JP3897591B2 - 分離膜モジュール及びモジュールアセンブリ - Google Patents

分離膜モジュール及びモジュールアセンブリ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川水・湖沼水・井戸水・水道水等の上水の浄化、生活排水・産業排水等の下排水の浄化、製薬工業・電子工業・食品工業等の工業プロセス等に用いられる分離膜モジュール及びモジュールアセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】
分離膜モジュールを用いた水の濾過は、分離性能に優れ、コンパクトな装置構成で大量かつ連続的な処理ができることから、様々な用途で行われている。
【0003】
分離膜モジュールには、精密濾過モジュール、限外濾過モジュール、逆浸透モジュールなどがあり、分離対象物質にあわせて適宜選定され使用されている。例えば精密濾過モジュールは、10μm以下、特に1μm以下の微粒子や微生物を効率よく除去することができる。
【0004】
分離膜モジュールは、膜面積を大きくし且つ取り扱いを容易にするため、中空糸膜を円筒状やスクリーン状に形成した中空糸膜モジュール、平膜をプリーツ状に折り返して円筒状に形成したプリーツ型モジュール、あるいは平膜を平行に配置した平型モジュール等の各種形態で用いられている。
【0005】
また、濾過の方式としては、分離膜モジュールを原水中に浸漬した状態で吸引し濾過を行う浸漬方式、ポンプ等の加圧手段により原水を分離膜モジュールに供給し濾過を行う加圧方式等がある。なかでも加圧方式は、濾過差圧を高くとることができるため、高濾過流束での運転が可能であり、原水水質が比較的良好な場合に好ましく用いられる。例えば、近年、浄水場における処理において、従来の塩素消毒では殺菌できない原虫の問題が発生し、砂濾過後の水の処理に加圧方式が用いられている。
【0006】
浄水能力が数千m3/d以上の比較的大規模な処理施設では、多数の分離膜モジュールが使用される。その場合、分離膜モジュールを複数設置したり、一つの缶体の内部に多数本の分離膜モジュールを収容したマルチ缶体等が用いられる。
【0007】
しかしながら、分離膜モジュールを複数設置する場合には、各分離膜モジュールの接続のために多くの配管類が必要となり、スペースやコストが増加する問題があった。また、モジュール数の増加は施工時の取り扱い性の問題もあった。一方、マルチ缶体の場合、スペースの増加は抑えられるが、多数本の分離膜モジュールを収容するにはその分大きな缶体を必要とし、コストの増加につながる問題があった。このため、浄水施設の大型化に対応するため、コンパクトで大膜面積、且つ低コストな分離膜モジュールが求められていた。
【0008】
これらを解決する方法として、特許第2607579号には、ヘッダによりフィルタを連結する中空繊維フィルタ・カートリッジ及びヘッドが開示されている。この中空繊維フィルタでは、ケーシングの両端部に移送ヘッダが装着され、一方の移送ヘッダには、供給原料通路及び濾液通路が形成され、他方の移送ヘッダには、処理された供給原料通路が形成されている。この中空繊維フィルタを各移送ヘッド部分で直列に連結することにより、配管点数を増やすことなく膜面積を増加させることが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この中空繊維フィルタは、中空繊維フィルタの一方の端部側より供給原料を供給し、他方の端部側から処理された供給原料を取り出す、いわゆるクロスフロー濾過用のフィルタである。クロスフロー濾過方式は、中空繊維の表面に原液の流れを与えながら濾過を行うことにより、表面に閉塞物質が堆積しにくく、高濾過流束が得られる利点があるが、全量濾過方式と比べ大容量の原水ポンプが必要になり、また動力費がかさむ問題があった。
【0010】
なお、上記特許公報には、処理された供給原料通路が形成された移送ヘッダにおいて、この通路を封鎖して使用する方法も例示されている。このようにして使用するといわゆる全量濾過方式となるが、一般に全量濾過方式においては、例えば一定時間毎に逆通液による逆洗が行われ逆洗終了時にフィルタ一次側の原水が排出される。その際、逆洗の効果を十分に得るには、フィルタ一次側の原水をフィルタ外部に完全に排出する必要がある。しかしながら、前述の発明のフィルタを用いて、例えばフィルタ下部に位置する処理された供給原料通路を、バルブ操作により開閉し全量濾過を行った場合、処理された供給原料通路が中空繊維フィルタの下部と同じ高さに配置されているため、原水の排出が完全に行われず中空繊維フィルタの下部を十分に洗浄できない問題があった。また、フィルタを複数本連結した場合には排出がより困難になり、その傾向はより顕著であった。
【0011】
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、全量濾過用の分離膜モジュールを連結し大型化した場合でも、逆洗の効果が十分に得られる分離膜モジュール及びモジュールアセンブリを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、ハウジングの内部に分離膜エレメントを収容してなる分離膜モジュールであって、(a)少なくとも一方の端部が開口した状態でポッティング材により固定された分離膜を有する分離膜エレメントと、(b)その内部に分離膜エレメントを収容する、上方の端部に排気口を備えたハウジングと、(c)ハウジングの上方の端部に装着するヘッダであって、その内部に、濾液室、該濾液室を貫く流路を形成する濾液通路、排気室および該排気室を貫く流路を形成する気体通路が配設された第一のヘッダと、(d)ハウジングの下方の端部に装着するヘッダであって、その内部に、原液室および該原液室を貫く流路を形成する原液通路が配設された第二のヘッダと、を有してなることを特徴とする分離膜モジュールである。
【0013】
この分離膜モジュールは、分離膜が中空糸膜であることが好ましく、また、濾液通路出入口、気体通路出入口および原液通路出入口が、隣接して配置される同型の分離膜モジュールの濾液通路出入口、気体通路出入口および原液通路出入口に、それぞれ配管なしに接続可能に構成されてなることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、上記分離膜モジュールが複数個連結されてなるモジュールアセンブリであって、各分離膜モジュールが第一のヘッダ及び第二のヘッダ部分において隣接する分離膜モジュールと連結されてなることを特徴とするモジュールアセンブリである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の分離膜モジュール及びモジュールアセンブリの実施の形態を図面により詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の分離膜モジュールの一例を示す模式図である。本発明の分離膜モジュールAは、基本的には第一のヘッダ1、第二のヘッダ2、分離膜エレメント3およびハウジング4から構成される。
【0017】
図2は、本発明の分離膜モジュールの一例を示す模式分解図である。以下、図2を用いて本発明の分離膜モジュールについて説明する。
【0018】
第一のヘッダ1は、その内部に濾液室5、濾液室に連通し濾液室を貫いて流れる流路を形成する濾液通路6、排気室7、および排気室に連通し排気室を貫いて流れる流路を形成する気体通路8を備えている。また、必要に応じて分離膜エレメント3を固定するためのネジ溝9がその内部に設けられる。第一のヘッダ1は角柱形であり、その上部に円柱形の濾液室5が形成され、この濾液室の対向する側面に濾液通路6の連通口が配されている。また、濾液室の下方には円柱形の排気室7が形成され、この排気室の対向する側面に気体通路8の連通口が配されている。なお、図2の例においては、濾液通路と気体通路が互いに平行となるように配置されているが、ねじれ交差するように配置してもよい。第一のヘッダの材質には特に制限はなく、例えばポリオレフィン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリ塩化ビニル、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ステンレスのような金属等が使用できる。
【0019】
分離膜エレメント3は、この例では中空糸膜12がU字状に折り返され、ポッティング材13によって中空糸膜12が開口した状態でハウジングリング11の内部に固定されている。
【0020】
本発明に用いられる分離膜に特に制限はなく、精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透膜等を分離対象物質にあわせて適宜選定し使用することができる。また、分離膜の形態にも特に制限はなく、平膜や中空糸膜等を必要に応じて適宜使用することができるが、一定容積中に充填できる膜面積を多くできることから中空糸膜が好ましく用いられる。
【0021】
例えば上水、下排水等の濾過においては、外径0.2〜5mm、膜厚0.01〜2mm、平均孔径0.01〜5μm、空孔率20〜90%の中空糸膜を用いることが好ましい。外径が0.2mmよりも小さいと、中空糸膜内部を流れる水の通水抵抗が大きくなりやすく、5mmを超えると耐圧性の低下やモジュール化した際のコンパクトさを失う傾向がある。また、平均孔径が0.01μmよりも小さいと濾過流束が不足しやすく、5μmよりも大きいと分離性能が不足する傾向がある。また、空孔率が20%よりも小さいと濾過流束が不足しやすく、90%よりも大きいと耐圧性能が不足する傾向がある。
【0022】
本発明に用いられる分離膜の材質に特に制限はなく、ポリオレフィン、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることができる。また、水の濾過に疎水性の中空糸膜を用いる場合には、親水化処理して用いることが好ましい。
【0023】
本発明に用いられるハウジングリングは、分離膜を内部にポッティング材を介して固定することができれば、その構造、材質に特に制限はない。図2の例においては、ハウジングリング11は円筒状でその外周にネジ溝9が形成され、下部に襟部14が設けられている。第一のヘッダにもネジ溝を設けることにより、分離膜エレメント3を第一のヘッダ1に固定することが可能となり、この場合、襟部14は、分離膜エレメント装着時の掴み部分として利用できる。なお、分離膜エレメント3の固定は、ネジ溝9を用いずに行うことも可能であり、ネジ溝9は必要に応じ設ければよい。また、襟部14についても同様である。ハウジングリングの材質としては、例えば第一のヘッダで例示したもの等を使用することができる。
【0024】
本発明に用いられるポッティング材としては、十分な接着強度を有し、各用途で求められる要求性能を満たすものを適宜選定することができる。例えばウレタン系、エポキシ系、シリコン系、不飽和ポリエステル系等のポッティング材を挙げることができる。ポッティングの方法としては、遠心力を利用する方法や、中空糸膜束を静置した状態でポッティング材をポッティング部に流し込む方法等、各種の方法を使用することができる。
【0025】
図2においては、中空糸膜が一方の端部のみで固定された構造の分離膜エレメントを例示したが、本発明に用いられる分離膜エレメントは、一方の端部に濾過水が集水される構造であればよく、片端部のみ開口した中空糸膜が両端部で固定されている構造や、平行に集束された中空糸膜が両端部で開口して固定され、一端で得た濾過水を他端へ導く集水管を備えるような構造であってもよい。なお、分離膜エレメントの分離膜開口端部を有する面は、第一のヘッダと一体化された際には、濾液室に臨むように配置される。
【0026】
図2においては、分離膜エレメント3はヘッダ1、2やハウジング4と一体構造になっておらず、これらから着脱自在に構成されている。したがって、寿命等で分離膜の交換が必要な場合には分離膜エレメント3のみを交換することが可能であり、交換部材の減少によりコストを抑えることが可能となる。但し、本発明の分離膜モジュールは、分離膜エレメントがヘッダやハウジングと一体構造であってもよい。
【0027】
ハウジング4は、その内部に分離膜エレメント3が収容でき、第一のヘッダ1及び第二のヘッダ2に装着できれば、その構造、材質等に特に制限はない。図2においては、ハウジング4は円筒形であり、その一方の端部付近に排気口15を備えており、また排気口15の下部及びハウジング4の下端付近にシール部材10'を有する。ハウジング4の内部の空気は、排気口15を通り、第一のヘッダ1内の排気室7に移動し、気体通路8から分離膜モジュールの外部に排出される。ハウジング4に用いられる材質に特に制限はなく、例えば第一のヘッダで例示したもの等を使用することができる。
【0028】
第二のヘッダ2は、その内部に原液室16、該原液室に連通し該ヘッダーを貫く流路を形成する原液通路17を備えている。第二のヘッダ2は角柱形であり、その下部に円柱形の原液室16が形成され、原液室はその対向する両側面に原液通路17の連通口が配されている。第二のヘッダの材質についても特に制限はなく、第一のヘッダで例示したもの等を使用することができる。
【0029】
本発明の分離膜モジュールは、以下のようにして組み立てられる。まず、分離膜エレメント3の襟部14にシール部材10を装着し、分離膜エレメント3を第一のヘッダ1のネジ溝9部分に螺合する。これによって、濾液室と排気室とがポッティング材を介して気密に隔離される。次いで、分離膜エレメント3を内部に収容するようにハウジング4を第一のヘッダ1に取り付け、更にハウジングの他端に第二のヘッダ2を取り付けることにより、分離膜モジュールが組み立てられる。
【0030】
本発明の分離膜モジュールにおいて、濾過は以下のようにして行われる。原液は、第二のヘッダ2の原液通路17から原液室16に入り、ハウジング4の内部に流入する。ハウジング4の内部の空気は、ハウジング4に設けられた排気口15を通して第一のヘッダ1の排気室7に入り、気体通路8から分離膜モジュールの外部に排出される。原液は、中空糸膜12の外部から内部に向かって透過し、原液中の汚濁物質等は中空糸膜12の外表面に捕捉される。汚濁物質等が除去された濾液は、中空糸膜12の中空部を通りポッティング部13の中空糸膜開口部から第一のヘッダ1の濾液室5に流入する。次いで、濾液は濾液通路6を通り分離膜モジュールの外部に取り出される。
【0031】
次に、逆洗は以下のようにして行われる。気体通路8が開状態とされ、濾液室5内の濾液(洗浄液)が分離膜エレメント3に逆通液される。洗浄液は中空糸膜12の内部から外部に向かって透過し、中空糸膜外表面の汚濁物質等が剥離除去される。次いで、下部に位置する第二のヘッダ2の原液通路17が開状態とされ、中空糸膜一次側の原水および洗浄液の混合液は、剥離除去された汚濁物質等と共に分離膜エレメントの外部に排出される。その際、気体通路8からハウジング4の内部に空気が供給されるので、排出は速やかに行われる。本発明の分離膜モジュールにおいては、中空糸膜一次側の原水および洗浄液排出時の通路となる原液通路17が分離膜エレメント3の下部に配置されていることから、原水および洗浄液の排出が完全に行われ、逆洗の効果を十分に得ることができる。なお、逆洗の方法としては、中空糸膜一次側の原水を排出した後に洗浄液を逆通水することも可能である。この場合も、洗浄液の排出路となる原液通路17が分離膜エレメント3の下部に配置されていることから、排出を完全に行うことができる。また、スクラビングにより逆洗を行う場合には、原液通路17をスクラビングエアーの通路として用いることもできる。
【0032】
図3は、第一のヘッダの一例を示す模式図である。第一のヘッダ1は角柱状であり、その側面に濾液通路6、気体通路8、ロッド穴18を備えている。ロッド穴18は、分離膜モジュールを複数個連結してモジュールアセンブリを形成する際に、ロッドを通し連結するために用いられる。なお、分離膜モジュールの連結には必ずしもロッドを用いる必要はなく、分離膜モジュール間を液密、気密に保持できればその連結方法は限定されない。
【0033】
図4は、第二のヘッダの一例を示す模式図である。第二のヘッダ2も角柱状であり、その側面に原液通路17、ロッド穴18を備えている。ロッド穴18も、モジュールアセンブリを形成する際に、ロッドを通し連結するために用いられる。なお、第一のヘッダ1と同様に、分離膜モジュールの連結に必ずしもロッドを用いる必要はなく、分離膜モジュール間を液密、気密に保持できればよい。
【0034】
図5は、本発明のモジュールアセンブリの一例を示す模式図である。モジュールアセンブリBは、各分離膜モジュールが、第一のヘッダ1及び第二のヘッダ2部分において複数個連結されている。第一のヘッダ1部分には、ロッド22が2本通され、各ロッドの両端部にはナット23が装着され連結固定されている。また、第二のヘッダ2部分についても同様に、ロッド22及びナット23により連結固定されている。この各ヘッダ同士の連結により、濾液通路出入口、気体通路出入口および原液通路出入口が、隣接する分離膜モジュールの濾液通路出入口、気体通路出入口および原液通路出入口にそれぞれ接続される。各ヘッダの濾液通路6、気体通路8および原液通路17の間には、シール部材10’’が装着されている。このようなヘッダ同士を接続可能な構造にすることにより、特別な配管部材を用いることなく分離膜モジュールを液密及び気密に連結することが可能となる。なお、本例においては、分離膜モジュールの連結により、濾液通路、気体通路および原液通路のいずれも直線的な通路が形成されているが、必ずしも直線的通路である必要はなく、蛇行通路やジグザグ通路であってもよい。
【0035】
以下、本発明のモジュールアセンブリを用いて濾過を行う方法について説明する。濾過を行う場合、最も右側に位置する分離膜モジュールの第一のヘッダ1の濾液通路6に封止栓19が装着され、気体通路8には気体抜き弁20が取り付けられる。また、最も右側に位置する第二のヘッダ2の原液通路17にはドレイン弁21が装着される。さらに、最も左側に位置する分離膜モジュールの第一のヘッダ1の気体通路に封止栓19が装着される。
【0036】
まず、ドレイン弁21が閉じ、気体抜き弁20が開いた状態で原液の供給が開始される。原液は、左側の分離膜モジュールの第二のヘッダ2の原液通路17に供給され、その一部が原液室16からハウジング4内に流入する。残る原液は右側の原液通路から、中央の分離膜モジュールに流入し同様にその一部がハウジング4内に流入する。残る原液は右側の分離膜モジュールに流入し全量がハウジング4内に流入する。このようにして、原液は各分離膜モジュールに供給される。
【0037】
各分離膜モジュールに供給された原液はハウジング4内部を上昇し、ハウジング4内部の空気は、排気口15を通して第一のヘッダ1の排気室7に入る。各分離膜モジュールの排気室7は気体通路8により連通しており、空気は右側の分離膜モジュールに装着されている気体抜き弁20に向かって移動し外部へ排出される。空気の排出が終了した時点で気体抜き弁20を閉じる。
【0038】
各分離膜モジュールに供給された原液は、中空糸膜12の外部から内部に向かって透過し、原液中の汚濁物質等は中空糸膜12の外表面に捕捉される。汚濁物質等が除去された濾液は、中空糸膜12の中空部を通り第一のヘッダ1の濾液室5に流入する。各分離膜モジュールの濾液室5は濾液通路6により連通しており、濾液は左側の分離膜モジュールに向かって移動し外部へ取り出される。
【0039】
濾過を暫く継続すると原液中の汚濁物質等により分離膜の表面が閉塞し、濾過流量の減少や濾過差圧の上昇がおこる。その場合、逆通液やスクラビング洗浄等の逆洗が行われる。ここでは、原水の排出後に逆通液する場合について説明する。各分離膜モジュールの一次側は、第一のヘッダ1の気体通路8及び第二のヘッダ2の原液通路17により各々連通している。気体抜き弁20が開いた状態でドレイン弁21を開けると、気体抜き弁20から空気が入り、全ての分離膜モジュールの中空糸膜一次側の原水がドレイン弁21より排出される。次いで、左側の分離膜モジュールの第一のヘッダ1の濾液通路6から加圧エアー等により加圧すると、各分離膜モジュールの濾液室5内の濾液が各分離膜エレメント3に逆通液される。各分離膜モジュールの洗浄排水は、第二のヘッダ2内の原液通路17内を右側の分離膜モジュールに向かって移動し、ドレイン弁21より排出される。
【0040】
本発明のモジュールアセンブリにおいては、中空糸膜一次側の原水排出時の通路となる原液通路17が分離膜エレメント3の下部に配置されていることから、排出が完全に行われ、逆洗の効果を十分に得ることができる。また、スクラビング洗浄を行う場合には、気体抜き弁20が開けられ、原液通路を利用しスクラビングエアーが供給される。スクラビング終了後ドレイン弁21が開けられ、排出終了後にドレイン弁21が閉じられる。
【0041】
逆洗終了後、気体抜き弁20が開けられ、原液が供給されハウジング4内の空気が排出された後に濾過が再開される。
【0042】
図5においては分離膜モジュールを3本直列的に連結する例を示したが、連結する本数は必要に応じ選定することができ、例えば2〜20本を例示することができる。連結する本数が20本を超える場合は、原液や濾液の通水抵抗が大きくなったり、排出が効率よく行われなくなる場合がある。また、分離膜モジュールをさらに多数組み付ける方法として、分離膜モジュールを複数連結したモジュールアセンブリをさらに複数並列に配置することもできるし、あるいは分離膜モジュールを二次元的に連結することもできる。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0044】
(実施例1)
「中空糸膜モジュールの作製」
中空糸膜として、親水化ポリエチレン多孔質中空糸膜:EX410TS(三菱レイヨン(株)製、平均孔径0.1μm、内径270μm、外径410μm)を用いて、図1に示すような構造の中空糸膜モジュールを作製した(膜面積20m2)。なお、分離膜モジュールのサイズは、W240×D240×H1000であった。このようにして作製した中空糸膜モジュールを3本連結し、図5に示すような構造のモジュールアセンブリを作製した(膜面積60m2)。なお、モジュールアセンブリのサイズは、W740×D240×H1000であった。
【0045】
「濾過試験」
作製したモジュールアセンブリを使用し、井戸水を原水として1ヶ月間の濾過試験を実施した。試験は、濾過流束3(m3/m2/d)で濾過を行い、1時間に1回、濾過水を逆通水(水量:濾過水量の3%)する条件で、濾過と逆洗を繰り返し実施した。逆洗は、まず、原水供給停止後に気体抜き弁及びドレイン弁を開け、分離膜の一次側の原水を分離膜モジュールから排出し(所要時間40秒)、次いで、逆通水ポンプにより濾過水を逆通水し、洗浄排水を分離膜モジュールから排出した(所要時間40秒)。逆洗終了後、ドレイン弁を閉じ原水供給を再開し、分離膜一次側の空気排出終了後に気体抜き弁を閉じ、濾過を再開した(所要時間30秒)。濾過試験の結果、試験開始時の初期差圧は10kPa(20℃)であったのに対し、1ヶ月運転後の濾過差圧は15kPa(20℃)であった。
【0046】
以上のように、本発明のモジュールアセンブリを使用した場合には、逆洗が効率的に実施できるので、1ヶ月運転後も差圧の上昇は小さかった。
【0047】
【発明の効果】
このように、本発明の分離膜モジュール及びモジュールアセンブリによれば、全量濾過用の分離膜モジュールを連結して大型化した場合でも、逆洗が効率的に実施でき、長期にわたって分離膜モジュールの濾過能力の低下が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分離膜モジュールの一例を示す模式図である。
【図2】 本発明の分離膜モジュールの一例を示す模式分解図である。
【図3】第一のヘッダの一例を示す模式図である。
【図4】 第二のヘッダの一例を示す模式図である。
【図5】 本発明のモジュールアセンブリの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
A 分離膜モジュール
B モジュールアセンブリ
1 第一のヘッダ
2 第二のヘッダ
3 分離膜エレメント
4 ハウジング
5 濾液室
6 濾液通路
7 排気室
8 気体通路
9 ネジ溝
10、10’、10’’ シール部材
11 ハウジングリング
12 中空糸膜
13 ポッティング材
14 襟部
15 排気口
16 原液室
17 原液通路
18 ロッド穴
19 封止栓
20 気体抜き弁
21 ドレイン弁
22 ロッド穴
23 ナット

Claims (4)

  1. ハウジングの内部に分離膜エレメントを収容してなる分離膜モジュールであって、(a)少なくとも一方の端部が開口した状態でポッティング材により固定された分離膜を有する分離膜エレメントと、(b)その内部に分離膜エレメントを収容する、上方の端部に排気口を備えたハウジングと、(c)ハウジングの上方の端部に装着するヘッダであって、その内部に、濾液室、該濾液室を貫く流路を形成する濾液通路、排気室および該排気室を貫く流路を形成する気体通路が配設された第一のヘッダと、(d)ハウジングの下方の端部に装着するヘッダであって、その内部に、原液室および該原液室を貫く流路を形成する原液通路が配設された第二のヘッダと、を有してなることを特徴とする分離膜モジュール。
  2. 分離膜が中空糸膜であることを特徴とする請求項1記載の分離膜モジュール。
  3. 濾液通路出入口、気体通路出入口および原液通路出入口が、隣接して配置される同型の分離膜モジュールの濾液通路出入口、気体通路出入口および原液通路出入口に、それぞれ配管なしに接続可能に構成されてなる請求項1または2記載の分離膜モジュール。
  4. 請求項3記載の分離膜モジュールが複数個連結されてなるモジュールアセンブリであって、各分離膜モジュールが第一のヘッダ及び第二のヘッダ部分において隣接する分離膜モジュールと連結されてなることを特徴とするモジュールアセンブリ。
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