JPH06940B2 - 高マンガン鉄合金の溶融還元精錬方法 - Google Patents

高マンガン鉄合金の溶融還元精錬方法

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JPH06940B2 JP60114176A JP11417685A JPH06940B2 JP H06940 B2 JPH06940 B2 JP H06940B2 JP 60114176 A JP60114176 A JP 60114176A JP 11417685 A JP11417685 A JP 11417685A JP H06940 B2 JPH06940 B2 JP H06940B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) マンガン鉄合金は鉄鋼精錬の際に脱酸剤とかマンガン分
の添加剤として、また鋳物用として使用されるものであ
り、現在、そのマンガン含有率や炭素含有率で区別さ
れ、高炭素フエロマンガン、中炭素フエロマンガン、低
炭素フエロマンガン、またシリコンを多く含有するもの
はシリコンマンガンなどの名称で市販されているもので
ある。
本発明はこのようなマンガン鉄合金を上底吹き転炉型反
応容器を用いて、マンガンの歩留高く、安価にかつ効率
良く製造する方法に関するものである。
(従来技術) 従来、マンガン鉄合金は、マンガン鉱石またはその予備
還元物、あるいはそれらの混合物をコークス等の炭素質
還元剤および造滓剤と共に電気炉に装入し、電力により
加熱、溶融、還元して製造されている。
しかしながらかかる方法において使用される電力は、例
えば高炭素フエロマンガンの場合で製品1t当り2200kW
H程度であり、電力単価の高い我が国ではコスト上昇の
主要因となっており、かつ一次エネルギーから見たエネ
ルギー効率は著しく低いことはいうまでもない。このエ
ネルギー源を一次エネルギー(特に、石炭、コークスな
どの石炭系固体炭素質物の燃焼エネルギー)に置換する
ことが出来れば経済的に極めて有利なものとなる。
また、電気炉による前記高炭素フエロマンガンの製造に
おいては、電気炉から排出されるスラグ中のマンガン含
有量は通常酸化マンガンとして20〜30%と高く、マ
ンガンの歩留りが低いという欠点がある。
電気炉法においては、このスラグ中のマンガン分を回収
するために、前記高炭素フエロマンガンのスラグを用い
てシリコンの高いマンガン鉄合金、すなわちシリコマン
ガンを製造することによって前記スラグ中のマンガン分
を低くする方法が行われているが、この手段においても
多量の電力を消費し、生成するスラグ中の酸化マンガン
濃度は10%程度であり、電気炉法においてスラグ中の
酸化マンガ濃度を更に低下させることはほとんど不可能
である。このスラグ中のマンガン分を効率良く低下させ
ることが出来れば経済的に極めて有利なものとなる。
(発明が解決しようとする問題点) 電気炉を用いる従来のマンガン鉄合金の製造方法は、前
述のように電力を使用するためエネルギーコストが高い
こと、かつマンガンの利用率が低いという問題点があ
る。
本発明は、マンガン鉄合金を製造するに際し、まず加熱
熱源として安価な一次エネルギー、すなわちコークス、
石炭などの固体炭素質物質の燃焼エネルギーを利用する
ことにより、エネルギーコストを低くし、かつエネルギ
ー効率を高くすること、つぎにマンガンの利用率を向上
させることを目的とし、しかも簡単な操業方法で前記目
的を達成しようとするものである。
しかしフェロンマンガンのような高マンガン鉄合金を製
造する場合、次のような問題がある。すなわち、マンガ
ン鉱石を炭素質物質で還元する方法においては、溶融メ
タル中のマンガン含有率と溶融スラグ中のマンガン含有
率は一定の平衡関係があるため、溶融メタル中のマンガ
ン含有率を高くすると必然的に溶融スラグ中の酸化マン
ガン含有率が高くなり、マンガン歩留が低くなる。この
平衡関係は他の条件、例えば操業温度、スラグ組成など
によっても変わるが、これらはスラグの電気抵抗、スラ
グの流動性、マンガンの蒸気損失、耐火物の溶損などに
関係するので、容易に操業するためには大幅な変更はで
きない。このことは、従来の電気炉法でも、溶融還元精
錬法でも同様である。
さらに、電気炉法の場合は連続操業のための炉内の溶融
層へのマンガン酸化物の供給を止めることができないの
で、スラグ中の酸化マンガン濃度は平衡値よりもかなり
高い値となる。
本発明では以上のような問題点を解決するために、上底
吹転炉型反応容器を用い、炭素の燃焼熱を利用して加
熱、溶融、還元を行う方法における酸化マンガンの還元
反応速度、スラグ中の酸化マンガン濃度とメタル中のマ
ンガン含有率の関係について検討し、その結果に基づい
て排出するスラグ中のマンガン含有率が低く、生産性が
高く、かつ耐火物の原単位も許容できる範囲内にとどめ
つつ高マンガン鉄合金を製造するプロセスを開発するこ
とを目的とした。
(問題点を解決するための手段) 本発明は20重量%以下のマンガンを含有する鉄合金溶
湯が入っている上底吹き転炉型反応容器に、マンガン鉱
石またはその予備還元物あるいはそれらの混合物と造滓
剤からなる原料を炭材とともに装入し、前記容器内に酸
素または酸素を含有するガスを供給して前記原料を加
熱、溶融、還元し、前記合金溶湯中のマンガン含有率を
40重量%以上とした後、その高マンガン鉄合金の1部
または全部を取り出し、鋳造する第1工程と、前記第1
工程で残留させた溶融物が入っている前記反応容器に、
または前記溶融物を移した別の上底吹転炉型反応容器
に、溶融鉄合金を加えるか、あるいは鉄源と造滓剤から
なる原料を炭材とともに装入し、前記容器内に酸素また
は酸素を含有するガスを供給して前記原料を加熱、溶
融、還元し、20重量%以下のマンガンを含有する鉄合金
溶湯を生成させることにより、スラグ中のマンガン含有
率を酸化マンガンとして10重量%以下とした後、排滓
する第2工程とよりなり、前記第1工程と前記第2工程
とを交互に行う方法である。
(本発明の構成及び作用) 本発明で用いる上底吹き転炉型反応容器は製鋼溶転炉が
使用できる。その底部は、ガス底吹きのために1個また
は複数個の底吹きノズルを配置する。ノズルの数は前記
反応容器の容量及び吹き込みガス量によって決定され
る。ノズルは2重管とし、内管より酸素または酸素を含
むガスあるいは不活性ガス、外管より冷却用ガスを吹き
込むこと出来る構造とする。前記冷却用ガスは、プロパ
ンなどの炭化水素が好適であるが、N2,CO2,Arなどが
使用できる。上吹きガスには酸素または酸素を含むガス
を使用し、反応容器の上部から挿入された上吹ランスに
よって供給する。この酸素供給はコークスなどの炭素質
物質を燃焼して発熱させるためのものであり、この製錬
法での主な熱発生源である。
本発明の基本とするところは、上底吹き転炉型反応容器
による操業が電気炉を用いる方法と異なりバッチ操業で
あること、さらに底吹きガスによる強撹拌によってスラ
グ-メタル間反応を平衡値に近づけやすい転を有効に利
用するものである。
すなわち、高マンガン鉄合金を製造し、その際生成する
酸化マンガン濃度の高いスラグに鉄源を加えてマンガン
含有率の低いマンガン鉄合金を生成させることによって
スラグ中の酸化マンガン濃度を低下させた後に排滓する
という操作を繰返す方法である。
本発明は、本発明者らが実験を行い、検討した結果に基
づいて構成されたものであり、その実験結果を次に説明
する。
第1図は、スラグ中の酸化マンガンの還元反応の例を示
したものであるが、原料溶融後スラグ中の酸化マンガン
濃度は(1)式の一次反応に従って還元が進行し、平衡に
到達する。
ただし、 (MnO)t0:スラグ中の酸化マンガンの初期濃度 (MnO)t:t分時のスラグ中の酸化マンガン濃度 (MnO)e:スラグ中の酸化マンガン平衡濃度 k :酸化マンガンの還元反応速度数 この反応において操業上問題となるのはスラグ中の酸化
マンガン平衡濃度と酸化マンガンの還元反応速度定数で
ある。
第2図に種々のスラグ塩基度(CaO/SiO2)における還元
反応速度定数kとメタル中のマンガン含有率の関係、第
3図にスラグ中の酸化マンガンとメタル中のマンガンの
関係について実験した結果を示した。それによると、メ
タル中のマンガン含有率約30%以下では、メタル中の
マンガン含有率が低くなるとkは大きくなり、またスラ
グ中の酸化マンガンの平衡濃度は小さくなるが、メタル
中のマンガン含有率約30%以上では、k及び平衡濃度
に対するメタル中のマンガン含有率の影響は極めて小さ
いことが分かる。また、第3図から、スラグの塩基度
(CaO/SiO2)を大きくすることによってスラグ中の酸化
マンガン平衡濃度を低下させ得ることが分かる。
スラグ中の酸化マンガンの平衡濃度は、スラグ中の酸化
マンガン含有率を低下させることのできる限界値を表わ
しており、また還元反応速度定数kはその限界値に近づ
く速度を表わしている。すなわち、平衡濃度が低くとも
反応速度が小さければスラグ中の酸化マンガン濃度を低
下させるために長時間を要することになる。実際の操業
において長時間の操業を行うことは、生産性の低下もさ
ることながら、エネルギー効率の悪化、耐火物損傷の増
加などの結果となり好ましくなり、さらにまた、マンガ
ン鉄合金の場合なマンガン自体の蒸発損失が多くなり、
マンガン歩留の低下をきたす。
したがって、本発明では、メタル溶湯中のマンガン含有
率が低い場合、スラグ溶湯中の酸化マンガンの還元反応
速度が速く、かつマンガン含有率が低くなるという点
(第2図及び第3図参照)を利用して排滓時のメタル中
のマンガン含有率を意図的に下げるような操業形態をと
ることによって、短時間の操業で、スラグ中のマンガン
含有率を低下させ得る高マンガン鉄合金の製造方法を確
立した。
本発明において、製造する高マンガン鉄合金をマンガン
含有率40%以上としたのは、実際に鉄鋼溶脱酸剤とし
て使用する場合少なくとも40%は必要であることによ
る。また、第2工程で生成させる低マンガン鉄合金を2
0%以下としたのは、第3図から明らかな如く、メタル
中のマンガン含有率が約20%以下において低塩基度の
スラグの場合でもスラグ中の酸化マンガン含有率を10
%以下にできることによるものである。
次に本発明による操業の態様およびその作用について説
明する。
操業を始めるにあたっては、使用する上底吹き転炉型反
応容器の定格量50%以下に相当する量のメタル溶湯を
前記反応容器に装入する。このような溶湯としては、溶
銑あるいは前記反応容器から得られたフエロマンガン溶
湯を誘導溶解炉で保温、あるいは再溶解したものが適し
ている。なお、一旦、操業を開始すると、以後は生成し
た溶湯を炉外に出湯するに際し、その一部を残留させる
ことによって操業が繰返されてゆく。
本発明方法の操業の概要は第4図に示した通りである。
本発明方法においては上底吹転炉型反応容器は1基を用
いて第1工程と第2工程を同一容器内で交互に繰返して
行うことができるが、また反応容器2基を用いて行うこ
ともできる。以下反応容器1基を用いる場合について説
明する。
まず、第1工程は高マンガン鉄合金を製造する工程であ
るが、上底吹き転炉型反応容器内に前工程(第2工程)
で生成したマンガン含有率20重量%以下のマンガン鉄
合金溶湯と溶融スラグを装入しておき、底吹ノズルの内
管から酸素または酸素を含むガスあるいは不活性ガス
を、外管からプロパンなどの炭化水素,N2,CO2,Arの
何れかを吹き込んでおき、まず、固体炭素質物質を前記
炉内に装入し、上吹きランスより酸素または酸素を含む
ガスの吹き込みを開始する。底吹きガスが酸素又は酸素
を含むガスの場合、上吹き、底吹きの酸素の割合は例え
ば97:3〜80:20とするのが好適である。そのよ
うな状態の前記反応容器内にマンガン源、固体炭素質物
質および造滓剤を装入する。
前記マンガン源としては、乾燥したマンガン鉱石、また
はロータリーキルン、流動還元炉、焼結機などの予備処
理を用いて事前処理を行ったマンガン鉱石の予備還元物
または焼結鉱をそれぞれ単独あるいは混合して使用す
る。
炭素質物質は石炭、コークスなどの石炭系の固体炭素質
物質を使用し、造滓剤は主として生石炭、石灰石、転炉
スラグなどを使用し、すべて乾燥品とする。
これらの各原料を前記上底吹転炉型反応容器に装入する
際、それぞれ独立に装入しても良く、混合物として装入
することもできる。
さらに予備処理を行った原料の場合は予備処理後に冷却
することなく、直接前記反応容器に装入すれば、原料の
顕熱を利用することが出来るので、総エネルギーの節約
上有利である。例えばロータリーキルンでマンガン鉱石
の予備還元を行う場合はマンガン鉱石と炭素質物質を前
記キルンに装入し、約1000℃程度で加熱還元を行うの
で、前記キルンと上底吹転炉型反応容器を直結させて直
接1000℃程度の原料を装入することができる。
前記反応容器内の高マンガン鉄合金溶湯の温度は1600℃
を超えないよう上吹き用ランスの高さおよび吹き込みガ
ス量を調節する。
このようにして、一定の吹酸量および原料の装入が終了
した後、溶融原料中のマンガン酸化物が過剰の炭素によ
り還元され、炭素の飽和した高マンガン鉄合金(C含有
量約7%)が生成する。
この還元期においては、底吹きノズルの内管から吹込ん
でいるガスが酸素または、酸素を含むガスの場合は底吹
ガスをプロパンなどの炭化水素,Ar,N2,CO2,CO又は
工程内発生ガスなどの中から選ばれる何れか少なくとも
1つのガスに切り換えることが好適である。これは、マ
ンガンが鉄、クロムなどに比較して酸化されやすいの
で、酸化を防止するためである。一定時間吹酸した後、
生成した高マンガン鉄合金溶湯の大部分が取り出して鋳
造する。溶融スラグ及びタル溶湯の一部は反応容器内に
残しておき、第2工程を行う。
第2工程は第1工程で生成した溶融スラグ全量が入って
いる反応容器に第1工程と同じ要領で鉄源、固体炭素質
物質および造滓剤を装入し、マンガン含有率の低いマン
ガン鉄合金を生成させ、スラグ中の酸化マンガンを過剰
の炭素により還元させる。
前記鉄源は鉄マンガン鉱石、鉄鉱石、スクラップまたは
溶銑などが使用されるが、前2者の場合はマンガン鉱石
と同様に予備処理物とすることもできる。
反応容器内の温度及びガス吹き条件は第1工程と同様に
調整しながら操業する。第2工程において、溶融スラグ
中の酸化マンガン含有率を低くするには、メタル溶湯中
のマンガン含有率が出来るだけ低いほうが望ましい。
また、操業上の条件としては反応容器内の温度を高くす
ること、及びスラグの塩基度(CaO/SiO2)を高くするこ
となどの手段によってスラグ中の酸化マンガン濃度を低
下できる。第2工程においては、これらの手段を随時用
いることができる。
以上のようにして、マンガン含有率が低い鉄合金溶湯と
酸化マンガン含有率10%以下のスラグを生成させた
後、スラグを排出するが、この場合、次の工程(第1工
程)に必要な量のスラグを残しておく。すなわち、第2
工程で生成した低マンガン鉄合金を用いて再び第1工程
を行い、これを繰返すことによって高マンガン鉄合金を
製造するのであるが、第1工程の操業当初も常に一定量
以上、上吹きガスのジェットによりメタル溶湯が露出し
ない程度の量の溶融スラグでメタル溶湯を覆っておく必
要がある。メタル溶湯が露出すると上吹き酸素によって
その場所に高温部分が生じ、マンガンの蒸発が促進し、
蒸発損失が増大する結果となる。
以下実施例について説明する。
実施例1 反応容器としての上底吹転炉には、10t小型転炉の底
部に二重管ノズルを中心に取りつけたものを使用した。
原料及びその品位は第1表に示した通りである。
使用したマンガン鉱石はロータリーキルンデ還元剤とし
てコークスとともに1000℃にて加熱還元した。この時マ
ンガンの酸化度(4価のマンガンに換算されたマンガン
の全マンガンに占める割合)は5%であった。
上底吹転炉に、低マンガン鉄合金溶湯1000kg、および本
発明方法の第二工程で生成するスラグと同組成の溶融ス
ラグを約200mm厚さ(約1000kg)になるように装入し
た。この時底吹ノズルよりは3kg/cm2の圧力で、内管よ
りは酸素を、外管よりは冷却用ガスとしてアルゴンを各
々700/minで吹き込んでいる。
以上のような準備が完了した後、先ず第一工程として乾
燥したコークスを上底吹転炉内に30kg投入し、上吹ラ
ンスより5kg/cm2の圧力、15Nm3/min.の流速で酸素
を吹き込んで着火させた。着火確認後前記転炉内に、前
記予備還元されたマンガン鉱石を冷却することなく連続
的に投入し、コークス及び石灰原石は間欠的に投入し、
それぞれマンガン鉱石A3650kg、コークス1500kg、およ
び生石灰300kgを投入した。この間、溶湯温度は1550
℃を越えないようにランス高さ、吹酸量を随時調整し
た。
次に、上吹ランスよりの吹酸を停止し、炉口に取りつけ
たセキを利用して生成スラグは排出せずに生成したメタ
ルのみをほぼ全量排出した。
引き続き第2工程としてスラグ中の酸化マンガンを回収
するために、再び上吹ランスより吹酸を開始した。この
場合、スラグ中にコークスが残留しているため着火は非
常に容易であった。この時の吹酸は5kg/cm2の圧力で1
0Nm3/min.の流速で行った。直ちに銑鉄(溶湯)800
kgを装入し、さらにコークス200kg及び生石灰50kg
を間欠的に溶湯温度を確認しながら投入した。投入後、
溶湯温度を上げるため強吹酸を行い、1600℃に達した
後、上吹ランスよりの吹酸を停止し、生成したスラグの
みを、溶融メタル上に約200mm位の厚さに程度残すよ
うにして排出した。
実際の工程では、前記第2工程で生成した低マンガン合
金溶湯を利用して再び第1工程を実施して連続操業が行
われるが、今回の試験では1サイクルの試験で打ち切
り、生成した低マンガン鉄合金溶湯も排出し、生成量、
組成などを測定した。
このようにして得られた各工程のメタル及びスラグの量
及び化学組成は第2表に示した通りであった。
実施例2 反応容器及び原料は実施例1と同じものを使用し、高マ
ンガン鉄合金のマンガン含有率45%前後を目標とし
た。
反応容器に、低マンガン鉄合金溶湯1000kgと実施例1で
生成したスラグ溶湯を約200mm厚さになるように装入し
て実施例1と同様の条件で準備した。続いて、マンガン
鉱石がB3600kgを連続的に、コークス1500kg及び生石灰
310kgを間欠的に投入した。使用したマンガン鉱石B
は第1表に示したものを予備還元処理して冷却すること
なく用いた。所定時間吹酸した後、メタル溶湯を約10
0kg程度残して排出し、鋳造した。
反応容器に残した溶湯に再び吹酸を開始した。ここで
は、メタル溶湯を若干残しているため操業自体は実施例
1に比較して非常に容易であった。吹酸条件は実施例1
と同様にして、鉄鉱石1030kg、コークス500kg及び生石
灰140kgを間欠的に投入し、溶湯温度を1600℃まで上昇
させた後、スラグのみを排出した。
以上のようにして得られた各工程のメタル及びスラグの
量と化学組成を第3表に示した。
以上述べた如く本発明方法によれば、高マンガン鉄合金
を上底吹転炉型反応器を用いて、マンガンの歩留り高
く、安価にかつ効率良く製造することができる。更に、
第1工程におけるマンガン鉱石の原料配台のみを変える
ことによって製造される高マンガン鉄合金のマンガン品
位を容易に変更することが出来るという機動性も持って
いる。また、生成スラグは酸化マンガン含有率が適当で
あることにより農業用肥料として利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】 第1図はスラグ中の酸化マンガンの還元反応速度を示す
図、第2図はメタル中のマンガン含有率と還元反応速度
定数の関係を示す図、第3図はスラグ中のMnO平衡濃度
とメタル中のMn含有率の関係を示す図、第4図は本発明
方法のフローシートを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 裕之 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1―1 新日本製鐵株式會社第3技術研究所内 (72)発明者 桑原 正年 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1―1 新日本製鐵株式會社第3技術研究所内 (72)発明者 柴田 健治 東京都中央区日本橋小網町8番4号 日本 重化学工業株式会社内 (72)発明者 嶋貫 孝 東京都中央区日本橋小網町8番4号 日本 重化学工業株式会社内 (72)発明者 田村 芳昭 東京都中央区日本橋小網町8番4号 日本 重化学工業株式会社内 (72)発明者 藤田 正樹 福岡県北九州市八幡東区大字前田字洞岡 2142―3 日本重化学工業株式会社九州工 場内 (56)参考文献 特開 昭54−158313(JP,A) 特開 昭60−67608(JP,A) 特開 昭60−251212(JP,A) 特公 昭57−36337(JP,B2) 特公 昭60−13058(JP,B2) 特公 昭50−17406(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 20重量%以下のマンガンを含有する鉄合金溶湯が入っ
    ている上底吹き転炉型反応容器に、マンガン鉱石または
    その予備還元物あるいはそれらの混合物と造滓剤からな
    る原料を炭材とともに装入し、前記容器内に酸素または
    酸素を含有するガスを供給して前記原料を加熱、溶融、
    還元し、前記合金溶湯中のマンガン含有率を40重量%
    以上とした後、その高マンガン鉄合金の1部または全部
    を取り出し、鋳造する第1工程と、前記第1工程で残留
    させた溶融物に鉄源と造滓剤からなる原料を炭材ととも
    に装入し、前記容器内に酸素または酸素を含有するガス
    を供給して前記原料を加熱、溶融、還元し、20重量%
    以下のマンガンを含有する鉄合金溶湯を生成させること
    によりスラグ中の酸化マンガン含有率を10重量%以下
    とした後、排滓する第2工程とよりなり、前記第1工程
    と前記第2工程を交互に行うことを特徴とする高マンガ
    ン鉄合金の溶融還元精錬方法。
JP60114176A 1985-05-29 1985-05-29 高マンガン鉄合金の溶融還元精錬方法 Expired - Lifetime JPH06940B2 (ja)

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