JP2005247623A - シリコンからのホウ素除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、金属シリコンから簡単な方法で安価に極めて効率よくホウ素を除去する。
【解決手段】 不純物としてホウ素を含有する金属シリコンを融点以上2200℃以下に加熱して溶融状態とした後、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を該溶融シリコンに添加することで、スラグを形成すると共に、シリコン中のホウ素を除去することを特徴とするシリコンからのホウ素除去方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属シリコンからホウ素(B)を簡便な方法により除去する方法に関するものであり、得られたシリコンは、ホウ素以外の不純物をさらに除去することにより、太陽電池の原料として使用することができる。
太陽電池に使用されるシリコンは、一般に99.9999%程度の純度が必要とされ、各種金属不純物は0.1質量ppm以下、又、Bは少なくとも0.3質量ppm以下、好ましくは0.1質量ppm以下であることが要求される。この純度を満たすシリコンとしては、シーメンス法で得られる半導体用シリコン、即ち、シリコン塩化物を蒸留後熱分解して得られる高純度シリコンがある。しかしながら、このシーメンス法は、コストが高く、大量にシリコンを必要とする太陽電池には不向きである。
安価なシリコンとしては、アーク炉を使用し珪石をカーボンで還元して得られる金属シリコンがあるが、純度は通常98%程度であり、Fe、Al、Ca等の各種金属不純物と、シリコンのドーパントとしても使用されるP、B等が含まれている。このため、このままでは、太陽電池の原料に使用することは不可能である。そこで、この安価な金属シリコンを精製し、太陽電池に使用しようとする試みが多く為されてきた。
金属シリコンに含有される不純物の内、Fe、Al、Ca等の各種金属不純物は、一方向凝固法で除去することができる。即ち、シリコン融液が固化する際に、共存する融液シリコンに金属不純物は多く分配し、固化したシリコンにはわずかしか取り込まれないという現象を使用した精製方法である。「固相シリコン中の不純物濃度/液相シリコン中の不純物濃度」は、偏析係数と呼ばれるが、Fe、Al、Ca等の各種金属不純物では、偏析係数が1よりはるかに小さいため、この一方向凝固法でシリコンから除去できる。つまり、最後に固化する部分にこれら不純物を濃縮することにより、他の大部分のシリコンからこれら不純物を除去できる。
また、金属シリコン中の蒸気圧の大きい不純物は、例えば、P、Ca、Na等は、減圧下でシリコンを溶解することにより、即ち、真空溶解法により、シリコンから除去することができる。
これらに対し、Bは、偏析係数が1に近く、蒸気圧も小さいので、上記の方法では除去することが困難である。これに対し、種々の方法が提案されている。
(特許文献1)には、シリコンを酸洗浄する方法、真空溶解法、一方向凝固法と共に、スラグ精錬法によるシリコンからのB除去方法が開示されている。これによると、抽出用溶解物、詳しくは合計10kgのCaF+CaO+SiOから成るスラグと5kgのシリコンを1450〜1500℃で共に溶解し、シリコン中のホウ素を30質量ppmから8質量ppmに低下できる。しかしながら、Bの低下率は小さく、処理後もB含有量が多いので、太陽電池に使用するシリコンとしては不十分である。また、スラグ精錬法では、溶融シリコン中のBがスラグに吸収除去されるわけであるが、上記組成のスラグではB分配比(溶融スラグ中のB濃度/溶融シリコン中のB濃度)が1.375と小さく、何度もスラグ精錬法を繰り返さなければならないという不都合がある。例えば、シリコン中のB濃度が10質量ppmで、上記実施例と同じくシリコンの2倍量の上記スラグを用いた場合には、使用するスラグ中にBが全く含有されていないとしても、3回スラグ精錬を行わねば、Bは0.3質量ppm以下にはならない。さらに、通常は、使用するスラグ中に少なくとも数質量ppm程度のBは含有されており、スラグはシリコンの同量以下程度しか使用しないので、スラグ精錬回数はさらに多くなる。
(特許文献2)には、アルカリ土類金属又はアルカリ金属酸化物の一方又は両方を含有するスラグ又はスラグ成分と粉砕した粗製シリコン(金属シリコンと同等純度)を溶融前に強く混合した後に溶融するスラグ精錬法が記載されている。しかしながら、一般に原料の粗製シリコンを粉砕するには相当のコストを要するし、また、粉砕の際に汚染が発生する場合も多い。さらに、強く混合することも相当のコストを要する。また、この精錬を繰り返し行う際には、そのたびにシリコンを粉砕し、スラグとの混合を実施せねばならず、非常に手間がかかることとなる。このような理由から、工業プロセスにおいては、粉砕工程及び混合工程を含むプロセスは好ましくない。さらに、(特許文献2)の実施例によると、最終的に得られたシリコン中のB濃度は1質量ppmであり、太陽電池に使用するシリコンとしては不十分である。
(特許文献3)には、金属シリコンにフラックス(スラグ)を添加し、酸化性ガスを吹き込むスラグ精錬法が開示されている。この方法では、スラグの高塩基度と高酸素分圧を同時に実現でき、シリコン中のBを効率よく除去できるとされている。スラグ中の塩基成分としてはCaO、CaCO、NaOが挙げられており、実施例には、Bは初期濃度の14質量ppmから7.6質量ppmまで低下したことが記載されている。しかしながら、溶融シリコン中にガスを吹き込むことはかなり困難であり、特に、ガス吹き込みのための実用的なノズルを構成する材質として適切なものが無い。また、最終的に得られたシリコン中のB濃度も7.6質量ppmと、太陽電池に使用するシリコンとしては不十分である。
また、(非特許文献1)にも、スラグ精錬の方法が述べられている。使用されたスラグは、NaO−CaO−SiOであり、このスラグを予め1700℃(1973K)で製造後、初期B濃度が高い金属シリコン浴に投入し、スラグ精錬を行っている。この際のB分配比は最高で3.5であり、それまでのB分配比の最高値の2.2程度より向上したことが述べられている。しかしながら、B分配比が3.5程度では、原理的に、シリコン中のB濃度を0.4質量ppm程度までしか下げることができず、太陽電池に使用するシリコンの製造は困難である。これは、後述するように、使用するスラグ中のB濃度を「ゼロ」にはできず、1〜数質量ppm程度は必ず含有しているからである。
さて、スラグ精錬が一般的に実施されている工業プロセスとしては製鉄プロセスがあるが、B酸化物は鉄の酸化物よりはるかに安定であるので、製鉄プロセスにおいては鉄を酸化させずにBを酸化し、生成したB酸化物をスラグに吸収させる方法で容易に除去することができる。これに対し、B酸化物とシリコン酸化物の安定性はほぼ同じであり、Bを酸化しスラグに吸収させようとすると、シリコンも酸化されてしまう。このように、シリコンと鉄では特性が大きく異なるので、製鉄プロセスでのスラグ製錬技術をそのままシリコンに応用するのは不可能である。
スラグ精錬以外の方法でシリコン中のB除去する方法として、シリコン中のBを酸化し、これを気化させシリコンから除去する方法も考案されている。ただ、上で述べた理由により、Bを酸化する際にシリコンも酸化されるので、下記に示すどの方法であれ、シリコン回収率が低下するという問題がある。
(特許文献4)には、プラズマガスにHOガス又はO、CO等の酸化性ガス及びCaO、SiO等の酸素含有物質を添加することにより、B等を有利に除去する方法が開示されている。実施例によると、Bは初期の8.0質量ppmから0.2質量ppmまで低下している。
(特許文献5)にも、プラズマジェットに水蒸気、シリカ(SiO)を添加し、シリコンを精製する方法が開示されている。実施例によると、Bは初期の17質量ppmから1.0質量ppmまで低下している。
(特許文献6)には、溶融シリコンと上部の電極の間にアークを発生させ、容器内に不活性ガス、好ましくは酸化性ガスを吹き込むことによるB除去法が開示されている。
また、プラズマやアークではないが、特殊なトーチを利用する方法としては、(特許文献7)、(特許文献8)に、酸素−水素トーチに水蒸気、SiOを添加し、溶融シリコンを精製する方法、さらにはSiOの他にCaO、BaO、CaFを添加し、溶融シリコンを精製する方法が開示されている。
プラズマ、アーク、特殊なトーチを使用せず、Bを酸化ガスとして除去する方法としては、(特許文献9)に、底部にガス吹き込み羽口を有するシリカを主成分とする容器内でシリコンを溶解し、羽口からArもしくはHガス又はこれらの混合ガス、好ましくは酸化性ガスのHO、CO又はOの一種以上をさらに混合し、吹き込む方法が開示されている。この方法では、Bは酸化物ガスの形で除去されると考えられている。また、原料シリコン中のB濃度が高い場合には、羽口から吹き込まれるガスに、SiO、CaO、CaCl、CaFの1種以上の混合物を添加すると、B除去が有利であることも記載されている。実施例によると、Bは初期の25質量ppmから5質量ppmまで低下している。
(特許文献10)には、1400℃以下で分解し、HO又はCOの一方又は両方を発生する1種又は2種以上の固体を、キャリアガスと共に溶融シリコン浴中に吹き込むB除去方法が開示されている。この方法では、Ca(OH)、CaCO、MgCOが使用されており、Bは酸化物ガスとなり、キャリアガスと共に排出されると記載されている。また、実施例には、シリコン中のB濃度は1ppm以下に低下したと記載されている。
(特許文献11)には、塩化物を添加し塩化ホウ素を生成させ、Bを除去する方法が開示されている。例えば、CaCl、CaO、SiOを用い、B濃度を初期の17質量ppmから5質量ppmまで低下させている。
以上の従来のスラグを利用した精錬方法をここでまとめてみる。
第一のグループは、溶融シリコン中のBをスラグに吸収・分配させ、シリコン中のBを下げる方法である。この中には、溶解前に予めシリコンとスラグ成分を粉砕・混合する方法や、スラグの他に酸化性ガスを導入する方法も含まれる。
第二のグループは、プラズマ、アーク、特殊なトーチを利用し、酸化性ガス又はSiO、さらにはCaO、BaO、CaFの一種以上を添加し、Bを酸化物とし、気化させ、除去する方法である。
第三のグループは、プラズマ等は利用せずに、ArもしくはH好ましくは酸化性ガスのHO、CO又はOの一種以上を溶融シリコンに吹き込む方法、さらには、SiO、CaO、CaCl、CaFの1種以上も添加する方法、キャリアガスと共に1400℃以下で分解し、HO又はCOの一方又は両方を発生する1種又は2種以上の固体を、溶融シリコン浴中に吹き込む方法である。また、塩化物の使用を主眼とする方法もある。
特開昭56−32319号公報 特開昭58−130114号公報 特開203−12317号公報 特開平4−130009号公報 特開平4−228414号公報 特開平5−246706号公報 米国特許5972107号明細書 米国特許6368403号明細書 特開平4−193706号公報 特開平9−202611号公報 WO89/02415号公報 棚橋、他、資源と素材、Vol.118、p.497−505 (2002)
第一グループのスラグを利用したB除去方法においては、通常利用されるスラグ又はスラグ原料には、Bが1〜数質量ppm程度含有されている。実験室的には、スラグ自体を精製し、極めて高純度なBの少ないスラグを得ることは、不可能でないかもしれないが、工業的には、Bをほとんど含有しないスラグを入手することは不可能である。このため、シリコンにスラグを添加すること自体が、シリコンを汚染することとなり、スラグへのB吸収・分配だけでは、シリコン中のBを十分に下げることは不可能となる。例えば、スラグ中のBが1.5ppmであり、B分配比が、(非特許文献1)に記載されているこれまでの最高値の3.5で、極めて多数回のスラグ精錬(スラグへのB吸収・分配)を繰り返し行っても、0.43質量ppm(1.5/3.5=0.43)以下にBを下げることは、原理的に不可能である。もし、非常に高いB分配比が実現できれば、シリコン中のBをさらに下げることができるが、現在までのスラグ精錬で得られているB分配比で、上記の条件では0.4質量ppm程度が限界である。この理由から、第一グループの方法のみでは太陽電池用シリコンを製造することは現状では困難である。
第二グループのプラズマ等を使用する方法は、Bを気化除去できるので、第一グループの方法のような原理的な困難は無いが、装置が大がかりなためコストがかかり、工業的には好ましくない。
第三グループは、ガスと共にスラグ原料を吹き込む方法であるが、溶融シリコンは、非常に反応性に富むので、ガス導入部分として羽口とかノズルを有する構造は、腐食・破壊の原因となり、工業的に好ましくない。また、塩化物の使用を主眼とする方法は、塩化物を含有したガスが発生するため、相当の排ガス処理が必要となり、やはり工業的に好ましくない。
また、第一グループの方法と同じく、第二グループ、第三グループの方法においても、B分配比が低いという問題があった。
本発明においては、以上の問題を解決するため、スラグ精錬におけるB分配比を高める方法を提供する。さらに、羽口もノズルも有しない極簡単な炉を使用し、スラグへのB吸収・分配と、Bの気化除去を同時に行える方法を提供する。
本発明の構成は次の通りである。
(1) 不純物としてホウ素を含有する金属シリコンを融点以上2200℃以下に加熱して溶融状態とした後、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を該溶融シリコンに添加することで、スラグを形成すると共に、シリコン中のホウ素を除去することを特徴とするシリコンからのホウ素除去方法。
(2) 上記(1)にて、形成したスラグを排出するシリコンからのホウ素除去方法。
(3) 上記(2)にて、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を溶融シリコンに添加してから、形成したスラグを排出するまでの間隔が5分以上であるシリコンからのホウ素除去方法。
(4) 上記(1)〜(3)にて、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を同時に添加するシリコンからのホウ素除去方法。
(5) 上記(1)〜(3)にて、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体の添加を別々に行うシリコンからのホウ素除去方法。
(6) 上記(5)にて、前記添加の間隔が30分以内であるシリコンからのホウ素除去方法。
(7) 上記(1)〜(6)にて、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体の添加を2回以上に分けて行うシリコンからのホウ素除去方法。
(8) 上記(7)にて、既に形成されたスラグを排出した後に、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体の新たな添加を行うシリコンからのホウ素除去方法。
(9) 上記(8)にて、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を溶融シリコンに添加してから、形成したスラグを排出するまでの間隔が5分以上であるシリコンからのホウ素除去方法。
(10) 上記(8)にて、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を添加しスラグ形成後スラグを排出するプロセスを複数回実施するシリコンからのホウ素除去方法。
(11) 上記(10)にて、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を添加しスラグ形成後スラグを排出するプロセスを複数回実施するシリコンからのホウ素除去方法において、途中、溶融シリコン中のホウ素濃度が1質量ppm以下であるシリコンからのホウ素除去方法。
(12) 上記(1)〜(11)にて、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体の添加量が、形成するスラグで溶融シリコン表面を完全に覆わない量であるシリコンからのホウ素除去方法。
(13) 上記(1)〜(12)にて、添加する二酸化珪素中の珪素のモル数が、アルカリ金属の炭酸塩およびアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方中のアルカリ元素のモル数の0.05〜20倍であるシリコンからのホウ素除去方法。
(14) 上記(1)〜(13)にて、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方のアルカリ元素が、リチウム、ナトリウム、又はカリウムの1種又は2種以上であるシリコンからのホウ素除去方法。
(15) 上記(14)にて、アルカリ金属の炭酸塩及びアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、又はこれらの水和物の1種又は2種以上であるシリコンからのホウ素除去方法。
(16) 上記(1)〜(15)にて、生成するスラグの粘性を高める添加剤をさらに添加するシリコンからのホウ素除去方法。
本発明の主構成は次の通りである。
本発明の主構成は、溶融シリコンに二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩の両方を直接添加し、生成したスラグにBを吸収・分配させ、さらに、この際に、かなりの量のBを気化除去し、しかる後にシリコンとスラグを分離する方法である。この方法においては、ガス吹き込みは不要であり、従って、炉に羽口とかノズルを設置する必要はなく、極単純な炉で本発明を実施することができる。また、アルカリ金属の炭酸塩の代わりに該炭酸塩の水和物を使用することも可能であり、水和物使用の場合に特徴的な利点もある。
ここで、本発明の主構成の重要な点は、次の二点である。
第一には、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩をそのまま溶融シリコンに添加する点であり、予め二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩を処理しスラグ化しないことである。例えば、先に引用した(非特許文献1)には、NaO−CaO−SiOの組成のスラグを予め1700℃(1973K)で製造後、初期B濃度が高い金属シリコン浴に投入し、スラグ精錬を行っている。本発明においては、実施例と比較例でも指摘するが、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩をそのまま溶融シリコンに添加することが重要であり、この方法によると、B分配比として5〜10以上の極めて高い値が得られ、Bを0.1質量ppm以下にすることができる。もし、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩を予めスラグ化すると、B分配比は2程度であり、従来技術と比べ同一レベルに留まる。また、Bを気化させる作用も、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩をそのまま溶融シリコンに添加した時のみに発揮される。さて、本発明の二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩をそのまま溶融シリコンに添加する方法が今まで試されなかった理由であるが、想像するに、本発明の方法ではかなり激しい反応が生じると想像されるので、敬遠されたと考えられる。本発明者らも実験前はそのように想像したが、実際はそれほど激しい反応でもないことが確認された。
また、アルカリ金属の炭酸塩の代わりに、アルカリ金属の炭酸塩の水和物を使用した場合には、反応が若干激しくなるものの、B分配比がさらに向上する利点がある。
第二に重要な点は、二酸化ケイ素の添加が不可欠な点である。例えば、先に引用した(特許文献10)には、1400℃以下で分解し、HO又はCOの一方又は両方を発生する1種又は2種以上の固体を、キャリアガスと共に溶融シリコン浴中に吹き込むB除去方法が開示されている。この(特許文献10)の方法は、ノズル等を使用し、固体を溶融シリコンに吹き込んでいるので、単純な添加が可能な本発明とは元々異なるし、また、アルカリ金属の炭酸塩への言及も無いが、本発明と決定的に異なる点は、二酸化ケイ素が添加されていない点である。本発明において、もし、二酸化ケイ素を添加せずアルカリ金属の炭酸塩のみを添加すると、アルカリ金属の炭酸塩の大部分はすばやく気化してしまい、スラグを形成することはほとんど無い。また、すばやく気化してしまうので、わずかに生成するかもしれないスラグにBを分配吸収させる働きや、Bを気化させる働きも大幅に失われてしまう。二酸化ケイ素と共にアルカリ金属の炭酸塩が添加された時のみ、スラグにBを分配吸収させる働きや、Bを気化させる働きが大きく発揮される。
本発明により、極簡便な大気溶解炉を用い、溶融シリコンに二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩を投入するだけの簡便な方法で、Bを含有する安価な金属シリコンからBを0.3質量ppm以下まで、さらに0.1質量ppm以下まで除去することができる。本方法と一方向凝固法や真空溶解法を併用することにより、極めて安価に、金属シリコンを太陽電池に使用可能な高純度シリコンに精製することができる。
本発明は、溶融シリコンに二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩又はアルカリ金属の炭酸塩の水和物の一方又は両方を直接添加し、生成したスラグにBを吸収・分配させると共に、この際に、かなりの量のBを気化除去し、しかる後にシリコンとスラグを分離する方法である。
溶融シリコンの温度としては、シリコンの融点(1414℃)以上2200℃以下が好ましい。これよりも高温であると、溶融シリコンと添加する二酸化ケイ素及びアルカリ金属の炭酸塩等の水和物との反応が激しくなり、工業的に好ましくない。
スラグとシリコンの分離は、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の投入後、5分程度経過した後が良い。5分程度あれば、これらのスラグ原料とシリコンとの間である程度の反応は進行する。また、生産性の観点から、スラグ原料投入後2時間経過すれば、スラグを分離した方が良い。2時間程度経過すれば、反応はほぼ完了していると考えられるからである。
二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の添加方法は、溶融シリコンのルツボ上部から投入する方法で十分である。二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等は所定量を同時に投入すればよいが、装置上の都合等で若干の時間間隔が開いても良い。重要な点は、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等が共存する状態を造り出すことである。二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等は、徐々に反応しスラグを形成するが、この反応には数〜30分程度を要するので、この時間内であれば両者の投入が別々であっても、未反応の二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等は溶融シリコンと共存することになる。この場合、未反応のまま共存した二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の量に応じて、その後形成されたスラグへのB吸収効果やB気化効果が発現される。このように、効率の面から考えれば、両者の同時添加が最も好ましいが、不可欠というわけではない。また、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の添加方法も投入に限るわけではなく、装置上の都合等があれば、吹き込み等の他の方法でも良い。
本発明においては、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等から形成されたスラグへのB分配比(溶融スラグ中のB濃度/溶融シリコン中のB濃度)は、5〜10以上と極めて高くなる。また、同時にB気化放散も生じるので、シリコンからのB除去効果は極めて高くなる。この二つの現象が生じる理由については不明であるが、発明者らは、アルカリホウ素酸化物が効率よく形成されるためと考えている。例えば、アルカリ金属の炭酸塩としてNaCOを使用した場合には、NaBOが形成され、スラグ中に溶解する可能性を推定している。NaBOは安定な化合物であり、かつ、沸点が1430℃程度でシリコンの融点以上では十分な蒸気圧を有しているので、このNaBOの形態で気化放散することは十分可能であると考えられる。したがって、本発明の二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等を同時に添加する方法が、溶融シリコン中のBを効率良くアルカリホウ酸化物に転化させる方法であると推定している。さらに、アルカリ金属の炭酸塩とその水和物を比較するならば、水和物を使用した場合の方が、若干分配比が高くなる。しかしながら、シリコンとの反応も若干激しくなるので、どちらを使用するか、又は、両方を使用するかは、装置構造・操業環境等から判断されるべきである。
特筆すべきことは、本発明においては、溶融シリコン中のホウ素濃度が下がるほど、B分配比が大きくなることである。このような効果は今まで全く報告されておらず、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等をスラグ原料として使用し、これら全てをそのままの形態で溶融シリコンに添加した場合に特徴的な効果であると考えられる。具体的には、溶融シリコン中のホウ素濃度が5〜10質量ppm程度であると、B分配比は5〜7程度である。B分配比が5〜7でも十分に大きい値であるが、溶融シリコン中のホウ素濃度が1質量ppm程度に下がると、B分配比は10以上と極めて大きい値となる。つまり、シリコン中のB除去が進めば進むほど、より一層B除去が容易になるわけで、本発明の極めて大きな長所である。
これに関して、本発明者らは次のように推定している。Bがアルカリホウ酸化物の形態でスラグに移行する可能性については先に指摘した通りであるが、添加した二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等は、Bと反応し、アルカリホウ酸化物を形成すると共に、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等自身は、互いに反応し、アルカリ珪酸ガラスを形成する。これらのアルカリホウ酸化物とアルカリ珪酸ガラスを形成する反応速度が一定の比を有しているならば、この比によって、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の添加量の内の限られた量しかアルカリホウ酸化物は生成されない。このため、B濃度が高い場合には、アルカリホウ酸化物の生成量にある上限値が出現する可能性がある。これに対し、B濃度が低い場合には、アルカリホウ酸化物とアルカリ珪酸ガラスを形成する反応速度が一定の比を有していても、シリコン中の全B量に対し十分な割合のBをアルカリホウ酸化物に転化できるので、B分配比が大きくなると考えられる。このように考えれば、溶融シリコン中のホウ素濃度が下がるほどB分配比が大きくなることは説明できる。さらに、この推定から分かるように、シリコン中のホウ素濃度が1質量ppm程度で、B分配比が10以上と極めて大きくなる現象は、アルカリホウ酸化物が生成する本発明特有の現象と考えられる。
二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の投入回数には特段の制限は無く、1回又は2回以上でも良い。1回毎の投入量、また、投入の総量にも特段の制限は無いが、原料となる金属シリコン中に含有されるB量、最終的に到達したいシリコン中のB量と、B分配比と後述するB気化放散量から決めることができる。当然、適当な回数だけ二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等を投入し、そこでスラグを排出し、再びスラグ原料の投入操作を行っても良い。シリコンに対し十分な量の二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等を1回だけ投入し、シリコン中のホウ素濃度が所定値に低下することもできるが、できれば、スラグ原料の投入とスラグ排出の一連の精錬を複数回繰り返す方が良い。そして、溶融シリコン中のホウ素濃度が1質量ppm程度以下の状態で、新たに二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等を投入すると、B分配比を大きくすることができ、B除去において極めて有利である。
次に、B気化放散については、B気化放散量を多くしたいのならば、溶融物全体の上部溶融表面の一部は溶融シリコンであることが望ましい。二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等を溶融シリコンに投入すると、これらは溶融シリコンの上に浮くし、両者から生成したスラグも溶融シリコンの上に浮く。これらは、少ないうちはルツボの周辺部に集まって浮いているか、もしくは島状になって浮いているが、量が多くなると溶融物表面全体を覆ってしまう。本発明者らの種々の実験によると、B気化放散量を多くするためには、溶融物表面に溶融シリコンが見える状態にしておくことが重要である。例えば、直径と高さが同程度のルツボを用いた場合、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の投入量が溶融シリコンの質量の2割程度までなら、一般的に表面の一部に溶融シリコンが現れている。このことから、例えば、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の総量がシリコンの2倍量でスラグ精錬を行う場合、これらを一度に溶融シリコンに投入するのではなく、少量ずつ投入し、シリコン上のスラグ量がシリコンの2割となったところで、ルツボを傾ける等の操作により溶融シリコン上のスラグを排出し、ルツボ内を溶融シリコンのみとしてから、再度少量ずつ二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等を投入すればよい。このように、シリコンへの二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の投入量がシリコンの2割以内であれば、上述したように溶融物表面には常に溶融シリコンが現れている。この操作を10回行えば、シリコンの2倍量の二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩が総量として投入されるが、溶融物表面の一部には常に溶融シリコンが露出していることとなり、B気化放散量は増加する。溶融シリコン面が露出していることがB気化放散量増加に有効であることの理由は不明であるが、本発明者らは次のように推定している。先に本発明者らの推定として、Bの気化種がNaBOである可能性に言及したが、例えば、この気化種が生成・気化する領域が、溶融シリコンと二酸化ケイ素及びアルカリ金属の炭酸塩等又はこれらから生成したスラグと大気との多相界面であると考えると、この現象を説明することができる。ただ、溶融シリコン面が露出していることはBの気化放散に必須というわけでは無く、あくまでも相対的に気化放散量の増加に効果を発揮するわけである。どの程度、気化放散量が増加するかは、実施例にて説明する。
添加する二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の割合としては、二酸化ケイ素中のケイ素元素のモル数がアルカリ金属の炭酸塩等中のアルカリ元素のモル数の0.05〜20倍であることが好ましい。さらに好ましくは、0.2〜4倍の範囲である。これらの組成比の場合に、効率よく溶融シリコンからBを除去できる。
二酸化ケイ素の形態としては、1mm以下の細かい粉末状のもの、数mm程度の粒状のもの、もっと大きい塊状のもの、又はこれらの混合物でも使用可能である。但し、大きすぎると反応に長時間を要するので、5cm程度以下のものが好ましい。
アルカリ金属の炭酸塩等としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、又はこれらの水和物の1種又は2種以上を使用することができる。また、アルカリ金属の炭酸塩、該炭酸塩の水和物の形態としては、細かい粉状でも、塊状のものでも、フレーク状のものでも、又は、これらの混合物でも使用可能である。
本発明を実施する場合の雰囲気としては、不活性雰囲気中でも、大気雰囲気中でもどちらでも良い。大気雰囲気では溶融シリコンが酸化されるように思われるが、実際に大気中で行ってみると、大気により酸化されるシリコン量は極少量である。
雰囲気の圧力としては特段の制限は無いので、大気圧で行うことが容易である。
つまり、本発明の実施に当たっては、簡便な大気炉を使用することが可能であり、溶融シリコンへの二酸化ケイ素中とアルカリ金属の炭酸塩等の添加も溶融面に投入するだけと、非常に簡便に実施することができる。しかしながら、本発明を実施する条件は、大気圧に限定されるものではなく、減圧もしくは加圧下でも実施可能である。
二酸化ケイ素中とアルカリ金属の炭酸塩等から生成したスラグと溶融シリコンとの分離法は、一般的な方法を用いることができる。例えば、ルツボを傾け上部のスラグを排出し、溶融シリコンを残し、後に所定の鋳型等に溶融シリコンを移す方法でよい。また、装置は複雑となるが、ルツボの底に開閉可能な出湯口を設ければ、上部のスラグを残したまま、先に溶融シリコンのみを排出することも可能である。
また、このような場合には、スラグの粘性が高い方が溶融シリコンのみを排出し易いが、この目的のために、スラグに若干の第三成分を添加することも有効である。例えば、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の総量の1割程度のAlを添加すると、スラグ粘性は高くなり、シリコンとの分離性は良くなる。この場合、Al自体はB除去に影響を与えないので、この目的に好都合である。Alの他にも、融点が1500℃程度より高い酸化物、及びそのような酸化物を生成する化合物が、この目的のために使用可能であり、酸化物としてMgO、ZrO、CaO等が該当する。ただ、よけいな添加物を加えることは、ルツボ内に添加物中に含まれるBを持ち込むことにもなるので、できればこのような第三成分は添加しないことが好ましい。添加するにしても、二酸化ケイ素とアルカリ金属の炭酸塩等の総量に対し質量で同量以下、好ましくは1/2以下が良い。
(実施例1)
Bを12質量ppm含有する金属シリコン15kgを内径270mm・深さ250mmのカーボンルツボに入れ、大気中にて1500℃で溶解後、Bを1.5質量ppm含有する珪砂(SiO)を7.5kg、Bを0.3質量ppm含有する粉末状のNaCOを7.5kg投入した。この投入量では、溶融物表面は全てスラグであった。30分後、直径8mmの石英管で溶融状態のシリコンとスラグを各数g吸い上げ、分析用のサンプルとした(以下、サンプル−1と呼ぶ)。次に、ルツボを傾け、上部のスラグのみを排出した。さらに、再び溶融シリコン上に珪砂を7.5kg、粉末状のNaCOを7.5kg投入した。30分後、再び、直径8mmの石英管で溶融状態のシリコンとスラグを各数g吸い上げ、分析用のサンプルとした(以下、サンプル−2と呼ぶ)。最後にルツボを傾け上部のスラグのみを排出し、その後、別の鋳型にシリコンを排出し、冷却固化した。
実験後、サンプリングしたシリコンとスラグを分析したところ、サンプル−1のシリコン中のB濃度は1.7質量ppm、スラグ中のB濃度は12質量ppm、サンプル−2のシリコン中のB濃度は0.29質量ppm、スラグ中のB濃度は3.2質量ppmであった。これより、サンプル−1でのB分配比は約7.1、サンプル−2のB分配比は約11であることが分かった。尚、鋳型中に排出したシリコン中B濃度は、サンプル−2のシリコン中のB濃度と同一であった。
また、実験終了後のシリコンと排出したスラグからB総量を求めたところ、初期のB総量の約80%であり、約20%のBが気化したことが判明した。
(比較例1)
実施例1で使用した珪砂15kgとNaCO15kgを1400℃で溶解後、冷却固化したところ、約23.6kgのガラス状の固体を得た。これを数cmの塊に粉砕後、純水にて洗浄し、11.8kgずつに2等分し、精錬用スラグとした。
この後は、実施例1と同様の手順であるが、Bを12質量ppm含有する金属シリコン15kgをカーボンルツボに入れ大気中にて1500℃で溶解後、上記精錬用スラグ11.8kgを投入した。30分後、直径8mmの石英管で溶融状態のシリコンとスラグを各数g吸い上げ、分析用のサンプルとした(以下、サンプル−3と呼ぶ)。次に、ルツボを傾け、上部のスラグのみを排出した。さらに、再び溶融シリコン上に上記精錬用スラグ11.8kgを投入した。30分後、再び、直径8mmの石英管で溶融状態のシリコンとスラグを各数g吸い上げ、分析用のサンプルとした(以下、サンプル−4と呼ぶ)。最後に、ルツボを傾け、上部のスラグのみを排出し、その後、別の鋳型にシリコンを排出し、冷却固化した。
実験後、サンプリングしたシリコンとスラグを分析したところ、サンプル−3のシリコン中のB濃度は4.8質量ppm、スラグ中のB濃度は10質量ppm、サンプル−4のシリコン中のB濃度は2.3質量ppm、スラグ中のB濃度は4.8質量ppmであった。これより、サンプル−3、サンプル−4のB分配比は、共に約2.1であることが分かった。尚、鋳型中に排出したシリコン中のB濃度は、サンプル−4のシリコン中のB濃度と同一であった。
また、実験終了後のB総量を求めたところ、初期のB総量とほぼ同じであり、Bの気化は認められなかった。
このように、珪砂とNaCOを予めスラグ化する点が異なるだけで、実施例1よりはるかに劣る結果となった。
(比較例2)
珪砂(SiO)を投入せず、NaCOのみを2回投入したこと以外は、実施例1と全く同様の実験を行った。
初回のサンプリング(サンプル−5)のシリコン中のB濃度は6.1質量ppm、スラグ中のB濃度は13質量ppm、2回目のサンプリング(サンプル−6)のシリコン中のB濃度は3.3質量ppm、スラグ中のB濃度は7.5質量ppmであった。これより、サンプル−5でのB分配比は約2.1、サンプル−6のB分配比は約2.3であることが分かった。尚、鋳型中に排出したシリコン中のB濃度はサンプル−6のシリコン中のB濃度と同一であった。
また、実験終了後のシリコンと排出したスラグからB総量を求めたところ、初期のB総量の約96%であり、約4%のBが気化したことが判明した。
このように、珪砂を添加せずNaCOのみを添加すると、B分配比、B気化量とも、実施例1よりはるかに劣る結果となった。
(実施例2)
実施例1で得られたB濃度0.29質量ppmのシリコンに、さらに精錬を行った。実施例1と同様のカーボンルツボに実施例1で得られたシリコン10kgを入れ、大気中にて1500℃で溶解し、その後、Bを1.5質量ppm含有する珪砂(SiO)を1kg、Bを0.3質量ppm含有する粉末状のNaCOを1kg投入した。この1回当たりの投入量では、溶融物の表面の半分程度は溶融シリコンが露出していた。30分後、ルツボを傾け、上部のスラグのみを排出した。以上の、珪砂を1kg、NaCOを1kg投入し、30分後ルツボを傾け、上部のスラグのみを排出する操作を、合計3回行い、最後に別の鋳型にシリコンを排出し、冷却固化した。
実験後、最後のシリコンを分析したところ、B濃度は0.06質量ppm、これに対応するスラグ中のB濃度は0.71質量ppmであった。これより、分配比は約12であることが分かった。
また、実験終了後のシリコンと排出したスラグからB総量を求めたところ、初期のB総量の約35%であり、約65%のBが気化したことが判明した。
(実施例3)
NaCOの代わりに、Bを0.5質量ppm含有する粉末状のNaCOの一水塩を8.8kg投入したこと以外は、実施例1と全く同様の実験を行った。
初回のサンプリング(サンプル−7)のシリコン中のB濃度は1.6質量ppm、スラグ中のB濃度は13質量ppm、2回目のサンプリング(サンプル−8)のシリコン中のB濃度は0.28質量ppm、スラグ中のB濃度は3.4質量ppmであった。これより、サンプル−7でのB分配比は約8.1、サンプル−8のB分配比は約12であることが分かった。尚、鋳型中に排出したシリコン中のB濃度は、サンプル−8のシリコン中のB濃度と同一であった。
また、実験終了後のシリコンと排出したスラグからB総量を求めたところ、初期のB総量の約80%であり、約20%のBが気化したことが判明した。
(実施例4)
NaCOの代わりに、Bを0.6質量ppm含有する粉末状のKCOを9.8kg投入したこと以外は、実施例1と全く同様の実験を行った。
初回のサンプリング(サンプル−9)のシリコン中のB濃度は2.0質量ppm、スラグ中のB濃度は10質量ppm、2回目のサンプリング(サンプル−10)のシリコン中のB濃度は0.29質量ppm、スラグ中のB濃度は2.8質量ppmであった。これより、サンプル−9でのB分配比は5.0、サンプル−10のB分配比は約9.7であることが分かった。尚、鋳型中に排出したシリコン中のB濃度は、サンプル−10のシリコン中のB濃度と同一であった。
また、実験終了後のシリコンと排出したスラグからB総量を求めたところ、初期のB総量の約80%であり、約20%のBが気化したことが判明した。
(実施例5)
1回の投入量を、珪砂(SiO)を9.0kg、粉末状のNaCOを6.0kgに変えたこと以外は、実施例1と全く同様の実験を行った。
初回のサンプリング(サンプル−11)のシリコン中のB濃度は1.9質量ppm、スラグ中のB濃度は12質量ppm、2回目のサンプリング(サンプル−12)のシリコン中のB濃度は0.29質量ppm、スラグ中のB濃度は3.2質量ppmであった。これより、サンプル−11でのB分配比は6.3、サンプル−12のB分配比は約11であることが分かった。尚、鋳型中に排出したシリコン中のB濃度は、サンプル−12のシリコン中のB濃度と同一であった。
また、実験終了後のシリコンと排出したスラグからB総量を求めたところ、初期のB総量の約85%であり、約15%のBが気化したことが判明した。
本方法と一方向凝固法、真空溶解法を使用することにより、極めて安価に、金属シリコンを太陽電池に使用可能な高純度シリコンに精製することができる。尚、得られた高純度シリコンは、太陽電池用のシリコン原料に限定されることなく、高純度シリコンを必要とする各種産業に利用することができる。

Claims (16)

  1. 不純物としてホウ素を含有する金属シリコンを融点以上2200℃以下に加熱して溶融状態とした後、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を該溶融シリコンに添加することで、スラグを形成すると共に、シリコン中のホウ素を除去することを特徴とするシリコンからのホウ素除去方法。
  2. 形成したスラグを排出する請求項1記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  3. 二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を溶融シリコンに添加してから、形成したスラグを排出するまでの間隔が5分以上である請求項2記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  4. 二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を同時に添加する請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  5. 二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体の添加を別々に行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  6. 前記添加の間隔が30分以内である請求項5記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  7. 二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体の添加を2回以上に分けて行う請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  8. 既に形成されたスラグを排出した後に、二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体の新たな添加を行う請求項7に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  9. 二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を溶融シリコンに添加してから、形成したスラグを排出するまでの間隔が5分以上である請求項8に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  10. 二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を添加しスラグ形成後スラグを排出するプロセスを複数回実施する請求項8に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  11. 二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体を添加しスラグ形成後スラグを排出するプロセスを複数回実施するシリコンからのホウ素除去方法において、途中、溶融シリコン中のホウ素濃度が1質量ppm以下であることを特徴とする請求項10に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  12. 二酸化珪素を主成分とする固体とアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体の添加量が、形成するスラグで溶融シリコン表面を完全に覆わない量である請求項1〜11のいずれか1項に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  13. 添加する二酸化珪素中の珪素のモル数が、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方を主成分とする固体のアルカリ元素のモル数の0.05〜20倍である請求項1〜12のいずれか1項に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  14. アルカリ金属の炭酸塩及び該炭酸塩の水和物のアルカリ元素が、リチウム、ナトリウム、又はカリウムの1種又は2種以上である請求項1〜13のいずれか1項に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  15. アルカリ金属の炭酸塩及び該炭酸塩の水和物が、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、又はこれらの水和物の1種又は2種以上である請求項14記載のシリコンからのホウ素除去方法。
  16. 生成するスラグの粘性を高める添加剤をさらに添加する請求項1〜15のいずれか1項に記載のシリコンからのホウ素除去方法。
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