JP6026210B2 - 金属の還元精錬方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原料に含まれる金属酸化物を還元して金属を回収する金属の還元精錬方法に関する。また、金属シリコンの特性を有効に活用して金属シリコンを含む屑を再利用できる金属の還元精錬方法に関する。
フェロマンガンを製造する際には、フェロマンガンとともにスラグ(以下、「マンガンスラグ」ともいう)が生成される。このマンガンスラグには、マンガン(Mn)や二酸化ケイ素(SiO2)、生石灰(CaO)、鉄(Fe)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al23)等が含まれる。そのうちのマンガンおよび鉄は、一部が酸化物として含まれる。
このマンガンスラグを再利用するため、マンガンスラグを原料として還元精錬が行われ、マンガンスラグを原料とする還元精錬では、マンガンおよび鉄の酸化物を還元剤により還元して金属化し、金属マンガンおよび金属鉄を含むフェロアロイを回収する。このようなフェロアロイを始めとする金属(合金を含む)の還元精錬は、現在、不純物を含む金属酸化物から金属を回収する場合に広く用いられる。金属の還元精錬は、例えば、上述のフェロマンガンを始めとするフェロアロイの製造時に生成したスラグから金属を回収する際に用いることができる。
金属の還元精錬方法には、電気炉内で金属酸化物を含む原料と還元剤とを加熱融解して溶融物とする過程で原料に含まれる金属酸化物を還元し、該溶融物から金属を回収する方式(電気炉内で原料と還元剤とを加熱融解する方式)と、金属酸化物を含む溶融状態の原料に還元剤を添加することにより原料に含まれる金属酸化物を還元し、該溶融物から金属を回収する方式(溶融状態の原料に還元剤を添加する方式)とがある。
電気炉内で原料と還元剤とを加熱融解する方式は、例えば、以下の手順により行うことができる。
(1)炉頂から金属酸化物を含む原料と還元剤を投入する。
(2)原料および還元剤を加熱して融解し、その過程で原料に含まれる金属酸化物を還元剤により還元して金属化させる。また、加熱融解の過程で原料および還元剤は下降し、炉下部に主に金属の溶融物で構成される金属層と、その金属層の上にスラグ層とを形成する。
(3)加熱炉の下部から溶融物を取り出し、比重分離等によりスラグを分離して主に金属で構成される成品を回収する。
また、溶融状態の原料に還元剤を添加する方式は、特許文献1に開示されるように、以下の手順により行うことができる。
(1)金属酸化物を含む溶融状態の原料を取鍋内に装入し、その原料に還元剤を添加する。
(2)必要に応じて不活性ガスの吹き込み等により攪拌し、原料含まれる金属酸化物を還元剤により還元して金属化する。一方、取鍋下部に主に金属の溶融物で構成される金属層が形成される。
(3)取鍋下部から溶融物を取り出し、比重分離等によりスラグを分離して主に金属で構成される成品を回収する。
これらの金属の還元精錬では、還元剤としてSiやAl、FeSi(フェロシリコン)といった金属系還元剤(合金を含む)を使用することができる。また、還元反応時に反応熱を生じるので、電気炉内で原料および還元剤を加熱融解する場合、外部からのエネルギー投入量を低減でき、エネルギー効率に優れる。
一方、ソーラーパネル等に使用されるケイ素(Si)は、自然エネルギーを利用した発電の活用に伴って需要が急速に高まっている。そのソーラーパネルを構成するシリコンウェーハを加工する際には、切り屑が発生する。シリコンウェーハの加工は化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)が主流であり、CMPでは微細な砥粒を含んだスラリーによりシリコンウェーハを研磨する。このため、シリコンウェーハを加工する際に発生する切り屑は、スラッジ状であり、微細な金属シリコン粒子を含む。シリコンウェーハを加工する際に発生する切り屑は、CMPの砥粒等に起因してSiCも含む場合がある。
金属シリコンの切り屑は、ソーラーパネル用シリコンウェーハの加工時の他に、例えば、液晶ディスプレイの製造時や半導体デバイスのシリコンウェーハの加工時等にも発生する。このような金属シリコンを含む屑は産業廃棄物であり、その発生量は増大する傾向に有る。この金属シリコンを含む屑の再利用方法として、酸化処理によるセメント原料用途への再利用が実現されているが、金属シリコンの特性を有効に活用するものではない。このため、金属シリコンの特性を有効に活用して金属シリコンを含む屑を再利用するため、シリコンインゴットの鋳造原料に再利用するシステムや脱酸剤として再利用する方法が提案されている。
特許文献2には、金属シリコンを含む屑をシリコンインゴットの鋳造原料に再利用するシステムが提案されている。特許文献2に提案されるシステムでは、シリコンインゴットまたはシリコンウェーハの加工装置から排出される廃液等を回収して精製し、精製シリコンからシリコンインゴットを鋳造する。
また、特許文献3には、脱酸剤としてシリコンスラッジを再利用する方法が提案されている。特許文献3に記載のシリコンスラッジを再利用する方法では、シリコンスラッジに酸化マグネシウムを添加混合して含水率を下げ、その混合物に高分子ポリマーを添加して成形した後で乾燥させることにより固形体の脱酸剤とする。このような脱酸剤は、製鋼の過程において炭素やケイ素、リンなどの不純元素を除くために、溶鋼中に酸素を吹き込む酸化精錬において、溶鋼中に投入されて溶解状態の過剰な酸素を固定してSiO2として除去する。
特開昭58−34159号公報 特開2009−298650号公報 特開2011−26640号公報
前述の通り、従来の金属の還元精錬では、エネルギー効率に優れることから、金属系還元剤を用いて原料に含まれる金属酸化物を還元して金属を回収する。しかし、金属系還元剤は高価であり、製造コストを上昇させる要素となる。
一方、ソーラーパネルの製造等で発生する金属シリコンを含む屑は、酸化処理によるセメント原料用途への再利用が実現されているが、金属シリコンの特性を有効に活用しているとは言えない。また、金属シリコンを含む屑の再利用に関して従来から種々の提案がなされているが、金属シリコンを含む屑は、発生量が増大する傾向であることから、それらの方法により再利用できる量には限界がある。このため、金属シリコンの特性を有効に活用して金属シリコンを含む屑を再利用する方法がさらに求められている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、金属シリコンの特性を有効に活用して金属シリコンを含む屑を再利用できる金属の還元精錬方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、種々の試験を行い、鋭意検討を重ねた結果、金属の還元精錬において、還元剤として金属シリコンを含む屑を用いれば、金属酸化物を還元精錬して金属を回収できるとともに、金属シリコンの特性を有効に活用して金属シリコンを含む屑を再利用できることを見出した。本発明は、上記の知見に基づいて完成したものであり、下記(1)〜(4)の金属の還元精錬方法を要旨としている。
(1)原料に含まれる金属酸化物を還元剤で還元して金属を回収する金属の還元精錬方法であって、前記還元剤として、金属シリコンを含む屑を用いることを特徴とする金属の還元精錬方法。
(2)前記金属シリコンを含む屑として、金属シリコンとともにSiCを含む屑を用いることを特徴とする(1)に記載の金属の精錬方法。
(3)前記原料に含まれる金属酸化物を還元剤で還元して金属を回収する際に、電気炉内で金属酸化物を含む原料と還元剤とを加熱融解して溶融物とする過程で原料に含まれる金属酸化物を還元し、該溶融物から金属を回収することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の金属の精錬方法。
(4)前記原料に含まれる金属酸化物を還元剤で還元して金属を回収する際に、金属酸化物を含む溶融状態の原料に還元剤を添加することにより原料に含まれる金属酸化物を還元し、該溶融物から金属を回収することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の金属の精錬方法。
以下では、「金属シリコンを含む屑」および「金属シリコンとともにSiCを含む屑」を総称して「金属シリコン屑」とも呼ぶ。
本発明の金属の還元精錬方法は、還元剤として金属シリコンを含む屑を用いて原料に含まれる金属酸化物を還元精錬して金属を回収できる。このため、本発明の金属の還元精錬方法は、金属シリコンの特性を有効に活用して金属シリコンを含む屑を再利用できる。また、金属シリコンを含む屑は安価であるので、製造コストを低減できる。
本発明の金属の還元精錬方法による処理フロー例を示す図である。
本発明の金属の還元精錬方法は、前述の通り、原料に含まれる金属酸化物を還元剤で還元して金属を回収する金属の還元精錬方法であって、還元剤として、金属シリコンを含む屑を用いることを特徴とする。
金属シリコン屑に含まれる金属シリコンは、金属の還元精錬において原料に含まれる酸化物を還元して金属化する。
このため、本発明の金属の還元精錬方法は、金属酸化物を還元精錬して金属を回収できるとともに、金属シリコン屑に含まれる金属シリコンの特性を有効活用して金属シリコン屑を還元剤として再利用できる。また、金属シリコン屑は従来の金属系還元剤より安価であるので、本発明の金属の還元精錬方法は、製造コストを削減することができる。
金属シリコン屑が、スラッジ状の場合(水分含有量が多い場合)、遠心分離や自然乾燥等によって水分を除去する処理を施すことによって水分を除去するのが好ましい。
金属シリコンを含む屑として、例えば、ソーラーパネルや液晶ディスプレイ、半導体デバイス等における切削加工やスライス加工で発生する切り屑を用いることができる。
本発明の金属の還元精錬方法は、金属シリコンを含む屑として、水分除去処理後の金属シリコン含有率が70質量%以上である屑を用いるのが好ましい。金属シリコン含有率が70質量%未満であると、含まれる不純物が精錬した金属に混入する量が増加し、品質が低下するおそれがある。水分除去処理後の金属シリコン含有率が70質量%以上である屑として、上記ソーラーパネルや液晶ディスプレイ、半導体デバイス等における切削加工やスライス加工で発生する金属シリコンを含む切り屑がある。また、金属シリコンを含む屑における水分除去処理後の金属シリコン含有率は、より好ましくは75質量%以上であり、最も好ましくは80質量%以上である。
一方、金属シリコンを含む屑は、水分除去処理後の金属シリコン含有率が高い程好ましいので、好ましい上限については規定しない。
本発明の金属の還元精錬方法は、スラグの塩基度(CaO質量%/SiO2質量%)を調整してスラグの流動性を確保するため、電気炉や取鍋へCaO源を投入してもよい。CaO源として、石灰石や生石灰を用いることができる。
金属シリコン屑は、金属シリコンとともにSiCを含む屑を用いることもできる。金属シリコン屑にSiCが含まれると、金属の還元精錬においてSiCが原料に含まれる酸化物を還元して金属化する。このため、金属酸化物を還元精錬して金属を回収できるとともに、金属シリコン屑に含まれる金属シリコンおよびSiCの特性を有効活用して金属シリコン屑を還元剤として再利用できる。また、金属シリコンとともにSiCを含む屑は従来の金属系還元剤より安価であるので、本発明の金属の還元精錬方法は、製造コストを削減することができる。
金属シリコンとともにSiCを含む屑を用いる場合、水分除去処理後における金属シリコンとSiCの合計含有率が減少すると、屑に含まれる不純物が回収金属に混入する量が増加し、回収金属の品質が低下するおそれがある。
このため、本発明の金属の還元精錬方法は、金属シリコンとともにSiCを含む屑における水分除去処理後の金属シリコンとSiCの合計含有率を70質量%以上とするのが好ましい。また、より好ましい水分除去処理後の金属シリコンとSiCの合計含有率は75質量%以上であり、最も好ましい合計含有率は80質量%以上である。一方、金属シリコンを含む屑は、水分除去処理後の金属シリコンとSiCの合計含有率が高い程好ましいので、好ましい上限については規定しない。
金属シリコンとともにSiCを含む屑であって、水分除去処理後の金属シリコンとSiCの合計含有率が70質量%以上である屑として、例えば、シリコンウェーハのCMP加工で発生する切り屑を用いることができる。シリコンウェーハのCMP加工で発生する切り屑は、通常、水分除去処理後の金属シリコンとSiCの合計含有率が70質量%以上であるとともに、水分除去処理後のSiCの含有率が15質量%以上である。
水分除去処理後のSiCの含有率の上限は特に規定しないが、水分除去処理後のSiC含有率が増加すると、SiCによる原料に含まれる酸化物の還元に伴ってSiO2の生成量が増加し、生成したSiO2はスラグに移行してスラグの塩基度が減少する。この場合、スラグの流動性を確保するためにはCaO源の投入量を増加させる必要があり、それに伴ってスラグの生成量が増大する点に留意する必要がある。
ここで、厳しい環境におけるトランジスタ等のデバイスでは、SiCインゴットが用いられる場合があり、デバイスを作製する過程でも切り屑が発生する。SiCインゴットからデバイスを作製する過程で発生する切り屑は、SiCを含む。金属シリコンとともにSiCを含む切り屑を用いる際、上述のSiCの切り屑を、金属シリコンを含む屑と混合して用いることもできる。
本発明の金属の還元精錬方法は、金属シリコン屑が微粉状で電気炉や取鍋へ直接投入するのが困難な場合、造粒やペレット化等の処理を施すことにより金属シリコン屑の粒度を適宜調整すればよい。
本発明の金属の還元精錬方法は、還元剤として金属シリコン屑を用いる際に、従来の金属系還元剤とともに金属シリコン屑を用いることができる。これにより、金属シリコンの含有量が低い金属シリコン屑であっても、還元剤として再利用できる。
本発明の金属の還元精錬方法は、精錬される金属の種類について特に制限はない。例えば、Feを酸化物として含む原料からのFeの還元精錬に適用できる。また、NiやCo、Cr、Nb、V、Taの還元精錬にも適用できる。
また、精錬される金属には、合金が含まれ、MnおよびFeを含むフェロアロイが挙げられ、この場合、原料としてフェロマンガン製造時に生成するスラグを用いることができる。また、NiやCo、Cr、Nb、V、TaとFeとのフェロアロイの還元精錬にも適用できる。
本発明の金属の還元精錬方法は、前述の電気炉内で原料と還元剤とを加熱融解する方式、および、溶融状態の原料に還元剤を添加する方式のいずれも採用できる。ここで、電気炉内で原料と還元剤とを加熱融解する方式を採用する場合の本発明の処理フロー例について下記図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の金属の還元精錬方法による処理フロー例を示す図である。同図に示す電気炉1は、サブマージドアーク炉であり、電極2および原料投入装置3を備える。電気炉1は、炉壁15によってほぼ円筒状の密閉型容器を形成しており、下部の側壁には取り出し口8が配設される。電気炉1には、3本の電極2が設けられており、同図にはそのうち2本の電極2を示す。また、電気炉1には、7台の原料投入装置3が設けられており、同図にはそのうち2台の原料投入装置3を示す。原料投入装置3は、電気炉1の上方に配置されたホッパー3aと、ホッパー3aから切り出される原料を電気炉1内に投入する投入管3bとで構成される。
同図に示す電気炉1を用いて金属を還元精錬するにあたり、ホッパー3aに金属酸化物を含む原料と還元剤である金属シリコン屑とを所定の比率で混合した投入原料16を装入する。装入した投入原料16をホッパー3aから切り出すことにより、投入管3bを介して電気炉1内に順次投入する。
この状態で電気炉内の投入原料を、電極2に交流電流を印加することにより、ジュール熱によって加熱して融解する。その過程で投入原料に含まれる金属酸化物が金属シリコン屑の金属シリコンによって還元されて金属化する。この還元反応の反応熱によっても投入原料は加熱される。
一方、投入原料を加熱して融解する過程で、後述するように取り出し口8から溶融物が取り出されることから、投入原料が下降する。その結果、電気炉内では上から順に未溶融層4、半溶融層5、スラグ層6および金属層7が形成される。金属層7は主に金属の溶融物で構成され、その金属層7の溶融物を電気炉の下部の側壁に配設された取り出し口8から順次排出する。その際、金属層7の溶融物とともに不可避的にスラグが排出される。
同図に示す電気炉は、その下部の周辺に樋9、スキンマー10、鋳銑機11およびドライピット12が配設される。取り出し口8から排出された溶融物は、樋9を経由してスキンマー10に供給される。スキンマー10は、供給された溶融物を一旦貯留しつつ比重差を利用して分離する装置であり、供給された溶融物を主に金属からなる溶融物とスラグとに分離する。分離された金属の溶融物は鋳銑機11に排出されるとともに、スラグはドライピット12に排出される。鋳銑機11に供給された金属の溶融物は、所定の形状に成形された状態で冷却されて固化されることによって成品(精錬金属)13となる。
このような電気炉内で原料と還元剤とを加熱融解する方式を採用する場合、電気炉は、上述の処理フロー例で用いたアークの発熱を利用するアーク炉に限定されず、金属を精錬するのに使用されるものであれば、各種の電気炉を使用することができる。このような電気炉として、一般に、上述のアーク炉や抵抗によって発熱させる抵抗炉、誘導加熱を利用する誘導炉等が挙げられる。熱効率の観点から、本発明の金属の還元精錬方法はアーク炉を用いるのが好ましい。
本発明の金属の還元精錬方法による効果を検証するため、電気炉内で原料と還元剤とを加熱融解する方式により金属を還元精錬する試験を行った。
[試験方法]
本試験では、前記図1を用いて説明した処理フローにより、原料として高炭素フェロマンガン製造時に発生したスラグ(以下、「HCスラグ」ともいう)を用いるとともに、還元剤として金属シリコン屑を用いて還元精錬を行った。
本試験では、金属シリコン屑として、金属シリコンを含むスラッジ(以下、「シリコンスラッジ」ともいう)と、金属シリコンとともにSiCを含む(以下、「SiCを含むシリコンスラッジ」ともいう)とを準備した。シリコンスラッジは、ソーラーパネル用シリコンインゴットを切断加工する際に発生したスラッジ状の切り屑を自然乾燥させたものである。また、SiCを含むシリコンスラッジは、ソーラーパネル用シリコンウェーハの製造におけるCMPで発生したスラッジ状の切り屑を自然乾燥させたものである。さらに、スラグの塩基度を調整するためのCaO源として石灰石を準備した。
表1に本試験に用いたHCスラグ、シリコンスラッジ、SiCを含むシリコンスラッジおよび石灰石の化学成分を示す。なお、表1における「NA」は、当該成分が検出されなかったことを意味する。また、SiCを含むシリコンスラッジのSiC含有率は21質量%であった。
Figure 0006026210
本試験では、シリコンスラッジとセメントとを9:1の割合で混合した後、その混合物にペレット化可能な適量で水を添加した。水を添加した混合物をペレタイザーにて直径約15mmの球状のペレットとした後でシリコンスラッジを乾燥させることにより、ペレット化した。シリコンスラッジの場合と同様の手順によって、SiCを含むシリコンスラッジもペレット化した。
本試験では、所定の質量に計量したHCスラグとシリコンスラッジのペレットとを混合した投入原料をホッパー3aに装入した。一部の試験では、シリコンスラッジのペレットに代えてSiCを含むシリコンスラッジのペレットを用いるとともに、投入原料にさらに石灰石を混合した。表2に、各試験における1バッチあたりのHCスラグ、シリコンスラッジ、SiCを含むシリコンスラッジおよび石灰石の投入量、投入原料使用量を示す。ここで、1バッチあたりの投入量とは、原料投入装置が1度の切り出しで投入するHCスラグ、シリコン屑または石灰石の質量である。また、投入原料使用量は、各試験において電気炉に投入した投入原料の合計質量である。
Figure 0006026210
本試験に用いた電気炉は、トランス容量50,000kVA、炉の直径15m、炉の高さ6m、電極直径1.7mであった。
各試験では、原料投入装置3によって1バッチ分の投入原料16を電気炉内に投入した後、13.5MWで約8時間にわたって電極に通電し、その後、取り出し口8から溶融物を排出する処理を行った。この処理を42回繰り返して行った。
本試験では、得られた成品の質量を測定するとともに、鋳銑機11から排出された成品13を採取してその化学成分を調査した。また、スキンマー10において、分離された金属の溶融物の温度を測定した。表3に成品の化学成分および分離時の温度を示す。
Figure 0006026210
一方、本試験では、得られたスラグ(以下、「生成スラグ」ともいう)の質量を測定するとともにドライピット12から生成スラグ14を採取し、その化学成分を調査した。また、スキンマー10において、分離された生成スラグの温度を測定した。表4に生成スラグの化学成分および分離時の温度を示す。
Figure 0006026210
[試験結果]
表3および表4より、本発明例1〜4では、マンガン酸化物および不純物を含むHCスラグから、成品として、マンガン酸化物が還元されるとともに精錬により不純物を除去して主にMn、FeおよびSiからなるフェロアロイを回収することができた。そのフェロアロイは製鋼用途等で十分に使用可能であった。一方、生成スラグは、路盤材等で十分に使用可能であった。
そのうちの本発明例1〜3では、還元剤として、金属シリコンを含むスラッジを用いた。このため、本発明の金属の精錬方法によって、金属酸化物を還元精錬して金属を回収できるとともに、金属シリコン屑に含まれる金属シリコンの特性を有効活用して還元剤として金属シリコン屑を再利用できることが明らかになった。
一方、本発明例4では、還元剤として、金属シリコンとともにSiCを含むシリコンスラッジを用いた。このため、本発明の金属の精錬方法によって、金属酸化物を還元精錬して金属を回収できるとともに、金属シリコンとともにSiCを含む屑に含まれる金属シリコンおよびSiCの特性を有効活用して還元剤として金属シリコンとともにSiCを含む屑を再利用できることが明らかになった。
本発明の金属の精錬方法によれば、金属シリコンを含む屑を再利用しつつ原料に含まれる金属酸化物を還元精錬して金属を回収できる。このような本発明の金属の精錬方法をフェロマンガン製造時に発生したスラグからのフェロアロイの還元精錬に適用すれば、成品の品質を維持しつつ製造コストを削減できる。したがってフェロマンガン製造時に発生したスラグからのフェロアロイの還元精錬および金属シリコンを含む屑の再利用において、本発明は有効に利用できる。
1:電気炉、 2:電極、 3:原料投入装置、 3a:ホッパー、 3b:投入管、
4:未溶融層、 5:半溶融層、 6:スラグ層、 7:金属層、 8:取り出し口、
9:樋、 10:スキンマー、 11:鋳銑機、 12:ドライピット、
13:成品(精錬金属)、 14:スラグ、 15:炉壁、 16:投入原料

Claims (3)

  1. 電気炉内で金属酸化物を含む原料と還元剤とを加熱融解して溶融物とする過程で前記金属酸化物を前記還元剤で還元し、前記溶融物から金属を回収する金属の還元精錬方法であって、
    前記還元剤として、金属シリコンを含む屑を用いることを特徴とする金属の還元精錬方法。
  2. 金属酸化物を含む溶融状態の原料を取鍋内に装入し、その原料に還元剤を添加することにより前記金属酸化物を前記還元剤で還元し、前記溶融状態の原料から金属を回収する金属の還元精錬方法であって、
    前記還元剤として、金属シリコンを含む屑を用いることを特徴とする金属の還元精錬方法。
  3. 前記金属シリコンを含む屑として、金属シリコンとともにSiCを含む屑を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の金属の精錬方法。
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