JP2006240963A - 高純度のシリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価、かつ、大量に、高純度の太陽電池基板用Siの原材料を提供する方法を提供する。
【解決手段】溶融シリコンに酸化剤を付与して、シリコン中のホウ素を酸化することによりシリコン中からホウ素を除去するシリコンの製造方法において、シリコン中のホウ素の酸化中に酸化剤の昇温を抑制するために、酸化剤を部分的に冷却あるいは酸化剤と溶融シリコンの間に断熱剤を存在させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池等に使用可能な高純度シリコン(Si)を製造するための方法に関するものである。
太陽電池に使用されるSiには、一般に99.9999%以上の純度が求められ、各種金属不純物は0.1ppm以下、ホウ素(B)(以下、ホウ素濃度をB濃度と称する)については少なくとも0.3ppm以下であることが必要である。この条件を満たすSiには、シーメンス法により製造される半導体用のものが存在するが、製造法が高価であるため、安価であることが特に重視される太陽電池用途には適さない。
安価な高純度Si製造法として、過去、いくつかの試みがなされている。
金属Si(シリコン)の一方向凝固法、即ち、溶融させたSiを一方向に凝固させ、固相と液相の不純物溶解度の差を利用することにより、固相側のSiを高純度化させる技術は古くから知られており、多くの金属不純物に対して有効な精製方法である。しかし、Bは固相−液相間の溶解度差が小さいため、この精製法をホウ素不純物に対して適用することはできない。
また、真空溶解法、即ち、溶融させたSiを真空下に保持し、Si中の低沸点不純物を除去する方法も良く知られており、炭素不純物等の除去に有効である。しかし、溶融Si中のBは、通常、低沸点物質の形態を取らないため、ホウ素不純物に対してこの精製法を適用することはできない。
この様に、Si中不純物の中で、Bは最も除去し難く、かつ、Siの電気特性への影響の大きい成分として問題視されてきた。Si中のBの除去を主な目的とした技術には、例えば、以下のものが開示されている。
「特許文献1」には、シリコンを酸洗洗浄する方法と、真空溶解法、一方向凝固法と共に、B除去のため、スラグ精錬法、即ち、溶融シリコン上に、溶融物質(スラグ)を配置し、シリコン中の不純物をスラグに移行させる方法が挙げられている。当該文献では、CaF+CaO+SiOからなるスラグを使用して、ホウ素分配比(スラグ中B濃度/Si中B濃度)1.357を得て、B濃度8質量ppmのSiを生成している。しかし、この濃度では、太陽電池用Siとしては不適格であり、また、当該文献のスラグ精錬法では、工業的に、これ以上B純度を向上させることもできない。なぜならば、この文献で用いている工業的に得られるスラグ原料は、数ppm程度のBを含有することが避けらない。この様なスラグを用いたスラグ精錬では、ホウ素分配比が充分高くない限り、スラグと同程度の濃度のBがSi中に残留することが避けられないからである。したがって、当該文献での様に、1前後の分配比のスラグ精錬では、1ppm程度の純度のSiしか得ることはできないのである。スラグ原料を精製してBを低減することは原理的に可能であるが、経済的合理性を欠くので、工業的には実施不可能である。
「特許文献2」には、アルカリ土類金属酸化物又はアルカリ金属酸化物を含有するスラグと粉砕した粗製Siを溶融前に混合した後、これら全部を溶融させるスラグ精錬法が開示されている。しかし、当該文献でのSi中のB濃度は、1ppmが限界であり、太陽電池用途には適さない。また、Siを粉砕する際には新たな不純物の混入が不可避なので、この点からも、Si精製法として不利である。
「特許文献3」には、金属Siに、CaO、CaCO、NaO等のフラックス(スラグ)を付与し、酸化性ガスを吹き込むスラグ精錬法が開示されている。しかし、当該文献Si中のB濃度は、7.6ppm程度であり、太陽電池用途には適さない。また、安価、かつ、安定して溶融Si中にガスを吹き込むことは、エンジニアリング的にかなり困難であり、Si精製法として不利である。
「非特許文献1」には、NaO+CaO+SiO成分のスラグを用いたスラグ精錬の例が開示されている。当該文献でのホウ素分配比は最高3.5であり、過去開示された技術の中で最も高いものであるが、現実的に使用可能なスラグ原料中Bの濃度を考慮すると、太陽電池用途としては依然として不適である。
この様に、Siのスラグ精錬技術は、一般に、溶融Si上にスラグを単に配置すればよいと言う簡便・安価な方法であるが、高いホウ素分配比を得ることができないため、太陽電池用途としては不適である。
スラグ精錬以外のSi中のB除去技術としては、Si中のBを酸化した後、気化除去、又は、スラグに吸収させる精製方法が各種提案されている。
「特許文献4」には、溶融Siに、プラズマガスにHO、O、CO等のガス及びCaO、SiO等の酸素含有物質を付与することにより、Si中のBを除去する方法が開示されている。
「特許文献5」には、プラズマジェット中に、水蒸気、SiOを付与し、Si中のBを除去する方法が開示されている。
「特許文献6」には、溶融Siと上部の電極の間にアークを発生させ、容器内に不活性ガス、又は、酸化性ガスを吹き込むことにより、Si中のBを除去する方法が開示されている。
「特許文献7」及び「特許文献8」には、特殊なトーチを使用し、酸素+水素トーチに水蒸気、SiOを、CaO、BaO、CaF等を溶融Siに、付与することにより、Si中のBを除去する方法が開示されている。
「特許文献9」には、底部にガス吹き込み羽口を有する容器内でSiを溶融し、羽口からAr又はH等のガスを吹き込むことにより、Si中のBを除去する方法が開示されている。
「特許文献10」には、Ca(OH)、CaCO、MgCOをキャリアガスと共に溶融Si中に吹き込み、Si中のBを除去する方法が開示されている。
これら、「特許文献4」〜「特許文献10」には、Si中のBを太陽電池用途の許容レベルに低減できるものも存在する。しかし、これら全ての技術は、プラズマ装置やガス吹き込み装置等の高価な設備及び複雑な操業が必須であり、経済性の観点から工業的に実用化が困難である。
特開昭56−32319号公報 特開昭58−130114号公報 特開2003−12317号公報 特開平4−130009号公報 特開平4−228414号公報 特開平5−246706号公報 米国特許第5972107号明細書 米国特許第6368403号明細書 特開平4−193706号公報 特開平9−202611号公報 棚橋他、「資源と素材」、2002年、第118巻、p.497−505
そこで、本発明においては、粗製Siを用いて高純度Siを製造する方法において、製品Si中の不純物を、特に、Bの濃度を太陽電池基板用Siに求められるレベルまで安価、簡便に減少せしめる高純度シリコン製造方法を提供することを目的とする。
本発明者のSi製造に関する研究の結果、以下の解決方法を発明するに至った。
第1発明は、溶融シリコンに酸化剤を付与し、シリコン中のホウ素を酸化することによりシリコン中からホウ素を除去するシリコンの製造方法において、シリコン中のホウ素の酸化中に、前記酸化剤を部分的に冷却することにより酸化剤の昇温を抑制することを特徴とする高純度シリコンの製造方法である。
第2発明は、溶融シリコンに酸化剤を付与し、シリコン中のホウ素を酸化することによりシリコン中からホウ素を除去するシリコンの製造方法において、シリコン中のホウ素の酸化中に、前記酸化剤と溶融シリコンの間に断熱材を存在させることにより、酸化剤の昇温を抑制することを特徴とする高純度シリコンの製造方法である。
第3発明は、酸化剤を溶融シリコンに直接、接触させることを特徴とする第1発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
第4発明は、溶融シリコン上に配置された酸化剤の上に、シリコン融液温度よりも低い温度の、冷却材としての固体又は液体物質を配置して酸化剤と接触させることにより酸化剤を冷却することを特徴とする第1又は第3発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
第5発明は、シリコン融液よりも平均温度の低い物体を多孔質状に溶融シリコン上に配置し、前記物体の、多孔質状の内部又は上部に、酸化剤を配置することにより酸化剤の昇温を抑制することを特徴とする第2発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
第6発明は、前記酸化剤の昇温を抑制するために接触させる物質が、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、又は、カルシアの内1種又は2種以上の混合物又は複合化合物を主成分とする物質であることを特徴とする第4又は第5発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
第7発明は、前記酸化剤、前記冷却材又は前記断熱材に対して、より低温のガスを外部から前記物質に吹き付けることにより、前記酸化剤の昇温を抑制する第1〜6発明のいずれか一つに記載の高純度シリコンの製造方法である。
第8発明は、前記酸化剤が、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物の内、1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする第1〜7発明のいずれか一つに記載の高純度シリコンの製造方法である。
第9発明は、前記アルカリ金属の炭酸塩、前記アルカリ金属の炭酸塩の水和物、前記アルカリ金属の水酸化物、前記アルカリ土類金属の炭酸塩、前記アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、前記アルカリ土類金属の水酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、又は、これらの水和物、水酸化マグネシウム、又は、水酸化カルシウムの内、1種又は2種以上の組み合わせを用いることを特徴とする第8発明に記載の高純度シリコンの製造方法である。
尚、この明細書及び請求の範囲に記載されているアルカリ土類金属は、ベリリウムとマグネシウムを含むものとする。
本発明の方法により、プラズマ装置やガス吹き込み装置等の高価な設備を使用することなく、Si中のB濃度を、太陽電池基板用途の0.3ppm以下まで低減することができる。さらに、本発明技術を従来技術である一方向凝固法や真空溶融法と組み合わせることにより、太陽電池基板用の原料Siを高品質、かつ、安価に供給することが可能となる。
まず、本発明と従来技術の差異について述べる。先に示した従来技術は、次の4つの手法に便宜的に分類できる。即ち、第1法は、溶融Si上にスラグを単独で供給する方法(「特許文献1、2」等。以下、「単純スラグ精錬法」と呼ぶ)である。第2法は、酸化性ガスを溶融シリコンに接触させる方法(「特許文献5、6」等。以下、「ガス酸化法」と呼ぶ)である。第3法は、固体酸化剤(MgCO等)を溶融Si中にキャリアガスと共に吹き込む方法(「特許文献10」等。以下、「酸化剤吹き込み法」と呼ぶ)である。第4法は、酸化性ガスを溶融シリコンに接触させると共に、スラグ、又は、スラグ原料(SiO等)を溶融Siに添加する方法(「特許文献3、4、7、8、9」等。以下、「複合スラグ精錬法」と呼ぶ)である。これに対し、本発明においては、特段のキャリアガス等使用することなく、酸化剤を溶融Siに接触させると共に、酸化剤の昇温を防止する手段を与えることが特徴であり、これら従来技術分類のいずれにもあてはまらない。
次に、本発明の原理を説明する。ガス酸化法や酸化剤吹き込み法に見られる様に、溶融Si中のBは、酸化されることによって、Si中から効率的に除去される。したがって、固体、又は、液体の酸化剤を単に溶融Si上に配置することで、溶融Si中のBを効率的に酸化できれば、安価なB除去が実現できるはずである。しかし、この様な方法は、工業化されていない。なぜならば、一般的に酸化剤として用いられる物質は、Si融点以上の高温下では、容易に蒸発・分解してガス化するからである。このため、常温の酸化剤を供給したとしても、酸化剤が溶融Si上に長時間存在して周囲から加熱され続けると、酸化剤の大半が気化して失われるため、大量の酸化剤供給が必要になると共に、膨大な排気の処理費用が発生し、さらに、溶融Siと酸化剤の直接接触に伴い、酸化剤から爆発的にガスが発生する場合があり、Si融液の飛散、装置の破損の惧れがある。したがって、従来、酸化剤を使ってSi中のBを酸化するSi精製においては、供給した酸化剤の大半がSi融液と短時間に接触・反応する形式のものしか選択余地がなかった。酸化剤吹き込み法は、この一例であり、比表面積の大きい、微粒状の酸化剤をキャリアガスによって溶融Siの内部に供給することにより、酸化剤単位質量当りの反応面積を大きく設定でき、短時間でのB酸化を実現している。しかし、前述の様に、酸化剤吹き込み法では、吹き込み装置を必要とし、酸化剤も極端に微粒化する必要があるため、生産設備が高価、かつ、操業が複雑であり、効率的なB除去方法とは言えない。高温でも固体又は液体として存在できる酸化剤を使用すれば、酸化剤を吹き込む必要はなくなる。しかし、この様な性質を有し、安価でBの酸化性が高く、かつ、Siを汚染し難い好適な酸化剤は、未だ発明・発見されていない。例えば、炭酸バリウムや酸化バリウムは、Si融点でも気化することはなく、Bの酸化性も認められる。しかし、そもそも、この様に高温でも分解しない酸化剤とは安定な物質であるため、炭酸バリウムや酸化バリウムは、Si中のBとの反応速度が低く、精製の生産性を極端に低下させる。したがって、炭酸バリウムや酸化バリウムを工業的に使用することはできない。
そこで、本発明では、溶融Si上に配置した酸化剤を冷却する、又は、周囲から断熱することにより、酸化剤の昇温をSi融液近傍に限定し、それ以外の酸化剤部位をより低温に維持して酸化剤の気化を抑制することにより、溶融Si上に酸化剤を長時間安定して保持することを可能にするものである。
また、本発明によって、Si中のBの酸化速度の向上も可能である。大量の酸化剤を溶融Siと直接接触させると、Si中のBの酸化速度が著しく向上することは、従来から知られていた。しかし、酸化剤と溶融Siの接触方法として、酸化剤を単に溶融Si上に配置しただけでは、前述の様に、酸化剤からの爆発的ガス化が生じて作業を継続できないため、この方法は、従来、実現できなかった。しかし、本発明では酸化剤を冷却することにより、溶融Si接触部近傍以外酸化剤の大半の領域での昇温が抑制されるため、溶融Siに酸化剤を直接接触させても、この様な爆発的ガス化を回避でき、大量の酸化剤を溶融Siに安定して直接接触させることができる。また、この際、酸化剤と溶融Si接触界面でのBの高い酸化速度は、酸化剤冷却の無い場合に比べて、特に損なわれることもない。酸化剤冷却に伴うこれら一連の現象は、本発明者らによって初めて見出されたものである。
(装置構成)
図1を用いて、第1発明をより具体化した第4発明の装置構成を説明する。精製炉1内に設置されたるつぼ2は、周囲のヒータ3により加熱・保温される。るつぼ内には溶融させたSi4を保持でき、所定温度に維持される。るつぼ2内の溶融Si4上に、酸化剤供給管7を通して酸化剤5が、冷却材供給管8を通じて、低温の冷却材6が供給される。そして、溶融Siと酸化剤間でB除去を含めた反応・精製がなされる。この間、酸化剤層の上部は、低温の冷却材との接触により冷却されるため、酸化剤平均温度の上昇が抑制され、酸化剤の気化を防止する。加熱・精製中は、炉内雰囲気は、ガス供給管10、ガス排気管11を通して、ガス種・ガス濃度が制御される。酸化剤が充分消耗(Si融液との反応によるもの)した時点で、冷却材及び残酸化剤はるつぼ外に排出される。排出方法は、るつぼに設置されたるつぼ傾動装置12によってるつぼが傾けられ、溶融Si上部に存在する冷却材及び残酸化剤のみが残滓受9に排出される。この後、るつぼを元の位置に戻し、必要であれば、再度冷却材と酸化剤を溶融Si上に供給して精製を複数回継続してもよい。
尚、酸化剤の他の冷却方法として、冷却されたるつぼ内壁に酸化剤を接触させて冷却しても良く、また、1000℃程度の高温まで気化しない酸化剤を用いる場合には、酸化剤表面の輻射放熱が利用できるので、酸化剤の上方に冷却板を設置し、酸化剤上面からの輻射抜熱により酸化剤を冷却しても良い。
次に、図2を用いて、第2発明をより具体化した第5発明の装置構成を説明する。精製炉内の構成と作業手順は、概ね図1と同様である。相違点は、冷却材6の代わりに断熱材13を、冷却材供給管8の代わりに断熱材供給管14を通じて断熱材がSi融液上に供給される点、並びに、断熱材13の上方に酸化剤5が配置されることである。断熱材上の酸化剤は、炉内で直接ヒータの加熱を受けない様に配置されており、るつぼ及び多孔質断熱材を介するSi融液からの入熱により酸化材は徐々に昇温し、融点に達した部位から溶融して多孔質断熱材中の孔を通じて少量ずつ溶融Si上に滴下される。Si上に滴下された酸化剤は少量なので、酸化剤の大半が速やかにBを酸化させることに費やされる。断熱材の存在により、断熱材上方の酸化剤の昇温は抑制され、酸化剤は、長時間ガス化することなく安定して存在し得る。
次に、図3を用いて、第7発明を説明する。図3は、図1の装置にガス冷却装置15を付加したものである。ガス冷却装置は、図示しない冷却ガス貯蔵器と図示しないブロワを有し、精製炉内の溶融Si上方に存在する冷却材又は酸化剤に低温のガスを吹き付けることにより、冷却材又は酸化剤を冷却するものである。この装置により炉内に流入したガスは、ガス廃排気管を通して炉外に排出される。
(酸化剤)
酸化剤に関しては、酸化能力、純度、取り扱い易さ、並びに、価格の条件を満たせば、どの様なものでもよい。しかし、望ましくは、酸化剤は、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物の内、1種又は2種以上の組み合わせを主成分とする物質であるべきである。なぜならば、これらの物質は、第1に、Bの酸化能力が高く、第2に、Siへの溶解による汚染が少ないからである。更に望ましくは、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、又は、これらの水和物、水酸化マグネシウム、又は、水酸化カルシウムの内、1種又は2種以上を用いることである。なぜならば、これらの物質は、第1に、Siの酸化に伴いSi融液表面に発生する強固なSiO薄膜と反応して、低粘度のスラグを形成し、酸化剤とSi融液の接触阻害を回避させる効果があり、第2に、工業的に大量に生産されており、高純度製品の製造法が確立しているからである。尚、この明細書及び請求の範囲に記載されているアルカリ土類金属は、ベリリウムとマグネシウムを含むものとする。
(冷却材)
冷却材は、熱容量が大きく、酸化剤のガス化温度以上の高温で固体又は液体として安定に存在し、かつ、Siへの汚染の少ないものが望ましい。この様な物質の例として、高純度のシリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、又は、カルシアが使用可能であることを本発明者らは見出した。これらの物質であっても、Si融点近傍以上の高温においては、酸化剤と反応して液化(スラグ化)する場合がある。しかし、Siへの汚染性の少ない酸化剤を使用する限り、副次的に発生するこの様なスラグによるSiへの汚染の影響は小さい。なぜならば、シリカやアルミナをベースにしたスラグは、Siへの溶解度が極めて低いからである。また、スラグが発生したとしても、冷却材の平均温度がSi融点よりも充分に低く保たれている限りは、酸化剤に対する昇温抑止効果は依然として残るので、スラグ発生それ自身を極端に恐れる必要はない。冷却材の供給形態としては、酸化剤との伝熱性を向上させると共に、冷却材のスラグ化を抑制するため、より低温の、望ましくは常温の冷却材を供給すべきである。冷却材の供給形態は、粒状、塊状又は一体成形体をSi上に配置することができる。粒状又は塊状の供給形態の場合、冷却材の形状は、冷却材の伝熱性を向上させる観点からは、充填率の高い、球形に近いことが望ましく、一方、冷却材内部での酸化剤等の流通性を重視する観点からは、板状又は棒状等の充填率の低いものが望ましい。したがって、冷却材形状の選択は、所要冷却量、所要とされる酸化剤流通性、並びに、入手の容易さ等を、具体的な製造装置系毎に勘案して、エンジニアリング的に判断すべきものである。冷却材体積は、伝熱性の観点からは、より大きな冷却材を使用することが望ましく、塊状の場合、少なくとも0.5cm以上必要であり、50cm以上であることが望ましい。一体成形された大型の冷却材を使用しても良いが、るつぼへの収容性を考慮して、板状の場合、最長寸法がるつぼ内径以下でなければならず、塊状の場合、3000cm以下であることが望ましい。
(断熱材)
断熱材は、多孔質で熱伝導性が低く、Si融点以上の高温で固体又は液体として安定に存在し、かつ、Siへの汚染の少ないものが望ましい。この様な物質の例として、高純度のシリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、又は、カルシアが使用可能であることを本発明者らは見出した。冷却材の説明で述べた様に、これらの物質であっても、高温ではスラグ化し得る。しかし、これらの物質をベースにしたスラグは、Siへの汚染性が低く、熱伝導率も低いため断熱性も高く、使用上の問題はない。但し、断熱材全体がスラグ化してしまうと、断熱材上で溶融した酸化剤の滴下する流路が失われるので問題である。したがって、スラグ化し得る断熱材を使用する場合には、断熱材全体がスラグ化する前に酸化剤が消費される様に酸化剤の供給量を予め設定しておく必要がある。断熱材の供給形態としては、一体成形した多孔質断熱材で溶融Si上を覆う、又は、粒状の断熱材を多数溶融Si上に投入してもよい。粒状の断熱材を供給する方式の場合、粒子間の間隙が一体成形多孔質断熱材の孔に対応して、溶融酸化剤の流路として機能する。即ち、「多孔質の物体」とは、単に一体成形されたもののみを指すのではなく、多数の粒子を積層したものの様に、内部に多数の流路を有する物体をも含む。Siの精製を繰り返し実施する場合には、粒状の断熱材を供給する方式の方が一体成形体で供給する方式よりも、断熱材排出の点で有利である。また、断熱材は、より低温で、望ましくは常温で供給すべきである。断熱材を粒子で構成する場合の粒子径については、粒子直径は小さい程、断熱性が向上するものの、小さい粒子径の場合、粒子間隙を溶融酸化剤が通過し難くなる欠点もあるので、1〜100mmの範囲であることが適当である。断熱材を構成する粒子の充填率は、粒子群の形状保持性と溶融酸化剤の流通性を考慮して20%〜70%の範囲であることが望ましい。このためには、粒子形状は球形に近いことが望ましく、また、例えば、80%以上の高充填率を指向した大小粒子の配合率に粒子供給条件を設定することを避けなければならない。望ましい範囲の粒子充填率における粒子間の流路幅は、平均粒子径の10%〜50%程度の値になる。
(冷却ガス)
第6発明における冷却ガスは、ホウ素酸化阻害や炉材・るつぼの酸化ロスを防止するため、不活性ガスの使用が望ましい。但し、Siを誘導加熱する等して、高温部が溶融Si周囲に限定され、例えば、炉材やるつぼ外表面が、500℃以下の低温に保持される場合には、酸素ガスによる炉材・るつぼの酸化の影響は無視できるので、経済性の観点から空気を冷却ガスに使用してもよい。また、冷却ガス温度は、当然のことながら低温である程効率的である。しかし、冷却ガスを循環使用する等の理由で、常温のガスを使用できない場合には、冷却効果を有する温度範囲にある高温のガスを使用しても良い。但し、冷却の目的からみて、ガス温度は、冷却ガス接触面での酸化剤表面温度より少なくとも100℃以上低温である必要がある。
(その他作業条件)
使用するるつぼについては、溶融シリコンや酸化剤に対して安定であることが望ましく、例えば、黒鉛やアルミナが使用可能である。
作業温度については、高温での作業は、炉材耐久性や炉材汚染の観点から避けるべきである。したがって、溶融Siの温度は融点以上2000℃以下であることが望ましい。また、工程上の当然の条件として、Si温度は、融点以上でなければならない。
作業雰囲気については、本発明において、Si中のBを酸化することが重要であるので、水素ガス等の還元性雰囲気は避けるべきである。また、るつぼ・炉材に黒鉛を使用する場合には、これらの酸化ロスを防止する観点からは、空気等の酸化性雰囲気も避けるべきである。したがって、望ましくは、Arガス等の不活性ガス雰囲気とすべきである。但し、黒鉛材の温度が低温に保たれて黒鉛の酸化ロス量が比較的小さい場合に、酸化ロス量による経済的損失よりも、不活性ガスの費用の方が大きいのであれば、大気雰囲気とする選択もあり得る。この際に許容される黒鉛材の温度は、黒鉛材や不活性ガスの費用等を勘案してエンジニアリング的に判断すべき事項である。雰囲気圧力に関しては、特段の制約はないが、100Pa以下の様な極端な低圧の場合、酸化剤がより低温で気化して酸化剤使用量が増大するので、これよりも高い作業圧力とすべきである。
(実施例1)
図1の精製炉を用いて、Siの精製を実施した。まず、精製炉内の直径500mmの黒鉛製るつぼ内に、B濃度12質量ppmで平均直径5mmの金属Si粒を50kg配置し、Ar雰囲気下で抵抗ヒータによりるつぼを加熱して、1500℃の溶融Siとして保持した。次に、B濃度0.3質量ppmで粉末状の常温の炭酸ナトリウム(NaCO)20kgを、酸化剤供給管を通じて精製炉内の溶融Si上に投入し、溶融Si上での酸化剤の深さが一様になる様に表面を平坦化した後、B濃度1.5質量ppmで平均直径60mmの常温の高純度けい石100kgを、冷却材供給管を通じて精製炉内の溶融Si上に投入し、酸化剤上での冷却材の深さが一様になる様に表面を平坦化した。酸化剤投入から冷却材投入までの時間は、約5分であった。冷却材投入後、溶融Siを常圧Ar雰囲気下で1500℃に維持して20分間精製を実施した。精製中の炉内観察により、冷却材の一部がスラグ化しているものの、大半の冷却材は、投入時の形状を維持していることを確認した。また、精製中の冷却材の代表温度は、約800℃であった。精製終了後、るつぼを傾動して、冷却材及び残酸化剤を残滓受に排出した後、溶融シリコンのサンプルを採取した。サンプルの採取方法は、Siの融点以上に先端を加熱した高純度アルミナ管の先端を溶融シリコンに浸漬し、この管を通して溶融シリコンを吸引し、アルミナ管の加熱されていない部分で急冷されて凝固したシリコンをアルミナ管ごと炉外に取り出し、後に、アルミナ管からシリコンを分離したものを分析サンプルとした。1回当りのサンプル質量は、約100gであった。サンプルの成分分析方法は、広く市場で用いられているICP分析法によった。その後、再び、溶融Si上に酸化剤及び冷却材を供給して精製を繰り返し、計5回の精製を実施した。最初の4回の精製において、精製毎に、Si中のB濃度は、精製前の約1/3に低下した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.1質量ppmであり、太陽電池用SiのB濃度仕様を満足した。
(実施例2)
図2の精製炉を用いて、Siの精製を実施した。まず、精製炉内の直径500mmの黒鉛製るつぼ内に、B濃度12質量ppmで平均直径5mmの金属Si粒を50kg配置し、Ar雰囲気下で抵抗ヒータによりるつぼを加熱して、1500℃の溶融Siとして保持した。次に、B濃度1.5質量ppmで平均直径50mmの常温の高純度アルミナ30kgを、断熱材供給管を通じて精製炉内の溶融Si上に投入し、溶融Si上での断熱材の深さが一様になる様に表面を平坦化した後、B濃度0.3質量ppmで粉末状の常温の炭酸ナトリウム(NaCO)10kgを、酸化剤供給管を通じて精製炉内の溶融Si上に投入し、断熱材上での酸化剤の深さが一様になる様に表面を平坦化した。断熱材投入後、溶融Siを常圧Ar雰囲気下で1500℃に維持して20分間精製を実施した。精製中の炉内測定により、断熱材の一部がスラグ化しているものの、大半の冷却材は、投入時の形状を維持していることを確認した。また、精製末期に至るまで、酸化剤は、断熱材上に存在し、徐々に溶融して断熱材に染み込む様子が観察された。精製終了後、るつぼを傾動して、断熱材及び残酸化剤を残滓受に排出した後、溶融シリコンのサンプルを採取した。サンプルの採取方法及び分析方法は、実施例1と同様である。その後、再び、溶融Si上に酸化剤及び断熱材を供給して精製を繰り返し、計5回の精製を実施した。1回の精製毎に、Si中のB濃度は、精製前の約1/3に低下した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.1質量ppmであり、太陽電池用SiのB濃度仕様を満足した。
(実施例3)
図3の精製炉を用いて、Siの精製を実施した。まず、実施例1と同様の準備をして精製炉内に溶融Si、酸化剤、冷却材を配置し、常圧Ar雰囲気下で1500℃に維持した。ここで、10m/minの常温Arガスをガス冷却装置から、冷却材表面に吹き付けて、冷却材表面を冷却した。この状態を20分間維持して精製を実施した。精製終了後、るつぼを傾動して、断熱材及び残酸化剤を残滓受に排出した後、溶融シリコンのサンプルを採取した。サンプルの採取方法及び分析方法は、実施例1と同様である。その後、再び、溶融Si上に酸化剤及び冷却材を供給して精製を繰り返し、計5回の精製を実施した。1回の精製毎に、Si中のB濃度は、精製前の約1/3に低下した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.07質量ppmであり、実施例1に比べて、より高いB純度のSiを得ることができた。
(実施例4)
図4の精製炉を用いて、Siの精製を実施した。まず、精製炉内の直径500mmのアルミナ煉瓦製るつぼ内に、図示しない別の炉で予め溶融させたB濃度12質量ppmの金属Siを20kg注湯しておき、Ar雰囲気下で誘導加熱方式のヒータ3によりSi融液を加熱して、1500℃の溶融Siとして保持した。次に、B濃度0.3質量ppmで粉末状の常温の炭酸ナトリウム(NaCO)15kgを、酸化剤供給管7を通じて精製炉内の溶融Si上に投入し、溶融Si上での酸化剤深さが一様になる様に表面を平坦化した。その後、溶融Siを常圧Ar雰囲気下で1500℃に維持して20分間精製を実施した。この間、炉内のるつぼ上方には、水冷管に溶接された鋼製の冷却板16を炭酸Na上面と対向する様に配置することにより、炭酸Na上面を放射冷却した。精製中の炭酸Na上面温度は、約800℃であった。精製終了後、ひしゃく型のアルミナ製酸化剤除去装置17を炉外から操作して溶融Si上の残滓をすくい取り、残滓受9に排出した。凝固後の残滓からサンプルを切り出し、EPMA法及びICP法による成分分析を行った結果、残滓は、残留酸化剤、Si酸化物、並びに、Si−Na化合物の複合物であった。Si上の残滓を全て除去した後、溶融シリコンのサンプルを採取した。サンプルの採取方法及び分析方法は、実施例1と同様である。その後、再び、溶融Si上に酸化剤を供給して精製を繰り返し、計5回の精製を実施した。精製完了後のSiを、酸化剤除去装置を操作して炉外にくみ出し、回収した。最初の4回の精製において、精製毎に、Si中のB濃度は、精製前の約1/3に低下した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.1質量ppmであり、太陽電池用SiのB濃度仕様を満足した。
(実施例5)
図5の精製炉を用いて、Siの精製を実施した。まず、精製炉内の直径100mmのるつぼ内に、図示しない別の炉で予め溶融させたB濃度12質量ppmの金属Siを5kg注湯しておき、Ar雰囲気下で誘導加熱方式のヒータ3によりSi融液を加熱して、1500℃の溶融Siとして保持した。るつぼの構造は、るつぼ下部20、るつぼ冷却部18、並びに、コーティンング材19の3部分からなるものとした。るつぼ下部20は、高アルミナ質キャスタブル材を用いて成形した。るつぼ冷却部18は、水冷管を埋め込んだコイルセメントを用いて成形し、精製中は低温に保持した。コーティング材19は、直接酸化剤と接触するので、耐食性を考慮して、一体成形されたアルミナ煉瓦を用いた。次に、B濃度0.3質量ppmで粉末状の常温の炭酸ナトリウム(NaCO)2kgを、酸化剤供給管7を通じて精製炉内の溶融Si上に投入し、溶融Si上での酸化剤深さが一様になる様に表面を平坦化した。その後、溶融Siを常圧Ar雰囲気下で1500℃に維持して20分間精製を実施した。この間、炭酸ナトリウム層は、Si融液との接触による入熱を受けたが、低温に維持されたるつぼ冷却部材により、コーティング材を介して抜熱され、炭酸ナトリウムの爆発的な気化は認められなかった。これは、るつぼ冷却部による炭酸ナトリウムの冷却効果により、気化温度以上の高温になった炭酸ナトリウムは、Si融液近傍の小範囲に限定されたためと考えられる。シース熱電対による酸化剤中での温度分布測定の結果、精製中の炭酸ナトリウムの平均温度は、約700℃であった。精製終了後、実施例4と同様の方法でSi上の残滓を除去し、その後、溶融シリコンのサンプルを採取した。サンプルの採取方法及び分析方法は、実施例1と同様である。その後、再び、溶融Si上に酸化剤を供給して精製を繰り返し、計5回の精製を実施した。精製完了後のSiを、酸化剤除去装置を操作して炉外にくみ出し、回収した。最初の4回の精製において、精製毎に、Si中のB濃度は、精製前の約1/3に低下した。最終的に得られたSi中のB濃度は、0.1質量ppmであり、太陽電池用SiのB濃度仕様を満足した。
第4発明の模式図 第5発明の模式図 第7発明の模式図 第1発明の模式図 第1発明の模式図
符号の説明
1 精製炉、
2 るつぼ、
3 ヒータ、
4 溶融シリコン、
5 酸化剤、
6 冷却材、
7 酸化剤供給管、
8 冷却材供給管、
9 残滓受、
10 ガス供給管、
11 ガス排気管、
12 るつぼ傾動装置、
13 断熱材、
14 断熱材供給管、
15 ガス冷却装置、
16 冷却板、
17 酸化剤除去装置、
18 るつぼ冷却部、
19 コーティング材、
20 るつぼ下部。

Claims (9)

  1. 溶融シリコンに酸化剤を付与し、シリコン中のホウ素を酸化することによりシリコン中からホウ素を除去するシリコンの製造方法において、シリコン中のホウ素の酸化中に、前記酸化剤を部分的に冷却することにより酸化剤の昇温を抑制することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
  2. 溶融シリコンに酸化剤を付与し、シリコン中のホウ素を酸化することによりシリコン中からホウ素を除去するシリコンの製造方法において、シリコン中のホウ素の酸化中に、前記酸化剤と溶融シリコンの間に断熱材を存在させることにより、酸化剤の昇温を抑制することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
  3. 酸化剤を溶融シリコンに直接、接触させることを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンの製造方法。
  4. 溶融シリコン上に配置された酸化剤の上に、シリコン融液温度よりも低い温度の冷却材としての固体または液体物質を配置して酸化剤と接触させることにより酸化剤を冷却することを特徴とする請求項1又は3に記載の高純度シリコンの製造方法。
  5. シリコン融液よりも平均温度の低い物体を多孔質状に溶融シリコン上に配置し、前記物体の多孔質状の内部又は上部に、酸化剤を配置することにより酸化剤の昇温を抑制することを特徴とする請求項2に記載の高純度シリコンの製造方法。
  6. 前記酸化剤の昇温を抑制するために接触させる物質が、シリカ、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、又は、カルシアの内の1種又は2種以上の混合物又は複合化合物を主成分とする物質であることを特徴とする請求項4又は5に記載の高純度シリコンの製造方法。
  7. 前記酸化剤、前記冷却材又は前記断熱材に対して、より低温のガスを外部から前記物質に吹き付けることにより、前記酸化剤の昇温を抑制する請求項1〜6のいずれか一つに記載の高純度シリコンの製造方法。
  8. 前記酸化剤が、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属の炭酸塩の水和物、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、アルカリ土類金属の水酸化物の内、1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の高純度シリコンの製造方法。
  9. 前記アルカリ金属の炭酸塩、前記アルカリ金属の炭酸塩の水和物、前記アルカリ金属の水酸化物、前記アルカリ土類金属の炭酸塩、前記アルカリ土類金属の炭酸塩の水和物、又は、前記アルカリ土類金属の水酸化物が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、又は、これらの水和塩、水酸化マグネシウム、又は、水酸化カルシウムの内、1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項8に記載の高純度シリコンの製造方法。
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