JP2007191347A - 高純度シリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池製造用などに有用な高純度のシリコンを提供することを目的として、シリコンからホウ素を除去するための方法であり、ホウ素除去の反応効率を向上させ、かつその反応に用いる容器の耐久性を向上させる。
【解決手段】溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2を添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、ホウ素除去反応に用いる容器として耐酸化性かつ非導電性の材質のものを用いるとともに、該容器を外部から冷却しつつ、誘導加熱手段により該溶融シリコンを直接加熱することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池原料などとして利用価値の高い高純度なシリコンを製造することを目的に、冶金グレードの金属シリコン(純度98〜99質量%程度)からホウ素を効率的に除去するとともに、その反応に用いる容器の耐久性を向上させる方法である。
シリコンからの不純物、特にホウ素を除去する従来技術としては、例えば、非特許文献1に開示されているような、溶融シリコンとCaO−SiO2 、CaO−MgO−SiO2 、CaO−BaO−SiO2及びCaO−CaF2−SiO2 などのスラグを接触させスラグとシリコンとの間のホウ素の平衡分配により除去する方法が知られている。
また、特許文献1に開示されているような、溶融シリコンをスラグで処理することによって溶融シリコンから不純物を除去することからなるシリコンの精製方法において、前記スラグを溶融シリコンに連続的にまたは実質的に連続的に添加すること及び除去すべき1種または複数の不純物元素について、該スラグと溶融シリコンとの間の平衡が達成されるや否や連続的にまたは実質的に連続的に前記スラグを不活性化させるか、又は溶融シリコンから取り除く方法が知られている。
さらに、特許文献2に開示されているような、ホウ素濃度が100質量ppm以下であるシリコンに塩基性成分を含むフラックスを添加し、これらを溶融させるフラックス添加工程と、シリコンにノズルを浸漬し、酸化性ガスを吹き込む反応工程と、シリコンからフラックスを除去するフラックス除去工程からなるシリコンの精製方法であって、フラックスにはCaO、CaCO3 、又はアルカリ金属酸化物を含む塩基性フラックス、好ましくは所定の組成を有するCaO−CaF2混合フラックスを用いる方法が知られている。
あるいは、特許文献3に開示されているような、1400℃以下でH2O及び/又はCO2を発生する1種又は2種以上の固体を、Ar、H2、COなどのキャリアガスと共に溶融シリコン浴中に吹き込むことにより、ノズル先端部でのシリコンの酸化を抑えることができ、また固体から分解する大量のH2O及び/又はCO2をシリコン浴中に導入することができ、ホウ素の酸化物ガスをキャリアガスと共に排出する方法が知られている。
特開平8−11208号公報 特開2003−12317号公報 特開平9−202611号公報 鈴木他、日本金属学会誌、第54巻、第2号、p.168−172(1990)
上述した非特許文献1の方法は、スラグとシリコンの間でホウ素を平衡分配させ除去しようとするものであるが、ホウ素の分配係数(これは、(スラグ中のホウ素濃度(質量ppm))/(シリコン中のホウ素濃度(質量ppm))として定義される)は高々2.0と低い。このため、この方法では冶金学的グレードのシリコンに数質量ppmから数十質量ppm含まれるホウ素を、太陽電池製造用の高純度シリコンの純度として一般に要求されるホウ素の上限濃度0.3質量ppm好ましくは0.1質量ppmまで除去するには大量のスラグを必要とする。
また、スラグを形成する物質として工業的に利用できる材料には通常1質量ppm〜数質量ppmのホウ素が含まれており、上記のように低い分配比ではそもそも要求される濃度までホウ素を除去することは不可能である。このように非特許文献1の方法は工業的に利用することができない。
また、特許文献1の方法は、上記のことを改善するために、容器に入れた溶融シリコンをホウ素及び/又は他の不純物を取り除く能力をもつスラグで処理する際に、溶融シリコンに対してスラグを連続的に又は実質的に連続的に添加すること、及び、除去すべき1種又は複数の不純物元素について該スラグと溶融シリコンの間で平衡が達成されるや否や、連続的にまたは実質的に連続的に前記スラグを不活性化させるか又は溶融シリコンから除去することによりスラグの使用量を減少させる方法である。
しかしながら、この方法によってもスラグとシリコンの間の分配係数は本質的に非特許文献1と同程度にしかならず、スラグ形成物質として工業的に利用できる材料が含むホウ素を考慮すれば、太陽電池製造用の高純度シリコンに要求されるレベルまでホウ素を除去するのは困難である。
さらに、特許文献2の方法は溶融したシリコンに塩基性成分を含むフラックスを添加し、これらを溶融させるフラックス添加工程と、シリコンにノズルを浸漬し、酸化性ガスを吹き込む反応工程と、シリコンからフラックスを除去するフラックス除去工程からなり、スラグの高塩基度と高酸素分圧を同時に実現し効率良くホウ素が除去できるとされている。
しかしながら、溶融シリコンに酸化性ガスを吹き込むことは、反応性に富む溶融シリコンやスラグに耐えうる適切なノズルの材質が無い、あるいは、ノズルの先端が酸化されたシリコンにより閉塞するなど工業的には困難である。また、この方法によるホウ素の除去は、実施例によれば初期ホウ素濃度14質量ppmが処理後7.6質量ppmまで減少するに過ぎず、太陽電池製造用の高純度シリコンのホウ素許容値にはほど遠いのが実情である。
また、特許文献3の方法は、溶融シリコン中に1400℃でH2O及び/又はCO2を発生する1種又は2種以上の固体を、Ar、H2、COなどのキャリアガスと共に溶融シリコン浴中に吹き込むことにより、ノズル先端部でのシリコンの酸化によるノズル閉塞を防止しつつ、固体から分解する大量のH2O及び/又はCO2という酸化性ガスをシリコン浴中に導入することで、ホウ素の酸化物ガスをキャリアガスと共に排出する方法である。
しかしながら、先に述べたよう溶融シリコンは非常に反応性に富み、羽口やノズルが腐食・破壊され易いため工業的には実現が困難である。
本発明は、シリコンからホウ素を効率よく除去することができ、かつ、シリコン中のホウ素を除去させるための反応容器の耐久性を向上させる、高純度シリコンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった結果、以下に示す方法により、シリコンからのホウ素除去を効率的に行い、かつ反応容器の耐久性を向上できることを見出した。
(1)溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2を添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、ホウ素除去反応に用いる容器として耐酸化性かつ非導電性の材質のものを用いるとともに、該容器を外部から冷却しつつ、誘導加熱手段により該溶融シリコンを直接加熱することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
(2)前記容器の材質の主成分が、酸化物からなる耐火材料であることを特徴とする(1)に記載の高純度シリコンの製造方法。
(3)ホウ素除去反応を行わせた後、前記容器から溶融シリコンを排出し、その後、空になった該容器が所定の温度以上となる様に、あらかじめ別の加熱溶融手段で溶融した金属シリコンを該容器に装入して、該容器の温度低下を防ぐことを特徴する(1)または(2)に記載の高純度シリコンの製造方法。
(4)ホウ素除去反応を行わせた後、反応容器から溶融シリコンを排出するとともに、空になった該容器を加熱手段で加熱して、該容器の温度低下を防ぐことを特徴する(1)または(2)に記載の高純度シリコンの製造方法。
本発明によれば、シリコンからホウ素を効率よく除去することができ、かつ反応容器の耐久性を向上できるため太陽電池用などで利用価値の高い高純度なシリコンを高効率で製造することが出来、結果として安価な高純度シリコンを市場に供給することで太陽電池などの製品コストの引き下げに寄与することが出来る。
次に、本発明についてさらに詳しく説明する。本発明者は、溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2との混合物を添加するシリコン中のホウ素を除去する方法を見出している。
この技術の重要な特徴は、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2との混合物を、そのまま溶融シリコンに添加する点であり、予めアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2を処理してスラグ化しないことである。
これは、溶融シリコン中に添加されたアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物が容易に分解し、酸化性物質であるCO2やアルカリ金属酸化物を発生するため、溶融シリコン中のホウ素が酸化されて、酸性化合物である酸化ホウ素となるとともに、同時に生成した強塩基性のアルカリ金属酸化物−SiO2系スラグへの移動が促進されるためである。
一方、このような添加方法を行うことによって、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物と、強塩基性のアルカリ金属酸化物−SiO2系スラグが共存することになる。
本発明者らの実験によると、このようにアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物と、強塩基性のアルカリ金属酸化物−SiO2系スラグが共存する場合には、反応容器の耐久性を低下させやすいという課題があることが明らかとなった。
本発明者は、この課題を改善するために鋭意検討を行い、該反応容器の耐久性を向上させつつ、シリコンからの効率的なホウ素除去を行う方法を見出し、本発明に至った。以下その内容について説明する。
反応容器耐久性低下の理由の一つとして、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物は強い酸化力を持つために、酸化に弱い材質の反応容器が大きな損傷を受けることが挙げられる。例えば、特許文献1に記載されたような黒鉛質のルツボはシリコンの溶解精練に従来から使用されているが、本発明者らの実験では、酸化されて損傷が大きく、工業的に利用できないことが判明した。
また、本発明者らの実験では、炭化珪素質のルツボを使用した場合にも同様に損傷が大きいことが判明した。
このため、耐酸化性を持つ、例えばアルミナ、マグネシア、シリカなどの酸化物を主成分とする耐火材料からなる反応容器を用いるのが望ましいが、本発明者らの実験によると、単に上記材質の反応容器を使用するだけではあまり効果がなく、例えば、公知技術であるシリカからなる容器を黒鉛ヒーターにより外部から加熱する方法を採用しようとする場合、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物および、強塩基性のアルカリ金属酸化物−SiO2系スラグが、容器の材質であるシリカと反応して損傷が大きいことが判明した。
これは、ルツボを外部から加熱する場合、容器の温度はシリコンの融点(1414℃)以上の高温となり、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物および、強塩基性のアルカリ金属酸化物−SiO2系スラグとの反応が急激なためである。同様のことは、アルミナやマグネシアなどの酸化物からなる耐火材料からなる容器を外部から加熱した場合にも起こった。
このため、本発明者らは、反応容器の材質と、加熱方式と合わせた、最良な方法を採用することで、酸化による反応容器の損傷を抑制することに着目し、鋭意実験を行った結果、ホウ素除去反応に用いる容器を、耐酸化性かつ非導電性の材質とするとともに、該容器を外部から冷却しつつ、誘導加熱手段により該溶融シリコンを直接加熱することで、該反応容器の耐久性を大幅に向上できることを見出した。
その理由として、反応容器の材質を非導電性のものを用いて、誘導加熱手段により該溶融シリコンを加熱するために、発熱するのは導電性を持つ溶融シリコンのみであり、反応容器は発熱しない上に、この反応容器を外部から冷却されるために、反応容器はシリコンに比べ低温度に維持される。この時の反応容器の温度は、実験等で適宜定めた温度以下とすれば良いが、本発明者の知見によれば、1450℃以下とすることが好ましい。
尚、反応中の反応容器の温度は、反応装置に取り付けた温度計(熱電対)を用いて、または消耗型熱電対で間欠的に測定することで、確認することができる。
これに加えて、反応容器の材質は耐酸化性のものを用いているため、酸化による損傷も起こりにくくなっている。
このため、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2系のスラグと、容器材質の反応は非常に緩慢となり、工業的に十分利用できる耐久性となるためである。
また、該溶融シリコンを誘導加熱することにより、溶融シリコンは電磁力により強く攪拌される。このため溶融シリコン内のホウ素がスラグへ移動する際の物質伝達速度が攪拌により加速され、前記アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2を添加する効果とあわせ、さらに効率的なホウ素除去が可能となる。
これらの効果によって、シリコン中のホウ素除去の指標であるスラグとシリコンの間のホウ素の分配係数は、非特許文献1や特許文献1にあるような従来技術では2.0程度に過ぎなかったものが、5.0以上と大幅に向上し、ホウ素が高効率で除去できることを確認できた。
なお、上記の耐酸化性かつ非導電性の耐火材料としては、その特性の程度は適宜設定すれば良く、特に規定するものではないが、一般的に使用される酸化物からなる耐火材料で、例えばアルミナ、マグネシア、シリカ、およびこれらの混合物等が利用できる。
また、反応容器内の溶融シリコンを誘導加熱した際に、溶融シリコンにローレンツ力が作用し、これにより反応容器側面から溶融シリコン内部へ向かうピンチ力が溶融シリコンに働く。このため、溶融シリコンと反応容器に隙間が生じるため、この隙間にスラグが入り込んで、反応容器の内面を酸化して破損しやすくなることがあるため、反応容器の内面に、耐酸化性材料が形成されていることが好ましい。
反応容器の内面に形成する耐酸化性材料としては、マグネシア、ムライト、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素等が例示できる。
以上の通り、溶融シリコンからホウ素を除去させる反応を行うに際して、反応効率を向上させ、かつ、容器の耐久性は飛躍的に向上する。
しかし、工業的に上記の方法でホウ素除去を行う場合、ホウ素除去反応が終わった際には反応容器から他の容器に溶融シリコンを排出する必要がある。従って、溶融シリコンを排出した後は、容器は空になるため、発熱源である溶融シリコンが無くなることにより、反応容器の温度が急激に低下する。
そこで、上記の酸化物からなる耐火材料は、一般に高温度から低温度に温度低下する際に、熱応力により割れ易いという欠点を有しているため、反応容器の急激な温度低下による熱応力により、反応容器が割れることも懸念される。
このため本発明者らは鋭意検討を行った結果、ホウ素除去反応を行わせた後、前記容器から溶融シリコンを排出し、その後、空になった該容器が所定の温度以上となる様に、あらかじめ別の加熱溶融手段で溶融した金属シリコンを該容器に装入して、該容器の温度低下を防ぐことにより、反応容器の割れを防止できることを見出した。
ここで、空になった該容器の所定の温度以上とは、実験等により適宜、設定すれば良いが、本発明者の知見によれば、1000℃以上が好ましく、1100℃以上がより好ましい。
ここで、空になった容器の温度は、反応装置に取り付けた温度計(熱電対)を用いて、または放射型温度計で測定することができる。
また、容器が空になってから、別の加熱溶融手段で溶融した金属シリコンを該容器に装入するまでの時間としては、短いほど好ましく、目安としては30分以内であれば良いが、3分以内とすることが好ましく、2分以内とすることがより好ましい。
また同様に、ホウ素除去反応を行わせた後、反応容器から溶融シリコンを排出するとともに、空になった該容器を加熱手段で加熱して、該容器の温度低下を防ぐことにより、反応容器の割れを防止できることを見出した。
ここで、空になった容器を加熱手段で加熱する際の温度は、上記と同様に、1000℃以上が好ましく、1100℃以上がより好ましい。
以上のようにしてシリコンからのホウ素除去を効率的に行うとともに、除去反応を行わせる反応容器の耐久性も向上させることが可能となった。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ホウ素を0.6質量ppm含有する粉状のNa2CO3とホウ素を1.5質量ppm含有する粉状のSiO2(けい砂)とを分子量で2:1の割合で混合した後、直径約5mm(約0.1g)の球状に成型した。
図1に示す様に、反応容器5の外側に、金属シリコンを直接加熱するための出力5kHzの誘導加熱用コイル7と、水を冷媒体とする外部冷却手段6が配設された装置を用い、アルミナからなる反応容器5で、ホウ素を15質量ppm含有する金属シリコン20Kgを加熱溶融し、このシリコンに上記混合物の成型体1を非酸化性の圧縮ガス(N2)を用いる添加手段4により添加した。成型体の添加は0.2Kg/分の速度で連続的に行なった。
添加された上記混合物の成型体がシリコンと反応して生成したスラグ3は、反応容器5から連続的に排出した。添加した成型体の総量が30Kgに達した時点で添加を止め、20分後反応容器5を傾けシリコンを排出し、その後3分以内に別の加熱溶融手段(図示せず)で溶融したシリコンを移し入れた。
ここで、反応中の溶融シリコンの温度は1500℃程度としたが、反応中の容器は最高でも1400℃程度で推移した。
また、シリコンを排出し、その後3分以内に別の加熱溶融手段で溶融したシリコンを移し入れる間に、温度は低下したものの、最低温度は1100℃程度とすることができた。
反応容器から排出したシリコンの成分を分析した所、シリコン中のホウ素濃度は0.25ppmであり、太陽電池に使用できる高い純度であった。また反応容器5は上記の反応を50回以上行なってもまだ使用可能な状態であった。
(実施例2)
ホウ素を1.0質量ppm含有する粉状のK2CO3とホウ素を1.5質量ppm含有する粉状のSiO2(けい砂)とを分子量で2:1の割合で混合した後、直径約5mm(約0.1g)の球状に成型した。
図1に示す装置を用い、アルミナからなる反応容器5でホウ素を15質量ppm含有する金属シリコン20Kgを加熱溶融し、このシリコンに上記混合物の成型体1を非酸化性の圧縮ガス(N2)を用いる添加手段4により添加した。成型体の添加は0.2Kg/分の速度で連続的に行なった。
添加された上記混合物の成型体がシリコンと反応して生成したスラグ3は反応容器5から連続的に排出した。添加した成型体の総量が30Kgに達した時点で添加を止め、20分後反応容器5を傾けシリコンを排出し、その後3分以内に別の加熱溶融手段(図示せず)で溶融したシリコンを移し入れた。
ここで、反応中の溶融シリコンの温度は1500℃程度としたが、反応中の容器は最高でも1400℃程度で推移した。
また、シリコンを排出し、その後3分以内に別の加熱溶融手段で溶融したシリコンを移し入れる間に、温度は低下したものの、最低温度は1100℃程度とすることができた。
反応容器から排出したシリコンの成分を分析した所、シリコン中のホウ素濃度は0.27ppmであり、太陽電池に使用できる高い純度であった。また反応容器5は上記の反応を50回以上行なってもまだ使用可能な状態であった。
(比較例)
ホウ素を0.6質量ppm含有する粉状のNa2CO3とホウ素を1.5質量ppm含有する粉状のSiO2(けい砂)とを分子量で2:1の割合で混合した後、直径約5mm(約0.1g)の球状に成型した。
図2中に示す様に、反応容器5の外側に、加熱手段7として抵抗加熱ヒータが配設された装置を用い、アルミナからなる反応容器5で、ホウ素を15質量ppm含有する金属シリコン20Kgを入れ加熱溶融し、このシリコンに上記の成型体1を、非酸化性の圧縮ガス(N2)を用いる添加手段4により添加した。成型体の添加は0.2Kg/分の速度で連続的に行なった。
投射された成型体がシリコンと反応して生成したスラグは反応容器5から連続的に排出した。投射した成型体の総量が30Kgに達した時点で投射を止め、20分後反応容器5を傾けシリコンを排出した。
ここで、反応中の溶融シリコンの温度は1500℃程度としたが、反応中の容器は外部から加熱されているため、最高で1550℃程度まで上昇した。
また、シリコンを排出し、その後、別の加熱溶融手段で溶融したシリコンを移し入れる間に、温度は低下したものの、特に温度管理を行わなかったため、最低温度は500℃程度まで低下していた。
反応容器5から排出したシリコンの成分を分析した所、シリコン中のホウ素濃度は0.3ppmで太陽電池に使用できる純度であった。しかしながら反応容器5は上記の反応を10回以上行なうと損傷が大きく使用に耐えなかった。
本発明の一実施例を示す概略図である。 比較例を示す概略図である。
符号の説明
1 成型体
2 溶融シリコン
3 スラグ
4 添加手段
5 反応容器
6 冷却手段
7 誘導加熱用コイル
8 圧縮ガス配管
9 加熱手段

Claims (4)

  1. 溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2を添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、ホウ素除去反応に用いる容器として耐酸化性かつ非導電性の材質のものを用いるとともに、該容器を外部から冷却しつつ、誘導加熱手段により該溶融シリコンを直接加熱することを特徴とする高純度シリコンの製造方法。
  2. 前記容器の材質の主成分が、酸化物からなる耐火材料であることを特徴とする請求項1に記載の高純度シリコンの製造方法。
  3. ホウ素除去反応を行わせた後、前記容器から溶融シリコンを排出し、その後、空になった該容器が所定の温度以上となる様に、あらかじめ別の加熱溶融手段で溶融した金属シリコンを該容器に装入して、該容器の温度低下を防ぐことを特徴する請求項1または2に記載の高純度シリコンの製造方法。
  4. ホウ素除去反応を行わせた後、反応容器から溶融シリコンを排出するとともに、空になった該容器を加熱手段で加熱して、該容器の温度低下を防ぐことを特徴する請求項1または2に記載の高純度シリコンの製造方法。
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