JP2009114011A - セメント添加材及びセメント組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 廃棄物等を原料としたものであって、セメントへの添加量を多くした場合であっても、強度発現性の低下が小さく、かつ水和熱が低く流動性が良好であり、さらに、クロムを含む廃棄物等を原料とした場合であっても、セメント硬化体からの6価クロムの溶出を低減することができるセメント添加材を提供する。
【解決手段】 産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる一種以上を含有する原料を還元雰囲気又は可燃性物質共存下で焼成後、400℃以下になるまで40℃/min以上の冷却速度で冷却して得られる焼成物を粉砕してなるセメント添加材であって、
該焼成物が、2CaO・SiO2及び2CaO・Al2O3・SiO2を必須成分とし、2CaO・SiO2100質量部に対して、2CaO・Al2O3・SiO2+4CaO・Al2O3・Fe2O3を10〜100質量部含有し、かつ、3CaO・Al2O3の含有量が20質量部以下であるセメント添加材。
【選択図】なし

Description

本発明は、セメントの水和熱を低下させ、かつ流動性や強度発現性が良好であり、さらにセメント硬化体からの6価クロムの溶出を低減することができるセメント添加材に関する。
わが国では、経済成長、人口の都市部への集中に伴い、産業廃棄物や一般廃棄物等が急増している。従来、これらの廃棄物の大半は、焼却によって十分の一程度に減容化して埋め立て処分されているが、近年、埋め立て処分場の残余容量が逼迫していることから、新しい廃棄物処理方法の確立が緊急課題になっている。セメント産業では、産業廃棄物や一般廃棄物等を原料として多く使用しており、今後、さらなる使用量の増大が求められている。
しかしながら、産業廃棄物や一般廃棄物は、天然原料に比べAl2O3分に富むため、単純にこれらの使用量を増大すると、セメントクリンカー中の3CaO・Al2O3が増大し、モルタル・コンクリートとして使用した場合に、水和熱の増加、流動性の悪化等を引き起こすという問題が生じる。これに対処するため、産業廃棄物等をより多く原料として使用した焼成物を製造し、これをセメント添加材として使用することが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
これらのセメント添加材は、石炭灰等の廃棄物を原料としたSiO2量が30〜50質量%、CaO量が25〜45質量%、Al2O3が5〜25質量%、f-CaO量が1.0質量%以下の焼結物の粉砕物である(特許文献1)か、SiO2量が50質量%を超え70質量%以下、CaO量が5〜45質量%、Al2O3が5〜45質量%、f-CaO量が1.0質量%以下の焼結物の粉砕物であり(特許文献2)、アノーサイト等のアルミノ珪酸塩鉱物を主体とするもので、2CaO・SiO2等のカルシウムシリケートや、3CaO・Al2O3等のカルシウムアルミネートをほとんど含まないものである。このため、セメントへの添加量が10質量%以上と大きくなると、セメント組成物の強度発現性が極端に低下してしまうため、セメントへの添加量が制限されるという問題があった。
また、産業廃棄物や一般廃棄物等には、微量のクロムが含まれているものがあり、これらを原料としてセメント添加材を製造すると、得られるセメント添加材中に6価クロムが含まれることがある。このようなセメント添加材をセメントに添加して使用した場合、6価クロムが、水質汚染や土壌汚染等を引き起こす可能性がある。
特開2006−219347号公報 特開2006−219348号公報
従って、本発明の目的は、産業廃棄物、一般廃棄物、建設発生土等を原料としたものであって、セメントへの添加量を多くした場合であっても、強度発現性の低下が小さく、かつ水和熱が低く流動性が良好であり、さらに、クロムを含む廃棄物や建設発生土等を原料とした場合であっても、セメント硬化体からの6価クロムの溶出を低減することができるセメント添加材を提供することにある。
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、種々検討した結果、産業廃棄物等を含有する原料を還元雰囲気又は可燃性物質共存下で特定の鉱物組成となるように焼成した後、特定の方法によって冷却した焼成物の粉砕物であれば、セメントへの添加量を多くした場合であっても、セメント組成物の強度発現性の低下が小さく、かつ水和熱が低減され、流動性も良好であること、さらに、クロムを含む廃棄物や建設発生土等を原料とした場合であっても、セメント硬化体からの6価クロムの溶出を低減できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる一種以上を含有する原料を還元雰囲気又は可燃性物質共存下で焼成後、400℃以下になるまで40℃/min以上の冷却速度で冷却して得られる焼成物を粉砕してなるセメント添加材であって、
該焼成物が、2CaO・SiO2及び2CaO・Al2O3・SiO2を必須成分とし、2CaO・SiO2100質量部に対して、2CaO・Al2O3・SiO2+4CaO・Al2O3・Fe2O3を10〜100質量部含有し、かつ、3CaO・Al2O3の含有量が20質量部以下であることを特徴とするセメント添加材を提供するものである。
また、本発明は、セメントに対して、当該セメント添加材を、内割で50質量%以下含有するセメント組成物を提供するものである。
本発明のセメント添加材では、産業廃棄物、一般廃棄物や建設発生土等を原料としたものであって、セメントへの添加量を多くした場合であっても、水和熱が低く、かつ流動性や強度発現性が良好なセメント組成物を得ることができる。また、本発明のセメント添加材では、クロムを含む廃棄物や建設発生土等を原料とした場合であっても、セメント硬化体からの6価クロムの溶出量を低減することができる。
さらに、本発明のセメント添加材は、産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる一種以上を原料として用いるので、廃棄物の有効利用を促進させることができる。
本発明のセメント添加材は、産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる一種以上を含有する原料を還元雰囲気又は可燃性物質共存下で焼成後、400℃以下になるまで40℃/min以上の冷却速度で冷却して得られる焼成物を粉砕してなるものであって、前記焼成物が、2CaO・SiO2及び2CaO・Al2O3・SiO2を必須成分とし、2CaO・SiO2100質量部に対して、2CaO・Al2O3・SiO2+4CaO・Al2O3・Fe2O3を10〜100質量部含有し、かつ、3CaO・Al2O3の含有量が20質量部以下のものである。
本発明で使用する焼成物は、2CaO・SiO2(以降、C2Sと称す)及び2CaO・Al2O3・SiO2(以降、C2ASと称す)を含有するもので、C2S100質量部に対して、C2AS+4CaO・Al2O3・Fe2O3(以降、C4AFと称す)を10〜100質量部、好ましくは15〜90質量部含有するものである。C2AS+C4AF含有量が10重量部未満では、焼成時に焼成温度を上げてもフリーライム量(未反応CaO量)が低下しにくく、焼成が困難になり、また、生成するC2Sも水和活性のないγ型C2Sである可能性が高くなり、セメント組成物の強度を大きく低下させることがある。一方、C2AS+C4AF含有量が100質量部を超えると、高温における融液が増加するため、焼成可能温度が狭まり、またC2Sが少ないため、セメント組成物の初期及び長期強度がともに低下することがある。
なお、本発明においては、C2AS+C4AF質量の70質量%以下がC4AFであるのが好ましい。
C4AF量がこの範囲を超えると、焼成の温度範囲が狭くなり、焼成物の製造の管理が難しくなる。
焼成物は、C2S100質量部に対する3CaO・Al2O3(以降、C3Aと称す)の含有量が20質量部以下、好ましくは10質量部以下である。C3Aの含有量が20質量部を超えると、セメント組成物の水和熱が上昇し、流動性も悪化する。
なお、本発明の焼成物においては、P2O5を0.2〜8.0質量%(より好ましくは0.5〜6.0質量%)、アルカリ(Na2O+K2O)を0.4〜4.0質量%(より好ましくは0.5〜3.5質量%)含有することが好ましい。P2O5やアルカリを前記範囲で含有した場合、セメント組成物の強度発現性や耐久性を増大させることができる。
また、本発明の焼成物においては、フリーライム量は、セメント組成物の強度発現性や流動性等から、1.5質量%以下、特に1.0質量%以下であることが好ましい。
上記焼成物の原料としては、産業廃棄物、一般廃棄物や建設発生土を使用することができる。産業廃棄物としては、例えば生コンスラッジ;下水汚泥、浄水汚泥、建設汚泥、製鉄汚泥等の各種汚泥;建設廃材、コンクリート廃材、ボーリング廃土、各種焼却灰、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰などが挙げられ;一般廃棄物としては、例えば下水汚泥乾粉、都市ごみ焼却灰、貝殻等が挙げられる。また、建設発生土としては、建設現場や工事現場等から発生する土壌や残土、さらには廃土壌等が挙げられる。
また、一般のポルトランドセメントクリンカー原料、例えば、石灰石、生石灰、消石灰等のCaO原料;珪石、粘土等のSiO2原料;粘土等のAl2O3原料;鉄滓、鉄ケーキ等のFe2O3原料を使用することもできる。
なお、上記原料のうち、粘土、鉄滓、産業廃棄物、一般廃棄物、建設発生土にはクロムが含まれるものがある。
焼成物の鉱物組成は、使用原料中のCaO、SiO2、Al2O3、Fe2O3の各含有量(質量%)から、次式により求めることができる。また、得られた焼成物中のCaO、SiO2、Al2O3、Fe2O3の各含有量(質量%)からも、次式により求めることができる。
C4AF=3.04×Fe2O3
C3A=1.61×CaO−3.00×SiO2−2.26×Fe2O3
C2AS=−1.63×CaO+3.04×SiO2+2.69×Al2O3+0.57×Fe2O3
C2S=1.02×CaO+0.95×SiO2−1.69×Al2O3−0.36×Fe2O3
従って、例えば、廃棄物原料や建設発生土中にカルシウム等が不足する場合には、その不足分を調整するために、石灰石等を混合して用いることができる。混合割合は、廃棄物原料の組成に応じて、得られる焼成物の鉱物組成が、本発明の範囲内になるよう、適宜決定すれば良い。
各原料を混合する方法は特に制限されず、慣用の装置等を用いて行うことができる。
焼成物の焼成は、還元雰囲気又は可燃性物質共存下で行う。還元雰囲気又は可燃性物質共存下で焼成を行うことにより、クロムを含む廃棄物や建設発生土等を原料とした場合であっても、焼成物中の6価クロムの生成を抑制することができ、セメント硬化体からの6価クロムの溶出も低減することができる。
焼成物の焼成温度は、好ましくは1000〜1400℃で、より好ましくは1150〜1350℃である。
焼成に用いる装置は特に限定されず、例えばロータリーキルンや電気炉等を用いることができる。ロータリーキルンで焼成する際には、燃料代替廃棄物、例えば廃油、廃タイヤ、廃プラスチック等を使用することができる。
本発明において、還元雰囲気で焼成する方法としては、例えば、焼成に使用する装置(電気炉等)内を一酸化炭素ガス等で置換した後、焼成する方法等が挙げられる。
可燃性物質共存下で焼成する方法としては、例えば、焼成に使用する装置(ロータリーキルンや電気炉等)内に、可燃性物質(コークス、活性炭、廃木材、廃ブラスチック、重油スラッジ、都市ゴミ等の廃棄物を圧縮・固形化した廃棄物固形塊等)を供給する方法等が挙げられる。焼成に使用する装置としてロータリーキルンを使用する場合、可燃性物質は、プレヒーター側、ロータリーキルンの出口側や、ロータリーキルンの途中から供給することができる。
この場合に用いる可燃性物質はロータリーキルン用の主燃料に比べて燃焼速度の遅いもの、あるいは主燃料と同様の燃焼速度を有しかつ主燃料よりも粗い粒の可燃性物質が使用される。
可燃性物質は、焼成物1ton当たり、5〜40kg使用することが好ましく、10〜40kg使用することがより好ましく、12〜40kg使用することが特に好ましい。可燃性物質の量が5kg未満では、還元効果が不十分となり得られる焼成物中に6価クロムが残存し易く、このような焼成物から調製されたセメント添加材をセメントに添加して使用した場合、6価クロムが、水質汚染や土壌汚染等を引き起こす可能性がある。一方、可燃性物質の量が40kgを超えると、焼成物中に未燃焼状態の可燃性物質が多量に残存し、このような焼成物から調製されたセメント添加材をセメントに添加した場合に、その物性や色調等に影響を及ぼす虞がある。
可燃性物質は、粒径が0.1〜5cmのものを使用するのが好ましい。可燃性物質の粒径が小さいと、焼成中の極初期で燃えきってしまうため、十分な還元効果が得られなくなる。一方、粒径が大きいと焼成物中に未燃焼状態の可燃性物質が多量に残存する。
なお、可燃性物質は、原料に混合して用いても良い。この場合、可燃性物質は未燃焼状態で残存しない範囲であれば混合量は多い方が好ましく、粒径も大きいものを使用することができる。
還元雰囲気又は可燃性物質共存下で焼成した焼成物は、400℃以下になるまで40℃/min以上、好ましくは60℃/min以上、より好ましくは100℃/min以上の冷却速度で冷却する。40℃/min以上の冷却速度で冷却した焼成物から調製されたセメント添加材では、セメントへの添加量を多くした場合であっても、強度発現性の低下が小さく、かつ水和熱が低く流動性が良好であり、さらに、クロムを含む廃棄物や建設発生土等を原料とした場合であっても、セメント硬化体からの6価クロムの溶出を低減することができる。
400℃までの冷却速度が遅いと、特にクロムを含む廃棄物や建設発生土等を原料とした場合に、焼成物に含まれるクロムが空気中の酸素により6価クロムに酸化される可能性が高くなり、その結果、セメント添加材中に6価クロムが含まれることがある。このようなセメント添加材をセメントに添加して使用した場合、6価クロムが、水質汚染や土壌汚染等を引き起こす可能性がある。
一方、冷却速度を速くすることによって、本発明における主要な鉱物であるビーライトの活性を高めることが可能であり、セメントへ添加した場合の中長期強度発現性の向上が期待できる。また、焼成物中のアルカリ成分もビーライト中に固定されやすいため、6価クロムとして溶出し易いクロム酸アルカリとしての生成量を抑制することが可能である。
なお、冷却の過程においては、できるだけ焼成時の雰囲気が保たれ非酸化性の状態におかれることが望ましい。
焼成物を40℃/min以上の冷却速度で冷却する方法としては、従来からセメントクリンカーの製造設備で使用されているエアークエンチングクーラーを使用して冷却する方法や、焼成物を水中に投入して冷却する方法、焼成物に散水して冷却する方法等が挙げられる。
本発明では、冷却速度を大きくできることや焼成物表面の酸化が抑制される等から、冷却方法としては、焼成物を水中に投入して冷却する方法又は焼成物に散水して冷却する方法が好ましい。
なお、焼成物の温度が400℃以下になると、焼成物に含まれるクロムが空気中の酸素により6価クロムに酸化される可能性は極めて小さくなるので、400℃以下まで冷却された後の焼成物の冷却速度は、特に限定するものではない。
本発明のセメント添加材は、1)上記冷却後の焼成物を粉砕したもの、2)前記粉砕物100質量部に石膏をSO3換算で6質量部以下含有するもの、である。
焼成物の粉砕方法は特に制限されず、例えばボールミル等を用い、通常の方法で粉砕することができる。焼成物の粉砕物は、ブレーン比表面積が2500〜5000cm2/gであるのが、モルタルやコンクリートのブリーディングの低減や、流動性、強度発現性の観点から好ましい。
焼成物の粉砕物と石膏を含有する上記2)のセメント添加材は、焼成物の粉砕物と石膏を混合して製造してもよいし、焼成物と石膏を同時粉砕して製造してもよい。前者の場合、用いる石膏は、ブレーン比表面積が3000〜8000cm2/gであるのが、モルタルやコンクリートの流動性や、強度発現性の観点から好ましい。後者の場合は、セメント添加材のブレーン比表面積が2500〜5000cm2/gであるのが、モルタルやコンクリートのブリーディングの低減や、流動性、強度発現性の観点から好ましい。
なお、石膏としては、二水石膏、半水石膏、無水石膏等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明のセメント組成物は、上記セメント添加材とセメントを混合することにより得られるものである。セメントとしては、普通ポルトランドセメントや低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや、高炉セメントやフライアッシュセメント等の混合セメント、並びに、石灰石粉末等を混合した石灰石フィラーセメント等を使用することができる。
セメント添加材の添加量は、セメントに対して、内割で50質量%以下が好ましく、廃棄物原料の有効活用や、モルタルやコンクリートのブリーディングの低減、流動性や強度発現性の観点から、2〜40質量%がより好ましく、5〜30質量%が特に好ましい。セメント添加材の添加量が、セメントに対して、内割で50質量%を越えると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
また、本発明のセメント組成物には石膏を配合することができ、セメント組成物中に全SO3換算で1.0〜5.0質量%、特に1.5〜4.0質量%、更に1.8〜3.0質量%配合するのが、一般的な凝結性状が得られるので好ましい。石膏としては、二水石膏、半水石膏、無水石膏等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明のセメント組成物は、セメント添加材とセメントを混合して製造することができるが、その方法は特に制限されず、例えば、ポルトランドセメントクリンカー、焼成物、石膏の配合成分を、混合した後粉砕するか、あるいは各成分を粉砕した後に混合しても良い。また、焼成物又は焼成物と石膏を粉砕して得られたセメント添加材を、セメントクリンカー粉砕物やポルトランドセメントや混合セメントと混合して製造することもできる。得られるセメント組成物は、ブレーン比表面積が2500〜4500cm2/gであることが、モルタルやコンクリートのブリーディングの低減や、流動性、強度発現性の観点から好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
実施例1
(1)焼成物の製造:
原料として、石灰石、石炭灰、下水汚泥及びクロム含有量が多い建設発生土を使用した。
上記材料を所定の配合に混合し、該混合物を小型ロータリーキルン(内径45cm×長さ8.7m)を用いて焼成した、焼成は、1)ロータリーキルン内で最も高温になる位置よりロータリーキルンの出口までの途中で可燃性物質(コークス(粒径3〜10mm))を焼成物100kg当たり1.5kg供給しながら焼成する方法、2)可燃性物質を供給しないで焼成する方法とした。なお、焼成温度は1350℃である。
焼成後の冷却は、焼成物を1100〜1150℃でロータリーキルンから排出し、1)散水することにより7分間で400℃まで冷却(冷却速度:100〜107℃/min)する方法、2)散水しないで25分間で400℃まで冷却(冷却速度:28〜30℃/min)する方法とし、その後常温まで自然冷却した。各焼成物の焼成条件と冷却条件を表1に示す。また、代表して焼成物1の化学組成(JIS R 5202に従って測定)及び計算で算出した鉱物組成を表2に示す。なお、焼成物1のフリーライム量(JCAS I-01に従って測定)は、0.1質量%であった。
Figure 2009114011
Figure 2009114011
(2)焼成物の全クロム量と水溶性6価クロム量の測定
上記の各焼成物を微粉砕したものについて、全クロム量と水溶性6価クロム量を測定した。測定は、JCAS I-51号に従って行った。その結果を表3に示す。
Figure 2009114011
(3)セメント添加材の製造:
上記各焼成物をブレーン比表面積が3200±50cm2/gに粉砕した。該粉砕物100質量部に2水石膏(ブレーン比表面積3600cm2/g)をSO3換算で2質量部含有させたセメント添加材を製造した。
(4)セメント組成物の製造:
上記セメント添加材を、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント製)と混合してセメント組成物を製造した。
(5)試験:
上記セメント組成物を使用して、以下の試験を行った。
(a)水和熱
JIS R 5203に従って測定した。
(b)モルタルフロー
W/C=0.35、S/C=2、セメント組成物に対して0.8質量%のポリカルボン酸系高性能AE減水剤(BASFポゾリス社製レオビルドSP8N)を混合したものを、5分間混練したモルタルについて、JIS R 5201-1997に規定されているフローコーンを用い、JIS R 5201に従って、モルタルフローを測定した。
(c)モルタル圧縮強さ
7日及び28日後のモルタル圧縮強さを、JIS R 5201に従って測定した。
(d)6価クロム溶出量
上記モルタル圧縮強さ試験用供施体(材齢28日)の6価クロム溶出量を環境庁告示第46号に従って測定した。
その結果を表4に示す。
Figure 2009114011
表4より、本発明のセメント添加材を含むセメント組成物では、水和熱が低く、かつ流動性や強度発現性が良好であることがわかる。また、本発明のセメント添加材では、クロムを含む廃棄物や建設発生土等を原料とした場合であっても、セメント硬化体からの6価クロムの溶出量を低減できることがわかる。

Claims (4)

  1. 産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる一種以上を含有する原料を還元雰囲気又は可燃性物質共存下で焼成後、400℃以下になるまで40℃/min以上の冷却速度で冷却して得られる焼成物を粉砕してなるセメント添加材であって、
    該焼成物が、2CaO・SiO2及び2CaO・Al2O3・SiO2を必須成分とし、2CaO・SiO2100質量部に対して、2CaO・Al2O3・SiO2+4CaO・Al2O3・Fe2O3を10〜100質量部含有し、かつ、3CaO・Al2O3の含有量が20質量部以下であることを特徴とするセメント添加材。
  2. 40℃/min以上の冷却速度での冷却を焼成物を水中に投入すること又は焼成物に散水することで行う請求項1記載のセメント添加材。
  3. 請求項1又は2に記載のセメント添加材100質量部に対して、石膏をSO3換算で6質量部以下含有するセメント添加材。
  4. セメントに対して、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント添加材を、内割で50質量%以下含有するセメント組成物。
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