JP4850501B2 - 高純度シリコンの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
図1に示す炉構成を備えた高純度シリコンの製造装置において、ルツボ本体として外径870mm×内径820mm×高さ900mmの大きさのアルミナセメント製のルツボを用い、また、その溶融シリコン接触領域には、内径780mm×厚さ10mmであって表1に示す気孔率を有し、全体が一体物に形成された表1に示す耐酸化性材料製の内張り材(高耐酸化壁)を、ルツボ本体の内壁面との間に不定形耐火物を注入して固定することにより設け、更に、直接電磁誘導加熱手段としては出力5kHzの誘導コイルを用いた。
結果は表1に示す通り耐久性は良好であった。
表2に示す気孔率を有すると共に表2に示す耐酸化性材料製の内張り材(高耐酸化壁)を用い、表2に示すスラグ材料を用いた以外は、上記実施例1と同様にして製品シリコンを製造し、また、上記実施例1と同様にして製品シリコンのボロン濃度(B濃度)と100サイクルのスラグ精錬操作後における内張り材の腐食状況を調べ、その耐久性評価を行った。
結果は表2に示す通り耐久性は良好であった。
図4に示すように、ルツボ本体1の溶融シリコン接触領域1aが表3に示す耐酸化性材料で形成されて表3に示す気孔率を有する壁からなり、それ以外の部分は気孔率30%のアルミナ煉瓦からなる壁とし、表3に示すスラグ材料を用いた以外は、上記実施例1と同様にして製品シリコンを製造し、また、上記実施例1と同様にして製品シリコンのボロン濃度(B濃度)と100サイクルのスラグ精錬操作後におけるルツボ壁の腐食状況を調べ、その耐久性評価を行った。尚、このルツボ本体1は、溶融シリコン接触領域1aの壁とそれ以外の部分の壁との目地部を接着することによって作製した。
結果は表3に示す通り耐久性は良好であった。
ルツボ内壁面を周方向に24の区画に分画し、それぞれの区画には実施例1の場合と同様にして同じ耐酸化性材料で形成され互いに異なる気孔率の内張り材(高耐酸化壁)を配設し、スラグ精錬を実施して製品シリコンを製造した。この際に、内張り材の耐酸化性材料としてはムライト、アルミナ、及びマグネシアを用い、また、上記24の区画に配設した内張り材の気孔率については0.3%、0.5%、0.7%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、14%、16%、18%、20%、22%、24%、26%、30%、35%、及び40%とした。
得られた一連の試験結果を図6に示す。なお、図6中の使用可能サイクル数100回を示す横軸において、ムライト及びアルミナを示す実線、マグネシアを示す破線は重なり合っている。使用可能サイクル数は、何れの耐酸化性材料の場合においても、気孔率1%以上20%以下の範囲で好適であった。
ルツボ本体の溶融シリコン接触領域に、材料として酸化ジルコニウムを用い、気孔率10%の内張り材(高耐酸化壁)を設けた以外は、上記実施例1と同様にして原料シリコンのスラグ精錬操作を行ったが、僅か3サイクルのスラグ精錬操作で酸化ジルコニウム溶損が発生し、内張り材の交換が必要になった。
ルツボ本体の溶融シリコン接触領域に、材料としてケイ酸煉瓦を用い、気孔率20%の内張り材(高耐酸化壁)を設けた以外は、上記実施例1と同様にして原料シリコンのスラグ精錬操作を行ったが、僅か1サイクルのスラグ精錬操作でルツボ貫通孔が発生し、操業を中止した。
Claims (15)
- ルツボ中で溶融シリコンと溶融シリコンよりも低密度の溶融スラグとを接触させ、溶融シリコン中の不純物を溶融スラグ中に移動させて高純度シリコンを製造するための高純度シリコンの製造装置において、上記ルツボの外壁面外側にはルツボ内の溶融シリコンを直接に電磁誘導加熱する機能を有する直接電磁誘導加熱手段が配設されていると共に、上記ルツボは、少なくとも直接電磁誘導加熱手段への非通電時に、溶融シリコンがルツボ内壁面と接触する領域が溶融スラグに対する耐酸化性を有する非導電性材料で形成されていることを特徴とする高純度シリコンの製造装置。
- 耐酸化性材料が、少なくとも溶融シリコンがルツボ内壁面と接触する領域に設けられた内張り材である請求項1に記載の高純度シリコンの製造装置。
- ルツボは、その壁体自体の少なくとも溶融シリコン接触領域が耐酸化性材料で形成されている請求項1に記載の高純度シリコンの製造装置。
- ルツボは、その壁体自体の全体が耐酸化性材料で形成されている請求項3に記載の高純度シリコンの製造装置。
- 前記の耐酸化性材料が、マグネシア、ムライト及びアルミナからなる群から選ばれた1種又は2種以上の材料、又は、これらの材料にシリカを主成分とする物質を含む材料である請求項1〜4のいずれかに記載の高純度シリコンの製造装置。
- 前記の耐酸化性材料は、その気孔率が1〜20%である請求項1〜5のいずれかに記載の高純度シリコンの製造装置。
- スラグ材料が、溶融シリコンから溶融スラグ中に移動した溶融シリコン中の不純物を捕捉する不純物捕捉体と、溶融シリコン中の不純物を酸化して溶融シリコンから溶融スラグ中に移動し易くさせる不純物酸化剤とで構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の高純度シリコンの製造装置。
- 不純物捕捉体が、アルミナ、シリカ、酸化カルシウム、及びハロゲン化カルシウムからなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物である請求項7に記載の高純度シリコンの製造装置。
- 不純物酸化剤が、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸塩水和物及び水酸化物、及び、アルカリ土類金属の炭酸塩、炭酸塩水和物、水酸化物及び酸化物からなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物である請求項7に記載の高純度シリコンの製造装置。
- ルツボ内にスラグ材料を供給するためのスラグ供給手段を備えている請求項1〜9のいずれかに記載の高純度シリコンの製造装置。
- スラグ供給手段が、不純物捕捉体をルツボ内に供給するための不純物捕捉体用供給装置と不純物酸化剤をルツボ内に供給するための不純物酸化剤用供給装置とを備えている請求項10に記載の高純度シリコンの製造装置。
- 不純物酸化剤用供給装置、あるいは、この不純物酸化剤用供給装置及び不純物捕捉体用供給装置は、少なくともその一部の不純物酸化剤、あるいは、一部の不純物酸化剤及び不純物捕捉体を、固体状態でルツボ内の溶融シリコン上に供給することができるスラグ供給手段である請求項11に記載の高純度シリコンの製造装置。
- ルツボ内の精錬済み溶融スラグを炉外に排出するためのスラグ排出手段を備えている請求項1〜12のいずれかに記載の高純度シリコンの製造装置。
- スラグ排出手段は、ルツボを傾動させてルツボ内の精錬済み溶融スラグを炉外に排出する傾動装置である請求項13に記載の高純度シリコンの製造装置。
- ルツボ中で溶融シリコンと溶融シリコンよりも低密度の溶融スラグとを接触させ、溶融シリコン中の不純物を溶融スラグ中に移動させて高純度シリコンを製造する高純度シリコンの製造方法において、上記溶融シリコンの加熱手段として、ルツボの外壁面外側に配設された直接電磁誘導加熱手段を使用し、また、上記ルツボとして、少なくとも直接電磁誘導加熱手段への非通電時に、溶融シリコンがルツボ内壁面と接触する領域が溶融スラグに対する耐酸化性を有する非導電性材料で形成されているルツボを使用することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
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