JP2011111377A - 固化材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、強度発現性に優れ、かつ改良土からの六価クロム溶出量を抑制できる固化材を提供する。
【解決手段】本発明は、以下の(1)〜(3)の固化材を提供する。
(1)セメントと、水硬率が1.0〜3.5、珪酸率が0.1〜0.8および鉄率が5〜25であって無水石膏を40〜70質量%含有する無水石膏含有焼成物を含む固化材。
(2)セメント100重量部に対し、無水石膏含有焼成物を10〜50重量部含む前記(1)に記載の固化材。
(3)更に、高炉スラグ微粉末および/または六価クロムの還元剤を含む前記(1)または(2)に記載の固化材。
【選択図】なし

Description

本発明は、強度発現性に優れ、改良土からの六価クロムの溶出を抑制することができる固化材に関する。
現在市販されている固化材の構成材料には、セメント、高炉スラグおよび石膏等が使用されている。当該石膏は、無水石膏、半水石膏、リン酸石膏および二水石膏等があり、このうち二水石膏は天然二水石膏や排脱二水石膏等が使用され、無水石膏は天然無水石膏やフッ酸の製造時に副生するフッ酸無水石膏が使用されている。そして、固化材の強度発現性の点で、水和物を持たない無水石膏は、二水石膏より優れる傾向にある。しかし、無水石膏であっても、天然無水石膏は、結晶性が良く水への溶解度が低いため、天然無水石膏を含有する固化材は、フッ酸無水石膏を含有する固化材に比べ、強度発現性は低い傾向にある。また、フッ酸無水石膏は、フッ素の含有量が高いため、フッ酸無水石膏を含有する固化材を河川や海岸域等のフッ素含有量の高い土壌に使用した場合に、その固化処理土から土壌環境基準を超過するフッ素が溶出する虞がある。
したがって、天然無水石膏やフッ酸無水石膏に代わって使用できる無水石膏源が強く望まれており、また固化材として使用する際に、当然のこととして改良土から六価クロムが溶出する危険性のないことが必要となる。
従来から、無水石膏源の一つとして無水石膏含有焼成物が知られている。例えば、特許文献1には、CaO原料、Al23原料、Fe23原料、SiO2原料およびCaSO4原料を熱処理して得られる物質であって、遊離石灰、カルシウムアルミノフェライト、カルシウムシリケートおよび無水セッコウを含有してなり、全CaO量に対してCaSO4含有量が20%を超え、珪酸率が1.0未満であるセメント混和材が記載されている(請求項1、2)。しかし、当該セメント混和材は、膨張性能に優れる膨張材であるから(段落0003、段落0007)、膨張材以外の用途に転用することは難しい。特に当該セメント混和材を固化材として使用した場合、固化材の主要な使用態様であるスラリー状態での土壌への添加において、CaOの急激な水和によって流動性を確保できず、地盤改良が行えない虞がある。
また、本願出願人が出願した特許文献2には、10〜40重量部のカルシウムサルホアルミネートと、10〜40重量部のケイ酸2石灰と、8〜80重量部の硫酸カルシウムを主成分とする水硬性組成物とからなる鉛溶出防止材が記載されている(請求項1)。しかし、当該鉛溶出防止材は、各成分の組成物であって焼成物ではないため、各成分を計量・混合する手間や混合装置が必要になりコスト高になる。また、特許文献2に記載された硫酸カルシウムは無水石膏に限定されない。
特開2002−3254号公報 特開平11−104596号公報
したがって、本発明は、無水石膏の含有率が高い焼成物を含み、改良土からの六価クロムの溶出を抑制することのできる固化材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の水硬率、珪酸率および鉄率を有し、かつ無水石膏を所定量含有する焼成物を固化材の一成分として使用した場合、強度発現性に優れ、また六価クロムの溶出を抑制することができることを見い出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、セメントと、水硬率が1.0〜3.5、珪酸率が0.1〜0.8および鉄率が5〜25であって無水石膏を40〜70質量%含有する無水石膏含有焼成物を含む固化材である。また、本発明の固化材は、高炉スラグ微粉末および/または六価クロムの還元剤を含んでもよい。
ここで、水硬率、珪酸率および鉄率は以下の計算式により算出した。
水硬率=CaO/(SiO+Al+Fe
珪酸率=SiO/(Al+Fe
鉄率=Al/Fe
(上式中のCaO、SiO、AlおよびFeの単位は、質量%である。)
また、クリンカ中の無水石膏の含有率は以下の計算式により算出した。
無水石膏の含有率=1.7×(SO3−0.26×(Al−0.64×Fe
(上式中の無水石膏の含有率、SO、AlおよびFeの単位は、質量%である。)
本発明によれば、強度発現性に優れ、また改良土からの六価クロムの溶出を抑制することのできる固化材を提供できる。
以下に、本発明の固化材について詳しく説明する。
本発明の固化材に用いるセメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントおよび耐硫酸塩ポルトランドセメント等のポルトランドセメント、並びに、高炉セメント、フライアッシュセメントおよびシリカセメント等の混合セメントから選ばれる1種または2種以上が好ましい。
特に、以下のボーグ式により算出したエーライト(3CaO・SiO)の含有率が50〜75質量%となるセメントが、強度発現性の観点からより好ましい。
エーライトの含有率=(4.071×CaO)―(7.60×SiO)―(6.718×Al)―(1.430×Fe)―(2.852×SO
(上式中のエーライトの含有率、CaO、SiO、Al、FeおよびSOの単位は、質量%である。)
本発明の固化材に用いる無水石膏含有焼成物は、固化材の強度発現性を高め、かつ六価クロムの溶出を抑制するために好適な、特定の水硬率、珪酸率および鉄率を有し、かつ特定量の無水石膏を含有するものである。
具体的には、無水石膏含有焼成物の水硬率、珪酸率、鉄率および無水石膏の含有率は、以下の通りである。
(1)水硬率は、1.0〜3.5で好ましく、1.8〜2.2がより好ましい。当該水硬率が1.0未満では固化性能のないゲーレナイト(2CaO・Al・SiO)が生成して強度発現性が低下するとともに、CaSO原料からSOが揮発する虞があり、当該水硬率が3.5を超えると、反応性の高いフリーライム(f−CaO)が生成しやすくなる虞がある。
(2)珪酸率は、0.1〜0.8が好ましく、0.2〜0.4がより好ましい。当該珪酸率が0.1未満では、試薬を使用せずに天然材料を使用する限り実製造が困難であり、当該珪酸率が0.8を超えると前記と同様に固化性能のないゲーレナイトが生成して強度発現性が低下するとともに、CaSO原料からSOが揮発する虞がある。
(3)鉄率は、5〜25が好ましく、15〜20がより好ましい。当該鉄率が5未満では焼成物の表面が溶融し易くなって、焼成工程において焼成物が塊状になる虞や焼成炉壁に融着する虞があり、当該鉄率が25を超えると焼成温度によっては反応性の高いCAが生成する虞や、クリンカリングし難い傾向にある。
(4)無水石膏の含有率は、40〜70質量%が好ましく、55〜65質量%がより好ましい。無水石膏の含有率が40質量%未満では、無水石膏の含有量が少なく固化材の強度発現性が十分でない場合があり、無水石膏の含有率が70質量%を超えると焼成時においてSOの揮発量が増大する傾向にある。
また、無水石膏含有焼成物は、アウインを15〜40質量%、好ましくは20〜30質量%含有してもよい。
アウインの含有率が15質量%未満では初期強度の発現性が十分でなく、かつ六価クロムの溶出抑制効果が低くなり、アウインの含有率が40質量%を超えると、無水石膏の生成量が減少して、無水石膏の含有率が40質量%未満になる場合がある。
なお、アウインの含有率は以下の式により算出した。
アウインの含有率=1.99×(Al23−0.64×Fe23
(上式中のアウインの含有率、AlおよびFeの単位は、質量%である。)
また、無水石膏含有焼成物は、ビーライトを5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%含有してもよい。
ビーライトの含有率が5質量%未満では中・長期強度の発現性が十分でなく、ビーライトの含有率が30質量%を超えると、前記と同様に無水石膏の生成量が減少して、無水石膏の含有率が40質量%未満になる場合がある。
なお、ビーライトの含有率は以下の式により算出した。
ビーライトの含有率=2.87×SiO2
(上式中のビーライトの含有率およびSiOの単位は、質量%である。)
また、無水石膏含有焼成物は、モル比で、CaO/Alは3〜10、SO/Alは1〜6.5およびCaO/SiOは3〜25が好ましい。CaO/Alが3未満では反応性の高いCAが生成し易くなる虞があり、CaO/Alが10超えると反応性の高いフリーライムが生成し易くなる虞がある。また、SO/Alが1未満では初期強度発現性が十分でなく、SO/Alが6.5を超えるとSOの揮発量が高くなる傾向にある。また、CaO/SiOが3未満では焼成が困難となる傾向にあり、CaO/SiOが25を超えるとSO揮発量が高くなる傾向にある。
無水石膏含有焼成物は、前記成分のほかに、ゲーレナイトを15質量%以下、フェライト相(4CaO・Al・Fe)を2〜8質量%、およびフリーライムを0.5質量%以下含有するのが好ましい。ゲーレナイトの含有率が15質量%を越えると固化性能が低下する場合がある。また、フェライト相の含有率が2質量%未満ではクリンカが粉状化する虞があり、フェライト相の含有率が8質量%を超えると融着のため焼成が困難となる虞がある。また、フリーライムが0.5質量%を超えると無水石膏含有焼成物が貯蔵サイロ内で固結する虞がある。
次に、無水石膏含有焼成物の製造方法を説明する。
当該製造方法は、以下の原料組成物の調合・混合工程と、焼成工程と、粉砕工程とからなる。
[原料組成物の調合・混合工程]
無水石膏含有焼成物の原料組成物は、CaO原料、Al原料、Fe原料およびCaSO原料を、当該焼成物の水硬率が1.0〜3.5、珪酸率が0.1〜0.8および鉄率が5〜25であって、焼成物中の無水石膏の含有量が40〜70質量%になるように調合・混合して調製する。
ここで、CaO原料は、石灰石、炭酸カルシウム、消石灰、貝殻等が挙げられ、Al原料は、ボーキサイト、アルミナ、アルミ残灰、建設発生土等が挙げられ、Fe原料は、銅カラミ、酸化鉄、金属鉄粉等が挙げられる。また、CaSO原料は、廃石膏ボード等の石膏廃材、無水石膏、半水石膏、二水石膏等が挙げられるが、特に、石膏廃材は、無水石膏含有焼成物のコストを低減する上で、有用である。
前記の原料は粉砕して粉体状で焼成してもよく、更に当該粉体を成型または造粒して焼成してもよい。粉砕機はボールミル、アトマイザー、ローラーミル、ローラープレス、ジョークラッシャー、トップグラインダー等が、また成型機・造粒機はブリケットマシーン、パンペレタイザー、プレスペレッター、ディスクペレッター、押出し成型機、スウィング式混練造粒機等が使用できる。
前記の原料が粉体状の場合には、原料を調合した後の混合装置は、傾胴ミキサー、オムニミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー、ナウタミキサー、ボールミル、強制二軸ミキサー、ディスクミル等が使用できる。
[焼成工程]
前記調合・混合工程で得られた原料組成物を、1100〜1500℃、好ましくは1200〜1375℃、より好ましくは1275〜1300℃で焼成する。当該焼成温度が1100℃未満では焼成が十分に進行せず、当該焼成温度が1500℃を超えると無水石膏が分解してSOが揮発する虞がある。また、焼成装置としては、乾式ロータリーキルン、湿式ロータリーキルン、ケトル炉、電気炉、流動層焼成炉、気流焼成炉等が使用できる。
[粉砕工程]
前記焼成工程で得られた焼成物を、ボールミル、アトマイザーまたはジョークラッシャー等の粉砕機により粉砕する。粉砕後の焼成物のブレーン比表面積は、3000〜9000cm/gが好ましく、3750〜4250cm/gがより好ましい。当該ブレーン比表面積が3000cm/g未満では反応性が低下する虞があり、当該ブレーン比表面積が9000cm/gを超えるとスラリーにして使用する場合に当該スラリーの流動性が低下する虞がある。なお、前記ブレーン比表面積は、JIS

6206:1997「コンクリート用高炉スラグ微粉末」に準拠して測定する。具体的には、ポロシティーは、0.400から0.700の範囲において、圧縮供試体がブレーン空気透過装置のセルに粉末度測定校正用試料と同程度の圧力で詰められる程度の量となるように試料の質量を計量して測定する。
本発明の固化材において、無水石膏含有焼成物の含有量は、セメント100重量部に対し10〜50重量部が好ましく、15〜25重量部がより好ましい。無水石膏含有焼成物の含有量が10重量部未満または50重量部を超えると、固化材の強度発現性が低下する傾向にある。
本発明の固化材は、更に、高炉スラグ微粉末および/または六価クロムの還元剤を含んでもよい。
高炉スラグ微粉末は、長期強度発現性の更なる向上と六価クロムの溶出抑制のために好適に用いられる。
高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積は、3000〜8000cm/gが好ましく、3500〜6000cm/gがより好ましく、3750〜4250cm/gが更に好ましい。当該ブレーン比表面積が3000cm/g未満では長期強度発現性が低く、当該ブレーン比表面積が8000cm/gを超えると、高炉スラグ微粉末を貯蔵するサイロから高炉スラグ微粉末が落下し難い等のトラブルが生じ易い。
高炉スラグ微粉末の含有量は、セメント100重量部に対し、30〜90重量部が好ましく、40〜70重量部がより好ましい。高炉スラグ微粉末の含有量が30重量部未満では、長期強度発現性の向上効果および六価クロムの溶出抑制効果が低く、高炉スラグ微粉末の含有量が90重量%を超えると、初期・中期の強度発現性が低下する傾向にある。
また、本発明の固化材において、固化処理土からの六価クロムの溶出量を更に低減するために、六価クロムの還元剤を、前記高炉スラグ微粉末に代えて、または前記高炉スラグ微粉末と共に用いることができる。
当該六価クロムの還元剤としては、例えば、硫酸第一鉄およびその1水塩、硫酸第一鉄およびその7水塩、硫酸第一錫、並びにシリコン屑等から選ばれる1種または2種以上が使用できる。硫酸第一鉄およびその1水塩や硫酸第一錫およびその7水塩は、水に易溶であるため、六価クロムの還元性が阻害されない限り特にその粒径は制限されない。また、シリコン屑の粒径は0.1μm〜1mmが好ましい。シリコン屑の粒径が0.1μm未満では粉体の流動性が悪く、シリコン屑の粒径が1mmを超えるとシリコン屑の還元性能が低減する。
硫酸第一鉄の含有量は、セメント100重量部に対し、0.2〜3.0重量部が好ましく、0.5〜2.0重量部がより好ましい。硫酸第一鉄の含有量が0.2重量部未満では六価クロムの還元が不十分になる場合があり、硫酸第一鉄の含有量が3.0重量部を超えても、六価クロムの還元が飽和する傾向にある。
硫酸第一錫の含有量は、セメント100重量部に対し、0.05〜1.0重量部が好ましく、0.1〜0.5重量部がより好ましい。硫酸第一錫の含有量が0.05重量部未満では六価クロムの還元が不十分になる場合があり、硫酸第一錫の含有量が1.0重量部を超えても、六価クロムの還元が飽和する傾向にある。
シリコン屑の含有量は、セメント100重量部に対し、1.0〜10.0重量部が好ましく、2.0〜8.0重量部がより好ましい。シリコン屑の含有量が1.0重量部未満では六価クロムの還元が不十分になる場合があり、シリコン屑の含有量が10.0重量%を超えても、六価クロムの還元が飽和する傾向にある。
本発明の固化材は、無水石膏含有焼成物の粉末と、セメント並びに高炉スラグ微粉末および/または六価クロムの還元剤を調合および混合するか、または、無水石膏含有焼成物のクリンカと、セメント並びに高炉スラグ微粉末および/または六価クロムの還元剤を調合、混合および粉砕して製造することができる。
前記固化材成分の混合装置としては、傾胴ミキサー、オムニミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー、ナウタミキサー、ボールミルまたは強制二軸ミキサー等が使用でき、また、前記固化材成分の粉砕機としては、ボールミル、アトマイザー、ローラーミル、ローラープレス、ジョークラッシャーまたはトップグラインダー等が使用できる。
本発明の固化材の対象土としては、例えば、火山灰質粘性土、シルト、粘性土、有機質粘土、高有機質土、礫質土または砂質土等が挙げられる。前記の対象土に対する本発明の固化材の混合量は対象土に含まれる固化阻害成分の種類および含有量により決まるが、本発明の固化材の混合量は対象土1mに対し50〜400kgが好ましい。
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[無水石膏含有焼成物の製造]
CaO原料として炭酸カルシウム(試薬1級、関東化学社製)、Al原料としてα-アルミナ(試薬1級、関東化学社製)、Fe原料として酸化鉄(試薬1級、関東化学社製)、CaSO原料として二水石膏(試薬1級、関東化学社製)を使用して、表1の調合表に従い、各原料を調合した後、ディスクミルにより混合した。次に、混合した原料を電気炉(製品名:KSL−2、中外エンジニアリング社製)に入れ、温度1000℃で30分焼成して脱炭酸を行い、その後1275℃まで20分かけて昇温させ、更に1275℃で30分焼成することにより、無水石膏含有焼成物a〜pを得た。当該焼成物は1100℃にて電気炉より取り出し、室温まで冷却した後、ディスクミルによりブレーン比表面積が4000±200cm/gになるまで粉砕した。表2に、得られた無水石膏含有焼成物a〜pの無水石膏の含有率、水硬率、珪酸率および鉄率を示した。
[固化材の製造と一軸圧縮強さおよび六価クロム溶出量の測定]
ヘンシルミキサーを用いて、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)100重量部に対し無水石膏含有焼成物a〜pをそれぞれ20重量部混合した固化材A〜P(試験例1〜16)と、普通ポルトランドセメント60重量部および高炉スラグ微粉末(ブレーン比表面積4200cm/g、新日本製鐵君津社製)40重量部に対し無水石膏含有焼成物cを20重量部混合した固化材Q(試験例17)と、普通ポルトランドセメント100重量部に対し無水石膏含有焼成物cを20重量部および硫酸第一鉄1水塩(食品添加用、国産化学社製)を1重量部混合した固化材R(試験例18)と、普通ポルトランドセメント100重量部に対し無水石膏含有焼成物cを20重量部および硫酸第一錫(試薬1級、関東化学社製)を0.5重量部混合した固化材S(試験例19)と、普通ポルトランドセメント100重量部に対し無水石膏含有焼成物cを20重量部およびシリコン屑(平均粒径10μm)を5重量部混合した固化材T(試験例20)を製造した。
次に、前記の各固化材100重量部に水を100重量部添加・混合してスラリーを調製した後、シルト(埼玉県吉川市、含水比51.6%、湿潤密度1.67g/cm)1mに対し、当該スラリーを固化材換算で120kg添加し、ホバートミキサー(A120−T、ホバートジャパン社製)により室温で3分間混練した。
混練後の混合物は、内径50mm、長さ100mmの型枠に入れて、20℃で7日間および28日間、密閉養生して試験体を作成した後、各材齢における試験体の一軸圧縮強さを自動一軸圧縮試験装置(win土質2007、テスコ社製)を用いて測定した。
材齢7日における試験体からの六価クロム溶出試験は、環境庁告示第46号法(平成3年8月23日)に準拠して作成した溶出検液を用いてジフェニルカルバジド吸光光度法(日本分光社製V650DS)により試験体からの六価クロムの溶出量を測定することにより行なった。その結果(試験例1〜20)を表3に示した。
Figure 2011111377
Figure 2011111377
Figure 2011111377
注1)六価クロムの土壌環境基準は、0.05mg/l以下である。
注2)六価クロムの検出限界は、0.02mg/lである。
注3)鉄率が本願請求項1に記載の鉄率より低い無水石膏含有焼成物mは、溶融して塊状になったため、また、鉄率が本願請求項1に記載の鉄率より高い無水石膏含有焼成物pは、クリンカリングせず粉体状のままであったため、試験例13および試験例16において、一軸圧縮強さおよび六価クロム溶出量は測定しなかった。
表3から、本願請求項1に記載の条件を全て満たす無水石膏含有焼成物(焼成物b、c、f、g、j、k、n、o)をそれぞれに含む固化材B、C、F、G、J、K、N、O、Q、R、S、Tを用いた試験体の一軸圧縮強さ(試験例2、3、6、7、10、11、14、15、17〜20)は、材齢7日で295〜417kN/m、および材齢28日で455〜515kN/mであったのに対し、当該条件を全ては満たさない無水石膏含有焼成物(焼成物a、d、e、h、i、l、m、p)を含む固化材A、D、E、H、I、L、M、Pを用いた試験体の一軸圧縮強さ(試験例1、4、5、8、9、12、13、16)は、材齢7日で209〜312kN/mまたは測定不能であり、材齢28日で329〜418kN/mまたは測定不能であった。
これらの結果から、本願請求項1に記載の条件を全て満たす無水石膏含有焼成物を含む固化材を用いた試験体の一軸圧縮強さは、当該条件を全ては満たさない無水石膏含有焼成物を含む固化材を用いた試験体の一軸圧縮強さよりも高いことが分かる。
また、表3から、本願請求項1に記載の条件を満たす無水石膏含有焼成物(焼成物b、c、f、g、j、k、n、o)を含む固化材B、C、F、G、J、K、N、O、Q、R、S、Tを用いた試験体の六価クロム溶出量(試験例2、3、6、7、10、11、14、15、17〜20)は、材齢7日で0.05mg/l以下であって、全ての試験例において六価クロムの土壌環境基準(0.05mg/l以下)を満足した。これに対し、当該条件を全ては満たさない無水石膏含有焼成物(焼成物a、d、e、h、i、l)を含む固化材A、D、E、H、I、Lを用いた試験体の六価クロム溶出量(試験例1、4、5、8、9、12)は、材齢7日で0.05〜0.07mg/lであり、試験例1を除く他の試験例において六価クロム溶出量は土壌環境基準を超過した。また、高炉スラグ微粉末を含有する固化材Qを用いた試験例17、および六価クロムの還元剤を含有する固化材R、S、Tを用いた試験例18〜20において、六価クロム溶出量は検出限界(0.02mg/l)以下となった。
これらの結果から、本願請求項1に記載の条件を全て満たす無水石膏含有焼成物を含む固化材の六価クロム溶出抑制効果は、当該条件を全ては満たさない無水石膏含有焼成物を含む固化材の六価クロム溶出抑制効果よりも高いことが分かる。

Claims (3)

  1. セメントと、水硬率が1.0〜3.5、珪酸率が0.1〜0.8および鉄率が5〜25であって無水石膏を40〜70質量%含有する無水石膏含有焼成物を含むことを特徴とする固化材。
  2. セメント100重量部に対し、前記の無水石膏含有焼成物を10〜50重量部含むことを特徴とする請求項1に記載の固化材。
  3. 更に、高炉スラグ微粉末および/または六価クロムの還元剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の固化材。
JP2009271524A 2009-11-30 2009-11-30 固化材 Pending JP2011111377A (ja)

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