５ａにおける舌片５ｊを、フランジ１ｃにおける凹部１ｄに係合させることで、さらに回転することを防止する。この状態は、バルブが供給されるときの、バルブが閉じて使用の準備ができている状態であって、本願では“準備状態”と称することにする。

使用に際して、バルブ１００を開くためには、前述した如く、舌片５ｊを押し下げて、ロック機構５ａを解放する。いったんロック機構５ａが完全に解放されると、ハンドル５ｂは回転することができる。作動装置５が回転すると、ピン１ａは図１ａ及び図２ｂに示すロック状態から、屈曲したカム部分５ｆに沿って移動する。閉じた準備状態から開いた展開状態への移行についてはさらに詳細に後述する。

屈曲したカム部分５ｆは２つの領域を有している。これらのうちの第１の領域は、ピストン１の長手軸線に対してほぼ垂直になっているが、ハンドル５ｂへ向けて緩やかに屈曲している。従って、ハンドル５ｂの回転が進行すると、ピン１ａは、この垂直な領域に沿って動き、これにより、ピストン１が長手軸線を中心に回転することで、ピストン１の反対端部に結合されているシール２ａは、接合部２ｂにて裂かれて破断する。緩やかな屈曲は、ピストンが長手軸線を中心として回転する際に、シールが裂かれることを助けることになるが、というのは、ピストンの回転が続くと、ピストンはスリーブ部分２ｉのフランジ２ｌから離れるように緩やかに上昇するからである。バルブ１００を開くための次の段階においては、新たに破断されたシール２ａが、ピストン１と共に引っ込められることで、フランジ２ｌから取り除かれる。このために、ハンドル５ｂを回転させ続けて、屈曲したカム部分５ｆにおけるさらに険しく屈曲した経路にピン１ａを追従させる。この部分に沿ってピン１ａが動くと、ピストン１は、長手軸線に沿ってフランジ部分２ｊから離れる方向へ移動する。ハンドルの回転の終期には、シール２ａは入口側１０を閉じていた位置から取り除かれて、前述の如く、容器４とバルブ１００との間の流体の連通が得られる。

図２ｂ及び図２ｄはそれぞれ、作動装置５がバルブ１００を作動させる前後、つまりバルブが閉じた状態と開いた状態とについて位置を示す平面図である。
前述したように、屈曲したカム部分５ｆにおけるほぼ垂直な領域は、実際には完全に直線状ではなくて、理想的には、緩やかな斜面になっていて、シール２ａの破断を助けるようになっている。ひとつの好ましい装置では、ハンドル５ｂの０゜〜約５６゜までの初期の回転によって、シール２ａが破断され、鋭利な傾斜のカム領域は約５６゜〜約８０゜になっている。

次に、図１ａ，１ｄ，１ｋを参照すると、ハンドル５ｂの反時計まわりの回転は、ストッパ手段によって防止されていて、このストッパ手段は、作動装置５においてハンドル５ｂから離れて設けられた対向する一対の弾性的な歯５ｉ（図には片方だけが示されている）と、ハウジング２のカラー２ｐの上面２ｑに設けられた２組の切欠２ｄ，２ｆ，２ｈとから構成されている。バルブ１００の組み立て時に、ピストンと作動装置５とは相対的にロックされた状態になって、作動装置５が回転することは防止される。この状態においては、歯５ｉは第１の切欠２ｆに係合している。カバー６とハウジング５との外面には目印２ｎ，２ｒ，６ｂが設けられていて（図１ｄ及び図１ｆ参照）、両者が整列されるとバルブ１００が閉じたことを示すように配置されている。バルブ１００が組み立てられると、それぞれの歯５ｉが切欠２ｆに係合して、準備された閉じた状態であることをユーザに示す。バルブがこの状態であるとき、作動装置５における舌片５ｊは、ピストンの凹部１ｄに係合していて、ピストンピン１ａは、溝５ｄにおける第１の部分５ａの基部に係合している。この状態において、バルブは閉じられ、ハウジング２におけるやじりの先端２ｎと、カバー６の６ｂとは互いに対面して、バルブが閉じられていることを指示する。バルブを操作する第１の段階では、前述の如く、舌片５ｊを押し下げて、これを凹部１ｄから係脱させることで、ハウジング５ｂが回転できるようにして、歯５ｉを切欠２ｆから外して切欠２ｈに係合させる。この中間的な状態においては、バルブは依然として閉じているが、というのは、溝５ｄのカム部分５ｆにおける第１の領域の中へと、ピン１ａはわずかに変位するけれども、シール２ａを裂き開き始めるほどに十分には動いていないからである。それにもかかわらず、矢印の先端２ｎ及び６ｂは、切欠２ｆ及び２ｈの基部間の距離と同じ距離だけ離れるように動かされて、これにより、ユーザに、シールが無傷ではあると考えるべきではなく、続ける前に点検すべきであることを知らせる。中間状態においては、歯５ｉは切欠２ｈに係合しているので、ユーザがハンドルを力を込めて十分に回転させて、歯５ｉを切欠２ｈから引き離すまでは、バルブはこの状態を維持する。次の段階ではバルブを開く。そのためには、歯５ｉが切欠２ｈを乗り越えて外れて切欠２ｄへ入るように、ハンドル５ｂをさらに回転させる。切欠２ｄに達したときには、バルブは完全に開かれており、というのは、ピン１ａがカム部分５ｆの端部に達して、シールを裂き開いて、持ち上がった部分はバルブの開いた第１の端部から解放されているからである。

切欠２ｄ，２ｆ，２ｈは、歯５ｉが容易に各切欠２ｄ，２ｆ，２ｈから一方向のみに容易に摺動して外れられるように、傾斜した側面を有している。反対方向への動きは、歯が切欠の切り立った面に当接してこれを越えられないことによって、防止される。

図１ｈ及び図１ｉを参照すると、ピストン１の出口側１１及び１１０として可能な２つの変形例を示している。図１ｈにおいて、この端部１１には、外部リブが形成されていて、容器やラインなどの他の入れ物に結合できるようになっている。図１ｉの変形例においては、出口端１１０には、結合フランジ１１０ｆ及び１１０ｇが形成されていて、例えば別の容器の表面などの合致面に結合されるようになっている。これは、ハウジング２のフランジ２ｂと比較できる装置である。

図１ｆ及び図１ｇに良く示されているように、カバー６は、ハウジングと作動装置５のカム機構５ｃとの外面を覆うようなサイズの、スリーブとして形成されている。カバー６の基部には、一対の対向する開いた溝６ａが設けられている。バルブを組み立てるとき、これらの溝は、ハウジングのカラー２ｐに嵌着されるコネクタ５ｋに、クリアランスを与える。また溝６ａは、カバーに十分な可撓性を与えて、溝６ａに対して９０゜変位した箇所にて、カバーの基部に指の圧力を加えると、バルブの材料が十分に変形可能であるならば、カバーが十分に広がって、これをハウジングから取り外すことができるようになっている。カバー６の上端に設けられた凹部６ｃは、バルブを開くためにピストンの凹部１ｄから舌片を解放するときに押し下げられる舌片５ｊに対して、クリアランスを与える。

図３ａ及び図３ｂは、バルブ１００が開かれる前におけるシール２ａを示す、それぞれ側断面図と平面図である。図３ｃ及び図３ｄは、これに対応させてバルブが開かれた後について示している。シール２ａは、前述の如く、スナップロックを使用してピストン１に結合されている。この構成によれば、シール２ａは、接合部２ｂにおいてシール２ａを破断させることなく、蒸気滅菌流体の荷重による通常の圧力に比べて何倍も大きな圧力に耐えることができる。

図４ａ及び図４ｂは、本発明の第２の実施形態によるバルブ２００を示している。バルブ２００は、第１の実施形態に関連して前述したのと同様に動作する。この実施形態によるバルブ２００は、別の容器又は管４０の開口４０ｃに結合されている。バルブ２００と開口４０ｃとの双方の結合面２１２と４１３とはそれぞれ、突起リム２０ａと４０ａとを有していて、結合面の外縁を取り囲んでいる。また各面は、溝２ｊ及び４ａをそれぞれ有していて、シール２ａ及び突起リムの間にて、面の円周を取り囲んでいる。２つの面の間にはワッシャ３が設けられて、両者の間にシールを提供し、ワッシャは、結合面に設けられた溝内に嵌合するサイズ及び形状である、相補的なリング状の形成部３０ａを有している。

図５ａ及び図５ｂは、本発明の第３の実施形態によるバルブ３００を示す図であって、この実施形態は第２の実施形態の変形例である。バルブ３００は、入口側の結合と同様なやり方で、出口側を管又は容器の開口に結合するように適合している。ピストン１１０ｅにおける出口側は、バルブの入口側に関連して前述したのと同様なやり方で、ワッシャを受け入れるように、外縁を取り囲む突起リム１１０ｇと溝１１０ｆとを備えてなる結合面を含んでいる。

図６ａは、第４の実施形態によるバルブ４００を示していて、この実施形態は第１の実施形態の変形例である。バルブ４００は、第３の実施形態によるバルブと同様なやり方で、出口側を管又は容器の開口に結合するように変更されている。

図７は、作動させる前におけるバルブのシール部分の変形例について、側断面図を示している。図７ａは、図７における円形部分を拡大した図である。これらの図は、ピストン１とハウジング２との間の有効なシールの変形例として、二重の合致シール縁部１１を示している。二重シール縁部１１は、バルブの個別の部品をモールド成形する間に形成される。シール縁部１１は、ピストン１の外面を取り囲む放射状突起として形成されている。ピストン１をハウジング２に挿入したときに、突起１１が有効なシールを提供する。また、突起は、ピストン１が動くときの動き過ぎその他の不都合を防止するような、抵抗力をピストンに与える。

図８は、本発明によるバルブが結合される、異なった開口３０１〜３０９について、一連の側断面図を示している。図にはまた、バルブと開口３０１ｂ〜３０９ｂとの間のシールを容易に行なえるような、異なったタイプ及びサイズのワッシャ３０１ａ〜３０９ａを示している。これ以外の多数の形状及び構成によるバルブ、開口、及びワッシャが、本発明の範囲内において可能である。

次に、図９を参照すると、バルブ１００を組み立てるための工程図が示されている。ピストン１の外面に設けられた凹部に、Ｏリング８を取り付ける。次に、ピストン１を作動装置５に挿入する（段階１００１）。ピストン１を作動装置５の中で回転させて、ロック機構（図示せず）を、ピストンの突起フランジに設けられた凹部に係合させる（段階１００２）。同時に、カバー６をハウジング２にかぶせる（段階１００３）。ピストン１と作動装置５との組み合わせを、組み立てられたハウジング２／カバー６に挿入して（段階１００５）、ハウジング２と作動装置５とが、スナップロック機構とシール（図示せず）とによって係合し、ピストン１もそれらのスナップロック機構によって結合されるようにする（段階１００６）。いったん個別の部品が互いに結合されたならば、カバー６をハウジング２上に押し上げて、作動装置５のカム機構をカバーする（段階１００７）。ピストン１００に出口側から入口側に下方へプラグインサート２ｅを挿入して、シールとピストン１とを結合する指部２ｇ（図示せず）の間に、係合させる（段階１００８）。閉じたバルブを、何か都合良い方法で包むか包装して、滅菌する。任意的な事項として、輸送を行なうのに有用なその他の部品を、バルブと共に包装しても良い。

図１０ａ，１０ｂ，１０ｃは、本発明の第５の実施形態による使い捨てバルブ５００を示す、平面図、側断面図、及び断面図である。バルブ５００は前述した実施形態によるバルブと同様に動作するけれども、ピストン１は異なったやり方でシール２ａに結合されている。この実施形態では、ピストン１とシール２ａとは鋸歯の構成１ｃによって結合される。鋸歯を嵌合させることによって、シール２ａは、接合部２ｂにおいてシール２ａを破断させることなく、蒸気滅菌流体の荷重による通常の圧力に比べて何倍も大きな圧力に耐えることができる。

図１１は、第６の実施形態による使い捨てバルブ６００を示す側断面図である。作動装置５は、他の実施形態によるバルブのものとは異なった、ロック機構５１を有している。作動装置５は、スナップロック機構６ｄによって、ハウジング２に結合されている。ピストン１は、ネジ機構１１によって作動装置５に結合され、作動装置５の内面と、ピストン１の外面とには、互いに係合可能なネジが設けられている。

作動装置５は、回転するように付勢されていて、ロック機構５１は、作動装置５を通してピストン１に挿入されるロックピン５１ａを備え、これによって、付勢に抗して作動装置５の回転を防止する。ロックピン５１ａが引き抜かれると、作動装置５は付勢力に従って自由に回転できるようになって、シール２ａを破断するには不十分であるが、ロックピン５１ａを再び挿入できなくするには十分な程度、回転する。従って、ロックピン５１ａが存在しないのであれば、ユーザにバルブが汚染されていることについて警告を与えることになる。

いったんピンを引き抜いたならば、作動装置５はさらに回転して、シール２ａを破断する。シール２ａは、図１０ａ〜図１０ｃに関連して前述したような、鋸歯の構成１ｃによって、ピストン１に結合される。作動装置５が回転すると、ピストン１はバルブ６００の入口側からさらに動いて、シール２ａを破断して、流体は、バルブ６００に流入できるようになる。シール２ａがバルブ６００の入口側から移動する距離は、作動装置５の回転の大きさによって定められる。

ピストンがいずれかの方向へ過剰に動くことを防止するための制限機構も設けられている。ピストン１の外面には、ロックピン５ａの入口箇所から離れた位置に、止め具１２が設けられている。止め具１２は、バルブ１０１のシールされた入口側へ向かってピストン１が動くと、面１４に当接して、この方向へさらに動くことを防止する。同様に、バルブ１０１のシールされた入口側から遠ざかるようにピストン１が動くと、止め具１２は面１３に当接して、バルブ１０１のシールされた入口側から遠ざかる方向にさらに動くことを防止する。

次に、図１２ａ，１２ｂ，１２ｃを参照すると、本発明の実施形態による、複数回使用のバルブ７００が示されている。シール２１ａは、交換可能な取付具として提供されている。シール２１ａはバルブに取り付けるには、シール２１ａを鋸歯の構成１ａによってピストン１に取り付けて、クリップ止め機構２１を使用してカラー部分（図示せず）を所定位置にクリップさせる。開口４に取り付けられたときには、カラー部分をさらに所定位置に固定する。シール２１ａは、バルブ７００と開口４との間のワッシャとしても機能する。

使用時には、バルブ７００は、使い捨てバルブ１００〜６００と同様に動作する。使い捨てバルブ１００について説明したのと同様に、クリップ解放機構として、作動装置５及びロック機構５ａが設けられる。いったんロック機構５ａが解放されると、作動装置５は自由に回転する。ピストン１は、ピン３０ｃ及び３０ｄが使い捨てバルブ１００と同様な形成溝（図示せず）を追従することによって、バルブ７００のシールされた入口側から遠ざかる方向へ動く。ピストン１がバルブ７００のシールされた入口側から遠ざかる方向へ動くと、シール２１ａは、破断線２１ｂにて破断して、ピストン１と共に移動して、流体は、バルブ７００に入れるようになる。

図１３は、本発明に従った、開口４に結合される複数回使用のバルブ８００の別の実施形態を示している。バルブ８００においては、作動装置５とロック機構５２とが、図１２ｂのバルブ７００のものとは異なっている。作動装置５は、バルブ８００のシールされた入口側から離されて、ネジ機構によって、ピストン１に取り付けられる。作動装置５の内面は第１のネジを有し、ピストン１の外面は第２のネジを有し、双方のネジが互いに係合するようになっている。また、作動装置５は、固定取付具１５によって、ハウジング２に固定される。固定取付具１５は、ハウジング２から離されて作動装置５及びピストン１に取り付けられていて、固定取付具１５から離れた面にて、作動装置５がハウジング２に接触するように押圧する。

ロック機構５２は、作動装置５のハンドル６ｂを通してピストン１に挿入されたロックピン５２ｂとして提供される。バルブ１０３を使用するには、ロックピン５ｂを完全に取り外す。ロックピン５ｂが取り外されると、作動装置５は自由に回転する。

作動装置５が回転すると、ピストン１はバルブ８００のシールされた入口側から遠ざかる方向へ押し動かされる。シール２１ａがピストン１と共に動くと、シール２１は破断線２１ｂにて破断して、流体はバルブ８００に入れるようになる。

複数回使用のバルブにおいては、ピストン１とハウジング２と作動装置５とロック機構５とは、一般に、ステンレス鋼などの耐久性がある材料から製造される。他の材料も使用することができる。ピストン１とハウジング２とをステンレス鋼から形成する場合には、ピストンシールとしてＯリングシール８が用いられる。複数回使用のバルブにおけるシール２１ａは、当業者に公知であるあらゆる好適な材料から作ることができ、それらには、プラスチック、箔、ゴム、ゴム状タイプの材料、可撓性及び非可撓性の材料が含まれる。必要時にシール２１を交換するには、古い破断したシールを取り除いて、新たなシールを所定位置に挿入し、ピストン１とシール２１ａとの間の鋸歯の構成によってしっかりと所定位置に嵌着させる。複数回使用のバルブにおいては、適切な洗浄及び再滅菌と共に、ひとつのシール２１ａを１回以上使用することができる。しかしながら、装置の完全性を維持するためには５回を越えてシールを使用することは推奨されない。これに代えて、毎回の使用後に、シールが壊れたならば、シール２１ａを交換しても良い。

本発明によるバルブの使用方法の実際的な一例を以下に説明する。この例においては、第１の容器は管によって、第２の容器に結合される。管の各端部には、本発明によるバルブが設けられる。バルブをいずれかの端部に取り付けられた管を、バッグ内に配置して、例えば蒸気、ガス、放射線、又はその他の任意の手段によって滅菌する。第１の段階では、バッグを開いて、ひとつのバルブを取り外し、このバルブの外部シール面を周辺の汚染環境に曝す。バルブを第１の容器に結合させて、次に、第１の容器を滅菌し、バルブにおける露出された面を再滅菌する。この第１の容器を取り付けられた管と共に、第２の容器の現場へ搬送する。そこで、管の反対側の端部にあるバルブをバッグから取り出して、第１のバルブと第１の容器とに関連して説明したのと同様に、第２の容器に結合する。第２の容器と取り付けられたバルブとは、蒸気滅菌される。この時点で、双方のバルブを開けば、第１の容器と第２の容器との間には、滅菌された流体の経路が得られる。

本発明によるバルブの動作では、使用前に、バルブは事前に、例えばガス、ガンマ線、又は蒸気滅菌によって、滅菌されている。この段階では、バルブは閉じた状態になっている。いったん滅菌されたならば、管又は容器の任意の求められる開口に、バルブを結合することができる。バルブを開口に結合するには、バルブの外側のシールされた入口側を含むバルブの外面は、大気に曝されていて、従って滅菌性は汚されている。いったんバルブが結合されたならば、バルブが取り付けられた容器又は管を滅菌することで、バルブの外側の結合面も再滅菌することができる。いったんバルブの結合面が再滅菌されたならば、バルブを必要に応じて開くことができる。

バルブや任意のその部品は、あらゆる適当な材料から製造することができ、それらには、プラスチック材料（例えばポリプロピレンなど）、金属、又はセラミックが含まれる。使い捨てバルブにおいては、プラスチックが特に好ましい。

シール境界部から破り取られてバルブの本体内に引き込まれるようなシールを参照して、特に説明したけれども、本発明の範囲内において他の構成も可能であることを理解されたい。例えば、シールをバルブから押し出して流路を開くように、ピストンを構成しても良い。同様に、シールを切り開き、裂かれた部分を流路外へ曲げることで、シールを破断ないし破壊するように、ピストンを構成しても良い。本発明の範囲内において、多くの異なった形態のシールが可能であって、それらには薄い又は厚い膜、箔、可撓性の及び非可撓性の材料が含まれる。

本発明は、上述した特定の詳細に限定されるものではなく、それらは例示的に与えられたものであって、特許請求の範囲に定められた発明の範囲から逸脱せずに、様々な改変及び応用が可能であることを理解されたい。

本発明の第１の実施形態による、使い捨てのバルブを示す側断面図である。 図１ａに示す第１の実施形態によるバルブについての平面図である。 図１ａの線Ａ−Ａに沿った、バルブの断面図である。 図１ｄは、図１ａのバルブのハウジングを示す斜視図である。 図１ｄのハウジングの下半分の断面斜視図である。 カバーについて示す斜視図である。 カバーについて示す断面斜視図である。 第１の実施形態によるバルブのピストンを示す斜視図である。 出口端を変更したピストンについて、図１ｈに示す状態に比べて、長手軸線を中心として９０゜回転させて示す斜視図である。 第１の実施形態によるバルブのピストンを示す断面斜視図である。 第１の実施形態によるバルブの作動装置を示す斜視図である。 図１ｂによるバルブの作動手段について、作動前の様子を拡大して示す断面図である。 図１ｂによるバルブの作動手段について、作動前の様子を拡大して示す平面図である。 図１ｂによるバルブの作動手段について、作動後の様子を拡大して示す断面図である。 図１ｂによるバルブの作動手段について、作動後の様子を拡大して示す平面図である。 図１ｂによるバルブのシール部分について示す側断面図である。 図３ａの線Ｂ−Ｂに沿った断面図である。 作動後における、図３ａの線Ｂ−Ｂに沿った断面図である。 作動後における、図３ａによるバルブのシール部分についての側断面図である。 本発明の第２の実施形態による使い捨てバルブを示す側断面図である。 図４ａの線Ｃ−Ｃに沿ったバルブの側断面図である。 本発明の第３の実施形態による使い捨てバルブを示す平面図である。 図５ａの線Ｘ−Ｘに沿ったバルブの側断面図である。 本発明の第４の実施形態による使い捨てバルブを示す側断面図である。 本発明によるバルブにおけるシール部分を、作動前についてす側断面図である。 図７のリング部分を示す拡大図である。 異なるサイズのワッシャ及び容器の開口部を示す一連の側断面図である。 図１のバルブについて組立段階を示す図である。 本発明の第５の実施形態による使い捨てバルブを示す平面図である。 図１０ａのバルブについて、線Ｖ−Ｖに沿って示す側断面図である。 図１０ｂの線Ｆ−Ｆに沿って示すバルブの断面図である。 本発明の第６の実施形態による使い捨てバルブを示す断面図である。 本発明の第７の実施形態によるバルブを示す平面図である。 図１２ａのバルブについて線Ｔ−Ｔに沿って示す側断面図である。 図１２ｂの線Ｇ−Ｇに沿って示す断面図である。 本発明の第８の実施形態によるバルブを示す側断面図である。

Claims (22)

1. バルブ（１００，２００，３００，４００，５００，６００，７００，８００）であって、
   第１及び第２の開端部（１０，１１）と、端部間の流体のための通路（９）とを有する本体を備え、第１の端部は、本体を外部装置（４）の開口（４ｃ）のまわりにてシールして結合するための結合手段（２，２１）と、使用時に外部装置の開口に整列されて配置可能であるような、第１の端部における開口領域を閉鎖するシール（２ａ）とを含み、バルブはさらに、端部間の通路に沿って流体が通り抜けることを許容するシールを遮断すべく、本体の内部において可動になっているシール変位手段（１）を含み、結合手段とシールとは、外部装置の開口のまわりの合致面（１３）にシールして合致するための外部滅菌可能合致面（１２）を呈していることを特徴とするバルブ。
2. 変位手段は、シールを破断させて、本体の内部と外部装置との間の流体の連通を許容するための手段（１，１ｆ）を備えている請求項１記載のバルブ。
3. シールは、滅菌可能な外面にて、結合手段（２１）と一体に形成されている請求項１又は２に記載のバルブ。
4. 結合手段（２１）とシールとの間に結合部（２ｂ）が設けられ、少なくともひとつの脆弱化された破断線を備えていて、破断手段が本体内へ移動すると、破断手段は少なくともひとつの破断線の少なくとも一部分に沿ってシールを破壊する請求項３記載のバルブ。
5. 結合線ないし破断線は、合致面の厚みを減少させた領域から構成されている請求項４記載のバルブ。
6. 破断線は、無端状であって、シールを取り囲んでいる請求項４又は５に記載のバルブ。
7. 破断線（２ｂ）は円形の形状であり、シール（２ａ）は円板の形状であって、破断手段（１）が動いたとき、破断手段によって、円板形状のシールは、第１の端部の開口（１０）を閉鎖している位置から変位する請求項４〜６のいずれか１項に記載のバルブ。
8. 破断手段（１）は、互いに係合可能な把持手段（２ｇ，１ｆ）を介してシールを把持し、シール（２ａ）又はその一部分を合致面（１２）から引っ込めることによって、シールを破壊するように配置されている請求項１〜７のいずれか１項に記載のバルブ。
9. 互いに係合可能な把持手段は、シールと破断手段とに設けられ、破断手段は、バルブの本体内において第１の端部から第２の端部へ向かう方向へ移動可能になっていて、破断手段を移動させると、把持されたシールは、結合手段（２１）から解放されて破壊され、本体内に引っ込められる請求項８記載のバルブ。
10. 破断手段は、バルブの本体の第２の開端部を構成する開端部（１１）を有する、中空のピストン（１）から構成されている請求項９記載のバルブ。
11. 結合手段（２）は直立円筒部分（２ｉ）を含んでいて、ピストン（１）はその中で動いて、ピストンと円筒部分との間にはシール手段（８）が提供されている請求項１０記載のバルブ。
12. ピストンの壁には、シール（２ａ）に隣接して、１又は複数の開口（１ｉ）が提供されていて、流体はそれぞれの開口を介して、ピストンの内部と第１の端部との間を通り抜ける請求項１０又は１１に記載のバルブ。
13. シール（２ａ）が無傷で、バルブが閉じられている準備状態と、シールが破壊され、バルブを開くべく、ピストンによって合致面から離された展開状態との間において、ピストンを動かすための作動手段（５）が提供されている請求項１０〜１２のいずれか１項に記載のバルブ。
14. 作動手段は、ユーザが操作できるハンドル（５ｂ）と、結合手段（２）の円筒部分（２ｉ）に結合され、ハンドルを操作したときに円筒部分とピストンとの間に相対的な動きを生じさせるようにピストンに結合された、カラー部分（５ｃ）とを含んでいる請求項１３記載のバルブ。
15. 作動装置（５）がピストンを準備状態から展開状態へ動かすと、ピストンと裂かれたシールとは、結合手段（２）における円筒部分（２ｉ）の中へ引き込まれる請求項１３又は１４に記載のバルブ。
16. 作動手段は、ピストンが不用意に動くことを防止するための、安全ロック手段（５ａ，５ｉ）を含んでいる請求項１３〜１５のいずれか１項に記載のバルブ。
17. 安全ロック手段は、ピストンが準備状態から展開状態へ動くことを防止すべく、ピストンに係脱可能に係合可能であるような舌片（５ｊ）を備えている請求項１６に記載のバルブ。
18. 作動装置（５）が逆方向へ動いて、それによりバルブが展開状態から準備状態へ戻ることを防止するための、ストッパ手段（５ｉ，２ｆ，２ｈ，２ｄ）を含んでいる請求項１３〜１６のいずれか１項に記載のバルブ。
19. 準備状態と展開状態との間におけるバルブの状態をユーザに指示するための、視覚的な又は触覚的な指示手段（２ｎ，２ｒ，６ｂ）を含んでいる請求項１３〜１８のいずれか１項に記載のバルブ。
20. 本体における第２の端部は、上記第２の端部を下流処理領域へ取り付けるための、手段（１１，１１０）を含んでいる請求項１〜１９のいずれか１項に記載のバルブ。
21. バルブが、使い捨てのバルブを構成している請求項１〜２０のいずれか１項に記載のバルブ。
22. 把持手段は、シール（２ａ）の内面からバルブ内へ突出してなる、少なくともひとつの指要素（２ｍ，２ｇ）と、指要素を受け入れて保持すべく破断手段（１）に設けられた、受け要素（１ｆ）とを含んでいる請求項８〜２１のいずれか１項に記載のバルブ。

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